JP2003532256A - 走査電子顕微鏡の対物レンズを通した二次電子の捕集 - Google Patents

走査電子顕微鏡の対物レンズを通した二次電子の捕集

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    • H01J2237/24485Energy spectrometers

Abstract

(57)【要約】 高分解能走査電子顕微鏡は、極端に精細な位置分解能で化学的構造を高感度に決定する為に、その対物レンズを通じて二次オージェ電子を捕集する。そのシステムは、顕著な一次電子ビームの性能を提供するシュノーケルレンズ又は双極磁気レンズのような磁気高分解能対物レンズを使用する。オージェ電子を、転送球面コンデンサによって一次ビームの経路から偏向させる。一次ビームが球面コンデンサを横切るとき一次ビームの収差を防止する為に、一次ビームを管又は板によって遮蔽し、一次電子ビームの収差を減少させる為に、遮蔽物の外壁は、球面コンデンサのポテンシャル勾配に関連するポテンシャル勾配を維持する。一次電子ビームと捕集された二次電子ビームの同軸の配置は、オージェ画像がSEM図と一致することを許容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の技術分野] 本発明は、微視的構造の性質を決定することに、特に、オージェ電子分光のよ
うな、分析の為に対物レンズを通して二次電子を捕集する走査電子顕微鏡に関す
る。
【0002】 [発明の背景] 電子デバイスは絶えず、製造費用を減少させ、動作速度を増加させるように作
られる。適切な新しい製造工程を開発し、現存する工程における欠陥を修正する
為に、技術者及び科学者は、極端に小さな地形の画像を形成し、それらの地形の
化学的構造を決定できる分析機器を必要とする。走査電子顕微鏡(SEMs)は
、微視的な地形を撮像する為に広く使用され、オージェ電子分光法(AES)は
しばしば地形表面の化学的構造を決定する為に使用される。AESは、少数又は
それ以下の原子の層と同程度に小さい、多数の比較的軽い元素の存在を検出でき
る。走査オージェ顕微鏡(SAM)において、分析を三つのモード、即ちスペク
トル分析、単一元素マップ、及びイオンミリング及びオージェ分析を同時に使用
する深度プロファイル、でなすことができる。
【0003】 SEMにおいては、精細に集束した一次電子ビームを、標本に亘って走査する
。一次電子ビームの衝突は、二次電子と呼ばれる電子の放出を引き起こす。次に
、一次電子ビームが画像の各点に衝突すると同時に、画像の各点の輝度が放出さ
れた二次電子の数によって決定されるように、標的の画像を形成する。SEMの
精細に集束した電子ビームは、最良の光学顕微鏡によって達成し得るよりも大き
な倍率、深い集束深度、及び高い分解能の画像の生成を許容する。
【0004】 二次電子は、様々な機構によって標本から放出される。それらの機構の一つで
あるオージェ過程は、電子が放出される物質の特徴的なエネルギーを有する電子
を生成する。オージェ過程によって生成する電子は、オージェ電子として既知で
ある。AESは、オージェ電子のエネルギーを分析し、電子が放出される物質の
タイプを決定する過程である。
【0005】 不幸にも、少数の衝突する電子のみが、オージェ電子を発生させる。典型的に
、千個と十万個との間のどこかの一次電子が、一つのオージェ電子を生成する為
に必要とされる。従って、非常に低い濃度で試料中に存在する物質を検出する為
には、オージェ電子を効率的に捕集及び分析することが必要である。オージェ電
子は、ほぼ等方的に、即ち標的より上の全ての方向にほぼ等しく放出されるので
、試料上の半球のできるだけ多くからオージェ電子を捕集することが必要である
【0006】 図1は、AESシステム2を備える従来のSEM1を概略的に示す。電子カラ
ム3は、一次電子ビーム4を試料5に向ける。二次電子6を、開口7を通じて一
次電子ビームの側面で捕集し、分析器8に転送する。電子カラム3の対物レンズ
は、試料付近の空間の大部分を占めるので、オージェ電子の少数部分より多くを
捕集する為に、試料付近に開口7を十分に位置させることは困難である。開口7
は、試料上の半球の小部分のみからの電子を捕集するので、それは効率的な捕集
器ではなく、SEM上の側面に装置されたAESシステムは、あまり高感度では
なく、即ち、それらAESシステムは極端に小さな濃度の物質を検出することが
できない。更に、このような側面に装置した電子捕集器は、レンズからの磁場が
捕集される電子の数を減少させるので、SEMに対する高分解能の電子レンズと
両立しない。
【0007】 捕集されるオージェ電子の割合を増加させることによって、AESシステムの
感度を増加させる為に、多くの試みがなされてきた。例えば、本出願人の一人に
発行された米国特許第4,810,880号は、試料上の大きな領域を照明する
側面に装置した源からの広い電子ビームを使用する直接撮像オージェシステムを
開示する。試料から放出された電子は、次に、標本のすぐ下に位置する高分解能
“シュノーケル”電子レンズの極部分を使用して捕集される。二次電子光学シス
テムは、二次電子を使用して試料の画像を形成し、試料上の異なる位置に存在す
る物質のタイプを決定する為に、試料の異なる部分からの電子を分離し分析する
ことができる。一次電子ビームが衝突して試料の大きな領域の画像を形成するこ
のタイプの機器は、“走査”機器と反対に、“撮像”機器と呼ばれ、一度に試料
の小さな点のみ照射し、その一点からの電子を捕集し、次に全ての走査した点に
対する情報を組み合わせて画像を形成する。撮像機器において、分解能は、主と
して、どのくらい信頼して捕集システムが標本の画像を再現できるかに依存し、
一方走査システムにおいては、分解能は、主として照射するビームの大きさに依
存する。撮像機器は、典型的には、走査機器と同程度に効率的に各点からのオー
ジェ電子を捕集することはできないので、一次電子ビームの電流密度を、さらな
るオージェ電子を生成する為に増加させる。より多いビーム電流は、走査機器が
同等のビームエネルギーで引き起こすかもしれない損傷よりも、多くの試料の損
傷を引き起こし得る。
【0008】 他のアプローチにおいて、低エネルギー電子顕微鏡(LEEM)システムは、
E.Bauer,C.Koziol,G.Lilienkamp,and T.
Schmidt,Journal of Electron Spectros
copy and Related Phenomena,Vol.84,pp
.201−209(1997)による“Spectroscopy in a
Low Energy Electron Microscope”に記載され
ている。Bauer.et al.の機器は、オージェスペクトル及び表面の画
像を提供する。これはまた、走査機器と反対の撮像するタイプの機器であり、非
常に複雑である。銀に対して証明されたオージェ画像の分解能は、約100nm
であり、半導体産業のアプリケーションにおける使用に対しては比較的低い。
【0009】 透過電子顕微鏡(TEM)は、高エネルギー電子ビームを使用し、試料を透過
し反対側で捕集される電子を使用して試料の画像を形成する撮像機器である。走
査透過電子顕微鏡(STEM)もまた試料を透過する電子を使用するが、高エネ
ルギービームを、試料の全領域を同時に照射するよりもむしろ、試料を横切って
走査する。このような機器は高分解能を有するが、電子が試料を完全に通りぬけ
なければならないので、非常に薄い試料にのみ使用できる。TEMの一次電子カ
ラムのレンズを通じて戻る二次電子を捕集することは既知である。このようなシ
ステムは、“Auger Electron Spectroscopy in
the STEM,”Quantitative Microbeam An
alysis,Proc.of the 40th Scottish Uni
versities Summer School in Physics,A
ugust,1993 ISBN 0−7503−025 6−9,p.121
−143においてKruitによって記載されている。このようなシステムは、
それら(二次電子)がレンズの極部分を通じて透過すると、二次電子を“平行に
する”、即ち、磁場が二次電子の軌道を広く拡散したパターンからほとんど平行
なパターンへと変化させる、強い磁場を生成する対物レンズを使用する。レンズ
を越えて、磁気偏向器又はウィーンフィルターのような磁気及び静電気の組み合
わせ偏向器は、二次電子を、オージェ電子エネルギー分析器に向けて一次ビーム
の側面に偏向させる。
【0010】 二次オージェ電子は、オージェ電子と一次ビーム電子との間における大きなエ
ネルギー差によって、一次ビーム電子から容易に分離することができる。TEM
の一次ビームにおける電子は、約200keVのエネルギーを有し、オージェ電
子は、約50eV乃至約3000eVのエネルギーを有する。一次ビーム電子エ
ネルギーとオージェ電子エネルギーとの間のこの大きな差で、磁場は、一次電子
ビームの最小の収差を有するオージェ電子を分離することができる。
【0011】 SEMにおいて同様のレンズを通したオージェ電子システムを実施することの
望ましさは、認識されてきており、このようなシステムを形成する試みは、例え
ば、Advances in Optical and Electron M
icroscopy,Vol.12ed.,Mulvey and Shepp
ard,Academic Press,pp.93−137(1991)の“
Magnetic Through−the−Lens Detection
in Electron Microscopy and Spectrosc
opy,Part 1”におけるP.Kruitによって記載されている。この
ような試みは、限定的に成功した。
【0012】 SEMにおける二次電子のレンズを通した捕集を組み込む主な問題は、一次ビ
ーム電子と同じ経路に沿ってレンズを通して戻ってくる二次電子を分離する困難
である。SEMの一次ビームにおける電子は、典型的に3keVと30keVと
の間のエネルギーを有し、TEMにおける電子の典型的な200keVのエネル
ギーよりも著しく低く、オージェ電子の50eV乃至3,000eVのエネルギ
ーに非常に近い。レンズを通して戻り透過する電子を分離する為に、TEMオー
ジェシステムに使用される分離又は偏向デバイスは、高エネルギーのTEMビー
ムにおいて最小の収差を生成する一方、低エネルギーのSEM一次ビームにおい
てはひどい収差を引き起し得、それによってSEMの分解能及び有用性を減少さ
せる。収差は、磁気偏向器又はウィーンフィルターデバイスにおける一次ビーム
の交差を設計するような、既知の方法によって減少させられるが、このような解
決が他の源からの一次ビームの収差、即ちビームの相互作用を増加させる傾向に
あるので、このような解決は、一次ビーム光学系の光学的な柔軟性を制限する。
さらに、このような磁気偏向器デバイスは、性能に不利に影響し得るヒステリシ
スを有する。
【0013】 結果として、SEM撮像及びオージェ電子分光を組み合わせ、SEM及びAE
Sの両機能の最大性能を提供する方法及び装置に対する要求がある。
【0014】 [発明の要約] このように、本発明の目的は、高分解能走査電子顕微鏡において二次電子のレ
ンズを通した捕集の為のシステムを提供することである。
【0015】 本発明は、二次電子のレンズを通した捕集を含む、特にオージェ電子の捕集に
適した、走査電子顕微鏡システムを含む。その電子捕集システムは、物理的又は
電気的に一次ビーム光学系を妨害しないので、電流の多い高分解能の一次ビーム
対物レンズを使用することができ、それによって高分解能レンズの性能を著しく
落とすことなく、先行技術のシステムと比較して著しく二次電子信号を増加させ
信号獲得時間を減少させる。
【0016】 本発明のさらなる目的、利点及び新規な特徴は、本発明の詳細な説明及び図面
から明らかになると考えられる。
【0017】 前述は、以下に続く本発明の詳細な説明をよりよく理解し得る為に、本発明の
特徴及び技術的利点をむしろ広く概説してきた。本発明の請求項の主題を形成す
る本発明のさらなる特徴及び利点は、以後に記載されると考えられる。開示され
た概念及び明確な実施例は、本発明の同じ目的を実行する為の他の構造を修飾又
は設計する基礎として容易に利用し得ることは当業者によって認識されるはずで
ある。また、このような等価な構成が、添付した請求項において明らかにされる
ような本発明の主旨及び範囲から逸脱しないことは、当業者によって理解される
はずである。
【0018】 本発明及びその利点のより完全な理解の為に、ここで、添付する図面と関連し
て以下の記載に言及する。
【0019】 [好適な実施例の詳細な説明] 本発明に従うレンズを通した二次電子検出器システムを有する走査電子顕微鏡
システムの好適な実施例の一般的な特徴は、以下の記載及び図で説明される。
【0020】 本発明のシステムは、好ましくは、広がった視野(シュノーケル)レンズ、浸
漬レンズ、又は双極磁気レンズのような高分解能の対物レンズを使用する。二次
電子は、対物レンズを通して捕集され、次に一次ビームの軸から離れて検出器、
好ましくはオージェ電子分光器まで偏向される。好適な実施例において、一次ビ
ーム対物レンズの内側の静電レンズは、試料から離れたオージェ電子を加速させ
、対物レンズを出る二次電子の角度を減少させる。球面コンデンサーのような偏
向器は、オージェ電子を一次ビームの経路の外に偏向させる。一次ビームは、そ
れが偏向器を通過するとき、一次ビームの収差を防止する為に遮蔽される。遮蔽
物は、好ましくは、一次ビームを遮蔽する為に内側で導電性であり、偏向器にお
けるオージェ電子の収差を減少させるポテンシャル勾配を外側で保持する。
【0021】 好適な実施例において、対物レンズ及び静電偏向器は、一次ビーム対物レンズ
の面の付近で虚像のオージェ源を形成する為に、試料から等方的に放出されるオ
ージェ電子を平行化する。オージェ電子光学システムは、一次ビームの経路を離
れた虚像のオージェ源の画像を形成する。画像は、試料の表面上の正確な位置に
存在する物質を高感度で決定する為に、転送レンズを通じて球面コンデンサ分析
器の中に向けられる。一次ビームの経路から離れたオージェ電子の撮像は、真空
チャンバーを通じて接続された外部の分析器までずっとオージェ電子を制限する
必要性を不要にする。本発明の電子光学システムはまた、電子の優れた透過性も
提供するので、信号はまだ、分析器において、同じ一次ビームの電流を使用する
先行技術のシステムの信号と少なくとも同程度に大きい。
【0022】 [好適な実施例の物理的説明] 図2は、レンズを通した二次電子捕集システム12を有する本発明の走査電子
顕微鏡システム10の好適な実施例の概略を示す。電子顕微鏡システム10は、
一次ビーム16を形成し、その一次ビームを試料20上に集束させて、オージェ
電子を含む二次電子の放出を引き起こす一次ビーム光学システム14、及び二次
電子を捕集し、それら二次電子を検出器又は分析器38へ透過させる二次電子光
学システム22を含む。一次ビーム光学システム14は、電子ビーム源26、一
次ビーム16が試料20の表面を走査することを引き起こす一次ビーム偏向シス
テム30を含む一次ビーム電子カラム28、及び一次ビーム16の最終的な集束
の為の対物レンズ32を含む。
【0023】 二次電子光学システム22は、二次電子偏向器34、転送レンズ36、及び二
次電子検出器又は分析器38を含む。二次電子光学システム22は、また対物レ
ンズ32及び一次ビーム偏向器30を、これらの構成要素が一次ビームと共に二
次電子にも影響するので、含む。遮蔽物40は、一次ビーム16を、その一次ビ
ームが二次電子偏向器34を横切るとき、偏向されること及び電場の収差から保
護する。
【0024】 図3は、本発明の好適な実施例をより詳細に示す。電子ビーム源26は、ショ
ットキー場放出源のような電子放出源を含む電子銃42、及び電子をビームに形
成しそれら電子を所望のエネルギーまで加速する電子光学構成要素を含む。この
ような電子銃42は、例えば、本発明の譲受人であるFEI Company,
Hillsboro,Oregonから商業的に入手可能である。
【0025】 電子銃42の後に位置する陽極50は、更に一次電子を加速する。陽極50は
、好ましくは、約+2kVの電位に維持される。一次ビーム光学システム14は
また、自動可変開口(AVA)56及びステアリング及びブランキング電極58
を含む。一次ビーム光学システム14は、好ましくはビームの交差を含まず、そ
れによって著しいビーム相互作用の収差の導入を避ける。走査電子顕微鏡システ
ム10は、真空チャンバー60において、電子が試料から及び試料へ実質的に妨
害されずに飛行することを許容するように維持される。真空チャンバー60を大
気に晒すとき、電子銃42の汚染を防止する為に、隔離バルブ62を、真空チャ
ンバー60の残りから電子銃42を真空隔離する為に使用する。
【0026】 一次ビーム16が試料20に衝突するときに発生するオージェ電子の量は、一
次ビーム16における電子のエネルギーに強く依存する。満足なオージェ収率に
対して、一次ビームは、好ましくは、検出されるほとんどの活性なオージェ電子
の約3倍のエネルギーを有する。しかしながら、集積回路のような精密な試料に
対する損傷を減少させる為に、減少したビームのエネルギーをしばしば使用する
。回路の損傷を避ける為に典型的に5kVより低い電圧を必要とする半導体製造
における集積回路の分析を通じて、典型的には2keVと20keVとの間であ
る合計の一次ビーム加速電圧を使用する。
【0027】 一次ビーム光学システム14は、試料20の表面の部分を横切って、典型的に
はラスターパターンにおいて、その部分を走査する為に一次ビーム16を偏向さ
せる一次ビーム偏向システム30を含む。一次ビーム偏向システム30は、好ま
しくは対物レンズ32によって支持される。一次ビーム偏向システム30は、第
一の偏向レンズ72、通常のレンズ74、及び第二の偏向レンズ76を含む。偏
向レンズ72及び76を横切る電圧は振動し、試料を横切ってラスターまで二つ
の垂直な方向にビームを走査することを引き起こす。通常のレンズ74は、第一
及び第二の偏向素子の間隔を保つ為に使用されるオプションの構成要素である。
【0028】 一次ビーム偏向システム30は、好ましくは、典型的には接地ポテンシャル即
ち0ボルトである試料20における電位より上の予め決められた電位で浮動する
。例えば、一次ビーム偏向システム30は、+2kVの陽極ポテンシャルで浮動
してもよい。浮動電圧は、一次ビーム偏向システム30と試料20との間で、一
次電子を減速させる。このように浮動した一次ビーム偏向システム30は、特許
協力条約公開番号WO99/34397号にKrans et alによって記
載されている。
【0029】 主として高倍率で使用される機器に適切な代替実施例において、一次電子ビー
ムカラムにおいて、ステアリング及びブランキング電極58の領域内に、例えば
、電子ビーム源26のちょうど下に、偏向コイル又は板を、高く置くことができ
る。偏向レンズ手段を比較的小さい対物レンズの入口領域の外側に位置させるこ
とは、偏向レンズの構成を簡単にする。
【0030】 対物レンズ32は、好ましくは、真空チャンバー60の壁に取り付けられ支持
されるシュノーケルレンズ80を含む。シュノーケルレンズ80は、磁場発生コ
イル82、コイル82内で同軸で覆った円錐形状の中空の磁気浸透性部材84を
含む。対物レンズの励起は、好ましくは、5kVの一次ビームを集束させる為の
約0.3テスラの磁場を生成するように、動作する。シュノーケル対物レンズ8
0の円錐形状の中空の磁気浸透性部材84は、試料20に最も近い先端86を含
む。先端86は、試料20を磁場中に浸す為に磁場を広げるような形状にし、そ
れによって、比較的高い電流密度においてさえも、非常に短い作動距離及び相応
して高分解能を提供する。電子顕微鏡に関するシュノーケルレンズの構成及び使
用は、既知であるが、本発明より前には、このようなレンズは、オージェ電子分
光器と組み合わせることに成功しなかった。
【0031】 上述したように、オージェ電子は、近似的に等方的に、即ち、試料より上の半
球における全ての方向に近似的に等しく、放出される。二次電子が試料20から
離れて動くとき、二次電子の軌道は、対物レンズ32の磁場及び一次ビーム偏向
システム30の電圧によって変更されるので、電場及び磁場無しに単に幾何学的
思考から予測されるかもしれない電子数よりも非常に多数の電子を、対物レンズ
32を通じて捕集する。オージェ電子が対物レンズ32を通過するとき、電子は
、元々放出されたときよりも大変小さい角度であるが、発散する。後方へ電子を
発散することを表す光線を置いてみると、その光線で表される二次電子ビームの
直径が最小となる平面がある。図3に示す実施例において、この平面は、シュノ
ーケルレンズ80の先端86付近を通過する。この点におけるビームの断面は、
最小錯乱円盤として既知であり、オージェ電子の虚像の源88として扱うことが
できる。二次電子の光学システム22は、二次電子検出器又は分析器38の入力
において一次ビームの経路から離れた虚像の源88の画像90を形成する。
【0032】 図4は、1keVの二次電子の、それら二次電子がシュノーケルレンズ80(
図3)を通じて飛行するときの、計算された軌道を示し、試料に向って戻るよう
に外挿された光線を示す。二次電子は、試料から等方的に放出され、図4は、光
軸を表す図4の基本線及び左から右へ運動する二次電子と共に、光軸を通じた代
表的な半平面上の軌道を示す。図4に示す軌道の計算に対して、シュノーケルレ
ンズ80の励起は、0.29テスラであり、一次ビームの電圧は5kVであった
。試料は、Z=−5mmに置かれ、シュノーケルレンズの先端86は、Z=0m
mにある。z軸と0.1、0.2、及び0.3ラジアンの角度を形成する1,0
00Vのオージェ電子の試料に戻る光線を外挿すると、図4は、Z=0で約0.
65mmの半径92を有する最小錯乱円盤を示す。この最小錯乱円盤は、虚像の
オージェ源88として扱われる。0.3ラジアンより大きい角度を有する光線は
、大多数において二次電子光学システム22を通じて透過されない場合もあり、
無視される。
【0033】 一次ビーム偏向システム30が約2kVだけバイアスされるので、それは試料
から放出される二次電子を加速させ、それによって対物レンズ32を通過する二
次電子の角度を減少させ、より多くの割合の等方的に放出される二次電子が捕集
されることを許容する。更に、一次ビームを衝突点に向けて曲げる偏向電極72
及び76上の電圧は、逆に衝突点からの二次電子の軌道を真っ直ぐにし、対物レ
ンズより上でそれら二次電子を一次ビームの軸に整列させる。一次及び二次電子
を、高い磁気浸透性を有する金属、即ちミューメタルで構成される遮蔽物96に
よって、先端86から離れて、磁場から遮蔽することができる。
【0034】 一次ビーム偏向システム30によって加速された後、二次電子を、二次電子偏
向器34(図2)によって一次ビームの経路から離して偏向させる。一次ビーム
の軸から二次電子を偏向させることは、放出された二次電子が一次ビーム光学シ
ステム14を通じてずっと制限されたままである必要性を不要にする。比較的大
きな入力を有する偏向器は、電子の過剰な損失無しに比較的大きな虚像のオージ
ェ源88からの電子を捕集し集束することが、必要とされる。二次電子偏向器3
4は、例えば、静電コンデンサーのような静電偏向器、及び好ましくは、転送球
面コンデンサー98として図3に示した対称的な180度球面コンデンサー、を
含む。転送球面コンデンサー98は、75mmの平均半径を有する球面の形状を
有し、内部の球面100及び外側の球面102を有する。大きな立体角で入力を
受け入れることによって、転送球面コンデンサー98は、透過損失を減少させる
。円筒又はドーナツ型の板のような他の偏向手段を、二次電子を偏向させる為に
使用できるかもしれない。
【0035】 転送球面コンデンサー98を横切る電圧は、どのオージェ電子が検出器又は分
析器を通過するかを決定する。関心のある全ての範囲(約50乃至3000V)
のオージェ電子を通過させる為に、転送球面コンデンサー98は、典型的にある
範囲の電圧を横切って走査される。例えば、2000Vの加速ポテンシャルで、
内側の半球100は、2073eVと6408eVとの間のある範囲の電圧を走
査してもよく、外側の球面102は、1987eVと1217eVとの間のある
範囲の電圧を走査してもよく、半球間の電圧の差は、73eVと4408eVと
の間で変化する。
【0036】 オージェ電子を偏向させる為の二次電子検出器34(図2)によって使用され
る場は、一次ビームの満足できない収差を引き起こすかもしれない。遮蔽物40
は、二次電子検出器34と関係付けられた場から一次ビーム16を保護する。好
適な遮蔽物40は、陽極50付近から対物レンズ32まで伸びるドリフト管11
0(図3)を含み、一次ビーム16が試料20に向って飛行するとき、偏向器シ
ステム34の場から一次ビーム16を保護する。図5A及び5Bは、それぞれド
リフト管110の断面の平面図、及び断面の部分的な正面図を説明する。ドリフ
ト管110は、一次電子ビーム16を外部の電場から遮蔽する為に、内部で導電
性であり、一次ビーム偏向システム30の無い位置に存在するかもしれないよう
なポテンシャルに相当する電位に保持し得る。例えば、ドリフト管の内部を、陽
極50及び一次ビーム偏向システム30の+2kVのポテンシャルに保持しても
よい。外部では、ドリフト管110は、転送球面コンデンサー98の電場と調和
する勾配を緩くしたポテンシャルを有するので、転送球面コンデンサー98にお
ける二次電子の軌道は、その中のドリフト管110の存在によって分配しない。
勾配を緩くしたポテンシャルは、例えば、抵抗性の外部コーティングを横切る電
圧を印可することによって達成できる。図5Aは、導電性の内部126、半導体
又は高インピーダンスの抵抗性の外部130を有するドリフト管110の頂上か
らの断面図を描く。導電性の内部126は、適切な導電性金属を含み、絶縁層1
34によって抵抗性の外部から分離される。
【0037】 ドリフト管110は、基板材料の片側の導電性層及び他方側の抵抗性の膜と共
に、柔軟な印刷された回路板の製造から既知の技術を使用して形成し得る。柔軟
な印刷された回路板は、ドリフト管110を衝撃する電荷を抜き出す薄い導電性
膜を含む。代わりに、セラミック又は他の誘電性の管を、絶縁層134として使
用することができるかもしれない。内部の層を、内部の表面上に金属層を取り付
けるか又は蒸発させることによって、形成することができるかもしれない。同様
に、外部の表面は、例えば、絶縁層上のテンプレートを通じて抵抗性の膜を蒸発
させることによって形成されるような、外側の半導体の層を有する金属のストリ
ップを含むことができるかもしれない。
【0038】 代替実施例において、ドリフト管110の代わりに、転送球面コンデンサー9
8の静電場からの保護の為に、平行板を一次電子ビーム16の両側に配置する。
これらの板は、一次電子ビーム16及び二次電子検出器又は分析器38の入力軸
によって定義される平面に平行である。板は、一次電子ビーム16に面する内側
で導電性であり、それら板の外側の面上に勾配の緩やかな場を有する。勾配の緩
やかな場を、ドリフト管110に関して上述したように形成することができる。
これらの板は、それら電子が転送レンズ36に向って曲げられるとき、電子の軌
道に対して実質的に平行であるので、比較的薄い平行板の存在によるオージェ電
子の信号の損失は最小にすることができる。
【0039】 転送球面コンデンサー98は、対称であり、即ちそれは、異なる位置であるが
、避けられない収差以外は入射する物体と同一である画像を生成する。転送球面
コンデンサー98を離れる電子線の球面コンデンサー98の光軸に対する角度は
、コンデンサー48に入る光線の角度、1,000eVのオージェ電子に対して
約0.1ラジアン、と同じである。この射出角度は、典型的に、二次電子検出器
又は分析器38の入射角度と不一致であり、転送レンズ36は、入射角度と一致
させる為に画像を変更することに使用される。転送レンズ36は、典型的に約四
の倍率を有する。この倍率は、画像の幅を増加させるが、転送レンズ36の出力
角度を減少させる。転送レンズ36を横切る電圧は、転送球面コンデンサーを横
切る電圧のように、分析されるオージェエネルギーに一致するように掃引される
【0040】 全てのタイプの電子エネルギー分析器を使用することができる。好適な二次電
子検出器又は分析器は、上述の転送球面コンデンサーと設計において類似する球
面コンデンサー分析器140を含むが、100mmの平均半径を有し、全半球設
計を有する。
【0041】 走査電子顕微鏡の撮像モードにおいて、オージェ電子分光モードと反対に、画
像の形成は、数eVの桁のエネルギーを有する二次電子の捕集に依存する。上述
の実施例において、低エネルギーの二次電子は、それら二次電子がシュノーケル
レンズ80を通過するとき、非常にコリメートされると考えられ、また著しい数
の低エネルギー電子が、転送球面コンデンサー98によって検出器に向って偏向
され一次ビームの経路から離れる代わりに、ドリフト管110の内側を通過する
と考えられる。低エネルギーの二次電子がドリフト管110を通過することを防
止する一つの方法は、SEM撮像の間、一次ビーム偏向システム30上の加速電
圧を切るか又は大きく減少させることである。次に、低エネルギーの二次電子は
、それほど強くコリメートされず、大部分がドリフト管110を迂回して検出器
に対して一次電子ビームの経路から偏向される。
【0042】 (動作方法) 図6は、本発明の一つの実施例において、試料20上のSEM撮像及びオージ
ェ分析の動作を行う過程におけるステップを示すフローチャートである。
【0043】 ステップ160は、試料20を、次に真空にする真空チャンバー60内の可動
ステージ上に置くことを示す。ステップ164は、オペレーターが、試料20に
亘って十分なエネルギーの一次電子ビームを走査し、撮像の為に二次電子の放出
を引き起こすことを示す。試料の損傷を減少させる為に、ステップ164におけ
る一次ビームのエネルギーは、オージェ分析に関して必要なエネルギーよりも低
くすることができる。ステップ166は、試料20から放出される低エネルギー
の二次電子の実質的な部分を、対物レンズ32を通じて捕集することを示す。ス
テップ170は、捕集した低エネルギーの二次電子を二次電子検出器に向わせる
ことを示す。ステップ170に関して、一次ビーム偏向システム30上の加速電
圧を、切るか又は実質的に減少させる場合もある。
【0044】 ステップ176は、試料20のSEM撮像を、検出された二次電子を使用して
行うことを示す。例えば、オージェ分析用のある標的の特徴を試料20周辺で操
縦して置く為に、SEM撮像を通じて同定し得る試料20の特徴を使用すること
ができる。
【0045】 ステップ180は、加速電圧を一次ビーム偏向システム30に印加して、オー
ジェ電子の捕集を開始することを示す。ステップ182は、試料20から放出さ
れたオージェ電子の実質的な部分を、対物レンズ32を通じて捕集することを示
す。ステップ184は、所望のエネルギー範囲内のオージェ電子を、二次電子検
出器34に印加された電圧を調節することによって、電子検出器又は分析器38
へ選択的に偏向させることを示す。転送レンズ36は、それがオージェ分析の為
に電子検出器又は分析器38に入力される前に、マッピングされたオージェ画像
を適合させる。ステップ186において、オペレーターは、オージェ分析を行い
、受けたオージェ電子のオージェスペクトルから、電子を放出した物質のタイプ
を決定する。
【0046】 (好適な実施例に関する仕様及び性能評価) 以下は、上述の二次電子捕集システムにおける100V及び1000Vのオー
ジェ電子における透過効率の評価である。転送球面コンデンサー及び球面コンデ
ンサー分析器の特徴を決定する為に使用される方程式は、Phys.Rev.5
4,pp.818−826(1983)に“The Focusing of
Charged particles by a Spherical Con
denser”と題されたE.M.Purcellに記載される。
【0047】 (入力レンズ) シュノーケルレンズ80及び加速する一次ビーム偏向システム30を通じたオ
ージェ電子の透過率Tは、 T=100ARA /Z (1) によって与えられ、ここで、Aは、静電的な加速が無く磁気レンズによる平行
化の無いときの試料からのオージェ電子の半角であり、ARは、放出されたオー
ジェ電子のエネルギーに対する加速後の全電子エネルギーの比として定義される
加速比であり、Tは、Aより小さい半角でシュノーケルレンズ80及び一次ビ
ーム偏向システム30を通過し、試料20によって放出されるオージェ電子の2
π立体角の百分率である。試料20から放出されるオージェ電子の均一な角度分
布を仮定する。
【0048】 例えば、1,000Vのオージェ電子に対して、5kVの一次ビーム、一次電
子ビームを集束させるのに十分な磁気レンズの励起、及び試料を離れた後のオー
ジェ電子の二重交差を仮定すると、加速無しの入力角度Aは0.3ラジアンで
あると評価される。静電レンズによる2,000Vの加速は、3の加速比を与え
る。1,000eVのオージェ電子における0.1ラジアンの円錐に対して、式
1は、約13.8%の透過率Tを与える。ドリフト管110における電子の評価
された損失を説明する為に13.8パーセントを20パーセントだけ減少させる
ことは、10.8パーセントの透過率を提供する。類似の計算を、75.6パー
セントの透過効率を生じる100eVのオージェ電子に対して行うことができる
。出願人は、100eVのオージェ電子に対してもAを0.3ラジアンである
と控えめに評価してきたが、Aは、100eVの電子に対してもっと大きくな
りそうであり、示した値よりも大きな全透過効率に帰着する。以下の表1は、1
000eVのオージェ電子、及び100eVのオージェ電子の透過率に関連する
要素を要約する。Eは、オージェ電子のエネルギーであり、Dは、シュノー
ケルレンズ80の極の面付近における図4に示すようなオージェ物体の大きさ9
2であり、Aは、シュノーケルレンズ及び静電的加速レンズの後におけるオー
ジェ電子の半角である。
【0049】
【表1】 表1 (転送球面コンデンサー) 図7は、約75mmの平均半径を有する転送球面コンデンサー98の撮像特性
を説明する。球面コンデンサーは、対称的であり、その球面コンデンサーがその
入口において電子を受け入れるのと同じ角度(約0.1ラジアン)で、その出力
において電子を放出する。オージェ物体88からオージェ画像90への法線に沿
って描かれた光線は、転送球面コンデンサー98の中心を通って通過する。転送
球面コンデンサー98は、分析されるオージェエネルギーと一致する電圧で掃引
される。
【0050】 図8A乃至8Cは、点源の画像上における球面コンデンサーに固有の収差を示
す。図8Dは、半径Dを有し、従って点源ではないオージェ源を示す。図8E
は、広がったオージェ源88の画像90上における球面コンデンサーの収差の効
果を示す。
【0051】 図8Aは、転送球面コンデンサー98における幾何学的収差を説明する。点源
を、小さいが有限の入力半角Aに関して入力から出力軸上の点に集束させる為に
、転送球面コンデンサー98上に印加された電圧を変える場合には、幾何学的収
差は、出力オージェ画像90が図8Aに示すパイ形状を取ることを引き起こす。
パイ形状は、線P及びQ(図7)を通るが図8Aの平面内にはない平面を通過す
るオージェ電子の軌道から生じる。
【0052】 図9は、転送球面コンデンサー98を通るオージェ電子の軌道を描く。図9に
示すように、A=0.1ラジアン及びR=75mmに対する最小のビーム幅W は、約1.5mmであり、ビームにおける光線の最高濃度は、W=0にある
。このように、最大の電流密度は、図8Aのパイ形状をしたオージェ画像の右手
側(頂点)に一致する。
【0053】 対称的な球面コンデンサー48に対するX方向における幾何学的収差Wは、 W=2ARA (2) によって与えられる。
【0054】 図8Aに示すようなy方向におけるビーム広がりは、 W=2BW (3) であり、ここで、角度Bは、y方向における半角であり、 B=c/R (4) で与えられ、ここでcは、転送球面コンデンサー98を出るビームの半幅である
。記載される実施例において、Bは、約0.25ラジアンである。
【0055】 転送球面コンデンサー98を横切る電場をわずかに減少させる為に、内側及び
外側の半球100及び102(図7)の間に印加された偏向電圧を変化させるこ
とによって、図8Bに示す蝶ネクタイ形状の画像を生成する為に、図8Aのパイ
形状の画像をオフセットすることができる。これにより、Y方向における幅は、
2BWからBWまで減少する。減少した幅は、球面コンデンサー分析器14
0の性能を最大化することを援助する。
【0056】 オージェ源の画像は、また色収差によっても広げられる。図8Cは、球面コン
デンサー分析器140におけるn個のチャンネルに対して、図8Bの蝶ネクタイ
に加えられた色収差を示す。画像平面90における色広がりWは、 W=n(dE/E)2R/(AR) (5) によって与えられ、ここでnは、分析器のチャンネル数であり、この例では5で
あり、dEは、検出器のチャンネル毎に分析されるオージェ電子のエネルギー
帯の幅であり、Rは、球面コンデンサーの平均半径であり、ARは、上述した加
速比である。dE/Eは、オージェ電子分光器のチャンネル毎の規格化され
た分析されるエネルギー幅を表し、典型的には約0.5パーセントである。
【0057】 図8Cは、幾何学的収差及び色収差を受けたオージェ画像が、W+Wのx
方向における幅、及びB(W+W)のY方向における幅を有することを示す
。図8Cは、チャンネルを、図8Bにおける単一エネルギーの場合の両側におい
て平等にバランスさせることを仮定する。よって、図8Cにおける蝶ネクタイは
、X方向の両端でW/2だけ広げられる。蝶ネクタイは、またY方向にもBW だけ広げられる。図8Dは、Dの直径を有するシュノーケルレンズ80にお
ける虚像のオージェ源88を示し、図8Eは、有限の広がりのオージェ源、及び
転送球面コンデンサー98まで及びこれを含む全ての収差の結果としてのビーム
幅を示す。画像の寸法は、 W=D+W+W (6) W=D+B(W+W) (7) である。
【0058】 転送球面コンデンサー98は、対称的であり、その出口120においてオージ
ェ電子を、そのコンデンサーがそれらオージェ電子をその入口で受けるのと同じ
角度(約0.1ラジアン)で、透過させる。転送球面コンデンサー98及び転送
レンズ36を、分析されるオージェエネルギーによって決定されるある範囲の電
圧を通じて掃引する。内側の球面100に対して負の偏向電圧を、一次電子ビー
ム16から実質的に離してオージェ電子を操縦する電場を発生させる為に、外側
の球面102に印加する。オージェ電子を、転送レンズ36によって、球面コン
デンサー分析器140の入口192へ集束させ、減速させる。半球100と10
2との間のオージェ電子の軌道は、電子のエネルギー、及び半球間の印加された
電圧の差に依存する。両方の球面を、陽極50と同じ電圧である2kVで浮動さ
せる。画像はY方向においてより狭い、即ちW<Wであり、従って、球面コ
ンデンサー分析器140の分散方向にWを置き、その分析器の性能を最適化す
ることが望ましいことに注意すること。以下の表2は、1,000eV及び10
0eVのエネルギー、及び2000Vの加速ポテンシャルを有するオージェ電子
に対して球面コンデンサーを出るオージェ画像の性質を要約する。
【0059】
【表2】 表2 (転送レンズ) 転送球面コンデンサーの出力角度は、典型的に、球面コンデンサー分析器14
0の入射角度に一致しないので、入射を一致させる適切な転送レンズ36を、球
面コンデンサー間に必要とする。記載された実施例において、倍率は二次電子光
学システム22における他の構成要素の性質に依存して変化すると考えられるけ
れども、転送レンズ36は、4の倍率を有する。転送レンズ36は、典型的に出
力画像の幅W及びWを増加させるが、出力角度を減少させる。次にビームが
球面コンデンサー分析器に入射する角度AOYを、式 AOY=A(RR)1/2/M (8) に従い、減速比によって再び減少させ、ここでAOYは、転送レンズからの出力
角度であり、RRは、 RR=(AR)(dV/V)/(dE/E) (9) として定義される減速比であり、ここで、dV/Vは、球面コンデンサー分
析器の規格化されたエネルギー分解能であり、典型的には、約3.5%である。
【0060】 転送レンズのトレース幅の出力は、MWである。
【0061】 転送レンズによる幾何学的収差及び色収差の寄与は、無視できると仮定する。
【0062】 以下の表3は、100V及び1000Vのオージェ電子に対する転送レンズの
特徴を示す。
【0063】
【表3】 表3 (球面コンデンサー分析器) SCAの分解能は、Rev.Sci.Instrum.Vol.41,No.
4,561−564(1970)における“Criterion for Co
mparing Analyzers”と題されたH.Z.Sar−EIによる
論文に与えられた式に記載されるような、そのSCAの半径R及び入力半角A によって決定される。分解能は、 (dV/VBW=Wslit/R+ASCA (10) のように計算され、ここで、(dV/VBWは、基本幅のエネルギー分解
能として定義され、ASCAは、Y方向のSCAへの許容される半角であり、Wslit はスリット幅であり、ここで(一個のチャンネルに対する)入口及び出
口のスリットは等しい。半値全幅(FWHM)のエネルギー分解能を、 (dV/VFWHM=Wslit/2R+ASCA /2 (11) に帰着する、式(10)で与えられる基本分解能の半分として評価することがで
きる。
【0064】 例えば、好適な100mmの半径の球面コンデンサー分析器は、次の特性、ス
リット幅=4mm、スリット長=10mm、ASCA=0.1ラジアン、及びA =1.6ラジアン、を有する。このように式(11)は、(dV/V WHM =4/200+0.1/2=2.5%を与える。0.5%のオージェエ
ネルギー分解能が望まれるとすると、1kVのオージェ電子を、5の減速比によ
って250Vまで減速させることができる。しかしばがら、1kVのオージェ電
子を、一次ビーム偏向システム30によって前もって3kVまで加速させたので
、250Vの電子を得る為に、オージェ電子を、転送レンズ36と球面コンデン
サー分析器140との間で15倍だけ減速させることが必要である。
【0065】 球面コンデンサー分析器に対して、 W=2RASCA (12) WSLIT=2R(dV/V−ASCA /2) (13) であり、ここで、式13は、式11を再整理することによって得られる。
【0066】 表4は、100V及び1000Vの電子に対して100mmの半径の球面コン
デンサー分析器における特徴を示し、ここで、スリット幅Wslitは6mmで
あるように選択する。
【0067】
【表4】 表4 構成要素の全透過率を以下の表5に示し、ここで 角度T=TAOY/ASCA (14) 面積T=WOY/WSLIT (15) 合計T=(面積T)(角度T) (16) である。
【0068】 角度Tは、転送SCA及び転送レンズに加えて、シュノーケルレンズ80及び
関連する静電レンズを通り過ぎる立体角の百分率である。面積Tは、分析用の球
面コンデンサー分析器140の入口150を通り過ぎる拡大した及び収差を持っ
たオージェ物体88の百分率である。
【0069】
【表5】 表5 五個のチャンネルのオージェ検出器システム12を使用して、オージェ電子に
おける7.1%の透過率の約五倍、即ち35.5%は、球面コンデンサー分析器
に透過する。
【0070】 “位相空間振動”と呼ばれる現象である、透過効率が、オージェエネルギーと
共に変化することを示すことができる。効率におけるこの変化は、二次電子の入
力角度を制限する、オージェ電子信号を規格化する、又はこれら二つの組み合わ
せのような、いくつかの方法で補償することができる。一つの実施例において、
二次電子及びオージェ電子の角度は、それら電子がシュノーケルレンズ80に入
る前に、例えば、シュノーケルレンズ80の標本側に非磁性開口を置くことによ
って、約0.21ラジアンに制限することができる。規格化を使用して補償する
為に、オージェ電子信号を、大きなエネルギー例えば約100eVに亘って平滑
化する関数を使用して背景の信号に対して規格化することができる。
【0071】 (好適な実施例の先行技術との比較) 図10は、従来の(非浸透性)磁気対物レンズ及び光分解能レンズに関して、
ショットキー場放出銃からの一次電子ビームに対する一次ビームの直径対ビーム
電流を示すグラフである。図10に関して、ビーム直径は、ビーム電流の50%
を取り囲む半径として定義される。グラフは、5kVのビーム及び5mmの作動
距離を仮定する。通常の対物レンズは、50mmの球面収差係数(CSi)及び
30mmの色収差係数(CCi)を有し、ここで高分解能レンズは、5mmのCSi 及び3mmのCCiを有する。図10は、10nmの直径のビームに対して
、ビーム電流が、高分解能レンズを使用することにより約20倍大きいことを示
す。
【0072】 高分解能レンズと両立する二次電子捕集システムを提供することによって、本
発明は、試料から分析器への電子の透過効率が両方の場合において同じであると
仮定して、オージェ分析を、同じビーム直径を使用する先行技術のシステムより
も約20倍速く行うことができる。上で示すように、本発明は、優れた透過効率
を提供する。一次ビーム電流を増加させることによって、減少した透過効率を補
償することができるが、増加した一次ビーム電流は、試料20を損傷させ得る。
【0073】 従来の標準的なSCAシステムの入力レンズは、典型的には、(入力レンズに
おける損失が無いと仮定して)約2%の入力透過率に対応する12度の半角まで
捕集する。球面コンデンサー分析器における多数のチャンネルは、透過率を幾何
学的に増加させる。例えば、商業的に入手可能な、Physical Elec
tronics,Inc.,Eden Prairie,MNからのオージェ分
光システムは、効果的に、オージェ検出器中に約16チャンネルを有し、オージ
ェ分光システムの入力レンズにおける損失が無いことを仮定して、約32%の効
果的な透過率を提供する。上述の本発明のシステムにおける球面コンデンサー分
析器140において、五個のチャンネルのオージェ検出器システム12は、1k
eVの電子に対して、レンズを通した(TTL)SEM/オージェシステムにお
いて、約35.5%の透過率を提供する。
【0074】 (二次電子捕集システムの代替実施例) 図11は、より大きな割合の等方的に放出されたオージェ電子を分析器に転送
する代替の二次電子捕集システム200を描く。図11の実施例は、二つの転送
球面コンデンサー202及び204を使用する。結果として、1kVのオージェ
電子は、約二倍の全透過率を有する。二次電子捕集システム200は、図3にお
ける一個の転送球面コンデンサーシステムの入射角度の二倍である、0.2ラジ
アンの入力角度からの二次電子を受け入れる。図11は、シュノーケルレンズ及
び加速レンズから放出される0.1ラジアン及び0.2ラジアンの角度を有する
光線を同定する。
【0075】 図11の実施例に関する仕様及び性能情報を、実施例3に関する上述の表と類
似する、以下の表に記載する。同じパラメーター名を、システムの性質を指定す
る為に使用するので、再度説明はしない。
【0076】 次のパラメーターはシステムを特徴付ける。
【0077】 B=0.3Rad VAccel=2000V DE/E=0.5% ASCA=0.10rad dV/V=8% M=8.00 n=5
【0078】
【表6】 表6 Aは、5kVの一次ビーム及びオージェ電子に関する二重交差条件を仮定す
る。出願人は、Aを100Vのオージェ電子に対して0.6ラジアンであると
控えめに評価したが、また、Aは、もっと大きくなりそうであり、より大きな
全透過効率に帰着する。
【0079】
【表7】 表7
【0080】
【表8】 表8
【0081】
【表9】 表9
【0082】
【表10】 表10
【0083】
【表11】 表11 (代替の対物レンズを使用する実施例) 図12は、本発明における他の実施例の断面図を描く。描かれた代替実施例に
おいて、図3の好適な実施例と類似の引用符は、全ての同一の構成要素を同定す
る為に使用している。走査電子顕微鏡(SEM)システム298は、レンズを通
した二次電子検出器システム300及び一次ビーム光学システム302を含む。
一次ビーム光学システム302は、対物レンズ組み立て品308を含む一次ビー
ム電子カラム304を含む。
【0084】 対物レンズ組み立て品308は、真空チャンバー312の壁に取り付けられ支
持される双極磁気レンズ310を含む。双極磁気レンズ310は、上側磁極部分
316、下側磁極部分318、及び磁場発生コイル320を含む。試料20は、
一般的に、上側磁極部分316と下側磁極部分318との間の可動試料ステージ
322上に置かれる。上側磁極部分316は、一次電子ビーム及びオージェ電子
を含む二次電子を通過させる為の開口324を有する。
【0085】 対物レンズ組み立て品308は、更に、上側磁極部分316によって支持され
る一次ビーム静電偏向システム326を含む。一次ビーム静電偏向システム32
6は、カラム上に装置されるか又はカラム中に統合される静電偏向板330、3
32、及び334を含む。偏向板330、332、及び334は、図3のレンズ
72、74、及び76に関する上述のものに類似の様式で、一次電子ビーム及び
放出される二次電子を操作する。下側磁極部分318を、傾いた又はより厚い試
料20を収容する為に上側磁極部分316から離して動かすことができ、より高
いSEM及びオージェ空間分解能並びにより高いオージェ電子透過率の為に、上
側磁極部分316付近に動かすことができる。
【0086】 下側磁極部分318は、試料20の下に配置され、試料20の上に配置される
上側極ヘッド部分340の極の直径よりも小さい極の直径を有する下側極ヘッド
部分338を含む。下側磁極部分318は、一般的に、上側磁極部分316より
も試料付近に位置する。この配置は、収差を減少させる上向きの方向に単調に減
少する磁場を提供する。さらなる極部分又は分割された上側極部分もまた、レン
ズの収差を最小化する為に、使用することができる。
【0087】 下側磁極部分318は、当技術において公知であるような水で冷却された磁場
発生コイル320によって励起される。上側の極に対する磁気回路を、軟らかい
磁性材料で作られ、頂上部分346から底部分348へ伸びるくびき344を使
用して仕上げしてもよい。くびき344の一部分のみを示す。くびき344を、
試料ステージ322を収容する為に、直角又は半直角を含む様々な形状に形成す
ることができる。好ましくは、示してないくびき344の部分は、下側磁気レン
ズ極316と上側磁気レンズ極318部分との間の磁場を戻す為の磁気回路を形
成する。代わりに、真空チャンバー312自体が、下側と上側磁気レンズ極部分
316と318との間に磁気回路を形成してもよい。
【0088】 走査電子顕微鏡システム298は、一次ビームの経路からのオージェ電子を偏
向させる為の転送球面コンデンサー98を含む。前述したように、ドリフト管1
10は、陽極50付近から転送球面コンデンサー98を通じて双極磁気レンズ3
10まで伸び、一次電子ビームが、試料20に向って分配されずに飛行すること
を許容する。オージェ電子の検出及び分析用のレンズを通した二次電子検出器シ
ステム300は、一般的に、図3の好適な実施例と関連して前述した構成要素を
含む。
【0089】 比較的強い静電ポテンシャルもまた、実質的にオージェ電子を上向きに向けて
、レンズを通した二次電子検出器システム300によってオージェ電子の検出効
率を向上させる為に、双極磁気レンズ310と組み合わせて使用される。例えば
、500乃至10,000Vを、オージェ電子の透過率を促進する為に、静電偏
向板330、332、及び334上に選択的に印加してもよい。
【0090】 動作において、オージェ電子を含む放出された二次電子は、対物レンズ組み立
て品308の組み合わせられた磁場及び静電場によって、上側に向けられる。上
側磁極部分316の内部において、静電偏向板330、332、及び334を、
一次電子ビーム16の走査、オフセット、及び収差補正に使用する。これらの静
電偏向板330、332、及び334並びにその上に配置される静電遮蔽円錐3
50を、上向きに及び転送球面コンデンサー98又は他の偏向器若しくは分離器
に向って飛行するように二次電子を加速させる為に、上述のような適切な正のポ
テンシャルにバイアスをかけることができる。この加速は、放出された二次電子
の角度を減少させ、オージェ電子の透過率を改善する。転送球面コンデンサー9
8は、オージェ電子を含む二次電子を本発明の図3の好適な実施例に記載される
ような球面コンデンサー分析器140に入力する転送レンズ36に向って、二次
電子を向って送る。
【0091】 好ましくは、傾斜可能な試料ステージ322は、上側磁極部分316と下側磁
極部分318との間に十分な隙間を提供する為に十分に薄く、傾斜可能な試料ス
テージ322を所望の範囲の角度を通じて傾けることを許容する。リングに提供
される傾斜機構並びにX、Y、Z及び回転ステージ機構を、リング及び試料20
を都合良く操る為に、このリングの側面に位置させてもよい。代わりに、ステー
ジX、Y及びRの平行移動機構をリングの周囲に位置させてもよく、またZ及び
傾斜機構を両端に配置させてもよい。他の組み合わせ又は形状を、傾斜可能な試
料ステージ322を設計する為に適切に使用してもよいことは、理解される。本
発明は、図13に示すような形状に限定されない。例えば、試料20は、試料ス
テージ322に対して垂直であってもよく、又は傾いていてもよい。一つの実施
例において、試料ステージ322は、下側磁極部分が、試料20の全X−Yの寸
法に亘って、試料の下側の面から約1mmにあることを許容する。
【0092】 図13は、磁気くびきを必要としない代替の双極レンズ350を示す。磁気回
路を仕上げる為に、カップ形状の下側磁極部分354は、戻ってくる磁束又は磁
場を上側磁極部分316に向ける。
【0093】 上述の本発明は、半導体のように、敏感な面を有する試料に対して高分解能が
必要とされるときには、特に有用である。現代の半導体製造所は、SEM撮像及
びオージェ分析の両方に対して最大の性能を要求する。本発明は、100オング
ストロームと200オングストロームとの間の分解能及び15%程度の捕集効率
を提供する先行技術のシステムと比較して、10%又はそれ以上の捕集効率を維
持すると同時に、10オングストロームと100オングストロームとの間の空間
分解能を提供する。本発明を使用して、分析者は、薄い表面層の元素の分布、及
び画像の地理的特徴を効率的に決定することができる。本発明は、非常に減少し
た信号獲得時間で10乃至20オングストロームの分解能まで、試料を同軸に撮
像及び分析することができる。十パーセント又はそれ以上の二次電子捕集効率は
、分析するのに十分なオージェ電子を生成する為に衝突する電子の合計数を減少
させることによって、試料の損傷を減少させる。
【0094】 本発明は、オージェ電子の分析に限定されず、二次電子を使用する全ての技術
に有用である。本発明の実行に使用される一次ビーム及びオージェ検出器システ
ムの性質はまた、調査する標本の性質、所望の電子ビームのエネルギー、及び分
析のタイプにも依存する。他のタイプのオージェ検出システム、静電偏向器、磁
気レンズ、偏向システム、及び分析器もまた使用することができる。
【0095】 上述の実施例は、単なる実例であって、当業者は、請求項で定義される本発明
の範囲から逸脱することなく、それら実施例に変形をすることができる。
【0096】 システムの異なる部分の多数の実施例を記載する。これらの異なる部分は、異
なるアプリケーションに対して様々な方法で組み合わせることができ、組み合わ
せは、上述の明確な組み合わせに限定される。例えば、図11における二つの球
面コンデンサーの二次電子捕集システムは、図12の対物レンズと組み合わせる
ことができるかもしれないし、又は平行板を全ての実施例においてドリフト管の
代わりに使用することができる。
【0097】 本発明は、多くの様相を有している。必ずしも全ての実施例が本発明の全ての
様相を含まないと考えられる。本発明の一つの様相は、高分解能走査電子顕微鏡
の分解能が二次電子捕集システムによって実質的に低下しない高分解能走査電子
顕微鏡システムにおけるオージェ電子のレンズを通した捕集に関するシステムを
提供する。
【0098】 本発明の更なる様相は、走査電子顕微鏡においてオージェ信号の獲得速度を増
加させる。
【0099】 更に、本発明の別の様相は、SEM図と実質的に整列されるオージェ図を生成
することができるSEMを提供する。
【0100】 更に、本発明の更なる様相は、高分解能シュノーケル対物レンズを通じたオー
ジェ電子の効率的な捕集を提供する。
【0101】 また、本発明の別の様相は、双極磁気対物レンズの極の一つを通じたオージェ
電子の効率的な捕集を提供する。
【0102】 また、本発明の更なる様相は、走査電子顕微鏡においてオージェ電子の捕集及
び透過効率を増加させる。
【0103】 更に、本発明の更なる様相は、一次ビームの分解能を著しく減少させることな
く一次ビームの経路の外に二次電子をそらすと同時に、一次ビーム対物レンズを
通じて二次電子を捕集する。
【0104】 本発明及びその利点を詳細に記載してきたが、ここで添付した請求項で定義さ
れる本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変化、置換、及び代替
を実施例になすことができることが、理解されるはずである。更に、本出願の範
囲は、本明細書中に記載される過程、機械、製造、物の構成、手段、方法、及び
ステップの個々の実施例に限定されない。当業者は、本発明の開示から容易にわ
かると考えられるように、ここに記載された対応する実施例と実質的に同じ機能
を行い実質的に同じ結果に到達するような現在存在しているか又は後に発展する
過程、機械、製造、物の構成、手段、方法、又はステップを、本発明に従って利
用してもよい。従って、添付した請求項は、それらの範囲内に、このような過程
、機械、製造、物の構成、手段、方法、又はステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 先行技術の、側面に装置したオージェ電子分光器を有する走査電子顕微鏡の概
略図である。
【図2】 二次電子のレンズを通した捕集を使用する本発明の走査電子顕微鏡の概略図で
ある。
【図3】 本発明に一致するレンズを通したオージェ検出器を有する走査電子顕微鏡装置
の好適な実施例を示す部分断面図である。
【図4】 図3の装置のシュノーケル対物レンズを通した計算された二次電子の軌道を示
す図である。
【図5A】 図3の模範となるドリフト管の断面の平面図である。
【図5B】 模範となるドリフト管及び転送球面コンデンサーの部分的な断面の正面図であ
る。
【図6】 本発明の一つの実施例における標本上でのSEM撮像及びオージェ分析動作を
行う方法を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の一つの実施例において二次電子の静電偏向に対して転送球面コンデン
サーとして使用される対称的な球面分析器の撮像特性を説明する図である。
【図8A】 点源の画像上の球面コンデンサーに固有の収差を示す図であり、図3の転送球
面コンデンサーの出力におけるオージェ画像内の幾何学的収差を示す図である。
【図8B】 加えられたエネルギーオフセットを伴う図8Aの幾何学的収差を示す図である
【図8C】 加えられた色収差を伴う図8Bの幾何学的収差を示す図である。
【図8D】 有限の直径を有する虚像のオージェ物体を示す図である。
【図8E】 図8Dのオージェ物体の拡大画像、及び図8A乃至8Cに示すような球面コン
デンサーに固有の様々な収差の組み込みを示す図である。
【図9】 図3の装置の転送球面コンデンサーを通じた模範的なオージェ電子の軌道を示
す図である。
【図10】 側面に装置した分析器を有する使用の為の高分解能シュノーケル対物レンズ及
びあまり最適でない磁気レンズに関する明確な直径のビームに対するビームの電
流を示すグラフである。
【図11】 レンズを通したオージェ検出器を有し、第二の転送球面コンデンサーを使用す
る走査電子顕微鏡装置の代替実施例の概略的な代表図である。
【図12】 双極磁気対物レンズを使用する本発明の実施例の断面図である。
【図13】 双極磁気レンズを使用するSEMに対する代替の下側極部分を描いた図である
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シェインフェイン,マイケル アール アメリカ合衆国,97124−5830 オレゴン ヒルズボロ エヌ・ダブリュ・エヴァグ リーン・パークウェイ 7451 Fターム(参考) 5C033 NN01 NP01 NP04 NP05 RR01 RR04 RR08 UU02 UU04 UU08

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子エネルギー分析器を含む走査電子顕微鏡システムであっ
    て、 試料を磁場中に浸漬する高分解能対物レンズを含むと共に、一次電子ビームを
    形成し、前記一次電子ビームを標本上に集束させる一次電子ビームカラムと、 前記高分解能対物レンズを通して二次電子を捕集する二次電子光学システムと
    、を含み、 前記二次電子システムは、 前記高分解能対物レンズを通して二次電子を加速する加速場を形成するレンズ
    と、 前記一次ビームの経路から前記二次電子を偏向させる静電コンデンサーと、 実質的に前記静電コンデンサーを通じて伸び、前記静電コンデンサーによって
    引き起こされる偏向及び収差から前記一次ビームを遮蔽する遮蔽物と、 前記二次電子のエネルギーを決定する電子エネルギー分析器と、を含み、 前記遮蔽物は、前記一次ビームを遮蔽する為に内側で導電性であり、前記静電
    コンデンサーの電場に関連する外部電場を形成する為に外側でポテンシャル勾配
    を有し、前記遮蔽物によって引き起こされる球面コンデンサーの場の歪みを減少
    させる、走査電子顕微鏡システム。
  2. 【請求項2】 前記静電コンデンサーは、球面コンデンサーを含む請求項1
    記載の走査電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記遮蔽物は、管又は多角形を含む請求項1記載の走査電子
    顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記遮蔽物は、一組み又は多数の板を含む請求項1記載の走
    査電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記高分解能レンズは、シュノーケルレンズを含む請求項1
    記載の走査電子顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記高分解能レンズは、双極磁気レンズを含む請求項1記載
    の走査電子顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記球面コンデンサーの出力を前記電子エネルギー分析器の
    入力に適合させる転送レンズをさらに含む請求項1記載の走査電子顕微鏡。
  8. 【請求項8】 電子エネルギー分析器を含む走査電子顕微鏡システムであっ
    て、 高分解能対物レンズを含むと共に、一次電子ビームを形成し、標本の表面を横
    切って前記ビームを走査して二次電子の前記標本からの放出を引き起こす一次電
    子ビームカラムと、 前記一次ビームの分解能を著しく低下させることなく前記一次ビームの経路か
    ら前記二次電子を偏向させる偏向器を含むと共に、前記対物レンズを通して前記
    二次電子を捕集する二次電子光学システムと、を含む走査電子顕微鏡システム。
  9. 【請求項9】 前記偏向器は、前記二次電子を偏向させる場を生成し、 及び、該場から前記一次ビームを遮蔽する遮蔽物をさらに含む請求項8記載の
    走査電子顕微鏡システム。
  10. 【請求項10】 前記遮蔽物は、内側で導電性であり、前記偏向器の前記場
    に対応する外側のポテンシャル勾配を維持する為に外側で抵抗性である請求項9
    記載の走査電子顕微鏡システム。
  11. 【請求項11】 前記偏向器は、静電検出器である請求項8記載の走査電子
    顕微鏡システム。
  12. 【請求項12】 前記偏向器は、球面コンデンサーである請求項11記載の
    走査電子顕微鏡システム。
  13. 【請求項13】 前記偏向器は、球面コンデンサーであり、 前記一次ビーム遮蔽物は、実質的に前記球面コンデンサーを通じて伸びる管を
    含み、 前記管は、前記球面コンデンサーにおける場の勾配に対応するポテンシャル勾
    配を外側に有する請求項9記載の走査電子顕微鏡システム。
  14. 【請求項14】 前記高分解能レンズは、シュノーケルレンズを含む請求項
    8記載の走査電子顕微鏡システム。
  15. 【請求項15】 前記高分解能レンズは、双極磁気レンズを含む請求項8記
    載の走査電子顕微鏡システム。
  16. 【請求項16】 前記双極磁気レンズは、 前記一次電子ビーム及び前記二次電子を通過させる開口を有する上側磁極部分
    と、 磁場発生コイルを有する下側磁極部分と、を含み、 第一のレンズ組み立て品に配置され、前記一次電子ビームを集束させ、前記標
    本から放出されるオージェ電子の実質的な部分を含む前記二次電子を上向きに集
    束させる請求項15記載の走査電子顕微鏡システム。
  17. 【請求項17】 前記上側磁極部分は、前記一次電子ビームを走査すると共
    に前記オージェ電子を実質的に前記偏向器に向ける静電ポテンシャルを選択的に
    印加する複数の静電偏向板を含む請求項16記載の走査電子顕微鏡システム。
  18. 【請求項18】 前記下側磁極部分は、比較的高い走査電子顕微鏡の空間分
    解能、比較的高いオージェ空間分解能、及び比較的高いオージェ電子透過率の為
    に前記下側磁極部分を上向きに機械的に動かすように、可動に取り付けられる請
    求項16記載の走査電子顕微鏡システム。
  19. 【請求項19】 試料は、比較的高い走査電子顕微鏡の空間分解能、比較的
    高いオージェ空間分解能、及び比較的高いオージェ電子透過率の為に、上げられ
    得るか、又は下げられ得る請求項16記載の走査電子顕微鏡システム。
  20. 【請求項20】 前記一次電子ビームは、5nmより精細な分解能を有する
    請求項8記載の走査電子顕微鏡システム。
  21. 【請求項21】 前記一次電子ビームは、2nmより精細な分解能を有する
    請求項8記載の走査電子顕微鏡システム。
  22. 【請求項22】 前記捕集の効率は、100eVのエネルギーを有するオー
    ジェ電子に関して二十パーセントより大きい請求項8記載の走査電子顕微鏡シス
    テム。
  23. 【請求項23】 標本の表面上の物質の組成を決定する方法であって、 一次電子のビームを形成するステップと、 前記一次電子のビームを、前記標本を磁場中に浸漬する対物レンズの少なくと
    も一部分を通して、前記標本の表面に向けるステップと、 前記対物レンズを通して、前記標本の原子からオージェ過程によって放出され
    る二次電子を向けるステップと、 前記一次ビームの経路から離れて位置する二次電子エネルギー分析器に向って
    、前記一次ビームの経路から離して前記二次電子を偏向させるステップと、 前記二次電子のエネルギーを分析するステップと、を含む方法。
  24. 【請求項24】 前記二次電子を偏向させるステップは、ある一定のエネル
    ギーを有する二次電子を偏向させる為に印加される電圧を調節するステップを含
    む請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記一次電子のビームを前記標本の表面に向けるステップ
    は、遮蔽物を通して前記電子のビームを通過させるステップを含み、 前記遮蔽物は、内側の面と外側の面とを含み、 前記内側の面は、前記一次電子のビームを遮蔽する為に導電性であり、 前記外側の面は、静電偏向器の電場に関連する外部電場を形成する為に抵抗性
    であり及び充電され、遮蔽管による前記偏向器の場の歪みを減少させる請求項2
    2記載の方法。
  26. 【請求項26】 高分解能走査電子顕微鏡を使用するオージェ電子分光を行
    う方法であって、 一次電子のビームを、対物レンズを通して標本の表面に向けるステップと、 最小錯乱円盤において虚像のオージェ源を形成するオージェ電子を、前記対物
    レンズを通して捕集するステップと、 前記一次ビームの経路から離れて前記虚像のオージェ源の画像を形成するステ
    ップと、 二次電子のエネルギーを分析するステップと、を含む方法。
  27. 【請求項27】 前記虚像のオージェ源の画像を形成するステップは、前記
    オージェ源の画像を形成する為に静電コンデンサーを使用するステップを含む請
    求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記一次電子のビームを対物レンズを通して標本の表面に
    向けるステップは、前記オージェ電子源の画像を形成する為に使用される場によ
    って前記ビームの収差を減少させる為に、前記一次電子を遮蔽物を通して向ける
    ステップを含む請求項26記載の方法。
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