JPH09165370A - ラクタム誘導体およびその塩 - Google Patents

ラクタム誘導体およびその塩

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JPH09165370A
JPH09165370A JP8305427A JP30542796A JPH09165370A JP H09165370 A JPH09165370 A JP H09165370A JP 8305427 A JP8305427 A JP 8305427A JP 30542796 A JP30542796 A JP 30542796A JP H09165370 A JPH09165370 A JP H09165370A
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JP
Japan
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alkyl group
ring
polycyclic compound
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JP8305427A
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English (en)
Inventor
Toru Okayama
徹 岡山
Sumie Seki
澄江 関
Tomoko Hongo
朋子 本郷
Masaji Ogawa
正司 小川
Masaki Hagiwara
昌樹 萩原
Tadanori Morikawa
忠則 森川
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Fuji Yakuhin Kogyo KK
Original Assignee
Fuji Yakuhin Kogyo KK
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中Rはカルボキシル基が置換していてもよいC1
〜6アルキル基を表し、nは1〜5の整数であり、Ar
はフェニル基または以下に定義する縮合多環式化合物残
基を示し、Arはアルキル基、アルコキシ基、またはア
ルキル基で置換されたアミノ基から選択される1つ以上
の置換基を有していてもよく、縮合多環式化合物残基と
してはベンゼン環を含む縮合多環式化合物残基であり、
かつ該ベンゼン環には複素環であってもよい他の環が縮
合し、該多環式化合物残基の環を構成する環数が2〜3
である)で表されるラクタム誘導体又はその塩。 【効果】 新規のラクタム化合物またはその塩が、強
力かつ特異的にトロンビンを阻害し、加えて種々の蛋白
分解酵素によって全く分解されないことから、血栓・塞
栓に基づく種々の疾病の予防ならびに治療薬として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロンビンを可逆的に
阻害して強力な抗凝固作用を示す新規なラクタム誘導体
またはその塩、それらの製造法、ならびにその中間体、
さらにはそれらを有効成分として含有する血液凝固抑制
剤、または血栓もしくは塞栓の予防および/又は治療剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来血栓形成抑制剤としてアンチトロン
ビンIII(以下ATIIIと略す)、ヘパリン、クマ
リン等の薬剤が臨床で使用されている。しかし何れの薬
物も、例えば凝固能のコントロールの難しさとそれに付
随する出血傾向など、何らかの重大な欠点を有する。近
年、既存薬のこれら欠点を克服する薬剤として選択的抗
トロンビン化合物が広く研究されている。これらは作用
機序的に以下の2種に大別できる。ひとつは、薬用ヒル
由来の蛋白性物質ヒルジン及びその誘導体で、これら化
合物はトロンビン分子上のフィブリノーゲン結合部位
(アニオンバインディングエキソサイト)に高い親和性
を有し、トロンビンの生体内基質であるフィブリノーゲ
ンのトロンビンへの結合を強く阻害する。一方、D−フ
ェニルアラニル−L−プロリル−L−アルギナール、
(2R,4R)−4−メチル−1−[N−(3−メチ
ル−1,2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスル
ホニル)−L−アルギニル]−2−ピペリジンカルボン
酸(アルガトロバン)等の低分子ペプチドもしくはアミ
ノ酸誘導体は、トロンビンの触媒部位周辺に高い親和性
を示し、強固な血栓形成に必須のトロンビンによるフィ
ブリノーゲンからフィブリンへの変換を阻害する。近年
アルガトロバンが臨床薬として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれら抗
トロンビン化合物は、構造中に蛋白質構成アミノ酸を一
残基以上含有することから、何れの投与経路によっても
蛋白分解酵素によって分解され、短時間で不活性化す
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記実状に鑑み本発明者
らは、構造中に蛋白質構成アミノ酸を含まない種々の化
合物を合成し、その薬理作用を鋭意検討した結果、新規
のラクタム化合物またはその塩が、強力かつ特異的にト
ロンビンを阻害することによって血液凝固系の作用を抑
制することを見いだした。加えて血中の種々の蛋白分解
酵素によって全く分解されず、さらには胃液と同等の酸
性条件下においても安定であることから、いかなる投与
経路においても血栓・塞栓に基づく種々の疾病の予防な
らびに治療薬として有用であることを見いだし、本発明
を完成した。すなわち本発明は次の一般式(1)
【0005】
【化10】
【0006】(式中Rはカルボキシル基が置換してい
てもよいC1〜6アルキル基を表し、nは1〜5の整数
であり、Arはフェニル基または以下に定義する縮合多
環式化合物残基を示し、Arはアルキル基、アルコキシ
基、またはアルキル基で置換されたアミノ基から選択さ
れる1つ以上の置換基を有していてもよく、縮合多環式
化合物残基としてはベンゼン環を含む縮合多環式化合物
残基であり、かつ該ベンゼン環には複素環であってもよ
い他の環が縮合し、該多環式化合物残基の環を構成する
環数が2〜3である)で表されるラクタム誘導体又はそ
の塩及びそれら製法ならびにその中間体、さらにはそれ
らを有効成分として含有する血液凝固抑制剤または血栓
もしくは塞栓の予防および/又は治療剤にかかるもので
ある。
【0007】さらに詳しくは本発明化合物等は、例えば
以下の反応式に従って製造することができる。なお、式
中、R、n、およびArは前記と同じであり、R
は、アルコキシ基、アルキルチオ基、スルホニル基、
アルキル基が置換していてもよいイミダゾリル基、ピラ
ゾリル基であり、アルキル基としては直鎖又は分枝鎖の
いずれでもよく、Y1およびY2はアミノ基の保護基で
ある。
【0008】
【化11】
【0009】さらには、(1)一般式(1)(式中
、n、およびArは前記に同じ)で表されるラクタ
ム誘導体又はその塩、(2)一般式(1)においてR
がブチル基または1−カルボキシブチル基であり、nが
2〜4の整数であり、Arはアルキル基、アルコキシ
基、またはアルキル基で置換されたアミノ基から選択さ
れる1つ以上の置換基を有していてもよいナフチル基又
はジベンゾフラニル基であることを特徴とする請求項1
のラクタム誘導体又はその塩、(3)一般式(2)(式
中R、n、Ar、およびY1は前記に同じ)で表され
る化合物の保護基Y1を脱離した後、一般式(3)(式
中Rは前記に同じ)で表されるアミジノ化合物と反応
させる一般式(1)で表されるラクタム誘導体又はその
塩の製法、(4)一般式(2)(式中R、n、Ar、
およびY1は前記に同じ)で表される化合物、(5)一
般式(4)(式中R、n、YLおよびY2は前記に同
じ)で表されるラクタム誘導体の保護基のうちY2を脱
離した後、ArSOX(式中Arは前記に同じ、Xは
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択されるハロゲン原
子である)で表されるスルホン酸ハライドと反応させる
ことよりなる一般式(2)で表される化合物の製法、
(6)一般式(4)(式中R、n、およびY1は前記
に同じ)で表される化合物の保護基のうちY2を脱離し
た後、ArSOX(ArおよびXは前記に同じ)で表
されるスルホン酸ハライドと反応させて一般式(2)
(式中R、n、Ar、およびY1は前記に同じ)で表
される化合物を得た後、保護基Y1を脱離した後、一般
式(3)(Rは前記に同じ)で表されるアミジノ化合
物と反応させることよりなる一般式(1)で表されるラ
クタム誘導体又はその塩の製法、(7)一般式(4)
(式中R、n、Ar、Y1およびY2は前記に同じ)
で表される化合物、(8)項(1)又は項(2)記載の
ラクタム誘導体又はその塩を有効成分として含有する血
液凝固抑制剤、(9)項(1)又は項(2)記載のラク
タム誘導体又はその塩を有効成分として含有する血栓も
しくは塞栓の予防および/又は治療剤にかかるものであ
る。
【0010】本発明の一般式(1)で表される化合物に
於いて、RのC1〜6のアルキル基としては直鎖状、
および分枝状のいずれをも挙げることができ、具体例と
してはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、第二または第三ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙
げられる。nは1〜5の整数を表すが、好ましくは2〜
4であり、Rにカルボキシル基が置換する場合、置換
位置はいずれの炭素原子上でも可能であるが、好ましく
は1位である。また、Arはフェニル基または縮合多環
式化合物残基を表すが、Arが縮合多環式化合物の場合
は、具体的には、ナフチル基、アンスルリル基、フェナ
ンスリル基、フルオレニル基、ベンゾフラニル基、ジベ
ンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、キノリル基、イ
ソキノリル基、テトラヒドロキノリル基、テトラヒドロ
イソキノリル基等が挙げられる。これらフェニル基また
は縮合多環式化合物残基は、置換基を有していてよく、
置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、置換基を有
していてもよいアミノ基など挙げられる。これら置換基
は単独又は複数が組み合わされて置換されていてもよ
く、またいずれの環が化合物に結合されていてもよい。
上記多環式化合物残基のベンゼン環と一般式(1)中の
スルフォニル基とが結合するが、ベンゼン環上の結合位
置は特に限定されない。また縮合多環式化合物残基の環
の数は2〜3が好ましい。
【0011】本発明化合物(1)には、ラクタム環中の
カルボニル基のα炭素ならびにRにカルボキシル基が
置換している場合、カルボキシル基に結合している炭素
原子の不斉に由来する光学異性体、あるいは立体異性体
が存在するが、これらの光学異性体、立体異性体および
これらの混合物のいずれも本発明に含まれる。本発明化
合物(1)の塩としては、医薬的に許容しうる塩であれ
ば特に限定されないが、具体的には、塩酸塩、臭化水素
酸塩、ヨウ化水素酸塩、燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱
酸塩類;メタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンス
ルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機スルホ
ン酸塩類;並びに酢酸塩、プロパン酸塩、シュウ酸塩、
マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸
塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸
塩等の有機カルボン酸塩類が挙げられる。
【0012】すなわち、α−アミノ酸を原料として、文
献既知の方法[例えばZydowskyらの方法(Jo
urnal of Organic Chemistr
y,53巻,5607〜5616頁(1988年))]
に従って誘導できる式(4)で表される適当な保護基で
保護されたジアミンのうち保護基Y2のみを脱保護す
る。Y2の保護基としてはベンジルオキシカルボニル基
(以下Z基とする)、tert−ブトキシカルボニル基
(以下Boc基とする)、2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカル
ボキル基を用い、特にZ基が好ましい。Y1の保護基と
してはZ基、Boc基、2,2,2−トリクロロエトキ
シカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボ
キル基を用い、特にBoc基が好ましい。触媒存在下接
触水素化反応によってY2基を除去する。この際の触媒
は、パラジウム、白金、ニッケル、ルテニウムもしくは
それらの酸化物を単独でもしくは炭素末などに担持させ
たものを使用し、特にパラジウム炭素が好ましく、反応
溶媒はメタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
第2ブチルアルコール、第3ブチルアルコール、酢酸、
プロピオン酸、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
ヒドロフラン等を単独もしくは混合して用い、特にメタ
ノールが好ましく、反応温度は0〜80℃、特に15〜
50℃が好ましく、反応時間は30分〜48時間、特に
1〜24時間が好ましい。
【0013】かくして得られる遊離アミノ基上に適当な
スルホニル化試薬を用いて塩基存在下ArSO基(A
rはフェニル基または以下に定義する縮合多環式化合物
残基を示し、Arはアルキル基、アルコキシ基、または
アルキル基で置換されたアミノ基から選択される1つ以
上の置換基を有していてもよく、縮合多環式化合物残基
としてはベンゼン環を含む縮合多環式化合物残基であ
り、かつ該ベンゼン環には複素環であってもよい他の環
が縮合し、該多環式化合物残基の環を構成する環数が2
〜3である)を導入する。この際スルホニル化試薬とし
てはハロゲン化スルホニル、スルホン酸無水物等を用
い、特に塩化スルホニルが好ましく、塩基としてはトリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリ
ジン等の有機塩基もしくは水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基を固体もしく
は水、アルコール等に溶解して使用し、特に炭酸ナトリ
ウム水溶液が好ましく、反応溶媒は塩化メチレン、クロ
ロホルム、ベンゼン、ヘキサン、N,N’−ジメチルホ
ルムアミド等を単独もしくは混合して用い、特に塩化メ
チレンが好ましく、反応温度は−30〜100℃、特に
0〜60℃が好ましく、反応時間は30分〜72時間、
特に3〜48時間が好ましい。
【0014】かくして得られた化合物(2)は、保護基
Y1で保護されたアミノ基を脱保護する。酸処理によっ
てY1基を除去後、式(3)で表される適当なアミジノ
化合物を作用させて目的とするラクタム誘導体(1)を
製造することができる。脱保護反応において酸として、
塩化水素、臭化水素酸、フッ化水素酸等の無機酸もしく
は酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸等の有機酸を単独もしくは混合
して用い、特に塩化水素が好ましく、反応溶媒は塩化メ
チレン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルム
アミド、酢酸エチル等を単独もしくは混合して用い、特
に酢酸エチルが好ましく、反応温度は−30〜60℃、
特に0〜30℃が好ましく、反応時間は5分〜6時間、
特に30分〜2時間が好ましい。
【0015】アミジノ化反応において、アミジノ化試薬
としてはS−メチルイソチオ尿素、0−メチルイソ尿
素、3,5−ジメチルピラゾール−1−カルボキシアミ
ジン、1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン等を
用い、特に3,5−ジメチルピラゾール−1−カルボキ
シアミジンが好ましく、反応溶媒は塩化メチレン、クロ
ロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
N,N−ジメチルホルムアミドを単独もしくは混合して
用い、特にN,N’−ジメチルホルムアミドが好まし
く、反応温度は−10〜80℃、特に0〜40℃が好ま
しく、反応時間は30分〜60時間、特に3〜24時間
が好ましい。
【0016】かくして得られるラクタム誘導体(1)お
よびその塩は、特異的かつ優れた抗トロンビン作用を有
し、血液凝固系を抑制することにより、血液凝固抑制
剤、血栓・塞栓の予防および/又は治療薬として有用で
ある。これらラクタム誘導体は血中ならびに人工胃液中
できわめて安定性に優れていることから、経口、非経口
のいずれでも投与することができる。本発明化合物の投
与量は患者の症状、年齢、体重等により適宜増減しても
よい。一般的には経口投与の場合、成人一人当たり1〜
1000mg/日が適当である。投与剤型としては錠
剤、カプセル剤、散財、顆粒剤等が挙げられる。これは
通常の賦形剤、潤沢剤、結合剤等の添加物と共に、公知
の製剤技術により製造できる。また、非経口投与の場合
成人一人当たり0.1〜100mg/日、好ましくは1
〜30mg/日を皮下、静脈内注入、点滴静脈内注入す
るのが適当である。
【0017】
【作用】このラクタム誘導体又はその塩は、トロンビン
を特異的に阻害しかつ生体内で分解され難い構造を有す
ることによる優れた血液凝固抑制作用を有し、血栓およ
び/又は塞栓に基づく種々の疾病の予防および/又は治
療薬として有用である。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定され
るものではない。また、以下の実施例中で下記の略号を
使用した。 Arg アルギニン Asp アスパラギン酸 9−BBN 9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン BocO ジ−tertブチルジカルボナート DMF N,N−ジメチルフォルムアミド Glu グルタミン酸 Gly グリシン Ile イソロイシン MCA 4−メチルクマリル−7−アミド Pro プロリン PT プロトロンビン時間 TEA トリエチルアミン TES トリエチルシリル TES−Cl 化トリエチルシリル THF テトラヒドロフラン p−TsOH パラトルエンスルホン酸 Val バリン
【0019】(実施例1)1−ブチル−3−(6,7−
ジメトキシ−2−ナフチルスルフォニル)アミノ−3−
(3−グアニジノプロピル)−2−ピロリジノン塩酸塩 (1)(S)−3−(ベンジルオキシカルボニル)−5
−オキソオキサゾリジン酢酸Z−Asp−OH(13.
4g)、パラホルムアルデヒド(4.4g)およびp−
トルエンスルホン酸(1g)をベンゼン(500ml)
に加え、生成する水を連続的に除去しながら1時間加熱
還流した。反応液を放冷後飽和重曹水にて抽出し、氷冷
下6N塩酸を加えてpHを2に調整し、エーテル抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ム乾燥してから溶媒を減圧留去して無色油状物14.3
g(102%)を得た。
【0020】(2)(4S)−3−(ベンジルオキシカ
ルボニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−
オキサゾリン−5−オン 上記(1)で得た(S)−3−(ベンジルオキシカルボ
ニル)−5−オキソオキサゾリジン酢酸(14.0g)
を無水テトラヒドロフランに溶解し、−16℃で攪拌下
1M−ボラン・テトラヒドロフランコンプレックス(7
5ml)を20分で滴下した。そのまま10分攪拌後、
氷冷下1時間30分、さらに室温で3時間攪拌した。反
応液をジエチルエーテルと氷水中に投入し、分液して水
層をさらにエーテル抽出した。有機層を集め、1M−硫
酸水素カリウム水溶液、飽和重曹水,飽和食塩水の順に
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ベンゼン:酢酸エチル=2:1)にて精製して目的
物8.74g(65.9%)を無色油状物として得た。
H NMR(CDCl,TMS)δ7.36(s,
5H),5.18(s,2H),5.08−4.76
(m,2H),4.76−3.97(m,3H),3.
44(m,1H),2.50(m,2H);FAB−M
S:M+H266
【0021】(3)(4S)−3−(ベンジルオキシカ
ルボニル)−4−(2−トリエチルシロキシエチル)−
1,3−オキサゾリジン−5−オン 上記(2)で得た(4S)−3−(ベンジルオキシカル
ボニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オ
キサゾリン−5−オン(4.94g)をDMFに溶解
し、氷冷攪拌下イミダゾール(3.17g)、次いでT
ES−Cl(3.75ml)を加え、そのまま2時間攪
拌した。反応液をジエチルエーテルと氷水中に投入し、
分液して水層をさらにエーテル抽出した。有機層を集
め、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)
にて精製して目的物6.31g(89.4%)を無色油
状物として得た。H NMR(CDCl,TMS)
δ7.34(s,5H),5.17(brs,2H),
5.01(d,J=8.4Hz,1H),4.89
(d,J=8.4Hz,1H),4.38(t,J=
9.5Hz,2H),4.20(t,J=7.2Hz,
1H),2.66(dt,J=7.2,9.5Hz,2
H),0.86(t,J=7.7Hz,9H),0.6
0(q,J=7.7Hz,6H);FAB−MS:M+
H380
【0022】(4)3−(ベンジルオキシカルボニル)
−4−(2−プロペニル)−4−(2−トリエチルシロ
キシエチル)−1,3−オキサゾリジン−5−オン 上記(3)で得た(4S)−3−(ベンジルオキシカル
ボニル)−4−(2−トリエチルシロキシエチル)−
1,3−オキサゾリジン−5−オン(6.30g)をT
HFに溶解し、−78℃に冷却攪拌下0.5Mビストリ
メチルシルアミドカリウムトルエン溶液(34ml)を
26分で滴下した。そのまま3分間攪拌後、臭化アリル
(2.85ml)を滴下した。その後−10℃まで昇温
し、反応液を氷冷下10%クエン酸中に投入し、エーテ
ル抽出した。有機層を集め、飽和重曹水、飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル200ml、ヘキサン:酢酸エチル=
8:1)にて精製して目的物4.81g(69.0%)
を無色油状物として得た。H NMR(CDCl
TMS)δ7.34(s,5H),5.72(m,1
H),5.53−4.95(m,3H),5.15
(s,2H),4.79(d,J=10.8Hz,1
H),4.20(m,2H),2.73(d,J=6.
9Hz,2H),2.40(m,2H),0.89
(t,J=6.8Hz,9H),0.53(q,J=
6.8Hz,6H);FAB−MS:M+H420
【0023】(5)3−(ベンジルオキシカルボニル)
−4−(2−プロペニル)−4−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1,3−オキサゾリジン−5−オン 上記(4)で得た(4S)−3−(ベンジルオキシカル
ボニル)−4−(2−トリエチルシロキシエチル)−
1,3−オキサゾリジン−5−オン(3.95g)をT
HF(10ml)に溶解し、67%AcOH(50m
l)を加えて50℃で50分攪拌した。反応液を濃縮
後、エーテルに溶解し、飽和重曹水および飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ベンゼン:酢酸エチル=4:1)にて精製して目的
物2.66g(92.7%)を無色油状物として得た。
1H NMR(CDCl3,TMS)d7.33(m,
5H),5.84−4.80(m,7H),3.88−
3.23(m,2H),3.20−1.90(m,5
H);FAB−MS:M+H306
【0024】(6)3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−1−ブチル−3−(2−プロペニル)−2−ピロリ
ジノン 上記(5)で得た3−(ベンジルオキシカルボニル)−
4−(2−プロペニル)−4−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1,3−オキサゾリジン−5−オン(3.48
g)をベンゼンに溶解し、室温で攪拌しながらイミダゾ
ール(1.94g)、トリフェニルホスフィン(5.9
8g)およびI(5.79g)を順に加えた。そのま
ま1時間攪拌後、析出する不溶物を濾別し、濾液を飽和
亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼン溶出)にて精
製して得られた無色油状物をベンゼン(20ml)に溶
解し、ブチルアミン(22.5ml)中に室温攪拌下3
0分で滴下し、さらに60℃で10時間攪拌した。反応
液を減圧留去し、酢酸エチルに溶解して1N塩酸,飽和
重曹水,飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル=
5:1)にて精製して目的物1.21g(32.1%)
を無色油状物として得た。H NMR(CDCl
TMS)δ7.32(s,5H),5.93−5.15
(m,3H),5.06(s,2H),3.53−3.
06(m,4H),2.62−2.22(m,4H),
1.70(s,1H),1.70−1.10(m,4
H),0.93(t,J=6.1Hz,3H);FAB
−MS:M+H331
【0025】(7)3−べンジルオキシカルボニルアミ
ノ−1−ブチル−3−(3−ピドロキシプロピル)−2
−ピロリジノン 上記(6)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−1−ブチル−3−(2−プロペニル)−2−ピロリジ
ノン(1.21g)をTHFに溶解し、室温攪拌下0.
5M9−BBN THF溶液(11ml)を滴下した。
そのまま14時間攪拌後、水(1ml)を加えて15分
攪拌してから氷冷攪拌下2N水酸化ナトリウム(18m
l)と30%H(18ml)を同時に滴下した。
室温で1時間攪拌後エーテル抽出後、有機層を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
減圧留去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メタノール=50:1)にて精
製して目的物1.05g(82.7%)を白色無定形固
体として得た。H NMR(CDCl,’TMS)
δ7.30(s,5H),6.22(brs,1H),
5.03(s,2H),3.90−2.10(m,2
H),2.00−1.05(m,9H),0.92
(t,J=5.9Hz,3H);FAB−MS:M+H
349
【0026】(8)3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−1−ブチル−3−(3−フタルイミドプロピル)−
2−ピロリジノン 上記(7)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−1−ブチル−3−(3−ヒドロキシプロピル)−2−
ピロリジノン(500mg)、トリフェニルホスフィン
(453mg)およびフタルイミド(233mg)をT
HF(10ml)に溶解し、氷冷攪拌下アゾジカルボン
酸ジエチル(0.272ml)を滴下した。4℃で14
時間攪拌後、溶媒を減圧留去し、エーテルを加えて不溶
物を濾別後濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)
にて精製して目的物970mgを無色油状物として定量
的に得た。H NMR(CDCl,TMS)δ7.
95−7.43(m,4H),7.32(s,5H),
5.50(brs,1H),5.03(s,2H),
3.65(t,J=5.6Hz,2H),3.30
(t,J=7.2Hz,2H),3.23(t,J=
7.0Hz,2H),2.39(t,J=7.2Hz,
2H),2.00−1.61(m,4H),1.55−
1.05(m,4H),0.91(t,J=6.7H
z,3H);FAB−MS:M+H478
【0027】(9)3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−1−ブチル−3−(3−tertブトキシカルボニ
ルアミノプロピル)−2−ピロリジノン 上記(8)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−1−ブチル−3−(3−フタルイミドプロピル)−2
−ピロリジノン(667mg)をエタノールに溶解し、
ヒドラジン1水和物(0.34ml)を加えて30分加
熱還流した。析出した不溶物を濾別後、濃塩酸を加えて
pHを2に調整し、再び析出する不溶物を濾別した。瀘
液を減圧濃縮し、残渣に10%炭酸ナトリウム水溶液を
加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層にBoc
(488mg)および10%炭酸ナトリウム水溶液を加
え、室温で1時間激しく攪拌した。反応液を分液し、有
機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル=
3:1)にて精製して目的物570mg(89%)を無
色油状物として得た。H NMR(CDCl,TM
S)δ7.32(s,5H),5.47(brs,1
H),5.08(s,2H),4.51(m,1H),
3.36(t,J=6.9Hz,2H),3.12
(t,J=7.0Hz,2H),3.05(t,J=
7.0Hz,2H),2.38(t,J=7.0Hz,
2H),2.00−1.10(m,8H),1.41
(s,9H),0.95(t,J=6.7Hz,3
H);FAB−MS:M+H448
【0028】(10)3−(3−tertブトキシカル
ボニルアミノプロピル)−1−ブチル−3−(6,7−
ジメトキシ−2−ナフチルスルフォニル)アミノ−2−
ピロリジノン 上記(9)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−1−ブチル−3−(3−tertブトキシカルボニル
アミノプロピル)−2−ピロリジノン(570mg)を
メタノールに溶解し、10%パラジウム炭素を加えて水
素雰囲気下室温で2時間攪拌した。触媒を濾別後、溶媒
を減圧留去して無色油状物を得た。これを塩化メチレン
に溶解し、塩化6,7−ジメトキシ−2−ナフチルスル
フォニル(704mg)および10%炭酸ナトリウム水
溶液を加えて30時間加熱還流した。反応液を分液し、
有機層を1N塩酸および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1)にて精製して目的物450m
g(63%)を無色油状物として得た。H NMR
(CDCl,TMS)δ8.28(brs,1H),
7.72(d,J=1.0Hz,2H),7,13
(d,J=5.1Hz,2H),5.71(s,1
H),4.53(t,J=5.6Hz,1H),4.0
3(s,3H),4.00(s,3H),3.45−
2.76(m,6H),2.68−2.00(m,2
H),1.98−1.00(m,8H),1.38
(s,9H),0.87(t,J=6.4Hz,3
H);FAB−MS:M+H564
【0029】(11)1−ブチル−3−(6,7−ジメ
トキシ−2−ナフチルスルフォニル)アミノ−3−(3
−グアニジノプロピル)−2−ピロリジノン塩酸塩 上記(10)で得た3−(3−tertブトキシカルボ
ニルアミノプロピル)−1−ブチル−3−(6,7−ジ
メトキシ−2−ナフチルスルフォニル)アミノ−2−ピ
ロリジノン(450mg)を氷冷下4N塩酸/酢酸エチ
ル溶液に溶解し、室温で30分攪拌した。析出する固体
を濾取し、エーテル洗浄後減圧乾燥して白色固体を得
た。これをDMFに溶解し、氷冷攪拌下硝酸3,5−ジ
メチルピラゾール−1−カルボキシアミジン(644m
g)、TEA(0.56ml)を加えた後、室温で15
時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣クロロホルム
に溶解した。2N水酸化ナトリウムで洗浄後、2.9N
塩酸/酢酸エチル溶液を加えてpHを4に調整し、溶媒
を減圧留去した。得られた塩酸塩を水に溶解し、ダイヤ
イオンHP−20にチャージした。含水メタノールにて
溶出して粗生成物を無色油状物として400mg得た。
これをクロロホルム−エーテルより固化して標題の化合
物を白色粉末として300mg(74%)得た。m.
p.126−131;H NMR(CDOD,TM
S)δ8.16(s,1H),7.60(s,2H),
7.52(m,2H),7.15(m,2H),7.0
3(d,J=6.7Hz,2H),3.93(s,6
H),3.40−2.65(m,6H),2.60−
1.45(m,6H),1.45−0.90(m,5
H),0.72(t,J=4.6Hz,3H);FAB
−MS:M+H506
【0030】(実施例2)1−ブチル−3−(6,7−
ジメトキシ−2−ナフチルスルフォニル)アミノ−3−
(3−グアニジノプロピル)−2−ピペリドン塩酸塩 (1)(S)−3−(ベンジルオキシカルボニル)−5
−オキソ−オキサゾリジンプロピオン酸Z−Glu−O
H(28.1g、パラホルムアルデヒド(5g)および
p−TsOH(1g)をベンゼン(700ml)に加
え、生成する水を連続的に除去しながら5時間加熱還流
した。反応液を放冷し、飽和食塩水で洗浄後、飽和重曹
水にて3回抽出した。抽出液をエーテル洗浄後、氷冷下
6N−HClを加えてpHを2に調整し、酢酸エチル抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウム乾燥してから溶媒を減圧留去して目的物を無色油
状物として25.6g(87.4%)得た。
【0031】(2)(4S)−3−(ベンジルオキシカ
ルボニル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3
−オキサゾリジン−5−オン 上記(1)で得た(S)−3ベンジルオキシカルボニ
ル)−5−オキソ−オキサゾリジンプロピオン酸(1
5.5g)をTHFに溶解し、−18℃で攪拌下1M−
ボラン・テトラヒドロフランコンプレックス(56m
l)を25分で滴下した。−4℃で30分、さらに室温
で4時間攪拌した。反応液をジエチルエーテルと氷水中
に投入し、分液して水層をさらにエーテル抽出した。有
機層を集め、1M硫酸水素カリウム水溶液、飽和重曹水
および飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル=
2:1)にて精製して目的物12.4g(83.8%)
を無色油状物として得た。H NMR(CDC1
TMS)δ7.35(s,5H),5.50(d,J=
4.6Hz,1H),5.20(d,J=4.6Hz,
1H),4.34(t,J=5.6Hz,2H),3.
59(t,J=6.2Hz,2H),2.65(br
s,1H),2.38−1.30(m,4H);FAB
−MS:M+H280
【0032】(3)(4S)−3−(ベンジルオキシカ
ルボニル)−4−(3−トリエチルシロキシプロピル)
−1,3−オキサゾリジン−5−オン 上記(2)で得た(4S)−3−(ベンジルオキシカル
ボニル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−
オキサゾリジン−5−オン(2.00g)をDMFに溶
解し、氷冷攪拌下イミダゾール(1.22g)、次いで
TES−Cl(1.44ml)を加え、そのまま3時間
攪拌した。反応液を氷水中に投入し、エーテル抽出し
た。有機層を集め、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ
チル=5:1)にて精製して目的物1.93g(68.
4%)を無色油状物として得た。H NMR(CDC
,TMS)δ7.37(s,5H),5.54
(d,J=5.1Hz,1H),5.22(d,J=
5.1Hz,1H),5.20(s,2H),4.36
(t,J=5.9Hz,1H),3.61(t,J=
6.1Hz,2H),2.20−1.14(m,4
H),0.95(m,9H),0.56(m,6H);
FAB−MS:M+H394
【0033】(4)3−(ベンジルオキシカルボニル)
−4−(2−プロペニル)−4−(3−トリエチルシロ
キシプロピル)−1,3−オキサゾリジン−5−オン 上記(3)で得た(4S)−3−(ベンジルオキシカル
ボニル)−4−(3−トリエチルシロキシプロピル)−
1,3−オキサゾリジン−5−オン(39.8g)をT
HFに溶解し、−78℃に冷却攪拌下0.5Mビストリ
メチルシルアミドカリウムトルエン溶液(222ml)
を90分で滴下した。そのまま3分間攪拌後、臭化アリ
ル(17.5ml)を10分で滴下した。その後3時間
かけて室温まで昇温し、反応液を飽和塩化アンモニウム
水溶液中に投入し、エーテル抽出した。有機層を集め、
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ベンゼン溶出)にて精製して目的物
30.4g(70.0%)を無色油状物として得た。
H NMR(CDCl,TMS)δ7.36(s,5
H),5.83−4.76(m,7H),3.52(d
t,J=7.0,7.0Hz,2H),3.20−1.
12(m,6H),0.92(m,9H),0.53
(m,6H);FAB−MS:M+H434
【0034】(5)3−(ベンジルオキシカルボニル)
−4−(2−プロペニル)−4−(3−ヒドロキシエチ
ル)−1,3−オキサゾリジン−5−オン 上記(4)で得た3−(ベンジルオキシカルボニル)−
4−(2−プロペニル)−4−(3−トリエチルシロキ
シプロピル)−1,3−オキサゾリジン−5−オン
(3.95g)をTHF(10ml)に溶解し、67%
AcOH(50ml)を加えて50℃で50分攪拌し
た。反応液を濃縮後、エーテルに溶解し、飽和重曹水、
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル=4:1)に
て精製して目的物2.66g(92.7%)を無色油状
物として得た。H NMR(CDCl,TMS)δ
7.33(m,5H),5.85−4.78(m,7
H),3.50(dt,J=6.9,7.0Hz,2
H),3.20−1.05(m,7H);FAB−M
S:M+H320
【0035】(6)3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−1−ブチル−3−(2−プロペニル)−2−ピペリ
ドン 上記(5)で得た3−(ベンジルオキシカルボニル)−
4−(2−プロペニル)−4−(3−ヒドロキシエチ
ル)−1,3−オキサゾリジン−5−オン(4.47
g)をベンゼンに溶解し、室温で攪拌しながらイミダゾ
ール(2.38g)、トリフェニルホスフイン(7.3
4g)およびI(7.11g)を順に加えた。そのま
ま40分攪拌後、析出する不溶物を濾別し、濾液を飽和
亜硫酸ナトリウム、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ベンゼン溶出)にて精製して
目的物を無色油状物としてヨード体5.14g(85.
5%)得た。上記ヨード体(4.72g)をべンゼンに
溶解し、n−ブチルアミン(21.7ml)中に室温攪
拌下40分で滴下した。そのまま1時間30分攪拌後、
反応液を減圧留去し、酢酸エチルに溶解して1N塩酸、
飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチ
ル=10:1)にて精製して目的物2.89g(76.
3%)を白色結晶として得た。m.p.74−75(ペ
ンタンより再結晶);H NMR(CDCl,TM
S)δ7.31(brs,5H),6.03−5.52
(m,2H),5.18(brs,1H),5.04
(s,2H),3.64−2.98(m,4H),2.
58(brd,J=7.2Hz,2H),2.44−
2.10(m,2H),2.05−1.70(m,2
H),1.70−1.07(m,5H),0.91
(t,J=6.7Hz,3H);FAB−MS:M+H
345
【0036】(7)3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−1−ブチル−3−(3−ヒドロキシプロピル)−2
−ピペリドン 上記(6)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−1−ブチル−3−(2−プロペニル)−2−ピペリド
ン(2.76g,8.00mmol)をTHFに溶解
し、室温攪拌下0.5M9−BBNTHF溶液(24m
l)を滴下した。そのまま15時間攪拌後、水を加えて
10分攪拌してから氷冷攪拌下2N水酸化ナトリウム
(35ml)と30%過酸化水素水(35ml)を同時
に滴下した。室温で1時間攪拌後エーテル抽出し、有機
層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル=)にて精
製して目的物2.59g(89.3%)を無色油状物と
して得た。H NMR(CDCl,TMS)d7.
34(s,5H),6.18(brs,1H),5.0
5(s,2H),3.57(t,J=5.9Hz,2
H),3.44−3.00(m,4H),2.78(b
rs,1H),2.56−1.07(m,12H),
0.90(t,J=6.2Hz,3H);FAB−M
S:M+H363
【0037】(8)3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−1−ブチル−3−(3−フタルイミノプロピル)−
2−ピペリドン 上記(7)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−1−ブチル−3−(3−ヒドロキシプロピル)−2−
ピペリドン(2.36g)、トリフェニルホスフィン
(2.05g)およびフタルイミド(1.15g)をT
HFに溶解し、氷冷攪拌下アゾジカルボン酸ジエチル
(1.12ml)を滴下した。室温で14時間攪拌後、
溶媒を減圧留去し、酢酸エチルに溶解して1N塩酸、飽
和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチル
=5:1)にて精製して目的物3.43g(107%)
を無色油状物として得た。HNMR(CDCl,T
MS)δ7.90−7.63(m,4H),7.33
(s,5H),5.81(brs,1H),5.03
(s,2H),3.65(t,J=5.9Hz,2
H),3.48−3.03(m,4H),2.55−
1.05(m,12H),0.89(t,J=6.4H
z,3H);FAB−MS:M+H492
【0038】(9)3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−1−ブチル−3−(3−tertブトキシカルボニ
ルアミノプロピル)−2−ピペリドン 上記(8)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−1−ブチル−3−(3−フタルイミノプロピル)−2
−ピペリドン(20.8g)をエタノールに溶解し、ヒ
ドラジン1水和物(4.85ml)を加えて油浴上で1
時間加熱還流した。析出した不溶物を濾別後、濃塩酸を
加えてpHを2に調整し、再び析出する不溶物を濾別し
た。瀘液を減圧濃縮し、残渣に10%炭酸ナトリウム水
溶液を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層にBo
O(11.3g)および飽和重曹水を加え、室温で
16時間激しく攪拌した。反応液を分液し、有機層を飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=90:
1)にて精製後、クロロホルム−ヘキサンより再結晶し
て目的物14.4gを白色結晶として得た。m.p.8
7−88℃;H NMR(CDCl,TMS)δ
7.31(s,5H),5.95(brs,1H),
5.03(s,2H),4.90(t,J=6.4H
z,1H),3.58−2.85(m,6H),2.5
0−2.13(m,2H),2.00−1.05(m,
10H),1.40(s,9H),0.90(t,J=
6.4Hz,3H);FAB−MS:M+H462
【0039】(10)3−(3−tertブトキシカル
ボニルアミノプロピル)−1−ブチル−3−(6,7−
ジメトキシ−2−ナフチルスルフォニル)アミノ−2−
ピペリドン 上記(9)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−1−ブチル−3−(3−tertブトキシカルボニル
アミノプロピル)−2−ピペリドン(14.3g)をメ
タノールに溶解し、10%パラジウム炭素を加えて水素
雰囲気下室温で21時間攪拌した。触媒を濾別後、溶媒
を減圧留去後クロロホルムに溶解し、塩化6,7−ジメ
トキシ−2−ナフチルスルフォニル(26.7g)およ
び10%炭酸ナトリウム水溶液(93.0ml)を加え
て45℃で30時間反応した。反応液に10%クエン酸
を加えてpHを3に調整後分液し、有機層を飽和食塩水
で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ベンゼン:酢酸エチル=3:2)にて精製して
目的物16.7g(93.3%)を無色無定形固体とし
て得た。1H NMR(CDCl3,TMS)d8.2
5(brs,1H),7.72(d,J=1.2Hz,
2H),7,17(d,J=5.6Hz,2H),6.
00(brs,1H),4.60(t,J=5.9H
z,1H),4.01(s,6H),3.25−2.7
0(m,6H),2.25−2.00(m,2H),
1.92−1.00(m,10H),1.42(s,9
H),0.87(brt,J=6.4Hz,3H);F
AB−MS:M+H578
【0040】(11)1−ブチル−3−(6,7−ジメ
トキシ−2−ナフチルスルフォニル)アミノ−3−(3
−グアニジノプロピル)−2−ピペリドン塩酸塩 上記(10)で得た3−(3−tertブトキシカルボ
ニルアミノプロピル)−1−ブチル−3−(6,7−ジ
メトキシ−2−ナフチルスルフォニル)アミノ−2−ピ
ペリドン(16.0g)を氷冷下5N塩酸/酢酸エチル
溶液に溶解し、室温で35分攪拌した。折出する固体を
濾取し、エーテル洗浄後減圧乾燥して白色固体14.0
g(95.9%)を得た。これを氷冷攪拌下硝酸3,5
−ジメチルピラゾール−1−カルボキシアミジン(64
4mg)、TEA(560ml)を予め溶解したDMF
(100ml)溶液に加え、室温で23時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮後、残渣クロロホルムに溶解した。1
N水酸化ナトリウムで洗浄後、氷冷下5N塩酸/酢酸エ
チル溶液を加えてpHを2に調整後、溶媒を減圧留去し
た。得られた塩酸塩を水に溶解し、ダイヤイオンHP−
20にチャージした。水洗の後、含水メタノールにて溶
出し、溶媒を減圧濃縮して粗生成物をMeOH−エーテ
ルより固化して12.3g(79.6%)を得た。m.
p.199−210;H NMR(CDOD,TM
S)δ8.23(s,1H),7.72(s,2H),
7.60(m,1H),7.17(d,J=6.4H
z,2H),7.00(m,3H),3.98(s,6
H),3.45−2.80(m,6H),2.40−
1.50(m,8H),1.50−1.00(m,5
H),0.82(brt,J=5.1Hz,3H);M
+H520
【0041】(実施例3〜7)実施例1の方法に従って
表1に示す化合物を合成した。化合物の構造式および物
性値を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【試験例1】抗凝固活性(ラット血清PT)の測定 ラット血清90μlに生理食塩水もしくは本発明のラク
タム誘導体を含む溶液10μlを加え、PT測定用キッ
ト(PTテストワコー)を用いて凝固時間(PT)を測
定した。阻害剤無添加時に対し凝固時間を2倍に延長す
る阻害剤濃度をC(PT2)と定義した。結果を表2に
まとめた。表2に示すごとく、本発明で得られた化合物
は強い抗凝固活性を示した。
【0044】
【表2】
【0045】
【試験例2】 トロンビン特異性の測定 実施例1〜3の化合物を用い、トロンビン特異性を測定
した。方法は、トロンビンおよびトリプシンに対する披
検薬物の阻害活性を比較する方法を用いた。酵素阻害活
性の指標として、酵素活性の50%阻害を引き起こす阻
害剤濃度をIC50と定義した。トロンビンに対するI
50値は次のようにして測定した。ヒトトロンビンと
阻害剤を50 mM tris−HCl(pH8.
0)、100mM NaClおよび10nmM CaC
を含む緩衝液に溶解し、37℃で10分間プレイン
キュベートした。その後合成基質(Boc−Val−P
ro−Arg−MCA、ぺプチド研究所製)を加えて反
応を開始させ、生成する7−アミノ−4−メチルクマリ
ンの蛍光を測定した。トリプシンに対するIC50値は
ウシ膵臓トリプシンおよび合成基質(Boc−Ile−
Glu−Gly−Arg−MCA、ペプチド研究所製)
を用い、トロンビンの場合と同様に測定した。結果を表
3にまとめた。表3に示すごとく、本発明で得られた化
合物は強いトロンビン阻害活性を有する一方、トリプシ
ン阻害作用がきわめて弱く、高いトロンビン選択性を示
した。
【0046】
【表3】
【0047】
【試験例3】血清中での安定性の測定 実施例1〜3で得られた化合物1mgをそれぞれウサギ
血清2mlに溶解し、37℃で24時間インキュベート
後HPLC(UV230nm)にて残存化合物量を定量
した。その結果いずれの化合物も95%以上が残存し、
分解物の生成も認めなかった。
【0048】
【試験例4】酸性条件下のでの安定性の測定 実施例1〜3で得られた化合物1mgをそれぞれ0.1
N塩酸1mlに溶解し、37℃で24時間インキュベー
ト後HPLC(UV230nm)にて残存化合物量を経
時的に定量した。その結果いずれの化合物も95%以上
が残存し、分解物の生成も認めなかった。試験例3及び
試験例4の結果が示すごとく、本発明の化合物は、各種
生理条件下で極めて安定であり、好ましい物性を有して
いる。
【0049】
【発明の効果】本発明化合物は特異的な抗トロンビン作
用に基づく優れた抗血液凝固作用を示す。従って、本発
明化合物は、血栓並びに塞栓によって引き起こされる各
種疾病例えば脳梗塞、脳塞栓、心筋梗塞、肺梗塞、肺塞
栓、バージャー病、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固
症候群、人工弁置換後の血栓形成、血行再建術後の再閉
塞、および血液体外循環時の血栓形成などを治療または
予防することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 211/76 C07D 211/76 223/12 223/12 225/00 225/00 405/12 207 405/12 207 // C12N 9/99 C12N 9/99 (C07D 405/12 207:26 307:91) (72)発明者 小川 正司 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 萩原 昌樹 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 森川 忠則 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中Rはカルボキシル基が置換していてもよいC1
    〜6アルキル基を表し、nは2〜4の整数であり、Ar
    はフェニル基または以下に定義する縮合多環式化合物残
    基を示し、Arはアルキル基、アルコキシ基、またはア
    ルキル基で置換されたアミノ基から選択される1つ以上
    の置換基を有していてもよく、縮合多環式化合物残基と
    してはベンゼン環を含む縮合多環式化合物残基であり、
    かつ該ベンゼン環には複素環であってもよい他の環が縮
    合し、該多環式化合物残基の環を構成する環数が2〜3
    である)で表されるラクタム誘導体又はその塩。
  2. 【請求項2】 一般式(1)においてRがブチル基ま
    たは1−カルボキシブチル基であり、nが2〜4の整数
    であり、Arはアルキル基、アルコキシ基、またはアル
    キル基で置換されたアミノ基から選択される1つ以上の
    置換基を有していてもよいナフチル基又はジベンゾフラ
    ニル基であることを特徴とする請求項1のラクタム誘導
    体又はその塩。
  3. 【請求項3】 一般式(2) 【化2】 (式中Rはカルボキシル基が置換していてもよいC1
    〜6アルキル基を表し、nは1〜5の整数であり、Ar
    はフェニル基または以下に定義する縮合多環式化合物残
    基を示し、Arはアルキル基、アルコキシ基、またはア
    ルキル基で置換されたアミノ基から選択される1つ以上
    の置換基を有していてもよく、縮合多環式化合物残基と
    してはベンゼン環を含む縮合多環式化合物残基であり、
    かつ該ベンゼン環には複素環であってもよい他の環が縮
    合し、該多環式化合物残基の環を構成する環数が2〜3
    であり、Y1がアミノ基の保護基である)で表される化
    合物の保護基Y1を脱離した後、一般式(3) 【化3】 (式中Rはアルコキシ基、アルキルチオ基、スルホニ
    ル基、アルキル基が置換していてもよいイミダゾリル
    基、ピラゾリル基であり、アルキル基としては直鎖又は
    分枝鎖のいずれでもよい)で表されるアミジノ化合物と
    反応させる請求項1ないし2記載の一般式(1)で表さ
    れるラクタム誘導体又はその塩の製法。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化4】 (式中Rはカルボキシル基が置換していてもよいC1
    〜6アルキル基を表し、nは1〜5の整数であり、Ar
    はフェニル基または以下に定義する縮合多環式化合物残
    基を示し、Arはアルキル基、アルコキシ基、またはア
    ルキル基で置換されたアミノ基から選択される1つ以上
    の置換基を有していてもよく、縮合多環式化合物残基と
    してはべンゼン環を含む縮合多環式化合物残基であり、
    かつ該ベンゼン環には複素環であってもよい他の環が縮
    合し、該多環式化合物残基の環を構成する環数が2〜3
    であり、Y1がアミノ基の保護基である)で表される化
    合物。
  5. 【請求項5】 一般式(4) 【化5】 (式中Rはカルボキシル基が置換していてもよいC1
    〜6アルキル基を表し、nは1〜5の整数であり、Y1
    およびY2はアミノ基の保護基である)で表されるラク
    タム誘導体の保護基のうちY2を脱離した後、ArSO
    X(式中Arはフェニル基または以下に定義する縮合
    多環式化合物残基を示し、Arはアルキル基、アルコキ
    シ基、またはアルキル基で置換されたアミノ基から選択
    される1つ以上の置換基を有していてもよく、縮合多環
    式化合物残基としてはべンゼン環を含む縮合多環式化合
    物残基であり、かつ該ベンゼン環には複素環であっても
    よい他の環が縮合し、該多環式化合物残基の環を構成す
    る環数が2〜3であり、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ
    素から選択されるハロゲン原子である)で表されるスル
    ホン酸ハライドと反応させることよりなる請求項4に記
    載の一般式(2)で表される化合物の製法。
  6. 【請求項6】 一般式(4) 【化6】 (式中Rはカルボキシル基が置換していてもよいC1
    〜6アルキル基を表し、nは1〜5の整数であり、Y1
    およびY2がアミノ基の保護基である)で表される化合
    物の保護基のうちY2を脱離した後、ArSOX(式
    中Arはフェニル基または以下に定義する縮合多環式化
    合物残基を示し、Arはアルキル基、アルコキシ基、ま
    たはアルキル基で置換されたアミノ基から選択される1
    つ以上の置換基を有していてもよく、縮合多環式化合物
    残基としてはベンゼン環を含む縮合多環式化合物残基で
    あり、かつ該ベンゼン環には複素環であってもよい他の
    環が縮合し、該多環式化合物残基の環を構成する環数が
    2〜3であり、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選
    択されるハロゲン原子である)で表されるスルホン酸ハ
    ライドと反応させて一般式(2) 【化7】 (式中R、n、Ar、およびY1は、各々前記と同意
    義である)で表される化合物を得た後、保護基Y1を脱
    離した後、一般式(3) 【化8】 (式中Rはアルコキシ基、アルキルチオ基、スルホニ
    ル基、アルキル基が置換していてもよいイミダゾリル
    基、ピラゾリル基であり、アルキル基としては直鎖又は
    分枝鎖のいずれでもよい)で表されるアミジノ化合物と
    反応させることよりなる請求項1又は2に記載の一般式
    (1)で表されるラクタム誘導体又はその塩の製法。
  7. 【請求項7】 一般式(4) 【化9】 (式中Rはカルボキシル基が置換していてもよいC1
    〜6アルキル基を表し、nは1〜5の整数であり、Y1
    およびY2がアミノ基の保護基である)で表される化合
    物。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載のラクタム誘導体又
    はその塩を有効成分として含有する血液凝固抑制剤。
  9. 【請求項9】 請求項1又は2記載のラクタム誘導体又
    はその塩を有効成分として含有する血栓もしくは塞栓の
    予防および/又は治療剤。
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