JP4179369B2 - 走査形電子顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、検査する試料表面に電子ビームを走査することで試料表面の形状あるいは組成等を表す二次元の走査像を得る走査形電子顕微鏡に関し、特に低加速電圧領域で分解能の高い走査像を得るのに好適な走査形電子顕微鏡に関する。
走査形電子顕微鏡は、加熱形又は電界放出形の電子源から放出された電子を加速し、静電又は磁界レンズで細い電子ビーム(一次電子ビーム)とし、この一次電子ビームを走査偏向器を用いて観察する試料上に走査し、一次電子ビーム照射で試料から二次的に発生する二次電子又は反射電子等の二次信号を検出し、検出信号強度を一次電子ビーム走査と同期して走査されているブラウン管の輝度変調入力とすることで二次元の走査像を得る。一般の走査形電子顕微鏡では、負電位を印加した電子源と接地電位にある陽極間で電子源から放出された電子を加速し、接地電位にある検査試料に電子ビームを走査している。
走査形電子顕微鏡が半導体素子製作のプロセス又は完成後の検査(例えば電子ビームによる寸法測定や電気的動作の検査)に使われるようになった結果、絶縁物を帯電なしに観察できる1000ボルト以下の低加速電圧で10nm以下の高分解能が要求されるようになってきた。
低加速電圧領域で高分解能化を阻害している要因は、電子源から放出される電子ビームのエネルギーのバラツキを原因とする色収差による電子ビームのぼけである。低加速電圧の走査形電子顕微鏡では、この色収差によるぼけを小さくするため、放出される電子ビームのエネルギーのバラツキの小さい電界放出形の電子源が主に用いられている。しかし、電界放出形の電子源をもってしても、500ボルトでの空間分解能は10〜15nmが限界で、ユーザの要求を満たせないものとなっている。
この問題の解決策として、電子源と接地電位にある陽極間での一次電子ビームの加速は最終の加速電圧より高い電圧値に設定し、接地電位にある対物レンズと負電位を印加された検査試料の間で一次電子を減速することで最終の低加速電圧へ設定する方法がある(参照:アイ・トリプルイー,第9回アニュアルシンポジュウム オン エレクトロン イオン アンド レーザ テクノロジーのプロシーデング,176〜186頁,IEEE 9th
Annual Symposium on Electron, Ion and Laser Technology)。
この方法の効果はすでに実験で確認されているが、試料に高電圧が印加されているため
、二次電子が減速電界で鏡体内に引き込まれ検出することが困難であること、絶縁性の高い試料ステージを必要とすることから、市販装置に採用された例はほとんどない。
本発明は前述した課題に対するブレイクスルーを提供するものである。本発明では、対物レンズと試料との間に印加された電界で対物レンズの開口内に吸引された二次電子又は反射電子等の二次信号を対物レンズを通過した後に検出する手段を設けることで二次信号検出の問題を解決し、また、対物レンズ通路に後段加速手段を設けることで試料に印加する負電位を実用可能な値にまで低下させ、市販装置に採用できる構造としたものである。
すなわち、本発明は、電子源と、電子源から発生した一次電子ビームを試料上に走査する走査偏向器と、一次電子ビームを収束する対物レンズと、一次電子ビームの照射により試料から発生する二次信号を検出する二次信号検出器とを含み、試料の二次元走査像を得る走査形電子顕微鏡において、対物レンズの電子ビーム通路に配置された加速円筒と、加速円筒に一次電子ビームの後段加速電圧を印加する手段と、加速円筒と試料の間に一次電子ビームに対する減速電界を形成する手段とを備え、二次信号検出器を加速円筒より電子源側の位置に配置したことを特徴とする。
本発明によれば、二次電子又は反射電子の検出が困難であった問題,試料に電圧が高い電位が印加されることに起因する取扱いの問題を解決することができ、低加速電圧の領域において色収差を軽減した走査形電子顕微鏡を実現することができる。
二次信号検出器は、一次電子ビームを通過させる開口を有する導電性の反射板と、前記反射板で発生した二次電子を吸引する吸引手段と、吸引した二次電子を検出する検出手段を含むことができる。吸引手段は電界とこれに直交する磁界で作り、電界による一次電子ビームの偏向を磁界によって打ち消すようにすることができる。この方式の二次信号検出法は、加速円筒を設けない場合、又は加速円筒を0V(接地電位)とした場合にも適用可能である。
二次信号検出器は、一次電子ビームを通過させる開口を有するマルチチャンネルプレートで構成してもよいし、一次電子ビームを通過させる開口を有する蛍光体と螢光体の発光を検出する光検出器で構成してもよい。
二次信号検出器の設置場所は、加速円筒と走査偏向器の間、走査偏向器と電子源の間のいずれか一方又はその両方とすることができる。2箇所に二次信号検出器を設けた場合には、そのいずれか一方の検出信号を用いて走査像を形成することもできるし、2つの検出器の検出信号を演算して走査像を形成することもできる。いずれの方法によって走査像を形成するかは、走査像倍率又は予め与えられた観察条件に応じて自動的に選択するようにしてもよい。この2個の二次信号検出器を用いる方式も、加速円筒が設けられていない場合、又は加速円筒を0V(接地電位)とした場合に適用可能である。
一次電子ビームの走査偏向器は、静電偏向と磁界偏向を組合せることで、一次電子ビームに対しては所望の偏向を与えるが試料側から吸引された二次信号に対しては偏向を与えないようにすることができる。この静電偏向と磁界偏向を組合せる偏向方法は、加速円筒が設けられていない場合にも適用できる。
加速円筒に印加する後段加速電圧と電子源に印加する電子銃電圧の比、及び試料に印加する電圧と電子源に印加する電子銃電圧の比を一定に保ちながら後段加速電圧及び試料印加電圧を制御すると、試料から発生した二次信号のクロスオーバー点を一定位置に維持することが可能である。
対物レンズの磁界が作るレンズ中心と、加速円筒と試料の間に形成される静電レンズのレンズ中心を一致させることで、減速電界によって形成される静電レンズ作用による走査像の歪をなくすことができる。
対物レンズの上磁極を対物レンズの残部から電気的に絶縁し、それに後段加速電圧を印加することで上磁極に加速円筒を兼用させると、前記磁界レンズと静電レンズの中心を一致させることが容易になる。
本発明によれば、対物レンズ内を通過するときの一次電子ビームの加速電圧を最終の加速電圧より高くすることができ、対物レンズで発生する収差によるビームのぼけを少なくすることができる。また、電子ビーム通路内に反射板を設けることにより、これまで困難であった二次電子又は反射電子等の二次信号を効率良く検出することができる。
図1は、本発明による走査形電子顕微鏡の実施例の概略図である。電界放出陰極1と引出電極2との間に引出電圧3を印加すると、放出電子4が放出される。放出電子4は、引出電極2と接地電位にある陽極5の間でさらに加速(減速の場合もある)される。陽極5を通過した電子ビームのエネルギー(加速電圧)は電子銃加速電圧6と一致する。本発明では、この陽極5を通過した一次電子ビーム7を、さらに対物レンズ8を貫通して設けられた加速円筒9で後段加速する。対物レンズ8内を通過するときの電子ビームのエネルギーは、電子銃加速電圧6と加速円筒9に印加される後段加速電圧10の和になる。この後段加速された一次電子ビーム11を試料12に印加した負の重畳電圧13で減速し、所望の加速電圧にする。この方法の実質の加速電圧は後段加速電圧10に関係なく、電子銃加速電圧6と重畳電圧13の差になる。
陽極5を通過した一次電子ビーム7はコンデンサレンズ14,上走査偏向器15,下走査偏向器16で走査偏向を受けた後、対物レンズ8の通路に設けられた加速円筒9でさらに後段加速電圧10の加速を受ける。後段加速された一次電子ビーム11は、対物レンズ8で試料12上に細く絞られる。対物レンズ8を通過した一次電子ビーム11は、対物レンズ8と試料12間に作られた減速電界17で減速され、試料12に到達する。
この構成によれば、対物レンズ8を通過するときの一次電子の加速電圧は、最終的な加速電圧よりも高くなっている。この結果、最終的な加速電圧の一次電子ビームを対物レンズ8に通す場合に比較すると、対物レンズでの色収差が減少し、より細い電子ビーム(高分解能)が得られる。対物レンズ8の一次電子ビームの開き角は、コンデンサレンズ14の下方に置かれた絞り18で決められる。絞り18のセンタリングは調整つまみ19で行う。図では機械的な調節を行っているが、絞り18の前後に静電又は磁界偏向器を設け、電子ビームを偏向させて調整してもよい。
対物レンズ8で細く絞られた電子ビームは上走査偏向器15と下走査偏向器16で試料12上を走査されるが、このとき上走査偏向器15と下走査偏向器16の偏向方向と強度は、走査した電子ビームが常に対物レンズ8の中央を通るように調整されている。試料
12は重畳電圧13が印加された試料ホルダ20の上に固定されている。試料ホルダ20は絶縁台21を介して試料ステージ22に載せられ、水平位置の調整が可能になっている
一次電子ビーム11が試料12を照射することで二次電子23が発生する。対物レンズ8と試料12間に作られた減速電界17は二次電子23に対しては加速電界として働くため、対物レンズ8の通路内に吸引され、対物レンズ8の磁界でレンズ作用を受けながら昇っていく。対物レンズ8内を通過した二次電子23は対物レンズ8と下走査偏向器16の間に置かれた吸引電極24の横方向電界で吸引され、吸引電極24のメッシュを透過した後、10kV(正電位)が印加されたシンチレータ25で加速され、シンチレータ25を光らせる。発光した光はライトガイド26で光電子増倍管27に導かれ電気信号に変換される。光電子増倍管27の出力はさらに増幅され、ブラウン管(図示せず)の輝度変調入力になる。
この構成の特徴は、コンデンサレンズ14,絞り18,対物レンズ8を通過するときの電子ビームの加速電圧は最終のエネルギーよりも高いことであり、特に色収差を支配する対物レンズ8を通過するときは更に後段加速が加わっていることである。典型的な例では
、電子銃加速電圧:1000ボルト,後段加速電圧:1000ボルト,試料12への負の重畳電圧:500ボルトで、実質の加速電圧:500ボルトである。対物レンズ8を通過するときは2000ボルトになっているため色収差は約50%に減少し、加速電圧を500ボルトとした場合には15nmであったビーム径(分解能)が、7nmに改善される。
前述の実施例では、二次電子23を吸引電極24で電子通路外に取り出して検出していた。この方法は重畳電圧13が高くなると二次電子23のエネルギーが高くなるため、それに相応して吸引電極24に与える電圧を高くする必要がある。その結果、一次電子ビーム(陽極5を通過した一次電子ビーム7)をも偏向してしまう問題が生じる。
図2に示す反射板を用いた実施例は、上述の問題を解決し、高効率の検出を可能にする
。本実施例では、電子線通路に中央孔28のある反射板29を設ける。反射板は、金,銀
,白金等、電子照射によって二次電子を発生しやすい材料が表面にコーティングされている。陽極5を通過した一次電子ビーム7は反射板29の中央孔28を通過した後、加速円筒9に入る。中央孔28の径は、走査偏向器15,16で偏向した電子ビームが反射板
29に衝突しない大きさに設定される。試料12で発生し重畳電圧13で加速された二次電子23は、対物レンズ8のレンズ作用で発散しながら加速円筒9を通過し、反射板29の裏面に衝突する。二次電子と軌道は異なるが、試料12で発生した反射電子も同様に反射板29の裏面に衝突する。
反射板29の裏面で作られた二次電子30は吸引電極24の電界で吸引され、図1と同様にシンチレータ25,ライトガイド26,光電子増幅管27を経て電気信号に変換される。この方式の特長は、試料に印加する重畳電圧13が高く二次電子23の加速が高くなっても、検出しているのは加速を受けていない反射板29で作られた二次電子30であるため、吸引電極24に与える電圧が低くてよいことである。そのため、吸引電極24の発生する電界が陽極5を通過した一次電子ビーム7に与える影響を小さくすることができる
。ここでは吸引された二次電子の検出にシンチレータ25を用いたが、チャンネルプレートやマルチチャンネルプレート等の電子検出増幅器を用いてもよい。
図3は、反射板29で作られた二次電子30を吸引する電界Eと直交して磁界Bを印加した例である。この構造にすると、前述した吸引電界Eによる一次電子ビームの偏向を補正することができる。すなわち、陽極5を通過した一次電子ビーム7の偏向を磁界Bによる偏向で補正する。ここで31′,31″は吸引電界を作る電界偏向電極で、31″は二次電子30が透過できるようにメッシュになっている。32′,32″は直交磁場偏向コイルである(磁界Bを発生するコイル32′,32″は、図にはシンボリックに表示してある)。この直交磁場偏向コイル32′,32″が作る磁界Bは電界Eと直交し、磁界B
の強さは加速された電子ビーム7が受ける電界Eによる偏向を打ち消すように調整されている。この実施例では直交磁場偏向コイル32を一組としているが、直交磁場偏向コイルを角度を持って配置された二組とすれば、各組のコイルに流す電流等を調整することによって電界との直交度を厳密に調整することができる。直交磁場偏向コイル32を二組とする代わりに電界偏向電極を二組として電界の方向を調整しても、電界と磁界の直交度を厳密に調整することが可能であることは言うまでもない。
なお、図2及び図3に示した反射板29を用いる二次信号検出法は、加速円筒9が設けられていない場合、あるいは加速円筒9を接地した場合にも有効に動作する。
図4は、二次信号検出器を上走査偏向器15の上方に設けた実施例を示す。図では二次信号検出器が上走査偏向器15と絞り18の間に設けられている。図2と同様に反射板
29に中央孔28が設けられているが、ここでは一次電子ビームはまだ走査偏向をされていないため、中央孔28の大きさは最小一次電子ビームの開口角を制限する絞り18と同じ径であっても良い。図の実施例では、絞り18の下方に直径0.1mm の中央孔28を持った反射板29が設置されている。絞り18と反射板29を共用することも可能である。
反射板29を走査偏向器の下方に設置した場合には、その中央孔28の径は偏向した電子ビームが衝突しない大きさに設定されていた。中央孔28の大きさを典型的な例で比較すると、下方に設置した場合は3〜4mmの大きさが必要であるが、上方に設置した場合には0.1mm 以下でよい。このように、反射板を走査偏向器の上方に設置すると反射板の中央孔を充分小さくできることから、二次電子の反射板による捕獲効率が向上する。
図4の実施例では、試料12は対物レンズ8の磁極ギャップ内に置かれている。この配置は対物レンズ8の色収差係数を小さくするもので、より高分解能を追及する形状である
。試料ステージ22も対物レンズ8内に設けられる。
図5は、走査偏向器の上方と下方の両位置に二次信号検出器を設けた実施例である。上走査偏向器15の上に上検出器33が、下走査偏向器16と加速円筒9の間に下検出器
34が設けられている。上検出器33及び下検出器34は、図3及び図4に示すように、それぞれ反射板29a,29b,電界偏向電極31a,31b,直交磁界偏向コイル32a
,32b,シンチレータ25a,25b,ライトガイド26a,26b,光電子増倍管
27a,27bを備える。
この実施例では、下検出器34の反射板29bの中央孔28bを通り抜けた二次電子又は反射電子を上検出器33で検出することができる。上検出器33で検出される二次信号は試料12から垂直方向に出射した二次電子と反射電子を多く含むことから、下検出器
34とはコントラストの異なった像が得られる。例えば、半導体素子の製造プロセスにおけるコンタクトホールの検査において、下検出器34を用いると周囲からコンタクトホールの部分を強調した像が得られ、上検出器33を用いるとコンタクトホールの底部の精細な像が得られる。また、両検出器33,34の信号を演算することにより試料の特徴を強調したコントラストを作ることも可能である。
走査像を上下どちらの検出器の出力で作るかは、操作者の選択で行うこともできるが、予め決められた条件で自動的に選択するようにしても良い。例えば観察倍率が2000倍以下では下検出器34を選択し、それより高い倍率では上検出器33を選択する。また、観察する試料によって選択するようにしても良い。この場合には、観察する試料の種類を装置に入力する等の手続きを行う。例えば、半導体素子のコンタクトホールの観察が入力された場合には、ホール内部を強調する上検出器33を自動的に選択し、表面のレジストを観察する場合には下検出器34を選択する。
なお、図4又は図5に示した実施例において、加速円筒9を除去、あるいは加速円筒9を接地しても、その効果は大きく、十分実用的である。
図6は、マルチチャンネルプレート検出器を用いて二次信号を検出する実施例である。マルチチャンネルプレート35は円板状で、一次電子ビームを通す中央孔28が設けられている。また、マルチチャンネルプレート35の下方にはメッシュ37が設けられ、接地されている。このような構成において、陽極5を通過した一次電子ビーム7はマイクロチャンネルプレートの中央孔28を通過した後、対物レンズで収束されて試料に照射される
。試料で発生した二次電子23は、メッシュ37を通過してチャンネルプレート35に入射する。チャンネルプレート35に入射した二次電子23は、チャンネルプレート35の両端に印加された増幅電圧38で加速,増幅される。増幅された電子39はアノード電圧40でさらに加速されてアノード41に捕獲される。捕獲された二次電子信号は増幅器
42で増幅された後、光変換回路43で光信号44に変換される。光信号44に変換するのは、増幅器42がチャンネルプレート本体35の増幅電圧38でフローテングになっているためである。光信号44は接地電位の電気変換回路45で再び電気信号に変換され、走査像の輝度変調信号として利用される。
ここで、アノード41を2分割あるいは4分割として二次電子23の放出方向の情報を得ることも可能である。この場合、増幅器42,光変換回路43,電気変換回路45が分割に相当する数だけ必要であること、分割された信号を演算する信号処理が行われることはいうまでもない。
図7は、単結晶シンチレータを利用して二次信号を検出する実施例である。図7において単結晶シンチレータ46は、例えば円柱状のYAG単結晶を斜めに切断し、その切断面に一次電子ビームを通過させるための開口部47を設けたものであり、その先端部には金属又はカーボン等の導電性薄膜48がコーティングされ、導電性薄膜48は接地されている。試料12から発生した二次電子23がシンチレータ46を照射することで発光した光は、斜め部分で反射し、円柱の部分が構成するライトガイドで光電子増倍管27に導かれ検出,増幅される。なお、本実施例ではシンチレータ46の発光部とライトガイドを共にYAG単結晶により構成するものとして説明したが、二次電子を検出する発光部のみを
YAG単結晶あるいは螢光体とし、ライトガイドをガラスや樹脂などの透明体で構成するようにしても良い。
図7を用いて二次信号検出を効率的に行う制御法について述べる。二次信号(例えば二次電子)23は対物レンズ8の磁場内を通過するためレンズ作用を受け、二次電子のクロスオーバ49が作られる。もし、レンズ作用で二次電子がシンチレータ46の開口47に焦点を結ぶと、ほとんどの二次電子が開口47を通過してしまい検出できなくなる。そこで焦点を反射板前後に結ぶように調整し、検出効率を上げている。実施例では、加速電圧(実質の加速電圧)を変えたときに二次電子の焦点位置を変化させないように、後段加速電圧、試料に印加する重畳電圧を制御している。
磁界レンズの焦点距離は、レンズコイルに流す電流をI、コイルの巻数をN、レンズ磁界を通過するときの電子の加速電圧をVとして、変数I・N/V1/2 の関数である。一次電子がレンズ磁界を通過するときの加速電圧は、Voを電子銃加速電圧、Vbを加速円筒に印加する後段加速電圧とするとき、(Vo+Vb)である。試料位置(焦点距離)が一定であることから、I・N/(Vo+Vb)1/2 は常に一定値(=a)になる。二次電子がレンズ磁界を通過するときの加速電圧は、試料に印加する重畳電圧をVrとするとき、
(Vr+Vb)で、変数I・N/V1/2は次式で表される。
I・N/V1/2=a(Vo+Vb)1/2/(Vr+Vb)1/2
=a{1+(Vb/Vo)}1/2/{(Vr/Vo)
+(Vb/Vo)}1/2
この式から、Vr/Vo,Vb/Vo比を一定で制御すれば、二次電子の焦点位置は一定になる。すなわち、Vr/Vo,Vb/Vo比を一定として後段加速電圧Vb及び試料の重畳電圧Vrを制御すれば、加速電圧(実質の加速電圧)に依存することなく二次電子の焦点位置を一定に制御できる。
図8は、試料面に印加される電界を制御する制御電極を付加した例である。対物レンズ8と試料12の間に制御電極36が設けられ、これに制御電圧50が印加されている。この制御電極36には電子ビームが通過する孔が開いている。この制御電極36で、加速円筒9と試料12の間で試料12の表面に加わる電界強度を制御する。この構成は、試料に強い電界が印加されると不都合な場合に有効である。例えば、半導体集積回路の形成されたウェーハの強電界による素子破損の問題がある場合である。
またウェーハ周辺が酸化膜で覆われている場合の試料ホルダ20との電気的非接触の問題に有効である。より具体的には試料(ウェーハ)の側面,裏面が絶縁体で覆われてしまうような場合、レターディングのための電気的な接続をすることが出来ない。また試料
(ウェーハ)12は、試料ホルダ20と対物レンズ8の間で作られた電界中にあり、制御電極がない場合、試料ホルダ20に印加した重畳電圧13と接地電位にある対物レンズ8の中間の電位しか印加されないため、正常な観察が出来なくなるからである。
また制御電極36の電位を重畳電圧13が印加された試料ホルダ20の電位と同電位あるいは試料ホルダ20より数十ボルト正電位とすることで、素子の破損やウェーハが試料ホルダ20の電位から浮いてしまうことを防ぐことができる。この場合、制御電極36が常に試料(ウェーハ)を覆うような充分な大きさにする。
図9は制御電極を付加した場合の1例を示す図である。
試料(ウェーハ)12の上方に一次電子線が通過する開口59を持った制御電極60を設け、該制御電極60に試料ホルダ20に印加する重畳電圧13と同一の電圧を印加する
。試料ホルダ20と同一電位の制御電極60を試料(ウェーハ)12上に設置すると、ウェーハは同一電位の金属で囲まれることになり、該ウェーハは囲んでいる金属の電位と同電位になる。厳密には陽極5を通過した一次電子ビーム7を通す開口59からの電界の侵入が金属の電位との誤差になる。この誤差は概略、試料(ウェーハ)12の面積と開口59の面積の割合である。例えばウェーハが8インチで開口59の直径が10mmであると、面積比は1/400で電位の誤差は1%となり十分小さな値となる。
以上のような構成ではウェーハを囲んでいる金属が有する電位と、同じ電位をウェーハに印加することが可能となる。
これにより、表裏面が絶縁膜で覆われているようなウェーハであって、試料ステージなどと電気的な接続ができない場合であっても、レターディングのための電圧を印加することが可能となる。
尚、この実施の形態では試料ホルダ20の内、少なくとも試料(ウェーハ)12の下部に位置する部分を重畳電圧13を印加するための導電体で形成することで、上述の如くウェーハは同一電位の金属で囲まれることになる。試料ホルダはそのものが導電体であっても良く、また試料ホルダ内に導電体を挿入しても良い。
図10は制御電極を付加した場合の他の1例である。
試料(ウェーハ)12と対物レンズ8との間に制御電極60が設置され、該制御電極
60には試料ホルダ20に印加される重畳電圧13と同じ電圧が印加されている。これにより、試料(ウェーハ)12は同一電圧の印加された試料ホルダ20と制御電極60で囲まれることになり、前述したように試料(ウェーハ)12が絶縁膜で覆われていても、重畳電圧13の電圧を試料(ウェーハ)に印加させることが出来る。
該制御電極60の開口59は通常は円形であるが、円形以外でも可能である。該開口
59の大きさは観察しようとする視野を妨げない大きさとする。この実施の態様では開口59の大きさは直径4mmである。制御電極60と試料(ウェーハ)12との間隔が1mmなので、直径4mmの視野があることになる。また減速電界が開口59を通して、ウェーハまで到達しているため、二次電子を効率よく対物レンズ8上に引き上げることが出来る。開口径を小さくした場合は、減速電界が試料(ウェーハ)12に到達しないが、ウェーハを傾斜したり、試料に凹凸がある場合にはこのような条件の方がよく、非点収差の発生や視野ずれを低減することが出来る。
試料(ウェーハ)12の任意の場所を観察するためにステージ22が設けられている。ここでもし、試料(ウェーハ)12の中心点から大きく外れたところを観察対象としたとき、試料(ウェーハ)12を大きく移動させる必要がある。このとき試料(ウェーハ)
12が、制御電極60から外れると、試料(ウェーハ)12の電位が変化し、一定のレターディング電圧を印加することが出来なくなる。
この事態に対処するため、この実施の態様では試料(ウェーハ)12の移動軌道に沿って制御電極を形成している。この構成によりステージ22によって試料(ウェーハ)12の位置が変化しても一定のレターディング電圧を印加でき、更に対物レンズ8と試料(ウェーハ)12間に生ずる電界による素子破壊を防止できる。
また、この実施の態様ではウェーハの移動範囲以上の大きさを持つ制御電極を配置することが望ましい。具体的には8インチウェーハの全面を観察するための制御電極の直径は直径400mmの大きさにする。このような構成によってウェーハを如何に移動させても、ウェーハに印加される電圧を一定に保つことができる。
なお、本実施例では制御電極を平板状の電極としたが、メッシュ状,多数の孔あるいはスリットが形成された形状のものとすることによって、真空排気性を向上させることもできる。この場合、孔径,スリット幅はウェーハと制御電極の間隔よりも小さいことが望ましい。
図10では、一次電子63cが制御電極60の開口59を通過し、試料(ウェーハ)
12に照射されると、二次電子62が発生する。発生した二次電子62は一次電子63cに対する減速電界で逆に加速されて対物レンズ8の上方に導かれる。この際対物レンズ8の磁界によって、レンズ作用を受けるため図に示すように焦点を作りながら対物レンズ8上に導かれる。
導かれた二次電子62は反射板29に衝突し、二次電子30を発生させる。この二次電子30は対向して置かれた負電位の印加された偏向電極31′と正電位の印加された偏向電極31″の作る電界で偏向される。偏向電極31″はメッシュで作られているので二次電子30はメッシュを通過してシンチレータ25で検出される。32″,32′は偏向コイルであり、偏向電極31′,31″の作る電界と直交した磁界を作り、偏向電極31′
,31″の作る電界による一次電子線ビーム63bの偏向作用を相殺している。
なお、図示していないが制御電極64を冷却することで一次電子ビーム63cを試料に走査することにより発生する汚染(コンタミネーション)を減少させることも可能である
図11は制御電極を付加した場合の更に他の1例である。
電界放射陰極1,引出電極2,陽極5,コンデンサレンズ14,対物レンズ8,試料
12,試料ホルダ20,絶縁台21,試料ステージ22等の構成要素は真空筐体66に納められている。尚、真空排気系は図示を省略している。
ここで試料12に負の重畳電圧が印加されている状態では、試料交換機構67による試料交換作業や、真空筐体66内を大気にすることを避けなければならない。換言すれば、電子ビームを試料12上に走査させているときだけ重畳電圧13を印加するようにすればよい。
そこでこの実施の態様では試料の装着・交換時の準備動作であるスイッチ68が閉じて加速電圧6が印加されている第1の条件と、電界放射陰極1と試料12の間に設けられたバルブ69,バルブ70の両者が開いている第2の条件と、試料交換機構67が試料12を試料ステージ22に乗せるために通過するバルブ71が閉じている第3の条件とが全て満たされたときのみ、スイッチ72が閉じて試料12に重畳電圧13が印加される制御が行われている。
また、試料ホルダ20と試料ステージ22は放電抵抗73を介して電気的に接続されており、スイッチ72が開放されると試料12にチャージされた電荷は試料ホルダ20,放電抵抗73,試料ステージ22(試料ステージ22は接地されている)を介して一定の時定数のもとに速やかに放電され、試料12の電位が下がるようになっている。放電抵抗は重畳電圧13の電源に内蔵しても良い。
尚、電界放射陰極1の周囲の真空が設定値以下であるという条件のもとに、陽極5から加速電圧の印加が可能となり、更に真空筐体66の真空が設定値以上のときのみバルブ
69,70が開放されるようなシーケンスが組み込まれていることは言うまでもない。
またこの実施の態様では、上述の3つの条件の全ての条件を満足したときに重畳電圧
13が印加されるものとして説明したが、これらのうちの1つ或いは2つの条件が満たされたときにスイッチ72が閉じるようにしても良い。
図12は制御電極を付加した場合の更に他の1例であり、試料を傾斜することの出来る試料ステージ22を持った走査型電子顕微鏡に適用したものである。この実施の態様では制御電極76は試料75内の上部上面を覆うように取り付けられている。また見方によっては対物レンズの形状に沿って配置されているともいえる。対物レンズの形状は試料12の移動を妨げないように形成されており、図12のように傾斜装置を備えたような装置の場合、試料12に向かって先鋭的な形状を有している。このような条件下で形成された対物レンズに沿って制御電極を形成することによって、試料の移動を妨げることなく制御電極を配置することが可能となる。
またこの場合試料(ウェーハ)12がどの位置,どの傾斜角にあっても試料(ウェーハ)12が試料ホルダ20と制御電極76に包囲されるようになっている。この構成によれば試料(ウェーハ)12の表面に電界が生じない。20aは試料(ウェーハ)12が傾いた状態を示している。74は試料ステージ22に組み込まれた傾斜機構である。この実施の態様では傾斜したときに制御電極76と試料(ウェーハ)12の間で作る電界が変化しないように制御電極76の開口65の直径は、開口65と試料12の距離より小さくすることが望ましい。なお、制御電極76に印加する電圧を試料12に印加する電圧より、数十V正電位とすることで二次電子の検出効率を向上することが出来る。
この際、レターディング用の電圧を試料に印加するという目的上、試料に印加される電圧と、制御電極に印加される電圧に基づく複合的な電界の作用を考慮し、所望の電位が試料に印加されるように、試料と制御電極のそれぞれに印加される電圧を設定することが望ましい。
また開口径を大きくし二次電子を吸引する電界を試料12に与えることも可能である。この場合は傾斜することにより観察位置ずれが生じるが、予め傾斜角とずれの量を計測し
、電子ビームを偏向する。あるいは試料ステージ22を水平移動させる等の補正を行うことにより、このずれをなくすことも可能である。この実施の形態での制御電極76は対物レンズ8の特性に影響を与えないように非磁性体の材料で作られている。
なお、この実施の態様では制御電極を試料室の内部を覆うようにして配置しているが、必ずしもこのように配置する必要はない。即ち最低限、試料の移動範囲に沿って形成されていればよく、このような構成によっても試料が、試料ホルダと制御電極に包囲されることになる。なおこれまで試料ホルダを、本願発明で言うところの導電体として説明してきたが、例えば導電体を試料ホルダ上或いは下に配置するようにしても良い。また上述してきた実施の態様の場合、試料以上に導電体を大きく形成することで、試料(ウェーハ)が制御電極と導電体にほぼ包囲され、一定のレターディング電圧を印加することを可能ならしめている。
図13は制御電極を付加した場合の更に他の1例である。この例では制御電極を対物レンズ8と試料12の間に接地するのではなく、励磁コイル78,上磁路77,下磁路79から構成される対物レンズ8のなかで、試料12に対向する位置にある下磁路79を上磁路77と電気的に絶縁し、これに重畳電圧13を印加している。下磁路79に印加する電位を試料12より正電位として二次電子を効率よく対物レンズ8上に導くことも可能である。
図14は、電界と磁界を組合せた電子ビームの走査偏向器を説明する図である。走査偏向器の上に二次電子検出器を設ける場合には、試料で発生した二次電子が走査偏向器を通過するときに走査偏向器で偏向される。このため電子ビームの走査偏向角が大きくなる低倍率時に二次電子の偏向も大きくなり、電子ビーム通路の内壁に衝突してしまい検出できなくなる可能性がある。本実施例はこの問題を解決したものである。走査偏向器は8極の静電偏向器51a〜51hと、磁界偏向器52a〜52dで構成されている。
いま、x軸方向の偏向について考えると、8極の静電偏向器のうち電極51h,51a
,51bに正電位を、51d,51e,51fに負電位を印加して偏向電界Exを作る。ここで、図14に示すように、電極51a,51eには大きさVxの電位を印加し、その両側の電極51h,51b,51d,51fにはその1/21/2 の大きさの電位を印加する。これは均一な電界を作る方法として良く知られた方法である。電界と同時に、磁界偏向器52のコイル52a,52cに電流Ixを流し、図示するように電界Exと直交する方向の磁界Bxを作る。この電界Exと磁界Bxは下方から来る二次電子に対しては偏向を打ち消し、上方からの一次電子に対しては強めあうように働く。
下方から来る二次電子に対する偏向θ(S)は、下式のように磁界による偏向θ(B)と電界による偏向θ(E)の差となる。
θ(S)=θ(B)−θ(E)
=L/8・Ex/Vr−(e/2m)1/2BxL/Vr1/2
ここで、Lは電界と磁界の作用距離、eとmはそれぞれ電子の電荷と質量、Vrは二次電子が走査偏向器を通過するときの加速電圧である。ExとBxの比を下式とすると、下方から来る二次電子は偏向を受けないことになる。
Bx/Ex=(2m/e)1/2/8Vr1/2
一方、一次電子の偏向に関しては、磁界偏向に電界偏向が加算され、下式のようになる
。式中、Voは電子銃加速電圧である。
θ(o)=θ(B)+θ(E)
=(e/2m)1/2BxL/Vo1/2+L/8・Ex/Vo1/2
従って、二次電子を偏向しない条件での偏向角θ(o)は下式のようになる。
θ(o)=(e/2m)1/2BxL{1+(Vr/Vo)1/2}/Vo1/2
ここまではx軸方向への偏向について説明した。y軸方向への偏向も同様にして行う。すなわち、電極51cの電位をVyに、電極51b,51dの電位をVy/21/2 にし、電極51gの電位を−Vyに、電極51f,51hの電位を−Vy/21/2 にして、y軸方向の偏向電界Eyを発生する。同時に、磁界偏向器のコイル52b,52dに電流Iyを流して電界Eyと直交する磁界Byを発生する。この電界Eyと磁界Byは、前述と同様に、下方から来る二次電子に対しては偏向を打ち消し、上方から来る一次電子に対しては強め合うような大きさとされる。
実際にはx軸方向への偏向とy軸方向への偏向とを組み合わせた偏向を行う。従って各偏向電極の電位は、図14に図示したように、x軸方向への偏向電位とy軸方向への偏向電位を足し合わせたものとなる。なお、実際の装置では、この偏向器を上走査偏向器と下走査偏向器の2段とし、偏向した一次電子が対物レンズのレンズ中心を通るようにする。そして、偏向電極の電位Vx,Vy及び偏向コイル電流Ix,Iyを上記の関係を維持しながら時間変化させることにより試料上で所望の一次電子ビームの走査が実現される。
次に、磁界形対物レンズのレンズ中心と、加速円筒と試料の間で作られる静電レンズのレンズ中心の関係について説明する。図15(a)は、磁界形対物レンズ8の中心CBと加速円筒9と試料12の間に形成される静電レンズの中心CEが一致していない場合の問題点を説明する図である。この場合、後段加速された一次電子ビーム11は磁界レンズの中心CBを通るように偏向されるが、静電レンズの中心CEからは距離dだけずれて通過する。ずれ量dが大きくなると静電レンズのレンズ作用に球面収差が加わり、走査像が歪んでしまう。
図15(b)は、磁界形対物レンズ8のレンズ中心CBと、加速円筒9と試料12の間で作られる静電レンズのレンズ中心CEを一致させた例を示す。本実施例は、対物レンズ8の上磁極53を試料12に対面するように突出させ、静電レンズの形成される試料12と加速円筒9の間に磁界を作ることで両レンズの中心を一致させたものである。この結果
、後段加速された一次電子ビーム11が静電レンズのレンズ作用を受けることがないため
、歪のない走査像を得ることができた。
図16は、磁界レンズと静電レンズの中心の一致をより効果的に実現する対物レンズ8の構造を示す。これまで示した実施例では、対物レンズ8の電子ビーム通路内部に加速円筒9を挿入していた。この場合、加速円筒が作る静電レンズと対物レンズの作る磁界レンズの軸中心がずれると分解能の低下を招くため、両者の機械的中心を精度良く合わせる必要がある。この実施例はこの点に着目したもので、対物レンズ8の上磁極53を下磁極
54の端部レベルまで突出させて、試料12に対面させる。さらに、上磁極53を絶縁板55で対物レンズの残部から電気的に絶縁し、これに後段加速電圧10を印加している。
本実施例によると、対物レンズ8のレンズ中心を決定している上磁極と後段加速電極が兼用となっているため、前述したような静電レンズと磁界レンズのずれを生じることがない。また、磁界レンズの上磁極53が試料12に直接対面し、しかもこれに後段加速電圧が印加されていることから、軸中心ばかりでなく、静電レンズと磁界レンズのレンズ中心の位置をも一致させることができる。
本発明の一実施例の概略図。 二次信号の検出に反射板を用いた実施例の説明図。 二次信号の検出に反射板を用い、さらに二次電子の吸引に直交する電界と磁界を用いて一次電子の偏向を防止した実施例の説明図。 二次信号検出器を走査偏向器の上方に置いた実施例の概略図。 走査偏向器の上方と下方の2箇所に二次信号検出器を設けた実施例の概略図。 二次信号の検出にチャンネルプレートを用いた実施例の説明図。 二次信号の検出にシンチレータを用いた実施例の説明図。 試料へ印加される電界強度を制御した実施例の概略図。 試料上に制御電極を備えた実施例の一例を示す図。 制御電極を備えた荷電粒子顕微鏡の一例を示す図。 制御電極を備えた荷電粒子顕微鏡の他の一例を示す図。 試料室内面に沿って制御電極が形成された荷電粒子顕微鏡の一例を示す図。 対物レンズ磁路の一部を制御電極とした例を示す図。 走査偏向器を電界と磁界の組合せとした実施例の説明図。 磁界レンズと静電レンズのレンズ中心を一致させた実施例の説明図。 磁界レンズの磁極と加速円筒を共用した実施例の説明図。
符号の説明
1…電界放出陰極、2…引出電極、3…引出電圧、4…放出電子、5…陽極、6…電子銃加速電圧、7…陽極5を通過した一次電子ビーム、8…対物レンズ、9…加速円筒、
10…後段加速電圧、11…後段加速された一次電子ビーム、12…試料、13…重畳電圧、14…コンデンサレンズ、15…上走査偏向器、16…下走査偏向器、17…減速電界、18…絞り、19…調整つまみ、20…試料ホルダ、21…絶縁台、22…試料ステージ、23…二次電子、24…吸引電極、25…シンチレータ、26…ライトガイド、
27…光電子増幅管、28…中央孔、29…反射板、30…反射板で作られた二次電子、31…電界偏向電極、32…直交磁界偏向コイル、33…上検出器、34…下検出器、
35…チャンネルプレート本体、36…制御電極、37…メッシュ、39…増幅された電子、40…アノード電圧、41…アノード、42…増幅器、43…光変換回路、44…光信号、45…電気変換回路、46…単結晶シンチレータ、47…開口、48…導電性コーティング、49…二次電子のクロスオーバ、50…制御電圧、51a〜51h…静電偏向電極、52a〜52d…磁界偏向コイル、53…上磁極、54…下磁極、55…絶縁板。

Claims (4)

  1. 電子源から放出された電子線を対物レンズにより集束して試料上に照射し、当該試料から発生する二次信号に基づいて試料像を得る電子顕微鏡において、
    前記電子源から放出された電子線を加速するための加速手段と、
    当該加速手段によって加速された電子線を更に加速する正電圧が印加される加速円筒と、
    前記試料に負電圧を印加する負電圧印加手段と、
    前記負電圧が印加された試料と前記正電圧が印加された加速円筒との間に、前記負電圧と同電位、或いは該電位より正の側の電位を印加するための電極が備えられていることを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    前記加速円筒は、前記対物レンズの一部を兼ねていることを特徴とする電子顕微鏡。
  3. 電子源から放出された電子線を対物レンズにより集束して試料上に照射し、当該試料か
    ら発生する二次信号に基づいて試料像を得る電子顕微鏡において、
    前記電子源から放出された電子線を加速するための加速手段と、当該加速手段によって加速された電子線を加速する加速円筒と、前記試料に負電圧を印加する負電圧印加手段と、前記負電圧が印加された試料と前記正電圧が印加された加速円筒との間に、前記試料表面に加わる電界強度を制御する電圧が印加される電極が設けられていることを特徴とする電子顕微鏡。
  4. 請求項3において、
    前記加速円筒は、前記対物レンズの一部を兼ねていることを特徴とする電子顕微鏡。
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