JPH09171791A - 走査形電子顕微鏡 - Google Patents
走査形電子顕微鏡Info
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Landscapes
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
Abstract
査像を得ることの出来る走査形電子顕微鏡を提供するこ
とを目的としている。 【解決手段】対物レンズ8の電子ビーム通路に加速円筒
9を配置し、一次電子ビームの後段加速電圧10を印加
する。また、試料12に重畳電圧13を印加して加速円
筒9と試料12の間に一次電子ビームに対する減速電界
を形成する。試料12から発生された二次電子や反射電
子等の二次信号23は、試料直前の電界(減速電界)で
加速円筒9内に吸引され、加速円筒9より上方に配置さ
れた二次電子検出器により検出される。
Description
に電子ビームを走査することで試料表面の形状あるいは
組成等を表す二次元の走査像を得る走査形電子顕微鏡に
関し、特に低加速電圧領域で分解能の高い走査像を得る
のに好適な走査形電子顕微鏡に関する。
出形の電子源から放出された電子を加速し、静電又は磁
界レンズで細い電子ビーム(一次電子ビーム)とし、こ
の一次電子ビームを走査偏向器を用いて観察する試料上
に走査し、一次電子ビーム照射で試料から二次的に発生
する二次電子又は反射電子等の二次信号を検出し、検出
信号強度を一次電子ビーム走査と同期して走査されてい
るブラウン管の輝度変調入力とすることで二次元の走査
像を得る。一般の走査形電子顕微鏡では、負電位を印加
した電子源と接地電位にある陽極間で電子源から放出さ
れた電子を加速し、接地電位にある検査試料に電子ビー
ムを走査している。
セス又は完成後の検査(例えば電子ビームによる寸法測
定や電気的動作の検査)に使われるようになった結果、
絶縁物を帯電なしに観察できる1000ボルト以下の低
加速電圧で10nm以下の高分解能が要求されるように
なってきた。
解能化を阻害している要因は、電子源から放出される電
子ビームのエネルギーのバラツキを原因とする色収差に
よる電子ビームのぼけである。低加速電圧の走査形電子
顕微鏡では、この色収差によるぼけを小さくするため、
放出される電子ビームのエネルギーのバラツキの小さい
電界放出形の電子源が主に用いられている。しかし、電
界放出形の電子源をもってしても、500ボルトでの空
間分解能は10〜15nmが限界で、ユーザの要求を満
たせないものとなっている。
位にある陽極間での一次電子ビームの加速は最終の加速
電圧より高い電圧値に設定し、接地電位にある対物レン
ズと負電位を印加された検査試料の間で一次電子を減速
することで最終の低加速電圧へ設定する方法がある(参
照:アイ・トリプルイー,第9回アニュアルシンポジュ
ウム オン エレクトロン イオン アンド レーザ
テクノロジーのプロシーデング,176〜186頁,IE
EE 9th Annual Symposium on Electron, Ionand Laser
Technology)。
いるが、試料に高電圧が印加されているため、二次電子
が減速電界で鏡体内に引き込まれ検出することが困難で
あること、絶縁性の高い試料ステージを必要とすること
から、市販装置に採用された例はほとんどない。
対するブレイクスルーを提供するものである。本発明で
は、対物レンズと試料との間に印加された電界で対物レ
ンズの開口内に吸引された二次電子又は反射電子等の二
次信号を対物レンズを通過した後に検出する手段を設け
ることで二次信号検出の問題を解決し、また、対物レン
ズ通路に後段加速手段を設けることで試料に印加する負
電位を実用可能な値にまで低下させ、市販装置に採用で
きる構造としたものである。
ら発生した一次電子ビームを試料上に走査する走査偏向
器と、一次電子ビームを収束する対物レンズと、一次電
子ビームの照射により試料から発生する二次信号を検出
する二次信号検出器とを含み、試料の二次元走査像を得
る走査形電子顕微鏡において、対物レンズの電子ビーム
通路に配置された加速円筒と、加速円筒に一次電子ビー
ムの後段加速電圧を印加する手段と、加速円筒と試料の
間に一次電子ビームに対する減速電界を形成する手段と
を備え、二次信号検出器を加速円筒より電子源側の位置
に配置したことを特徴とする。
検出が困難であった問題,試料に電圧が高い電位が印加
されることに起因する取扱いの問題を解決することがで
き、低加速電圧の領域において色収差を軽減した走査形
電子顕微鏡を実現することができる。
させる開口を有する導電性の反射板と、前記反射板で発
生した二次電子を吸引する吸引手段と、吸引した二次電
子を検出する検出手段を含むことができる。吸引手段は
電界とこれに直交する磁界で作り、電界による一次電子
ビームの偏向を磁界によって打ち消すようにすることが
できる。この方式の二次信号検出法は、加速円筒を設け
ない場合、又は加速円筒を0V(接地電位)とした場合
にも適用可能である。
させる開口を有するマルチチャンネルプレートで構成し
てもよいし、一次電子ビームを通過させる開口を有する
蛍光体と螢光体の発光を検出する光検出器で構成しても
よい。
走査偏向器の間、走査偏向器と電子源の間のいずれか一
方又はその両方とすることができる。2箇所に二次信号
検出器を設けた場合には、そのいずれか一方の検出信号
を用いて走査像を形成することもできるし、2つの検出
器の検出信号を演算して走査像を形成することもでき
る。いずれの方法によって走査像を形成するかは、走査
像倍率又は予め与えられた観察条件に応じて自動的に選
択するようにしてもよい。この2個の二次信号検出器を
用いる方式も、加速円筒が設けられていない場合、又は
加速円筒を0V(接地電位)とした場合に適用可能であ
る。
と磁界偏向を組合せることで、一次電子ビームに対して
は所望の偏向を与えるが試料側から吸引された二次信号
に対しては偏向を与えないようにすることができる。こ
の静電偏向と磁界偏向を組合せる偏向方法は、加速円筒
が設けられていない場合にも適用できる。
に印加する電子銃電圧の比、及び試料に印加する電圧と
電子源に印加する電子銃電圧の比を一定に保ちながら後
段加速電圧及び試料印加電圧を制御すると、試料から発
生した二次信号のクロスオーバー点を一定位置に維持す
ることが可能である。
速円筒と試料の間に形成される静電レンズのレンズ中心
を一致させることで、減速電界によって形成される静電
レンズ作用による走査像の歪をなくすことができる。
ら電気的に絶縁し、それに後段加速電圧を印加すること
で上磁極に加速円筒を兼用させると、前記磁界レンズと
静電レンズの中心を一致させることが容易になる。
顕微鏡の実施例の概略図である。電界放出陰極1と引出
電極2との間に引出電圧3を印加すると、放出電子4が
放出される。放出電子4は、引出電極2と接地電位にあ
る陽極5の間でさらに加速(減速の場合もある)され
る。陽極5を通過した電子ビームのエネルギー(加速電
圧)は電子銃加速電圧6と一致する。本発明では、この
陽極5を通過した一次電子ビーム7を、さらに対物レン
ズ8を貫通して設けられた加速円筒9で後段加速する。
対物レンズ8内を通過するときの電子ビームのエネルギ
ーは、電子銃加速電圧6と加速円筒9に印加される後段
加速電圧10の和になる。この後段加速された一次電子
ビーム11を試料12に印加した負の重畳電圧13で減
速し、所望の加速電圧にする。この方法の実質の加速電
圧は後段加速電圧10に関係なく、電子銃加速電圧6と
重畳電圧13の差になる。
デンサレンズ14,上走査偏向器15,下走査偏向器1
6で走査偏向を受けた後、対物レンズ8の通路に設けら
れた加速円筒9でさらに後段加速電圧10の加速を受け
る。後段加速された一次電子ビーム11は、対物レンズ
8で試料12上に細く絞られる。対物レンズ8を通過し
た一次電子ビーム11は、対物レンズ8と試料12間に
作られた減速電界17で減速され、試料12に到達す
る。
るときの一次電子の加速電圧は、最終的な加速電圧より
も高くなっている。この結果、最終的な加速電圧の一次
電子ビームを対物レンズ8に通す場合に比較すると、対
物レンズでの色収差が減少し、より細い電子ビーム(高
分解能)が得られる。対物レンズ8の一次電子ビームの
開き角は、コンデンサレンズ14の下方に置かれた絞り
18で決められる。絞り18のセンタリングは調整つま
み19で行う。図では機械的な調節を行っているが、絞
り18の前後に静電又は磁界偏向器を設け、電子ビーム
を偏向させて調整してもよい。
上走査偏向器15と下走査偏向器16で試料12上を走
査されるが、このとき上走査偏向器15と下走査偏向器
16の偏向方向と強度は、走査した電子ビームが常に対
物レンズ8の中央を通るように調整されている。試料1
2は重畳電圧13が印加された試料ホルダ20の上に固
定されている。試料ホルダ20は絶縁台21を介して試
料ステージ22に載せられ、水平位置の調整が可能にな
っている。
ことで二次電子23が発生する。対物レンズ8と試料1
2間に作られた減速電界17は二次電子23に対しては
加速電界として働くため、対物レンズ8の通路内に吸引
され、対物レンズ8の磁界でレンズ作用を受けながら昇
っていく。対物レンズ8内を通過した二次電子23は対
物レンズ8と下走査偏向器16の間に置かれた吸引電極
24の横方向電界で吸引され、吸引電極24のメッシュ
を透過した後、10kV(正電位)が印加されたシンチ
レータ25で加速され、シンチレータ25を光らせる。
発光した光はライトガイド26で光電子増倍管27に導
かれ電気信号に変換される。光電子増倍管27の出力は
さらに増幅され、ブラウン管(図示せず)の輝度変調入
力になる。
4,絞り18,対物レンズ8を通過するときの電子ビー
ムの加速電圧は最終のエネルギーよりも高いことであ
り、特に色収差を支配する対物レンズ8を通過するとき
は更に後段加速が加わっていることである。典型的な例
では、電子銃加速電圧:1000ボルト,後段加速電
圧:1000ボルト,試料12への負の重畳電圧:50
0ボルトで、実質の加速電圧:500ボルトである。対
物レンズ8を通過するときは2000ボルトになってい
るため色収差は約50%に減少し、加速電圧を500ボ
ルトとした場合には15nmであったビーム径(分解
能)が、7nmに改善される。
極24で電子通路外に取り出して検出していた。この方
法は重畳電圧13が高くなると二次電子23のエネルギ
ーが高くなるため、それに相応して吸引電極24に与え
る電圧を高くする必要がある。その結果、一次電子ビー
ム(陽極5を通過した一次電子ビーム7)をも偏向して
しまう問題が生じる。
の問題を解決し、高効率の検出を可能にする。本実施例
では、電子線通路に中央孔28のある反射板29を設け
る。反射板は、金,銀,白金等、電子照射によって二次
電子を発生しやすい材料が表面にコーティングされてい
る。陽極5を通過した一次電子ビーム7は反射板29の
中央孔28を通過した後、加速円筒9に入る。中央孔2
8の径は、走査偏向器15,16で偏向した電子ビーム
が反射板29に衝突しない大きさに設定される。試料1
2で発生し重畳電圧13で加速された二次電子23は、
対物レンズ8のレンズ作用で発散しながら加速円筒9を
通過し、反射板29の裏面に衝突する。二次電子と軌道
は異なるが、試料12で発生した反射電子も同様に反射
板29の裏面に衝突する。
は吸引電極24の電界で吸引され、図1と同様にシンチ
レータ25,ライトガイド26,光電子増幅管27を経
て電気信号に変換される。この方式の特長は、試料に印
加する重畳電圧13が高く二次電子23の加速が高くな
っても、検出しているのは加速を受けていない反射板2
9で作られた二次電子30であるため、吸引電極24に
与える電圧が低くてよいことである。そのため、吸引電
極24の発生する電界が陽極5を通過した一次電子ビー
ム7に与える影響を小さくすることができる。ここでは
吸引された二次電子の検出にシンチレータ25を用いた
が、チャンネルプレートやマルチチャンネルプレート等
の電子検出増幅器を用いてもよい。
0を吸引する電界Eと直交して磁界Bを印加した例であ
る。この構造にすると、前述した吸引電界Eによる一次
電子ビームの偏向を補正することができる。すなわち、
陽極5を通過した一次電子ビーム7の偏向を磁界Bによ
る偏向で補正する。ここで31′,31″は吸引電界を
作る電界偏向電極で、31″は二次電子30が透過でき
るようにメッシュになっている。32′,32″は直交
磁場偏向コイルである(磁界Bを発生するコイル3
2′,32″は、図にはシンボリックに表示してあ
る)。この直交磁場偏向コイル32′,32″が作る磁
界Bは電界Eと直交し、磁界Bの強さは加速された電子
ビーム7が受ける電界Eによる偏向を打ち消すように調
整されている。この実施例では直交磁場偏向コイル32
を一組としているが、直交磁場偏向コイルを角度を持っ
て配置された二組とすれば、各組のコイルに流す電流等
を調整することによって電界との直交度を厳密に調整す
ることができる。直交磁場偏向コイル32を二組とする
代わりに電界偏向電極を二組として電界の方向を調整し
ても、電界と磁界の直交度を厳密に調整することが可能
であることは言うまでもない。
用いる二次信号検出法は、加速円筒9が設けられていな
い場合、あるいは加速円筒9を接地した場合にも有効に
動作する。
5の上方に設けた実施例を示す。図では二次信号検出器
が上走査偏向器15と絞り18の間に設けられている。
図2と同様に反射板29に中央孔28が設けられている
が、ここでは一次電子ビームはまだ走査偏向をされてい
ないため、中央孔28の大きさは最小一次電子ビームの
開口角を制限する絞り18と同じ径であっても良い。図
の実施例では、絞り18の下方に直径0.1mm の中央孔
28を持った反射板29が設置されている。絞り18と
反射板29を共用することも可能である。
場合には、その中央孔28の径は偏向した電子ビームが
衝突しない大きさに設定されていた。中央孔28の大き
さを典型的な例で比較すると、下方に設置した場合は3
〜4mmの大きさが必要であるが、上方に設置した場合に
は0.1mm 以下でよい。このように、反射板を走査偏向
器の上方に設置すると反射板の中央孔を充分小さくでき
ることから、二次電子の反射板による捕獲効率が向上す
る。
8の磁極ギャップ内に置かれている。この配置は対物レ
ンズ8の色収差係数を小さくするもので、より高分解能
を追及する形状である。試料ステージ22も対物レンズ
8内に設けられる。
に二次信号検出器を設けた実施例である。上走査偏向器
15の上に上検出器33が、下走査偏向器16と加速円
筒9の間に下検出器34が設けられている。上検出器3
3及び下検出器34は、図3及び図4に示すように、そ
れぞれ反射板29a,29b,電界偏向電極31a,3
1b,直交磁界偏向コイル32a,32b,シンチレー
タ25a,25b,ライトガイド26a,26b,光電
子増倍管27a,27bを備える。
9bの中央孔28bを通り抜けた二次電子又は反射電子
を上検出器33で検出することができる。上検出器33
で検出される二次信号は試料12から垂直方向に出射し
た二次電子と反射電子を多く含むことから、下検出器3
4とはコントラストの異なった像が得られる。例えば、
半導体素子の製造プロセスにおけるコンタクトホールの
検査において、下検出器34を用いると周囲からコンタ
クトホールの部分を強調した像が得られ、上検出器33
を用いるとコンタクトホールの底部の精細な像が得られ
る。また、両検出器33,34の信号を演算することに
より試料の特徴を強調したコントラストを作ることも可
能である。
かは、操作者の選択で行うこともできるが、予め決めら
れた条件で自動的に選択するようにしても良い。例えば
観察倍率が2000倍以下では下検出器34を選択し、
それより高い倍率では上検出器33を選択する。また、
観察する試料によって選択するようにしても良い。この
場合には、観察する試料の種類を装置に入力する等の手
続きを行う。例えば、半導体素子のコンタクトホールの
観察が入力された場合には、ホール内部を強調する上検
出器33を自動的に選択し、表面のレジストを観察する
場合には下検出器34を選択する。
て、加速円筒9を除去、あるいは加速円筒9を接地して
も、その効果は大きく、十分実用的である。
を用いて二次信号を検出する実施例である。マルチチャ
ンネルプレート35は円板状で、一次電子ビームを通す
中央孔28が設けられている。また、マルチチャンネル
プレート35の下方にはメッシュ37が設けられ、接地
されている。このような構成において、陽極5を通過し
た一次電子ビーム7はマイクロチャンネルプレートの中
央孔28を通過した後、対物レンズで収束されて試料に
照射される。試料で発生した二次電子23は、メッシュ
37を通過してチャンネルプレート35に入射する。チ
ャンネルプレート35に入射した二次電子23は、チャ
ンネルプレート35の両端に印加された増幅電圧38で
加速,増幅される。増幅された電子39はアノード電圧
40でさらに加速されてアノード41に捕獲される。捕
獲された二次電子信号は増幅器42で増幅された後、光
変換回路43で光信号44に変換される。光信号44に
変換するのは、増幅器42がチャンネルプレート本体3
5の増幅電圧38でフローテングになっているためであ
る。光信号44は接地電位の電気変換回路45で再び電
気信号に変換され、走査像の輝度変調信号として利用さ
れる。
分割として二次電子23の放出方向の情報を得ることも
可能である。この場合、増幅器42,光変換回路43,
電気変換回路45が分割に相当する数だけ必要であるこ
と、分割された信号を演算する信号処理が行われること
はいうまでもない。
次信号を検出する実施例である。図7において単結晶シ
ンチレータ46は、例えば円柱状のYAG単結晶を斜め
に切断し、その切断面に一次電子ビームを通過させるた
めの開口部47を設けたものであり、その先端部には金
属又はカーボン等の導電性薄膜48がコーティングさ
れ、導電性薄膜48は接地されている。試料12から発
生した二次電子23がシンチレータ46を照射すること
で発光した光は、斜め部分で反射し、円柱の部分が構成
するライトガイドで光電子増倍管27に導かれ検出,増
幅される。なお、本実施例ではシンチレータ46の発光
部とライトガイドを共にYAG単結晶により構成するも
のとして説明したが、二次電子を検出する発光部のみを
YAG単結晶あるいは螢光体とし、ライトガイドをガラ
スや樹脂などの透明体で構成するようにしても良い。
制御法について述べる。二次信号(例えば二次電子)2
3は対物レンズ8の磁場内を通過するためレンズ作用を
受け、二次電子のクロスオーバ49が作られる。もし、
レンズ作用で二次電子がシンチレータ46の開口47に
焦点を結ぶと、ほとんどの二次電子が開口47を通過し
てしまい検出できなくなる。そこで焦点を反射板前後に
結ぶように調整し、検出効率を上げている。実施例で
は、加速電圧(実質の加速電圧)を変えたときに二次電
子の焦点位置を変化させないように、後段加速電圧、試
料に印加する重畳電圧を制御している。
流す電流をI、コイルの巻数をN、レンズ磁界を通過す
るときの電子の加速電圧をVとして、変数I・N/V1/
2 の関数である。一次電子がレンズ磁界を通過するとき
の加速電圧は、Voを電子銃加速電圧、Vbを加速円筒
に印加する後段加速電圧とするとき、(Vo+Vb)であ
る。試料位置(焦点距離)が一定であることから、I・
N/(Vo+Vb)1/2は常に一定値(=a)になる。二
次電子がレンズ磁界を通過するときの加速電圧は、試料
に印加する重畳電圧をVrとするとき、(Vr+Vb)
で、変数I・N/V1/2は次式で表される。
れば、二次電子の焦点位置は一定になる。すなわち、V
r/Vo,Vb/Vo比を一定として後段加速電圧Vb
及び試料の重畳電圧Vrを制御すれば、加速電圧(実質
の加速電圧)に依存することなく二次電子の焦点位置を
一定に制御できる。
る制御電極を付加した例である。対物レンズ8と試料1
2の間に制御電極36が設けられ、これに制御電圧50
が印加されている。この制御電極36には電子ビームが
通過する孔が開いている。この制御電極36で、加速円
筒9と試料12の間で試料12の表面に加わる電界強度
を制御する。この構成は、試料に強い電界が印加される
と不都合な場合に有効である。例えば、半導体集積回路
の形成されたウェーハの強電界による素子破損の問題が
ある場合である。
場合の試料ホルダ20との電気的非接触の問題に有効で
ある。より具体的には試料(ウェーハ)の側面,裏面が
絶縁体で覆われてしまうような場合、レターディングの
ための電気的な接続をすることが出来ない。また試料
(ウェーハ)12は、試料ホルダ20と対物レンズ8の
間で作られた電界中にあり、制御電極がない場合、試料
ホルダ20に印加した重畳電圧13と接地電位にある対
物レンズ8の中間の電位しか印加されないため、正常な
観察が出来なくなるからである。
印加された試料ホルダ20の電位と同電位あるいは試料
ホルダ20より数十ボルト正電位とすることで、素子の
破損やウェーハが試料ホルダ20の電位から浮いてしま
うことを防ぐことができる。この場合、制御電極36が
常に試料(ウェーハ)を覆うような充分な大きさにす
る。
す図である。
が通過する開口59を持った制御電極60を設け、該制
御電極60に試料ホルダ20に印加する重畳電圧13と
同一の電圧を印加する。試料ホルダ20と同一電位の制
御電極60を試料(ウェーハ)12上に設置すると、ウェ
ーハは同一電位の金属で囲まれることになり、該ウェー
ハは囲んでいる金属の電位と同電位になる。厳密には陽
極5を通過した一次電子ビーム7を通す開口59からの
電界の侵入が金属の電位との誤差になる。この誤差は概
略、試料(ウェーハ)12の面積と開口59の面積の割
合である。例えばウェーハが8インチで開口59の直径
が10mmであると、面積比は1/400で電位の誤差は
1%となり十分小さな値となる。
る金属が有する電位と、同じ電位をウェーハに印加する
ことが可能となる。
るようなウェーハであって、試料ステージなどと電気的
な接続ができない場合であっても、レターディングのた
めの電圧を印加することが可能となる。
内、少なくとも試料(ウェーハ)12の下部に位置する
部分を重畳電圧13を印加するための導電体で形成する
ことで、上述の如くウェーハは同一電位の金属で囲まれ
ることになる。試料ホルダはそのものが導電体であって
も良く、また試料ホルダ内に導電体を挿入しても良い。
例である。
間に制御電極60が設置され、該制御電極60には試料
ホルダ20に印加される重畳電圧13と同じ電圧が印加
されている。これにより、試料(ウェーハ)12は同一
電圧の印加された試料ホルダ20と制御電極60で囲ま
れることになり、前述したように試料(ウェーハ)12が
絶縁膜で覆われていても、重畳電圧13の電圧を試料
(ウェーハ)に印加させることが出来る。
あるが、円形以外でも可能である。該開口59の大きさ
は観察しようとする視野を妨げない大きさとする。この
実施の態様では開口59の大きさは直径4mmである。制
御電極60と試料(ウェーハ)12との間隔が1mmなの
で、直径4mmの視野があることになる。また減速電界が
開口59を通して、ウェーハまで到達しているため、二
次電子を効率よく対物レンズ8上に引き上げることが出
来る。開口径を小さくした場合は、減速電界が試料(ウ
ェーハ)12に到達しないが、ウェーハを傾斜したり、
試料に凹凸がある場合にはこのような条件の方がよく、
非点収差の発生や視野ずれを低減することが出来る。
するためにステージ22が設けられている。ここでも
し、試料(ウェーハ)12の中心点から大きく外れたと
ころを観察対象としたとき、試料(ウェーハ)12を大
きく移動させる必要がある。このとき試料(ウェーハ)
12が、制御電極60から外れると、試料(ウェーハ)
12の電位が変化し、一定のレターディング電圧を印加
することが出来なくなる。
では試料(ウェーハ)12の移動軌道に沿って制御電極
を形成している。この構成によりステージ22によって
試料(ウェーハ)12の位置が変化しても一定のレター
ディング電圧を印加でき、更に対物レンズ8と試料(ウ
ェーハ)12間に生ずる電界による素子破壊を防止でき
る。
範囲以上の大きさを持つ制御電極を配置することが望ま
しい。具体的には8インチウェーハの全面を観察するた
めの制御電極の直径は直径400mmの大きさにする。こ
のような構成によってウェーハを如何に移動させても、
ウェーハに印加される電圧を一定に保つことができる。
極としたが、メッシュ状,多数の孔あるいはスリットが
形成された形状のものとすることによって、真空排気性
を向上させることもできる。この場合、孔径,スリット
幅はウェーハと制御電極の間隔よりも小さいことが望ま
しい。
0の開口59を通過し、試料(ウェーハ)12に照射さ
れると、二次電子62が発生する。発生した二次電子6
2は一次電子63cに対する減速電界で逆に加速されて
対物レンズ8の上方に導かれる。この際対物レンズ8の
磁界によって、レンズ作用を受けるため図に示すように
焦点を作りながら対物レンズ8上に導かれる。
し、二次電子30を発生させる。この二次電子30は対
向して置かれた負電位の印加された偏向電極31′と正
電位の印加された偏向電極31″の作る電界で偏向され
る。偏向電極31″はメッシュで作られているので二次
電子30はメッシュを通過してシンチレータ25で検出
される。32″,32′は偏向コイルであり、偏向電極
31′,31″の作る電界と直交した磁界を作り、偏向
電極31′,31″の作る電界による一次電子線ビーム
63bの偏向作用を相殺している。
却することで一次電子ビーム63cを試料に走査するこ
とにより発生する汚染(コンタミネーション)を減少さ
せることも可能である。
の1例である。
ンデンサレンズ14,対物レンズ8,試料12,試料ホ
ルダ20,絶縁台21,試料ステージ22等の構成要素
は真空筐体66に納められている。尚、真空排気系は図
示を省略している。
ている状態では、試料交換機構67による試料交換作業
や、真空筐体66内を大気にすることを避けなければな
らない。換言すれば、電子ビームを試料12上に走査さ
せているときだけ重畳電圧13を印加するようにすれば
よい。
換時の準備動作であるスイッチ68が閉じて加速電圧6
が印加されている第1の条件と、電界放射陰極1と試料
12の間に設けられたバルブ69,バルブ70の両者が
開いている第2の条件と、試料交換機構67が試料12
を試料ステージ22に乗せるために通過するバルブ71
が閉じている第3の条件とが全て満たされたときのみ、
スイッチ72が閉じて試料12に重畳電圧13が印加さ
れる制御が行われている。
は放電抵抗73を介して電気的に接続されており、スイ
ッチ72が開放されると試料12にチャージされた電荷
は試料ホルダ20,放電抵抗73,試料ステージ22
(試料ステージ22は接地されている)を介して一定の
時定数のもとに速やかに放電され、試料12の電位が下
がるようになっている。放電抵抗は重畳電圧13の電源
に内蔵しても良い。
以下であるという条件のもとに、陽極5から加速電圧の
印加が可能となり、更に真空筐体66の真空が設定値以
上のときのみバルブ69,70が開放されるようなシー
ケンスが組み込まれていることは言うまでもない。
件の全ての条件を満足したときに重畳電圧13が印加さ
れるものとして説明したが、これらのうちの1つ或いは
2つの条件が満たされたときにスイッチ72が閉じるよ
うにしても良い。
の1例であり、試料を傾斜することの出来る試料ステー
ジ22を持った走査型電子顕微鏡に適用したものであ
る。この実施の態様では制御電極76は試料75内の上
部上面を覆うように取り付けられている。また見方によ
っては対物レンズの形状に沿って配置されているともい
える。対物レンズの形状は試料12の移動を妨げないよ
うに形成されており、図12のように傾斜装置を備えた
ような装置の場合、試料12に向かって先鋭的な形状を
有している。このような条件下で形成された対物レンズ
に沿って制御電極を形成することによって、試料の移動
を妨げることなく制御電極を配置することが可能とな
る。
位置,どの傾斜角にあっても試料(ウェーハ)12が試
料ホルダ20と制御電極76に包囲されるようになって
いる。この構成によれば試料(ウェーハ)12の表面に
電界が生じない。20aは試料(ウェーハ)12が傾い
た状態を示している。74は試料ステージ22に組み込
まれた傾斜機構である。この実施の態様では傾斜したと
きに制御電極76と試料(ウェーハ)12の間で作る電
界が変化しないように制御電極76の開口65の直径
は、開口65と試料12の距離より小さくすることが望
ましい。なお、制御電極76に印加する電圧を試料12
に印加する電圧より、数十V正電位とすることで二次電
子の検出効率を向上することが出来る。
印加するという目的上、試料に印加される電圧と、制御
電極に印加される電圧に基づく複合的な電界の作用を考
慮し、所望の電位が試料に印加されるように、試料と制
御電極のそれぞれに印加される電圧を設定することが望
ましい。
電界を試料12に与えることも可能である。この場合は
傾斜することにより観察位置ずれが生じるが、予め傾斜
角とずれの量を計測し、電子ビームを偏向する。あるい
は試料ステージ22を水平移動させる等の補正を行うこ
とにより、このずれをなくすことも可能である。この実
施の形態での制御電極76は対物レンズ8の特性に影響
を与えないように非磁性体の材料で作られている。
室の内部を覆うようにして配置しているが、必ずしもこ
のように配置する必要はない。即ち最低限、試料の移動
範囲に沿って形成されていればよく、このような構成に
よっても試料が、試料ホルダと制御電極に包囲されるこ
とになる。なおこれまで試料ホルダを、本願発明で言う
ところの導電体として説明してきたが、例えば導電体を
試料ホルダ上或いは下に配置するようにしても良い。ま
た上述してきた実施の態様の場合、試料以上に導電体を
大きく形成することで、試料(ウェーハ)が制御電極と
導電体にほぼ包囲され、一定のレターディング電圧を印
加することを可能ならしめている。
の1例である。この例では制御電極を対物レンズ8と試
料12の間に接地するのではなく、励磁コイル78,上
磁路77,下磁路79から構成される対物レンズ8のな
かで、試料12に対向する位置にある下磁路79を上磁
路77と電気的に絶縁し、これに重畳電圧13を印加し
ている。下磁路79に印加する電位を試料12より正電
位として二次電子を効率よく対物レンズ8上に導くこと
も可能である。
ムの走査偏向器を説明する図である。走査偏向器の上に
二次電子検出器を設ける場合には、試料で発生した二次
電子が走査偏向器を通過するときに走査偏向器で偏向さ
れる。このため電子ビームの走査偏向角が大きくなる低
倍率時に二次電子の偏向も大きくなり、電子ビーム通路
の内壁に衝突してしまい検出できなくなる可能性があ
る。本実施例はこの問題を解決したものである。走査偏
向器は8極の静電偏向器51a〜51hと、磁界偏向器
52a〜52dで構成されている。
8極の静電偏向器のうち電極51h、51a,51bに
正電位を、51d,51e,51fに負電位を印加して
偏向電界Exを作る。ここで、図14に示すように、電
極51a,51eには大きさVxの電位を印加し、その
両側の電極51h,51b,51d,51fにはその1
/21/2 の大きさの電位を印加する。これは均一な電界
を作る方法として良く知られた方法である。電界と同時
に、磁界偏向器52のコイル52a,52cに電流Ix
を流し、図示するように電界Exと直交する方向の磁界
Bxを作る。この電界Exと磁界Bxは下方から来る二
次電子に対しては偏向を打ち消し、上方からの一次電子
に対しては強めあうように働く。
は、下式のように磁界による偏向θ(B)と電界による偏
向θ(E)の差となる。
電子の電荷と質量、Vrは二次電子が走査偏向器を通過
するときの加速電圧である。ExとBxの比を下式とす
ると、下方から来る二次電子は偏向を受けないことにな
る。
が加算され、下式のようになる。式中、Voは電子銃加
速電圧である。
下式のようになる。
(Vr/Vo)1/2}/Vo1/2 ここまではx軸方向への偏向について説明した。y軸方
向への偏向も同様にして行う。すなわち、電極51cの
電位をVyに、電極51b,51dの電位をVy/21/
2 にし、電極51gの電位を−Vyに、電極51f,5
1hの電位を−Vy/21/2 にして、y軸方向の偏向電
界Eyを発生する。同時に、磁界偏向器のコイル52
b,52dに電流Iyを流して電界Eyと直交する磁界
Byを発生する。この電界Eyと磁界Byは、前述と同
様に、下方から来る二次電子に対しては偏向を打ち消
し、上方から来る一次電子に対しては強め合うような大
きさとされる。
偏向とを組み合わせた偏向を行う。従って各偏向電極の
電位は、図14に図示したように、x軸方向への偏向電
位とy軸方向への偏向電位を足し合わせたものとなる。
なお、実際の装置では、この偏向器を上走査偏向器と下
走査偏向器の2段とし、偏向した一次電子が対物レンズ
のレンズ中心を通るようにする。そして、偏向電極の電
位Vx,Vy及び偏向コイル電流Ix,Iyを上記の関
係を維持しながら時間変化させることにより試料上で所
望の一次電子ビームの走査が実現される。
加速円筒と試料の間で作られる静電レンズのレンズ中心
の関係について説明する。図15(a)は、磁界形対物
レンズ8の中心CBと加速円筒9と試料12の間に形成
される静電レンズの中心CEが一致していない場合の問
題点を説明する図である。この場合、後段加速された一
次電子ビーム11は磁界レンズの中心CBを通るように
偏向されるが、静電レンズの中心CEからは距離dだけ
ずれて通過する。ずれ量dが大きくなると静電レンズの
レンズ作用に球面収差が加わり、走査像が歪んでしま
う。
ンズ中心CBと、加速円筒9と試料12の間で作られる
静電レンズのレンズ中心CEを一致させた例を示す。本
実施例は、対物レンズ8の上磁極53を試料12に対面
するように突出させ、静電レンズの形成される試料12
と加速円筒9の間に磁界を作ることで両レンズの中心を
一致させたものである。この結果、後段加速された一次
電子ビーム11が静電レンズのレンズ作用を受けること
がないため、歪のない走査像を得ることができた。
の一致をより効果的に実現する対物レンズ8の構造を示
す。これまで示した実施例では、対物レンズ8の電子ビ
ーム通路内部に加速円筒9を挿入していた。この場合、
加速円筒が作る静電レンズと対物レンズの作る磁界レン
ズの軸中心がずれると分解能の低下を招くため、両者の
機械的中心を精度良く合わせる必要がある。この実施例
はこの点に着目したもので、対物レンズ8の上磁極53
を下磁極54の端部レベルまで突出させて、試料12に
対面させる。さらに、上磁極53を絶縁板55で対物レ
ンズの残部から電気的に絶縁し、これに後段加速電圧1
0を印加している。
中心を決定している上磁極と後段加速電極が兼用となっ
ているため、前述したような静電レンズと磁界レンズの
ずれを生じることがない。また、磁界レンズの上磁極5
3が試料12に直接対面し、しかもこれに後段加速電圧
が印加されていることから、軸中心ばかりでなく、静電
レンズと磁界レンズのレンズ中心の位置をも一致させる
ことができる。
るときの一次電子ビームの加速電圧を最終の加速電圧よ
り高くすることができ、対物レンズで発生する収差によ
るビームのぼけを少なくすることができる。また、電子
ビーム通路内に反射板を設けることにより、これまで困
難であった二次電子又は反射電子等の二次信号を効率良
く検出することができる。
図。
子の吸引に直交する電界と磁界を用いて一次電子の偏向
を防止した実施例の説明図。
施例の概略図。
出器を設けた実施例の概略図。
実施例の説明図。
の説明図。
概略図。
図。
す図。
を示す図。
電粒子顕微鏡の一例を示す図。
示す図。
例の説明図。
させた実施例の説明図。
例の説明図。
放出電子、5…陽極、6…電子銃加速電圧、7…陽極5
を通過した一次電子ビーム、8…対物レンズ、9…加速
円筒、10…後段加速電圧、11…後段加速された一次
電子ビーム、12…試料、13…重畳電圧、14…コン
デンサレンズ、15…上走査偏向器、16…下走査偏向
器、17…減速電界、18…絞り、19…調整つまみ、
20…試料ホルダ、21…絶縁台、22…試料ステー
ジ、23…二次電子、24…吸引電極、25…シンチレ
ータ、26…ライトガイド、27…光電子増幅管、28
…中央孔、29…反射板、30…反射板で作られた二次
電子、31…電界偏向電極、32…直交磁界偏向コイ
ル、33…上検出器、34…下検出器、35…チャンネ
ルプレート本体、36…制御電極、37…メッシュ、3
9…増幅された電子、40…アノード電圧、41…アノ
ード、42…増幅器、43…光変換回路、44…光信
号、45…電気変換回路、46…単結晶シンチレータ、
47…開口、48…導電性コーティング、49…二次電
子のクロスオーバ、50…制御電圧、51a〜51h…
静電偏向電極、52a〜52d…磁界偏向コイル、53
…上磁極、54…下磁極、55…絶縁板。
Claims (28)
- 【請求項1】電子源と、電子源から発生した一次電子ビ
ームを試料上に走査する走査偏向器と、前記一次電子ビ
ームを収束する対物レンズと、一次電子ビームの照射に
より試料から発生する二次信号を検出する二次信号検出
器とを含み、試料の二次元走査像を得る走査形電子顕微
鏡において、 前記対物レンズの電子ビーム通路に配置された加速円筒
に一次電子ビームの後段加速電圧を印加する手段と試料
に負電位を印加する手段とを備え、前記加速円筒と試料
の間に一次電子ビームに対する減速電界を形成し、前記
二次信号検出器を前記加速円筒より前記電子源側の位置
に配置したことを特徴とする走査形電子顕微鏡。 - 【請求項2】前記二次信号検出器は、一次電子ビームを
通過させる開口を有する導電性の反射板と、前記反射板
で発生した二次電子を吸引する吸引手段と、吸引した二
次電子を検出する検出手段を含むことを特徴とする請求
項1に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項3】前記吸引手段は、電界とこれに直交する磁
界で作られ、前記電界による一次電子ビームの偏向を前
記磁界によって打ち消すことを特徴とする請求項2に記
載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項4】前記二次信号検出器は、一次電子ビームを
通過させる開口を有するマルチチャンネルプレートであ
ることを特徴とする請求項1に記載の走査形電子顕微
鏡。 - 【請求項5】前記二次電子検出器は、一次電子ビームを
通過させる開口を有する蛍光体と前記螢光体の発光を検
出する光検出器で構成されたことを特徴とする請求項1
に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項6】前記加速円筒と前記走査偏向器の間に前記
二次信号検出器が設けられていることを特徴とする請求
項1〜5のいずれか1項に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項7】前記走査偏向器と前記電子源の間に前記二
次信号検出器が設けられていることを特徴とする請求項
1〜5のいずれか1項に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項8】前記加速円筒と前記走査偏向器の間に第1
の二次信号検出器が設けられ、前記走査偏向器と前記電
子源の間に第2の二次信号検出器が設けられていること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の走査
形電子顕微鏡。 - 【請求項9】前記第1又は第2の二次信号検出器の検出
信号を用いて、あるいは前記第1及び第2の二次信号検
出器の検出信号を演算して走査像を形成することを特徴
とする請求項8に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項10】前記第1又は第2の二次信号検出器の検
出信号を単独で用いるか、あるいは前記第1及び第2の
二次信号検出器の検出信号を演算して用いるかの選択
を、走査像倍率又は予め与えられた観察条件に応じて自
動的に選択することを特徴とする請求項9に記載の走査
形電子顕微鏡。 - 【請求項11】前記走査偏向器が静電偏向と磁界偏向の
組合せであり、一次電子ビームに対しては所望の偏向を
与えるが試料側から吸引された二次信号に対しては偏向
を与えないように調整されていることを特徴とする請求
項1〜10のいずれか1項に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項12】前記加速円筒に印加する後段加速電圧と
前記電子源に印加する電子銃電圧の比、及び試料に印加
する電圧と前記電子源に印加する電子銃電圧の比が一定
に保たれていることを特徴とする請求項1〜11のいず
れか1項に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項13】前記対物レンズの磁界が作るレンズ中心
と、前記加速円筒と試料の間に形成される静電レンズの
レンズ中心が一致していることを特徴とする請求項1〜
12のいずれか1項に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項14】前記対物レンズの上磁極を残部から電気
的に絶縁し、前記絶縁した上磁極を前記加速円筒に変え
て用いることを特徴とする請求項1に記載の走査形電子
顕微鏡。 - 【請求項15】電子源と、電子源から発生した一次電子
ビームを試料上に走査する走査偏向器と、前記一次電子
ビームを収束する対物レンズと、一次電子ビームの照射
により試料から発生する二次信号を検出する二次信号検
出器とを含み、試料の二次元走査像を得る走査形電子顕
微鏡において、 試料に負電位を印加することで前記対物レンズと試料の
間に一次電子ビームに対する減速電界を形成する手段を
備え、前記二次信号検出器は、一次電子ビームを通過さ
せる開口を有する導電性の反射板と、前記反射板で発生
した二次電子を吸引する吸引手段と、吸引した二次電子
を検出する検出手段を含み、前記対物レンズより前記電
子源側の位置に配置されていることを特徴とする走査形
電子顕微鏡。 - 【請求項16】前記吸引手段は、電界とこれに直交する
磁界で作られ、前記電界による一次電子ビームの偏向を
前記磁界によって打ち消すことを特徴とする請求項15
に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項17】前記対物レンズと前記走査偏向器の間に
前記二次信号検出器が設けられていることを特徴とする
請求項15又は16に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項18】前記走査偏向器と前記電子源の間に前記
二次信号検出器が設けられていることを特徴とする請求
項15又は16に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項19】前記対物レンズと前記走査偏向器の間に
第1の二次信号検出器が設けられ、前記走査偏向器と前
記電子源の間に第2の二次信号検出器が設けられている
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の走査形電
子顕微鏡。 - 【請求項20】前記第1又は第2の二次信号検出器の検
出信号を用いて、あるいは前記第1及び第2の二次信号
検出器の検出信号を演算して走査像を形成することを特
徴とする請求項19に記載の走査形電子顕微鏡。 - 【請求項21】前記第1又は第2の二次信号検出器の検
出信号を単独で用いるか、あるいは前記第1及び第2の
二次信号検出器の検出信号を演算して用いるかの選択
を、走査像倍率又は予め与えられた観察条件に応じて自
動的に選択することを特徴とする請求項20に記載の走
査形電子顕微鏡。 - 【請求項22】前記走査偏向器が静電偏向と磁界偏向の
組合せであり、一次電子ビームに対しては所望の偏向を
与えるが試料側から吸引された二次信号に対しては偏向
を与えないように調整されていることを特徴とする請求
項15〜21のいずれか1項に記載の走査形電子顕微
鏡。 - 【請求項23】荷電粒子源から放出された荷電粒子線を
試料上に照射し、当該試料から発生する二次信号に基づ
いて試料像を得る荷電粒子顕微鏡において、前記試料下
に負の電位を印加するための導電体を配置すると共に、
前記試料上には前記負の電位と同電位、或いは該電位よ
り正の側の電位を印加するための電極が備えられている
ことを特徴とする荷電粒子顕微鏡。 - 【請求項24】前記電極は、前記試料の移動軌道に沿っ
て形成されていることを特徴とする請求項23に記載の
荷電粒子顕微鏡。 - 【請求項25】前記電極は、前記試料の移動領域を覆う
ように形成されていることを特徴とする請求項23又は
24に記載の荷電粒子顕微鏡。 - 【請求項26】前記電極は前記荷電粒子源下に配置され
た対物レンズ形状に沿って形成されていることを特徴と
する請求項23,24又は25に記載の荷電粒子顕微
鏡。 - 【請求項27】前記電極は、前記試料を包囲する試料室
の内面に沿って形成されていることを特徴とする請求項
23に記載の荷電粒子顕微鏡。 - 【請求項28】前記試料下に位置する導電体は、前記試
料と同等、或いはそれ以上の大きさを有することを特徴
とする請求項23に記載の荷電粒子顕微鏡。
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