JPH09171646A - 情報記録再生装置 - Google Patents
情報記録再生装置Info
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- JPH09171646A JPH09171646A JP34962895A JP34962895A JPH09171646A JP H09171646 A JPH09171646 A JP H09171646A JP 34962895 A JP34962895 A JP 34962895A JP 34962895 A JP34962895 A JP 34962895A JP H09171646 A JPH09171646 A JP H09171646A
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- track
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁気記録媒体の目標トラックへのヘッド位置
決め精度が低いのでトラック密度を高くすることが困難
であった。 【解決手段】 磁化信号として情報が記録されている磁
気記録媒体の目標トラックにヘッドを位置決めするヘッ
ド位置決め装置は、複数の光スポットを有するトラック
位置検出器と、ヘッド位置決め機構部と、前記トラック
位置検出器からの情報をもとに各光スポットとトラック
との位置偏差を導出し、その位置偏差に基づいて前記ヘ
ッド位置決め機構部を制御駆動するする検出制御回路と
を有する。
決め精度が低いのでトラック密度を高くすることが困難
であった。 【解決手段】 磁化信号として情報が記録されている磁
気記録媒体の目標トラックにヘッドを位置決めするヘッ
ド位置決め装置は、複数の光スポットを有するトラック
位置検出器と、ヘッド位置決め機構部と、前記トラック
位置検出器からの情報をもとに各光スポットとトラック
との位置偏差を導出し、その位置偏差に基づいて前記ヘ
ッド位置決め機構部を制御駆動するする検出制御回路と
を有する。
Description
【0001】
【0002】本発明は、磁気記録媒体に情報を磁気記録
し、あるいは磁気記録された情報を再生するへッドの位
置決め装置とそれを用いた情報記録再生装置に関する。
し、あるいは磁気記録された情報を再生するへッドの位
置決め装置とそれを用いた情報記録再生装置に関する。
【0003】近年、情報通信及び映像音響の各分野にお
いて、高密度で記録する小型かつ大容量の情報記録再生
装置が盛んに開発されている。その中でも磁気記録装置
の進歩はめざましく、高記録密度化、小型化及び転送速
度の高速化が進み、記録密度は10年で約100 倍に増大し
ている。現在、磁気ディスク装置に広く応用されている
長手方向記録方式(磁化の方向が磁気記録媒体の移動方
向に等しい記録方式)において記録密度を高くするため
に、1ビットのデータが記録される長さであるビット長
bを短くし、線記録密度を向上させるためには、記録信
号のレベルをできるだけ低くして、磁気記録媒体の表面
層だけを浅く磁化する必要がある。また磁気記録媒体の
磁性層の厚さδをb/2(4分の1波長)以下に薄くし
て、できるだけ高密度な記録においても円弧状磁化モー
ドを保つ必要がある。また、トラックピッチを小さく
し、トラック記録密度を向上させるために、ヘッドとト
ラックとの位置偏差を高精度に検出し、ヘッドを任意の
トラックへ高速かつ高精度に位置決めすることが必要で
ある。またトラックピッチを小さくしかつビット長bを
短くすると、記録媒体上の1ビットのデータの記録面積
が小さくなるため、ヘッドは、磁気記録媒体からの、周
波数が高くしかも弱い磁界を高感度に検出できるもので
なければならない。すなわち、長手方向記録方式による
磁気記録の高密度記録再生の課題としては、 再生ヘッドの高感度化、 記録再生ヘッドの位置決めの高速化及び高精度化、及
び 磁気記録媒体の高保磁力化と記録ヘッドの高出力化 が挙げられる。
いて、高密度で記録する小型かつ大容量の情報記録再生
装置が盛んに開発されている。その中でも磁気記録装置
の進歩はめざましく、高記録密度化、小型化及び転送速
度の高速化が進み、記録密度は10年で約100 倍に増大し
ている。現在、磁気ディスク装置に広く応用されている
長手方向記録方式(磁化の方向が磁気記録媒体の移動方
向に等しい記録方式)において記録密度を高くするため
に、1ビットのデータが記録される長さであるビット長
bを短くし、線記録密度を向上させるためには、記録信
号のレベルをできるだけ低くして、磁気記録媒体の表面
層だけを浅く磁化する必要がある。また磁気記録媒体の
磁性層の厚さδをb/2(4分の1波長)以下に薄くし
て、できるだけ高密度な記録においても円弧状磁化モー
ドを保つ必要がある。また、トラックピッチを小さく
し、トラック記録密度を向上させるために、ヘッドとト
ラックとの位置偏差を高精度に検出し、ヘッドを任意の
トラックへ高速かつ高精度に位置決めすることが必要で
ある。またトラックピッチを小さくしかつビット長bを
短くすると、記録媒体上の1ビットのデータの記録面積
が小さくなるため、ヘッドは、磁気記録媒体からの、周
波数が高くしかも弱い磁界を高感度に検出できるもので
なければならない。すなわち、長手方向記録方式による
磁気記録の高密度記録再生の課題としては、 再生ヘッドの高感度化、 記録再生ヘッドの位置決めの高速化及び高精度化、及
び 磁気記録媒体の高保磁力化と記録ヘッドの高出力化 が挙げられる。
【0004】しかし、磁気記録媒体の高保磁力化は、記
録ヘッドの書き込み時の磁場の強さで制限される。ま
た、読み出し時の諸損失のため、記録が高密度になるほ
ど再生信号の再生電圧は急激に減衰するため、実現でき
る記録密度は理論値をかなり下回っているのが現状であ
る。すなわち、磁気記録の高密度化には、記録ヘッドの
書き込み時の磁場の強さを向上させるとともに、再生ヘ
ッドの再生高感度を達成することが必須である。現在、
長手方向記録方式による磁気記録の高密度記録再生にお
いて、再生ヘッドの高感度化が、特に重要である。
録ヘッドの書き込み時の磁場の強さで制限される。ま
た、読み出し時の諸損失のため、記録が高密度になるほ
ど再生信号の再生電圧は急激に減衰するため、実現でき
る記録密度は理論値をかなり下回っているのが現状であ
る。すなわち、磁気記録の高密度化には、記録ヘッドの
書き込み時の磁場の強さを向上させるとともに、再生ヘ
ッドの再生高感度を達成することが必須である。現在、
長手方向記録方式による磁気記録の高密度記録再生にお
いて、再生ヘッドの高感度化が、特に重要である。
【0005】長手方向記録方式において、磁気により記
録された信号である磁化信号の高感度の再生方法とし
て、強磁性体薄膜に磁気記録媒体の磁化信号を転写し、
その強磁性体薄膜の磁気光学効果を応用して再生する方
法が特公昭56-33781(第1の従来例)、及び特公平3-558
94(第2の従来例)及び公表特許公報平4-504922(第3の
従来例)などに示されている。
録された信号である磁化信号の高感度の再生方法とし
て、強磁性体薄膜に磁気記録媒体の磁化信号を転写し、
その強磁性体薄膜の磁気光学効果を応用して再生する方
法が特公昭56-33781(第1の従来例)、及び特公平3-558
94(第2の従来例)及び公表特許公報平4-504922(第3の
従来例)などに示されている。
【0006】第1の従来例の原理図を図19に示す。図19
において、1つの面が磁気テープ201と接するように配置
され、透明体で構成された透明ブロック218において、
テープ201に接する面につながる斜面219Aにパーマロイ
などの強磁性薄膜219が蒸着されている。テープ201上に
信号によって磁化された部分が存在すると、そこから発
生する磁束は強磁性体コア222を破線212に示す経路で通
る。強磁性薄膜219の透磁率が十分大きい場合、この磁
束は、強磁性薄膜219の、磁気テープ201から遠い部分を
通過し、その結果強磁性薄膜219は磁化される。このよ
うな状態において、偏光板214に垂直に入射した入射光
束210は偏光板214で一定の偏光方向の偏光光束となり、
透明ブロック218に入射する。次に透明ブロック反射部2
16で反射して方向を変え、強磁性薄膜219の下部に入射
する。入射光束210は、強磁性薄膜219とその表面に配置
された反射板217によって全て反射され、偏光板215を透
過して出射光束213となり、光検出器(図示省略)によ
り検出される。この場合、強磁性薄膜219の、磁気テー
プ201の幅方向における幅は検出感度には直接関係せ
ず、検出感度は記録された磁化信号の波長と強磁性薄膜
219への入射光束210の位置に関係する。
において、1つの面が磁気テープ201と接するように配置
され、透明体で構成された透明ブロック218において、
テープ201に接する面につながる斜面219Aにパーマロイ
などの強磁性薄膜219が蒸着されている。テープ201上に
信号によって磁化された部分が存在すると、そこから発
生する磁束は強磁性体コア222を破線212に示す経路で通
る。強磁性薄膜219の透磁率が十分大きい場合、この磁
束は、強磁性薄膜219の、磁気テープ201から遠い部分を
通過し、その結果強磁性薄膜219は磁化される。このよ
うな状態において、偏光板214に垂直に入射した入射光
束210は偏光板214で一定の偏光方向の偏光光束となり、
透明ブロック218に入射する。次に透明ブロック反射部2
16で反射して方向を変え、強磁性薄膜219の下部に入射
する。入射光束210は、強磁性薄膜219とその表面に配置
された反射板217によって全て反射され、偏光板215を透
過して出射光束213となり、光検出器(図示省略)によ
り検出される。この場合、強磁性薄膜219の、磁気テー
プ201の幅方向における幅は検出感度には直接関係せ
ず、検出感度は記録された磁化信号の波長と強磁性薄膜
219への入射光束210の位置に関係する。
【0007】第2の従来例の原理図を図20に示す。図20
において、磁気記録媒体301から生じる磁界によって、
磁気記録媒体301の面に垂直に配置された厚さ200nm〜30
0nmの強磁性薄膜315(たとえば、パーマロイ)および厚
さ10〜30nmの強磁性薄膜313(たとえば、鉄)はその面
内方向(磁気記録媒体の移動方向に等しい方向)に磁化
される。光源304から出射した平行光は偏光子305によっ
て直線偏光となり、半透明鏡310を通過した後、透明基
板311に入射する。入射光束である直線偏光318は、透明
基板311の、放物線状の曲面を有する側面312で反射さ
れ、強磁性薄膜313を通過した後、側面312の放物線状の
曲面の焦点317に集束する。この焦点317の位置には、反
射率が高い厚さ5〜20nmのアルミニウムなどの非磁性の
金属薄膜314が配置されており、ここに集束した光束の
一部は金属薄膜314で反射される。また残りの光束は強
磁性薄膜313を再び透過し、さらに側面312で反射されて
平行光束319となる。平行光束319は、半透明鏡310で反
射され、レンズ307、検光子308を通過した後、光検出器
309で電気信号に変換される。
において、磁気記録媒体301から生じる磁界によって、
磁気記録媒体301の面に垂直に配置された厚さ200nm〜30
0nmの強磁性薄膜315(たとえば、パーマロイ)および厚
さ10〜30nmの強磁性薄膜313(たとえば、鉄)はその面
内方向(磁気記録媒体の移動方向に等しい方向)に磁化
される。光源304から出射した平行光は偏光子305によっ
て直線偏光となり、半透明鏡310を通過した後、透明基
板311に入射する。入射光束である直線偏光318は、透明
基板311の、放物線状の曲面を有する側面312で反射さ
れ、強磁性薄膜313を通過した後、側面312の放物線状の
曲面の焦点317に集束する。この焦点317の位置には、反
射率が高い厚さ5〜20nmのアルミニウムなどの非磁性の
金属薄膜314が配置されており、ここに集束した光束の
一部は金属薄膜314で反射される。また残りの光束は強
磁性薄膜313を再び透過し、さらに側面312で反射されて
平行光束319となる。平行光束319は、半透明鏡310で反
射され、レンズ307、検光子308を通過した後、光検出器
309で電気信号に変換される。
【0008】また、さらに第3の従来例の原理図を図21
に示す。図21において、磁気記録媒体401から生じる磁
界は、膜厚30nmの第1の磁性層センダストの強磁性薄膜4
32および膜厚500nmの強磁性薄膜430をその面内方向に磁
化する。光源402からのレーザ光はコリメータレンズ403
によって平行光とされ、偏光子404によって直線偏光と
なり、円筒レンズ406を経て記録媒体401の磁性層に平行
な透明基板456(LiNbO3)の面442より磁気光学変
調部405に入射する。この入射光束は第1の磁性層432に
集束し、偏光面が回転して反射する。次に反射光は面44
0で反射され、透明基板456を出射して、レンズ407及び
検光子408を通過した後、光検出器409で電気信号に変換
される。前記の第1ないし第3の従来例におけるヘッドの
位置決め方法については明確に示されていないが、一般
的には、磁気記録媒体のトラックに直交する方向に配置
された3個の光ビームによってヘッドを目標トラックに
位置決めする「3ビーム法」が用いられる。
に示す。図21において、磁気記録媒体401から生じる磁
界は、膜厚30nmの第1の磁性層センダストの強磁性薄膜4
32および膜厚500nmの強磁性薄膜430をその面内方向に磁
化する。光源402からのレーザ光はコリメータレンズ403
によって平行光とされ、偏光子404によって直線偏光と
なり、円筒レンズ406を経て記録媒体401の磁性層に平行
な透明基板456(LiNbO3)の面442より磁気光学変
調部405に入射する。この入射光束は第1の磁性層432に
集束し、偏光面が回転して反射する。次に反射光は面44
0で反射され、透明基板456を出射して、レンズ407及び
検光子408を通過した後、光検出器409で電気信号に変換
される。前記の第1ないし第3の従来例におけるヘッドの
位置決め方法については明確に示されていないが、一般
的には、磁気記録媒体のトラックに直交する方向に配置
された3個の光ビームによってヘッドを目標トラックに
位置決めする「3ビーム法」が用いられる。
【0009】次に第4と第5の従来例(図示略)につい
て説明する。一般に、磁気ディスク装置は、光ディスク
装置と比較した場合、ビット長は約3分の1の0.2ミクロ
ン程度であるが、トラック幅は約4倍の5ミクロン程度と
大きくトラック密度は低い。従ってトラック密度を高く
するために、ヘッドとトラックとの位置偏差を高精度に
検出して、目標トラックへのヘッドの高速かつ高精度の
位置決めを行うことが必要である。
て説明する。一般に、磁気ディスク装置は、光ディスク
装置と比較した場合、ビット長は約3分の1の0.2ミクロ
ン程度であるが、トラック幅は約4倍の5ミクロン程度と
大きくトラック密度は低い。従ってトラック密度を高く
するために、ヘッドとトラックとの位置偏差を高精度に
検出して、目標トラックへのヘッドの高速かつ高精度の
位置決めを行うことが必要である。
【0010】そこで、長手方向記録方式の磁気ディスク
におけるトラッキングのサーボ制御方式として、光ディ
スクの技術を応用した方式が日経エレクトロニクス、No
586,pp169-182 (1992年7月19日号)(第4の従来例)及
び電子情報通信学会論文誌(C-II Vol. J75-C-II No.11
pp567-575 1992年11月)(第5の従来例)で提案されて
いる。
におけるトラッキングのサーボ制御方式として、光ディ
スクの技術を応用した方式が日経エレクトロニクス、No
586,pp169-182 (1992年7月19日号)(第4の従来例)及
び電子情報通信学会論文誌(C-II Vol. J75-C-II No.11
pp567-575 1992年11月)(第5の従来例)で提案されて
いる。
【0011】一般のサーボ情報のフォーマット方式とし
て、サーボライタを用いた機械的位置決めにより、装置
自身の磁気ヘッドを順次トラック方向に送りながらデー
タを書き込むセクタサーボ方式を用いている。そしてデ
ータ再生用磁気ヘッドで位置信号の検出を行っている。
そこで、第4の従来例の磁気ディスク装置では、レーザ
カッティングによりマスクを作成し、スタンピングによ
りサーボマークを一括形成し、形成したサーボマークを
磁気ヘッドで着磁するプリフォーマット磁気信号サーボ
方式を用いている。この場合の信号検出においては、従
来同様、データ再生用磁気ヘッドで位置信号の検出を行
っている。
て、サーボライタを用いた機械的位置決めにより、装置
自身の磁気ヘッドを順次トラック方向に送りながらデー
タを書き込むセクタサーボ方式を用いている。そしてデ
ータ再生用磁気ヘッドで位置信号の検出を行っている。
そこで、第4の従来例の磁気ディスク装置では、レーザ
カッティングによりマスクを作成し、スタンピングによ
りサーボマークを一括形成し、形成したサーボマークを
磁気ヘッドで着磁するプリフォーマット磁気信号サーボ
方式を用いている。この場合の信号検出においては、従
来同様、データ再生用磁気ヘッドで位置信号の検出を行
っている。
【0012】また、第5の従来例の磁気ディスク装置の
フォーマット方式では、レーザカッティングによりマス
クを作成し、フォトエッチングにより、サーボピットを
一括形成する方法を用いている。この方法では、半導体
レーザとフォトディテクタを用いて、光により位置信号
検出を行う。
フォーマット方式では、レーザカッティングによりマス
クを作成し、フォトエッチングにより、サーボピットを
一括形成する方法を用いている。この方法では、半導体
レーザとフォトディテクタを用いて、光により位置信号
検出を行う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】再生ヘッドの高感度化
を実現するためには、再生ヘッドで磁気ディスクの磁化
信号を再生する場合、ディスクの面振れなどの外乱によ
る振動があってもヘッドを正しくトラックに追従させる
必要がある。また光スポットを磁性薄膜の転写トラック
上に集光し(フォーカシング)、かつ任意のトラックへ
再生ヘッドを高速かつ高精度に位置決めすること(トラ
ッキング)が必要である。図19ないし図21に示した第1
ないし第3の従来例においては、磁性薄膜上に転写され
た転写トラックに対して、光ディスク装置に用いられて
いる3ビーム法によるサーボ方式を用いていると推定さ
れる。
を実現するためには、再生ヘッドで磁気ディスクの磁化
信号を再生する場合、ディスクの面振れなどの外乱によ
る振動があってもヘッドを正しくトラックに追従させる
必要がある。また光スポットを磁性薄膜の転写トラック
上に集光し(フォーカシング)、かつ任意のトラックへ
再生ヘッドを高速かつ高精度に位置決めすること(トラ
ッキング)が必要である。図19ないし図21に示した第1
ないし第3の従来例においては、磁性薄膜上に転写され
た転写トラックに対して、光ディスク装置に用いられて
いる3ビーム法によるサーボ方式を用いていると推定さ
れる。
【0014】一般に、磁気光学効果による反射光の偏光
面の回転を検出し、その信号波形と信号レベルから、位
置偏差信号を検出するために3ビーム法によるサーボ方
式を用いる場合、トラックピッチが小さくなりかつガー
ドバンド幅が小さくなると、光スポットが隣接トラック
の影響を受け、位置偏差信号を高精度に検出することが
不可能となる。高精度に検出するためには、光スポット
の直径をトラック幅、およびガードバンド幅と同等以下
にする必要がある。すなわちトラックピッチ、ガードバ
ンド幅が光のスポット径に依存し、光スポットの直径を
小さくしないと高精度に検出できないという問題を有し
ていた。
面の回転を検出し、その信号波形と信号レベルから、位
置偏差信号を検出するために3ビーム法によるサーボ方
式を用いる場合、トラックピッチが小さくなりかつガー
ドバンド幅が小さくなると、光スポットが隣接トラック
の影響を受け、位置偏差信号を高精度に検出することが
不可能となる。高精度に検出するためには、光スポット
の直径をトラック幅、およびガードバンド幅と同等以下
にする必要がある。すなわちトラックピッチ、ガードバ
ンド幅が光のスポット径に依存し、光スポットの直径を
小さくしないと高精度に検出できないという問題を有し
ていた。
【0015】第4の従来例のセクタサーボ方式は位置偏
差信号を一定の時間毎にサンプリングしてフィードバッ
ク制御を行う方式である。従って、サンプリングの休止
期間中は制御されず、位置偏差が大きくなり、それを防
ぐために、サーボマークを増加すればデータ領域が減少
するという問題を有していた。
差信号を一定の時間毎にサンプリングしてフィードバッ
ク制御を行う方式である。従って、サンプリングの休止
期間中は制御されず、位置偏差が大きくなり、それを防
ぐために、サーボマークを増加すればデータ領域が減少
するという問題を有していた。
【0016】また凹凸のピットからなるサーボマークを
有するディスクを新たに量産する必要があるという問題
がある。またディスクの回転については、スピンドルモ
ータの偏心の影響を受けないように、ヘッド位置決めの
制御帯域を上げ、偏心抑制特性を向上させることが必要
であるが、サーボライタはヘッド質量が大きいので、サ
スペンションの機械的共振を防止して振動特性の改善を
することが課題であった。
有するディスクを新たに量産する必要があるという問題
がある。またディスクの回転については、スピンドルモ
ータの偏心の影響を受けないように、ヘッド位置決めの
制御帯域を上げ、偏心抑制特性を向上させることが必要
であるが、サーボライタはヘッド質量が大きいので、サ
スペンションの機械的共振を防止して振動特性の改善を
することが課題であった。
【0017】第5の従来例のサーボ方式を用いる場合
も、凹凸のピットを有するディスクを新たに量産するこ
とが必要であるとともに、スピンドルモータの偏心の影
響を受けないように、ヘッド位置決めの制御帯域を上
げ、偏心抑制特性を向上させることが必要となるが、ヘ
ッド質量が大きいので、サスペンションの機械共振を防
止して振動特性の改善をする必要があるという問題を有
していた。
も、凹凸のピットを有するディスクを新たに量産するこ
とが必要であるとともに、スピンドルモータの偏心の影
響を受けないように、ヘッド位置決めの制御帯域を上
げ、偏心抑制特性を向上させることが必要となるが、ヘ
ッド質量が大きいので、サスペンションの機械共振を防
止して振動特性の改善をする必要があるという問題を有
していた。
【0018】本発明は前記課題を解決しようとするもの
であり、従来の方法に比べてトラック密度を大幅に高く
しても正確にトラッキングができる情報記録再生装置を
提供することを目的とするものである。
であり、従来の方法に比べてトラック密度を大幅に高く
しても正確にトラッキングができる情報記録再生装置を
提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の情報記録再生装
置は、情報が磁化信号として記録される磁気記録媒体
と、前記磁気記録媒体に磁気誘導によって情報の書き込
みを行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドを支持し、所定
のヘッド荷重で前記磁気記録媒体へ押圧力を加えるとと
もに、任意のトラックに位置決めするヘッド位置決め装
置とを備えている。そして、前記ヘッド位置決め装置
は、トラックの位置を検出するための複数のトラック位
置検出器と、前記トラック位置検出器からの情報をもと
に記録ヘッドの位置偏差を導出し、記録ヘッドの位置決
めをするためのヘッド位置決め機構部を制御する検出制
御回路を有している。このような構成によって、磁気記
録媒体に磁化信号を記録、あるいは再生する場合、磁気
記録媒体の記録面の面振れなどに対して記録ヘッドを追
従させることができるとともに、トラック位置を高精度
に検出して目標のトラックに高速かつ高精度に記録ヘッ
ドを位置決めする、高密度記録再生が可能な情報記録再
生装置が実現できる。
置は、情報が磁化信号として記録される磁気記録媒体
と、前記磁気記録媒体に磁気誘導によって情報の書き込
みを行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドを支持し、所定
のヘッド荷重で前記磁気記録媒体へ押圧力を加えるとと
もに、任意のトラックに位置決めするヘッド位置決め装
置とを備えている。そして、前記ヘッド位置決め装置
は、トラックの位置を検出するための複数のトラック位
置検出器と、前記トラック位置検出器からの情報をもと
に記録ヘッドの位置偏差を導出し、記録ヘッドの位置決
めをするためのヘッド位置決め機構部を制御する検出制
御回路を有している。このような構成によって、磁気記
録媒体に磁化信号を記録、あるいは再生する場合、磁気
記録媒体の記録面の面振れなどに対して記録ヘッドを追
従させることができるとともに、トラック位置を高精度
に検出して目標のトラックに高速かつ高精度に記録ヘッ
ドを位置決めする、高密度記録再生が可能な情報記録再
生装置が実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の情報記録再生装置は、磁
化信号として情報が記録されている磁気記録媒体に近接
して配置された情報の書き込みを行う記録ヘッドと、前
記記録ヘッドを支持し、前記磁気記録媒体の目標トラッ
クに記録ヘッドを位置決めするヘッド位置決め装置とを
備え、前記ヘッド位置決め装置は、トラックの位置を検
出する複数のトラック位置検出器と、ヘッド位置決め機
構部と、前記トラック位置検出器からの情報をもとに記
録ヘッドの位置偏差を導出し、前記ヘッド位置決め機構
部を制御する検出制御回路とを有している。
化信号として情報が記録されている磁気記録媒体に近接
して配置された情報の書き込みを行う記録ヘッドと、前
記記録ヘッドを支持し、前記磁気記録媒体の目標トラッ
クに記録ヘッドを位置決めするヘッド位置決め装置とを
備え、前記ヘッド位置決め装置は、トラックの位置を検
出する複数のトラック位置検出器と、ヘッド位置決め機
構部と、前記トラック位置検出器からの情報をもとに記
録ヘッドの位置偏差を導出し、前記ヘッド位置決め機構
部を制御する検出制御回路とを有している。
【0021】前記の複数のトラック位置検出器は、好ま
しくは目標トラックを含む少なくとも2つのトラックに
それぞれ対応し、それぞれのトラックとの位置偏差を同
時に検出するように構成されている。
しくは目標トラックを含む少なくとも2つのトラックに
それぞれ対応し、それぞれのトラックとの位置偏差を同
時に検出するように構成されている。
【0022】前記の複数のトラック位置検出器は、好ま
しくは目標トラックを含む少なくとも2つのトラック
に、それぞれの位置偏差が異なるように配置されてい
る。
しくは目標トラックを含む少なくとも2つのトラック
に、それぞれの位置偏差が異なるように配置されてい
る。
【0023】前記の複数のトラック位置検出器は、好ま
しくは目標トラックにそれぞれの位置偏差が異なるよう
に対応して設けられ、それぞれの位置偏差を同時に検出
する。
しくは目標トラックにそれぞれの位置偏差が異なるよう
に対応して設けられ、それぞれの位置偏差を同時に検出
する。
【0024】前記のトラック位置検出器は、好ましくは
目磁気記録媒体に磁気的に結合した磁性薄膜と、光源
と、前記光源からの光を前記磁性薄膜に入射するための
集光光学系と、前記磁性薄膜で反射した光を検出し、そ
の光学的特性値に応じた電気信号を発生する光検出器と
を有している。
目磁気記録媒体に磁気的に結合した磁性薄膜と、光源
と、前記光源からの光を前記磁性薄膜に入射するための
集光光学系と、前記磁性薄膜で反射した光を検出し、そ
の光学的特性値に応じた電気信号を発生する光検出器と
を有している。
【0025】前記のトラック位置検出器は、好ましくは
相対的に移動する磁気記録媒体の記録面上に保持される
光学的透明体と、前記光学的透明体の第1の面に、前記
磁気記録媒体の記録面からの磁気による信号を転写する
ための磁性薄膜と非磁性薄膜とが積層されて構成された
磁気光学変調部と、光学系とを備え、前記磁気光学変調
部は、前記光学的透明体に入射する光を前記第1の面で
反射するとともに、磁気光学効果による作用を受けた反
射光を出射するように配置され、前記光学系は、好まし
くは光源と、前記磁気光学変調部への入射光を集光する
とともに反射光を集光する集光光学系と、前記磁気記録
媒体の磁気による信号を前記磁気光学変調部の磁気光学
効果によって検出する光検出器とを有し、前記光学的透
明体の第1の面に対して所定の入射角度で入射しかつ集
光されるように偏光を出射するとともに、前記磁気光学
変調部の第1の面からの反射光を受けてこれを前記光検
出器へ導くように配置され、光源から磁性薄膜までの光
路中に位置して入射光の偏光成分を規定する偏光子と、
前記磁気光学変調部から前記光検出器までの光路中に位
置して反射光の偏光成分を規定する検光子と、前記偏光
子から前記磁性薄膜までの光路中、および前記磁性薄膜
から前記光検出器までの光路中の少なくとも一方に配置
され、前記磁気光学変調部より出射される反射光を直線
偏光となるように位相を遅延させる位相遅延器を有して
いる。
相対的に移動する磁気記録媒体の記録面上に保持される
光学的透明体と、前記光学的透明体の第1の面に、前記
磁気記録媒体の記録面からの磁気による信号を転写する
ための磁性薄膜と非磁性薄膜とが積層されて構成された
磁気光学変調部と、光学系とを備え、前記磁気光学変調
部は、前記光学的透明体に入射する光を前記第1の面で
反射するとともに、磁気光学効果による作用を受けた反
射光を出射するように配置され、前記光学系は、好まし
くは光源と、前記磁気光学変調部への入射光を集光する
とともに反射光を集光する集光光学系と、前記磁気記録
媒体の磁気による信号を前記磁気光学変調部の磁気光学
効果によって検出する光検出器とを有し、前記光学的透
明体の第1の面に対して所定の入射角度で入射しかつ集
光されるように偏光を出射するとともに、前記磁気光学
変調部の第1の面からの反射光を受けてこれを前記光検
出器へ導くように配置され、光源から磁性薄膜までの光
路中に位置して入射光の偏光成分を規定する偏光子と、
前記磁気光学変調部から前記光検出器までの光路中に位
置して反射光の偏光成分を規定する検光子と、前記偏光
子から前記磁性薄膜までの光路中、および前記磁性薄膜
から前記光検出器までの光路中の少なくとも一方に配置
され、前記磁気光学変調部より出射される反射光を直線
偏光となるように位相を遅延させる位相遅延器を有して
いる。
【0026】前記のトラック位置検出器は、磁性薄膜上
に集光される光の磁性薄膜に垂直な方向の位置を微調整
するための光スポット位置検出器と光スポット位置調整
器を有している。
に集光される光の磁性薄膜に垂直な方向の位置を微調整
するための光スポット位置検出器と光スポット位置調整
器を有している。
【0027】前記のトラック位置検出器は、磁性薄膜上
に集光される複数の光と、磁気記録媒体と接している前
記磁性薄膜の端面とが平行となるように微調整するため
の光スポット傾斜検出器と光スポット傾斜調整器を有し
ている。
に集光される複数の光と、磁気記録媒体と接している前
記磁性薄膜の端面とが平行となるように微調整するため
の光スポット傾斜検出器と光スポット傾斜調整器を有し
ている。
【0028】磁気によって情報が記録されている磁気記
録媒体と、前記磁気記録媒体に磁気誘導によって情報の
書き込みを行う記録ヘッドと、前記磁気記録媒体から磁
気光学効果によって情報の読み出しを行う再生ヘッド
と、前記記録ヘッドと再生ヘッドを支持し、任意のヘッ
ド荷重を前記記録ヘッドと再生ヘッドに与えることによ
って、前記磁気記録媒体へ押圧力を加えるとともに、任
意のトラックに位置決めするヘッド位置決め装置とを備
え、前記ヘッド位置決め装置は、複数のトラック位置検
出器と、ヘッド位置決め機構部と、前記トラック位置検
出器からの情報をもとに位置偏差を導出し、前記ヘッド
位置決め機構部を制御駆動する検出制御回路とを有して
いる。
録媒体と、前記磁気記録媒体に磁気誘導によって情報の
書き込みを行う記録ヘッドと、前記磁気記録媒体から磁
気光学効果によって情報の読み出しを行う再生ヘッド
と、前記記録ヘッドと再生ヘッドを支持し、任意のヘッ
ド荷重を前記記録ヘッドと再生ヘッドに与えることによ
って、前記磁気記録媒体へ押圧力を加えるとともに、任
意のトラックに位置決めするヘッド位置決め装置とを備
え、前記ヘッド位置決め装置は、複数のトラック位置検
出器と、ヘッド位置決め機構部と、前記トラック位置検
出器からの情報をもとに位置偏差を導出し、前記ヘッド
位置決め機構部を制御駆動する検出制御回路とを有して
いる。
【0029】再生ヘッドは、トラック位置検出器と一体
になっている、磁気記録媒体と磁気的に結合した磁性薄
膜と、光源と、前記光源からの光を前記磁性薄膜に入射
するための集光光学系と、前記磁性薄膜で反射した光を
検出しその光学的特性値に応じた電気信号を発生する光
検出器とを有する。
になっている、磁気記録媒体と磁気的に結合した磁性薄
膜と、光源と、前記光源からの光を前記磁性薄膜に入射
するための集光光学系と、前記磁性薄膜で反射した光を
検出しその光学的特性値に応じた電気信号を発生する光
検出器とを有する。
【0030】記録ヘッドと再生ヘッドは独立して構成さ
れ、各々トラック位置検出器とヘッド位置決め装置を有
している。
れ、各々トラック位置検出器とヘッド位置決め装置を有
している。
【0031】ヘッド位置決め装置において、検出制御回
路は、トラック位置検出器から入力される誤差信号から
帰還制御入力信号を導出する帰還制御器と、前記帰還制
御器で導出される帰還制御入力信号と複数のトラック位
置検出器からの誤差信号をもとにして外乱量を導出する
状態推定器と、前記状態推定器によって導出される複数
の外乱量から外乱補償入力信号を導出する統計的外乱補
償器を有している。
路は、トラック位置検出器から入力される誤差信号から
帰還制御入力信号を導出する帰還制御器と、前記帰還制
御器で導出される帰還制御入力信号と複数のトラック位
置検出器からの誤差信号をもとにして外乱量を導出する
状態推定器と、前記状態推定器によって導出される複数
の外乱量から外乱補償入力信号を導出する統計的外乱補
償器を有している。
【0032】磁気光学変調部の光学的透明体は、使用す
るレーザ光に対して光学的に透明な材料の非晶質である
か、又は結晶のものでは結晶構造は立方晶である。
るレーザ光に対して光学的に透明な材料の非晶質である
か、又は結晶のものでは結晶構造は立方晶である。
【0033】磁気光学変調部の光学的透明体において、
前記光学的透明体の重心位置と、任意のヘッド荷重で磁
気媒体への押圧力を加えるヘッド荷重印加位置とが、前
記磁気記録媒体の所定の法線上にあるとともに、前記光
学的透明体への入射光と反射光の光路が平行になされて
いる。
前記光学的透明体の重心位置と、任意のヘッド荷重で磁
気媒体への押圧力を加えるヘッド荷重印加位置とが、前
記磁気記録媒体の所定の法線上にあるとともに、前記光
学的透明体への入射光と反射光の光路が平行になされて
いる。
【0034】磁性薄膜は軟磁性薄膜であり、その材料は
パーマロイであり、その組成は、ニッケルが75パーセン
トから83パーセント含まれている。
パーマロイであり、その組成は、ニッケルが75パーセン
トから83パーセント含まれている。
【0035】軟磁性薄膜は鉄、コバルト、ニッケルの合
金薄膜であり、その組成は、それぞれの含有量が35パー
セントから50パーセント、コバルト20パーセント、ニ
ッケル45パーセントから30パーセントである。
金薄膜であり、その組成は、それぞれの含有量が35パー
セントから50パーセント、コバルト20パーセント、ニ
ッケル45パーセントから30パーセントである。
【0036】磁気光学変調部において、磁性薄膜は、膜
厚が10ナノメートル未満の軟磁性薄膜を有し、前記軟磁
性薄膜は磁気光学効果を有する。
厚が10ナノメートル未満の軟磁性薄膜を有し、前記軟磁
性薄膜は磁気光学効果を有する。
【実施例】
【0037】[第1実施例]以下、第1実施例について図
1〜図13を参照しながら説明する。第1実施例の目的は、
機械的振動による外乱があっても、記録ヘッドあるいは
記録再生ヘッドを磁気ディスクの面から0.1μm以下の浮
上高さで安定に保持するとともに、記録ヘッドあるいは
記録再生ヘッドをサブミクロンオーダーの±0.1μmの精
度で目標トラックに位置決めし、かつ追従させることが
できる高トラック密度の情報記録再生装置を実現するこ
とである。
1〜図13を参照しながら説明する。第1実施例の目的は、
機械的振動による外乱があっても、記録ヘッドあるいは
記録再生ヘッドを磁気ディスクの面から0.1μm以下の浮
上高さで安定に保持するとともに、記録ヘッドあるいは
記録再生ヘッドをサブミクロンオーダーの±0.1μmの精
度で目標トラックに位置決めし、かつ追従させることが
できる高トラック密度の情報記録再生装置を実現するこ
とである。
【0038】図1は第1実施例における情報記録再生装置
のトラック位置検出器50とヘッド位置決め機構部30を含
む全体の構成を示す概略構成図であり、図2は磁気光再
生ヘッドおよびトラック位置検出器50の詳細なブロック
図である。図1及び図2において、第1実施例の情報記録
再生装置は、記録ヘッド1、トラック位置検出器10、検
出制御回路20-1、磁気光学効果によって磁気ディスクの
データの読み出しを行う磁気光再生ヘッド3、磁気光学
変調部5、光学的透明体5-1、磁性薄膜5-2、非磁性誘電
体薄膜5-3、マルチビームレーザ光源6-1、コリメータ光
学系6-2-1、集光光学系6-2-2、検出光学系6-2-3、光検
出器6-3、フォトディテクタ6-3-1及び6-3-2、直交する
偏光成分に分離された反射光の光量差を検出する差動光
検出器6-3-3、ビームスプリッタ6-4、入射光の偏光成分
を規定する偏光子6-5、検光子6-6、2分の1波長板6-1-
1、反射光を直交する2つの偏光成分に分離する偏光ビー
ムスプリッタ6-6-2、位相遅延器6-10、フォーカシング
装置6-11-3、ヘッドを目標トラックへフォローイングさ
せるボイスコイルモータを含むトラッキング微調整アク
チュエータ30-2A、ヘッド及びトラック位置検出器を支
持し、磁気媒体への押圧力を加えるサスペンション30-3
を備えている。図2において、レーザ光源6-1から出射さ
れたレーザ光100は、コリメータレンズ光学系6-2-1によ
って各々の直径が7mmのマルチビームの平行光束とな
る。次にレーザ光100は、偏光子6-5で直線偏光になさ
れ、ビームスプリッタ6-4を経て反射プリズム6-13及び6
-14によって反射されて集光光学系6-2-2へ導かれ、磁気
光学変調部5へ入射される。磁気光学変調部5は、ニアコ
ンタクトヘッドであり、位置決め機構部30のサスペンシ
ョン30-3により所定のヘッド荷重が加えられ、回転する
磁気ディスク2との間に空気層を形成することによっ
て、磁気ディスク2の表面上に0.1μm程度の高さで安定
に浮上してディスク面振れなどの動揺に追従する。すな
わち、磁気光学変調部5は、磁気ディスク2の上に0.1μm
程度の高さで安定に支持されることになる。磁気光学変
調部5で反射された反射光100Aは光検出部11で検出され
る。
のトラック位置検出器50とヘッド位置決め機構部30を含
む全体の構成を示す概略構成図であり、図2は磁気光再
生ヘッドおよびトラック位置検出器50の詳細なブロック
図である。図1及び図2において、第1実施例の情報記録
再生装置は、記録ヘッド1、トラック位置検出器10、検
出制御回路20-1、磁気光学効果によって磁気ディスクの
データの読み出しを行う磁気光再生ヘッド3、磁気光学
変調部5、光学的透明体5-1、磁性薄膜5-2、非磁性誘電
体薄膜5-3、マルチビームレーザ光源6-1、コリメータ光
学系6-2-1、集光光学系6-2-2、検出光学系6-2-3、光検
出器6-3、フォトディテクタ6-3-1及び6-3-2、直交する
偏光成分に分離された反射光の光量差を検出する差動光
検出器6-3-3、ビームスプリッタ6-4、入射光の偏光成分
を規定する偏光子6-5、検光子6-6、2分の1波長板6-1-
1、反射光を直交する2つの偏光成分に分離する偏光ビー
ムスプリッタ6-6-2、位相遅延器6-10、フォーカシング
装置6-11-3、ヘッドを目標トラックへフォローイングさ
せるボイスコイルモータを含むトラッキング微調整アク
チュエータ30-2A、ヘッド及びトラック位置検出器を支
持し、磁気媒体への押圧力を加えるサスペンション30-3
を備えている。図2において、レーザ光源6-1から出射さ
れたレーザ光100は、コリメータレンズ光学系6-2-1によ
って各々の直径が7mmのマルチビームの平行光束とな
る。次にレーザ光100は、偏光子6-5で直線偏光になさ
れ、ビームスプリッタ6-4を経て反射プリズム6-13及び6
-14によって反射されて集光光学系6-2-2へ導かれ、磁気
光学変調部5へ入射される。磁気光学変調部5は、ニアコ
ンタクトヘッドであり、位置決め機構部30のサスペンシ
ョン30-3により所定のヘッド荷重が加えられ、回転する
磁気ディスク2との間に空気層を形成することによっ
て、磁気ディスク2の表面上に0.1μm程度の高さで安定
に浮上してディスク面振れなどの動揺に追従する。すな
わち、磁気光学変調部5は、磁気ディスク2の上に0.1μm
程度の高さで安定に支持されることになる。磁気光学変
調部5で反射された反射光100Aは光検出部11で検出され
る。
【0039】まず図2及び図3を用いて磁気光学変調部5
について詳細に説明する。以下、磁気ディスク2の磁性
体の磁化により記録された信号を「磁化信号」と称す
る。図2において、反射プリズム6-14により反射された
レーザ光100は集光光学系6-2-2を経て図3に詳細な形状
を示す光学的透明体5-1に入射する。光学的透明体5-1の
材料としては、屈折率1.88の光学ガラス(JISの材料表
示のLaSF-08のもの)を使用する。図3において、光学的
透明体5-1の第2の面5-1-2に、磁性薄膜5-2として、膜厚
10nmの鉄とニッケルの合金膜(鉄19%、ニッケル81%の
合金膜、以下、パーマロイ膜と称する。)を電子ビーム
蒸着する。さらに磁性薄膜5-2の上に、屈折率1.48の二
酸化ケイ素(SiO2)のスパッタリングによって膜厚600n
mの非磁性誘電体薄膜5-3を形成する。
について詳細に説明する。以下、磁気ディスク2の磁性
体の磁化により記録された信号を「磁化信号」と称す
る。図2において、反射プリズム6-14により反射された
レーザ光100は集光光学系6-2-2を経て図3に詳細な形状
を示す光学的透明体5-1に入射する。光学的透明体5-1の
材料としては、屈折率1.88の光学ガラス(JISの材料表
示のLaSF-08のもの)を使用する。図3において、光学的
透明体5-1の第2の面5-1-2に、磁性薄膜5-2として、膜厚
10nmの鉄とニッケルの合金膜(鉄19%、ニッケル81%の
合金膜、以下、パーマロイ膜と称する。)を電子ビーム
蒸着する。さらに磁性薄膜5-2の上に、屈折率1.48の二
酸化ケイ素(SiO2)のスパッタリングによって膜厚600n
mの非磁性誘電体薄膜5-3を形成する。
【0040】第2の面5-1-2における臨界角θt は、光学
的透明体5-1の屈折率をn1 、非磁性誘電体薄膜5-3の屈
折率をn3 とすると、式(1)で与えられる。
的透明体5-1の屈折率をn1 、非磁性誘電体薄膜5-3の屈
折率をn3 とすると、式(1)で与えられる。
【0041】
【数1】
【0042】光学的透明体5-1の開口数NAと光学的透
明体5-1内での開口角αとの関係は、式(2)で与えられ
る。
明体5-1内での開口角αとの関係は、式(2)で与えられ
る。
【0043】
【数2】
【0044】従って、解像力dはレーザ光100の波長を
λとすると、式(3)で与えられる。
λとすると、式(3)で与えられる。
【0045】
【数3】
【0046】さらに、集光できるスポット径wは、図2
のコリメータ光学系6-2-1によって形成される平行光束
の直径をw0 、コリメータ光学系6-2-1の焦点距離を
f,直径をDとすると、式(4)で与えられる。
のコリメータ光学系6-2-1によって形成される平行光束
の直径をw0 、コリメータ光学系6-2-1の焦点距離を
f,直径をDとすると、式(4)で与えられる。
【0047】
【数4】
【0048】図3において、レーザ光100を、磁性薄膜5-
2の磁気記録媒体2に近いエッジ5-2Aに臨界角θtで入
射させ、スポット径をμmオーダーの大きさに集光する
ためには、開口数NAを大きく(焦点距離fを小さく)
するとともに、開口角αを大きくすることが必要とな
る。磁性薄膜5-2が磁気的なノイズに影響されないよう
に、磁性薄膜5-2と磁気記録媒体2とのなす角度Φを大き
くすることが必要である。ここで、磁性薄膜5-2の図3の
紙面に垂直方向の幅を2 mmとし、図2に示す集光光学系6
-2-2の開口数NAを0.17とする。臨界角θtは、光学的
透明体5-1の屈折率1.88と、非磁性薄膜5-3の屈折率1.48
で決まり、52.0度となる。
2の磁気記録媒体2に近いエッジ5-2Aに臨界角θtで入
射させ、スポット径をμmオーダーの大きさに集光する
ためには、開口数NAを大きく(焦点距離fを小さく)
するとともに、開口角αを大きくすることが必要とな
る。磁性薄膜5-2が磁気的なノイズに影響されないよう
に、磁性薄膜5-2と磁気記録媒体2とのなす角度Φを大き
くすることが必要である。ここで、磁性薄膜5-2の図3の
紙面に垂直方向の幅を2 mmとし、図2に示す集光光学系6
-2-2の開口数NAを0.17とする。臨界角θtは、光学的
透明体5-1の屈折率1.88と、非磁性薄膜5-3の屈折率1.48
で決まり、52.0度となる。
【0049】光学的透明体5-1の形状は以下のようにし
て決める。レーザ光100の磁性薄膜5-2への入射角度を臨
界角52.0度の±10%以内という条件から53度とすると、
集光光学系レンズ6-2-2の開口数NAと光学的透明体5-1
の光学ガラスの屈折率から、光学的透明体5-1内での開
口角αは前述した式(2)によると、10.4度となる。従
って、開口角αが10.4度のときレーザ光100の光束が面5
-1-1に当たって遮断されないように、面5-1-1に対する
面5-1-3の角度を設定する必要がある。そこで、レーザ
光100が臨界角あるいは臨界角に対して90ないし110%の
角度で第1の面5-1-1に入射するようにする。また、磁性
薄膜5-2と磁気記録媒体2との角度Φを大きくする必要性
から、面5-1-2への入射光が、面5-1-1に平行に近くなる
ようにすることが必要である。そのためには、面5-1-2
への入射光は、図3において面5-1-1に対して右上がりに
傾斜しその角度を10度とし、その結果面5-1-1と面5-1-3
がなす角度を130度となるように選ぶ。さらに、第2の面
5-1-2は第3の面5-1-3からの入射光が53度で入射するよ
うに形成し、第1の面5-1-1と第2の面5-1-2がなす角度を
153度とする。すなわち、第2の面5-1-2と第3の面5-1-3
とのなす角度を103度とする。
て決める。レーザ光100の磁性薄膜5-2への入射角度を臨
界角52.0度の±10%以内という条件から53度とすると、
集光光学系レンズ6-2-2の開口数NAと光学的透明体5-1
の光学ガラスの屈折率から、光学的透明体5-1内での開
口角αは前述した式(2)によると、10.4度となる。従
って、開口角αが10.4度のときレーザ光100の光束が面5
-1-1に当たって遮断されないように、面5-1-1に対する
面5-1-3の角度を設定する必要がある。そこで、レーザ
光100が臨界角あるいは臨界角に対して90ないし110%の
角度で第1の面5-1-1に入射するようにする。また、磁性
薄膜5-2と磁気記録媒体2との角度Φを大きくする必要性
から、面5-1-2への入射光が、面5-1-1に平行に近くなる
ようにすることが必要である。そのためには、面5-1-2
への入射光は、図3において面5-1-1に対して右上がりに
傾斜しその角度を10度とし、その結果面5-1-1と面5-1-3
がなす角度を130度となるように選ぶ。さらに、第2の面
5-1-2は第3の面5-1-3からの入射光が53度で入射するよ
うに形成し、第1の面5-1-1と第2の面5-1-2がなす角度を
153度とする。すなわち、第2の面5-1-2と第3の面5-1-3
とのなす角度を103度とする。
【0050】第2の面5-1-2と第4の面5-1-4がなす角度
は、第2の面5-1-2で反射して第4の面5-1-4から出射する
光の光軸が第1の面5-1-1に垂直になるように定める。第
5の面5-1-5は、第1の面5-1-1と平行で、入射光100に垂
直になるように形成する。レーザ光100は、第5の面5-1-
5から垂直に入射し、第3の面5-1-3で反射し、次に第2の
面5-1-2に入射角度50度で入射して反射し、磁性薄膜5-2
が蒸着されている第3の面5-1-3へ入射角度53度で入射さ
れる。このとき、レーザ光100は、第1の面5-1-1で光束
が遮断されることなく第2の面5-1-2に集光される。
は、第2の面5-1-2で反射して第4の面5-1-4から出射する
光の光軸が第1の面5-1-1に垂直になるように定める。第
5の面5-1-5は、第1の面5-1-1と平行で、入射光100に垂
直になるように形成する。レーザ光100は、第5の面5-1-
5から垂直に入射し、第3の面5-1-3で反射し、次に第2の
面5-1-2に入射角度50度で入射して反射し、磁性薄膜5-2
が蒸着されている第3の面5-1-3へ入射角度53度で入射さ
れる。このとき、レーザ光100は、第1の面5-1-1で光束
が遮断されることなく第2の面5-1-2に集光される。
【0051】磁性薄膜5-2には、磁気ディスク2の磁化信
号が転写されており、磁性薄膜5-2で反射したレーザ光1
00は磁気光学効果によって、その偏光面が回転し、その
光軸に直角な断面の楕円率が変化する。磁気光学効果の
作用を受けた反射光100Aは、図2の集光光学系6-2-2、
反射プリズム6-14、6-13、ビームスプリッタ6-4、検出
光学系6-2-3及び2分の1波長板6-6-1を経て、光検出部11
の偏光ビームスプリッタ6-6-2へ導かれる。偏光ビーム
スプリッタ6-6-2は入射する直線偏光をP偏光成分とS
偏光成分に分離する。この分離をするため光検出部はそ
の検光角度は、入射する直線偏光の偏光面に対して45度
の角度になるように配置されている。偏光ビームスプリ
ッタ6-6-2で分離されたS偏光成分は円筒レンズ6-11-1
を経て、光検出器6-3のフォトディテクタ6-3-1に集光す
る。またP偏光成分はフォトディテクタ6-3-2に集光す
る。フォトディテクタ6-3-1及び6-3-2はそれぞれ複数
(例えば11個)の検出素子を有し、マルチビームレーザ
光100のそれぞれの光ビームAに対応している。そして
差動検出器6-3-3によって、フォトディテクタ6-3-1と6-
3-2の出力信号を差動的に検出し、磁気ディスク2からそ
の磁化信号が再生される。差動検出器6-3-3の出力はト
ラック位置検出器10に入力される。
号が転写されており、磁性薄膜5-2で反射したレーザ光1
00は磁気光学効果によって、その偏光面が回転し、その
光軸に直角な断面の楕円率が変化する。磁気光学効果の
作用を受けた反射光100Aは、図2の集光光学系6-2-2、
反射プリズム6-14、6-13、ビームスプリッタ6-4、検出
光学系6-2-3及び2分の1波長板6-6-1を経て、光検出部11
の偏光ビームスプリッタ6-6-2へ導かれる。偏光ビーム
スプリッタ6-6-2は入射する直線偏光をP偏光成分とS
偏光成分に分離する。この分離をするため光検出部はそ
の検光角度は、入射する直線偏光の偏光面に対して45度
の角度になるように配置されている。偏光ビームスプリ
ッタ6-6-2で分離されたS偏光成分は円筒レンズ6-11-1
を経て、光検出器6-3のフォトディテクタ6-3-1に集光す
る。またP偏光成分はフォトディテクタ6-3-2に集光す
る。フォトディテクタ6-3-1及び6-3-2はそれぞれ複数
(例えば11個)の検出素子を有し、マルチビームレーザ
光100のそれぞれの光ビームAに対応している。そして
差動検出器6-3-3によって、フォトディテクタ6-3-1と6-
3-2の出力信号を差動的に検出し、磁気ディスク2からそ
の磁化信号が再生される。差動検出器6-3-3の出力はト
ラック位置検出器10に入力される。
【0052】図4の(a)及び(b)は磁気光学効果に
よるレーザ光100の偏光面の回転と楕円率の変化を示す
図である。角度γは偏光ビームスプリッタ6-6-2の偏光
角度(45度)を示す。直線(a) は入射光を示し、矢印
(b)及び(c) は、磁性薄膜5-2に転写された磁化信号の磁
化の方向を示す。矢印(b)と(c)は磁化の方向が互いに反
対の場合を示す。差動検出器6-3-3によって、式(5)、
式(6)及び式(7)に示すように反射光量P(a)、S
(a)、P(c)、S(c)、P(b)及びS(b)のそれぞれの変化
量ΔRを差動検出している。したがって、変化量Δの絶
対値は2倍になる。また各反射光量の差をとるので検出
信号中の直流成分が除かれ、再生信号の検出感度を高く
することができる。
よるレーザ光100の偏光面の回転と楕円率の変化を示す
図である。角度γは偏光ビームスプリッタ6-6-2の偏光
角度(45度)を示す。直線(a) は入射光を示し、矢印
(b)及び(c) は、磁性薄膜5-2に転写された磁化信号の磁
化の方向を示す。矢印(b)と(c)は磁化の方向が互いに反
対の場合を示す。差動検出器6-3-3によって、式(5)、
式(6)及び式(7)に示すように反射光量P(a)、S
(a)、P(c)、S(c)、P(b)及びS(b)のそれぞれの変化
量ΔRを差動検出している。したがって、変化量Δの絶
対値は2倍になる。また各反射光量の差をとるので検出
信号中の直流成分が除かれ、再生信号の検出感度を高く
することができる。
【0053】
【数5】
【0054】
【数6】
【0055】
【数7】
【0056】出来るだけ大きな検出信号を得るために
は、レーザ光100を磁性薄膜5-2が磁気ディスク2に接触
しているエッジ部5-2Aに集光させることが必要であ
る。第1実施例では面5-1-3に入射されたレーザ光100は
全反射して面5-1-2へ集光される。面5-1-2へ直接入射さ
れるレーザー光も存在するが、臨界角以下の角度で入射
されるため、ほとんどの光が面5-1-2を透過し、反射光
はほとんどない。従って面5-1-2からの反射光を検出す
ることによって、面5-1-3から面5-1-2のエッジ5-2Aに
光スポットが集光していることが判る。面5-1-3へ入射
するレーザ光100は、入射角度50度で全反射して、面5-1
-2へ集光される。従ってレーザ光100のP偏光成分
(n1)とS偏光成分(n2)とは位相差δを有すること
になる。位相差δは式(8)で求められる。
は、レーザ光100を磁性薄膜5-2が磁気ディスク2に接触
しているエッジ部5-2Aに集光させることが必要であ
る。第1実施例では面5-1-3に入射されたレーザ光100は
全反射して面5-1-2へ集光される。面5-1-2へ直接入射さ
れるレーザー光も存在するが、臨界角以下の角度で入射
されるため、ほとんどの光が面5-1-2を透過し、反射光
はほとんどない。従って面5-1-2からの反射光を検出す
ることによって、面5-1-3から面5-1-2のエッジ5-2Aに
光スポットが集光していることが判る。面5-1-3へ入射
するレーザ光100は、入射角度50度で全反射して、面5-1
-2へ集光される。従ってレーザ光100のP偏光成分
(n1)とS偏光成分(n2)とは位相差δを有すること
になる。位相差δは式(8)で求められる。
【0057】
【数8】
【0058】図3のレーザ光100の面5-1-3における位相
差δは、式(8)より62度となる。入射する直線偏光の
偏光面が磁性薄膜5-2及び面5-1-3に対して垂直である場
合を図5の(a)で示し、傾きβを有する場合を図5の
(b)で示す。位相差δの影響の違いを以下に示す。傾
きβを有する場合、入射する直線偏光は、楕円偏光にな
るので、図6の(b)に示すように、反射光量P
(b)、P(c)、S(b)、S(c)についての式
(6)及び式(7)の計算結果のそれぞれの変化量ΔR及
びΔRの絶対値が小さくなり、再生出力が小さくなる。
差δは、式(8)より62度となる。入射する直線偏光の
偏光面が磁性薄膜5-2及び面5-1-3に対して垂直である場
合を図5の(a)で示し、傾きβを有する場合を図5の
(b)で示す。位相差δの影響の違いを以下に示す。傾
きβを有する場合、入射する直線偏光は、楕円偏光にな
るので、図6の(b)に示すように、反射光量P
(b)、P(c)、S(b)、S(c)についての式
(6)及び式(7)の計算結果のそれぞれの変化量ΔR及
びΔRの絶対値が小さくなり、再生出力が小さくなる。
【0059】図2に示すビームスプリッタ6-4と偏光子6-
5間に2分の1波長板の位相遅延器6-10を配置し、入射す
る直線偏光の偏光面が磁性薄膜5-2及び面5-1-3に対して
垂直(紙面に平行)となるように調整することによっ
て、図5(a)に示す直線偏光の状態を保ち、図6の
(a)に示す反射光量P(c)、P(b)、S(c)、S(b)を用
いて、式(6)、式(7)で計算されるように再生出力を
大きくすることが可能となる。また、図2のビームスプ
リッタ6-4として金属膜のビームスプリッタを使用した
場合も位相差δを生じる。この場合にも、位相遅延器6-
10を設けることによって同様の効果が得られる。
5間に2分の1波長板の位相遅延器6-10を配置し、入射す
る直線偏光の偏光面が磁性薄膜5-2及び面5-1-3に対して
垂直(紙面に平行)となるように調整することによっ
て、図5(a)に示す直線偏光の状態を保ち、図6の
(a)に示す反射光量P(c)、P(b)、S(c)、S(b)を用
いて、式(6)、式(7)で計算されるように再生出力を
大きくすることが可能となる。また、図2のビームスプ
リッタ6-4として金属膜のビームスプリッタを使用した
場合も位相差δを生じる。この場合にも、位相遅延器6-
10を設けることによって同様の効果が得られる。
【0060】図2の記録ヘッド1、および図3の磁気光再
生ヘッド3を目標トラックへ位置決めし、そのトラック
を追従させる動作を図7を用いて説明する。磁気ディス
ク2の各トラックにはあらかじめトラック信号が記録さ
れている。これらの各トラック上を磁気光再生ヘッド3
がトレースすると、磁気光学変調部5の磁性薄膜5-2に
は、トラック信号により磁気ディスク2にあらかじめ磁
気記録されているトラック信号が磁気的に転写される。
磁性薄膜5-2にトラック信号により転写されて生じた複
数の帯状の磁化領域を以後転写トラックと称する。符号
t1からt11は磁性薄膜5ー2に転写された11本の転写ト
ラックを表す。磁気光再生ヘッド3を位置決めする目標
トラックを転写トラックt6とし、記録ヘッド1、および
磁気光再生ヘッド3は一体型であり、光スポットS6の位
置に位置決めされているとする。
生ヘッド3を目標トラックへ位置決めし、そのトラック
を追従させる動作を図7を用いて説明する。磁気ディス
ク2の各トラックにはあらかじめトラック信号が記録さ
れている。これらの各トラック上を磁気光再生ヘッド3
がトレースすると、磁気光学変調部5の磁性薄膜5-2に
は、トラック信号により磁気ディスク2にあらかじめ磁
気記録されているトラック信号が磁気的に転写される。
磁性薄膜5-2にトラック信号により転写されて生じた複
数の帯状の磁化領域を以後転写トラックと称する。符号
t1からt11は磁性薄膜5ー2に転写された11本の転写ト
ラックを表す。磁気光再生ヘッド3を位置決めする目標
トラックを転写トラックt6とし、記録ヘッド1、および
磁気光再生ヘッド3は一体型であり、光スポットS6の位
置に位置決めされているとする。
【0061】各転写トラックt1〜t11のトラック幅Tw
は5μm、ガードバンド幅Gwは1μm、トラックピッチTpは
6μmである。マルチビームレーザ光源6-1から出射され
た11個の光ビームから成るレーザ光100は集光光学系6-2
-2によってそれぞれ直径5μmの光スポットS1〜S11に
集光されており、5.5μmのピッチで一列に配置されてい
る。光スポットS1〜S11の各中心と転写トラックt1〜
t11の各中心線との差を位置偏差εによって表す。フォ
トディテクタ6-3-1、6-3-2はそれぞれ11個の光検出素子
を有している。11個の光検出素子は、それぞれ光スポッ
トS1〜S11に対応しており、それぞれの光の強さを検
出するように構成されている。
は5μm、ガードバンド幅Gwは1μm、トラックピッチTpは
6μmである。マルチビームレーザ光源6-1から出射され
た11個の光ビームから成るレーザ光100は集光光学系6-2
-2によってそれぞれ直径5μmの光スポットS1〜S11に
集光されており、5.5μmのピッチで一列に配置されてい
る。光スポットS1〜S11の各中心と転写トラックt1〜
t11の各中心線との差を位置偏差εによって表す。フォ
トディテクタ6-3-1、6-3-2はそれぞれ11個の光検出素子
を有している。11個の光検出素子は、それぞれ光スポッ
トS1〜S11に対応しており、それぞれの光の強さを検
出するように構成されている。
【0062】たとえば、図7の(a)に示すように、光
スポットS6と転写トラックt6とが位置偏差ε6=0μm
で位置する場合、他の10個の光スポットS1〜S5、S7
〜S1 1は、それぞれ下記に示す異なる位置偏差を有する
ことになる。各光スポットS1〜S1 1と転写トラックt1
〜t11とのそれぞれの位置偏差ε1〜ε11は以下に示す
ようになる。光スポットS1 とトラックt1 との位置
偏差は、ε1 =+2.5μm。光スポットS2 とトラック
t2 との位置偏差は、ε2 =+2.0μm。光スポットS3
とトラックt3 との位置偏差は、ε3 =+1.5μm。
光スポットS4 とトラックt4 との位置偏差は、ε4
=+1.0μm。光スポットS5 とトラックt5 との位置
偏差は、ε5 =+0.5μm。光スポットS6 とトラック
t6 との位置偏差は、ε6 = 0.0μm。光スポットS7
とトラックt7 との位置偏差は、ε7 =−0.5μm。
光スポットS8 とトラックt8 との位置偏差は、ε8
=−1.0μm。光スポットS9 とトラックt9 との位置
偏差は、ε9 =−1.5μm。光スポットS10とトラックt
10 との位置偏差は、ε10=−2.0μm。光スポットS11
とトラックt11 との位置偏差は、ε11=−2.5μm。
スポットS6と転写トラックt6とが位置偏差ε6=0μm
で位置する場合、他の10個の光スポットS1〜S5、S7
〜S1 1は、それぞれ下記に示す異なる位置偏差を有する
ことになる。各光スポットS1〜S1 1と転写トラックt1
〜t11とのそれぞれの位置偏差ε1〜ε11は以下に示す
ようになる。光スポットS1 とトラックt1 との位置
偏差は、ε1 =+2.5μm。光スポットS2 とトラック
t2 との位置偏差は、ε2 =+2.0μm。光スポットS3
とトラックt3 との位置偏差は、ε3 =+1.5μm。
光スポットS4 とトラックt4 との位置偏差は、ε4
=+1.0μm。光スポットS5 とトラックt5 との位置
偏差は、ε5 =+0.5μm。光スポットS6 とトラック
t6 との位置偏差は、ε6 = 0.0μm。光スポットS7
とトラックt7 との位置偏差は、ε7 =−0.5μm。
光スポットS8 とトラックt8 との位置偏差は、ε8
=−1.0μm。光スポットS9 とトラックt9 との位置
偏差は、ε9 =−1.5μm。光スポットS10とトラックt
10 との位置偏差は、ε10=−2.0μm。光スポットS11
とトラックt11 との位置偏差は、ε11=−2.5μm。
【0063】各光スポットS1〜S11は磁性薄膜5-2で反
射され、集光光学系6-2-2、反射プリズム6-14、6-13、
ビームスプリッタ6-4、検出光学系6-2-3、偏光ビームス
プリッタ6-6-2を経て、光検出器6-3によって光学的特性
値に応じた11個の電気信号に変換される。変換された11
個の電気信号は、それぞれのトラック位置検出器10に入
力され、各光スポットS1〜S11に対応する11個の電気
信号の、全振幅及び上側振幅(正側)と下側振幅(負
側)がそれぞれ検出される。位置偏差ε=0μmの場合、
隣接転写トラックの影響をほとんど受けないので検出さ
れた電気信号の振幅は図8の(a)に示すように最大で
あるとともに、上側振幅と下側振幅が等しく、波形は上
下対称となる。ところが、位置偏差εが零ではなく、例
えば、図7の(a)に示すように、光スポットS1が隣接
する転写トラックt1とt2上に位置するときは、両転写
トラックt1とt2の信号を検出する。その結果図8の
(b)に示すように転写トラックt1の検出信号の振幅
が小さくなり、波形が上下対称でなくなるとともに、隣
接転写トラックt2の信号が重畳された信号の波形とな
る。その影響は、位置偏差εが大きくなるほど顕著にな
る。
射され、集光光学系6-2-2、反射プリズム6-14、6-13、
ビームスプリッタ6-4、検出光学系6-2-3、偏光ビームス
プリッタ6-6-2を経て、光検出器6-3によって光学的特性
値に応じた11個の電気信号に変換される。変換された11
個の電気信号は、それぞれのトラック位置検出器10に入
力され、各光スポットS1〜S11に対応する11個の電気
信号の、全振幅及び上側振幅(正側)と下側振幅(負
側)がそれぞれ検出される。位置偏差ε=0μmの場合、
隣接転写トラックの影響をほとんど受けないので検出さ
れた電気信号の振幅は図8の(a)に示すように最大で
あるとともに、上側振幅と下側振幅が等しく、波形は上
下対称となる。ところが、位置偏差εが零ではなく、例
えば、図7の(a)に示すように、光スポットS1が隣接
する転写トラックt1とt2上に位置するときは、両転写
トラックt1とt2の信号を検出する。その結果図8の
(b)に示すように転写トラックt1の検出信号の振幅
が小さくなり、波形が上下対称でなくなるとともに、隣
接転写トラックt2の信号が重畳された信号の波形とな
る。その影響は、位置偏差εが大きくなるほど顕著にな
る。
【0064】図7の(a)においては、光スポットS6が
トラックt6上に位置決めされ、記録ヘッド、および磁
気光再生ヘッド3は転写トラックt6上に位置している。
この状態を以後「オントラックの状態にある」と呼ぶ。
次に図7の(b)においては、光スポットS3が転写トラ
ックt3にオントラックの状態にあり、従って光スポッ
トS6とトラックt6間には位置偏差εがある。図7の
(a)に示す光スポットS6の検出信号は、図8の(a)
に示す波形の信号であるが、図7の(b)の状態のとき
の光スポットS6の検出信号は、図8の(b)に示す波形
に近い信号となる。光スポットS1〜S11のピッチはあ
らかじめ定められているので、目標転写トラックt6以
外のトラックにオントラック状態にある光スポットS3
が、目標転写トラックt6に対してオントラック状態に
させるべき光スポットS6から、何番目のものであるか
を検知することができる。その結果に基づいて光スポッ
トS6と転写トラックt6との位置偏差ε6を検出し、そ
れに対応する制御信号が帰還制御器20-1から出力され
る。この制御信号は位置決め機構部30のトラッキング
微調整アクチュエータ30-2Aに印加される。その結果記
録ヘッド1は微調整を受けて目標転写トラックt6上に位
置決めされる。
トラックt6上に位置決めされ、記録ヘッド、および磁
気光再生ヘッド3は転写トラックt6上に位置している。
この状態を以後「オントラックの状態にある」と呼ぶ。
次に図7の(b)においては、光スポットS3が転写トラ
ックt3にオントラックの状態にあり、従って光スポッ
トS6とトラックt6間には位置偏差εがある。図7の
(a)に示す光スポットS6の検出信号は、図8の(a)
に示す波形の信号であるが、図7の(b)の状態のとき
の光スポットS6の検出信号は、図8の(b)に示す波形
に近い信号となる。光スポットS1〜S11のピッチはあ
らかじめ定められているので、目標転写トラックt6以
外のトラックにオントラック状態にある光スポットS3
が、目標転写トラックt6に対してオントラック状態に
させるべき光スポットS6から、何番目のものであるか
を検知することができる。その結果に基づいて光スポッ
トS6と転写トラックt6との位置偏差ε6を検出し、そ
れに対応する制御信号が帰還制御器20-1から出力され
る。この制御信号は位置決め機構部30のトラッキング
微調整アクチュエータ30-2Aに印加される。その結果記
録ヘッド1は微調整を受けて目標転写トラックt6上に位
置決めされる。
【0065】上記方式においては、光スポットの個数を
増加すれば位置偏差検出の分解能があがり、位置偏差を
高精度に検出することができる。目標トラックにスキッ
プするトラッキング制御においては、基準の光スポット
S6が通過したトラック数を計数し、かつそのアドレス
を記録する。そしてオントラック状態にある光スポット
の位置に基づいて、基準光スポットS6の現在位置を検
出することにより、磁気光再生ヘッド及び記録ヘッド1
の位置を検出し、目標転写トラックt6との位置偏差ε6
を導出する。またフォローイング制御(追従制御)につ
いては、前記記録されたアドレスのアドレス信号と前記
の方法で求めた位置偏差の信号を用いて、位置決めを行
うことができる。従って従来のセクターサーボ方式に必
要であったフォローイング制御のためのファインマーク
は必要ない。フォローイング制御中も連続的に位置偏差
を検出可能であり、連続的な制御が可能となる。
増加すれば位置偏差検出の分解能があがり、位置偏差を
高精度に検出することができる。目標トラックにスキッ
プするトラッキング制御においては、基準の光スポット
S6が通過したトラック数を計数し、かつそのアドレス
を記録する。そしてオントラック状態にある光スポット
の位置に基づいて、基準光スポットS6の現在位置を検
出することにより、磁気光再生ヘッド及び記録ヘッド1
の位置を検出し、目標転写トラックt6との位置偏差ε6
を導出する。またフォローイング制御(追従制御)につ
いては、前記記録されたアドレスのアドレス信号と前記
の方法で求めた位置偏差の信号を用いて、位置決めを行
うことができる。従って従来のセクターサーボ方式に必
要であったフォローイング制御のためのファインマーク
は必要ない。フォローイング制御中も連続的に位置偏差
を検出可能であり、連続的な制御が可能となる。
【0066】磁気光再生ヘッド3の位置決め、および記
録された信号の再生においては、トラッキング制御およ
びフォローイング制御をして光スポットS6の検出信号
からデータを再生する。また図9に示すように記録ヘッ
ド1用アクチュエータ1Aと再生ヘッド3用アクチュエー
タ3Aを分離し、再生の場合は再生ヘッド3のみをアクチ
ュエータ3Aで微動させることにより、光スポットS6を
目標転写トラックt6にオントラック状態にさせること
ができる。この場合、光ディスク装置に用いられるよく
知られた光ピックアップと同様に制御帯域が2kHz以上の
高帯域サーボシステムを用いることが可能となる。また
第1実施例では複数の光スポットS1〜S11を有するの
で、複数のトラックのデータを同時に再生するマルチ再
生ヘッドが実現可能となる。
録された信号の再生においては、トラッキング制御およ
びフォローイング制御をして光スポットS6の検出信号
からデータを再生する。また図9に示すように記録ヘッ
ド1用アクチュエータ1Aと再生ヘッド3用アクチュエー
タ3Aを分離し、再生の場合は再生ヘッド3のみをアクチ
ュエータ3Aで微動させることにより、光スポットS6を
目標転写トラックt6にオントラック状態にさせること
ができる。この場合、光ディスク装置に用いられるよく
知られた光ピックアップと同様に制御帯域が2kHz以上の
高帯域サーボシステムを用いることが可能となる。また
第1実施例では複数の光スポットS1〜S11を有するの
で、複数のトラックのデータを同時に再生するマルチ再
生ヘッドが実現可能となる。
【0067】次に、集光光学系6-2-2によるレーザ光100
の磁気光学変調部5への焦点調節(以下フォーカシング
と称する)について説明する。フォーカシングでは、光
ディスク装置に通常用いられている非点収差法を応用す
る。以下に非点収差法を説明する。図2及び図3に示すよ
うに、複数のレーザ光100は、集光光学系6-2-2によって
磁性薄膜5-2に集光され、反射光100Aは、集光光学系6-
2-2、反射プリズム6-14、6-13を経て、ビームスプリッ
タ6-4で反射され、さらに偏光ビームスプリッタ6-6-2
等を経てフォトディテクタ6-3-1に集光される。複数の
光スポットS1〜S11の中の1つの光スポットをフォトデ
ィテクタ6-3-1によって検出する。フォトディテクタ6-3
-1としては、図10のような4分割のフォトダイオードA
1、A2、B1、B2を有する光検出器6-3-0を使用する。
磁性薄膜5-2がレーザ光100の焦点位置にあるときは、光
検出器6-3-0の検出面の中央に円形断面の光ビームRB1
が集光される。磁性薄膜5-2がレーザ光100の焦点位置に
ないときは、光検出器6-3-0の検出面に集光される光ビ
ームRB1の断面の形状は歪む。この歪んだ形状の光ビ
ームRB1によるフォトダイオードA1、A2、B1、B2
の検出出力を非点収差フォーカシング光検出器6-11-2に
入力する。各フォトダイオードA1、A2、B1、B2の検
出出力をそれぞれa1、a2、b1、b2で表すと非点収差
フォーカシング光検出器6-11-2の検出出力は式(9)で
表される。
の磁気光学変調部5への焦点調節(以下フォーカシング
と称する)について説明する。フォーカシングでは、光
ディスク装置に通常用いられている非点収差法を応用す
る。以下に非点収差法を説明する。図2及び図3に示すよ
うに、複数のレーザ光100は、集光光学系6-2-2によって
磁性薄膜5-2に集光され、反射光100Aは、集光光学系6-
2-2、反射プリズム6-14、6-13を経て、ビームスプリッ
タ6-4で反射され、さらに偏光ビームスプリッタ6-6-2
等を経てフォトディテクタ6-3-1に集光される。複数の
光スポットS1〜S11の中の1つの光スポットをフォトデ
ィテクタ6-3-1によって検出する。フォトディテクタ6-3
-1としては、図10のような4分割のフォトダイオードA
1、A2、B1、B2を有する光検出器6-3-0を使用する。
磁性薄膜5-2がレーザ光100の焦点位置にあるときは、光
検出器6-3-0の検出面の中央に円形断面の光ビームRB1
が集光される。磁性薄膜5-2がレーザ光100の焦点位置に
ないときは、光検出器6-3-0の検出面に集光される光ビ
ームRB1の断面の形状は歪む。この歪んだ形状の光ビ
ームRB1によるフォトダイオードA1、A2、B1、B2
の検出出力を非点収差フォーカシング光検出器6-11-2に
入力する。各フォトダイオードA1、A2、B1、B2の検
出出力をそれぞれa1、a2、b1、b2で表すと非点収差
フォーカシング光検出器6-11-2の検出出力は式(9)で
表される。
【0068】
【数9】
【0069】mが零のときは、磁性薄膜5-2上にレーザ
光100の焦点位置が存在し正しく焦点調節がなされてい
ることを示す。mが零でないときは、正しく焦点調節が
なされていない状態を示す。非点収差フォーカシング光
検出器6-11-2の出力信号に基づいて、図2のフォーカシ
ング微調整部6-11-3を制御することにより、集光光学系
6-2-2の磁気光学変調部5に対するフォーカシングがなさ
れる。
光100の焦点位置が存在し正しく焦点調節がなされてい
ることを示す。mが零でないときは、正しく焦点調節が
なされていない状態を示す。非点収差フォーカシング光
検出器6-11-2の出力信号に基づいて、図2のフォーカシ
ング微調整部6-11-3を制御することにより、集光光学系
6-2-2の磁気光学変調部5に対するフォーカシングがなさ
れる。
【0070】次に、レーザ光100を磁気光学変調部5の磁
性薄膜5-2に集光する場合の、光スポットS1〜S11の膜
高さ方向(面5-1-2上において、エッジ5-2Aから第4の
面5-1-4に向かう方向)の位置決めについて説明する。
図11は、レーザ光100の光スポットS1〜S11を、転写ト
ラックを有する磁性薄膜5-2上で膜幅方向(図3において
紙面に垂直な方向)と膜高さ方向に移動させたときの検
出信号の変調率を表している。横軸の位置x[μm]は膜
幅方向における位置、縦軸は、検出信号の振幅の変化
(反射光量の変化)を振幅の平均値(反射光量の平均
値)で除して規格化した変調率である。zは膜高さ方向
におけるエッジ5-2Aと光スポットS1〜S11の入射位置
との距離である。膜高さ方向z=0 であるエッジ5-2A
(図3)においては、反射光量が最大値の2% となる。
図11において、z=3、6、9、12、15μmは、それぞれエ
ッジ5-2Aからの距離である。距離zがz=3〜6μm の
範囲にあるとき、変調率が大きくなる。従って、実際の
装置において、z=3〜6μm の位置に光スポットを位置
決めすることが必要となる。
性薄膜5-2に集光する場合の、光スポットS1〜S11の膜
高さ方向(面5-1-2上において、エッジ5-2Aから第4の
面5-1-4に向かう方向)の位置決めについて説明する。
図11は、レーザ光100の光スポットS1〜S11を、転写ト
ラックを有する磁性薄膜5-2上で膜幅方向(図3において
紙面に垂直な方向)と膜高さ方向に移動させたときの検
出信号の変調率を表している。横軸の位置x[μm]は膜
幅方向における位置、縦軸は、検出信号の振幅の変化
(反射光量の変化)を振幅の平均値(反射光量の平均
値)で除して規格化した変調率である。zは膜高さ方向
におけるエッジ5-2Aと光スポットS1〜S11の入射位置
との距離である。膜高さ方向z=0 であるエッジ5-2A
(図3)においては、反射光量が最大値の2% となる。
図11において、z=3、6、9、12、15μmは、それぞれエ
ッジ5-2Aからの距離である。距離zがz=3〜6μm の
範囲にあるとき、変調率が大きくなる。従って、実際の
装置において、z=3〜6μm の位置に光スポットを位置
決めすることが必要となる。
【0071】図2において、フォトディテクタ6-3-1に接
続された光スポット位置検出器7-1について以下に説明
する。図2、図3において、レーザ光100は、集光光学系6
-2-2によって、入射方向を変換する第3の面5-1-3を経
て、面5-1-2に設けられた磁性薄膜5-2上に直径5μm程度
のスポットとして集光される。磁性薄膜5-2で反射され
た反射光100Aは再度、集光光学系6-2-2を通り、検出光
学系6-2-3等を経て光検出器6-3に集光される。図2にお
いて、入射光のレーザ光100と反射光100Aは平行な経路
を通るが、光路は一致していない。通常反射光100Aは
集光光学系6-2-2の光軸中心を通らない。そのため、レ
ーザ光100が集光する磁性薄膜5-2の膜高さ方向の位置に
よっては入射光のレーザ光100と反射光100Aの光軸距離
が異なり、光検出器6-3において、集光位置が一方向に
偏位する。光スポットの位置検出はこの偏位を利用して
行う。
続された光スポット位置検出器7-1について以下に説明
する。図2、図3において、レーザ光100は、集光光学系6
-2-2によって、入射方向を変換する第3の面5-1-3を経
て、面5-1-2に設けられた磁性薄膜5-2上に直径5μm程度
のスポットとして集光される。磁性薄膜5-2で反射され
た反射光100Aは再度、集光光学系6-2-2を通り、検出光
学系6-2-3等を経て光検出器6-3に集光される。図2にお
いて、入射光のレーザ光100と反射光100Aは平行な経路
を通るが、光路は一致していない。通常反射光100Aは
集光光学系6-2-2の光軸中心を通らない。そのため、レ
ーザ光100が集光する磁性薄膜5-2の膜高さ方向の位置に
よっては入射光のレーザ光100と反射光100Aの光軸距離
が異なり、光検出器6-3において、集光位置が一方向に
偏位する。光スポットの位置検出はこの偏位を利用して
行う。
【0072】光スポット位置検出には、図12に示すよう
に、フォトディテクタ6-3-1の検出面を2つの領域C及び
Dに分割した2分割ディテクタ6-3-10を用いる。図13の
(b)に示すように光スポットS1〜S11が膜高さ方向
に3〜6μm の位置にあるとき、図12の(a)に示すよう
に、その内の1個の光スポットの反射光による光ビーム
RB1は2分割ディテクタ6-3-10の中心に集光するように
設定する。またたとえば、光スポットS1〜S11がエッ
ジ5-2Aの方向(図の下方向)に移動したときは図12の
(b)に示すように光ビームRB1は領域Cの方向に偏
位して集光される。また逆にエッジ5-2Aから離れた位
置に移動すると、図12の(c)に示すように領域Dに偏
位して集光される。2分割ディテクタ6-3-10の2つの領域
C及びDの検出出力の差を検出すれば光スポットS1〜
S11の位置偏差を検出することが可能となる。この位置
偏差に基づいて、光スポット位置調整部7-2で反射プリ
ズム6-14を調節し、光スポットS1〜S11を所望の膜高
さ方向の位置に高精度に位置決めすることができる。
に、フォトディテクタ6-3-1の検出面を2つの領域C及び
Dに分割した2分割ディテクタ6-3-10を用いる。図13の
(b)に示すように光スポットS1〜S11が膜高さ方向
に3〜6μm の位置にあるとき、図12の(a)に示すよう
に、その内の1個の光スポットの反射光による光ビーム
RB1は2分割ディテクタ6-3-10の中心に集光するように
設定する。またたとえば、光スポットS1〜S11がエッ
ジ5-2Aの方向(図の下方向)に移動したときは図12の
(b)に示すように光ビームRB1は領域Cの方向に偏
位して集光される。また逆にエッジ5-2Aから離れた位
置に移動すると、図12の(c)に示すように領域Dに偏
位して集光される。2分割ディテクタ6-3-10の2つの領域
C及びDの検出出力の差を検出すれば光スポットS1〜
S11の位置偏差を検出することが可能となる。この位置
偏差に基づいて、光スポット位置調整部7-2で反射プリ
ズム6-14を調節し、光スポットS1〜S11を所望の膜高
さ方向の位置に高精度に位置決めすることができる。
【0073】次に、図13の(b)に示すように、例えば
11本のマルチビームレーザ光100を磁気光学変調部5の磁
性薄膜5-2のエッジ5-2Aに平行にかつ1列に並んで集光
させるための、光スポットS1〜S11の膜高さ方向にお
ける傾斜の補正について説明する。トラッキングおよび
フォローイングのために高精度に位置偏差εを検出する
には、マルチビームレーザ光100を、第2の面5-1-2上の
磁性薄膜5-2に直径5μm程度の複数の光スポットをピッ
チ5.5μmで、エッジ5-2Aに平行して並ぶように集光さ
せることが必要である。しかしながら、振動などの外乱
によって、11本のレーザ光100が磁性薄膜5-2のエッジ5-
2Aに平行して並ぶように入射されない場合、図13の
(a)に示すように光スポットS1〜S11はエッジ5-2A
に平行にならず膜高さ方向において傾斜を有する方向に
並んで集光される。このように傾斜を有する方向にそっ
て光スポットS1〜S11が集光すると、フォトディテク
タ6-3-1で検出される個々の光スポットS1〜S11の変調
率が異なることとなる。従って、トラック位置検出にお
いて、高精度に位置偏差εを検出することが不可能とな
る。すなわち、複数の光スポットS1〜S11を図13の
(b)に示すようにエッジ5-2Aから3〜6μm の範囲の
位置にエッジ5-2Aに平行に集光させることが必要とな
る。
11本のマルチビームレーザ光100を磁気光学変調部5の磁
性薄膜5-2のエッジ5-2Aに平行にかつ1列に並んで集光
させるための、光スポットS1〜S11の膜高さ方向にお
ける傾斜の補正について説明する。トラッキングおよび
フォローイングのために高精度に位置偏差εを検出する
には、マルチビームレーザ光100を、第2の面5-1-2上の
磁性薄膜5-2に直径5μm程度の複数の光スポットをピッ
チ5.5μmで、エッジ5-2Aに平行して並ぶように集光さ
せることが必要である。しかしながら、振動などの外乱
によって、11本のレーザ光100が磁性薄膜5-2のエッジ5-
2Aに平行して並ぶように入射されない場合、図13の
(a)に示すように光スポットS1〜S11はエッジ5-2A
に平行にならず膜高さ方向において傾斜を有する方向に
並んで集光される。このように傾斜を有する方向にそっ
て光スポットS1〜S11が集光すると、フォトディテク
タ6-3-1で検出される個々の光スポットS1〜S11の変調
率が異なることとなる。従って、トラック位置検出にお
いて、高精度に位置偏差εを検出することが不可能とな
る。すなわち、複数の光スポットS1〜S11を図13の
(b)に示すようにエッジ5-2Aから3〜6μm の範囲の
位置にエッジ5-2Aに平行に集光させることが必要とな
る。
【0074】上記のように集光するための光スポット傾
斜検出器8-1を以下に説明する。図2、図3において、複
数のレーザ光100は、集光光学系6-2-2によって、第3の
面5-1-3を経て、第2の面5-1-2の磁性薄膜5-2に直径5μm
程度の光スポットで集光される。磁性薄膜5-2で反射さ
れた反射光100Aは再度、集光光学系6-2-2を通り、検出
光学系6-2-3等を経て光検出器6-3に集光される。入射光
のレーザ光100と反射光100Aは平行であるが、光路は一
致しておらず、一般に反射光は集光光学系6-2-2の光軸
中心を通らない。磁性薄膜5-2上に集光される光スポッ
トS1〜S11の膜高さ方向の位置によって入射光のレー
ザ光100と反射光100Aの光軸距離が異なる。その結果、
図12に示す場合と同様の構成の2分割ディテクタ6-3-10
を11個備えた光検出器6-3を用いることによって、複数
の光スポットS1〜S11の集光位置が各2分割ディテクタ
6-3-10において一方向に偏位する。
斜検出器8-1を以下に説明する。図2、図3において、複
数のレーザ光100は、集光光学系6-2-2によって、第3の
面5-1-3を経て、第2の面5-1-2の磁性薄膜5-2に直径5μm
程度の光スポットで集光される。磁性薄膜5-2で反射さ
れた反射光100Aは再度、集光光学系6-2-2を通り、検出
光学系6-2-3等を経て光検出器6-3に集光される。入射光
のレーザ光100と反射光100Aは平行であるが、光路は一
致しておらず、一般に反射光は集光光学系6-2-2の光軸
中心を通らない。磁性薄膜5-2上に集光される光スポッ
トS1〜S11の膜高さ方向の位置によって入射光のレー
ザ光100と反射光100Aの光軸距離が異なる。その結果、
図12に示す場合と同様の構成の2分割ディテクタ6-3-10
を11個備えた光検出器6-3を用いることによって、複数
の光スポットS1〜S11の集光位置が各2分割ディテクタ
6-3-10において一方向に偏位する。
【0075】光スポット傾斜検出器8-1においては、図1
2の光スポット位置検出器7-1と同様に、光スポットS1
〜S11がエッジ5-2Aから3〜6μmの位置にあるとき、図
12の(a)に示す各光スポットS1〜S11の光ビームR
B1はそれぞれの2分割ディテクタ6-3-10の中心に集光す
るようになされる。またたとえば、光スポットS1〜S
11がエッジ5-2Aに近い方向に移動したときは図12の
(b)に示すように偏位して集光され、逆にエッジ5-2
Aから離れた位置に移動したときは図12(c)のように
偏位して集光される。その結果各2分割ディテクタ6-3-1
0の検出出力の差を検出することにより各光スポットS1
〜S11のエッジ5-2Aからの位置偏差εを検出すること
が可能になる。位置偏差εをすべての光スポットS1〜
S11について求める必要はなく両端の光スポットS1と
S11について求めてもよい。両端の光スポットS1とS
11のピッチpwと膜高さ方向の偏差εh から式(10)に
よって傾きθs を検出できる。
2の光スポット位置検出器7-1と同様に、光スポットS1
〜S11がエッジ5-2Aから3〜6μmの位置にあるとき、図
12の(a)に示す各光スポットS1〜S11の光ビームR
B1はそれぞれの2分割ディテクタ6-3-10の中心に集光す
るようになされる。またたとえば、光スポットS1〜S
11がエッジ5-2Aに近い方向に移動したときは図12の
(b)に示すように偏位して集光され、逆にエッジ5-2
Aから離れた位置に移動したときは図12(c)のように
偏位して集光される。その結果各2分割ディテクタ6-3-1
0の検出出力の差を検出することにより各光スポットS1
〜S11のエッジ5-2Aからの位置偏差εを検出すること
が可能になる。位置偏差εをすべての光スポットS1〜
S11について求める必要はなく両端の光スポットS1と
S11について求めてもよい。両端の光スポットS1とS
11のピッチpwと膜高さ方向の偏差εh から式(10)に
よって傾きθs を検出できる。
【0076】
【数10】
【0077】また、両端の光スポットS1とS11につい
て検出信号の振幅と反射光量を検出すれば、反射光量
は、エッジ5-2Aの近傍では光スポットS1又はS11が膜
高さ方向に移動するにつれて単調増加するので、目標と
する位置の反射光量をあらかじめメモリに記憶しておけ
ば、膜高さ方向の高さおよび傾きθsの偏差を検出する
ことができる。この傾きθsの偏差量をもとに制御入力
信号を導出し、光スポット傾斜調整部8-2で反射プリズ
ム6-14を調整して、光スポットS1〜S11を所望の膜高
さ方向の位置においてエッジ5-2Aに平行になるように
高精度に位置決めすることが可能となる。なお、磁気光
学変調部5においては、図3に示すように、光学的透明体
5-1への入射光のレーザ光100と磁気光学効果を受けた反
射光100Aの光路は平行であるため、磁気ディスク2の面
振れなどが生じても、1つの集光光学系6-2-2と固定され
た光検出器6-3によって前記の各偏差が検出できる。
て検出信号の振幅と反射光量を検出すれば、反射光量
は、エッジ5-2Aの近傍では光スポットS1又はS11が膜
高さ方向に移動するにつれて単調増加するので、目標と
する位置の反射光量をあらかじめメモリに記憶しておけ
ば、膜高さ方向の高さおよび傾きθsの偏差を検出する
ことができる。この傾きθsの偏差量をもとに制御入力
信号を導出し、光スポット傾斜調整部8-2で反射プリズ
ム6-14を調整して、光スポットS1〜S11を所望の膜高
さ方向の位置においてエッジ5-2Aに平行になるように
高精度に位置決めすることが可能となる。なお、磁気光
学変調部5においては、図3に示すように、光学的透明体
5-1への入射光のレーザ光100と磁気光学効果を受けた反
射光100Aの光路は平行であるため、磁気ディスク2の面
振れなどが生じても、1つの集光光学系6-2-2と固定され
た光検出器6-3によって前記の各偏差が検出できる。
【0078】光学的透明体5-1の磁気記録媒体2と接する
面5-1-1あるいはエッジ5-2Aと、光学的透明体5-1の重
心位置(図示省略)と、光学的透明体5-1に磁気記録媒
体2への押圧力を加えるヘッド荷重印加位置(図示省
略)とは、磁気ディスク2の所定の法線方向において略
一致させてある。従って磁気ディスク2の面振れなどの
振動による外乱に対しても、ヘッドの回転モーメントは
小さく姿勢を安定に保つことが可能となる。第1実施例
で用いられる光学的透明体5-1の材料は、非晶質の光学
ガラスである。再生ヘッド3、およびトラック位置検出
器10は磁気ディスクの磁化信号を磁気光学効果による入
射光の偏光面の回転を電気信号に変換して検出する。非
晶質材料は、ほとんど旋光性を有していないため、これ
を通過する光は、ほとんど光学的に影響を受けず、光学
的透明体の材料として適している。立方晶のリン化ガリ
ウム(GaP)を用いてもよい。しかし、正方晶や六方
晶などは結晶の向きによって光に及ぼす影響が異なるた
めに、磁気旋光性による偏光面の回転を検出することが
困難であり、本実施には適していない。
面5-1-1あるいはエッジ5-2Aと、光学的透明体5-1の重
心位置(図示省略)と、光学的透明体5-1に磁気記録媒
体2への押圧力を加えるヘッド荷重印加位置(図示省
略)とは、磁気ディスク2の所定の法線方向において略
一致させてある。従って磁気ディスク2の面振れなどの
振動による外乱に対しても、ヘッドの回転モーメントは
小さく姿勢を安定に保つことが可能となる。第1実施例
で用いられる光学的透明体5-1の材料は、非晶質の光学
ガラスである。再生ヘッド3、およびトラック位置検出
器10は磁気ディスクの磁化信号を磁気光学効果による入
射光の偏光面の回転を電気信号に変換して検出する。非
晶質材料は、ほとんど旋光性を有していないため、これ
を通過する光は、ほとんど光学的に影響を受けず、光学
的透明体の材料として適している。立方晶のリン化ガリ
ウム(GaP)を用いてもよい。しかし、正方晶や六方
晶などは結晶の向きによって光に及ぼす影響が異なるた
めに、磁気旋光性による偏光面の回転を検出することが
困難であり、本実施には適していない。
【0079】第1実施例によれば、一列に配列された複
数の光スポットから成るスポット列を前記光スポット列
の各光スポット間のピッチとは異なるピッチを有する複
数(光スポットの数と同数)の転写トラックに直交させ
て集光する。そして、それぞれの光スポットと、対応す
る転写トラックとの間の位置偏差による検出信号の差異
に基づいてオントラック状態の光スポットを検出する。
従って、ガードバンド幅が光スポットの直径よりはるか
に小さい場合でもオントラック状態の光スポットを正確
かつ高速で検出することが可能となり、ガードバンド幅
を小さくした高密度記録再生が可能となる。また光スポ
ット傾斜検出器により、複数の光スポットが磁性薄膜の
エッジに平行に集光されているかどうかを検出して調節
できる。従って振動などの外乱がある場合でも光ビーム
を磁性薄膜のエッジに平行に集光させることができる。
その結果オントラック状態の光スポットを正確に検出で
きる。レーザ光の光路中に位相遅延器を設けることによ
って反射光を直線偏光とすることができる。こうする
と、偏光ビームスプリッタにより分離される直線偏光の
P偏光及びS偏光成分のそれぞれの強度が高くなる。従
って、磁化信号を再生した信号レベルが大きくなり、光
スポットと転写トラックとの位置偏差をより高精度に検
出できる。
数の光スポットから成るスポット列を前記光スポット列
の各光スポット間のピッチとは異なるピッチを有する複
数(光スポットの数と同数)の転写トラックに直交させ
て集光する。そして、それぞれの光スポットと、対応す
る転写トラックとの間の位置偏差による検出信号の差異
に基づいてオントラック状態の光スポットを検出する。
従って、ガードバンド幅が光スポットの直径よりはるか
に小さい場合でもオントラック状態の光スポットを正確
かつ高速で検出することが可能となり、ガードバンド幅
を小さくした高密度記録再生が可能となる。また光スポ
ット傾斜検出器により、複数の光スポットが磁性薄膜の
エッジに平行に集光されているかどうかを検出して調節
できる。従って振動などの外乱がある場合でも光ビーム
を磁性薄膜のエッジに平行に集光させることができる。
その結果オントラック状態の光スポットを正確に検出で
きる。レーザ光の光路中に位相遅延器を設けることによ
って反射光を直線偏光とすることができる。こうする
と、偏光ビームスプリッタにより分離される直線偏光の
P偏光及びS偏光成分のそれぞれの強度が高くなる。従
って、磁化信号を再生した信号レベルが大きくなり、光
スポットと転写トラックとの位置偏差をより高精度に検
出できる。
【0080】[第2実施例]以下第2の実施例の情報記録
再生装置について、図14〜図18を参照しながら説明す
る。第2実施例の目的は、第1実施例と同様に、外乱によ
る位置偏差を修正して記録ヘッドあるいは記録再生ヘッ
ドをディスク媒体から0.1μm以下の浮上高さで安定に保
持させるとともに、記録ヘッドあるいは記録再生ヘッド
をサブミクロンの±0.1μm程度の精度で目標トラックに
位置決めし、追従させることによって、高トラック密度
の情報記録再生装置を実現することである。図14は第2
実施例における情報記録再生装置の概略構成図である。
図15はトラック位置検出器50の構成を示すブロック図で
ある。第2実施例の情報記録再生装置は、図14ないし図1
6において、記録ヘッド1、ヘッド位置決め機構部30、磁
気光学効果によって磁気ディスクのデータの読み出しを
行う磁気光再生ヘッド3、磁気光学変調部5、光学的透明
体5-1、磁性薄膜5-2、非磁性誘電体薄膜5-3、マルチビ
ームレーザ光源6-1、コリメータ光学系6-2-1、集光光学
系6-2-2、検出光学系6-2-3、フォトディテクタ6-3-1及
び6-3-2、直交する偏光成分に分離された反射光の光量
差を検出する差動光検出器6-3-3、ビームスプリッタ6-
4、入射光の偏光成分を規定する偏光子6-5、2分の1波長
板6-6-1、反射光を直交する2つの偏光成分に分離する偏
光ビームスプリッタ6-6-2、位相遅延器6-10、帰還制御
器20-1、記録ヘッドを目標トラックへトラッキング及び
フォローイングするボイスコイルモータを有する位置決
め機構部30-1、ヘッド3及びトラック位置検出器の磁気
光学変調部5を支持し、磁気媒体への押圧力を加えるサ
スペンション30-3を備えている。トラック位置検出器50
は第1実施例と同様の光検出器6-3、トラック位置検出器
10及び検出制御回路20を備えている。図15において、検
出制御回路20は、状態推定器20-2と統計的外乱補償器20
-3を有している。図16において光学的透明体5-1の第1の
面5-1-1は磁気ディスク2に対向している。第2の面5-1-2
は第1の面5-1-1に対して斜めの面であり、その面上に磁
性薄膜5-2、非磁性誘電体薄膜5-3が蒸着されており、磁
気光学変調が行われる。第3の面5-1-4は第1の面5-1-1に
対して斜めの面であり、面5-1-2で反射された反射光を
第1の面5-1-1に垂直な方向へ出射させる出射光の方向を
変換する反射面である。第4の面5-1-5はレーザ光100が
磁気光学変調部5へ入射する入射面でありかつ磁気光学
変調部5から出射する出射面である。
再生装置について、図14〜図18を参照しながら説明す
る。第2実施例の目的は、第1実施例と同様に、外乱によ
る位置偏差を修正して記録ヘッドあるいは記録再生ヘッ
ドをディスク媒体から0.1μm以下の浮上高さで安定に保
持させるとともに、記録ヘッドあるいは記録再生ヘッド
をサブミクロンの±0.1μm程度の精度で目標トラックに
位置決めし、追従させることによって、高トラック密度
の情報記録再生装置を実現することである。図14は第2
実施例における情報記録再生装置の概略構成図である。
図15はトラック位置検出器50の構成を示すブロック図で
ある。第2実施例の情報記録再生装置は、図14ないし図1
6において、記録ヘッド1、ヘッド位置決め機構部30、磁
気光学効果によって磁気ディスクのデータの読み出しを
行う磁気光再生ヘッド3、磁気光学変調部5、光学的透明
体5-1、磁性薄膜5-2、非磁性誘電体薄膜5-3、マルチビ
ームレーザ光源6-1、コリメータ光学系6-2-1、集光光学
系6-2-2、検出光学系6-2-3、フォトディテクタ6-3-1及
び6-3-2、直交する偏光成分に分離された反射光の光量
差を検出する差動光検出器6-3-3、ビームスプリッタ6-
4、入射光の偏光成分を規定する偏光子6-5、2分の1波長
板6-6-1、反射光を直交する2つの偏光成分に分離する偏
光ビームスプリッタ6-6-2、位相遅延器6-10、帰還制御
器20-1、記録ヘッドを目標トラックへトラッキング及び
フォローイングするボイスコイルモータを有する位置決
め機構部30-1、ヘッド3及びトラック位置検出器の磁気
光学変調部5を支持し、磁気媒体への押圧力を加えるサ
スペンション30-3を備えている。トラック位置検出器50
は第1実施例と同様の光検出器6-3、トラック位置検出器
10及び検出制御回路20を備えている。図15において、検
出制御回路20は、状態推定器20-2と統計的外乱補償器20
-3を有している。図16において光学的透明体5-1の第1の
面5-1-1は磁気ディスク2に対向している。第2の面5-1-2
は第1の面5-1-1に対して斜めの面であり、その面上に磁
性薄膜5-2、非磁性誘電体薄膜5-3が蒸着されており、磁
気光学変調が行われる。第3の面5-1-4は第1の面5-1-1に
対して斜めの面であり、面5-1-2で反射された反射光を
第1の面5-1-1に垂直な方向へ出射させる出射光の方向を
変換する反射面である。第4の面5-1-5はレーザ光100が
磁気光学変調部5へ入射する入射面でありかつ磁気光学
変調部5から出射する出射面である。
【0081】以上のように構成された情報記録再生装置
において、以下図14〜図18を用いてその動作を説明す
る。光学系を拡大して示した図15において、マルチビー
ムレーザ光源6-1から出射された複数のレーザ光100は、
コリメータ光学系6-2-1によってそれぞれのビームの直
径が7mmのマルチビームの平行光束になされ、偏光子6-5
によって直線偏光になされる。レーザ光100は、ビーム
スプリッタ6-4を経て反射プリズム6-13、6-14によって
反射され、集光光学系6-2-2へ導かれる。集光光学系6-2
-2で集光されたレーザ光100は磁気光学変調部5へ入射さ
れる。
において、以下図14〜図18を用いてその動作を説明す
る。光学系を拡大して示した図15において、マルチビー
ムレーザ光源6-1から出射された複数のレーザ光100は、
コリメータ光学系6-2-1によってそれぞれのビームの直
径が7mmのマルチビームの平行光束になされ、偏光子6-5
によって直線偏光になされる。レーザ光100は、ビーム
スプリッタ6-4を経て反射プリズム6-13、6-14によって
反射され、集光光学系6-2-2へ導かれる。集光光学系6-2
-2で集光されたレーザ光100は磁気光学変調部5へ入射さ
れる。
【0082】磁気光学変調部5は、サスペンション30-3
により支持されて所定のヘッド荷重が加えられている。
磁気光学変調部5と回転する磁気ディスク2との間には空
気層が形成され、磁気光学変調部5は磁気ディスク2の面
振れなどの振動に追従して、磁気ディスク2の面上を0.1
μm程度の高さで安定に浮上する。すなわち、磁気光学
変調部5は、磁気ディスク2の面上で0.1μm程度の高さで
安定に支持されることになる。
により支持されて所定のヘッド荷重が加えられている。
磁気光学変調部5と回転する磁気ディスク2との間には空
気層が形成され、磁気光学変調部5は磁気ディスク2の面
振れなどの振動に追従して、磁気ディスク2の面上を0.1
μm程度の高さで安定に浮上する。すなわち、磁気光学
変調部5は、磁気ディスク2の面上で0.1μm程度の高さで
安定に支持されることになる。
【0083】次に図15及び図16を用いて磁気光学変調部
5の詳細な動作を説明する。レーザ光100は複数のものが
紙面に平行な方向に1列に並んでいるが、図16ではその1
個について図示している。レーザ光100は集光光学系6-2
-2によって光学的透明体5-1に、第1の面5-1-1に対して
臨界角あるいは臨界角の90ないし110パーセントの入射
角度で入射される。光学的透明体5-1の材料としては、
屈折率3.42のリン化ガリウム(GaP)を使用する。光
学的透明体5-1の第2の面5-1-2の表面には磁性薄膜5-2と
して、膜厚5nm の、鉄45%−コバルト20%−ニッケル35
%の合金膜(以下これをFe−Co−Ni膜と呼ぶ。)
が電子ビーム蒸着法で蒸着されている。この合金膜はコ
バルトの含有量を20%の一定値に保つとき、最大の磁気
光学効果を生じることが知られている。図17の(a)
は、この合金膜の組成と磁気光学効果の大きさの関係を
示すグラフである。横軸のXは鉄とニッケルの含有量を
示し、縦軸は差動検出信号ΔRを示す。差動検出信号Δ
Rは反射光量に対する信号を表す光量の比で表わされて
いる。図17の(b)は、Fe−Co−Ni合金の磁性薄
膜におけるFe、Co、Niの組成による磁気光学効果
の変化を示している。三角形の底辺はFeの成分(%)
を示し、右斜辺はCoの成分(%)、左斜辺はNiの成
分(%)を示している。図中の黒丸と数字はその組成に
おける磁気光学効果による差動検出信号の大きさを示し
ている。図より、Niの成分を一定比の30%とする場
合、黒丸の大きさとその近傍に付記して数字で示す磁気
光学効果の変化による差動検出信号の大きさは、ほぼ一
定である。Coの成分を一定比の20%とする場合は、F
e45%、Ni35%で最大値をとる。非磁性誘電体薄膜5-
3は、屈折率1.69のアルミナ(Al2O3)をスパッタリング
により形成しその膜厚は600nmとする。第2の面5-1-2に
おける臨界角θt は、光学的透明体5-1の屈折率をn1
、非磁性誘電体薄膜5-3の屈折率をn3 とすると、前記
の式(1)によって表される。また、光学的透明体5-1の
開口数NAと、光学的透明体5-1内での開口角αとの関
係は、前記の式(2)によって表される。さらに集光光
学系6-2-2の解像力dはレーザ光100の波長をλとする
と、前記の式(3)によって表される。集光できるスポ
ット径wは、コリメータ光学系6-2-1によってつくられ
る平行光束の直径をw0 、集光光学系6-2-2の焦点距離
をf、その直径をDとすると、前記の式(4)で定ま
る。
5の詳細な動作を説明する。レーザ光100は複数のものが
紙面に平行な方向に1列に並んでいるが、図16ではその1
個について図示している。レーザ光100は集光光学系6-2
-2によって光学的透明体5-1に、第1の面5-1-1に対して
臨界角あるいは臨界角の90ないし110パーセントの入射
角度で入射される。光学的透明体5-1の材料としては、
屈折率3.42のリン化ガリウム(GaP)を使用する。光
学的透明体5-1の第2の面5-1-2の表面には磁性薄膜5-2と
して、膜厚5nm の、鉄45%−コバルト20%−ニッケル35
%の合金膜(以下これをFe−Co−Ni膜と呼ぶ。)
が電子ビーム蒸着法で蒸着されている。この合金膜はコ
バルトの含有量を20%の一定値に保つとき、最大の磁気
光学効果を生じることが知られている。図17の(a)
は、この合金膜の組成と磁気光学効果の大きさの関係を
示すグラフである。横軸のXは鉄とニッケルの含有量を
示し、縦軸は差動検出信号ΔRを示す。差動検出信号Δ
Rは反射光量に対する信号を表す光量の比で表わされて
いる。図17の(b)は、Fe−Co−Ni合金の磁性薄
膜におけるFe、Co、Niの組成による磁気光学効果
の変化を示している。三角形の底辺はFeの成分(%)
を示し、右斜辺はCoの成分(%)、左斜辺はNiの成
分(%)を示している。図中の黒丸と数字はその組成に
おける磁気光学効果による差動検出信号の大きさを示し
ている。図より、Niの成分を一定比の30%とする場
合、黒丸の大きさとその近傍に付記して数字で示す磁気
光学効果の変化による差動検出信号の大きさは、ほぼ一
定である。Coの成分を一定比の20%とする場合は、F
e45%、Ni35%で最大値をとる。非磁性誘電体薄膜5-
3は、屈折率1.69のアルミナ(Al2O3)をスパッタリング
により形成しその膜厚は600nmとする。第2の面5-1-2に
おける臨界角θt は、光学的透明体5-1の屈折率をn1
、非磁性誘電体薄膜5-3の屈折率をn3 とすると、前記
の式(1)によって表される。また、光学的透明体5-1の
開口数NAと、光学的透明体5-1内での開口角αとの関
係は、前記の式(2)によって表される。さらに集光光
学系6-2-2の解像力dはレーザ光100の波長をλとする
と、前記の式(3)によって表される。集光できるスポ
ット径wは、コリメータ光学系6-2-1によってつくられ
る平行光束の直径をw0 、集光光学系6-2-2の焦点距離
をf、その直径をDとすると、前記の式(4)で定ま
る。
【0084】レーザ光100を、磁性薄膜5-2の磁気ディス
ク2に接する部分のエッジ5-2Aに臨界角で入射し、スポ
ット径がμmオーダーになるよう集光するためには、開
口数NAを大きく(焦点距離fを小さく)、開口角αを
大きくすることが必要となる。また、磁性薄膜5-2に磁
気ノイズが入らないように、磁性薄膜5-2と磁気記録媒
体2とのなす角度は、大きくすることが必要である。こ
こで、磁性薄膜5-2の幅(紙面に垂直方向の幅)を2 mm
とし、集光光学系6-2-2の開口数NAを0.17とする。そ
の結果臨界角θtは光学的透明体5-1の屈折率3.42と、
非磁性薄膜5-3の屈折率1.69で決まり、29.6度となる。
光学的透明体5-1において、磁性薄膜5-2への入射角度
を、臨界角29.6度の±10%以内という条件から、30度と
すると、集光光学系レンズ6-2-2の開口数NAと光学的
透明体5-1の光学ガラスの屈折率より光学的透明体5-1内
での開口角αは前述した式(2)より、2.9度となる。そ
こで、面5-1-2への入射光のレーザ光100が、臨界角ある
いは臨界角に対して90ないし110%の角度、例えば入射
角度30度で入射するように、第1の面5-1-1と第2の面5-1
-2とがなす角度を150度とする。また、入射光のレーザ
光100と反射光100Aが平行となるように第2の面5-1-2と
第3の面5-1-3とのなす角度を90度とし、レーザ光100の
入射面である第5の面5-1-5は、第1の面5-1-1と平行で、
入射光と垂直の関係になるように配置する。
ク2に接する部分のエッジ5-2Aに臨界角で入射し、スポ
ット径がμmオーダーになるよう集光するためには、開
口数NAを大きく(焦点距離fを小さく)、開口角αを
大きくすることが必要となる。また、磁性薄膜5-2に磁
気ノイズが入らないように、磁性薄膜5-2と磁気記録媒
体2とのなす角度は、大きくすることが必要である。こ
こで、磁性薄膜5-2の幅(紙面に垂直方向の幅)を2 mm
とし、集光光学系6-2-2の開口数NAを0.17とする。そ
の結果臨界角θtは光学的透明体5-1の屈折率3.42と、
非磁性薄膜5-3の屈折率1.69で決まり、29.6度となる。
光学的透明体5-1において、磁性薄膜5-2への入射角度
を、臨界角29.6度の±10%以内という条件から、30度と
すると、集光光学系レンズ6-2-2の開口数NAと光学的
透明体5-1の光学ガラスの屈折率より光学的透明体5-1内
での開口角αは前述した式(2)より、2.9度となる。そ
こで、面5-1-2への入射光のレーザ光100が、臨界角ある
いは臨界角に対して90ないし110%の角度、例えば入射
角度30度で入射するように、第1の面5-1-1と第2の面5-1
-2とがなす角度を150度とする。また、入射光のレーザ
光100と反射光100Aが平行となるように第2の面5-1-2と
第3の面5-1-3とのなす角度を90度とし、レーザ光100の
入射面である第5の面5-1-5は、第1の面5-1-1と平行で、
入射光と垂直の関係になるように配置する。
【0085】レーザ光100は、第1の面5-1-1から垂直に
入射され、次に磁性薄膜5-2が蒸着されている第2の面5-
1-2へ入射角度30度で入射される。このように入射され
るとき、レーザ光100は、第1の面5-1-1に当たって光束
が遮断されることなく第2の面5-1-2に集光される。磁性
薄膜5-2には、第1実施例の場合と同様に、磁気ディスク
2の磁化信号が転写されており、レーザ光100は磁気光学
効果によって、偏光面の回転と光軸に垂直な横断面にお
ける光の断面の楕円率の変化を生じる。磁気光学効果に
より上記にように変化したレーザ光100は、集光光学系6
-2-2、反射プリズム6-13、6-14、ビームスプリッタ6-
4、集光光学系6-2-3、2分の1波長板6-6-1を経て、偏光
ビームスプリッタ6-6-2へ導かれる。偏光ビームスプリ
ッタ6-6-2は入射する直線偏光をP偏光成分とS偏光成
分に分離する。前記分離するための検光角度は、入射す
る直線偏光の偏光面に対して45度の方向に配置されてい
る。分離された偏光は光検出器6-3におけるフォトディ
テクタ6-3-1と6-3-2にそれぞれ集光する。フォトディテ
クタ6-3-1と6-3-2の出力は差動検出器6-3-3に印加さ
れ、フォトディテクタ6-3-1と6-3-2の検出信号が差動検
出され、磁気ディスク2からの磁化信号を検出する。信
号検出の原理は、第1の実施例と実質的に同様であるか
ら重複した記載を省略する。
入射され、次に磁性薄膜5-2が蒸着されている第2の面5-
1-2へ入射角度30度で入射される。このように入射され
るとき、レーザ光100は、第1の面5-1-1に当たって光束
が遮断されることなく第2の面5-1-2に集光される。磁性
薄膜5-2には、第1実施例の場合と同様に、磁気ディスク
2の磁化信号が転写されており、レーザ光100は磁気光学
効果によって、偏光面の回転と光軸に垂直な横断面にお
ける光の断面の楕円率の変化を生じる。磁気光学効果に
より上記にように変化したレーザ光100は、集光光学系6
-2-2、反射プリズム6-13、6-14、ビームスプリッタ6-
4、集光光学系6-2-3、2分の1波長板6-6-1を経て、偏光
ビームスプリッタ6-6-2へ導かれる。偏光ビームスプリ
ッタ6-6-2は入射する直線偏光をP偏光成分とS偏光成
分に分離する。前記分離するための検光角度は、入射す
る直線偏光の偏光面に対して45度の方向に配置されてい
る。分離された偏光は光検出器6-3におけるフォトディ
テクタ6-3-1と6-3-2にそれぞれ集光する。フォトディテ
クタ6-3-1と6-3-2の出力は差動検出器6-3-3に印加さ
れ、フォトディテクタ6-3-1と6-3-2の検出信号が差動検
出され、磁気ディスク2からの磁化信号を検出する。信
号検出の原理は、第1の実施例と実質的に同様であるか
ら重複した記載を省略する。
【0086】次に、記録ヘッド1、および磁気光再生ヘ
ッド3を目標トラックへトラッキング、およびフォロー
イングする動作について図15、図16及び図18を用いて説
明する。磁気光学変調部5の磁性薄膜5-2に磁気ディスク
に記録されている複数のトラック信号の磁化が転写され
る。符号t4からt8は磁性薄膜5ー2に転写された転写ト
ラックを表す。目標トラックを転写トラックt6とし、
記録ヘッド、および再生ヘッドは光スポットS6の位置
に配置されるように一体型となされている。トラック幅
Twは5μm、ガードバンド幅Gwは1μm、トラックピッチTp
は6μmである。各光スポットS1〜S11は集光光学系6-2
-2によって直径5μmの光スポットに集光され、5.5μmの
ピッチで一列に転写トラックt6にそって配置される。
位置偏差ε1〜ε11は、光スポットS1〜S11のそれぞれ
の中心と転写トラックt6の中心線との差と定義する。
図7に示す第1実施例と異なるのは、すべての光スポット
S1〜S11を目標トラックt6に対向させて、配置してい
る点である。たとえば、図18の(a)のように、光スポ
ットS6と転写トラックt6とが位置偏差ε6=0μm で位
置する場合、他の10個の光スポットS1〜S5、S7〜S
11は、転写トラックt6に対してそれぞれ異なる位置偏
差を生じるように光スポットS1〜S11を配置してあ
る。各光スポットS1〜S11と転写トラックt6との偏位
差は下記の通りである。光スポットS1 とトラックt6
との位置偏差はε1 =+2.5μm。光スポットS2 と
トラックt6 との位置偏差はε2 =+2.0μm。光スポ
ットS3 とトラックt6 との位置偏差はε3 =+1.5
μm。光スポットS4 とトラックt6 との位置偏差は
ε4 =+1.0μm。光スポットS5 とトラックt6 との
位置偏差はε5 =+0.5μm。光スポットS6 とトラッ
クt6 との位置偏差はε6 = 0.0μm。光スポットS7
とトラックt6 との位置偏差はε7 =−0.5μm。光
スポットS8 とトラックt6 との位置偏差はε8 =−
1.0μm。光スポットS9 とトラックt6 との位置偏差
はε9 =−1.5μm。光スポットS10 とトラックt6 と
の位置偏差はε10=−2.0μm。光スポットS11 とトラ
ックt6 との位置偏差はε11=−2.5μm。
ッド3を目標トラックへトラッキング、およびフォロー
イングする動作について図15、図16及び図18を用いて説
明する。磁気光学変調部5の磁性薄膜5-2に磁気ディスク
に記録されている複数のトラック信号の磁化が転写され
る。符号t4からt8は磁性薄膜5ー2に転写された転写ト
ラックを表す。目標トラックを転写トラックt6とし、
記録ヘッド、および再生ヘッドは光スポットS6の位置
に配置されるように一体型となされている。トラック幅
Twは5μm、ガードバンド幅Gwは1μm、トラックピッチTp
は6μmである。各光スポットS1〜S11は集光光学系6-2
-2によって直径5μmの光スポットに集光され、5.5μmの
ピッチで一列に転写トラックt6にそって配置される。
位置偏差ε1〜ε11は、光スポットS1〜S11のそれぞれ
の中心と転写トラックt6の中心線との差と定義する。
図7に示す第1実施例と異なるのは、すべての光スポット
S1〜S11を目標トラックt6に対向させて、配置してい
る点である。たとえば、図18の(a)のように、光スポ
ットS6と転写トラックt6とが位置偏差ε6=0μm で位
置する場合、他の10個の光スポットS1〜S5、S7〜S
11は、転写トラックt6に対してそれぞれ異なる位置偏
差を生じるように光スポットS1〜S11を配置してあ
る。各光スポットS1〜S11と転写トラックt6との偏位
差は下記の通りである。光スポットS1 とトラックt6
との位置偏差はε1 =+2.5μm。光スポットS2 と
トラックt6 との位置偏差はε2 =+2.0μm。光スポ
ットS3 とトラックt6 との位置偏差はε3 =+1.5
μm。光スポットS4 とトラックt6 との位置偏差は
ε4 =+1.0μm。光スポットS5 とトラックt6 との
位置偏差はε5 =+0.5μm。光スポットS6 とトラッ
クt6 との位置偏差はε6 = 0.0μm。光スポットS7
とトラックt6 との位置偏差はε7 =−0.5μm。光
スポットS8 とトラックt6 との位置偏差はε8 =−
1.0μm。光スポットS9 とトラックt6 との位置偏差
はε9 =−1.5μm。光スポットS10 とトラックt6 と
の位置偏差はε10=−2.0μm。光スポットS11 とトラ
ックt6 との位置偏差はε11=−2.5μm。
【0087】図18の(b)は光スポットS3がオントラ
ック状態にある場合の各光スポットS1〜S11の位置を
示す。光スポットS1〜S11は磁性薄膜5-2の転写トラ
ックt5、t6、t7で反射され、集光光学系6-2-2、反射
プリズム6-14、6-13、ビームスプリッタ6-4、検出光学
系6-2-3、偏光ビームスプリッタ6-6-2を経て、それぞれ
11個の光検出素子を有するフォトディテクタ6-3-1及び6
-3-2によって検出される。そして差動検出器6-3-3によ
って光学的特性値に応じた電気信号に変換される。変換
された電気信号は、トラック位置検出器10において、す
べての光スポットS1〜S11の検出信号の振幅、波形
(上側振幅、下側振幅)が検出される。
ック状態にある場合の各光スポットS1〜S11の位置を
示す。光スポットS1〜S11は磁性薄膜5-2の転写トラ
ックt5、t6、t7で反射され、集光光学系6-2-2、反射
プリズム6-14、6-13、ビームスプリッタ6-4、検出光学
系6-2-3、偏光ビームスプリッタ6-6-2を経て、それぞれ
11個の光検出素子を有するフォトディテクタ6-3-1及び6
-3-2によって検出される。そして差動検出器6-3-3によ
って光学的特性値に応じた電気信号に変換される。変換
された電気信号は、トラック位置検出器10において、す
べての光スポットS1〜S11の検出信号の振幅、波形
(上側振幅、下側振幅)が検出される。
【0088】位置偏差ε=0.0μmの場合、検出信号は隣
接トラックの影響をほとんど受けないか影響が最小であ
り、その振幅は最大であるとともに、上側振幅と下側振
幅が等しく、波形は上下対称となる。位置偏差εを有
し、光スポットS6が隣接の転写トラックt5及びt7に
接すると、隣接の転写トラックの磁化信号も検出し、目
標転写トラックt6の検出信号の振幅が小さくなり、波
形が上下対称でなくなるとともに、隣接トラックの信号
が重畳された波形の検出信号となる。その影響は、位置
偏差εが大きくなるほど顕著に現れる。そこで検出信号
の周波数、振幅及び波形(上側振幅、下側振幅)を測定
すれば、隣接転写トラックの影響が最小である、すなわ
ち光スポットS1〜S11中でオントラック状態の光スポ
ットを検出することが可能となる。光スポットS1〜S
11のピッチは既知であるため、オントラック状態の光ス
ポットが、目標転写トラックt6にオントラック状態に
させるべき光スポットS6から何番目であるかを検知す
ることにより、目標転写トラックt6と光スポットS6と
の位置偏差を検出し、それを補正するための制御入力信
号を導出することができる。この制御入力信号によって
位置決め機構部30-2Bが制御され記録ヘッドが位置決め
される。図7の方法と同様に、光スポットS1〜S11の個
数を増加すれば検出精度があがり、位置偏差を高精度に
検出することができる。
接トラックの影響をほとんど受けないか影響が最小であ
り、その振幅は最大であるとともに、上側振幅と下側振
幅が等しく、波形は上下対称となる。位置偏差εを有
し、光スポットS6が隣接の転写トラックt5及びt7に
接すると、隣接の転写トラックの磁化信号も検出し、目
標転写トラックt6の検出信号の振幅が小さくなり、波
形が上下対称でなくなるとともに、隣接トラックの信号
が重畳された波形の検出信号となる。その影響は、位置
偏差εが大きくなるほど顕著に現れる。そこで検出信号
の周波数、振幅及び波形(上側振幅、下側振幅)を測定
すれば、隣接転写トラックの影響が最小である、すなわ
ち光スポットS1〜S11中でオントラック状態の光スポ
ットを検出することが可能となる。光スポットS1〜S
11のピッチは既知であるため、オントラック状態の光ス
ポットが、目標転写トラックt6にオントラック状態に
させるべき光スポットS6から何番目であるかを検知す
ることにより、目標転写トラックt6と光スポットS6と
の位置偏差を検出し、それを補正するための制御入力信
号を導出することができる。この制御入力信号によって
位置決め機構部30-2Bが制御され記録ヘッドが位置決め
される。図7の方法と同様に、光スポットS1〜S11の個
数を増加すれば検出精度があがり、位置偏差を高精度に
検出することができる。
【0089】目標トラックt6へのアクセスは光スポッ
トS6が、横断して通過した転写トラックの数をカウン
トするとともに従来の技術の、セクタサーボ方法と同様
に転写トラックのアドレスを記録しておき、光スポット
S1〜S11のうちのオントラック状態にある光スポット
から、現在のヘッドの位置を検出して、位置偏差を導出
する。フォローイングについては、アドレス信号と上記
に説明した方法で位置偏差を導出し、位置決めを行う。
よって、従来のセクターサーボ方式にあったフォローイ
ングのためのファインマークは必要ないとともに、フォ
ローイング中連続的に位置偏差を検出可能であり、連続
的な制御が可能となる。
トS6が、横断して通過した転写トラックの数をカウン
トするとともに従来の技術の、セクタサーボ方法と同様
に転写トラックのアドレスを記録しておき、光スポット
S1〜S11のうちのオントラック状態にある光スポット
から、現在のヘッドの位置を検出して、位置偏差を導出
する。フォローイングについては、アドレス信号と上記
に説明した方法で位置偏差を導出し、位置決めを行う。
よって、従来のセクターサーボ方式にあったフォローイ
ングのためのファインマークは必要ないとともに、フォ
ローイング中連続的に位置偏差を検出可能であり、連続
的な制御が可能となる。
【0090】また、再生ヘッド3の位置決め、およびデ
ータの信号再生においては、トラッキングおよびフォロ
ーイングにおいて位置偏差を検出して行うが、図9に示
すように記録ヘッド用アクチュエータ1Aと再生ヘッド
用アクチュエータ3Aを分離して、再生の場合は光スポ
ットS1〜S11の位置を微調節して光スポットS6を目標
トラックにオントラック状態にさせることができる。
ータの信号再生においては、トラッキングおよびフォロ
ーイングにおいて位置偏差を検出して行うが、図9に示
すように記録ヘッド用アクチュエータ1Aと再生ヘッド
用アクチュエータ3Aを分離して、再生の場合は光スポ
ットS1〜S11の位置を微調節して光スポットS6を目標
トラックにオントラック状態にさせることができる。
【0091】また、複数のトラックの信号を同時に再生
するマルチヘッドを構成する場合は、前記の光スポット
S1〜S11の組を複数個設ければよい。
するマルチヘッドを構成する場合は、前記の光スポット
S1〜S11の組を複数個設ければよい。
【0092】レーザ光100の集光光学系6-2-2の代わり
にホログラム集光光学系を用いてもよい。
にホログラム集光光学系を用いてもよい。
【0093】次に、トラッキングおよびフォローイング
時におけるヘッドの可動部の摩擦による外乱及び外部か
ら与えられる振動による外乱による影響を受けにくい特
性であるロバスト性について説明する。一般に、前記の
外乱による位置変動を補償して、高精度にヘッドを位置
決めするためには、従来から知られたPID制御による
積分補償で、制御帯域を上げることで対処している。し
かしながら、高速性を要求される領域では、十分な効果
を得ることはできない。摩擦などの外乱は測定不可能で
あるため、この外乱を打ち消す制御入力を形成するため
には、摩擦力は一定と仮定し、一般によく知られている
恒等オブザーバで外乱を推定することが可能である。し
かしながら、恒等オブザーバにモデル誤差や目標外乱が
あると推定精度が悪くなるという問題があった。
時におけるヘッドの可動部の摩擦による外乱及び外部か
ら与えられる振動による外乱による影響を受けにくい特
性であるロバスト性について説明する。一般に、前記の
外乱による位置変動を補償して、高精度にヘッドを位置
決めするためには、従来から知られたPID制御による
積分補償で、制御帯域を上げることで対処している。し
かしながら、高速性を要求される領域では、十分な効果
を得ることはできない。摩擦などの外乱は測定不可能で
あるため、この外乱を打ち消す制御入力を形成するため
には、摩擦力は一定と仮定し、一般によく知られている
恒等オブザーバで外乱を推定することが可能である。し
かしながら、恒等オブザーバにモデル誤差や目標外乱が
あると推定精度が悪くなるという問題があった。
【0094】第2実施例では目標トラックが磁気ディス
クを回転するスピンドルモータの非同期成分の振動で位
置変動を生じるような場合、複数個のトラック位置検出
器10で複数の転写トラックt4〜t8の位置を検出し、状
態推定器20-2において複数個の検出位置より、摩擦など
の外乱の強さを推定する。そして、統計的外乱補償器20
-3において、推定した複数の摩擦による外乱の強さの最
大値、最小値を除いて平均の摩擦の強さを導出する。ま
た他の方法として外乱の強さの標準偏差を求め、ある偏
差値での、中央値を摩擦力として導出するなど、統計的
に摩擦による外乱の強さを推定して、その推定した外乱
の強さに対応する制御信号を求める。その制御信号を制
御入力信号に加えてフィードフォワード制御を行う。そ
してフィードフォワード制御の入力信号と帰還制御器20
-1の位置偏差による制御入力信号とを入力して位置決め
制御を行なうことによって、高速高精度な位置決めが可
能となる。
クを回転するスピンドルモータの非同期成分の振動で位
置変動を生じるような場合、複数個のトラック位置検出
器10で複数の転写トラックt4〜t8の位置を検出し、状
態推定器20-2において複数個の検出位置より、摩擦など
の外乱の強さを推定する。そして、統計的外乱補償器20
-3において、推定した複数の摩擦による外乱の強さの最
大値、最小値を除いて平均の摩擦の強さを導出する。ま
た他の方法として外乱の強さの標準偏差を求め、ある偏
差値での、中央値を摩擦力として導出するなど、統計的
に摩擦による外乱の強さを推定して、その推定した外乱
の強さに対応する制御信号を求める。その制御信号を制
御入力信号に加えてフィードフォワード制御を行う。そ
してフィードフォワード制御の入力信号と帰還制御器20
-1の位置偏差による制御入力信号とを入力して位置決め
制御を行なうことによって、高速高精度な位置決めが可
能となる。
【0095】次に、磁気光学変調部5について説明す
る。図16より、光学的透明体5-1への入射光100と磁気光
学効果による作用を受けた反射光100Aの光路は平行で
あるため、ディスクの面振れなどが生じても、1つの集
光光学系6-2-2と固定された光検出器6-3によって正常に
反射光100Aを検出できる。
る。図16より、光学的透明体5-1への入射光100と磁気光
学効果による作用を受けた反射光100Aの光路は平行で
あるため、ディスクの面振れなどが生じても、1つの集
光光学系6-2-2と固定された光検出器6-3によって正常に
反射光100Aを検出できる。
【0096】また、光学的透明体5-1の磁気ディスク2と
接する面5-1-1あるいはエッジ5-2Aと、光学的透明体5-
1の重心位置(図示省略)と、光学的透明体5-1に磁気デ
ィスク2への押圧力を加えるヘッド荷重位置(図示省
略)とが、磁気ディスク2の所定法線方向において略一
致しているため、回転モーメントが小さく面振れなどの
振動による外乱に対しても、光学的透明体5-1の姿勢を
安定に保つことができる。
接する面5-1-1あるいはエッジ5-2Aと、光学的透明体5-
1の重心位置(図示省略)と、光学的透明体5-1に磁気デ
ィスク2への押圧力を加えるヘッド荷重位置(図示省
略)とが、磁気ディスク2の所定法線方向において略一
致しているため、回転モーメントが小さく面振れなどの
振動による外乱に対しても、光学的透明体5-1の姿勢を
安定に保つことができる。
【0097】光学的透明体5-1の材料は、立方晶のリン
化ガリウム(GaP)を用いている。本実施例の再生ヘ
ッド3、およびトラック位置検出器10は、磁気光学効果
による光の偏光面の回転を電気信号に変換して磁化信号
を検出している。前記の立方晶の材料は、ほとんど旋光
性を有していないため、材料内を通過する光はほとんど
光学的に影響を受けない点で適している。他方、正方晶
や六方晶などは結晶の向きによって光に及ぼす影響が異
なるために、磁気による旋光面の回転を検出することが
困難なので光学的透明体5-1の材料としては適さない。
また、図9に示すように記録ヘッド1と再生ヘッド3を各
々独立した位置決め装置1A、3Aに取り付ける構成を取
ることによって、同時に異なるトラックの記録及び再生
が可能である
化ガリウム(GaP)を用いている。本実施例の再生ヘ
ッド3、およびトラック位置検出器10は、磁気光学効果
による光の偏光面の回転を電気信号に変換して磁化信号
を検出している。前記の立方晶の材料は、ほとんど旋光
性を有していないため、材料内を通過する光はほとんど
光学的に影響を受けない点で適している。他方、正方晶
や六方晶などは結晶の向きによって光に及ぼす影響が異
なるために、磁気による旋光面の回転を検出することが
困難なので光学的透明体5-1の材料としては適さない。
また、図9に示すように記録ヘッド1と再生ヘッド3を各
々独立した位置決め装置1A、3Aに取り付ける構成を取
ることによって、同時に異なるトラックの記録及び再生
が可能である
【0098】なお、第1及び第2実施例では、磁性薄膜5-
2を、10nmの鉄45%-コバルト20%-ニッケル35%合金薄膜で
形成したが、磁気光学効果を有する他の強磁性薄膜又は
膜厚でも同様の効果が得られる。たとえば、磁性薄膜5-
2の材料は、ニッケル鉄、あるいは鉄コバルトニッケ
ル、あるいは鉄アルミシリコン、あるいはセンダスト、
あるいはコバルト系アモルファス材料であってもよい。
2を、10nmの鉄45%-コバルト20%-ニッケル35%合金薄膜で
形成したが、磁気光学効果を有する他の強磁性薄膜又は
膜厚でも同様の効果が得られる。たとえば、磁性薄膜5-
2の材料は、ニッケル鉄、あるいは鉄コバルトニッケ
ル、あるいは鉄アルミシリコン、あるいはセンダスト、
あるいはコバルト系アモルファス材料であってもよい。
【0099】第1、第2の各実施例では、磁性薄膜への入
射角度を53度あるいは30度としたが、同様の磁気光学効
果を得られれば何度であってもよい。
射角度を53度あるいは30度としたが、同様の磁気光学効
果を得られれば何度であってもよい。
【0100】また、第1、第2の各実施例では、光学的透
明体5-1の材料として屈折率1.88の光学ガラス又は屈折
率3.42のリン化ガリウムを用いたが、非磁性薄膜5-2よ
りも屈折率の大きな材料で、非晶質あるいは立方晶で、
光学的に透明あれば、他の光学ガラス、リン化ガリウ
ム、ガドリニウムガリウムガーネット(Gadolinium gall
ium garnet)を用いても同様の効果が得られる。
明体5-1の材料として屈折率1.88の光学ガラス又は屈折
率3.42のリン化ガリウムを用いたが、非磁性薄膜5-2よ
りも屈折率の大きな材料で、非晶質あるいは立方晶で、
光学的に透明あれば、他の光学ガラス、リン化ガリウ
ム、ガドリニウムガリウムガーネット(Gadolinium gall
ium garnet)を用いても同様の効果が得られる。
【0101】第1、第2の各実施例では、非磁性薄膜5-3
を600nmの厚さの二酸化ケイ素又はアルミナとしたが、
他の誘電体薄膜でも、また他の膜厚でも同様の効果が得
られる。たとえば、非磁性薄膜5-3の材料としては、フ
ッ化マグネシウム、硫化亜鉛あるいはチッ化シリコンが
使用できる。第1、第2の各実施例では、偏光ビームスプ
リッタ6-6-2の検光角度を45度としたが、一定に固定さ
れた角度で同様の磁気光学効果による作用を検出できれ
ば他の角度でも同様の効果が得られる。
を600nmの厚さの二酸化ケイ素又はアルミナとしたが、
他の誘電体薄膜でも、また他の膜厚でも同様の効果が得
られる。たとえば、非磁性薄膜5-3の材料としては、フ
ッ化マグネシウム、硫化亜鉛あるいはチッ化シリコンが
使用できる。第1、第2の各実施例では、偏光ビームスプ
リッタ6-6-2の検光角度を45度としたが、一定に固定さ
れた角度で同様の磁気光学効果による作用を検出できれ
ば他の角度でも同様の効果が得られる。
【0102】第1、第2の各実施例では、磁気光学変調部
5の光学的透明体5-1を5面体としたが、磁気光学効果が
生じる構成であれば他の構成、他の形状でも同様の効果
が得られる。第1、第2の各実施例では、複数の光学部品
で光学系を構成したが、一体型であっても同様の効果が
得られる。第1、第2の各実施例では、フォトディテクタ
6-3-1、6-3-2はフォトダイオードを用いたが、フォトト
ランジスタなどの他の光検出器でも同様の効果が得られ
る。
5の光学的透明体5-1を5面体としたが、磁気光学効果が
生じる構成であれば他の構成、他の形状でも同様の効果
が得られる。第1、第2の各実施例では、複数の光学部品
で光学系を構成したが、一体型であっても同様の効果が
得られる。第1、第2の各実施例では、フォトディテクタ
6-3-1、6-3-2はフォトダイオードを用いたが、フォトト
ランジスタなどの他の光検出器でも同様の効果が得られ
る。
【0103】第1、第2の各実施例では、光学的透明体5-
1が磁気ディスク2と対向する面5-1-1を有しているが、
磁気ディスク2と対向する面5-1-1に連続する両側の2つ
の面5-1-2と5-1-4を接続し、稜線をエッジ5-2Aとする
ように構成し、磁気ディスク2と対向する面5-1-1をなく
してもよい。また、第1、第2の各実施例では、磁気光学
効果による偏光を検出するために、偏光ビームスプリッ
タ6-6-2による差動検出を用いたが、磁気光学効果によ
る偏光を検出することができるのであれば、偏光ビーム
スプリッタ6-6-2の代わりに偏光子を用いるクロスニコ
ル検出法など他の検出方法を用いてもよい。また、第
1、第2の各実施例では位相遅延器6-10を磁性薄膜5-2へ
の入射側に設けているが反射側でもよい。
1が磁気ディスク2と対向する面5-1-1を有しているが、
磁気ディスク2と対向する面5-1-1に連続する両側の2つ
の面5-1-2と5-1-4を接続し、稜線をエッジ5-2Aとする
ように構成し、磁気ディスク2と対向する面5-1-1をなく
してもよい。また、第1、第2の各実施例では、磁気光学
効果による偏光を検出するために、偏光ビームスプリッ
タ6-6-2による差動検出を用いたが、磁気光学効果によ
る偏光を検出することができるのであれば、偏光ビーム
スプリッタ6-6-2の代わりに偏光子を用いるクロスニコ
ル検出法など他の検出方法を用いてもよい。また、第
1、第2の各実施例では位相遅延器6-10を磁性薄膜5-2へ
の入射側に設けているが反射側でもよい。
【0104】第2実施例によれば、複数の光スポット
を、目標転写トラックに平行な方向で、かつ各光スポッ
トが目標トラックの中心線に対しそれぞれ異なる位置偏
光を有するように集光する。そして前記の複数の位置偏
差に基づいて、目標トラックと所定の光ビームとの位置
偏差を検出することによりヘッドを目標トラックに高精
度に位置決めできる。複数の光スポットが目標トラック
に沿って集光されるので、目標トラックと両隣りのトラ
ックの3個のトラックを用いて位置決め制御ができる。
を、目標転写トラックに平行な方向で、かつ各光スポッ
トが目標トラックの中心線に対しそれぞれ異なる位置偏
光を有するように集光する。そして前記の複数の位置偏
差に基づいて、目標トラックと所定の光ビームとの位置
偏差を検出することによりヘッドを目標トラックに高精
度に位置決めできる。複数の光スポットが目標トラック
に沿って集光されるので、目標トラックと両隣りのトラ
ックの3個のトラックを用いて位置決め制御ができる。
【0105】また複数の転写トラックの位置を検出し、
状態推定器20-2において複数個の検出位置から摩擦など
の外乱の強さを推定し、統計的外乱補償器により前記外
乱の平均の強さを求める。そしてその平均の強さに対応
する制御信号を用いて帰還制御器による帰還制御をする
ので外乱を補償して高精度の位置決めが可能となる。
状態推定器20-2において複数個の検出位置から摩擦など
の外乱の強さを推定し、統計的外乱補償器により前記外
乱の平均の強さを求める。そしてその平均の強さに対応
する制御信号を用いて帰還制御器による帰還制御をする
ので外乱を補償して高精度の位置決めが可能となる。
【0106】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0107】磁気記録媒体の磁化信号として記録されて
いるトラックを複数のトラック位置検出器で検出し、複
数のトラック位置検出器からの情報に基づいて記録ヘッ
ドと目標トラックとの位置偏差を導出するので、記録ヘ
ッドの正確な位置決めが可能となる。
いるトラックを複数のトラック位置検出器で検出し、複
数のトラック位置検出器からの情報に基づいて記録ヘッ
ドと目標トラックとの位置偏差を導出するので、記録ヘ
ッドの正確な位置決めが可能となる。
【0108】前記複数のトラック位置検出器は、目標ト
ラックを含む少なくとも2つのトラックとの位置偏差を
同時に検出するので、高速かつ高精度の位置決めが可能
となる。
ラックを含む少なくとも2つのトラックとの位置偏差を
同時に検出するので、高速かつ高精度の位置決めが可能
となる。
【0109】前記複数のトラック位置検出器は、目標ト
ラックにそれぞれ異なる位置偏差をもって対向し、目標
トラックとのそれぞれの位置偏差を同時に検出するの
で、目標トラックと、両隣りの3本のトラックを用いて
位置決めができる。
ラックにそれぞれ異なる位置偏差をもって対向し、目標
トラックとのそれぞれの位置偏差を同時に検出するの
で、目標トラックと、両隣りの3本のトラックを用いて
位置決めができる。
【0110】前記のトラック位置検出器は、磁気記録媒
体に磁気的に結合した磁性薄膜の磁気光学効果を利用し
て磁化信号を検出するので、検出感度が高い。前記トラ
ック位置検出器は、光学的透明体に設けられた磁性薄膜
の磁気光学効果によって磁化信号を検出するので、安定
かつ高精度のトラック位置検出が可能となる。
体に磁気的に結合した磁性薄膜の磁気光学効果を利用し
て磁化信号を検出するので、検出感度が高い。前記トラ
ック位置検出器は、光学的透明体に設けられた磁性薄膜
の磁気光学効果によって磁化信号を検出するので、安定
かつ高精度のトラック位置検出が可能となる。
【0111】前記トラック位置検出器は、磁性薄膜上に
集光される光スポットの位置が所定位置に安定して位置
決めされるので検出感度が安定している。
集光される光スポットの位置が所定位置に安定して位置
決めされるので検出感度が安定している。
【0112】前記トラック位置検出器は、磁性薄膜上に
集光される複数の光スポット列が磁性薄膜の端面に常に
平行に調節されるので検出感度が安定している。
集光される複数の光スポット列が磁性薄膜の端面に常に
平行に調節されるので検出感度が安定している。
【0113】情報記録再生装置は、記録ヘッドと再生ヘ
ッドを備えているので、記録及び再生を行うことができ
る。
ッドを備えているので、記録及び再生を行うことができ
る。
【0114】再生ヘッドは、磁性薄膜の磁気光学効果を
検出するので検出感度が高い。
検出するので検出感度が高い。
【0115】記録ヘッドと再生ヘッドは独立して構成さ
れたものでは、記録ヘッドと再生ヘッドを個々に位置決
め制御することができる。
れたものでは、記録ヘッドと再生ヘッドを個々に位置決
め制御することができる。
【0116】ヘッド位置決め装置の検出制御回路は、状
態推定器で外乱の推定値を求め、外乱補償器で外乱を補
償するので、外乱の影響を受けない。
態推定器で外乱の推定値を求め、外乱補償器で外乱を補
償するので、外乱の影響を受けない。
【0117】磁気光学変調部の光学的透明体は立方晶あ
るいは非晶質であるのでレーザ光に対して光学的に透明
である。
るいは非晶質であるのでレーザ光に対して光学的に透明
である。
【0118】光学的透明体の磁気記録媒体に接する面、
光学的透明体の重心位置及び光学的透明体に押圧力を印
加する位置が磁気記録媒体の所定の放線上にあるので、
回転モーメントが小さく振動などの外乱の影響が軽減さ
れる。
光学的透明体の重心位置及び光学的透明体に押圧力を印
加する位置が磁気記録媒体の所定の放線上にあるので、
回転モーメントが小さく振動などの外乱の影響が軽減さ
れる。
【0119】磁性薄膜は、鉄が35%〜50%、コバルトが
20%、ニッケルが45%〜30%の合金の軟磁性薄膜とする
ことにより、高い磁気光学効果が得られる。
20%、ニッケルが45%〜30%の合金の軟磁性薄膜とする
ことにより、高い磁気光学効果が得られる。
【図1】第1の実施例における情報記録再生装置の構成
図
図
【図2】第1の実施例における磁気光再生ヘッドおよび
トラック位置検出器の詳細なブロック図
トラック位置検出器の詳細なブロック図
【図3】第1の実施例における磁気光学変調部の側面図
【図4】(a)及び(b)は第1の実施例における差動
検出法の動作を説明する図
検出法の動作を説明する図
【図5】(a)及び(b)は第1の実施例における出射
光の偏光面の傾きと偏光の楕円化との関係を示す図
光の偏光面の傾きと偏光の楕円化との関係を示す図
【図6】(a)及び(b)は第1の実施例における偏光
の楕円化と再生出力との関係を示す図
の楕円化と再生出力との関係を示す図
【図7】(a)及び(b)は第1の実施例におけるトラ
ック位置検出器の位置偏差検出方法を示す図
ック位置検出器の位置偏差検出方法を示す図
【図8】(a)及び(b)は第1の実施例におけるトラ
ック位置検出器の再生出力を示す図
ック位置検出器の再生出力を示す図
【図9】第1の実施例における記録ヘッドと再生ヘッド
を分離した例の構成を示す平面図
を分離した例の構成を示す平面図
【図10】第1の実施例における非点収差フォーカシン
グ光検出器のブロック図
グ光検出器のブロック図
【図11】第1の実施例における光スポットの、磁性薄膜
上での位置と再生出力の変調率との関係を示すグラフ
上での位置と再生出力の変調率との関係を示すグラフ
【図12】(a)、(b)及び(c)は第1の実施例に
おける光スポット位置検出器の動作を説明する図
おける光スポット位置検出器の動作を説明する図
【図13】(a)は第1の実施例における光スポットが
エッジ5-2Aに対して傾斜して集光される状態を示す説
明図、(b)は同光スポットがエッジ5-2Aに平行に集
光される状態を示す図
エッジ5-2Aに対して傾斜して集光される状態を示す説
明図、(b)は同光スポットがエッジ5-2Aに平行に集
光される状態を示す図
【図14】第2の実施例における情報記録再生装置の構
成図
成図
【図15】第2の実施例における磁気光再生ヘッドおよ
びトラック位置検出器のブロック図
びトラック位置検出器のブロック図
【図16】第2の実施例における磁気光学変調部の側面
図
図
【図17】(a)及び(b)はそれぞれ第2の実施例に
おける磁気光学変調部の磁性薄膜材料の鉄コバルトニッ
ケル合金薄膜の組成と磁気光学効果との関係を示すグラ
フ及び説明図
おける磁気光学変調部の磁性薄膜材料の鉄コバルトニッ
ケル合金薄膜の組成と磁気光学効果との関係を示すグラ
フ及び説明図
【図18】(a)及び(b)は第2の実施例におけるト
ラック位置検出器の位置偏差検出方法の説明図
ラック位置検出器の位置偏差検出方法の説明図
【図19】第1の従来例の磁気光再生ヘッドの構成を示
す斜視図
す斜視図
【図20】第2の従来例の磁気光再生ヘッドの構成を示
す側面図
す側面図
【図21】第3の従来例の磁気光再生ヘッドの構成を示
す側面図
す側面図
1 記録ヘッド 2 磁気ディスク 3 磁気光再生ヘッド 5 磁気光学変調部 5-1 光学的透明体 5-1-1 第1の面 5-2 磁性薄膜 5-2A エッジ 5-3 非磁性薄膜 6-1 マルチビームレーザ光源 6-2-1 レンズ 6-2-2 集光光学系 6-3 光検出器 6-5 偏光子 6-6 検光子 6-10 位相遅延器 7-1 光スポット位置検出器 7-2 光スポット位置調整部 8-1 光スポット傾斜検出器 8-2 光スポット傾斜調整部 20 検出回路 20-1 検出制御回路 20-2 状態推定器 20-3 統計的外乱補償器 30 ヘッド位置決め機構部 30-2 トラッキング微調整アクチュエータ 30-3 サスペンション S1〜S11 光スポット 50 トラック位置検出器 100 レーザ光 100A 反射光
Claims (17)
- 【請求項1】 磁性体の磁化により記録された信号すな
わち磁化信号として情報が記録されている磁気記録媒体
に近接して配置され情報の書き込みを行う記録ヘッド、
及び前記記録ヘッドを支持し、任意のトラックに位置決
めするヘッド位置決め装置を備え、 前記ヘッド位置決め装置は、前記磁気記録媒体のトラッ
クを検出するための複数のトラック位置検出器と、前記
記録ヘッドを支持するとともに記録ヘッドを前記記録媒
体の任意のトラックに位置決めする位置決め機構部と、
前記トラック位置検出器からの情報に基づいて記録ヘッ
ドと所定の目標トラックとの位置偏差を導出し前記ヘッ
ド位置決め機構部を制御駆動する検出制御回路とを有す
る情報記録再生装置。 - 【請求項2】 前記複数のトラック位置検出器は、目標
トラックを含む少なくとも2つのトラックにそれぞれ対
応して設けられ、前記少なくとも2つのトラックに対応
するトラック位置検出器における少なくとも2つの位置
偏差を同時に検出することを特徴とする請求項1記載の
情報記録再生装置。 - 【請求項3】 前記複数のトラック位置検出器は、目標
トラックを含む少なくとも2つのトラックに、それぞれ
異なる位置偏差をもって対向するようになされている請
求項2記載の情報記録再生装置。 - 【請求項4】 前記複数のトラック位置検出器は、目標
トラックに位置偏差が異なるように対向させ、目標トラ
ックとのそれぞれの位置偏差を同時に検出することを特
徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。 - 【請求項5】 前記トラック位置検出器は、磁気記録媒
体に磁気的に結合した磁性薄膜と、所定の偏光光を出射
する光源と、前記光源からの光を前記磁性薄膜に入射さ
せるための集光光学系と、前記磁性薄膜で反射した光を
検出し、その光学的特性値に応じた電気信号を発生する
光検出器とを有している請求項1記載の情報記録再生装
置。 - 【請求項6】 前記トラック位置検出器は、前記トラッ
ク位置検出器に対して相対的に移動する磁気記録媒体の
記録面上に保持される光学的透明体と、前記光学的透明
体の第1の面に前記磁気記録媒体に記録された磁化信号
を磁化された磁性体からの漏れ磁界によって転写するた
めの磁性薄膜と非磁性薄膜が積層されて形成された磁気
光学変調部と、所定の光学系とを備え、 前記磁気光学変調部は、前記光学的透明体に入射する入
射光を前記第1の面で反射し、磁気光学効果による作用
を受けた反射光を出射するように配置され、 前記光学系は、光源と、前記磁気光学変調部への入射光
を集光するとともに反射光を集光する集光光学系と、前
記磁気記録媒体の磁化信号による前記磁気光学変調部の
磁気光学効果を受けた光を検出する光検出器とを有し、
さらに光源から磁性薄膜までの光路中に位置し、 前記光学的透明体の第1の面に対して所定の入射角度で
集光されるよう偏光を出射するとともに、前記磁気光学
変調部の第1の面からの反射光を前記光検出器へ導くよ
うに配置され入射光の偏光成分を規定する偏光子と、 磁気光学変調部から光検出器までの光路中に配置された
反射光の偏光成分を検出する検光子と、 前記偏光子から前記磁性薄膜までの光路中、および前記
磁性薄膜から前記光検出器までの光路中の少なくとも一
方に配置され、前記磁気光学変調部より出射される反射
光が直線偏光となるように位相を遅延させる位相遅延器
とを有していることを特徴とする請求項5記載の情報記
録再生装置。 - 【請求項7】 前記トラック位置検出器は、磁気記録媒
体に近接して保持される磁性薄膜上に集光される光スポ
ットの前記磁気記録媒体から離れる方向における位置を
調節するための光スポット位置検出器と光スポット位置
調整部を有していることを特徴とする請求項1記載の情
報記録再生装置。 - 【請求項8】 前記トラック位置検出器は、磁性薄膜上
に集光される複数の光スポットの列と、磁気記録媒体に
近接して保持されている前記磁性薄膜の端面が平行とな
るように調整するための光スポット傾斜検出器と光スポ
ット傾斜調整部とを有していることを特徴とする請求項
1記載の情報記録再生装置。 - 【請求項9】 磁気光学効果によって情報の読み出しを
行う再生ヘッドを備える請求項1記載の情報記録再生装
置。 - 【請求項10】 前記再生ヘッドは、磁気記録媒体と磁
気的に結合した磁性薄膜と、光源と、前記光源からの光
を前記磁性薄膜に入射するための集光光学系と、前記磁
性薄膜で反射した光を検出しその光学的特性値に応じた
電気信号を発生する光検出器とを有する請求項9記載の
情報記録再生装置。 - 【請求項11】 前記記録ヘッドと前記再生ヘッドは独
立して構成され、各々トラック位置検出器とヘッド位置
決め装置を有していることを特徴とする請求項9記載の
情報記録再生装置。 - 【請求項12】 前記ヘッド位置決め装置の検出制御回
路は、前記トラック位置検出器からの誤差信号から帰還
制御入力信号を導出する帰還制御器と、前記帰還制御器
で導出される帰還制御入力信号と複数のトラック位置検
出器からの誤差信号に基づいて外乱による誤差の推定値
を導出する状態推定器と、前記状態推定器において導出
される複数の外乱による誤差の推定値から外乱を補償す
るための信号を導出するための統計的外乱補償器を有し
ていることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装
置。 - 【請求項13】 前記磁気光学変調部の前記光学的透明
体は、使用する光源のレーザ光に対して光学的に透明な
材料であり、その結晶構造は、立方晶、あるいは非晶質
であることを特徴とする請求項6記載の情報記録再生装
置。 - 【請求項14】 前記磁気光学変調部の前記光学的透明
体において、磁気記録媒体と接する面あるいは端部と、
前記光学的透明体の重心位置と、前記光学的透明体を磁
気記録媒体へ所定の押圧力で押しつける押圧力を印加す
る位置とが、実質的に前記磁気記録媒体の所定の法線上
にあり、かつ前記光学的透明体への入射光と磁気光学効
果による作用を受けた反射光の光路が平行であることを
特徴とする請求項6記載の情報記録再生装置。 - 【請求項15】 前記磁性薄膜は、ニッケルが75パーセ
ントないし83パーセント含まれているパーマロイの軟磁
性薄膜であることを特徴とする請求項5又は10記載の情
報記録再生装置。 - 【請求項16】 前記磁性薄膜は、鉄の含有量が35パー
セントないし50パーセント、コバルトの含有量が20パー
セント、ニッケルの含有量が45パーセントないし30パー
セントの鉄、コバルト、ニッケルの合金の軟磁性薄膜で
あることを特徴とする請求項5又は10記載の情報記録再
生装置。 - 【請求項17】 前記磁気光学変調部の磁性薄膜は、膜
厚が10ナノメートル未満の磁気光学効果を有する軟磁性
薄膜を備えることを特徴とする請求項5又は10記載の情
報記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34962895A JPH09171646A (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 情報記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34962895A JPH09171646A (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 情報記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09171646A true JPH09171646A (ja) | 1997-06-30 |
Family
ID=18405028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34962895A Pending JPH09171646A (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 情報記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09171646A (ja) |
-
1995
- 1995-12-20 JP JP34962895A patent/JPH09171646A/ja active Pending
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