JPH09169053A - インフレーションフィルムの成形方法 - Google Patents

インフレーションフィルムの成形方法

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JPH09169053A
JPH09169053A JP34931595A JP34931595A JPH09169053A JP H09169053 A JPH09169053 A JP H09169053A JP 34931595 A JP34931595 A JP 34931595A JP 34931595 A JP34931595 A JP 34931595A JP H09169053 A JPH09169053 A JP H09169053A
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diameter
bubble
film
molding
density polyethylene
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JP34931595A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Yasukawa
雄一郎 安川
Toshio Taka
敏男 鷹
Hiroshi Kawarada
博 川原田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速成形が可能で、成形フィルムの耳ぶれが
小さく、高強度を有し、成形中にフィルムのサイズの変
更が容易な空冷インフレーションフィルムの成形方法の
提供。 【解決手段】 密度0.94〜0.97g/cm3 高密
度ポリエチレンまたはこの高密度ポリエチレンに50重
量%以下の他のポリオレフィンを配合した樹脂組成物の
空冷インフレーションの成形において、ダイス出口に設
けられた空冷リングの下流側に、インフレーション軸に
対し、同軸に順次配列された複数個のアイリス板を設け
た空冷リングより大きい内径を有するエアチャンバーを
設けると共に、該空冷リングは押出方向に向かってエア
チャンバー内に空気を吹き込むことによりフィルムを成
形する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度ポリエチレ
ンまたは高密度ポリエチレンと他のポリオレフィンから
なるポリエチレン樹脂組成物を、高速の引取速度で成形
してもフィルムの縦裂強度、ヒートシール強度の高い、
場合によっては厚さの薄いフィルムを成形する方法、或
いは透明性の良いポリエチレンフィルムの製造方法、更
に大口径のダイスを用いて狭巾のフィルムを効率よく成
形できるインフレーションフィルムの成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高密度ポリエチレンまたは高密度ポリエ
チレンと他のポリオレフィンからなるポリエチレン樹脂
組成物から成形されるフィルムは、安価なこと、強度が
比較的大きいこと、軽量性があることなどのため、スー
パー、コンビニエンスストア、小売店等のショッピング
バッグ(或いはレジ袋とも言う。厚さ15〜25μ
m)、規格袋(15〜25μm)、極薄フィルム(約1
0μm)、ごみ袋、ファッションバッグ(60〜80μ
m)等に広く用いられている。これらのフィルムは、熱
可塑性樹脂を溶融状態で環状ダイスから筒状に押出し、
内部に圧入された空気またはその他の流体の圧力で溶融
樹脂バブルを膨張させながら外部からの冷却風により冷
却固化し、連続的に巻き取る空冷インフレーションフィ
ルムの成形方法が、装置が比較的安価であり、生産効率
の高いことから高密度または低密度のポリエチレンフィ
ルムなどの成形に広く採用されている。昨今ではこれら
インフレーション成形方法においても更に生産性を向上
させるために、より高速の成形方法の開発が求められて
いる。
【0003】しかし上記のように、生産性の増大や極薄
フィルム成形の目的のため、空冷インフレーション法で
縦裂強度、衝撃強度などの機械的強度が高く、光学的性
質(ヘイズ、グロス、クラリティなど)に優れるフィル
ムを高速で成形するためには、溶融樹脂バブルの冷却風
量の増大の必要とそれに伴う溶融樹脂バブルの揺れを防
止しなければならないという問題を解決する必要があ
る。すなわち、高速成形においては、溶融樹脂バブルの
冷却不足による光学的特性の低下の防止と、冷却風量の
増大に伴う溶融樹脂バブルの不安定化のために生ずるフ
ィルム原反のしわやたるみの発生の防止、フィルムの2
次加工工程における印刷性や製袋時の製袋速度の低下や
ヒートシール不良の発生の防止など、相反する種々の問
題を解決する必要がある。
【0004】一方インフレーション成形、特に高密度ポ
リエチレンフィルムの成形においては、冷却の問題の他
にフィルムの成形速度(引取速度)が大きくなるに従
い、フィルムの引取方向(以下MDという)に分子の配
向が進むため、MDの引裂強度及びヒートシール強度が
低下するという問題も有している。上記、MDの縦裂性
を改良する成形方法としては、特公平3−61575号
公報などに記載されているように、内部に安定体を設
け、ブローアップ比を比較的大きくとる成形方法が種々
提案されているが、高速成形を行うと、やはり縦裂強度
の低下が避けられず、かつ成形条件が比較的狭く、製品
仕様の変更に伴う切替作業、すなわち内部安定体、エア
ーリングなどの交換作業や、交換後定常運転に至るまで
のロスの発生や生産性の低下の問題を有している。
【0005】特に狭巾の小さいフィルムを成形しようと
するときは、小口径のダイスの仕様を必要とするか、バ
ブルのくびれをより細くすることが必要になるが、小口
径のダイスの使用は押出量の減少を招き、バブルのくび
れを細くすることは成形を不安定化することにつなが
る。いずれにしても生産性を向上させるためにはより引
取速度を大きくすることを余儀なくされる。この場合小
口径のダイスで高押出量を確保しようとすると、ダイス
出口断面単位面積あたりの押出量を多くする必要が生
じ、これがメルトフラクチャーを発生し易くしたり、ダ
イ−スパイラルのマークによる偏肉を増大したりといっ
た問題の原因となるだけでなく、更に押出機の押出圧力
を著しく増大し、溶融樹脂自体の発熱を大きくするた
め、安定して高押出量を維持することが困難になるとい
う問題もあった。
【0006】一方、近年包装材に対する消費者の要望事
項は、大口のスーパーやコンビニエンスストア等におい
ても多品種、少量生産の注文が多くなってきており、イ
ンフレーションフィルムの分野においても頻繁にフィル
ム巾、厚みまたはその両者を変更することを必要とする
注文が増えてきており、これにうまく対応する必要が生
じている。インフレーションフィルムの生産工場におい
て、フィルムのサイズ(フィルム巾)を変更するために
は、一般的にダイスの交換、バブル内の空気量、引取速
度の変更、安定体を使用している時は安定体の径を適切
なものに取り替えるなど、多くの変更をする必要があ
る。特に生産性の向上を図るため溶融バブルの冷却能力
を向上させる二段冷却法による成形においては、これに
付随してインフレーション成形下流側の第2冷却リング
の変更も必要となってくる。従ってインフレーション成
形中にフィルムサイズのわずかな変更であっても、一旦
運転を中断して付属装置を適切なサイズのものに変更す
る必要が生じるため、安定運転に移るまでに発生するロ
スも避けられず、定常運転に移るまでのロスを減少させ
るための適切な対策の開発が要望されていた。
【0007】このような要望に応えて、フィルム成形を
一時中断することなくフィルムサイズの変更を可能とす
る成形方法についても多数の提案があるが、それらの提
案においては、すべて一旦形成されたバブルの最大径
(D2 )をそのまま製品径(D3 )とするものであっ
て、大口径ダイスを用いている際に、そのダイスに適し
たフィルムから狭巾のフィルムに切り替えるときは、生
産性の低下を極小にするためには押出量を低下させても
それは最小限にとどめ、引取速度をできるだけ上げて成
形することが必要になる。この結果、実質のブローアッ
プ比(バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所の
径(D1 ))が小さくなる上、高速引取をするために一
層分子のMD配向を高めることになり、フィルムの品質
(MDの引裂強度及びヒートシール強度、フィルムの輪
切れ等の物性)に種々の悪影響を与えることが避けられ
なかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高密度ポリ
エチレンまたは高密度ポリエチレンと他のポリオレフィ
ンからなるポリエチレン樹脂組成物からインフレーショ
ン法によりフィルムを成形する際に、フィルムサイズを
容易に変更でき、かつその変更によっても引裂強度、耐
衝撃強度、ヒートシール強度等機械的強度の低下や、透
明性(ヘイズ、クラリティ)、光沢(グロス)などの光
学的特性を悪化させず、高速の引取速度で成形してもフ
ィルムの縦裂強度、ヒートシール強度の高いフィルムを
成形する方法、特に大口径のダイスを用いて小口径のフ
ィルムを効率よく成形できるインフレーションフィルム
の成形方法の開発を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、密度0.9
4〜0.97g/cm3 の高密度ポリエチレンまたはこ
の高密度ポリエチレンに50重量%以下の他のポリオレ
フィンを配合した樹脂組成物を、バブルの最大径(D
2 )/バブルの最も細い所の径(D1 )を2.0以上に
膨張させた後、製品径(D3 )/バブルの最大径(D
2 )を1未満の条件で引き取るインフレーションフィル
ムの成形方法、 密度0.94〜0.97g/cm3 の高密度ポリエチ
レンまたはこの高密度ポエチレンに50重量%以下の
他のポリオレフィンを配合した樹脂組成物を、バブルの
最大径(D2 )/バブルの最も細い所の径(D1 )が
2.2〜4.0、かつ製品径(D3 )/バブルの最大径
(D2 )を1未満の条件で引き取るインフレーションフ
ィルムの成形方法、 バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所の径
(D1 )の比が2.7〜3.0、かつ製品径(D3 )/
バブルの最大径(D2 )が0.70〜0.95である
または記載のインフレーションフィルムの成形方法、 ダイスより押し出された溶融樹脂を、該ダイスの直径
よりも小口径にくびれさせた後、該直径の2倍以上に膨
張させるまたは記載のインフレーションフィルムの
成形方法、 ダイスより押し出された溶融樹脂を、該ダイス出口に
設けた第1冷却リングと、更にダイス面から空間をおい
て離れた位置に設けた第2冷却リングの少なくとも2段
で冷却する〜のいずれかに記載のインフレーション
フィルムの成形方法、を開発することにより上記の課題
を解決した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用する樹脂としては、
密度0.94〜0.97g/cm3 の高密度ポリエチレ
ン(エチレンホモポリマー及びコモノマーとしてブテ
ン、ヘキセンなどとの共重合体も含む。)またはこの高
密度ポリエチレンに50重量%以下の他のポリオレフィ
ンを配合したポリエチレン組成物(以下両者をポリエチ
レン樹脂という。)である。特に、強度を必要とする場
合には、高密度ポリエチレン単独のポリエチレン、また
透明性が必要なフィルムを成形する場合には高密度ポリ
エチレン50〜80重量%と低密度ポリエチレン50〜
20重量%からなるポリエチレン組成物を使用すること
が好ましい。ポリエチレンの密度はポリエチレンの剛性
と密接に関係しており、密度が0.97g/cm3 未満
のときは剛性が不足してフィルムの強度等の物性が劣
り、また密度が0.94g/cm3 を超えるときは柔軟
性に欠け、また成形性、ヒートシール強度等が不十分な
製品になり易い。
【0011】このような高密度ポリエチレンとしては、
いわゆるチーグラー触媒、メタロセン触媒、フィリップ
ス法触媒などの遷移金属系触媒などを使用した高密度ポ
リエチレンが使用できる。これに配合する他のポリオレ
フィンとしては、高圧法による低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等のエチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレンとα,
β−不飽和カルボン酸またはその誘導体、ポリプロピレ
ン、α−オレフィンとエチレンまたはプロピレンとの共
重合体、ポリα−オレフィンなどを挙げることができ
る。透明性の高いフィルムを目的とするときは、密度の
高い高密度ポリエチレンに高圧法による低密度ポリエチ
レンを配合したポリエチレン組成物が好ましい。
【0012】このポリエチレン樹脂組成物のメルトフロ
ーレート(JIS K−7210、表1試験条件:条件
4;試験温度190℃、試験荷重2.16kgfにより
測定。以下MFRという。)は0.01〜10g/10
分、好ましくは0.02〜5g/10分、強化グレード
の樹脂のときは0.02〜0.10g/10分程度、メ
ルトテンションとしては、他のポリオレフィンを配合し
ないときでは15〜25gくらいのものを使用すること
が好ましい。これらのポリエチレン樹脂をインフレーシ
ョン成形するときの温度は、固定してはいないが、高密
度ポリエチレン単独のときは一般に190〜210℃、
高密度ポリエチレン及び他のポリオレフィンからなる樹
脂組成物のときはこれと同一か若干高く190〜220
℃で行うことが好ましい。
【0013】本発明の方法に使用する装置としては、通
常のインフレーション法に使用する押出機、ダイスを用
いるが、2.0<バブルの最大径(D2 )/バブルの最
も細い所の径(D1 )、好ましくは2.2<バブルの最
大径(D2 )/バブルの最も細い所の径(D1 )<4.
0であって、かつ製品径(D3 )/バブルの最大径(D
2 )<1を確保するための一例としては、図1または図
2に示した成形装置が挙げられる。
【0014】これは、ダイス出口に設けられた冷却リン
グの下流側(フィルムの引取側)に、冷却リング2(一
段冷却法)または第1冷却リング8(二段冷却法)の内
径より大きい内径を有するエアチャンバーを有し、かつ
そのエアチャンバー全体においてインフレーション成形
軸に対して同軸に順次配列された開度を自由に調節可能
とした複数個のアイリス板を設け、前記冷却リングは溶
融樹脂を冷却するために押出方向に向かってエアチャン
バー内に空気を吹き込む機能も合わせて有する冷却リン
グを設けた装置、またはダイス出口に複数の冷却リング
を設け、その最下流の冷却リング内径より大きい内径を
有する1または複数のエアチャンバーを有し、かつその
エアチャンバー全体においてインフレーション軸に対し
て順次配列された開度を自由に調節可能とした複数個の
アイリス板を設け、前記冷却リングは溶融樹脂を冷却す
るために押出方向に向かってエアチャンバー内に空気を
吹き込む機能も有する冷却リングである装置を用いるこ
とにより、本発明の製品径(D3 )/バブルの最大径
(D2 )<1の条件、好ましくは0.75<D3 /D2
<0.95の条件でフィルム成形を行うことできる。
【0015】この他に2.0<バブルの最大径(D2
/バブルの最も細い所の径(D1 )、好ましくは2.2
<バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所の径
(D1)<4.0であって、かつ製品径(D3 )/バブ
ルの最大径(D2 )<1を確保するための例として図3
〜5に示した成形装置が挙げられる。
【0016】図3に示した成形装置は、ダイス出口に設
けられた冷却リングの下流側(フィルムの引取側)に、
冷却リング2(一段冷却法)または冷却リング8(二段
冷却法)の内径より大きい内径を有するエアチャンバー
を有し、かつそのエアチャンバー内に少なくとも1箇所
の吸気口11を設け、吸気口からはブロワー或いは吸風
機等によって吸気可能となっており、前記冷却リングは
溶融樹脂を冷却するために押出方向に向かってエアチャ
ンバー内に空気を吹き込む機能も合わせて有する冷却リ
ングを設けた装置、またはダイス出口に複数の冷却リン
グを設け、その最下流の冷却リング内径より大きい内径
を有する1または複数のエアチャンバーを有し、かつそ
のエアチャンバー内に少なくとも1箇所の吸気口を設
け、吸気口からはブロワー或いは吸風機等によって吸気
可能となっており、前記冷却リングは溶融樹脂を冷却す
るために押出方向に向かってエアチャンバー内に空気を
吹き込む機能も合わせて有する冷却リングを設けた装置
である。図4に示した成形装置は、ダイス出口に設けら
れた冷却リング2(一段冷却法)または冷却リング8
(二段冷却法)の下流側(フィルムの引取側)に、吸引
用リング11を設け、吸引用リングからはブロワー或い
は吸風機等によって吸気可能となっている装置、または
ダイス出口に複数の冷却リングを設け、その最下流の冷
却リングの下流側(フィルムの引取側)に、吸引用リン
グ11を設け、吸引用リングからはブロワー或いは吸風
機等によって吸気可能となっている装置である。図5に
示した成形装置は、ダイス出口に設けられた冷却リング
の下流側(フィルムの引取側)に、冷却リング2(一段
冷却法)または冷却リング8(二段冷却法)の内径より
大きい内径を有するエアチャンバーを有し、かつそのエ
アチャンバー内に少なくとも1箇所の通電板12を設
け、通電板を帯電させ、なお前記冷却リングは溶融樹脂
を冷却するために押出方向に向かってエアチャンバー内
に空気を吹き込む機能も合わせて有する冷却リングを設
けた装置、またはダイス出口に複数の冷却リングを設
け、その最下流の冷却リング内径より大きい内径を有す
る1または複数のエアチャンバーを有し、かつそのエア
チャンバー内に少なくとも1箇所の通電板12を設け、
通電板を帯電させ、なお前記冷却リングは溶融樹脂を冷
却するために押出方向に向かってエアチャンバー内に空
気を吹き込む機能も合わせて有する冷却リングを設けた
装置である。またいずれの成形装置においても溶融バブ
ルが膨張する直前のインフレーション成形軸にバブル加
熱装置を設け、溶融バブルを加熱し溶融バブルの伸長粘
度を低下させることにより、2.0<バブルの最大径
(D2 )/バブルの最も細い所の径(D1 )、好ましく
は2.2<バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い
所の径(D1 )<4.0であって、かつ製品径(D3
/バブルの最大径(D2)<1を容易に確保できる。
【0017】なお本発明において、ダイス口径より細い
安定体を使用するときはその安定体の外径を、またダイ
ス出口よりただちに膨張する形のバブルの場合にはその
ダイス口径をバブルのバブルの最も細い所の径(D1
としてよい。なお従来のインフレーション法によるフィ
ルム成形で採用しているように、図面には記載されてい
ないが、ダイス出口にダイス径より若干大きい径を有す
る第2安定体を設けたり、或いは図2に示すように第1
冷却リング2と第2冷却リング8の間に第1安定体10
を設けて操業することも可能である。
【0018】膨張した溶融バブルの形状を調節するため
に、開度を自由に調節できるアイリス板5の内径を調節
して溶融バブル形状を希望の形状とする。この場合、製
品フィルムの物性を主として支配するのは、バブルの最
大径(D2 )/バブルの最も細い所の径(D1 )であ
り、製品のサイズを決定する製品径(D3 )/バブルの
最大径(D2 )は、変更しても製品フィルムの物性に対
する影響は小さいことが分かったことから本発明が導出
された。
【0019】これまで製品径(D3 )/バブルの最も細
い所の径(D1 )を大きくとることにより、引取速度を
大きくしたときの分子が配向することを妨害すること
で、フィルム物性に引取速度が及ぼす影響を小さくする
ことが可能であることが知られていたが、これではダイ
スの直径により製品サイズが規定されることになり、操
業を止めないでの製品サイズの変更は極めて困難なもの
と考えられていた。しかし、製品径(D3 )/バブルの
最大径(D2 )を1より小さくしても製品フィルムの物
性に及ぼす影響が小さいことが分かったので、一旦膨張
させた溶融樹脂バブルを縮径させることで、D2 /D1
の比を変更しないで物性を維持したまま製品サイズを調
節することが可能となった。
【0020】このため、大口径のダイスを使用して小口
径のフィルムを成形しようとするときに問題であった引
取速度の高速化によるフィルム物性の問題は、一旦バブ
ルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所の径(D1
を大きくとり、縦裂強度、ヒートシール強度などの物性
の改善をし、次いで製品径(D3 )/バブルの最大径
(D2 )の比を小さくすることにより生産性を高く保っ
たまま、ダイス交換をせずに小口径のフィルムを成形で
きることになる。
【0021】本発明の対象とするポリエチレン樹脂組成
物では、安定体の有無、押出温度、引取速度等の成形条
件により異なるが、一般的にバブルの最大径(D2 )/
バブルの最も細い所の径(D1 )は2.0以上、好まし
くは2.2〜4.0、より好ましくは2.7〜3.3で
あり、製品径(D3 )/バブルの最大径(D2 )は1未
満、好ましくは0.70〜0.95の範囲である。製品
径(D3 )/バブルの最大径(D2 )を0.70未満と
することは操業条件としては困難である。またこの数値
を1以上とすることは本発明の目的に適合しないもので
ある。
【0022】製品フィルムの厚さについては、目的とす
る製品フィルムの用途により異なるが、5〜200μ
m、好ましくは7〜120μmである。たとえば最も需
要の大きいと考えられるレジ袋は一般に15〜25μ
m、最も薄いと思われる極薄フィルムは7〜12μm、
最も厚いと思われるファッションバッグ用のフィルムは
一般に60〜80μm程度のものを使用するが、本発明
方法はそのいずれに対しても適用できる。最も好ましい
ものとしては10〜30μmくらいの厚さのフィルムへ
の適用である。引取速度としては、他の条件により固定
化はしないが、一段冷却法においては40〜120m/
分、二段冷却法では50〜150m/分程度の速度を採
用できる。本発明方法において、高密度ポリエチレンと
低密度ポリエチレンからなるポリエチレン組成物を使用
した透明フィルムの成形においては、特に二段以上の複
数段での冷却法により成形が有効で、透明性樹脂を使用
したときには透明性の高いフィルムが成形できる。
【0023】
【実施例】
(実施例1〜2)図1に示す装置を用い、チャンバー内
にはインフレーション軸に垂直に32枚の羽から構成さ
れたアイリス板を3枚設け、この内径を変えて、バブル
の最も細い所の径(D1 )、バブルの最大径(D2 )、
製品径(D3 )を調整した。密度0.948g/cm
3 、MFRが0.5g/10分、HLMFR(JIS
K−7210、表1条件7、190℃、21.6kgf
で測定。)11g/10分の高密度ポリエチレン(日本
ポリオレフィン(株)製、商品名:ジェイレクスHF2
1S)を使用し、ダイス径100mmφ、フロストライ
ン高さ900mm及び1100mm、製品折径450m
m(製品径:D3 =287mm)とし、成形温度200
℃、バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所の径
(D1 )を3.2、製品径(D3 )/バブルの最大径
(D2 )を0.90、引取速度を60m/分及び80m
/分、フィルム厚み20μmの条件で成形を行った。冷
却リングから吹き出す空気量は、ブロワー(モーター容
量5.5kW)からの空気をインバータにより制御して
吹き出させており、その風量はインバータモータの周波
数により調節して成形した。成形は順調に行うことがで
き、安定してフィルムを成形できた。成形条件及び得ら
れたフィルムの物性を表1に示す。
【0024】(実施例3〜9)チャンバー内にインフレ
ーション軸に垂直に32枚の羽から構成されたアイリス
板を3枚設けた図2に示す装置を用い、アイリス板の内
径を変えて、溶融バブルの最も細い所の径(D1 )、バ
ブルの最大径(D2 )及び製品径(D3 )を調整して成
形を行った。使用した樹脂、フィルム厚みは実施例1と
同じにし、引取速度、第1冷却リング風量、第2冷却リ
ング風量、バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い
所の径(D1 )、製品径(D3 )/バブルの最大径(D
2 )を変えてフィルムを成形した。成形は順調に行うこ
とができ、安定してフィルムを成形できた。成形条件及
び得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0025】(実施例10)バブルの最大径(D2 )/
バブルの最も細い所の径(D1 )を2.1とし、製品の
折径を270mm(製品径:D3 =172mm)と大幅
に製品径を小口径とするために、アイリス板の調整、第
1冷却リング風量、第2冷却リング風量等の調整を行っ
てフィルムを成形した。成形は順調に行うことができ、
安定してフィルムを成形できた。成形条件及び得られた
フィルムの物性を表1に示す。
【0026】(実施例11)安定体の径を90mmと
し、バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所の径
(D1 )を3.8、フィルムの厚み10μmとしてフィ
ルムの成形を行った。成形は順調に行うことができ、安
定してフィルムを成形できた。成形条件及び得られたフ
ィルムの物性を表1に示す。
【0027】(実施例12)実施例1と同じ樹脂、同じ
装置を用い、厚み80μmのフィルムを成形した。成形
は順調に行うことができ、安定してフィルムを成形でき
た。成形条件及び得られたフィルムの物性を表1に示
す。
【0028】(比較例1)実施例1と同じ樹脂を用い、
アイリス板を設けたチャンバーを使用せず、一段冷却の
通常のインフレーションフィルムの成形を行った。成形
は順調に行うことができ、安定してフィルムを成形でき
た。成形条件及び得られたフィルムの物性を表1に示
す。 (比較例2)実施例1と同じ樹脂を用い、アイリス板を
設けたチャンバーを使用せず、二段冷却の通常のインフ
レーションフィルムの成形を行った。成形は順調に行う
ことができ、安定してフィルムを成形できた。成形条件
及び得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0029】(実施例13)密度0.940g/cm
3 、MFRが0.4g/10分の高密度ポリエチレン6
0重量%、高圧法低密度ポリエチレン40重量%からな
るポリエチレン樹脂組成物(日本ポリオレフィン(株)
製、商品名:ジェイレクスFX0433−3)を用い、
実施例1と同じ装置を使用して高透明性フィルムを成形
した。成形は順調に行うことができ、安定してフィルム
を成形できた。成形条件及び得られたフィルムの物性を
表2に示す。
【0030】(比較例3〜4)実施例13と同じ樹脂を
使用し、比較例1及び比較例2に使用した装置を用い、
通常のインフレーションフィルムの成形を行った。成形
は順調に行うことができ、安定してフィルムを成形でき
た。成形条件及び得られたフィルムの物性を表2に示
す。
【0031】
【発明の効果】本発明のインフレーションフィルム成形
方法は、バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所
の径(D1 )を大きく維持し、かつ製品径(D3 )/バ
ブルの最大径(D2 )を1未満に維持することにより、
高速の引取をして成形する際に問題となる分子の高度の
配向に基づくフィルムの引裂強度、耐衝撃強度などの機
械的強度の低下、ヒートシール強度、輪切れ等の操業性
の低下の防止、透明性(ヘイズ、クラリティ)、光沢
(グロス)などの光学的特性を悪化させないで、更にダ
イス口径を大口径のものを用いても小口径のフィルム成
形に適用できるもので、製品径(D3 )を任意に調整で
きる方法である。更に本発明方法では、フィルムの物性
に影響を与えることなく、操業中に開度を自由に調整で
きるアイリス板の開度を調整することなどにより、製品
径(D3)を調整することにより、フィルムサイズの変
更に伴いダイス、冷却リング等の装置の変更をする必要
がないだけでなく、安定操業に至るまでの間の時間的損
失、樹脂の損失を大幅に減少させることが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1段法によるインフレーションフィル
ム成形の1例の断面図。
【図2】本発明の2段法によるインフレーションフィル
ム成形の1例の断面図。
【符号の説明】
1 溶融バブル 2 冷却リング(環) 3 ダイス 4 エアチャンバー 5 アイリス板 6 アイリス板調整つまみ 7 給気室 8 第1冷却リング 9 第2冷却リング 10 安定体 11 吸気リング 12 通電板 D1 バブルの最も細い所の径(D1 ) D2 バブルの最大径(D2 ) D3 製品径(D3
【表1】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1段法によるインフレーションフィル
ム成形の1例の断面図。
【図2】本発明の2段法によるインフレーションフィル
ム成形の1例の断面図。
【図3】図1の方法において、エアチャンバー内のアイ
リス板に代えて吸気口を設けた例の断面図。
【図4】図1の方法において、エアチャンバーを設けず
に吸引用リングを設けた例の断面図。
【図5】図3の方法において、吸気口に代えて耐電させ
るための通電板を設けた例の断面図。
【符号の説明】 1 溶融バブル 2 冷却リング(環) 3 ダイス 4 エアチャンバー 5 アイリス板 6 アイリス板調整つまみ 7 給気室 8 第1冷却リング 9 第2冷却リング 10 安定体 11 吸気リング 12 通電板 D1 バブルの最も細い所の径(D1 ) D2 バブルの最大径(D2 ) D3 製品径(D3

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.94〜0.97g/cm3 の高
    密度ポリエチレンまたはこの高密度ポリエチレンに50
    重量%以下の他のポリオレフィンを配合した樹脂組成物
    を、バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所の径
    (D1 )を2.0以上に膨張させた後、製品径(D3
    /バブルの最大径(D2 )を1未満の条件で引き取るこ
    とを特徴とするインフレーションフィルムの成形方法。
  2. 【請求項2】 密度0.94〜0.97g/cm3 の高
    密度ポリエチレンまたはこの高密度ポリエチレンに50
    重量%以下の他のポリオレフィンを配合した樹脂組成物
    を、バブルの最大径(D2 )/バブルの最も細い所の径
    (D1 )が2.2〜4.0、かつ製品径(D3 )/バブ
    ルの最大径(D2 )が1未満の条件で引き取ることを特
    徴とするインフレーションフィルムの成形方法。
  3. 【請求項3】 バブルの最大径(D2 )/バブルの最も
    細い所の径(D1 )が2.7〜3.0、かつ製品径(D
    3 )/バブルの最大径(D2 )が0.70〜0.95で
    ある請求項1または2記載のインフレーションフィルム
    の成形方法。
  4. 【請求項4】 ダイスより押し出された溶融樹脂を、該
    ダイスの直径よりも小口径にくびれさせた後、該直径の
    2倍以上に膨張させる請求項1または2記載のインフレ
    ーションフィルムの成形方法。
  5. 【請求項5】 ダイスより押し出された溶融樹脂を、該
    ダイス出口に設けた第1冷却リングと、更にダイス面か
    ら空間をおいて離れた位置に設けた第2冷却リングの少
    なくとも2段で冷却する請求項1〜4のいずれかに記載
    のインフレーションフィルムの成形方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007519806A (ja) * 2004-01-29 2007-07-19 エクイスター ケミカルズ、 エルピー ポリエチレンフィルムの製造
JP2015044907A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 三菱樹脂株式会社 樹脂組成物、該組成物を用いた包装用フィルム、多層フィルム、及び包装資材

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