JPH09168264A - かご形回転子の製造方法及びかご形回転子 - Google Patents

かご形回転子の製造方法及びかご形回転子

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JPH09168264A
JPH09168264A JP32547195A JP32547195A JPH09168264A JP H09168264 A JPH09168264 A JP H09168264A JP 32547195 A JP32547195 A JP 32547195A JP 32547195 A JP32547195 A JP 32547195A JP H09168264 A JPH09168264 A JP H09168264A
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rotor core
slot
rod
shaped
die
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JP32547195A
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Takeshi Shiga
剛 志賀
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造作業性の向上を図ると共に、特性悪化を
防止する。 【解決手段】 鍛造型12を、ベッドに設けられ下面側
のエンドリングに対応する円環状の凸部13aを有する
下型13、ロータコア2の下端部外周の縁部を受ける外
可動型14、ロータコア2の下面側のエンドリングの内
周部を受ける内可動型15、ラムに設けられ上面側のエ
ンドリングに対応する円環状の凸部16aを有する上型
16、ロータコア2の上端部外周の縁部を受ける外可動
型17、ロータコア2の上面側のエンドリングの内周部
を受ける内可動型18等から構成する。ロータコア2の
各スロット5に、アルミニウム製の棒状鍛造材9を上下
端部が突出するように収容する。上型16の下降によ
り、棒状鍛造材9が加圧されて塑性変形し、ロータコア
2の上下両端面部に形成される環状凹部及び各スロット
5に充填され、かご形導体が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のスロットを
有するロータコアに、導体バー及びエンドリングを有す
るかご形導体を設けるようにしたかご形回転子の製造方
法及びかご形回転子に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、誘導モータに
用いられるかご形回転子は、珪素鋼板を積層して構成さ
れ外周部に複数個のスロットを有するロータコア(固定
子鉄心)に対し、例えばアルミニウムのダイカスト成形
により、各スロット内に配置される導体バー及びロータ
コアの両端面部に配置されるエンドリング(全体として
かご形導体と称される)を一体に設けて構成されてい
る。
【0003】しかしながら、このようにかご形導体をダ
イカストにより設けるものでは、次の(1),(2)の
ような製造作業上の不具合、及び(3)に示すような性
能上の不具合があった。 (1)アルミニウムの溶融炉及びダイカスト用の金型が
高温となるため、作業場が高温となり、作業環境の悪化
を招く。これと共に、溶融炉が昇温するまで待機する必
要があるので、稼働率が低下する。 (2)湯口のゲートを切断する工程やロータコアを冷却
する工程を必要とするので、工程が複雑となる。
【0004】(3)溶融アルミニウムの流動性を安定化
することが困難であるため、導体バーや両エンドリング
に「巣」が生ずる等、品質がばらつく。したがって、二
次抵抗や回転バランスの変動等、特性が悪化する。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、作業環境の向上、稼働率の向上、工程
の簡素化と言った製造作業性を向上させることができ、
しかも二次抵抗や回転バランスの変動といった特性悪化
も防止することができるかご形回転子の製造方法及びか
ご形回転子を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、かご形回転子のかご形導体を製造する
にあたって従来より一般的であったアルミダイカストに
代えて、より優れた方法によるかご形導体の製作の可能
性を追及し、試験、研究等を重ねてきた。そして、近年
の鍛造技術の向上の事情の下、従来では不可能と考えら
れていた鍛造によりかご形導体を製造することが可能と
なることを知見し、本発明を成し遂げたのである。
【0007】即ち、本発明の請求項1のかご形回転子の
製造方法は、ロータコアの一端面側を受け一方のエンド
リングに対応する環状凹部を有する受型と、ロータコア
の他端面側に対して相対的に移動することに伴い他方の
エンドリングに対応する環状凹部を形成する押型とを用
い、ロータコアの各スロット内に金属材料からなり該ス
ロットの長さよりも長尺な棒状鍛造材を収容した状態
で、ロータコアの一端面側を受型にセットし、ロータコ
アの他端面に対して押型を相対的に移動させて各棒状鍛
造材を加圧して塑性変形させることにより、各スロット
内及び両環状凹部内に金属材料を充填させてかご形導体
を形成するようにしたところに特徴を有するものであ
る。
【0008】これによれば、受型の環状凹部、ロータコ
アの各スロット、押型の環状凹部が連続したキャビティ
となる型が構成され、押型による加圧によって棒状鍛造
材がそのキャビティ内で塑性変形し、金属材料がキャビ
ティ内に充填された状態となり、もって複数本の導体バ
ーと2個のエンドリングとを一体的に有するかご形導体
が形成される。この場合、棒状鍛造材は予めスロット内
に収容されるので、棒状鍛造材のうち導体バーを構成す
る部分はさほどの変形量を必要とせず、主として棒状鍛
造材のうちの両端部のみを塑性変形させれば良く、比較
的小さな加圧力で安定した加工を行うことができる。
【0009】ここで、上記ロータコアは複数枚の鋼板を
積層して構成されることが一般的であり、また、ロータ
コアの各スロットにスキューを設けることも行われる。
このようにスキューを有したスロットに対して、上記棒
状鍛造材を収容させることは困難性を伴う作業となる。
【0010】これに対し、本発明の請求項2のかご形回
転子の製造方法は、ロータコアを構成する各鋼板に、ス
ロットを形成するスロット形成孔を設けると共に、各ス
ロット形成孔が軸方向に連続するように積層した際にス
ロットのスキューと逆のスキューを形成する矯正孔を設
け、各鋼板を各スロット形成孔が軸方向に連続するよう
に積層し、その状態でそれら各スロット内に棒状鍛造材
を挿入配置し、その後、矯正孔に対して軸方向に延びる
矯正棒を差込んで各鋼板を変位させることにより、ロー
タコアの各スロットにスキューを形成すると共にそれら
各スロット内に棒状鍛造材が収容された状態とするとこ
ろに特徴を有する。
【0011】これによれば、ロータコアのスロットが軸
方向に真直ぐな状態で各スロット内に棒状鍛造材を真直
ぐに挿入することができ、その後、矯正棒を矯正孔に差
込んでいくことによって各スロットにスキューが形成さ
れるようになり、スロットのスキュー形成後に棒状鍛造
材を挿入する場合に比べて作業が容易となる。
【0012】また、この場合、上記矯正孔を設ける位置
は、矯正時に大きなトルクを得る観点からは極力外周側
に設ける方が良いが、あまりスロットに近いとスロット
周囲の磁束の通過の妨げとなり磁気的性能の悪化を招く
ことになる。そこで、本発明の請求項3のかご形回転子
の製造方法は、矯正孔を、スロット形成孔よりも内周側
で、且つ、スロット形成孔と回転軸とを結ぶ線からずれ
た位置に形成するようにしたところに特徴を有し、これ
によれば、スロット周囲の磁束の通過幅を確保しながら
も、矯正孔をできるだけ外周側に配置することができ
る。
【0013】そして、複数個の棒状鍛造材をロータコア
の外周において連結部により連結した形態の連結体を形
成し、この連結体をロータコアにセットした後連結部を
切断除去するようにしても良い(請求項4の発明)。こ
れによれば、棒状鍛造材を1本ずつスロットに挿入する
場合に比べて、挿入作業が簡単となる。
【0014】さらには、棒状鍛造材の外面部に凸部を設
け、この棒状鍛造材のスロットへの収容時に、凸部がス
ロットの内面部に点接触あるいは線接触状態に圧接する
ように構成することもできる(請求項5の発明)。これ
によれば、棒状鍛造材のスロットへの挿入力を小さく済
ませることができながら、凸部の圧接により棒状鍛造材
をスロット内に保持させることができるようになる。
【0015】本発明の請求項6のかご形回転子の製造方
法は、ロータコアの一端面側を受け一方のエンドリング
に対応する環状凹部を有する受型と、ロータコアの他端
面側に対して相対的に移動することに伴い他方のエンド
リングに対応する環状凹部を形成する押型とを用い、ロ
ータコアの各スロット内に金属材料からなる棒状鍛造材
を収容すると共に該ロータコアの両端面に夫々金属材料
からなる環状鍛造材を配置した状態で、ロータコアの一
端面側を受型にセットし、ロータコアの他端面に対して
押型を相対的に移動させて各棒状鍛造材及び環状鍛造材
を加圧して塑性変形させることにより、各スロット内及
び両環状凹部内に金属材料を充填させてかご形導体を形
成するようにしたところに特徴を有する。
【0016】これによれば、受型の環状凹部、ロータコ
アの各スロット、押型の環状凹部が連続したキャビティ
となる型が構成され、押型による加圧によって棒状鍛造
材及び環状鍛造材がそのキャビティ内で塑性変形し、金
属材料がキャビティ内に充填された状態となり、もって
複数本の導体バーと2個のエンドリングとを一体的に有
するかご形導体が形成される。この場合、棒状鍛造材及
び環状鍛造材の双方において、さほどの変形量を必要と
しなくなり、小さな加圧力でより安定した加工を行うこ
とができる。
【0017】この場合、環状鍛造材に、棒状鍛造材が嵌
合する穴部を設けるようにしても良い(請求項7の発
明)。これによれば、加圧前の段階において棒状鍛造材
に対する環状鍛造材の位置ずれを防止することができ、
これと共に、加圧により嵌合部分にて両鍛造材をいわば
かしめ結合した状態とすることができ、導体バーとエン
ドリングとをより強い力で結合させることができる。
【0018】ところで、上記した各かご形回転子の製造
方法においては、主としてエンドリング部分に、電気抵
抗の高い金属材料の接合部が生ずる。そこで、かご形導
体の形成後、そのかご形導体のうちの金属材料の接合部
に電流を流して発熱させることにより、接合部を融着さ
せるようにしても良い(請求項8の発明)。これによれ
ば、ジュール熱により接合部を容易に融着させることが
でき、かご形導体の電気的特性を良好とすることができ
る。
【0019】そして、本発明の請求項9のかご形回転子
は、複数のスロットを有するロータコアと、各スロット
内にて夫々金属材料製の棒状鍛造材を加圧充填して設け
られた導体バーと、各棒状鍛造材の両端のスロットから
のはみ出し部分を夫々ロータコアの両端面にてリング状
に結合するように加圧成形して設けられた2個のエンド
リングとを具備するところに特徴を有する。
【0020】これによれば、棒状鍛造材の加圧成形つま
り冷間鍛造により、複数本の導体バーと2個のエンドリ
ングとを一体的に有するかご形導体を構成することがで
きる。従って、ダイカスト成形によりかご形導体を設け
る場合と比べて、高温設備が必要なくなって製造性が向
上すると共に、巣の発生などを防止できて特性の向上を
図ることができる。
【0021】また、本発明の請求項10のかご形回転子
は、複数のスロットを有するロータコアと、各スロット
内にて夫々金属材料製の棒状鍛造材を加圧充填して設け
られた導体バーと、ロータコアの両端面に夫々配置され
た金属材料製の環状鍛造材を各棒状鍛造材の両端部に結
合するように加圧成形して設けられた2個のエンドリン
グとを具備するところに特徴を有する。
【0022】これによれば、棒状鍛造材及び環状鍛造材
の加圧成形つまり冷間鍛造により、複数本の導体バーと
2個のエンドリングとを一体的に有するかご形導体を構
成することができる。従って、ダイカスト成形によりか
ご形導体を設ける場合と比べて、高温設備が必要なくな
って製造性が向上すると共に、巣の発生などを防止でき
て特性の向上を図ることができる。しかも、材料の変形
量を小さく済ませることができて、より小さな加圧力で
安定した加工を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施例
について説明する。 (1)第1の実施例 まず、本発明の第1の実施例(請求項1,2,3,8,
9に対応)について、図1ないし図8を参照して述べ
る。図3は本実施例に係るかご形回転子1を示してい
る。このかご形回転子1は、後述する方法によって製造
されるものであり、ロータコア(回転子鉄心)2にかご
形導体3を設けて構成されている。
【0024】このうちロータコア2は、例えば多数枚の
珪素鋼板4(図7参照)を軸方向(図3で上下方向)に
積層して構成され、中心部に図示しない回転軸が挿入さ
れる中心孔2aが形成されていると共に、外周部に複数
個例えば8個のスロット5が等間隔に形成されている。
本実施例では、このスロット5は、図3の右半部に示す
ように、軸方向(図で上下方向)に対して角度θのスキ
ューが設けられている。また、後述するように、このロ
ータコア2には、スロット5よりもやや内周側に位置し
て、最終的には軸方向に貫通する矯正用貫通孔2b(図
4(b)参照)が形成されるようになっている。
【0025】そして、かご形導体3は、金属材料例えば
アルミニウムからなり、各スロット5内に設けられた導
体バー6の上下両端部を、ロータコア2の上下両端面部
において夫々エンドリング7,8にて連結して構成され
ている。詳しくは後述するように、このかご形導体3の
各導体バー6は、各スロット5内にて夫々アルミニウム
製の棒状鍛造材9(図1,図4参照)を加圧充填して設
けられ、両エンドリング7及び8は、各棒状鍛造材9の
両端のスロット5からのはみ出し部分を夫々ロータコア
2の両端面にてリング状に結合するように加圧成形して
設けられるようになっている。
【0026】さて、上記したかご形回転子1の製造方法
について以下述べる。まず、ロータコア2は、上記のよ
うに珪素鋼板4を積層して構成されるのであるが、図5
〜図7に示すように、各鋼板4には、中心孔2aを形成
する中心孔4a、スロット5を形成する8個のスロット
形成孔4b、矯正用貫通孔2bを形成する4個の矯正孔
4cが、鋼板4の打抜きと同時に形成されるようになっ
ている。このとき、各鋼板4に形成される4個の矯正孔
4cのスロット形成孔4bに対する相対的な位置は、積
層方向の位置によって僅かずつずれており、図4(a)
に示すように、鋼板4をスロット形成孔4bが軸方向に
連続するように積層した際に、矯正孔4cが、最終的な
スロット5の軸方向に対するスキューと逆のスキューを
形成するように設けられる。
【0027】また、本実施例では、図6にも示すよう
に、矯正孔4cは、スロット形成孔4bよりもやや内周
側で、且つ、スロット形成孔4bと回転軸(回転中心)
とを結ぶ線からずれ、スロット形成孔4bから少なくと
も所定距離aだけ離間した位置に設けられるようになっ
ている。さらには、図7に示すように、珪素鋼板4は、
打抜きに伴い両面にだれとかえりが生ずるが、だれ側を
上面側として積層されるようになっている。
【0028】ロータコア2を製作するにあたっては、図
4(a)に示すように、スロット形成孔4bが軸方向に
連続するように鋼板4を積層する。そして、この状態
で、各スロット5内に棒状鍛造材9を挿入する。この棒
状鍛造材9は、図1及び図4に示すように、スロット5
の内径寸法よりも若干だけ径小な丸棒状をなし、スロッ
ト5の長さよりも長尺とされている。この場合、棒状鍛
造材9は、両端部がロータコア2の両端面からほぼ同一
長さ突出した形態にスロット5内に収容されるようにな
っている。
【0029】この後、ロータコア2は棒状鍛造材9を収
容した状態で、図4(a)に示すように、押圧型にセッ
トされる。この押圧型は、ベッド側に受け治具10を有
すると共に、そのベッドに対して上下動するラム側に、
上下方向に延びる矯正棒11を有して構成されている。
そして、ロータコア2のセット状態で、矯正棒11が真
直ぐ下降され、矯正用貫通孔2bに差込まれて行く。こ
の場合、図7に示すように、矯正棒11の先端(下端)
はテーパー状に構成されていると共に、矯正用貫通孔2
b(矯正孔4c)に対してだれ側から差込まれるので、
スムーズに差込まれるようになる。
【0030】この矯正棒11の下方への移動に伴い、若
干量ずつ位置がずれている矯正孔4cを有する鋼板4
は、各矯正孔4cに相対的に矯正棒11が差込まれるよ
うにされながら、上から順に回転方向に若干量ずつずれ
ながら変位して行く。これにより、スロット形成孔4b
がスキューを形成する方向にずれていき、図4(b)に
示すように、矯正棒11が貫通状態まで下降したときに
は、所定のスキューを有するスロット5が形成されたロ
ータコア2が得られるのである。また、これと共に、棒
状鍛造材9がスキューを有するスロット5内に収容され
た状態とされるのである。
【0031】尚、図5は、このときの最上部に位置する
鋼板4のスロット形成孔4b及び矯正孔4cの位置(実
線)と、最下部に位置する鋼板4のスロット形成孔4b
及び矯正孔4cの位置(破線)との上面から見た位置関
係を示しており、矯正前の状態(a)では、スロット形
成孔4bは軸方向に一致し、矯正孔4cが若干量時計回
り方向にずれているが、矯正後(b)では、矯正孔4c
が軸方向に一致し、スロット形成孔4bが反時計回り方
向に若干量ずれ、所定のスキューが形成されるようにな
るのである。
【0032】そして、上述のようにして得られたロータ
コア2は、図1及び図2に示す鍛造型12にセットさ
れ、棒状鍛造材9に対する加圧成形(冷間鍛造)が行わ
れるようになるのである。この鍛造型12は、図で下側
に配置され受型を構成する下型13,外可動型14及び
内可動型15、並びに、この受型に対してロータコア2
を挟んで上側に対称的に配置され押型を構成する上型1
6,外可動型17及び内可動型18を備えている。
【0033】このうち下型13は、図示しないベッドに
取付けられ、その上面にかご形回転子1のエンドリング
8に対応する円環状の凸部13aが設けられている。ま
た、下型13の中心部には、上部側を径大とした段付き
形状のガイド孔13bが形成されている。さらに、この
下型13の外周部には複数箇所に位置してばね収容用の
凹部13cが形成され、これら各凹部13cに複数本の
ガイドバー19が立設されている。
【0034】また、外可動型14は、ロータコア2の下
端部外周の縁部(エンドリング8の外周側)を受けると
共に、その内周部が下型13の凸部13aの外周に嵌合
する円環状をなし、ガイドバー19に上下動可能に挿通
されている。このとき、ガイドバー19には、外可動型
14と下型13(凹部13c)との間に位置してコイル
ばね20が嵌挿されている。
【0035】そして、内可動型15は、ロータコア2の
下面部(エンドリング8の内周部)を受けると共に、下
型13の凸部13aの内周に嵌合する円形ブロック状を
なし、下面部に一体的に設けられたガイド用軸部15a
がガイド孔13bに上下動可能に挿入されている。この
とき、ガイド用軸部15aの外周部には下型13(ガイ
ド孔13bの径大部)との間にコイルばね21が嵌挿さ
れている。これにて、図2に示すように、下型13,外
可動型14及び内可動型15から、エンドリング8に対
応する環状凹部が形成されるようになっているのであ
る。
【0036】一方、上型16は、図示しないラムに取付
けられて上下動されるようになっており、その下面にか
ご形回転子1のエンドリング7に対応する円環状の凸部
16aが設けられている。また、上型16の中心部に
は、下部側を径大とした段付き形状のガイド孔16bが
形成されている。さらに、この上型16の外周部には、
ガイドバー19に挿通され下部側が径大な段付き孔16
cが設けられ、もって、ガイドバー19により上下方向
(ロータコア2に対する接離方向)にガイドされるよう
になっている。
【0037】また、外可動型17は、ロータコア2の上
端部外周の縁部(エンドリング7の外周側)を受けると
共に、その内周部が上型16の凸部16aの外周に嵌合
する円環状をなし、ガイドバー19に上下動可能に挿通
されている。このとき、ガイドバー19には、外可動型
17と上型16(段付き孔16c)との間に位置してコ
イルばね22が嵌挿され、さらに、外可動型17と受型
側の外可動型14との間に位置してコイルばね23が嵌
挿されている。
【0038】そして、内可動型18は、ロータコア2の
上面部(エンドリング7の内周部)を受けると共に、上
型16の凸部16aの内周に嵌合する円形ブロック状を
なし、上面部に一体に設けられたガイド用軸部18aが
ガイド孔16bに上下動可能に且つ下方への抜止め状態
に挿入されている。このとき、ガイド用軸部18aの外
周部には上型16(ガイド孔16bの径大部)との間に
コイルばね24が嵌挿されている。これにて、図2に示
すように、上型16,外可動型17及び内可動型18か
ら、上面側のエンドリング7に対応する環状凹部が形成
されるようになっているのである。
【0039】さて、以上のように構成された鍛造型12
により、次のようにしてかご形導体3が形成される。即
ち、まず、図1に示すように、各スロット5に棒状鍛造
材9が収容された状態のロータコア2は、受型の外可動
型14に下端部外周の縁部が受けられるようにセットさ
れる。このとき、内可動型15はロータコア2の下端面
を受けている。
【0040】この状態からラムが駆動され、上型16が
ガイドバー19にガイドされながら下降していくように
なる。すると、この上型16の移動力が、コイルばね2
2及び23を介して外可動型17及び内可動型18に伝
達されて下降し、さらには、コイルばね23を介して受
型側の外可動型14にも伝達され、やや遅い速度で外可
動型14,ロータコア2及び内可動型15も一体的に下
降する。
【0041】これにて、図示はしないが、押型側におい
ては、外可動型17及び内可動型18がロータコア2の
上面部に当接するようになると共に、それら外可動型1
7と内可動型18との間に形成される円環状の隙間内
に、上型16の凸部16が若干量だけ侵入するようにな
る。一方、受型側においても、下型13の凸部13a
が、外可動型14と内可動型15との間に形成される円
環状の間隙内に若干量だけ相対的に侵入した状態とな
る。
【0042】さらに、上型16が下降していくことによ
り、上型16の凸部16が外可動型17と内可動型18
との間の隙間内を下降して、ロータコア2の上面に突出
している棒状鍛造材9を上方から加圧すると共に、下型
13の凸部13aが外可動型14と内可動型15との間
の隙間内を相対的に上昇して、ロータコア2の下面に突
出している棒状鍛造材9に下方からの加圧力を与えるよ
うになる。この加圧力を受けることにより、棒状鍛造材
9は、その材料が隙間部分へ流れ込むように塑性変形し
ていく。
【0043】そして、上型16の下降が完了した型締め
状態では、図2に示すように、受型に形成される環状凹
部、ロータコア2の各スロット5、押型に形成される環
状凹部が連続したキャビティとなり、各棒状鍛造材9が
そのキャビティ内で塑性変形し、金属材料(アルミニウ
ム)がそのキャビティ内に充填された状態となる。これ
にて、複数本の導体バー6と2個のエンドリング7,8
とを一体的に有するかご形導体3が冷間鍛造(型鍛造)
により形成されるのである。
【0044】このかご形導体3の形成後、型開きが行わ
れてロータコア2にかご形導体3が設けられたかご形回
転子1が取出されるのであるが、このかご形導体3にあ
っては、主としてエンドリング7,8部分に、電気抵抗
の高い金属材料の接合部7a,8a(図8参照)が生ず
る。そこで、本実施例では、かご形導体3の形成後、そ
れら接合部7a,8aを融着させる工程が実行される。
【0045】この工程では、図8に示すように、電源2
5に接続された一対の電極26,26を、エンドリング
7の接合部7aの両側に配し、接合部7aに電流を流す
ことが行われる。これにて、電気抵抗の高い接合部7a
部分がジュール熱により発熱して融着されるようになる
のである。また、エンドリング8の接合部8aについて
も同様な工程により、接合部8aが融着されるようにな
る。
【0046】このような本実施例によれば、従来のアル
ミニウムのダイカスト成形に代えて、棒状鍛造材9を用
いた冷間鍛造によりかご形導体3を形成することができ
るようになった。この結果、ダイカスト成形のような高
温設備を必要としなくなると共に、待機時間を必要とし
なくなり、作業環境の向上や稼働率の向上を図ることが
できる。また、これと共に、湯口のゲートを切断する工
程やロータコアを冷却する工程が不要となって工程の簡
素化を図ることができ、全体的に製造作業性を大幅に向
上させることができるものである。しかも、「巣」の発
生による二次抵抗や回転バランスの変動といった特性悪
化も未然に防止することができるものである。
【0047】また、本実施例では、冷間鍛造を行うにあ
たり、棒状鍛造材9を予めスロット5内に収容させるよ
うにしているので、棒状鍛造材9のうち導体バー6を構
成する部分はさほどの変形量を必要とせず、主として棒
状鍛造材9のうちの両端部のみを塑性変形させれば良い
ので、比較的小さな加圧力で安定した加工を行うことが
できるものである。
【0048】そして、特に本実施例では、鋼板4を積層
したロータコア2にあって各スロット5にスキューを設
けたものであるが、ロータコア2のスロット5が軸方向
に真直ぐな状態で各スロット5内に棒状鍛造材9を真直
ぐに挿入することができ、その後、矯正棒11を矯正用
貫通孔2bに差込んでいくことによって各スロット5に
スキューが形成されるようになり、スキューを有したス
ロット5に対して、容易に棒状鍛造材9を収容させた状
態とさせることができる。
【0049】また、この場合、矯正孔4cは、スロット
形成孔4bよりもやや内周側で、且つ、スロット形成孔
4bと回転軸(回転中心)とを結ぶ線からずれ、スロッ
ト形成孔4bから少なくとも所定距離aだけ離間した位
置に設けられるようになっているので、スロット5周囲
の磁束の通過幅aを確保しながらも、矯正孔4cをでき
るだけ外周側に配置することができ、矯正時に大きなト
ルクを得ることができる利点が得られるのである。
【0050】さらに、特に本実施例では、冷間鍛造によ
るかご形導体3の形成後に、エンドリング7,8部分に
生じている金属材料の接合部7a,8aを、電流を流し
て発熱させて融着する工程を設けたので、簡単な設備で
接合部7a,8aを容易に融着させることができ、かご
形導体3の電気的特性を良好とすることができるもので
ある。
【0051】(2)第2,第3の実施例 図9は、本発明の第2の実施例(請求項5に対応)を示
すものである。この実施例が上記第1の実施例と異なる
ところは、棒状鍛造材27に凸部たる突条部28を設け
た点にある。この場合、棒状鍛造材27は、ロータコア
29のスロット30の内径寸法よりもやや径小な丸棒状
をなし、その外面部に凸部たる3個の突条部28を軸方
向に延びるように形成した形状とされている。この突条
部28の先端が構成する仮想的な外径寸法は、スロット
30の内径寸法よりも若干量だけ大きくなっている。
【0052】これによれば、棒状鍛造材27をスロット
30に挿入するにあたり、突条部28がスロット30の
内面にいわば線接触した状態に圧接させるようにしなが
ら挿入することができる。この結果、小さな挿入力で済
みながらも、突条部28の圧接により棒状鍛造材27を
スロット30内に確実に保持させることができる。さら
にこのとき、棒状鍛造材27がスロット30の中央部に
配置されるので、棒状鍛造材27を偏って配置した場合
と比べて、鍛造時の材料の広がり方が全周にほぼ均等と
なりやすいといった利点も得ることができる。
【0053】図10及び図11は、本発明の第3の実施
例(請求項4に対応)を示すものである。この第3の実
施例においては、棒状鍛造材をロータコアのスロットに
収容させる際の方法が、上記第1の実施例と異なってお
り、本実施例では、複数個の棒状鍛造材31をロータコ
ア32の外周において連結部33により連結した形態の
連結体34を形成し、この連結体34をロータコア32
にセットした後、連結部33を切断除去するようにして
いる。尚、ここでは、便宜上、ロータコア32に形成さ
れるスロット35の数(棒状鍛造材31の数)を4個と
している。
【0054】即ち、図10(a)はロータコア32の平
面外観を示しており、このロータコア32には、例えば
4個のスロット35が形成されている。これに対し、図
10(b)は連結体34の平面外観を便宜上ハッチング
を付して示している。この連結体34は、例えばアルミ
ニウムからなり、ロータコア32の外周に僅かな隙間を
もって嵌まる大きさの薄肉な円筒状をなす連結部33の
内周部に、各スロット35に挿入される4本の棒状鍛造
材31を一体に有して構成されている。
【0055】そして、この連結体34を、ロータコア3
2に軸方向から嵌込むことにより、図10(c)に示す
ように、4本の棒状鍛造材31が一度に各スロット35
に挿入されるようになり、また、連結部33が、スロッ
ト35の開放部分を介してロータコア32の外周を囲む
ように位置されるようになる。このようにして連結体3
4がセットされたロータコア32は、図11(a)に示
すように、図示しない打抜装置のダイス側にセットさ
れ、ポンチ36が下降されることにより、スロット35
の開放部分にて連結部33が切断される。
【0056】これにて、図10(d)及び図11(b)
に示すように、各スロット35に夫々棒状鍛造材31が
収容された状態となるのである。これによれば、連結体
34(連結部33)に対して比較的大きな挿入力を加え
ながら棒状鍛造材31を押込むことができると共に、一
度に全ての棒状鍛造材31の挿入作業を行うことができ
るので、棒状鍛造材31を1本ずつ個々のスロット35
に挿入する場合に比べて、挿入作業の大幅な簡単化を図
ることができるものである。
【0057】(3)第4の実施例 図12及び図13は、本発明の第4の実施例(請求項
6,7,10に対応)を示すものであり、以下、上記第
1の実施例と異なる点について述べる。本実施例では、
図12に示すように、ロータコア2の各スロット5内に
アルミニウム製の棒状鍛造材41を収容すると共に、ロ
ータコア2の上下両端面部に、エンドリング7,8に対
応するリング状をなすアルミニウム製の環状鍛造材4
2,43を配置するようにしている。このとき、棒状鍛
造材41は、上記第1の実施例の棒状鍛造材9よりもや
や短く構成されている。そして、環状鍛造材42,43
には、各棒状鍛造材41の両端部が嵌合する複数個の穴
部42a,43aが設けられている。
【0058】ロータコア2に棒状鍛造材41及び環状鍛
造材42,43をセットした状態で、上記第1の実施例
と同様の鍛造型12を用いて冷間鍛造を行う。すると、
押型の移動によって棒状鍛造材41及び環状鍛造材4
2,43が加圧されて塑性変形し、図13に示すよう
に、複数本の導体バー6と2個のエンドリング7,8と
を一体的に有するかご形導体3が形成されるのである。
【0059】従って、上記第1の実施例と同様に、冷間
鍛造によってかご形導体3を形成することができるの
で、製造作業性を向上させることができ、しかも特性悪
化も防止することができるという優れた効果を奏する。
このとき、本実施例では、導体バー6に対応した棒状鍛
造材41と、エンドリング7,8に対応した環状鍛造材
42,43を用いているので、棒状鍛造材41及び環状
鍛造材42,43の双方において、さほどの変形量を必
要としなくなり、小さな加圧力でより安定した加工を行
うことができるものである。
【0060】しかも、本実施例では、環状鍛造材42,
43の穴部42a,43aに棒状鍛造材41を嵌合させ
るようにしているので、加圧前の段階において棒状鍛造
材41に対する環状鍛造材42,43の位置ずれを防止
することができて仮保持状態とすることができる。これ
と共に、図13にハッチングの種類(向き)を変えて示
しているように、嵌合部分にて材料をいわばかしめ結合
した状態とすることができ、導体バー6とエンドリング
7,8とをより強い力で結合させることができるもので
ある。
【0061】(4)第5,第6の実施例 図14及び図15は本発明の第5の実施例(請求項6,
10に対応)を示すものである。この実施例において
も、図14に示すように、ロータコア2の各スロット5
内にアルミニウム製の棒状鍛造材51を収容すると共
に、ロータコア2の上下両端面部に、エンドリング7,
8に対応するリング状をなし、穴部の存在しないアルミ
ニウム製の環状鍛造材52,53を配置した状態で、鍛
造型12により冷間鍛造を行うようにしている。
【0062】この場合も、製造作業性を向上させること
ができると共に、特性悪化も防止することができること
は勿論、図15に示すように、棒状鍛造材51及び環状
鍛造材52,53の双方において、さほどの材料移動
(変形量)がない状態で導体バー6とエンドリング7,
8とを形成することができ、小さな加圧力でより安定し
た加工を行うことができるものであり、環状鍛造材5
2,53に穴部を形成するための工程が不要となること
は勿論である。
【0063】図16は本発明の第6の実施例(請求項
6,10に対応)を示すものであり、やはりロータコア
2の各スロット5内にアルミニウム製の棒状鍛造材54
を収容すると共に、ロータコア2の上下両端面部に、エ
ンドリング7,8に対応するリング状をなすアルミニウ
ム製の環状鍛造材55,56を配置した状態で、鍛造型
12により冷間鍛造を行うものである。この場合、環状
鍛造材55,56には、各棒状鍛造材54の両端部に対
応した凹部55a,56aが形成されている。
【0064】かかる構成でも、上記第5の実施例と同様
に、製造作業性を向上させることができると共に、特性
悪化も防止することができる効果に加え、小さな加圧力
で安定した加工を行うことができ、また、加圧前の段階
において棒状鍛造材54に対する環状鍛造材55,56
の位置合わせを容易に行うことができるといった利点を
得ることができる。
【0065】尚、本発明は上記した各実施例に限定され
るものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々の拡
張,変更が可能である。例えば鍛造材(かご形導体)の
材質としてはアルミニウムに限らず、銅等の他の金属材
料であっても良い。また、鍛造加工のみにより接合部の
十分な接合が可能なものにあっては、通電による融着の
工程を省略することができる。そして、開放形のスロッ
トの場合には、閉鎖形のスロットを有するロータコアに
冷間鍛造により導体バーを形成した後に、スロットの外
周部分を切断して開放形に構成しても良い。さらには、
棒状鍛造材の外面部に凸部を設ける場合には、スポット
状に複数個(多数個)の突起を設けるようにしても良
い。
【0066】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の請求項1のかご形回転子の製造方法によれば、かご形
導体を冷間鍛造により形成するようにしたので、従来の
ダイカスト成形を用いるものと比べて、作業環境の向
上、稼働率の向上、工程の簡素化と言った製造作業性を
向上させることができると共に、二次抵抗や回転バラン
スの変動といった特性悪化も防止することができるとい
う優れた実用的効果を奏する。
【0067】この場合、ロータコアを構成する各鋼板
に、スロット形成孔に加えて矯正孔を設け、軸方向に延
びるスロット内に棒状鍛造材を挿入配置した後その矯正
孔に矯正棒を差込んでスロットのスキューを形成するよ
うにすれば(請求項2のかご形回転子の製造方法)、容
易にスキューを有するスロット内に棒状鍛造材を収容さ
せた状態とすることができる。またこのとき、矯正孔
を、スロット形成孔よりも内周側で、且つ、スロット形
成孔と回転軸とを結ぶ線からずれた位置に形成すれば
(請求項3のかご形回転子の製造方法)、スロット周囲
の磁束の通過幅を確保しながらも、矯正孔をできるだけ
外周側に配置して大きなトルクで矯正作業を行うことが
できる。
【0068】そして、複数個の棒状鍛造材をロータコア
の外周において連結部により連結した形態の連結体を用
いるようにすれば(請求項4のかご形回転子の製造方
法)、棒状鍛造材を1本ずつスロットに挿入する場合に
比べて、挿入作業の大幅な簡単化を図ることができる。
さらには、棒状鍛造材の外面部に、スロットの内面部に
点接触あるいは線接触状態に圧接する凸部を設けるよう
にすれば(請求項5のかご形回転子の製造方法)、棒状
鍛造材のスロットへの挿入力を小さく済ませることがで
きながら、凸部の圧接により棒状鍛造材をスロット内に
保持させることができるようになる。
【0069】本発明の請求項6のかご形回転子の製造方
法によれば、棒状鍛造材及び環状鍛造材を用いた冷間鍛
造により、かご形導体を形成するようにしたので、従来
のダイカスト成形を用いるものと比べて、作業環境の向
上、稼働率の向上、工程の簡素化と言った製造作業性を
向上させることができると共に、二次抵抗や回転バラン
スの変動といった特性悪化も防止することができ、さら
には、小さな加圧力でより安定した加工を行うことがで
きるという優れた効果を奏する。
【0070】この場合、環状鍛造材に棒状鍛造材が嵌合
する穴部を設けるようにすれば(請求項7のかご形回転
子の製造方法)、加圧前の段階において棒状鍛造材に対
する環状鍛造材の位置ずれを防止することができ、これ
と共に、加圧により嵌合部分にて両鍛造材をいわばかし
め結合した状態とすることができ、導体バーとエンドリ
ングとをより強い力で結合させることができるものであ
る。
【0071】請求項8のかご形回転子の製造方法によれ
ば、上記した各かご形回転子の製造方法において、かご
形導体の形成後、そのかご形導体のうちの金属材料の接
合部に電流を流して接合部を融着させるようにしたの
で、ジュール熱により接合部を容易に融着させることが
でき、かご形導体の電気的特性を良好とすることができ
るものである。
【0072】そして、本発明の請求項9のかご形回転子
によれば、棒状鍛造材の加圧成形つまり冷間鍛造によ
り、複数本の導体バーと2個のエンドリングとを一体的
に有するかご形導体を構成することができるので、ダイ
カスト成形によりかご形導体を設ける場合と比べて、高
温設備が必要なくなって製造性が向上すると共に、巣の
発生などを防止できて特性の向上を図ることができるも
のである。
【0073】また、本発明の請求項10のかご形回転子
によれば、棒状鍛造材及び環状鍛造材の加圧成形つまり
冷間鍛造により、複数本の導体バーと2個のエンドリン
グとを一体的に有するかご形導体を構成することができ
るので、ダイカスト成形によりかご形導体を設ける場合
と比べて、高温設備が必要なくなって製造性が向上する
と共に、巣の発生などを防止できて特性の向上を図るこ
とができる。しかも、材料の変形量を小さく済ませるこ
とができて、より小さな加圧力で安定した加工を行うこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、ロータコ
アを鍛造型にセットした様子を示す縦断面図
【図2】鍛造型の型締め状態を示す縦断面図
【図3】一部を縦断面にて示すかご形回転子の正面図
【図4】ロータコアのスロットのスキュー形成時の様子
を順に示す縦断面図
【図5】ロータコアのスロットのスキュー形成前(a)
及び形成後(b)の矯正孔の位置関係を示す平面図
【図6】鋼板のスロット形成孔と矯正孔との位置関係を
示す平面図
【図7】矯正棒の挿入時の様子を示す要部の縦断面図
【図8】接合部の融着時の様子を示す縦断面図
【図9】本発明の第2の実施例を示すもので、棒状鍛造
材をスロットに挿入した状態の平面図
【図10】本発明の第3の実施例を示すもので、連結体
を用いて棒状鍛造材をスロットに収容させる手順を順に
示す平面図
【図11】連結部の切断前(a)及び切断後(b)の状
態を示す図10(c)のb−b線に沿う縦断面図
【図12】本発明の第4の実施例を示すもので、鍛造加
工前のロータコアの縦断面図
【図13】鍛造加工によりかご形導体が形成された様子
を示す縦断面図
【図14】本発明の第5の実施例を示す図12相当図
【図15】図13相当図
【図16】本発明の第6の実施例を示す図12相当図
【符号の説明】
図面中、1はかご形回転子、2,,2932はロータコ
ア、2bは矯正用貫通孔、3はかご形導体、4は珪素鋼
板、4bはスロット形成孔、4cは矯正孔、5,30,
35はスロット、6は導体バー、7,8はエンドリン
グ、9,17,31,41,51,54は棒状鍛造材、
11は矯正棒、13は下型、14は外可動型、15は内
可動型、16は上型、17は外可動型、18は内可動
型、25は電源、26は電極、28は突条部(凸部)、
33は連結部、34は連結体、42,43,52,5
3,55,56は環状鍛造材、42a,43aは穴部を
示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスロットを有するロータコアに、
    前記各スロット内に配置される導体バーとそれら導体バ
    ーの両端部を夫々前記ロータコアの両端面にてリング状
    につなぐ2個のエンドリングとを有するかご形導体を設
    けてなるかご形回転子を製造する方法において、 前記ロータコアの一端面側を受け一方のエンドリングに
    対応する環状凹部を有する受型と、前記ロータコアの他
    端面側に対して相対的に移動することに伴い他方のエン
    ドリングに対応する環状凹部を形成する押型とを用い、 前記ロータコアの各スロット内に金属材料からなり該ス
    ロットの長さよりも長尺な棒状鍛造材を収容した状態
    で、前記ロータコアの一端面側を前記受型にセットし、
    前記ロータコアの他端面に対して前記押型を相対的に移
    動させて前記各棒状鍛造材を加圧して塑性変形させるこ
    とにより、前記各スロット内及び両環状凹部内に前記金
    属材料を充填させて前記かご形導体を形成するようにし
    たことを特徴とするかご形回転子の製造方法。
  2. 【請求項2】 ロータコアは複数枚の鋼板を積層して構
    成されると共に、その各スロットにスキューを有するも
    のにおいて、 前記各鋼板に、前記スロットを形成するスロット形成孔
    を設けると共に、前記各スロット形成孔が軸方向に連続
    するように積層した際に前記スロットのスキューと逆の
    スキューを形成する矯正孔を設け、 前記各鋼板を各スロット形成孔が軸方向に連続するよう
    に積層し、その状態でそれら各スロット内に棒状鍛造材
    を挿入配置し、その後、前記矯正孔に対して軸方向に延
    びる矯正棒を差込んで前記各鋼板を変位させることによ
    り、前記ロータコアの各スロットにスキューを形成する
    と共にそれら各スロット内に前記棒状鍛造材が収容され
    た状態とすることを特徴とする請求項1記載のかご形回
    転子の製造方法。
  3. 【請求項3】 矯正孔は、スロット形成孔よりも内周側
    で、且つ、前記スロット形成孔と回転軸とを結ぶ線から
    ずれた位置に形成されていることを特徴とする請求項2
    記載のかご形回転子の製造方法。
  4. 【請求項4】 複数個の棒状鍛造材をロータコアの外周
    において連結部により連結した形態の連結体を形成し、
    この連結体を前記ロータコアにセットした後前記連結部
    を切断除去することを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のかご形回転子の製造方法。
  5. 【請求項5】 棒状鍛造材の外面部に凸部を設け、この
    棒状鍛造材のスロットへの収容時に、前記凸部が該スロ
    ットの内面部に点接触あるいは線接触状態に圧接するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載のかご形回転子の製造方法。
  6. 【請求項6】 複数のスロットを有するロータコアに、
    前記各スロット内に配置される導体バーとそれら導体バ
    ーの両端部を夫々前記ロータコアの両端面にてリング状
    につなぐ2個のエンドリングとを有するかご形導体を設
    けてなるかご形回転子を製造する方法において、 前記ロータコアの一端面側を受け一方のエンドリングに
    対応する環状凹部を有する受型と、前記ロータコアの他
    端面側に対して相対的に移動することに伴い他方のエン
    ドリングに対応する環状凹部を形成する押型とを用い、 前記ロータコアの各スロット内に金属材料からなる棒状
    鍛造材を収容すると共に該ロータコアの両端面に夫々金
    属材料からなる環状鍛造材を配置した状態で、前記ロー
    タコアの一端面側を前記受型にセットし、前記ロータコ
    アの他端面に対して前記押型を相対的に移動させて前記
    各棒状鍛造材及び環状鍛造材を加圧して塑性変形させる
    ことにより、前記各スロット内及び両環状凹部内に前記
    金属材料を充填させて前記かご形導体を形成するように
    したことを特徴とするかご形回転子の製造方法。
  7. 【請求項7】 環状鍛造材は、棒状鍛造材が嵌合する穴
    部を有することを特徴とする請求項6記載のかご形回転
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 かご形導体の形成後、そのかご形導体の
    うちの金属材料の接合部に電流を流して発熱させること
    により、前記接合部を融着させることを特徴とする請求
    項1ないし7のいずれかに記載のかご形回転子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 複数のスロットを有するロータコアと、 前記各スロット内にて夫々金属材料製の棒状鍛造材を加
    圧充填して設けられた導体バーと、 前記各棒状鍛造材の両端の前記スロットからのはみ出し
    部分を夫々前記ロータコアの両端面にてリング状に結合
    するように加圧成形して設けられた2個のエンドリング
    とを具備してなるかご形回転子。
  10. 【請求項10】 複数のスロットを有するロータコア
    と、 前記各スロット内にて夫々金属材料製の棒状鍛造材を加
    圧充填して設けられた導体バーと、 前記ロータコアの両端面に夫々配置された金属材料製の
    環状鍛造材を前記各棒状鍛造材の両端部に結合するよう
    に加圧成形して設けられた2個のエンドリングとを具備
    してなるかご形回転子。
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