JPH09165190A - 自走クレーン - Google Patents
自走クレーンInfo
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- JPH09165190A JPH09165190A JP29997296A JP29997296A JPH09165190A JP H09165190 A JPH09165190 A JP H09165190A JP 29997296 A JP29997296 A JP 29997296A JP 29997296 A JP29997296 A JP 29997296A JP H09165190 A JPH09165190 A JP H09165190A
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- Japan
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- boom
- sheave
- hook
- pin
- hook block
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高さの制約の厳しい場所でのクレーン作業にお
いてフックの揚程を極力大きくする。 【構成】先端ブーム34の先端部にブームヘッド42を
回動可能に取り付けるとともに、そのブームヘッドの先
端部に回転可能に支持された複数個のブームポイントシ
ーブ126を、溝の狭い複数個の小シーブ136が溝の
広い大シーブ138を両側から挟む構成とする。さら
に、フック150を支持する支持軸144に複数個のフ
ックブロックシーブ130をフックを支持軸における両
端側から挟む位置において回転可能に支持させる。そし
て、ワイヤ120をブームポイントシーブとフックブロ
ックシーブとに、支持軸の一端側におけるフックブロッ
クシーブから大シーブを経て支持軸の他端側におけるフ
ックブロックシーブに至るように巻き掛ける。
いてフックの揚程を極力大きくする。 【構成】先端ブーム34の先端部にブームヘッド42を
回動可能に取り付けるとともに、そのブームヘッドの先
端部に回転可能に支持された複数個のブームポイントシ
ーブ126を、溝の狭い複数個の小シーブ136が溝の
広い大シーブ138を両側から挟む構成とする。さら
に、フック150を支持する支持軸144に複数個のフ
ックブロックシーブ130をフックを支持軸における両
端側から挟む位置において回転可能に支持させる。そし
て、ワイヤ120をブームポイントシーブとフックブロ
ックシーブとに、支持軸の一端側におけるフックブロッ
クシーブから大シーブを経て支持軸の他端側におけるフ
ックブロックシーブに至るように巻き掛ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自走クレーンに関す
るものであり、特にクレーン装置のブームおよびフック
ブロックの改良に関するものである。
るものであり、特にクレーン装置のブームおよびフック
ブロックの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自走クレーンは、一般に、走行体に支持
されて垂直面内で回動するブームと、そのブームの先端
部から垂下するワイヤに取り付けられた吊り具とを有
し、吊り具によって吊られた荷を昇降させるように構成
される。そして、荷の昇降は、ブームの水平基準面から
の起き上がり角度(以下、ブーム角度という)を変えた
り、ブームの回動中心からブーム先端部までの距離(以
下、ブーム長さという)を変えたりすることによって行
われる。また、吊り具は、ワイヤが垂下するブームの先
端部の下面に近接するまでが上昇限度とされ、吊り具と
走行体の接地面との垂直距離、すなわち揚程はブームの
先端部の高さによって決まる。
されて垂直面内で回動するブームと、そのブームの先端
部から垂下するワイヤに取り付けられた吊り具とを有
し、吊り具によって吊られた荷を昇降させるように構成
される。そして、荷の昇降は、ブームの水平基準面から
の起き上がり角度(以下、ブーム角度という)を変えた
り、ブームの回動中心からブーム先端部までの距離(以
下、ブーム長さという)を変えたりすることによって行
われる。また、吊り具は、ワイヤが垂下するブームの先
端部の下面に近接するまでが上昇限度とされ、吊り具と
走行体の接地面との垂直距離、すなわち揚程はブームの
先端部の高さによって決まる。
【0003】自走クレーンにおいては、ブームをほぼ垂
直にしたときに最大揚程が得られる。このとき、ブーム
を起こすにつれて吊り具がブームに接近するため、ブー
ムの先端部を垂直面内で下方に一定角度で折り曲げ、ブ
ームがほぼ垂直とされても吊り具とブームとの間に隙間
が残るようにされている。
直にしたときに最大揚程が得られる。このとき、ブーム
を起こすにつれて吊り具がブームに接近するため、ブー
ムの先端部を垂直面内で下方に一定角度で折り曲げ、ブ
ームがほぼ垂直とされても吊り具とブームとの間に隙間
が残るようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この自走クレ
ーンで高さが制約される建屋などの中で重量物の据付作
業を行う場合には、折れ曲がった先端部が邪魔になる。
建屋内等ではブームをほぼ水平に倒した状態で使用せざ
るを得ず、ブームを天井等の上方障害物に接触しない範
囲でできる限り上昇させても、先端部は斜め下向きに伸
びており、その分だけ揚程が短縮されてしまうのであ
る。特に、接地面から上方障害物までの高さ(以下、作
業高さという)に対して荷が高く、十分な作業隙間を確
保し得ない場合には、荷の吊上作業および移動作業を極
めて慎重に行わざるを得ず、作業能率が低下し、あるい
は、作業隙間がほとんどないために荷を上昇させること
さえ不可能となる事態が発生する。
ーンで高さが制約される建屋などの中で重量物の据付作
業を行う場合には、折れ曲がった先端部が邪魔になる。
建屋内等ではブームをほぼ水平に倒した状態で使用せざ
るを得ず、ブームを天井等の上方障害物に接触しない範
囲でできる限り上昇させても、先端部は斜め下向きに伸
びており、その分だけ揚程が短縮されてしまうのであ
る。特に、接地面から上方障害物までの高さ(以下、作
業高さという)に対して荷が高く、十分な作業隙間を確
保し得ない場合には、荷の吊上作業および移動作業を極
めて慎重に行わざるを得ず、作業能率が低下し、あるい
は、作業隙間がほとんどないために荷を上昇させること
さえ不可能となる事態が発生する。
【0005】このように、クレーン作業においてはでき
る限り大きな揚程を確保することが望ましいのにもかか
わらず、ブームをほぼ垂直に起こして使用する場合のた
めの要求から、高さの制約の厳しい場所における揚程が
犠牲となってしまう場合があったのである。本発明は上
記の問題を解決することを課題として為されたものであ
る。
る限り大きな揚程を確保することが望ましいのにもかか
わらず、ブームをほぼ垂直に起こして使用する場合のた
めの要求から、高さの制約の厳しい場所における揚程が
犠牲となってしまう場合があったのである。本発明は上
記の問題を解決することを課題として為されたものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の要旨
は、自走クレーンを、(a) 走行体に支持されて垂直面内
で回動するブームと、(b) そのブームの先端部に垂直面
内におけるブームとの成す角度を調節可能に取り付けら
れたブームヘッドと、(c) そのブームヘッドの先端部に
取り付けられた水平方向に延びるブームポイントピン
と、(d) そのブームポイントピンに回転可能に支持され
た複数個のブームポイントシーブであって、溝の広い広
溝シーブとその広溝シーブをブームポイントピンにおけ
る両端側から挟む溝の狭い複数個の狭溝シーブとを有す
るものと、(e) 荷が吊り下げられるフックが水平方向に
延びる支持軸に支持されるとともに、その支持軸に複数
個のフックブロックシーブがフックを支持軸における両
端側から挟む位置において回転可能に支持されたフック
ブロックと、(f) そのフックブロック全体を吊り上げる
ために巻き上げられるワイヤであって、前記ブームポイ
ントピンの一端側における前記狭溝シーブと前記支持軸
の一端側における前記フックブロックシーブとに巻き掛
けられた後に前記広溝シーブに巻き掛けられ、その後に
支持軸の他端側におけるフックブロックシーブとブーム
ポイントピンの他端側における狭溝シーブとに巻き掛け
られるものとを含むものとしたことにある。なお、ブー
ムはブーム長さを伸縮あるいは折り曲げによって変更可
能なものでもよく、また、ブーム長さが一定である固定
式ものでもよい。
は、自走クレーンを、(a) 走行体に支持されて垂直面内
で回動するブームと、(b) そのブームの先端部に垂直面
内におけるブームとの成す角度を調節可能に取り付けら
れたブームヘッドと、(c) そのブームヘッドの先端部に
取り付けられた水平方向に延びるブームポイントピン
と、(d) そのブームポイントピンに回転可能に支持され
た複数個のブームポイントシーブであって、溝の広い広
溝シーブとその広溝シーブをブームポイントピンにおけ
る両端側から挟む溝の狭い複数個の狭溝シーブとを有す
るものと、(e) 荷が吊り下げられるフックが水平方向に
延びる支持軸に支持されるとともに、その支持軸に複数
個のフックブロックシーブがフックを支持軸における両
端側から挟む位置において回転可能に支持されたフック
ブロックと、(f) そのフックブロック全体を吊り上げる
ために巻き上げられるワイヤであって、前記ブームポイ
ントピンの一端側における前記狭溝シーブと前記支持軸
の一端側における前記フックブロックシーブとに巻き掛
けられた後に前記広溝シーブに巻き掛けられ、その後に
支持軸の他端側におけるフックブロックシーブとブーム
ポイントピンの他端側における狭溝シーブとに巻き掛け
られるものとを含むものとしたことにある。なお、ブー
ムはブーム長さを伸縮あるいは折り曲げによって変更可
能なものでもよく、また、ブーム長さが一定である固定
式ものでもよい。
【0007】
【作用】上記のように構成された自走クレーンにおいて
は、ブームとブームヘッドとの成す角度(以下、ブーム
ヘッド角度という)を必要に応じて調節する。例えば、
ブームを高さの制約のない場所で使用する場合には、ブ
ームヘッド角度を、ブーム角度を最大角度としたときで
も吊り具がブームやブームヘッドに接触しない角度と
し、また、ブームを高さの制約のある場所で使用する場
合には、ブームをほぼ水平に倒した状態で、ブームヘッ
ドが水平あるいは斜め上向きとなるようにブームヘッド
角度を調節する。なお、後者の場合、作業可能範囲を限
定し、その範囲内で最も適した唯一の角度を設定しても
よく、また、その範囲内の異なる作業高さに応じて複数
の角度を設定してもよい。
は、ブームとブームヘッドとの成す角度(以下、ブーム
ヘッド角度という)を必要に応じて調節する。例えば、
ブームを高さの制約のない場所で使用する場合には、ブ
ームヘッド角度を、ブーム角度を最大角度としたときで
も吊り具がブームやブームヘッドに接触しない角度と
し、また、ブームを高さの制約のある場所で使用する場
合には、ブームをほぼ水平に倒した状態で、ブームヘッ
ドが水平あるいは斜め上向きとなるようにブームヘッド
角度を調節する。なお、後者の場合、作業可能範囲を限
定し、その範囲内で最も適した唯一の角度を設定しても
よく、また、その範囲内の異なる作業高さに応じて複数
の角度を設定してもよい。
【0008】また、この自走クレーンにおいては、フッ
クが支持軸に支持されるとともに、その支持軸に複数個
のフックブロックシーブがフックを支持軸における両端
側から挟む位置において回転可能に支持される。
クが支持軸に支持されるとともに、その支持軸に複数個
のフックブロックシーブがフックを支持軸における両端
側から挟む位置において回転可能に支持される。
【0009】さらに、この自走クレーンにおいては、複
数個のブームポイントシーブが、溝の広い広溝シーブと
その広溝シーブをブームポイントピンにおける両端側か
ら挟む溝の狭い複数個の狭溝シーブとを有するものとさ
れるとともに、フックブロック全体を吊り上げるために
巻き上げられるワイヤが、ブームポイントピンの一端側
における狭溝シーブと支持軸の一端側におけるフックブ
ロックシーブとに巻き掛けられた後に広溝シーブに巻き
掛けられ、その後に支持軸の他端側におけるブームポイ
ントシーブとブームポイントピンの他端側における狭溝
シーブとに巻き掛けられる。
数個のブームポイントシーブが、溝の広い広溝シーブと
その広溝シーブをブームポイントピンにおける両端側か
ら挟む溝の狭い複数個の狭溝シーブとを有するものとさ
れるとともに、フックブロック全体を吊り上げるために
巻き上げられるワイヤが、ブームポイントピンの一端側
における狭溝シーブと支持軸の一端側におけるフックブ
ロックシーブとに巻き掛けられた後に広溝シーブに巻き
掛けられ、その後に支持軸の他端側におけるブームポイ
ントシーブとブームポイントピンの他端側における狭溝
シーブとに巻き掛けられる。
【0010】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、必要に応
じてブームヘッド角度が調節できるから、ブームをほぼ
垂直にする必要がある高い場所でのクレーン作業と、高
さの制約の厳しい場所でのクレーン作業とを一つのブー
ムで行うことができ、後者の場合にも充分な揚程が得ら
れる。よって、本発明によれば、上方障害物と荷の上面
との間の作業隙間が小さい場合における荷の吊上作業等
が容易となって作業能率が大幅に向上し、あるいは作業
隙間が小さすぎて従来は不可能であった荷の吊り上げも
可能となる効果も得られるのである。
じてブームヘッド角度が調節できるから、ブームをほぼ
垂直にする必要がある高い場所でのクレーン作業と、高
さの制約の厳しい場所でのクレーン作業とを一つのブー
ムで行うことができ、後者の場合にも充分な揚程が得ら
れる。よって、本発明によれば、上方障害物と荷の上面
との間の作業隙間が小さい場合における荷の吊上作業等
が容易となって作業能率が大幅に向上し、あるいは作業
隙間が小さすぎて従来は不可能であった荷の吊り上げも
可能となる効果も得られるのである。
【0011】さらに、本発明によれば、フックを支持す
る支持軸とフックブロックシーブとが同軸となるため、
両者が同軸でない場合に比較して、フックのブームポイ
ントシーブへの接近可能距離が短くなり、このことによ
っても大きな揚程を得ることができる。
る支持軸とフックブロックシーブとが同軸となるため、
両者が同軸でない場合に比較して、フックのブームポイ
ントシーブへの接近可能距離が短くなり、このことによ
っても大きな揚程を得ることができる。
【0012】さらにまた、本発明によれば、フックブロ
ックシーブがブームポイントシーブに最も接近したと
き、両者に巻き掛けられるワイヤが過大に折り曲げられ
ることが広溝シーブの広い溝によって回避されるため、
ワイヤに不当な曲げ応力が発生せずに済み、ワイヤの耐
久性が向上するという効果も得られる。
ックシーブがブームポイントシーブに最も接近したと
き、両者に巻き掛けられるワイヤが過大に折り曲げられ
ることが広溝シーブの広い溝によって回避されるため、
ワイヤに不当な曲げ応力が発生せずに済み、ワイヤの耐
久性が向上するという効果も得られる。
【0013】なお付言すれば、本願発明は、 ブーム
の先端部にブームヘッドを垂直面内におけるブームとの
成す角度を調節可能に取り付ける技術に、 フックを
支持する支持軸に複数個のフックブロックシーブをフッ
クを支持軸における両端側から挟む位置において回転可
能に支持させるとともに、複数個のブームポイントシー
ブを、溝の広い広溝シーブとその広溝シーブをブームポ
イントピンにおける両端側から挟む溝の狭い複数個の狭
溝シーブとを有するものとし、かつ、フックブロック全
体を吊り上げるために巻き上げられるワイヤを、ブーム
ポイントピンの一端側における狭溝シーブと支持軸の一
端側におけるフックブロックシーブとに巻き掛けられた
後に広溝シーブに巻き掛けられ、その後に支持軸の他端
側におけるブームポイントシーブとブームポイントピン
の他端側における狭溝シーブとに巻き掛けられるものと
する技術を組み合わせたものと考えることができる。こ
こに、後者の技術については、本出願人により昭和62
年5月12日に実願昭62−70770号として実用新
案登録出願され、昭和63年11月22日に実開昭63
−180697号として出願公開され、平成2年10月
12日に実公平2−37827号として出願公告されて
いる。これに対し、本願は、本出願人が昭和62年8月
27日に出願した実願昭62−130684号を原出願
として平成6年9月26日に分割した実願平6−118
56号を特許出願に変更したものである。
の先端部にブームヘッドを垂直面内におけるブームとの
成す角度を調節可能に取り付ける技術に、 フックを
支持する支持軸に複数個のフックブロックシーブをフッ
クを支持軸における両端側から挟む位置において回転可
能に支持させるとともに、複数個のブームポイントシー
ブを、溝の広い広溝シーブとその広溝シーブをブームポ
イントピンにおける両端側から挟む溝の狭い複数個の狭
溝シーブとを有するものとし、かつ、フックブロック全
体を吊り上げるために巻き上げられるワイヤを、ブーム
ポイントピンの一端側における狭溝シーブと支持軸の一
端側におけるフックブロックシーブとに巻き掛けられた
後に広溝シーブに巻き掛けられ、その後に支持軸の他端
側におけるブームポイントシーブとブームポイントピン
の他端側における狭溝シーブとに巻き掛けられるものと
する技術を組み合わせたものと考えることができる。こ
こに、後者の技術については、本出願人により昭和62
年5月12日に実願昭62−70770号として実用新
案登録出願され、昭和63年11月22日に実開昭63
−180697号として出願公開され、平成2年10月
12日に実公平2−37827号として出願公告されて
いる。これに対し、本願は、本出願人が昭和62年8月
27日に出願した実願昭62−130684号を原出願
として平成6年9月26日に分割した実願平6−118
56号を特許出願に変更したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をトラッククレーン
に適用した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。図3において、符号10が走行体としてのトラック
を示しており、このトラック10はその前方にトラック
10の走行操作を行う運転室12を備えている。クレー
ン作業中においては、後輪の前後に配設されたアウトリ
ガ装置14,16により、トラック10の姿勢が安定さ
せられる。各アウトリガ装置14,16は、トラック1
0の左側を支持する左側アウトリガ18と右側を支持す
る右側アウトリガ20とから成っている。また、トラッ
ク10の後方の架台22には旋回体24が設置されてお
り、旋回体24内に収容された図示を省略する旋回装置
によって旋回させられるようになっている。
に適用した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。図3において、符号10が走行体としてのトラック
を示しており、このトラック10はその前方にトラック
10の走行操作を行う運転室12を備えている。クレー
ン作業中においては、後輪の前後に配設されたアウトリ
ガ装置14,16により、トラック10の姿勢が安定さ
せられる。各アウトリガ装置14,16は、トラック1
0の左側を支持する左側アウトリガ18と右側を支持す
る右側アウトリガ20とから成っている。また、トラッ
ク10の後方の架台22には旋回体24が設置されてお
り、旋回体24内に収容された図示を省略する旋回装置
によって旋回させられるようになっている。
【0015】旋回体24にはブーム26がブームフート
ピン28を介して垂直面内で回動可能に支持されてい
る。このブーム26は1段ブーム30,2段ブーム32
および先端ブーム34を備えており、旋回体24および
ブーム26内に収容された図示を省略する液圧駆動装置
によって伸縮させられる。また、ブーム26の回動、す
なわち起伏は起伏シリンダ36によって行われる。な
お、図3に示すブーム26は、最も収縮させられた状態
であり、しかも、先端ブーム34の下面がトラック10
に固定のブームレスト40によって支持された収納状態
である。
ピン28を介して垂直面内で回動可能に支持されてい
る。このブーム26は1段ブーム30,2段ブーム32
および先端ブーム34を備えており、旋回体24および
ブーム26内に収容された図示を省略する液圧駆動装置
によって伸縮させられる。また、ブーム26の回動、す
なわち起伏は起伏シリンダ36によって行われる。な
お、図3に示すブーム26は、最も収縮させられた状態
であり、しかも、先端ブーム34の下面がトラック10
に固定のブームレスト40によって支持された収納状態
である。
【0016】先端ブーム34の先端部およびそれに取り
付けられたブームヘッド42を、図1および図2に拡大
して示す。先端ブーム34は垂直面(ブーム26の回動
平面)に沿った一対のブーム側板50と、ブーム上板5
2と、ブーム下板54とから成る箱形状断面のものであ
る。各ブーム側板50には、それの先端部の上方の角部
(図1において上方の角部)において、それぞれ円筒状
のボス56が互いに同軸に、かつブーム側板50の板面
に直角に固定されている。また、各ブーム側板50に
は、それの先端部の下方の角部(図1において下方の角
部)において、それぞれ第一ピン穴66を有するブロッ
ク68が溶接されている。両第一ピン穴66はボス56
の中心線と平行な一直線上にある。それらブロック68
同士は円筒部材70によって連結され、また、ブーム下
板54によっても連結されている。
付けられたブームヘッド42を、図1および図2に拡大
して示す。先端ブーム34は垂直面(ブーム26の回動
平面)に沿った一対のブーム側板50と、ブーム上板5
2と、ブーム下板54とから成る箱形状断面のものであ
る。各ブーム側板50には、それの先端部の上方の角部
(図1において上方の角部)において、それぞれ円筒状
のボス56が互いに同軸に、かつブーム側板50の板面
に直角に固定されている。また、各ブーム側板50に
は、それの先端部の下方の角部(図1において下方の角
部)において、それぞれ第一ピン穴66を有するブロッ
ク68が溶接されている。両第一ピン穴66はボス56
の中心線と平行な一直線上にある。それらブロック68
同士は円筒部材70によって連結され、また、ブーム下
板54によっても連結されている。
【0017】ブームヘッド42は対向する一対の長手状
の側板72を備え、それら側板72は連結部材74によ
って互いに平行に連結されている。両側板72の一端部
(図1において上方の端部)には、それぞれ円筒状のボ
ス76が同軸、かつ側板72の板面に直角に固定されて
いる。両ボス76の互いに対向する内側の端面間距離は
前記ボス56の外側の端面間距離より僅かに大きくさ
れ、また、それらの内径は等しくされていて、先端ブー
ム34の先端部がブームヘッド42内に挿し込まれた状
態で、ボス56,76に回動軸79が挿通されている。
つまり、先端ブーム34とブームヘッド42とは回動軸
79によって相対的に回動可能に連結されているのであ
る。
の側板72を備え、それら側板72は連結部材74によ
って互いに平行に連結されている。両側板72の一端部
(図1において上方の端部)には、それぞれ円筒状のボ
ス76が同軸、かつ側板72の板面に直角に固定されて
いる。両ボス76の互いに対向する内側の端面間距離は
前記ボス56の外側の端面間距離より僅かに大きくさ
れ、また、それらの内径は等しくされていて、先端ブー
ム34の先端部がブームヘッド42内に挿し込まれた状
態で、ボス56,76に回動軸79が挿通されている。
つまり、先端ブーム34とブームヘッド42とは回動軸
79によって相対的に回動可能に連結されているのであ
る。
【0018】ブームヘッド42の両側板72の他端部
(図1において下方の端部)にもそれぞれ円筒状のボス
80が上記ボス76と同様に設けられており、これらボ
ス80にはブームポイントピン84が挿通されている。
ブームポイントピン84の側板72から外側に突出した
両端部には、それぞれ一対のフランジを有する円筒部材
86が嵌合されている。ブームヘッド42の側板72に
は、ボス76に近接して、それぞれ円筒状のボス90が
同軸に、かつ側板72の板面に直角に固定されており、
それらボス90には第二ピン穴92が形成されている。
さらに、ブームヘッド42の側板72には、ボス90に
近接してそれと同様なボス94が設けられており、それ
らボス94には一対の第三ピン穴96が形成されてい
る。ボス90,94はボス76から等距離にあり、その
距離がボス56とボス68との距離と等しくなってい
る。また、先端ブーム34とブームヘッド42とを回動
軸79の回りに相対的に回動させれば、ボス90,94
の内側面が先端ブーム34の両ブロック68の外側面に
僅かな隙間を残して対向するようになっている。
(図1において下方の端部)にもそれぞれ円筒状のボス
80が上記ボス76と同様に設けられており、これらボ
ス80にはブームポイントピン84が挿通されている。
ブームポイントピン84の側板72から外側に突出した
両端部には、それぞれ一対のフランジを有する円筒部材
86が嵌合されている。ブームヘッド42の側板72に
は、ボス76に近接して、それぞれ円筒状のボス90が
同軸に、かつ側板72の板面に直角に固定されており、
それらボス90には第二ピン穴92が形成されている。
さらに、ブームヘッド42の側板72には、ボス90に
近接してそれと同様なボス94が設けられており、それ
らボス94には一対の第三ピン穴96が形成されてい
る。ボス90,94はボス76から等距離にあり、その
距離がボス56とボス68との距離と等しくなってい
る。また、先端ブーム34とブームヘッド42とを回動
軸79の回りに相対的に回動させれば、ボス90,94
の内側面が先端ブーム34の両ブロック68の外側面に
僅かな隙間を残して対向するようになっている。
【0019】回動軸79とブームポイントピン84とを
結ぶブームポイント基準線LBPに対して、第二ピン穴9
2と回動軸79とを結ぶ線と、第三ピン穴96と回動軸
79とを結ぶ線とのそれぞれの成す角度は、前者が後者
より小さく、αmin およびα max とされている。第一,
第二,第三のピン穴66,92,96の内径は互いに等
しくされているからそれらにストッパピン98を挿通す
ることが可能であり、第一ピン穴66と第二ピン穴92
とに挿通された場合には、図4の右側に示すように、回
動軸79とブームフートピン28とを結ぶブーム基準線
LB とブームポイント基準線LBPとの成す角度(以下、
ブームヘッド角度という)が最小調節角度βmin とな
り、また、ストッパピン98が第三ピン穴96と第一ピ
ン穴66とに挿通された場合には、図4の中央に示すよ
うに、ブームヘッド角度が最大調節角度βmax となる。
すなわち、本実施形態においては、ストッパピン98が
第二ピン穴92と第一ピン穴66とに挿通された状態
と、第三ピン穴96と第一ピン穴66とに挿通された状
態とに変えることによって、ブーム26とブームヘッド
42との成す角度(ブームヘッド角度)が2段階に調節
可能とされているのである。なお、ボス90,94とブ
ームヘッド42との取付部には、図1に示すように、C
字状断面の補強部材99が溶接されて、この部分が補強
されている。
結ぶブームポイント基準線LBPに対して、第二ピン穴9
2と回動軸79とを結ぶ線と、第三ピン穴96と回動軸
79とを結ぶ線とのそれぞれの成す角度は、前者が後者
より小さく、αmin およびα max とされている。第一,
第二,第三のピン穴66,92,96の内径は互いに等
しくされているからそれらにストッパピン98を挿通す
ることが可能であり、第一ピン穴66と第二ピン穴92
とに挿通された場合には、図4の右側に示すように、回
動軸79とブームフートピン28とを結ぶブーム基準線
LB とブームポイント基準線LBPとの成す角度(以下、
ブームヘッド角度という)が最小調節角度βmin とな
り、また、ストッパピン98が第三ピン穴96と第一ピ
ン穴66とに挿通された場合には、図4の中央に示すよ
うに、ブームヘッド角度が最大調節角度βmax となる。
すなわち、本実施形態においては、ストッパピン98が
第二ピン穴92と第一ピン穴66とに挿通された状態
と、第三ピン穴96と第一ピン穴66とに挿通された状
態とに変えることによって、ブーム26とブームヘッド
42との成す角度(ブームヘッド角度)が2段階に調節
可能とされているのである。なお、ボス90,94とブ
ームヘッド42との取付部には、図1に示すように、C
字状断面の補強部材99が溶接されて、この部分が補強
されている。
【0020】ストッパピン98は、一対の円柱ブロック
100,102が円筒部材103によって同軸に連結さ
れて構成されている。円柱ブロック100,102はブ
ームヘッド42のボス90,94と先端ブーム34のブ
ロック68とに対応する部分に配置されて充分な剪断強
度が確保されるとともに、円筒部材103によって軽量
化が図られている。円柱ブロック100(図においてス
トッパピン98の右端部)にはそれを直径方向に貫通す
るピン104が取り付けられ、また、円柱ブロック10
2(図においてストッパピン98の左端部)には他の部
分より小径のおねじ部106が形成され、このおねじ部
106にワッシャ108とナット110とが取り付けら
れている。つまり、ストッパピン98はピン104,ワ
ッシャ108,ナット110によってピン穴92,96
からの離脱を防止されているのである。ピン104のス
トッパピン98の外周面から突出した両端部にはC字状
を成す金具112の両端部が固定されて、ピン104の
ストッパピン98からの離脱が防止されている。また、
金具112はストッパピン98をブームヘッド42から
引き抜くときの把手としても機能するようにされてい
る。なお、ナット110をワッシャ108が円柱ブロッ
ク102の肩面に当接するまで締め付けてもワッシャ1
08とボス90,94の端面との間には一定の隙間が残
るようになっており、ナット110の緩みが防止されて
いる。
100,102が円筒部材103によって同軸に連結さ
れて構成されている。円柱ブロック100,102はブ
ームヘッド42のボス90,94と先端ブーム34のブ
ロック68とに対応する部分に配置されて充分な剪断強
度が確保されるとともに、円筒部材103によって軽量
化が図られている。円柱ブロック100(図においてス
トッパピン98の右端部)にはそれを直径方向に貫通す
るピン104が取り付けられ、また、円柱ブロック10
2(図においてストッパピン98の左端部)には他の部
分より小径のおねじ部106が形成され、このおねじ部
106にワッシャ108とナット110とが取り付けら
れている。つまり、ストッパピン98はピン104,ワ
ッシャ108,ナット110によってピン穴92,96
からの離脱を防止されているのである。ピン104のス
トッパピン98の外周面から突出した両端部にはC字状
を成す金具112の両端部が固定されて、ピン104の
ストッパピン98からの離脱が防止されている。また、
金具112はストッパピン98をブームヘッド42から
引き抜くときの把手としても機能するようにされてい
る。なお、ナット110をワッシャ108が円柱ブロッ
ク102の肩面に当接するまで締め付けてもワッシャ1
08とボス90,94の端面との間には一定の隙間が残
るようになっており、ナット110の緩みが防止されて
いる。
【0021】図3に示す旋回体24内には、図示は省略
するが、荷を吊り下げるためのワイヤ120を巻き上げ
る巻上装置が配設されている。ワイヤ120は、旋回体
24に回転可能に取り付けられた第一アイドラシーブ1
22,回動軸79に回転可能に取り付けられた第二アイ
ドラシーブ124,ブームポイントピン84に回転可能
に取り付けられたブームポイントシーブ126およびフ
ックブロック128のフックブロックシーブ130に巻
き掛けられた後、端末が図1に示すように、ブームヘッ
ド42の側板72に固定の固定ピン132にソケット1
34を介して連結されている。すなわち、本実施形態に
おいては、フックブロック128がブームヘッド42の
先端部に配置されたブームポイントシーブ126から垂
下しており、そのフックブロック128が吊り具を構成
しているのである。
するが、荷を吊り下げるためのワイヤ120を巻き上げ
る巻上装置が配設されている。ワイヤ120は、旋回体
24に回転可能に取り付けられた第一アイドラシーブ1
22,回動軸79に回転可能に取り付けられた第二アイ
ドラシーブ124,ブームポイントピン84に回転可能
に取り付けられたブームポイントシーブ126およびフ
ックブロック128のフックブロックシーブ130に巻
き掛けられた後、端末が図1に示すように、ブームヘッ
ド42の側板72に固定の固定ピン132にソケット1
34を介して連結されている。すなわち、本実施形態に
おいては、フックブロック128がブームヘッド42の
先端部に配置されたブームポイントシーブ126から垂
下しており、そのフックブロック128が吊り具を構成
しているのである。
【0022】ブームポイントシーブ126は図2に示す
ように、溝の狭い3個の小シーブ(狭溝シーブ)136
と、小シーブ136と同径であるが溝の広い1個の大シ
ーブ(広溝シーブ)138とから成っており、大シーブ
138は両側がそれぞれ小シーブ136に挟まれた状態
で取り付けられている。
ように、溝の狭い3個の小シーブ(狭溝シーブ)136
と、小シーブ136と同径であるが溝の広い1個の大シ
ーブ(広溝シーブ)138とから成っており、大シーブ
138は両側がそれぞれ小シーブ136に挟まれた状態
で取り付けられている。
【0023】フックブロック128は、本体部142
と、その本体部142から反対方向に延び出た一対の支
持軸144とを有する支持部材146を備えている。各
支持軸144には2個ずつの小シーブ147が回転可能
に取り付けられてフックブロックシーブ130を構成し
ており、これらが支持軸144に取り付けられたカバー
148により覆われている。また、本体部142にはフ
ック150の軸部152が支持軸144と直角向きに挿
通されている。軸部152の先端部は本体部142の貫
通穴より大径とされてフック150の本体部142から
の離脱が防止されており、軸部152の大径部と本体部
142との間にスラストベアリングが配設されている。
つまり、フック150は水平軸の回りにも垂直軸の回り
にも回転可能となっているのである。
と、その本体部142から反対方向に延び出た一対の支
持軸144とを有する支持部材146を備えている。各
支持軸144には2個ずつの小シーブ147が回転可能
に取り付けられてフックブロックシーブ130を構成し
ており、これらが支持軸144に取り付けられたカバー
148により覆われている。また、本体部142にはフ
ック150の軸部152が支持軸144と直角向きに挿
通されている。軸部152の先端部は本体部142の貫
通穴より大径とされてフック150の本体部142から
の離脱が防止されており、軸部152の大径部と本体部
142との間にスラストベアリングが配設されている。
つまり、フック150は水平軸の回りにも垂直軸の回り
にも回転可能となっているのである。
【0024】本実施形態においては、フックブロックシ
ーブ130の回転中心線とフック150の水平回動中心
線とが同軸とされているため、フック150のブームヘ
ッド42への接近可能距離が短く、大きな揚程を得るこ
とができる。しかし、そのために、フックブロック12
8においては、2個ずつの小シーブ147が支持部材1
46の本体部142およびフック150を挟むこととな
って、中央2個の小シーブ147が比較的大きく離れる
ため、ブームポイントシーブ126をこれに対応して変
更せず、従来通り4重の小シーブ136から成るものと
する場合には、フックブロック128がブームポイント
シーブ126に最も接近したとき、両者に巻き掛けられ
るワイヤ120が過大に折り曲げられることとなる。そ
の結果、ワイヤ120に不当な曲げ応力が発生して、ワ
イヤ120の耐久性が低下する問題が生じることとなる
が、本実施形態においては、ブームポイントシーブ12
6を3個の小シーブ136と1個の大シーブ138から
構成することによって、一方の小シーブ147から大シ
ーブ138を経て他方の小シーブ147に巻き掛けられ
るワイヤ120の過大な曲げが回避され、ワイヤ120
の耐久性の低下が防止される。
ーブ130の回転中心線とフック150の水平回動中心
線とが同軸とされているため、フック150のブームヘ
ッド42への接近可能距離が短く、大きな揚程を得るこ
とができる。しかし、そのために、フックブロック12
8においては、2個ずつの小シーブ147が支持部材1
46の本体部142およびフック150を挟むこととな
って、中央2個の小シーブ147が比較的大きく離れる
ため、ブームポイントシーブ126をこれに対応して変
更せず、従来通り4重の小シーブ136から成るものと
する場合には、フックブロック128がブームポイント
シーブ126に最も接近したとき、両者に巻き掛けられ
るワイヤ120が過大に折り曲げられることとなる。そ
の結果、ワイヤ120に不当な曲げ応力が発生して、ワ
イヤ120の耐久性が低下する問題が生じることとなる
が、本実施形態においては、ブームポイントシーブ12
6を3個の小シーブ136と1個の大シーブ138から
構成することによって、一方の小シーブ147から大シ
ーブ138を経て他方の小シーブ147に巻き掛けられ
るワイヤ120の過大な曲げが回避され、ワイヤ120
の耐久性の低下が防止される。
【0025】上記のように構成されたトラッククレーン
において、通常は、90°に近い最大ブーム角度での使
用を考慮して、ストッパピン98がブームヘッド42の
第二ピン穴92に挿通されており、ブームヘッド角度が
最小調節角度βmin となっている。したがって、図4の
左方に示すように、最大のブーム角度において、フック
ブロック128をそれがブームヘッド42の先端部に最
も近接するまで巻き上げても、フックブロック128が
ブームヘッド42や先端ブーム34に接触することはな
く、高い揚程が得られる。一方、建屋の天井等上方障害
物Bの制約があり、ブーム26を水平に近い状態で使用
する場合には、ストッパピン98をブームヘッド42の
第三ピン穴96に挿通し、ブームヘッド角度を最大調節
角度βmax とする。本実施形態において、最大調節角度
βmax は作業高さHに最適な角度として設定されている
から、図4の中央に示すように、ブームヘッド42の上
面が作業高さを制約する上方障害物Bにほぼ平行とな
り、大きな揚程Lを得ることができる。仮に、ブームヘ
ッド角度を最小調節角度βmin で行った場合には、ブー
ムヘッド42の先端部をできる限り上方障害物Bに接近
させ、充分な揚程を得ようとしても、図4の右方に示す
ように、ブームヘッド42よりも先に先端ブーム34の
先端部が上方障害物Bに接近し、その結果得られる揚程
L´はブームヘッド42が下を向いている分だけ短くな
ってしまう。揚程Lと揚程L´と差であるδは揚程Lに
対して比較的小さなものであるが、例えば、作業高さH
に対して荷Wの高さが高く、作業隙間Sが小さい場合に
は、この差δは重大な意味を持つことととなる。差δは
作業隙間Sと比較すべきものであり、この差δがあるこ
とによって荷Wの吊上作業および移動作業が容易となっ
て作業能率が向上し、あるいは従来は吊り上げが不可能
であった荷Wを吊り上げることが可能となる効果が得ら
れる。なお、図4にブーム26の最伸長状態が示されて
いるのは、この状態において本発明による効果、すなわ
ち、揚程の増大の効果が最も大きなものとなるからであ
り、ブーム26がそれ以外の状態でも程度の差はあるも
のの同様な効果が得られる。
において、通常は、90°に近い最大ブーム角度での使
用を考慮して、ストッパピン98がブームヘッド42の
第二ピン穴92に挿通されており、ブームヘッド角度が
最小調節角度βmin となっている。したがって、図4の
左方に示すように、最大のブーム角度において、フック
ブロック128をそれがブームヘッド42の先端部に最
も近接するまで巻き上げても、フックブロック128が
ブームヘッド42や先端ブーム34に接触することはな
く、高い揚程が得られる。一方、建屋の天井等上方障害
物Bの制約があり、ブーム26を水平に近い状態で使用
する場合には、ストッパピン98をブームヘッド42の
第三ピン穴96に挿通し、ブームヘッド角度を最大調節
角度βmax とする。本実施形態において、最大調節角度
βmax は作業高さHに最適な角度として設定されている
から、図4の中央に示すように、ブームヘッド42の上
面が作業高さを制約する上方障害物Bにほぼ平行とな
り、大きな揚程Lを得ることができる。仮に、ブームヘ
ッド角度を最小調節角度βmin で行った場合には、ブー
ムヘッド42の先端部をできる限り上方障害物Bに接近
させ、充分な揚程を得ようとしても、図4の右方に示す
ように、ブームヘッド42よりも先に先端ブーム34の
先端部が上方障害物Bに接近し、その結果得られる揚程
L´はブームヘッド42が下を向いている分だけ短くな
ってしまう。揚程Lと揚程L´と差であるδは揚程Lに
対して比較的小さなものであるが、例えば、作業高さH
に対して荷Wの高さが高く、作業隙間Sが小さい場合に
は、この差δは重大な意味を持つことととなる。差δは
作業隙間Sと比較すべきものであり、この差δがあるこ
とによって荷Wの吊上作業および移動作業が容易となっ
て作業能率が向上し、あるいは従来は吊り上げが不可能
であった荷Wを吊り上げることが可能となる効果が得ら
れる。なお、図4にブーム26の最伸長状態が示されて
いるのは、この状態において本発明による効果、すなわ
ち、揚程の増大の効果が最も大きなものとなるからであ
り、ブーム26がそれ以外の状態でも程度の差はあるも
のの同様な効果が得られる。
【0026】なお付言すれば、本実施形態においては、
ストッパピン98の抜き挿しを行う際、巻上装置を利用
することによってブームヘッド42を回動させることが
できる。まず、巻上装置を作動させてフックブロック1
28を上昇させ、フックブロック128の上部をブーム
ヘッド42の先端部に当接させる。その状態からワイヤ
120を僅かに巻けばブームヘッド42が僅かに持ち上
げられて、ストッパピン98にブームヘッド42からの
力がほとんど作用しない状態となる。このようにすれ
ば、ストッパピン98が僅かな力で引き抜くことがで
き、また、ストッパピン98および第一ピン穴66など
の損傷も防止できる。この状態から、フックブロック1
28をさらに上昇させ、ブームヘッド42を図1におい
て時計回りに回動させ、第一ピン穴66と第三ピン穴9
6とがほぼ一致したときに巻上装置を停止させる。この
状態で、ストッパピン98を第一ピン穴66および第三
ピン穴96に挿入すればよい。ブームヘッド42は相当
の重量物であるが、他の荷役装置の助けを借りることな
く、ストッパピン98の抜き挿しや、ブームヘッド42
の回動を行うことができるのである。なお、ストッパピ
ン98を第三ピン穴96から引き抜いて第二ピン穴92
に挿し込む場合には、上記の手順と逆に行えばよい。
ストッパピン98の抜き挿しを行う際、巻上装置を利用
することによってブームヘッド42を回動させることが
できる。まず、巻上装置を作動させてフックブロック1
28を上昇させ、フックブロック128の上部をブーム
ヘッド42の先端部に当接させる。その状態からワイヤ
120を僅かに巻けばブームヘッド42が僅かに持ち上
げられて、ストッパピン98にブームヘッド42からの
力がほとんど作用しない状態となる。このようにすれ
ば、ストッパピン98が僅かな力で引き抜くことがで
き、また、ストッパピン98および第一ピン穴66など
の損傷も防止できる。この状態から、フックブロック1
28をさらに上昇させ、ブームヘッド42を図1におい
て時計回りに回動させ、第一ピン穴66と第三ピン穴9
6とがほぼ一致したときに巻上装置を停止させる。この
状態で、ストッパピン98を第一ピン穴66および第三
ピン穴96に挿入すればよい。ブームヘッド42は相当
の重量物であるが、他の荷役装置の助けを借りることな
く、ストッパピン98の抜き挿しや、ブームヘッド42
の回動を行うことができるのである。なお、ストッパピ
ン98を第三ピン穴96から引き抜いて第二ピン穴92
に挿し込む場合には、上記の手順と逆に行えばよい。
【0027】さらに付言すれば、本実施形態において
は、フックブロック128で荷Wを吊る代わりに、ブー
ムポイントピン84に円筒部材86を介して荷を吊り下
げることもでき、揚程が円筒部材86と地面Gとの垂直
距離となって大きな揚程が得られる。この場合、荷Wの
昇降は巻上装置によっては行うことができなくなるが、
ブーム26の起伏あるいは伸縮によっては行うことがで
きる。
は、フックブロック128で荷Wを吊る代わりに、ブー
ムポイントピン84に円筒部材86を介して荷を吊り下
げることもでき、揚程が円筒部材86と地面Gとの垂直
距離となって大きな揚程が得られる。この場合、荷Wの
昇降は巻上装置によっては行うことができなくなるが、
ブーム26の起伏あるいは伸縮によっては行うことがで
きる。
【0028】以上、本発明の一実施形態を説明したが、
本発明はその他の形態でも実施が可能である。例えば、
本実施形態においては、ブームヘッド42および先端ブ
ーム34の回動軸79が第二アイドラシーブ124の回
転軸としても機能するようになっており、ブーム重量の
軽減や部品点数の低減が行われているが、第二アイドラ
シーブ124の回転軸を回動軸79とは別に設けてもよ
い。また、本実施形態においては、ブームフートピン2
8とブームポイントピン84との距離、すなわちブーム
長さが多段シリンダによって伸縮可能とされているが、
伸縮しない固定式のものでもよく、また、伸縮を複数段
のブームを折り曲げて行う形式のものでもよい。さら
に、本実施形態においては、ブームヘッド角度を2段階
に調節可能としているが、3段階以上に調節可能として
もよく、また、ブームヘッド角度の調節をウォームとウ
ォームホイール等の一方向回転伝達機構によって行って
もよい。後者の場合、角度調節を無段階に行うことがで
きる。
本発明はその他の形態でも実施が可能である。例えば、
本実施形態においては、ブームヘッド42および先端ブ
ーム34の回動軸79が第二アイドラシーブ124の回
転軸としても機能するようになっており、ブーム重量の
軽減や部品点数の低減が行われているが、第二アイドラ
シーブ124の回転軸を回動軸79とは別に設けてもよ
い。また、本実施形態においては、ブームフートピン2
8とブームポイントピン84との距離、すなわちブーム
長さが多段シリンダによって伸縮可能とされているが、
伸縮しない固定式のものでもよく、また、伸縮を複数段
のブームを折り曲げて行う形式のものでもよい。さら
に、本実施形態においては、ブームヘッド角度を2段階
に調節可能としているが、3段階以上に調節可能として
もよく、また、ブームヘッド角度の調節をウォームとウ
ォームホイール等の一方向回転伝達機構によって行って
もよい。後者の場合、角度調節を無段階に行うことがで
きる。
【0029】その他、本発明をトラッククレーンに限ら
ず、クローラクレーン,ホイールクレーン等の自走クレ
ーンに適用するなど、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した形態で本発明を実施することができ
る。
ず、クローラクレーン,ホイールクレーン等の自走クレ
ーンに適用するなど、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した形態で本発明を実施することができ
る。
【図1】本発明の一実施形態であるトラッククレーンの
ブームヘッドを拡大して示す側面図である。
ブームヘッドを拡大して示す側面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】上記トラッククレーン全体を示す側面図であ
る。
る。
【図4】上記トラッククレーンの使用の状態を示す説明
図である。
図である。
10 トラック 26 ブーム 42 ブームヘッド 66 第一ピン穴 79 回動軸 92 第二ピン穴 96 第三ピン穴 98 ストッパピン 120 ワイヤ 126 ブームポイントシーブ 128 フックブロック 130 フックブロックシーブ 136 小シーブ 138 大シーブ 144 支持軸 150 フック
Claims (1)
- 【請求項1】走行体に支持されて垂直面内で回動するブ
ームと、 そのブームの先端部に垂直面内におけるブームとの成す
角度を調節可能に取り付けられたブームヘッドと、 そのブームヘッドの先端部に取り付けられた水平方向に
延びるブームポイントピンと、 そのブームポイントピンに回転可能に支持された複数個
のブームポイントシーブであって、溝の広い広溝シーブ
とその広溝シーブをブームポイントピンにおける両端側
から挟む溝の狭い複数個の狭溝シーブとを有するもの
と、 荷が吊り下げられるフックが水平方向に延びる支持軸に
支持されるとともに、その支持軸に複数個のフックブロ
ックシーブがフックを支持軸における両端側から挟む位
置において回転可能に支持されたフックブロックと、 そのフックブロック全体を吊り上げるために巻き上げら
れるワイヤであって、前記ブームポイントピンの一端側
における前記狭溝シーブと前記支持軸の一端側における
前記フックブロックシーブとに巻き掛けられた後に前記
広溝シーブに巻き掛けられ、その後に支持軸の他端側に
おけるフックブロックシーブとブームポイントピンの他
端側における狭溝シーブとに巻き掛けられるものとを含
むことを特徴とする自走クレーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29997296A JP2731143B2 (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | 自走クレーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29997296A JP2731143B2 (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | 自走クレーン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165190A true JPH09165190A (ja) | 1997-06-24 |
JP2731143B2 JP2731143B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=17879206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29997296A Expired - Lifetime JP2731143B2 (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | 自走クレーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2731143B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007062943A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Tadano Ltd | クレーンの吊上げ装置 |
-
1996
- 1996-11-12 JP JP29997296A patent/JP2731143B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007062943A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Tadano Ltd | クレーンの吊上げ装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2731143B2 (ja) | 1998-03-25 |
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