JPH09162628A - フェーズドアレイアンテナ - Google Patents

フェーズドアレイアンテナ

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Publication number
JPH09162628A
JPH09162628A JP7320202A JP32020295A JPH09162628A JP H09162628 A JPH09162628 A JP H09162628A JP 7320202 A JP7320202 A JP 7320202A JP 32020295 A JP32020295 A JP 32020295A JP H09162628 A JPH09162628 A JP H09162628A
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JP
Japan
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antenna
signal
reception
distributors
transmission
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Application number
JP7320202A
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English (en)
Inventor
Koichi Fukutani
晃一 福谷
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナ素子の数が増えるにつれて、DBF
処理用の複素ウェイトデータの算出に要する演算量が急
速に増大し、また、DBF処理部のハードウェア規模が
増大する。 【解決手段】 アンテナ素子2で受信された受信信号
は、アンテナ部1の合成分配器で縦横両方向に等分配さ
れ、縦方向の第1の給電路群11と横方向の第2の給電
路群12へ送出される。これらの受信信号はサーキュレ
ータ群3-1、3-2及びIQディジタル変換群5-1、5-2を介し
てDBF処理部6-1、6-2に入力され、制御部9で算出さ
れたアンテナ部1の横方向のウェイトデータ、縦方向の
ウェイトデータとそれぞれ積和演算されて受信部10へ
入力される。受信信号の処理系統を2つに分けて処理が
行われるため、アンテナ素子数m×nの場合、ウェイト
データ算出のための制御部9の演算量が従来の(m+n)/(m
×n)倍に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェーズドアレイア
ンテナに係り、特に平面又は曲面に沿って2次元マトリ
クス状に配列された複数のアンテナ素子を有し、ディジ
タルビーム形成(以下DBFと略す)処理部により複数
のアンテナ素子のそれぞれで受信した受信信号とウェイ
トデータとの積和演算処理を行うフェーズドアレイアン
テナに関する。
【0002】
【従来の技術】図8乃至図10は従来のフェーズドアレ
イアンテナの一例の構成図を示す。図8のブロック系統
図に示すように、従来のフェーズドアレイアンテナは、
アンテナ部1と、励振信号を発生する送信部7と、励振
信号の分配を行うRF分配器8と、アンテナ部1の励振
開口分布を決定する重み付けデータ(以下ウェイトデー
タと称す)の算出と、アンテナ部1の送受信モジュール
25−ll〜25−mnの制御を行う制御部9と、アン
テナ部1の複数のアンテナ素子2のそれぞれで受信した
受信信号とウェイトデータとの積和演算処理を行うDB
F処理部6と、受信信号を処理する受信部10とで構成
される。
【0003】また、上記のアンテナ部1は図9に示すよ
うに、図8にアンテナ素子2として示したm行n列のマ
トリクス状に配置された複数のアンテナ素子2−ll〜
2−mnと、アンテナ素子2−ll〜2−mnに1対1
に対応して設けられ、励振信号の増幅及び受信信号の検
波を行う複数の送受信モジュール25−ll〜25−m
nとから構成される。
【0004】更に、従来の送受信モジュール25−ll
〜25−mnのそれぞれは、図10のブロック系統図に
示す如く、サーキュレータ3、低雑音増幅器30、IQ
ディジタル変換器5、移相器31及び電力増幅器32か
らなる構成とされている。
【0005】次に、上記構成の従来のフェーズドアレイ
アンテナの送信時の動作について説明する。図8の送信
部7から出力された励振信号はRF分配器8で分配さ
れ、アンテナ部1の図9に示す各送受信モジュール25
−ll〜25−mnに給電される。各送受信モジュール
25−ll〜25−mnに入力された励振信号は、図8
の制御部9から出力される制御信号により制御される図
10の移相器31により位相制御されてから電力増幅器
32に供給されて電力増幅された後、サーキュレータ3
を通り、図9に示したアンテナ素子2−ll〜2−mn
から放射される。
【0006】次に、受信時の動作について説明する。ア
ンテナ素子2−ll〜2−mnで受信された受信信号
は、それぞれ対応して設けられている送受信モジュール
25−ll〜25−mnに入力され、ここで図10に示
した低雑音増幅器30により増幅され、IQディジタル
変換器5により、I/Q検波及びA/D変換されてIQ
の各ディジタル信号に変換される。各送受信モジュール
25−ll〜25−mnから出力されたIQディジタル
信号は、図8及び図9に示したDBF処理部6に入力さ
れ、ここで制御部9で算出された複素ウェイトデータと
積和演算され、これにより得られた演算結果が受信部1
0へ送られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
のフェーズドアレイアンテナは以下の問題がある。第1
の問題点は、アンテナ素子2−ll〜2−mnの数が増
えるにつれて、制御部9におけるDBF処理用の複素ウ
ェイトデータの算出に要する演算量が急速に増大するこ
とである。その理由は、アンテナの放射パターンの成形
において、任意の方位角、仰角にビームを向けるために
は、アンテナ素子毎に独立な複素ウェイトを算出する必
要があるからである。
【0008】第2の問題点は、アンテナ素子2−ll〜
2−mnの数が増えるにつれて、DBF処理部6内の積
和演算器を多数必要とすることである。演算処理量はア
ンテナ素子数に比例し、また規定時間内に演算を行う必
要があるため、積和演算器の数が増えるからである。
【0009】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
受信信号の処理系統を縦方向及び横方向の直交する2方
向に分割し、それぞれの系統でDBF処理を行うように
することにより、複素ウェイトデータの算出に要する演
算量を、全アンテナ素子の増加ではなく、縦方向と横方
向のアンテナ素子数の増加に比例するようにし、もっ
て、アンテナ素子数の増加による複素ウェイトデータの
算出演算量の増加を抑さえ、演算の高速化を実現しうる
と共に、DBF処理を行う積和演算器の規模を小さくで
きるフェーズドアレイアンテナを提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、平面又は曲面に沿って2次元マトリクス
状に配列された複数のアンテナ素子と、複数のアンテナ
素子のそれぞれに対応して設けられ、励振信号の合成及
び受信信号の等分配を行う複数の合成分配器と、複数の
合成分配器のうち横方向に配置された複数の合成分配器
毎に励振信号を出力し又は合成受信信号が入力される第
1の給電路群と、複数の合成分配器のうち縦方向に配置
された複数の合成分配器毎に励振信号を出力し又は合成
受信信号が入力される第2の給電路群と、第1及び第2
の給電路群毎に配置されており、受信信号の検波とその
検波信号のA/D変換を行う第1及び第2の信号処理手
段と、第1及び第2の信号処理手段から別々に出力され
たディジタル信号と、別途生成した第1及び第2のウェ
イトデータとの積和演算を別々に行って第1及び第2の
ディジタルビーム演算結果を別々に出力する第1及び第
2のディジタルビーム形成処理手段とから構成したもの
である。
【0011】また、本発明は、複数のアンテナ素子のそ
れぞれに対応して設けられ、受信信号の検波及び検波信
号のA/D変換及び励振信号の位相制御、増幅を行う送
受信モジュールと、複数の送受信モジュールのうち縦方
向に配置された複数の送受信モジュール毎にそれらの出
力ディジタル信号を加算する複数の第1の加算器と、複
数の送受信モジュールのうち横方向に配置された複数の
送受信モジュール毎にそれらの出力ディジタル信号を加
算する複数の第2の加算器と、第1及び第2の加算器か
らそれぞれ出力されたディジタル信号と第1及び第2の
ウェイトデータとの積和演算を別々に行って第1及び第
2のディジタルビーム演算結果を出力する第1及び第2
のディジタルビーム形成処理手段とを有する構成とした
ものである。
【0012】このように、本発明はM行N列のマトリク
ス状に配列された複数のアンテナ素子の受信信号を合成
分配器又は第1及び第2の加算器を用いることにより、
縦方向(行方向)及び横方向(列方向)に2分割してそ
れぞれ第1及び第2のディジタルビーム形成処理手段に
よりディジタルビーム形成処理(DBF処理)の演算を
行うようにしたため、受信時にウェイトデータの算出を
行う際、縦方向、横方向の重み付けを行うだけで、アン
テナ開口全素子の重み付けができるようになる。
【0013】ここで、縦方向のアンテナ素子数をM、横
方向のアンテナ素子数をNとしたときに、DBF処理の
ためのウェイトデータの算出は、従来は(M×N)本の
アンテナ素子のそれぞれの受信信号に対して個別に行っ
ていたのに対し、本発明では、M本の縦方向のアンテナ
素子の合成受信信号とN本の横方向のアンテナ素子の合
成受信信号に対して別々に演算して両者を合成するの
で、ウェイトデータの算出に必要な演算量は、従来の
(M+N)/(M×N)倍に低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0015】図1は本発明になるフェーズドアレイアン
テナの第1の実施の形態のブロック系統図を示す。同図
に示すように、この第1の実施の形態のフェーズドアレ
イアンテナは、2次元マトリクス状に配列された複数の
アンテナ素子2を有するアンテナ部1、縦方向に配列さ
れた複数のアンテナ素子2に対して給電を行う第1の給
電路群11、横方向に配列された複数のアンテナ素子2
に対して給電を行う第2の給電路群12、励振信号を生
成する送信部7、その励振信号を分配するRF分配器
8、各部の制御及びウェイトデータを算出する制御部9
及び受信部10とから構成される。
【0016】第1の給電路群11、第2の給電路群12
には、送信系と受信系を分けるサーキュレータ群3−
1、3−2を有する。また、送信系には制御部9により
制御され、励振信号の位相制御を行う移相器群4−1、
4−2を有する。受信系には、受信信号のI/Q検波及
びA/D変化を行うIQディジタル変換群5−1、5−
2を有し、ここで変換されたIQディジタルデータと制
御部9で算出されたウェイトデータとの積和演算を行う
DBF処理部6−1、6−2を有する。
【0017】図2は図1中のアンテナ部1の詳細な構成
図を示す。図2において、第1の給電路群11はm本の
給電路23−1l〜23−1m、第2の給電路群12は
n本の給電路23−2l〜23−2nをそれぞれ有し、
それぞれの給電路の交点には合成分配器22−ll〜2
3−mnが設けられている。各合成分配器22−ll〜
23−mnに1対1に対応して、アンテナ素子2−ll
〜2−mnが配置されている。また反射防止用に各給電
路23−1l〜23−1m、23−2l〜23−2nの
端部には終端器21−11〜21−1m、21−2l〜
21−2nが設けられている。
【0018】合成分配器22−1〜22−mnはそれぞ
れ同一構成であり、例えば図3に示す如き構成とされて
いる。図3に示すように、合成分配器22は、横方向の
給電路23−lとアンテナ素子2との間で信号のやりと
りを行うためのカップラ26−1と、縦方向の給電路2
3−2とアンテナ素子2との間で信号のやりとりを行う
ためのカップラ26−2と、受信信号の等分配及び励振
信号の合成を行うための等分配合成器27から構成され
る。
【0019】次に、この実施の形態の動作について、図
1〜図3を参照して説明する。まず、送信時の動作につ
いて説明する。図1において、送信部7で生成された励
振信号はRF分配器8で分配された後、制御部9からの
制御信号により制御される移相器群4−1、4−2で位
相制御された後、サーキュレータ群3−1、3−2を通
して第1の給電路群11、第2の給電路群12からの励
振信号としてアンテナ部1に入力される。
【0020】図2に示すアンテナ部1では、第1の給電
路群11、第2の給電路群12から入力された上記の励
振信号を、その交点に配置した合成分配器22−ll〜
23−mnで合成し、対応して接続されたアンテナ素子
2−ll〜2−mnから放射する。合成分配器22−l
l〜22−mnは図3に示したように、第1の給電路群
11からの励振信号は給電路23−1からカップラ26
−1により、第2の給電路群12からの励振信号は給電
路23−2からカップラ26−2により、それぞれ等分
配合成器27に入力し、ここで合成させて対応して接続
されるアンテナ素子2へ合成励振信号を出力する。
【0021】次に、受信時の動作について説明する。図
3において、アンテナ素子2で受信された受信信号は、
アンテナ部1の合成分配器22(22−11〜22−m
n)内の等分配合成器27で等分配され、カップラ26
−1、26−2で横方向の給電路23−1と、縦方向の
給電路23−2にそれぞれ分配入力される。
【0022】上記のように合成分配器22−ll〜22
−mnで横方向、縦方向に分配された受信信号は、図2
に示した各給電路23−ll〜23−ln、23−2l
〜23−2mに配置された合成分配器22−ll〜22
−mnのうち、同じ行、同じ列の合成分配器で合成され
ながら、第1の給電路群11、第2の給電路群12へ送
出される。
【0023】第1の給電路群11、第2の給電路群12
へ上記の如く送出された受信信号は、図1に示したサー
キュレータ群3−1、3−2により受信系に分岐され、
IQディジタル変換群5−1、5−2でI/Q検波、A
/D変換されIQディジタル信号に変換される。このI
Qディジタル信号はDBF処理部6−1、6−2に入力
され、制御部9で算出されたアンテナ部1の横方向のウ
ェイトデータ、縦方向のウェイトデータとそれぞれ積和
演算されて受信部10へ入力される。
【0024】このように、この第1の実施の形態では、
受信信号の処理系統を2つに分けて処理を行うようにし
たため、アンテナ素子数m×nの場合、ウェイトデータ
算出のための制御部9の演算量が従来の(m+n)/
(m×n)倍に低減でき、これにより、リアルタイムに
処理できるビームの本数を増加させることができ、ま
た、DFB処理部6−1と6−2のハードウェア規模を
小さくでき、コストの低減及びアンテナの小型化ができ
る。
【0025】次に、本発明の第2の実施の形態について
図面を参照して詳細に説明する。図4は本発明になるフ
ェーズドアレイアンテナの第2の実施の形態のブロック
系統図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符
号を付してある。この実施の形態のフェーズドアレイア
ンテナは、図4に示すように、2次元マトリクス状に配
列された複数のアンテナ素子2を有するアンテナ部1、
縦横2つに分割された第1の受信経路群13及び第2の
受信経路群14、励振信号を生成する送信部7、その励
振信号を分配するRF分配器8、各部の制御及びアンテ
ナ開口のウェイトデータを算出する制御部9、及び受信
部10から構成される。また、第1の受信経路群13、
第2の受信経路群14には、IQディジタルデータと制
御部9で算出されたウェイトデータとの積和演算を行う
DBF処理部6−1、6−2が設けられている。
【0026】図5は図4中のアンテナ部1の詳細な構成
図を示す。図5において、アンテナ素子2−ll〜2−
mnにはそれぞれ、励振信号の位相制御、増幅及び受信
信号のI/Q検波、A/D変換を行う送受信モジュール
25−ll〜25−mnが接続される。また、送受信モ
ジュール25−ll〜25−mnから出力されるIQデ
ィジタルデータの縦方向の加算を行う加算器24−ll
〜24−ln、横方向の加算を行う加算器24−2l〜
24−2mを有する。送受信モジュール25−ll〜2
5−mnの内部構成は従来例と同じ図10の構成であ
る。
【0027】なお、2次元マトリクス状に配列されたア
ンテナ素子2−ll〜2−mnと送受信モジュール25
−ll〜25−mnは、図5においては図示の便宜上、
縦方向1列分のアンテナ素子2−ll〜2−m1と送受
信モジュール25−ll〜25−m1のみ示している。
【0028】次に、本発明の第2の実施の形態の動作に
ついて、図4及び図5を用いて説明する。送信時の動作
は従来の場合と同じである。一方、受信時においては、
図5に示したアンテナ素子2−ll〜2−mnで受信さ
れた受信信号は、送受信モジュール25−ll〜25−
mnに入力され、従来と同様にIQディジタル信号とし
て出力される。IQディジタル信号は、その後、第1の
受信経路群13、第2の受信経路群14に分配される。
【0029】第2の受信経路群14へは加算器24−l
l〜24−lnでアンテナ部1の縦方向のIQディジタ
ルデータが加算されて出力される。第1の受信経路群1
3へは、加算器24−2l〜24−2mでアンテナ部1
の横方向のIQディジタルデータが加算されて出力され
る。
【0030】第1の受信経路群13と第2の受信経路群
14へ出力された各IQディジタルデータはDBF処理
部6−1、6−2に入力され、ここで制御部9にて算出
されたウェイトデータと積和演算され、得られた演算結
果が受信部10へ入力される。DBF処理部6−1には
アンテナ部1の縦方向のウェイトデータが、DBF処理
部6−2にはアンテナ部1の横方向のウェイトデータが
与えられる。
【0031】このように、この第2の実施の形態も、受
信信号の処理系統を2つに分けて処理を行うようにした
ため、第1の実施の形態と同様の特長を有するものであ
る。
【0032】次に、本発明の第1及び第2の実施の形態
のフェーズドアレイアンテナと従来のフェーズドアレイ
アンテナについて図6及び計算式を用いて説明する。
【0033】計算の簡略化のため、4素子のアンテナに
ついて計算を行う。図6(A)の本発明の実施の形態の
簡易モデルと図6(B)の従来の簡易モデルにおいて、
各アンテナ素子2−ll、2−12、2−21、2−2
2で受信する受信信号をベクトルr11、ベクトルr12
ベクトルr21、ベクトルr22とする。また、ウェイトデ
ータをベクトルwx1、ベクトルwx2、ベクトルwy1、ベ
クトルwy2とする。
【0034】まず、従来のフェーズドアレイアンテナの
DBF処理部6bは、図6(B)の簡易モデルで示され
る回路で積和演算処理結果を得る。このときの演算結果
をベクトルA0とすると(1)式のようになる。
【0035】A0=wx1y111+wx2y112+wx1
y221+wx2y222 (1)これに対し、第1及
び第2の実施の形態のフェーズドアレイアンテナのDB
F処理部6aは、図6(A)の簡易モデルで示される回
路で積和演算処理結果を得る。このときの演算結果をベ
クトルA1とすると、(2)式のようになる。
【0036】
【数1】 (2)式は受信時のDBF処理だけでなく、第1の実施
の形態の送信時についても成立する。送信時ウェイトデ
ータは、図1のRF分配器8及び移相器群4−1、4−
2により設定できるので以後説明は受信時について述べ
る。
【0037】簡単のためウェイトデータは一様分布とす
ると、(3)式が得られる。
【0038】 wx1=wx2=wy1=wy2=1 (3) 水平面パターン(アンテナの横方向)について比較を行
うと(4)式が成り立つ。アンテナ素子間隔は2/3波
長と仮定する。
【0039】
【数2】 (3)式、(4)式を(1)式、(2)式に代入する
と、それぞれ(5)式、(6)式となる。
【0040】
【数3】 これにより、横軸に方位をとり縦軸に振幅をとってφを
変化させた時のアンテナパターン(ここでは水平面パタ
ーン)は、従来は(5)式から図7に破線Iで示すパタ
ーンとなり、第1及び第2の実施形態の場合は(6)式
から図7に実線IIで示すパターンとなる。同図に示すよ
うに、本発明の場合のアンテナパターンIIは、従来の場
合のアンテナパターンIと同程度であることがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受信信号の処理系統を2つに分けて処理を行うことによ
り、アンテナ素子数がM×Nの場合、ウェイトデータ算
出のための演算量を従来に比べて(M+N)/(M×
N)倍に低減できるようにしたため、リアルタイムに処
理できるビームの本数を増やすことが可能となり、マル
チビーム化が図れる。
【0042】また、本発明によれば、ウェイトデータと
受信データの積和演算を行うDBF処理に係る演算量
も、処理系統を2つに分けることにより、従来に比べて
(M+N)/(M×N)倍と低減されるため、DBF処
理部のハードウェア規模を小さくでき、これにより、コ
スト低減、アンテナの小型化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフェーズドアレイアンテナの第1の実
施の形態を示すブロック系統図である。
【図2】図1中のアンテナ部の構成図である。
【図3】図2中の合成分配器の一例の構成図である。
【図4】本発明のフェーズドアレイアンテナの第2の実
施の形態を示すブロック系統図である。
【図5】図4中のアンテナ部の構成図である。
【図6】本発明の第1及び第2の実施の形態と従来例の
DBF処理を計算式により説明するための簡易モデルで
ある。
【図7】図6の簡易モデルで計算した時のアンテナパタ
ーンを示す図である。
【図8】従来のフェーズドアレイアンテナの一例のブロ
ック系統図である。
【図9】図8のアンテナ部の一例の構成図である。
【図10】図9中の送受信モジュールの一例のブロック
系統図である。
【符号の説明】
1 アンテナ部 2、2−11〜2−mn アンテナ素子 3−1、3−2 サーキュレータ群 4−1、4−2 移相器群 5−1、5−2 IQディジタル変換群 6−1、6−2、6a、6b ディジタルビーム形成
(DBF)処理部 7 送信部 8 RF分配器 9 制御部 10 受信部 11 第1の給電路群 12 第2の給電路群 13 第1の受信経路群 14 第2の受信経路群 21−11〜21−1m、21−21〜21−2n 終
端器 22−11〜22−mn、22 合成分配器 23−11〜23−1m、23−21〜23−2n、2
3−1、23−2 給電路 24−11〜24−1n 第1の加算器 24−21〜24−2m 第2の加算器 25−11〜25−m1 送受信モジュール 26−1、26−2 カップラ 27 等分配合成器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面又は曲面に沿って2次元マトリクス
    状に配列された複数のアンテナ素子と、 該複数のアンテナ素子のそれぞれに対応して設けられ、
    励振信号の合成及び受信信号の等分配を行う複数の合成
    分配器と、 前記複数の合成分配器のうち横方向に配置された複数の
    合成分配器毎に励振信号を出力し又は合成受信信号が入
    力される第1の給電路群と、 前記複数の合成分配器のうち縦方向に配置された複数の
    合成分配器毎に励振信号を出力し又は合成受信信号が入
    力される第2の給電路群と、 前記第1及び第2の給電路群毎に配置されており、受信
    信号の検波とその検波信号のA/D変換を行う第1及び
    第2の信号処理手段と、 該第1及び第2の信号処理手段から別々に出力されたデ
    ィジタル信号と、別途生成した第1及び第2のウェイト
    データとの積和演算を別々に行って第1及び第2のディ
    ジタルビーム演算結果を別々に出力する第1及び第2の
    ディジタルビーム形成処理手段とを有することを特徴と
    するフェーズドアレイアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記複数の合成分配器のそれぞれは、前
    記第1の給電路群のうちの対応する一本の給電路に接続
    された第1のカップラと、前記第2の給電路群のうちの
    対応する一本の給電路に接続された第2のカップラと、
    前記第1及び第2のカップラからの励振信号は合成して
    接続された一のアンテナ素子に供給し、該一のアンテナ
    素子からの受信信号は等分配して前記第1、第2のカッ
    プラを介してそれぞれの給電路へ出力する等分配合成器
    からなることを特徴とする請求項1記載のフェーズドア
    レイアンテナ。
  3. 【請求項3】 平面又は曲面に沿って2次元マトリクス
    状に配列された複数のアンテナ素子と、 該複数のアンテナ素子のそれぞれに対応して設けられ、
    受信信号の検波及び検波信号のA/D変換及び励振信号
    の位相制御、増幅を行う送受信モジュールと、前記複数
    の送受信モジュールのうち縦方向に配置された複数の送
    受信モジュール毎にそれらの出力ディジタル信号を加算
    する複数の第1の加算器と、 前記複数の送受信モジュールのうち横方向に配置された
    複数の送受信モジュール毎にそれらの出力ディジタル信
    号を加算する複数の第2の加算器と、 該第1及び第2の加算器からそれぞれ出力されたディジ
    タル信号と第1及び第2のウェイトデータとの積和演算
    を別々に行って第1及び第2のディジタルビーム演算結
    果を出力する第1及び第2のディジタルビーム形成処理
    手段とを有することを特徴とするフェーズドアレイアン
    テナ。
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