JPH09169086A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
積層フィルムおよびその製造方法Info
- Publication number
- JPH09169086A JPH09169086A JP7349296A JP34929695A JPH09169086A JP H09169086 A JPH09169086 A JP H09169086A JP 7349296 A JP7349296 A JP 7349296A JP 34929695 A JP34929695 A JP 34929695A JP H09169086 A JPH09169086 A JP H09169086A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- vinyl chloride
- laminated film
- chloride resin
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩化ビニル樹脂の有する優れた透明性、加工
性、印刷性、経済性、耐候性などとポリアセタール樹脂
の有する優れた耐熱変形性、機械的強度、耐薬品性、摩
擦・摩耗特性を兼ね備えた積層フィルムおよびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 好ましくは融点が150〜170℃の範
囲にあるポリアセタール樹脂(A)層とこれに積層され
た塩化ビニール樹脂(B)層とをそれぞれ一層以上有す
る積層フィルム、および共押出で前記積層フィルムを製
造する方法。
性、印刷性、経済性、耐候性などとポリアセタール樹脂
の有する優れた耐熱変形性、機械的強度、耐薬品性、摩
擦・摩耗特性を兼ね備えた積層フィルムおよびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 好ましくは融点が150〜170℃の範
囲にあるポリアセタール樹脂(A)層とこれに積層され
た塩化ビニール樹脂(B)層とをそれぞれ一層以上有す
る積層フィルム、および共押出で前記積層フィルムを製
造する方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアセタール樹脂
(A)層と、これに積層された塩化ビニル樹脂(B)層
とを有する積層フィルムおよびその製造方法に関する。
さらに詳しくは、好ましいものとして特定の融点範囲で
あるポリアセタール樹脂を使用し、塩化ビニル樹脂の有
する優れた透明性、加工性、印刷性、経済性、耐候性な
どとポリアセタール樹脂の有する優れた耐熱変形性、機
械的強度、耐薬品性、摩擦・摩耗特性を兼ね備えた積層
フィルムおよびその製造方法に関する。
(A)層と、これに積層された塩化ビニル樹脂(B)層
とを有する積層フィルムおよびその製造方法に関する。
さらに詳しくは、好ましいものとして特定の融点範囲で
あるポリアセタール樹脂を使用し、塩化ビニル樹脂の有
する優れた透明性、加工性、印刷性、経済性、耐候性な
どとポリアセタール樹脂の有する優れた耐熱変形性、機
械的強度、耐薬品性、摩擦・摩耗特性を兼ね備えた積層
フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂は汎用合成樹脂であり、
比較的機械的強度が大きく透明性、加工性、印刷性など
に優れ、可塑剤の配合量を調整することにより、硬質か
ら軟質まで種々の成形品として広く応用される。また、
経済性に優れることも汎用合成樹脂としての適性に優れ
る理由の一つである。例えば軟質塩化ビニル樹脂は、ビ
ニールハウス、ビニールシート等の農業用フィルムとし
て多用され、硬質塩化ビニル樹脂は傘、雨衣等の雨具、
食品包装、文具等にも多用されている。
比較的機械的強度が大きく透明性、加工性、印刷性など
に優れ、可塑剤の配合量を調整することにより、硬質か
ら軟質まで種々の成形品として広く応用される。また、
経済性に優れることも汎用合成樹脂としての適性に優れ
る理由の一つである。例えば軟質塩化ビニル樹脂は、ビ
ニールハウス、ビニールシート等の農業用フィルムとし
て多用され、硬質塩化ビニル樹脂は傘、雨衣等の雨具、
食品包装、文具等にも多用されている。
【0003】一方、ポリアセタール樹脂はエンジニアリ
ング樹脂の中でもバランスのとれた耐熱変形性、機械的
強度、耐薬品性、摩擦・摩耗特性の優れた特性を有する
であり、自動車や電機・電子、建材、機能雑貨等の部品
を中心にその用途を拡大している。
ング樹脂の中でもバランスのとれた耐熱変形性、機械的
強度、耐薬品性、摩擦・摩耗特性の優れた特性を有する
であり、自動車や電機・電子、建材、機能雑貨等の部品
を中心にその用途を拡大している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら塩化ビニ
ル樹脂フィルムは、荷重により弛みが生じ耐熱性が弱
く、あるいは破れやすい等の強度上の問題がある。塩化
ビニル樹脂製の農業用ビニールハウスを例にとると、塩
化ビニル樹脂の単独フィルムでは使用期間が長くなると
脆くなり、フィルムの耐用年数が約1年と短いために年
毎にビニールハウスの張り替えを要し、張り替え操作、
人権費などに多大の負担を要する。他の樹脂系農業用フ
ィルムではコストが高くなる場合がある。例えばPET
フィルムを使用した場合には耐用年数は長くなるものの
コストが高くなり、また強度は高くなるもののシュリン
ク性がないためピンと張れない等の欠点も有する。
ル樹脂フィルムは、荷重により弛みが生じ耐熱性が弱
く、あるいは破れやすい等の強度上の問題がある。塩化
ビニル樹脂製の農業用ビニールハウスを例にとると、塩
化ビニル樹脂の単独フィルムでは使用期間が長くなると
脆くなり、フィルムの耐用年数が約1年と短いために年
毎にビニールハウスの張り替えを要し、張り替え操作、
人権費などに多大の負担を要する。他の樹脂系農業用フ
ィルムではコストが高くなる場合がある。例えばPET
フィルムを使用した場合には耐用年数は長くなるものの
コストが高くなり、また強度は高くなるもののシュリン
ク性がないためピンと張れない等の欠点も有する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑み鋭意検討した結果、塩化ビニル樹脂とポリアセタ
ール樹脂とからなる積層フィルムが塩化ビニル樹脂フィ
ルムの有する利点を生かしながら極めて優れた機械的強
度と耐熱性を有し、農業用フィルムに用いると耐用年数
が増すという特徴を有することを見出し、本発明を完成
するに至った。
に鑑み鋭意検討した結果、塩化ビニル樹脂とポリアセタ
ール樹脂とからなる積層フィルムが塩化ビニル樹脂フィ
ルムの有する利点を生かしながら極めて優れた機械的強
度と耐熱性を有し、農業用フィルムに用いると耐用年数
が増すという特徴を有することを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち本発明は、ポリアセタール樹脂
(A)層とこれに積層された塩化ビニール樹脂(B)層
とを有する積層フィルムを提供するものである。また、
塩化ビニル樹脂(B)層とポリアセタール樹脂(A)層
と塩化ビニル樹脂(B)層がこの順で積層された三層で
ある前記積層フィルムを提供するものである。さらに、
ポリアセタール樹脂(A)と塩化ビニル樹脂(B)を共
押し出しすることを特徴とする前記積層フィルムの製造
方法を提供するものである。以下、本発明を詳しく説明
する。
(A)層とこれに積層された塩化ビニール樹脂(B)層
とを有する積層フィルムを提供するものである。また、
塩化ビニル樹脂(B)層とポリアセタール樹脂(A)層
と塩化ビニル樹脂(B)層がこの順で積層された三層で
ある前記積層フィルムを提供するものである。さらに、
ポリアセタール樹脂(A)と塩化ビニル樹脂(B)を共
押し出しすることを特徴とする前記積層フィルムの製造
方法を提供するものである。以下、本発明を詳しく説明
する。
【0007】本発明に使用するポリアセタール樹脂
(A)は、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる
構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホ
モポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少
量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックポリマ
ーの何れにてもよく、また、分子が線状のみならず分
岐、架橋構造を有するものであってもよい。また、その
重合度に関しても特に制限はなく、成形加工性を有する
もの(例えば190℃、2160g荷重化でのメルトフ
ロー値(MFR)が1.0〜100)であればよい。ま
た、その融点は150〜170℃の範囲にあることが強
度上の理由で好ましい。その構造的にはコポリマーであ
り、コポリマー成分が全オキシアルキレン構造単位中に
2〜8モル%含まれ、コポリマー成分としてはエチレン
オキシドもしくは1,3−ジオキソランであることが好
ましい。なお、ポリアセタール樹脂には、本発明の効果
を阻害しない範囲で、アンチブロッキング剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等の各種安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、難燃助剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤
および結晶化促進剤、結晶核剤、離型剤等を配合するこ
とも可能である。
(A)は、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる
構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホ
モポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少
量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックポリマ
ーの何れにてもよく、また、分子が線状のみならず分
岐、架橋構造を有するものであってもよい。また、その
重合度に関しても特に制限はなく、成形加工性を有する
もの(例えば190℃、2160g荷重化でのメルトフ
ロー値(MFR)が1.0〜100)であればよい。ま
た、その融点は150〜170℃の範囲にあることが強
度上の理由で好ましい。その構造的にはコポリマーであ
り、コポリマー成分が全オキシアルキレン構造単位中に
2〜8モル%含まれ、コポリマー成分としてはエチレン
オキシドもしくは1,3−ジオキソランであることが好
ましい。なお、ポリアセタール樹脂には、本発明の効果
を阻害しない範囲で、アンチブロッキング剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等の各種安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、難燃助剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤
および結晶化促進剤、結晶核剤、離型剤等を配合するこ
とも可能である。
【0008】本発明に使用できる塩化ビニル樹脂として
は通常塩化ビニルの単独重合体であるが、本発明の効果
を阻害しない範囲で酢酸ビニル等の他の共重合可能モノ
マーが共重合されていても構わない。本発明に使用され
る塩化ビニル樹脂には本発明の効果を阻害しない範囲
で、アンチブロッキング剤、安定剤、顔料、滑剤、防曇
剤、充填剤等が配合されていてもよい。なお、製品に柔
らかさを付与するため、塩化ビニル樹脂には特に可塑剤
を配合してもよい。
は通常塩化ビニルの単独重合体であるが、本発明の効果
を阻害しない範囲で酢酸ビニル等の他の共重合可能モノ
マーが共重合されていても構わない。本発明に使用され
る塩化ビニル樹脂には本発明の効果を阻害しない範囲
で、アンチブロッキング剤、安定剤、顔料、滑剤、防曇
剤、充填剤等が配合されていてもよい。なお、製品に柔
らかさを付与するため、塩化ビニル樹脂には特に可塑剤
を配合してもよい。
【0009】本発明の積層フィルムとしては、前記ポリ
アセタール樹脂(A)層と塩化ビニル樹脂(B)層のみ
からなる(A)層/(B)層の二層からなっていてもよ
く、(A)層/(B)層/(A)層がこの順に積層され
た積層フィルム、(B)層/(A)層/(B)層がこの
順に積層された三層あるいは(A)層/(B)層の繰り
返しを含む4層以上の積層フィルムでもよい。更には
(A)層/(B)層の積層フィルムと他の素材との積層
フィルムも本発明の積層フィルムの範囲に含まれる。こ
れらの中では(A)層/(B)層の二層からなるもの、
および(B)層/(A)層/(B)層がこの順に積層さ
れた三層からなる積層フィルムが特に好ましい。塩化ビ
ニル樹脂が積層フィルム表面に出ることにより塩化ビニ
ル樹脂の有する防曇剤による良好な防曇性を維持したま
ま、さらに高周波シール、熱シール等の塩化ビニル樹脂
の加工技術をそのまま利用することができる。
アセタール樹脂(A)層と塩化ビニル樹脂(B)層のみ
からなる(A)層/(B)層の二層からなっていてもよ
く、(A)層/(B)層/(A)層がこの順に積層され
た積層フィルム、(B)層/(A)層/(B)層がこの
順に積層された三層あるいは(A)層/(B)層の繰り
返しを含む4層以上の積層フィルムでもよい。更には
(A)層/(B)層の積層フィルムと他の素材との積層
フィルムも本発明の積層フィルムの範囲に含まれる。こ
れらの中では(A)層/(B)層の二層からなるもの、
および(B)層/(A)層/(B)層がこの順に積層さ
れた三層からなる積層フィルムが特に好ましい。塩化ビ
ニル樹脂が積層フィルム表面に出ることにより塩化ビニ
ル樹脂の有する防曇剤による良好な防曇性を維持したま
ま、さらに高周波シール、熱シール等の塩化ビニル樹脂
の加工技術をそのまま利用することができる。
【0010】前記積層フィルムの各(A)層、(B)層
の厚みとしては、積層フィルムの用途により、あるいは
要求される機械的強度、高温剛性などにより適宜選択す
ればよい。本発明の(B)層/(A)層/(B)層から
なる三層積層フィルムを農業用ビニルハウス用フィルム
に応用する場合を例にとると、両表面を構成する(B)
層は3〜100μm未満、特には5〜30μm、芯材層
となる(A)層は3〜100μm、特には5〜30μm
の範囲である。また、各層を積層した厚みが、一般的に
フィルムの範疇に含まれる254μm以下の範囲であ
る。
の厚みとしては、積層フィルムの用途により、あるいは
要求される機械的強度、高温剛性などにより適宜選択す
ればよい。本発明の(B)層/(A)層/(B)層から
なる三層積層フィルムを農業用ビニルハウス用フィルム
に応用する場合を例にとると、両表面を構成する(B)
層は3〜100μm未満、特には5〜30μm、芯材層
となる(A)層は3〜100μm、特には5〜30μm
の範囲である。また、各層を積層した厚みが、一般的に
フィルムの範疇に含まれる254μm以下の範囲であ
る。
【0011】本発明の前記積層フィルムの製造方法とし
ては、通常ポリアセタール樹脂と塩化ビニル樹脂とを前
記層構造となるように共押し出しし、フィルムとする。
共押し出し法は複数の押出機を用いて異種の樹脂をダイ
の中で積層し、一工程で複合フィルムを製造する技術で
ある。本発明の積層フィルムは未延伸でも延伸成形して
もよい。なお、延伸は単軸でも二軸押出延伸でもよい。
二軸延伸の場合の延伸倍率はMD、TDの両方向にそれ
ぞれ3〜6倍の範囲であることが好ましい。共押出温度
としては、前記ポリアセタール樹脂の樹脂温度は融点+
40℃以下で、かつ200℃以下が好ましい。塩化ビニ
ル樹脂の樹脂温度は、200℃以下であることが好まし
く、特に140〜190℃の範囲が好ましい。この温度
範囲で共押し出しすることにより、本発明の積層フィル
ムは積層フィルムの層界面が接着剤を用いることなく強
固に接着する。
ては、通常ポリアセタール樹脂と塩化ビニル樹脂とを前
記層構造となるように共押し出しし、フィルムとする。
共押し出し法は複数の押出機を用いて異種の樹脂をダイ
の中で積層し、一工程で複合フィルムを製造する技術で
ある。本発明の積層フィルムは未延伸でも延伸成形して
もよい。なお、延伸は単軸でも二軸押出延伸でもよい。
二軸延伸の場合の延伸倍率はMD、TDの両方向にそれ
ぞれ3〜6倍の範囲であることが好ましい。共押出温度
としては、前記ポリアセタール樹脂の樹脂温度は融点+
40℃以下で、かつ200℃以下が好ましい。塩化ビニ
ル樹脂の樹脂温度は、200℃以下であることが好まし
く、特に140〜190℃の範囲が好ましい。この温度
範囲で共押し出しすることにより、本発明の積層フィル
ムは積層フィルムの層界面が接着剤を用いることなく強
固に接着する。
【0012】本発明の積層フィルムは、共押出による方
法以外にも熱プレス溶着や高周波溶着による方法でも製
造することが出来る。これは(A)層および(B)層の
厚みが共に比較的大きく、一般にシートと称される範疇
に入る積層フィルムを製造する場合、あるいは、例えば
塩化ビニル樹脂(B)層の厚みが比較的大きく、(A)
層の厚みが比較的小さい場合等に適用することができ
る。熱プレスによる場合、(B)層となる塩化ビニル樹
脂フィルムの表面に予め成形したポリアセタール樹脂
(A)のフィルムを重ね、熱プレスで加熱と共に両フィ
ルムを圧着し接着させることができる。
法以外にも熱プレス溶着や高周波溶着による方法でも製
造することが出来る。これは(A)層および(B)層の
厚みが共に比較的大きく、一般にシートと称される範疇
に入る積層フィルムを製造する場合、あるいは、例えば
塩化ビニル樹脂(B)層の厚みが比較的大きく、(A)
層の厚みが比較的小さい場合等に適用することができ
る。熱プレスによる場合、(B)層となる塩化ビニル樹
脂フィルムの表面に予め成形したポリアセタール樹脂
(A)のフィルムを重ね、熱プレスで加熱と共に両フィ
ルムを圧着し接着させることができる。
【0013】本発明による塩化ビニル樹脂とポリアセタ
ール樹脂層との積層フィルムは、両層の接着強度に優
れ、そのフィルム構成および用途により塩化ビニル樹脂
の特徴である透明性、高ヒートシール性、加工性、印刷
性、経済性等を保持したまま耐熱変形性、高温剛性、剛
性等の機械的強度、耐薬品性、耐摩耗性、摺動性等を大
幅に改善することが出来る。これらの特徴を有するほ
か、農業用フィルムに応用した場合には、塩化ビニル樹
脂フィルムに比較し耐用年数を大幅に延ばすことができ
る。
ール樹脂層との積層フィルムは、両層の接着強度に優
れ、そのフィルム構成および用途により塩化ビニル樹脂
の特徴である透明性、高ヒートシール性、加工性、印刷
性、経済性等を保持したまま耐熱変形性、高温剛性、剛
性等の機械的強度、耐薬品性、耐摩耗性、摺動性等を大
幅に改善することが出来る。これらの特徴を有するほ
か、農業用フィルムに応用した場合には、塩化ビニル樹
脂フィルムに比較し耐用年数を大幅に延ばすことができ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】(使用樹脂) P1:トリオキサン96モル%、1,3−ジオキソラン
4モル%からなるコポリマー(融点165℃) P2:トリオキサン92モル%、1,3−ジオキソラン
8モル%からなるコポリマー(融点150℃) P3:トリオキサン98モル%、エチレンオキサイド2
モル%からなるコポリマー(融点165℃) 塩化ビニル樹脂:理研ビニル(株)製硬質塩化ビニル樹
脂(RE3053、後記の表中では「硬質塩ビ」と略
す)。
4モル%からなるコポリマー(融点165℃) P2:トリオキサン92モル%、1,3−ジオキソラン
8モル%からなるコポリマー(融点150℃) P3:トリオキサン98モル%、エチレンオキサイド2
モル%からなるコポリマー(融点165℃) 塩化ビニル樹脂:理研ビニル(株)製硬質塩化ビニル樹
脂(RE3053、後記の表中では「硬質塩ビ」と略
す)。
【0016】(フィルム製膜)押出機として東洋精機
(株)ラボプラストミルを使用し、Tダイで厚さ60μ
mの三層フィルムを製膜した。物性測定のため、長さ1
20mm×幅12mmの大きさにフィルムを切り出し
た。
(株)ラボプラストミルを使用し、Tダイで厚さ60μ
mの三層フィルムを製膜した。物性測定のため、長さ1
20mm×幅12mmの大きさにフィルムを切り出し
た。
【0017】(引張強度,引張弾性率)ASTM D8
82に準拠して測定した。
82に準拠して測定した。
【0018】(耐熱性)ASTM D1637に準拠し
て行い、伸度2%の温度を耐熱温度とした。
て行い、伸度2%の温度を耐熱温度とした。
【0019】(実施例1)三層共押出(Tダイ)装置を
使用し、塩化ビニル樹脂(厚み20μm)/ P1(厚
み20μm)/塩化ビニル樹脂(厚み20μm)構成の
三層フィルムを製膜した。上、中および下層の構成樹
脂、ダイ温度(設定温度)等の成形条件と得られた三層
フィルムの物性を表−1に示す。
使用し、塩化ビニル樹脂(厚み20μm)/ P1(厚
み20μm)/塩化ビニル樹脂(厚み20μm)構成の
三層フィルムを製膜した。上、中および下層の構成樹
脂、ダイ温度(設定温度)等の成形条件と得られた三層
フィルムの物性を表−1に示す。
【0020】(実施例2)実施例1と同様な方法で、塩
化ビニル樹脂(厚み20μm)/ P2(厚み20μ
m)/塩化ビニル樹脂(厚み20μm)構成の三層フィ
ルムを製膜した。上、中および下層の構成樹脂、ダイ温
度(設定温度)等の成形条件と得られた三層フィルムの
物性を表−1に示す。
化ビニル樹脂(厚み20μm)/ P2(厚み20μ
m)/塩化ビニル樹脂(厚み20μm)構成の三層フィ
ルムを製膜した。上、中および下層の構成樹脂、ダイ温
度(設定温度)等の成形条件と得られた三層フィルムの
物性を表−1に示す。
【0021】(実施例3)実施例1と同様な方法で、塩
化ビニル樹脂(厚み20μm)/ P3(厚み20μ
m)/塩化ビニル樹脂(厚み20μm)構成の三層フィ
ルムを製膜した。上、中および下層の構成樹脂、ダイ温
度(設定温度)等の成形条件と得られた三層フィルムの
物性を表−1に示す。
化ビニル樹脂(厚み20μm)/ P3(厚み20μ
m)/塩化ビニル樹脂(厚み20μm)構成の三層フィ
ルムを製膜した。上、中および下層の構成樹脂、ダイ温
度(設定温度)等の成形条件と得られた三層フィルムの
物性を表−1に示す。
【0022】(比較例1)実施例1と同様な方法で、塩
化ビニル樹脂(厚み20μm)/塩化ビニル樹脂(厚み
20μm)/塩化ビニル樹脂(厚み20μm)構成の三
層フィルムを製膜した。上、中および下層の構成樹脂、
ダイ温度(設定温度)等の成形条件と得られた三層フィ
ルムの物性を表−1に示す。
化ビニル樹脂(厚み20μm)/塩化ビニル樹脂(厚み
20μm)/塩化ビニル樹脂(厚み20μm)構成の三
層フィルムを製膜した。上、中および下層の構成樹脂、
ダイ温度(設定温度)等の成形条件と得られた三層フィ
ルムの物性を表−1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明により提供される積層フィルム
は、塩化ビニル樹脂(B)層とポリアセタール樹脂
(A)層が強固に接着し、かつ塩化ビニル樹脂(B)層
が前記(A)層により補強され、あるいは用途によって
は表面が保護されるので、従来塩化ビニル樹脂成形品で
要求されていた耐熱性や機械的強度に優れる。また、本
発明の積層フィルムは塩化ビニル樹脂のヒートシール
性、透明性、加工性、印刷性を維持したまま上記特性が
向上し、ビニールハウスなどの農業用ビニール製品とし
て利用した場合には耐用年数を延ばすことができる。
は、塩化ビニル樹脂(B)層とポリアセタール樹脂
(A)層が強固に接着し、かつ塩化ビニル樹脂(B)層
が前記(A)層により補強され、あるいは用途によって
は表面が保護されるので、従来塩化ビニル樹脂成形品で
要求されていた耐熱性や機械的強度に優れる。また、本
発明の積層フィルムは塩化ビニル樹脂のヒートシール
性、透明性、加工性、印刷性を維持したまま上記特性が
向上し、ビニールハウスなどの農業用ビニール製品とし
て利用した場合には耐用年数を延ばすことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 27:06 59:00 B29L 9:00
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリアセタール樹脂(A)層とこれに積
層された塩化ビニール樹脂(B)層とをそれぞれ一層以
上有する積層フィルム。 - 【請求項2】 塩化ビニル樹脂(B)層とポリアセター
ル樹脂(A)層と塩化ビニル樹脂(B)層がこの順で積
層された三層である請求項1記載の積層フィルム。 - 【請求項3】 ポリアセタール樹脂(A)の融点が15
0〜170℃の範囲にある請求項1〜2記載の積層フィ
ルム。 - 【請求項4】 ポリアセタール樹脂(A)が、全オキシ
アルキレン構造単位中のオキシメチレン以外の構造単位
含量が2〜8モル%である請求項1〜3の何れかに記載
の積層フィルム。 - 【請求項5】 ポリアセタール樹脂(A)が、全オキシ
アルキレン構造単位中にエチレンオキシドからなる構造
単位含量が2〜8モル%含まれる請求項1〜4の何れか
に記載の積層フィルム。 - 【請求項6】 ポリアセタール樹脂(A)が、全オキシ
アルキレン構造単位中に1,3−ジオキソランからなる
構造単位含量が2〜8モル%含まれる請求項1〜4の何
れかに記載の積層フィルム。 - 【請求項7】 各層を積層した厚みが254μm以下の
範囲である請求項1〜6の何れかに記載の積層フィル
ム。 - 【請求項8】 ポリアセタール樹脂(A)と塩化ビニル
樹脂(B)を共押し出しすることを特徴とする請求項1
〜7の何れかに記載の積層フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34929695A JP3193606B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 積層フィルムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34929695A JP3193606B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 積層フィルムおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09169086A true JPH09169086A (ja) | 1997-06-30 |
JP3193606B2 JP3193606B2 (ja) | 2001-07-30 |
Family
ID=18402810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34929695A Expired - Fee Related JP3193606B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | 積層フィルムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3193606B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006528566A (ja) * | 2003-07-25 | 2006-12-21 | バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト | ポリカーボネート上の共押出保護層としてのポリホルマール |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102047333B1 (ko) * | 2013-01-18 | 2019-11-21 | 김원준 | 냉난방기능 및 적설피해 방지기능을 가진 비닐하우스 제작에 사용되는 이중비닐 |
-
1995
- 1995-12-20 JP JP34929695A patent/JP3193606B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006528566A (ja) * | 2003-07-25 | 2006-12-21 | バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト | ポリカーボネート上の共押出保護層としてのポリホルマール |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3193606B2 (ja) | 2001-07-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2059390B1 (en) | Multilayered aliphatic polyester film | |
KR100549676B1 (ko) | 이방성 필름 | |
EP0001898A1 (en) | A method for producing a heat sealable, biaxially orientated, thermoplastic film laminate | |
JPS6097852A (ja) | 共押し出し多層物品 | |
EP3233490B1 (en) | Tear resistant multilayer film | |
JPWO2004069535A1 (ja) | ポリ乳酸多層フィルム及びその成形方法 | |
JP4398456B2 (ja) | フッ素樹脂積層フイルム | |
JP3345896B2 (ja) | 積層フィルム | |
JP4655185B2 (ja) | ポリアミド積層フィルム | |
JPH09169086A (ja) | 積層フィルムおよびその製造方法 | |
CN1850504A (zh) | 一种弹性复合材料及其制造方法 | |
US6555242B2 (en) | Longitudinally stretched, vacuum vapor coated packaging films | |
JPH09300518A (ja) | 積層フィルムおよびその製造方法 | |
JPS649943B2 (ja) | ||
JP4395211B2 (ja) | フッ素樹脂積層フイルム | |
KR101736690B1 (ko) | 아스팔트 방수 시트용 다층 공압출 필름 및 이의 제조 방법 | |
JP3193601B2 (ja) | 積層体及びその製造方法 | |
JP2002337285A (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
JPH09262945A (ja) | プロピレン系樹脂積層フィルムおよびその製造方法 | |
JP4253896B2 (ja) | 熱可塑性樹脂製積層構造体の製造方法 | |
CN114179479B (zh) | 一种多层共挤双向拉伸阻隔聚乳酸薄膜及其制备方法和应用 | |
JP2530830B2 (ja) | 積層体の延伸成形物とその製造方法 | |
KR101091085B1 (ko) | 적층공압출 비산방지 필름 | |
JP5860637B2 (ja) | 多層構造体及び多層構造体の製造方法 | |
JPH08183138A (ja) | 積層体およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |