JPH09171838A - アルカリ蓄電池の活性化法 - Google Patents
アルカリ蓄電池の活性化法Info
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- JPH09171838A JPH09171838A JP7349277A JP34927795A JPH09171838A JP H09171838 A JPH09171838 A JP H09171838A JP 7349277 A JP7349277 A JP 7349277A JP 34927795 A JP34927795 A JP 34927795A JP H09171838 A JPH09171838 A JP H09171838A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コバルト又は/及びコバルト化合物を添加さ
れたニッケル極を正極として具備したアルカリ蓄電池に
おける該ニッケル極に添加したコバルト又は/及びコバ
ルト化合物の利用率の向上とこれらに伴うニッケル極の
膨潤の抑制、電池のサイクル寿命の向上をもたらすアル
カリ蓄電池の活性化法。 【解決手段】 コバルト又は/及びコバルト化合物を添
加したニッケル極を具備したアルカリ蓄電池を初充電
後、該添加剤の溶出する電圧まで放電し、その溶出電圧
下に所定時間放置し、次で充電する。
れたニッケル極を正極として具備したアルカリ蓄電池に
おける該ニッケル極に添加したコバルト又は/及びコバ
ルト化合物の利用率の向上とこれらに伴うニッケル極の
膨潤の抑制、電池のサイクル寿命の向上をもたらすアル
カリ蓄電池の活性化法。 【解決手段】 コバルト又は/及びコバルト化合物を添
加したニッケル極を具備したアルカリ蓄電池を初充電
後、該添加剤の溶出する電圧まで放電し、その溶出電圧
下に所定時間放置し、次で充電する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−水素化
物電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電
池、ニッケル−鉄電池などのアルカリ蓄電池の活性化法
に関する。
物電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電
池、ニッケル−鉄電池などのアルカリ蓄電池の活性化法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ蓄電池の活性化法におい
て、ニッケル極として正極活物質である水酸化ニッケル
に対する利用率向上のため、コバルト又は/及びコバル
ト化合物の粉末を添加したものが提案されている。即
ち、特に、従来のペースト式ニッケル極では、正極活物
質の高密度充填が得られるが、これに伴い、充放電サイ
クルにより、過充電時に生成するγタイプのオキシ水酸
化ニッケル(γ−NiOOH)に起因するニッケル極膨
潤、膨潤による液枯れ、缶の膨らみなどの電池の信頼性
を低下する問題を生じ、これを抑制するために、正極に
コバルト又はコバルト化合物を添加することにより、過
充電時のγ−NiOOHの生成を抑制し、膨潤し難いペ
ースト式ニッケル極が提案されている。更に詳細には、
該コバルト又はコバルト化合物は、アルカリ電解液の水
酸イオンと徐々に反応して、コバルト錯イオン[Co
(OH)4 ]2-を形成して溶出し、該コバルト錯イオン
は、初充電時にニッケル極内で酸化されCoOOHとな
り、活物質粒子表面に電析し、活物質粒子間の導電剤と
して作用し、また酸素過電圧に影響を与える等の効果を
発揮し、このような働きによりニッケル極内で過充電時
にγ−NiOOHの生成を抑制するように作用する。
て、ニッケル極として正極活物質である水酸化ニッケル
に対する利用率向上のため、コバルト又は/及びコバル
ト化合物の粉末を添加したものが提案されている。即
ち、特に、従来のペースト式ニッケル極では、正極活物
質の高密度充填が得られるが、これに伴い、充放電サイ
クルにより、過充電時に生成するγタイプのオキシ水酸
化ニッケル(γ−NiOOH)に起因するニッケル極膨
潤、膨潤による液枯れ、缶の膨らみなどの電池の信頼性
を低下する問題を生じ、これを抑制するために、正極に
コバルト又はコバルト化合物を添加することにより、過
充電時のγ−NiOOHの生成を抑制し、膨潤し難いペ
ースト式ニッケル極が提案されている。更に詳細には、
該コバルト又はコバルト化合物は、アルカリ電解液の水
酸イオンと徐々に反応して、コバルト錯イオン[Co
(OH)4 ]2-を形成して溶出し、該コバルト錯イオン
は、初充電時にニッケル極内で酸化されCoOOHとな
り、活物質粒子表面に電析し、活物質粒子間の導電剤と
して作用し、また酸素過電圧に影響を与える等の効果を
発揮し、このような働きによりニッケル極内で過充電時
にγ−NiOOHの生成を抑制するように作用する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、コバルト
又はコバルト化合物は、アルカリ電解液と化学的に反応
し、コバルト錯イオンを形成して溶出する反応速度は遅
い。この反応速度を高めるために温度を上昇させたり、
長時間放置することが考えられるが、初充電前の蓄電池
では電池内の負極は未活性なので、該負極に吸収されな
い電解液中の溶存酸素によりコバルト化合物、即ち、2
価の水酸化コバルト又は酸化コバルトは、アルカリ電解
液と反応し、更に酸化し、高次の不溶性の四三酸化コバ
ルトCo3O4 を形成する一方、同時に溶解生成したコ
バルト錯体も溶存酸素により、Co3 O4 となるので、
以後の溶解を止めてしまい、添加したコバルト又はコバ
ルト化合物の添加剤としての利用率が低下したり、無駄
となってしまう。一方、金属コバルトは、アルカリ電解
液のOH- イオンと反応して、0価から2価へ酸化され
て水酸化コバルトを形成し、以後は前記コバルト化合物
と同様の挙動を示し、ニッケル極の膨脹抑制効果が不充
分で、その添加効果を高めることができなかった。
又はコバルト化合物は、アルカリ電解液と化学的に反応
し、コバルト錯イオンを形成して溶出する反応速度は遅
い。この反応速度を高めるために温度を上昇させたり、
長時間放置することが考えられるが、初充電前の蓄電池
では電池内の負極は未活性なので、該負極に吸収されな
い電解液中の溶存酸素によりコバルト化合物、即ち、2
価の水酸化コバルト又は酸化コバルトは、アルカリ電解
液と反応し、更に酸化し、高次の不溶性の四三酸化コバ
ルトCo3O4 を形成する一方、同時に溶解生成したコ
バルト錯体も溶存酸素により、Co3 O4 となるので、
以後の溶解を止めてしまい、添加したコバルト又はコバ
ルト化合物の添加剤としての利用率が低下したり、無駄
となってしまう。一方、金属コバルトは、アルカリ電解
液のOH- イオンと反応して、0価から2価へ酸化され
て水酸化コバルトを形成し、以後は前記コバルト化合物
と同様の挙動を示し、ニッケル極の膨脹抑制効果が不充
分で、その添加効果を高めることができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解決し、過充電時にγ−NiOOH生成の抑制効果
をもたらし、正極の膨潤を抑制効果を向上したアルカリ
蓄電池の活性化法を提供するもので、コバルト又は/及
びコバルト化合物の粉末を添加して成る水酸化ニッケル
正極と負極と正,負極間のセパレータとアルカリ電解液
を具備したアルカリ蓄電池を初充電後、該コバルト又は
/及びコバルト化合物の溶出電圧まで放電し、その溶出
電圧下で所定時間放置し、その後充電を行うことを特徴
とする。
題を解決し、過充電時にγ−NiOOH生成の抑制効果
をもたらし、正極の膨潤を抑制効果を向上したアルカリ
蓄電池の活性化法を提供するもので、コバルト又は/及
びコバルト化合物の粉末を添加して成る水酸化ニッケル
正極と負極と正,負極間のセパレータとアルカリ電解液
を具備したアルカリ蓄電池を初充電後、該コバルト又は
/及びコバルト化合物の溶出電圧まで放電し、その溶出
電圧下で所定時間放置し、その後充電を行うことを特徴
とする。
【0005】
【作用】該初充電により、ニッケル極中のコバルト又は
/及びコバルト化合物を3価以上のオキシ水酸化コバル
トなどの不溶性のコバルト酸化物に変化させ、同時に、
負極はアルカリ電解液中の溶存酸素を吸収させ、電解液
中の溶存酸素量を減少させる。次に、電圧をオキシ水酸
化コバルトが電気化学的に下記式1の反応でコバルト錯
イオンとなり、溶出する電圧まで降下させる。
/及びコバルト化合物を3価以上のオキシ水酸化コバル
トなどの不溶性のコバルト酸化物に変化させ、同時に、
負極はアルカリ電解液中の溶存酸素を吸収させ、電解液
中の溶存酸素量を減少させる。次に、電圧をオキシ水酸
化コバルトが電気化学的に下記式1の反応でコバルト錯
イオンとなり、溶出する電圧まで降下させる。
【0006】
【式1】CoOOH+H2 O+OH- +e- →[Co
(OH)4 ]2-
(OH)4 ]2-
【0007】かくして、生成溶出したコバルト錯イオン
は、電解液中の溶存酸素量が極めて少ないので、不溶性
の四三酸化物にならないで安定した状態でニッケル極の
水酸化ニッケル活物質の粒子間に均一に分散介在する状
態となる。この溶出電圧下で所定時間放置する。その
後、充電を行うことにより、そのコバルト錯イオンは不
溶性のCoOOHとなって水酸化ニッケル活物質の表面
やその近傍に析出し、CoOOHのコーティング層が生
成される。かくして、このコーティング層は、爾後の蓄
電池の充放電の繰り返しにおいて、その過充電時のγ−
NiOOHの生成を抑制し、ニッケル極の膨潤を抑制す
るべく作用し、コバルト添加剤の添加効果を高めること
ができる。
は、電解液中の溶存酸素量が極めて少ないので、不溶性
の四三酸化物にならないで安定した状態でニッケル極の
水酸化ニッケル活物質の粒子間に均一に分散介在する状
態となる。この溶出電圧下で所定時間放置する。その
後、充電を行うことにより、そのコバルト錯イオンは不
溶性のCoOOHとなって水酸化ニッケル活物質の表面
やその近傍に析出し、CoOOHのコーティング層が生
成される。かくして、このコーティング層は、爾後の蓄
電池の充放電の繰り返しにおいて、その過充電時のγ−
NiOOHの生成を抑制し、ニッケル極の膨潤を抑制す
るべく作用し、コバルト添加剤の添加効果を高めること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、水酸化ニッケルを正極
活物質とする正極と負極と正,負極間のセパレータとア
ルカリ電解液を具備したアルカリ蓄電池であれば、その
いずれにも適用されるが、特に、ニッケル極として、発
泡ニッケル基板やニッケルフェルトなどの集電用多孔基
板に、水酸化ニッケル活物質粉末、好ましくは、コバル
トや亜鉛を固溶した水酸化ニッケル活物質粉末にコバル
ト即ち金属コバルトやコバルト化合物、即ち、一般に
は、2価の水酸化コバルト又は酸化コバルト又はこれら
の混合添加剤を適量添加し、これをCMCなどの糊剤水
溶液で混練しペーストとした活物質合剤ペーストを充填
し、乾燥したものが膨潤が抑制されたニッケル極として
好ましく使用され、高容量のアルカリ蓄電池を製造す
る。この電池には、勿論、公知のアルカリ電解液を注入
し、封口したものである。添加された金属コバルトは、
通常、アルカリ電解液中のOH- イオンと反応して表面
が酸化を受けて2価の水酸化コバルトとなっている。
活物質とする正極と負極と正,負極間のセパレータとア
ルカリ電解液を具備したアルカリ蓄電池であれば、その
いずれにも適用されるが、特に、ニッケル極として、発
泡ニッケル基板やニッケルフェルトなどの集電用多孔基
板に、水酸化ニッケル活物質粉末、好ましくは、コバル
トや亜鉛を固溶した水酸化ニッケル活物質粉末にコバル
ト即ち金属コバルトやコバルト化合物、即ち、一般に
は、2価の水酸化コバルト又は酸化コバルト又はこれら
の混合添加剤を適量添加し、これをCMCなどの糊剤水
溶液で混練しペーストとした活物質合剤ペーストを充填
し、乾燥したものが膨潤が抑制されたニッケル極として
好ましく使用され、高容量のアルカリ蓄電池を製造す
る。この電池には、勿論、公知のアルカリ電解液を注入
し、封口したものである。添加された金属コバルトは、
通常、アルカリ電解液中のOH- イオンと反応して表面
が酸化を受けて2価の水酸化コバルトとなっている。
【0009】本発明によれば、該アルカリ蓄電池は、例
えば、上記の封口により電池の組立てを終了後、一般に
室温で1〜2時間放置されるが、その後、所望の充電率
で例えば0.2Cの電流で150%の初充電を行う。か
くするときは、正極中のコバルト又はコバルト化合物を
オキシ水酸化コバルトに変化する。次で、例えば0.2
Cの電流で放電して1.2Vの電圧をオキシ水酸化コバ
ルトが電解液と反応し、コバルト錯イオンとなり溶出す
る電圧1V又はそれ以下の溶出電圧まで降下させた後、
この状態で放置する。一般に、オキシ水酸化コバルト
は、標準水素電極に対して約−0.2〜−0.3付近に
溶出電位をもち、ニッケル−カドミウムやニッケル−水
素化物電池などのアルカリ蓄電池とした場合、1V以下
に溶出電圧をもつ。該溶出は、時間の経過と共にまた温
度の上昇と共に多くなるが、その溶出を早め、作業能率
を向上させるためには、40℃〜90℃の範囲が好まし
い。90℃以上では、ニッケル極などの内部部材に熱変
質を生ずるので、90℃までとする。
えば、上記の封口により電池の組立てを終了後、一般に
室温で1〜2時間放置されるが、その後、所望の充電率
で例えば0.2Cの電流で150%の初充電を行う。か
くするときは、正極中のコバルト又はコバルト化合物を
オキシ水酸化コバルトに変化する。次で、例えば0.2
Cの電流で放電して1.2Vの電圧をオキシ水酸化コバ
ルトが電解液と反応し、コバルト錯イオンとなり溶出す
る電圧1V又はそれ以下の溶出電圧まで降下させた後、
この状態で放置する。一般に、オキシ水酸化コバルト
は、標準水素電極に対して約−0.2〜−0.3付近に
溶出電位をもち、ニッケル−カドミウムやニッケル−水
素化物電池などのアルカリ蓄電池とした場合、1V以下
に溶出電圧をもつ。該溶出は、時間の経過と共にまた温
度の上昇と共に多くなるが、その溶出を早め、作業能率
を向上させるためには、40℃〜90℃の範囲が好まし
い。90℃以上では、ニッケル極などの内部部材に熱変
質を生ずるので、90℃までとする。
【0010】放置は、蓄電池の通常の放置状態、即ち、
その正,負極端子間を開路した状態で行う場合と正,負
極端子間を抵抗を介在させて接続した抵抗短絡状態で行
う場合がある。
その正,負極端子間を開路した状態で行う場合と正,負
極端子間を抵抗を介在させて接続した抵抗短絡状態で行
う場合がある。
【0011】開路状態で放置する場合の放置時間は、1
Vまで放電後、周囲の温度により異なるが、室温以上
で、好ましくは、40℃〜90℃で適当な時間放置する
ことでコバルト又は/及びコバルト化合物の適度の溶出
が行われる。抵抗短絡状態で放置する場合の放置時間
は、室温で、比較的短い時間で1Vまで放電後、抵抗短
絡状態としたとき、殆ど電圧のない状態となり、室温で
1〜24時間放置すると、コバルト又は/及びコバルト
化合物の適度の溶出が行われる。
Vまで放電後、周囲の温度により異なるが、室温以上
で、好ましくは、40℃〜90℃で適当な時間放置する
ことでコバルト又は/及びコバルト化合物の適度の溶出
が行われる。抵抗短絡状態で放置する場合の放置時間
は、室温で、比較的短い時間で1Vまで放電後、抵抗短
絡状態としたとき、殆ど電圧のない状態となり、室温で
1〜24時間放置すると、コバルト又は/及びコバルト
化合物の適度の溶出が行われる。
【0012】かくして、溶出電圧に所定時間放置したと
きは、コバルト錯イオンは、ニッケル極内の水酸化ニッ
ケル活物質全体に均一に拡散される。かくして、この状
態から、蓄電池を例えば0.2Cの電流で150%充電
し、該コバルト錯イオンをオキシ水酸化物NiOOHと
して水酸化ニッケル粒子の表面を被覆し、また並びに粒
子間に介在するそのコーティング層を形成する。かくし
て、このように活性化したニッケル極を備えたアルカリ
蓄電池は、過充電時のγ−NiOOHの生成が抑制さ
れ、ニッケル極の膨潤が抑制され、添加効果の向上が認
められた。
きは、コバルト錯イオンは、ニッケル極内の水酸化ニッ
ケル活物質全体に均一に拡散される。かくして、この状
態から、蓄電池を例えば0.2Cの電流で150%充電
し、該コバルト錯イオンをオキシ水酸化物NiOOHと
して水酸化ニッケル粒子の表面を被覆し、また並びに粒
子間に介在するそのコーティング層を形成する。かくし
て、このように活性化したニッケル極を備えたアルカリ
蓄電池は、過充電時のγ−NiOOHの生成が抑制さ
れ、ニッケル極の膨潤が抑制され、添加効果の向上が認
められた。
【0013】
【実施例】次に、本発明の更に具体的な実施例につき詳
述する。 [実施例1]亜鉛を5%、コバルトを1%固溶した水酸
化ニッケル粉末95重量部と水酸化コバルト粉末5重量
部に、1%カルボキシメチルセルロース水溶液を全粉末
重量に対して20%に相当する量を投入し、混合撹拌し
て正極活物質ペースト合剤を調製した。このペースト合
剤を発泡ニッケル基板に充填し、乾燥、圧延、裁断して
ペースト式ニッケル極を作製した。このニッケル極と市
販のAB5 系水素吸蔵合金を用いた負極、親水化したポ
リオレフィン不織布のセパレータ、KOHを主体とした
比重1.30の電解液を用いて公称容量1200mAh
のAAサイズのニッケル−水素化物電池を多数作製し
た。各電池は電解液を注液後、直ちに封口を行った後、
室温で封口後、2時間放置した後、0.2Cの電流で1
50%の初充電を行った。初充電後、電圧1.2Vをも
つ電池を、0.2Cの電流で1Vまで放電させた。次
に、このように電圧を降下させた多数の電池を60℃の
恒温槽に収容し、5日、10日、15日、20日、25
日と時間を異にさせて放置した。また、放置後の電圧
は、上記の放置日数に対応して夫々0.99V、0.9
5V、0.65V、0.51V、0.45Vであった。
次に、夫々の電池を0.2Cの電流で150%充電し
た。夫々の電池を夫々A,B,C,D,Eとする。尚、
従来例として、上記のニッケル−水素化物電池を封口
後、60℃で3時間放置した後0.2Cの電流で150
%の初充電を行った。次で0.2Cの電流で1Vまで放
電した後直ちに0.2Cの電流で充電した。この電池を
電池A′とする。
述する。 [実施例1]亜鉛を5%、コバルトを1%固溶した水酸
化ニッケル粉末95重量部と水酸化コバルト粉末5重量
部に、1%カルボキシメチルセルロース水溶液を全粉末
重量に対して20%に相当する量を投入し、混合撹拌し
て正極活物質ペースト合剤を調製した。このペースト合
剤を発泡ニッケル基板に充填し、乾燥、圧延、裁断して
ペースト式ニッケル極を作製した。このニッケル極と市
販のAB5 系水素吸蔵合金を用いた負極、親水化したポ
リオレフィン不織布のセパレータ、KOHを主体とした
比重1.30の電解液を用いて公称容量1200mAh
のAAサイズのニッケル−水素化物電池を多数作製し
た。各電池は電解液を注液後、直ちに封口を行った後、
室温で封口後、2時間放置した後、0.2Cの電流で1
50%の初充電を行った。初充電後、電圧1.2Vをも
つ電池を、0.2Cの電流で1Vまで放電させた。次
に、このように電圧を降下させた多数の電池を60℃の
恒温槽に収容し、5日、10日、15日、20日、25
日と時間を異にさせて放置した。また、放置後の電圧
は、上記の放置日数に対応して夫々0.99V、0.9
5V、0.65V、0.51V、0.45Vであった。
次に、夫々の電池を0.2Cの電流で150%充電し
た。夫々の電池を夫々A,B,C,D,Eとする。尚、
従来例として、上記のニッケル−水素化物電池を封口
後、60℃で3時間放置した後0.2Cの電流で150
%の初充電を行った。次で0.2Cの電流で1Vまで放
電した後直ちに0.2Cの電流で充電した。この電池を
電池A′とする。
【0014】これらの電池(電圧1.2V)について、
容量試験を実施した。該試験は、各電池を一旦0.2C
の電流で1Vまで放電した後、0.1Cの電流で150
%充電し、1時間の休止後、0.2Cの電流で1Vまで
放電した。その結果を下記表1に示す。
容量試験を実施した。該試験は、各電池を一旦0.2C
の電流で1Vまで放電した後、0.1Cの電流で150
%充電し、1時間の休止後、0.2Cの電流で1Vまで
放電した。その結果を下記表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】[実施例2]実施例1に従って、0.2C
で1Vまで放電した夫々の電池を、正,負極端子間の開
路を開いた放電に代え、両極端子間を5Ωの抵抗を介し
て接続した短絡状態で、2時間、5時間、12時間、2
4時間、36時間、48時間放置した。その放電後の電
圧は、夫々0.035V、0.020V、0.0085
V、0.0023V、0.0010V、0.00074
Vであった。放電後、0.2Cの電流で150%充電し
た。これらの電池をG,H,I,J,K,Lとした。
で1Vまで放電した夫々の電池を、正,負極端子間の開
路を開いた放電に代え、両極端子間を5Ωの抵抗を介し
て接続した短絡状態で、2時間、5時間、12時間、2
4時間、36時間、48時間放置した。その放電後の電
圧は、夫々0.035V、0.020V、0.0085
V、0.0023V、0.0010V、0.00074
Vであった。放電後、0.2Cの電流で150%充電し
た。これらの電池をG,H,I,J,K,Lとした。
【0017】これらの電池(電圧1.2V)について、
前記の[実施例1]と同条件で容量試験を行った。その
結果を下記表2に示す。
前記の[実施例1]と同条件で容量試験を行った。その
結果を下記表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】以上から明らかなように、本発明で処理さ
れた電池は、従来法で処理された電池より、電池容量の
増大をもたらした。
れた電池は、従来法で処理された電池より、電池容量の
増大をもたらした。
【0020】次に、電池A,B,C,D,E,A′,
G,H,I,J,K,Lにつき、その過充電時に生成す
るニッケル極内のγ−NiOOHについて、次のように
試験し、測定した。即ち、夫々の電池を1Cの電流で2
00%充電後、電池からニッケル極を取り出し、真空乾
燥、粉砕、分級(200メッシュのタイラー篩通過)し
て、活物質のX線回折パターンを測定し、回折角が2θ
=12.7°付近に見られるγ−NiOOHの(00
3)面ピーク高さと2θ=19.2°付近に見られるβ
−NiOOHの(001)面ピーク高さを測り、ピーク
高さの合計に占めるγ−NiOOHの(003)面ピー
ク高さの割合を算出して、この値を全NiOOHに対す
るγ−NiOOHの比率とした。下記表3にその測定結
果を示す。
G,H,I,J,K,Lにつき、その過充電時に生成す
るニッケル極内のγ−NiOOHについて、次のように
試験し、測定した。即ち、夫々の電池を1Cの電流で2
00%充電後、電池からニッケル極を取り出し、真空乾
燥、粉砕、分級(200メッシュのタイラー篩通過)し
て、活物質のX線回折パターンを測定し、回折角が2θ
=12.7°付近に見られるγ−NiOOHの(00
3)面ピーク高さと2θ=19.2°付近に見られるβ
−NiOOHの(001)面ピーク高さを測り、ピーク
高さの合計に占めるγ−NiOOHの(003)面ピー
ク高さの割合を算出して、この値を全NiOOHに対す
るγ−NiOOHの比率とした。下記表3にその測定結
果を示す。
【0021】
【表3】
【0022】上記表3から明らかなように、放置時間が
長い程γ−NiOOH生成量が少なくなり、遂には生成
しないことが判る。
長い程γ−NiOOH生成量が少なくなり、遂には生成
しないことが判る。
【0023】更に、これらの電池につき、サイクル寿命
試験を行った。即ち、充電は1Cで−ΔV方式により充
電時の電池電圧がピーク値から−10mVだけ下がった
時点まで行い完全に充電し、放電は1Cで電池電圧が1
Vに達するまで行った。1サイクル目の容量を100%
とした時の500サイクル目の容量維持率を測定した。
その結果を下記表4に示す。
試験を行った。即ち、充電は1Cで−ΔV方式により充
電時の電池電圧がピーク値から−10mVだけ下がった
時点まで行い完全に充電し、放電は1Cで電池電圧が1
Vに達するまで行った。1サイクル目の容量を100%
とした時の500サイクル目の容量維持率を測定した。
その結果を下記表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】このように、本発明の方法で処理した電池
は、従来法で処理した電池に比し、容量維持率の著しい
向上が認められた。
は、従来法で処理した電池に比し、容量維持率の著しい
向上が認められた。
【0026】試験後の解体調査の結果、容量維持率の低
い電池A′は、明らかにγ−NiOOHの生成が原因と
思われるニッケル極の膨潤とセパレータの液枯れが観察
された。
い電池A′は、明らかにγ−NiOOHの生成が原因と
思われるニッケル極の膨潤とセパレータの液枯れが観察
された。
【0027】上記の実施例では、コバルト系添加物とし
て、水酸化コバルト粉末を添加したが、酸化コバルト、
金属コバルト或いはこれらの混合物の添加でも、上記実
施例と同様に上記の効果をもたらす。
て、水酸化コバルト粉末を添加したが、酸化コバルト、
金属コバルト或いはこれらの混合物の添加でも、上記実
施例と同様に上記の効果をもたらす。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、コバル
ト又は/及びコバルト化合物の粉末を添加されたニッケ
ル極を正極として具備したアルカリ蓄電池を初充電した
後、該添加剤の溶出する電圧まで放電し、その状態で放
置することにより、該添加剤をコバルト錯イオンとして
ニッケル極中に均一に分散でき、次の充電により、正極
活物質粒子の表面に均一にCoOOHのコーティング被
膜を形成でき、これにより使用中の充放電サイクルの過
程で、過充電時に生成するγ−NiOOHの生成を抑制
でき、ニッケル極の膨脹を抑制することができるなど添
加剤の利用率の向上、これに伴う電池容量、サイクル寿
命の向上をもたらす。
ト又は/及びコバルト化合物の粉末を添加されたニッケ
ル極を正極として具備したアルカリ蓄電池を初充電した
後、該添加剤の溶出する電圧まで放電し、その状態で放
置することにより、該添加剤をコバルト錯イオンとして
ニッケル極中に均一に分散でき、次の充電により、正極
活物質粒子の表面に均一にCoOOHのコーティング被
膜を形成でき、これにより使用中の充放電サイクルの過
程で、過充電時に生成するγ−NiOOHの生成を抑制
でき、ニッケル極の膨脹を抑制することができるなど添
加剤の利用率の向上、これに伴う電池容量、サイクル寿
命の向上をもたらす。
Claims (5)
- 【請求項1】 コバルト又は/及びコバルト化合物の粉
末を添加して成る水酸化ニッケル正極と負極と正,負極
間のセパレータとアルカリ電解液を具備したアルカリ蓄
電池を初充電後、該コバルト又は/及びコバルト化合物
の溶出電圧まで放電し、その溶出電圧下で所定時間放置
し、その後充電を行うことを特徴とするアルカリ蓄電池
の活性化法。 - 【請求項2】 該放置は、正,負極端子間の開路状態で
の或いは抵抗短絡状態での放置である請求項1記載のア
ルカリ蓄電池の活性化法。 - 【請求項3】 該溶出電圧は1V以下である請求項1記
載のアルカリ蓄電池の活性化法。 - 【請求項4】 溶出電圧下での放置は、正,負極端子間
の開路状態での放置の場合は40〜90℃で行う請求項
1又は3記載のアルカリ蓄電池の活性化法。 - 【請求項5】 溶出電圧下での放置は、抵抗短絡状態で
の放置の場合は室温で2時間乃至48時間行う請求項1
又は3記載のアルカリ蓄電池の活性化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7349277A JPH09171838A (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | アルカリ蓄電池の活性化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7349277A JPH09171838A (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | アルカリ蓄電池の活性化法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09171838A true JPH09171838A (ja) | 1997-06-30 |
Family
ID=18402681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7349277A Pending JPH09171838A (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | アルカリ蓄電池の活性化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09171838A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014026951A (ja) * | 2011-08-23 | 2014-02-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | 亜鉛負極合剤及び該亜鉛負極合剤を使用した電池 |
JP2021002464A (ja) * | 2019-06-21 | 2021-01-07 | プライムアースEvエナジー株式会社 | ニッケル水素二次電池の製造方法 |
-
1995
- 1995-12-20 JP JP7349277A patent/JPH09171838A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014026951A (ja) * | 2011-08-23 | 2014-02-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | 亜鉛負極合剤及び該亜鉛負極合剤を使用した電池 |
JP2021002464A (ja) * | 2019-06-21 | 2021-01-07 | プライムアースEvエナジー株式会社 | ニッケル水素二次電池の製造方法 |
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