JPH091721A - 自動車用内装材およびその製造方法 - Google Patents

自動車用内装材およびその製造方法

Info

Publication number
JPH091721A
JPH091721A JP7174469A JP17446995A JPH091721A JP H091721 A JPH091721 A JP H091721A JP 7174469 A JP7174469 A JP 7174469A JP 17446995 A JP17446995 A JP 17446995A JP H091721 A JPH091721 A JP H091721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot melt
melt film
base material
curable resin
side hot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7174469A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Higuchi
政信 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoue MTP KK, Inoac Corp filed Critical Inoue MTP KK
Priority to JP7174469A priority Critical patent/JPH091721A/ja
Publication of JPH091721A publication Critical patent/JPH091721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状の戻りを生じ難い自動車用内装材の提供
を目的とする。 【構成】 基材11の一方の面に基材側ホットメルトフ
ィルム21、硬化性樹脂の含浸した補強材31、外面側
ホットメルトフィルム41および表面材51がこの順に
重ねられ、前記基材の他方の面には基材側ホットメルト
フィルム、硬化性樹脂の含浸した補強材、外面側ホット
メルトフィルムおよび裏面材61がこの順に重ねられ
て、前記硬化性樹脂の硬化およびホットメルトフィルム
の溶着により前記基材等の各部材の一体化および形状固
定がなされている自動車用内装材であって、前記基材側
ホットメルトフィルム21に複数の孔22が形成され、
前記補強材に含浸した硬化性樹脂が、前記基材側ホット
メルトフィルムの孔内に浸出し、硬化している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用内装材およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の成形天井材等に用いられ
る内装材として、基材の一方の面に補強材および表面材
がホットメルトフィルムを介して重ねられ、また前記基
材の他方の面に補強材および裏面材がホットメルトフィ
ルムを介して重ねられ、それらの部材が加熱プレス型で
プレスされて一体化および形状賦形されたものがある。
なお、前記補強材には、あらかじめ硬化性樹脂が含浸さ
れる。そして、前記プレス時における加熱によりホット
メルトフィルムが溶融して溶着性を発揮し、それにより
各部材が接着され、また、補強材中の硬化性樹脂が硬化
して、各部材がプレス形状に固定される。
【0003】しかし、前記のようにして製造された内装
材は、プレス後の形状固定が完全ではなく、プレス前の
形状に戻ろうとする性質を少なからず有する。そのた
め、内装材は設計寸法どおりにならず、自動車等への組
み付けが困難となることがあった。
【0004】また、前記各部材は、加熱プレス型のプレ
スにより賦形される際に、変形量が部分的に異なるた
め、ホットメルトフィルムが局部的に強く引っ張られ
る。しかも、その際のホットメルトフィルムは溶融状態
にあるため、強く引っ張られた部分で破れやすい。この
ようにしてホットメルトフィルムが破れた内装材は、そ
の破れによって通気性が増大するため、自動車の天井材
として用いた場合、天井材(内装材)より内側の空間
(車内空間)と天井材より外側の空間(天井材と車体外
板内面間の空間)の温度差あるいは圧力差などにより、
両空間の空気が天井材を通って移動しやすくなる。その
結果、車内のタバコの煙に含まれるヤニなどが天井材
(内装材)の表面に付着し、汚れやすくなる問題があ
る。
【0005】さらに、前記内装材の成形サイクルを速め
るため、硬化性樹脂が含浸した補強材を基材に重ねる前
に、硬化促進剤が噴霧等によって補強材に供給されるこ
とが多い。しかし、その場合には、硬化促進剤が直ちに
補強材内の硬化性樹脂と接触して硬化性樹脂の硬化が開
始される。したがって、プレス前に補強材の形状固定が
始まるため、補強材が加熱プレス型に沿って十分に変形
し難くなくなったり、プレス解除後に内装部材の形状戻
りを一層生じやすくなるなどの不具合を生じやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、形
状の戻りを生じ難い自動車用内装材およびその製造方法
の提供を第一の目的とし、さらにはそれに加えて、車内
のタバコの煙などによる汚れを生じ難い自動車用内装材
およびその製造方法を提供することを第二の目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】まず、自動車用内装材に
ついて第一の目的を達成する発明は、基材の一方の面に
基材側ホットメルトフィルム、硬化性樹脂の含浸した補
強材、外面側ホットメルトフィルムおよび表面材がこの
順に重ねられ、前記基材の他方の面には基材側ホットメ
ルトフィルム、硬化性樹脂の含浸した補強材、外面側ホ
ットメルトフィルムおよび裏面材がこの順に重ねられ
て、前記硬化性樹脂の硬化および各ホットメルトフィル
ムの溶着により前記各部材の一体化および形状固定がな
されている自動車用内装材であって、前記基材側ホット
メルトフィルムには複数の孔が形成され、前記補強材に
含浸した硬化性樹脂が、前記基材側ホットメルトフィル
ムの孔内に浸出し、硬化していることを特徴とする。
【0008】また、自動車用内装材について第二の目的
を達成する発明は、前記表面材または裏面材の少なくと
も一方と補強材との間に位置する外面側ホットメルトフ
ィルムが、中間ホットメルトフィルムとその両側のホッ
トメルトフィルムとよりなる三層構造からなって、前記
中間ホットメルトフィルムが両側ホットメルトフィルム
よりも融点が高く、溶融による破れが殆ど存在しないこ
とを特徴とする。
【0009】一方、自動車用内装材について第一の目的
を達成する発明は、両面に硬化促進剤を塗布した基材の
一方の面に、複数の孔を有する基材側ホットメルトフィ
ルム、硬化性樹脂の含浸した補強材、外面側ホットメル
トフィルムおよび表面材をこの順に重ね、前記基材の他
方の面には複数の孔を有する基材側ホットメルトフィル
ム、硬化性樹脂の含浸した補強材、外面側ホットメルト
フィルムおよび裏面材をこの順に重ね、前記重ねられた
各部材を加熱しながらプレスすることにより、前記各ホ
ットメルトフィルムを溶着させると共に硬化性樹脂を硬
化させて、前記各部材の一体化および形状固定を行なう
ことを特徴とする。
【0010】また、自動車用内装材について第二の目的
を達成する発明は、前記表面材または裏面材の少なくと
も一方と補強材との間に位置する外面側ホットメルトフ
ィルムが、中間ホットメルトフィルムとその両側のホッ
トメルトフィルムとよりなる三層構造からなると共に、
前記中間ホットメルトフィルムが両側ホットメルトフィ
ルムよりも融点が高くてプレス時に溶融せず、一方、前
記両側のホットメルトフィルムが前記プレス時に溶融す
ることを特徴とする。
【0011】
【作用】この発明の内装材は、補強材内に含浸した硬化
性樹脂が、基材と補強材間に位置する基材側ホットメル
トフィルムに形成された孔内に浸出し硬化しているた
め、前記孔部分では硬化性樹脂の硬化によって基材と補
強材が接着されている。しかも、前記孔内の硬化性樹脂
は、前記補強材内の硬化性樹脂から浸出したものである
ため、前記補強材内に残った硬化性樹脂と一体となって
硬化している。したがって、前記補強材と基材とは、そ
の間に存在する基材側ホットメルトフィルムの溶着、前
記孔内に浸出した硬化性樹脂の硬化、さらにはその孔内
の硬化性樹脂と前記補強材内に残った硬化性樹脂との一
体的な硬化により接着一体化されるため、その一体化お
よび形状固定が強固となり、形状の戻りが防止されある
いは少なくなる。
【0012】さらに、前記表面材と裏面材の少なくとも
一方と補強材との間に位置する外面側ホットメルトフィ
ルムが三層からなって、その中間のホットメルトフィル
ムが両側のホットメルトフィルムよりも融点が高く、破
れが殆ど存在しないものからなる場合には、ホットメル
トフィルムの破れによる内装材の通気性増大を防ぐこと
ができる。その結果、車内のタバコの煙などがこの自動
車用内装材に侵入し難くなって、その煙のヤニなどが付
着するのを防止あるいは少なくすることができる。
【0013】一方、この発明の製造方法にあっては、加
熱しながら行なう各部材のプレス時に、前記補強材内の
硬化性樹脂が、その補強材と基材間に位置する基材側ホ
ットメルトフィルムの孔内に浸出し、基材表面の硬化促
進材と接触して、補強材内に残った硬化性樹脂と一体と
なって速やかに硬化する。それにより、前記基材と補強
材との着一体化および形状固定がなされる。また、それ
と共に、前記基材側および外面側ホットメルトフィルム
が溶着性を発揮して、各部材を接着一体化する。そのた
め、各部材の一体化および形状固定が強固になされ、プ
レス解除後の内装材に形状戻りを生じ難くなる。
【0014】しかも、前記各部材が重ねられた後プレス
開始までの間は、補強材が押圧されないため補強材内の
硬化性樹脂が基材側ホットメルトフィルムの孔内にほと
んど浸出せず、しかもその孔以外の部分では基材側ホッ
トメルトフィルムによって基材表面の硬化促進剤との接
触が妨げられている。したがって、プレス開始まで補強
材内の硬化性樹脂はほとんど硬化せず、補強材をプレス
型の型面に沿って十分に変形させることができるので、
プレス解除後における内装部材の形状戻りをより確実に
防ぐことができる。
【0015】さらに、前記表面材または裏面材の少なく
とも一方と補強材との間に位置する外面側ホットメルト
フィルムが三層からなって、その中間のホットメルトフ
ィルムがプレス時に溶融せず、両側のホットメルトフィ
ルムが溶融する場合には、両側ホットメルトフィルムが
溶融して表面材または裏面材と補強材との溶着を行な
う。また、そのプレス時、前記三層の外面側ホットメル
トフィルムが、局部的に強く引っ張られて、溶融状態に
ある両側ホットメルトが破れることがある。しかし前記
中間ホットメルトフィルムは溶融していないため破れ難
く、外面側ホットメルトフィルムに非通気性が保持され
るので、内装材の通気性増大を防止することができる。
【0016】
【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説
明する。図1はこの発明の自動車用内装材の一例を示す
断面図、図2はその部分拡大断面図、図3はさらにその
一部を拡大して示す部分断面図、図4は孔のあいた基材
側ホットメルトフィルムの一例を示す斜視図、図5はこ
の発明の製造方法の一例を示す加熱プレス型等の断面図
である。
【0017】図1ないし図3に示す自動車用内装材は1
0は、天井材として用いられるもので、基材11の一方
の面に、基材側ホットメルトフィルム21、硬化性樹脂
Lの含浸した補強材31、外面側ホットメルトフィルム
41および表面材51がこの順に重ねられ、また、前記
基材11の他方の面に、基材側ホットメルトフィルム2
1、硬化性樹脂Lの含浸した補強材31、外面側ホット
メルトフィルム41および裏面材61がこの順に重ねら
れて、前記基材側ホットメルトフィルム21および外面
側ホットメルトフィルム41の溶着と、前記硬化性樹脂
Lの硬化により、基材11等の各部材の一体化およびそ
の形状固定がなされたものである。
【0018】基材11は、この内装材10に主として剛
性を付与するためのもので、プレスにより変形可能な材
質からなる。その材質としては、硬質または半硬質のポ
リウレタン発泡シート、ポリプロピレン発泡シート、発
泡ポリスチレンボード、発泡ポリエチレンシート、段ボ
ールなどからなる。中でも段ボールからなるものが、軽
量性および剛性等に優れ、好ましい。また、この基材1
1の厚みは、適宜とされるが、通常3〜20mmとされ
る。なお、前記基材11の両面には、後記するようにこ
の内装材10の製造時に硬化促進剤が塗布される。
【0019】基材側ホットメルトフィルム21は、その
溶着により前記基材11と補強材31を一体化するため
のもので、この内装材10を製造する際に加熱しながら
行うプレスにより溶融する材質からなる。特には前記プ
レス時に基材側ホットメルトフィルム21全体が完全に
溶融して破れ易くなるのを防ぐため、融点が10℃以上
異なる二種類の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイが
好適である。例として、前記プレスに用いる加熱プレス
型の温度が135℃の場合、EVA(エチレン酢酸ビニ
ル共重合体)、EAA(エチレンとアクリル酸の共重合
体)、EMA(エチレンとアクリル酸メチルの共重合
体)、EMMA、EMAAとポリオレフィンの共重合
体、またはポリマーアロイなどからなる融点70〜10
0℃の熱可塑性樹脂と、ポリプロピレン、ポリアミド、
PET(ポリエチレンテレフタレート)などからなる融
点110〜200℃の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイ
を挙げる。また、厚みは20〜100μmが好適であ
る。
【0020】前記基材側ホットメルトフィルム21に
は、図4に示すように、複数の孔22が形成されてい
る。この孔22は、後記するように補強材31に含浸し
た硬化性樹脂Lを、内装材10の製造時に孔22内に浸
出させ、前記基材11と接触させた状態で硬化させ、そ
れにより前記基材11と補強材31との接着一体性およ
び形状固定性を高め、また、前記基材11両面の硬化促
進剤と補強材31内の硬化性樹脂Lとの接触を確実に行
なわせるものである。この孔22の数および大きさは適
宜決定されるが、前記接着および形状固定性並びに硬化
性樹脂Lと硬化促進剤との接触性の点から、直径1〜5
mmのものを、2500個〜10000個/m2 程度設
けるのが好ましい。
【0021】補強材31は、前記基材11と共に内装材
10に剛性を付与するためのもので、縦方向の30%モ
ジュラスが60ニュウトン/3cm幅以下、横方向の3
0%モジュラスが20ニュウトン/3cm幅以下のもの
が好ましく、紙、織物、編み物、不織布などが用いられ
る。材質は、紙の他に、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維、炭素
繊維などからなる。特に、ガラス繊維または炭素繊維の
いずれかあるいは両者をその他の繊維に3〜30%混合
したものは、線膨張係数が小さく寸法安定性の高い内装
材が得られるため、好ましい。
【0022】前記補強材31内には、硬化性樹脂Lが含
浸される。この硬化性樹脂Lは、前記基材側ホットメル
トフィルム21の孔22内に浸出し、その孔22内に浸
出した硬化性樹脂Lと補強材31内に残った硬化性樹脂
Lが一体として硬化し、補強材31等の各部材の形状を
固定すると共に、前記基材11と補強材31の接着一体
化を行なうものである。なお、成形時間を短縮するた
め、予めイソシアネート化合物に、1,8−ジアザ−ビ
シクロ(5,4,0)ウンデセンオクチル酸塩、1,8
−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセンPトリル
エンスルホン酸塩、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,
4,0)ウンデセン蟻酸塩等を混入しておくとよい。こ
の硬化性樹脂Lとしては、硬化前の状態が液状からなる
種々のものが用いられ、特にはイソシアネート化合物
が、含浸性および硬化による形状固定性の点で好まし
い。前記イソシアネート化合物としては、4,4’ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、2,4トルエンジイソ
シアネート、2,6トルエンジイソシアネート、パラフ
ェニレンジイソシアネート、メチレンフェニルジイソシ
アネート、2クロル1,4フェニルジイソシアネート、
1,4ナフタレンジイソシアネート、4フェニルジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、Pーフ
ェニレンジイソシアネート、3,3’ジメチル4,4’
ジフェニルイソシアネート、Mフェニレンジイソシアネ
ート、3,3’ジメチル4,4’ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、Mキシレンジイソネート、3,3’ジメ
トキシ4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート等、
またはそれらをポリエステルポリオールあるいはポリエ
ーテルポリオールで変性したもの等がある。なお、これ
らのイソシアネート化合物は、水分の存在下加熱によっ
て硬化する。
【0023】外面側ホットメルトフィルム41は、表面
材51または裏面材61と前記補強材31とを溶着によ
り一体化するためのもので、一層からなるもの、好まし
くは三層からなるものが用いられる。前記外面側ホット
メルトフィルム41が一層からなる場合には、この内装
材製造時に加熱しながら行うプレスによって溶融するも
のとされ、特には、前記基材側ホットメルトフィルム2
1と同様、融点が10℃以上異なる二種の熱可塑性樹脂
のポリマーアロイが好適である。
【0024】また、前記外面側ホットメルトフィルム4
1が、図3に示すように、中間ホットメルトフィルム4
2と、それを挟む両側ホットメルトフィルム43,43
とが接着された三層構造からなる場合には、内装材10
製造時のプレス温度で両側ホットメルトフィルム43,
43のみが溶融し、中間ホットメルトフィルム42が溶
融しないように、中間ホットメルトフィルム42が両側
ホットメルトフィルム43,43の融点よりも高い融点
を有するものとされる。それにより、内装材10製造時
のプレスにより前記中間ホットメルトフィルム42が破
れ難くなり、得られる内装材10には、その表面材51
と補強材31間および裏面材61と補強材31間に、破
れのない中間ホットメルトフィルムが残存し、通気性の
増大が防止または抑えられるため、車内のタバコの煙等
による汚れが内装材10表面に付着しにくくなる。な
お、この三層の外面側ホットメルトフィルム41は、表
面材51または裏面材61のいずれか一方と補強材31
との間にのみ設けてもよいが、表面材51と補強材31
間および裏面材61と補強材31間の両方に設けるの
が、前記通気性増大防止作用が高く、好ましい。
【0025】前記中間ホットメルトフィルム42は、内
装材10製造時のプレスにより溶融しない熱可塑性樹脂
からなるものとされるが、特には前記両側ホットメルト
フィルム43の融点よりも10℃以上高い融点を有する
ものが好ましい。その例として、プレスに用いる加熱プ
レス型の温度が135℃の場合、融点が110〜200
℃のポリプロピレン、ポリアミド、PET、塩化ビニー
ル、塩化ビニリディン等からなるものを挙げる。
【0026】それに対し、前記両側ホットメルトフィル
ム43は、内装材10製造時のプレスにより溶融する熱
可塑性樹脂からなるものとされる。その例として、加熱
プレス型の温度が135℃の場合、融点が70〜100
℃のEVA、EAA、EMAA、EMAAとポリオレフ
ィンの二元共重合体、またはポリマーアロイからなるも
のを挙げる。また、前記外面側ホットメルトフィルム4
1全体の厚みは20〜150μmが好適である。
【0027】表面材51は、内装材10表面の保護およ
び装飾性向上を主目的とするもので、織物、編み物、不
織布、天然あるいは合成皮革、プラスチックレザー等種
々のものが用いられる。
【0028】裏面材61は、内装材10の裏面保護、防
音性向上さらには内装材10が取り付けられる相手面と
内装材10裏面間の擦れ音発生防止のために設けられ
る。この裏面材61としては、フェルト、不織布、紙、
寒冷紗、トリコット等が用いられる。
【0029】次に、前記内装材10の製造方法の一例に
ついて説明する。図5に示すように、所望の内装材形状
に応じた型面を有する加熱プレス型71の下型72と上
型73間に、前記基材11等の各部材を配置する。その
際、前記基材11の一側では、基材側ホットメルトフィ
ルム21、硬化性樹脂の含浸した補強材31、外面側ホ
ットメルトフィルム41および表面材51が基材11に
重ねられた状態とされ、また基材11の他側では、基材
側ホットメルトフィルム21、硬化性樹脂の含浸した補
強材31、外面側ホットメルトフィルム41および裏面
材61が基材11に重ねられた状態とされる。
【0030】前記基材11の両面には、基材側ホットメ
ルトフィルム21を重ねる前に、補強材31内の前記硬
化性樹脂Lに対する硬化促進剤が塗布される。この硬化
促進剤は、補強材31に含浸した硬化性樹脂の硬化を促
進させるためのもので、ジエタノールアミンの5〜10
%水溶液、トリエチレンジアミンの5〜10%水溶液
等、適宜のものが用いられる。
【0031】また、前記基材側ホットメルトフィルム2
1、補強材31および外面側ホットメルトフィルム41
は、あらかじめ硬化性樹脂を含浸させた補強材31の両
面に積層して一体としておき、その状態で基材11の両
側に配置してもよい。
【0032】この製造方法一例において用いた各部材を
次にまとめて示す。 基材11 :厚さ5mm、重量300g/m2 の段ボー
ル 硬化促進剤:水90重量部とジエタノールアミン10重
量部とよりなる水溶液を基材11の両面に100g/m
2 塗布。 基材側ホットメルトフィルム21:材質は融点70〜1
00℃のEVAと融点110〜200℃のポリプロピレ
ンとのポリマーアロイ、厚さは20μm、孔は直径10
mm、200個/m2 補強材31:ポリエステル繊維90%と炭素繊維10%
からなる不織布 硬化性樹脂:4,4’ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)、補強材に対する含浸量100g/m2 外面側ホットメルトフィルム41:融点110〜200
℃のポリプロピレン製中間ホットメルトフィルムと、融
点70〜100℃のEAA樹脂製両側ホットメルトフィ
ルムとからなる全体厚さ20μmの三層構造 表面材51:目付け量180g/m2 のポリエステル繊
維織物物 裏面材61:目付け量30g/m2 のナイロン繊維不織
【0033】そして、前記加熱プレス型71の下型72
と上型73により前記基材11等の各部材をプレスし、
加熱プレス型71の型面形状に賦形するとともに、加熱
プレス型71の熱により加熱する。その際の加熱プレス
型71の温度は、用いる各部材の材質等によって異なる
が、この実施例では135℃とし、またプレス時間を9
0秒とした。
【0034】前記プレスにより補強材31が圧縮され
て、補強材31内の硬化性樹脂が基材側ホットメルトフ
ィルム21の孔22に浸出し、基材11両面の硬化促進
剤と接触する。しかも硬化性樹脂は加熱プレス型71の
熱で加熱されるため、補強材31内の硬化性樹脂および
前記孔22内に浸出した硬化性樹脂が直ちに硬化を開始
し、その孔22部分で基材11と補強材31を接着す
る。また、前記加熱によって補強材31中の硬化促進剤
が蒸発し、前記孔22を介して補強材31内に侵入する
ため、それによっても硬化性樹脂と硬化促進剤が接触
し、速やかに硬化性樹脂の硬化が開始される。
【0035】さらに、前記加熱により基材側ホットメル
トフィルム21および外面側ホットメルトフィルム41
が溶融して溶着性を発揮し、前記基材11、補強材3
1、表面材51および裏面材61を一体化する。なお、
前記外面側ホットメルトフィルム41が中間ホットメル
トフィルム42と両側ホットメルトフィルム43からな
るこの実施例においては、両側ホットメルトフィルム4
3のみ溶融し、中間ホットメルトフィルム42は溶融す
ることがない。また、前記プレスによる各部材の賦形時
に、外面側ホットメルトフィルム41に局部的な強い引
っ張りを生じても、外面側ホットメルトフィルム41で
は中間ホットメルトフィルムが溶融してないため破れ難
い。
【0036】そして、前記硬化性樹脂の硬化と、基材側
ホットメルトフィルム21および外面側ホットメルトフ
ィルム41の溶着により、前記基材11等の各部材が強
固に一体化され、また加熱プレス型71の型面形状に確
実に固定される。その後、加熱プレス型71を開けて成
形品をとりだせば、前記図1に示した内装材10が得ら
れる。
【0037】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
自動車用内装材によれば、補強材に含浸した硬化性樹脂
が、基材と補強材間に存在する基材側ホットメルトフィ
ルムに形成した孔内に浸出して補強材内に残存した硬化
性樹脂と一体に硬化しているため、補強材と基材との接
着性および形状固定性が高く、形状の戻りを生じ難い効
果がある。
【0038】さらに、この発明の自動車用内装材におい
て、外面側ホットメルトフィルムを三層構造としたもの
にあっては、そのホットメルトフィルムの破れによる通
気性増大を防止でき、車内のタバコの煙等による汚れを
生じ難くできる。
【0039】また、この発明の自動車用内装材の製造方
法によれば、形状の戻りを生じ難い内装材を容易に得る
ことができる。さらに、外面側ホットメルトフィルムを
三層構造とした場合には、タバコの煙等による汚れを生
じ難い内装材を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動車用内装材の一例を示す斜視図
である。
【図2】同実施例の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】同実施例の一部をさらに拡大して示す断面図で
ある。
【図4】同実施例における基材側ホットメルトフィルム
の斜視図である。
【図5】この発明の自動車用内装材の製造方法の一例を
示す加熱プレス型等の断面図である。
【符号の説明】
11 基材 21 基材側ホットメルトフィルム 22 孔 31 補強材 41 外面側ホットメルトフィルム 42 中間ホットメルトフィルム 43 両側ホットメルトフィルム 51 表面材 61 裏面材 71 加熱プレス型

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に基材側ホットメルトフ
    ィルム、硬化性樹脂の含浸した補強材、外面側ホットメ
    ルトフィルムおよび表面材がこの順に重ねられ、前記基
    材の他方の面には基材側ホットメルトフィルム、硬化性
    樹脂の含浸した補強材、外面側ホットメルトフィルムお
    よび裏面材がこの順に重ねられて、前記硬化性樹脂の硬
    化および各ホットメルトフィルムの溶着により前記各部
    材の一体化および形状固定がなされている自動車用内装
    材であって、 前記基材側ホットメルトフィルムには複数の孔が形成さ
    れ、前記補強材に含浸した硬化性樹脂が、前記基材側ホ
    ットメルトフィルムの孔内に浸出し、硬化していること
    を特徴とする自動車用内装材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、表面材または裏面材
    の少なくとも一方と補強材との間に位置する外面側ホッ
    トメルトフィルムが、中間ホットメルトフィルムとその
    両側のホットメルトフィルムとよりなる三層構造からな
    って、前記中間ホットメルトフィルムが両側ホットメル
    トフィルムよりも融点が高く、溶融による破れが殆ど存
    在しないことを特徴とする自動車用内装材。
  3. 【請求項3】 両面に硬化促進剤を塗布した基材の一方
    の面に、複数の孔を有する基材側ホットメルトフィル
    ム、硬化性樹脂の含浸した補強材、外面側ホットメルト
    フィルムおよび表面材をこの順に重ね、 前記基材の他方の面には複数の孔を有する基材側ホット
    メルトフィルム、硬化性樹脂の含浸した補強材、外面側
    ホットメルトフィルムおよび裏面材をこの順に重ね、 前記重ねられた各部材を加熱しながらプレスすることに
    より、前記各ホットメルトフィルムを溶着させると共に
    硬化性樹脂を硬化させて、前記各部材の一体化および形
    状固定を行なうことを特徴とする自動車用内装材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、表面材または裏面材
    の少なくとも一方と補強材との間に位置する外面側ホッ
    トメルトフィルムが、中間ホットメルトフィルムとその
    両側のホットメルトフィルムとよりなる三層構造からな
    ると共に、前記中間ホットメルトフィルムが両側ホット
    メルトフィルムよりも融点が高くてプレス時に溶融せ
    ず、一方、前記両側のホットメルトフィルムが前記プレ
    ス時に溶融することを特徴とする自動車用内装材の製造
    方法。
JP7174469A 1995-06-15 1995-06-15 自動車用内装材およびその製造方法 Pending JPH091721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7174469A JPH091721A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 自動車用内装材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7174469A JPH091721A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 自動車用内装材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH091721A true JPH091721A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15979033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7174469A Pending JPH091721A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 自動車用内装材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH091721A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106934A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Shigeru Co Ltd ホットメルト接着シート、車両用内装品及び車両用内装品の製造方法
JP2015063019A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 倉敷紡績株式会社 熱可塑性積層シート及びその製造方法
JP2016203944A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 三和工業株式会社 車両の成形天井材及びその成形天井材を使用した車両のルーフ構造
JP2017534521A (ja) * 2014-10-30 2017-11-24 オートニアム マネジメント アクチエンゲゼルシャフトAutoneum Management AG 自動車用繊維被覆材
KR20200029132A (ko) * 2018-09-10 2020-03-18 삼우티시에스 주식회사 자동차용 내/외장재

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106934A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Shigeru Co Ltd ホットメルト接着シート、車両用内装品及び車両用内装品の製造方法
JP2015063019A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 倉敷紡績株式会社 熱可塑性積層シート及びその製造方法
JP2017534521A (ja) * 2014-10-30 2017-11-24 オートニアム マネジメント アクチエンゲゼルシャフトAutoneum Management AG 自動車用繊維被覆材
JP2022063271A (ja) * 2014-10-30 2022-04-21 オートニアム マネジメント アクチエンゲゼルシャフト 自動車用繊維被覆材
JP2016203944A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 三和工業株式会社 車両の成形天井材及びその成形天井材を使用した車両のルーフ構造
KR20200029132A (ko) * 2018-09-10 2020-03-18 삼우티시에스 주식회사 자동차용 내/외장재

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5947868B2 (ja) 軽量性多層複合基材及びその製造方法
US6702914B2 (en) Method for fabricating non-fiberglass sound absorbing moldable thermoplastic structure
KR20060134097A (ko) 복합재 성분
KR100862308B1 (ko) 다층구조의 자동차용 천정재
US20070099524A1 (en) Composite for a Panel Facing
US20160347024A1 (en) Material composition for the production of a stiffening member for lightweight construction, method for producing a stiffening member for lightweight construction and stiffening member for lightweight construction
JP2009520107A5 (ja)
US20040235376A1 (en) Vehicle interior trim component containing carbon fibers and method of manufacturing the same
US20040235378A1 (en) Vehicle interior trim component of basalt fibers and thermosetting resin and method of manufacturing the same
US20180093463A1 (en) Composite material and method of manufacturing vehicle interior material using the same
JP2010036582A (ja) バックモールドされた(back−molded)プラスチック部分の製造方法
JPH091721A (ja) 自動車用内装材およびその製造方法
JP2002046545A (ja) 車両用成形天井材及びその製造方法
US20040235377A1 (en) Vehicle interior trim component of basalt fibers and polypropylene binder and method of manufacturing the same
JP2632297B2 (ja) 積層体及びその製造方法
JPH07229049A (ja) 再生プラスチックを用いた合成ファイバ材料部材
CN112810263B (zh) 一种用于车辆内饰件的复合材料及其制造方法
JP6391443B2 (ja) 車両用成形天井
JP2002028997A (ja) 表皮材付き板状発泡成形体
JP2000210910A (ja) 自動車用内装基材
JP2000313096A (ja) 多層成形品およびその製造方法
JP4767378B2 (ja) 車両用内装品の製造方法
US20050217112A1 (en) Steering wheel
WO1996019338A1 (en) Method and mold for producing an affixation member with an interengaging fastening member and article obtained thereby
JP4963169B2 (ja) ホットメルト接着シート、車両用内装品及び車両用内装品の製造方法