JPH09161976A - 非常用点灯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用交流電源の停電および非停電に確実に対
応して電源を切り換える非常用点灯装置を提供する。 【解決手段】 商用交流電源Ｅの停電時には、トランジ
スタQ3のベースの逆バイアスがなくなり、バッテリＢの
電力をインバータ回路５に供給し、インバータ回路５は
高周波発振して出力巻線Tr2bに高周波交流を誘起して供
給し、スタータ６で蛍光ランプFLを始動、点灯させる。
発光ダイオードLED2が点灯し、フォトトライアックPQ1
がオンし、トライアックQ1をトリガしなくなりオフ状態
を維持し、インダクタL1を介しては電力を供給しなくな
る。インバータ回路５が動作するとトライアックQ1がオ
ンしなくなり、インダクタL1を介した電力とインバータ
回路５からの電力がともに蛍光ランプFLに流れ、高周波
成分が低周波用の部分に流れ込んだり、いずれからも電
力が供給せず蛍光ランプFLが点灯しない状態にならな
い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、交流電源の停電お
よび非停電のいずれでも放電ランプを点灯させる非常用
点灯装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の非常用点灯装置としては、たとえ
ば図２に示す構成が知られている。この図２に示す構成
の非常用点灯装置は、商用交流電源Ｅは安定器としての
インダクタL1および切換手段としての切換回路２を介し
て、放電ランプとしての蛍光ランプFLの一方のフィラメ
ントFL1 および他方のフィラメントFL2 に接続されてい
る。

【０００３】また、商用交流電源Ｅの両端子間には、コ
ンデンサC1および定電圧素子Z1の並列回路が接続される
とともに、降圧用のトランスTr1 の一次巻線Tr1aが接続
されている。そして、商用交流電源Ｅおよび蛍光ランプ
FL間にはトライアックQ1が接続され、このトライアック
Q1に対して並列にコンデンサC2が接続されている。ま
た、このトライアックQ1のゲートは抵抗R1、定電圧用の
ツェナダイオードZD1 およびツェナダイオードZD2 の直
列回路を介してトランスTr1 の一次巻線Tr1aの中間に接
続され、トライアックQ1のゲートおよび一端間には、コ
ンデンサC3が接続されている。

【０００４】さらに、このトランスTr1 の二次巻線Tr1b
には、全波整流器３の入力端子が接続され、全波整流器
３の出力端子間には、トランジスタQ2のエミッタ、コレ
クタ、抵抗R1およびコンデンサC4の直列回路が接続さ
れ、コンデンサC4に対して並列にモニタ用の発光ダイオ
ードLED1が接続されている。また、全波整流器３の出力
端子間には、抵抗R3、ダイオードD1、ダイオードD2、ヒ
ューズＦおよびバッテリＢの直列回路が接続され、抵抗
R3およびダイオードD1の接続点は抵抗R4を介してトラン
ジスタQ2のベースに接続されている。

【０００５】そして、ダイオードD1およびダイオードD2
の接続点と全波整流器３の負極との間には、制御手段と
しての制御回路４が接続されている。この制御回路４
は、ダイオードD1およびダイオードD2の接続点と全波整
流器３の負極との間に、コンデンサC5および抵抗R5の並
列回路が接続され、ダイオードD1およびダイオードD2の
接続点は抵抗R6を介してトランジスタQ3のベースに接続
され、このトランジスタQ3のエミッタはダイオードD2に
接続されている。

【０００６】さらに、ダイオードD2には、プッシュプル
型のインバータ回路５が接続されている。このインバー
タ回路５は、チョークコイルL2を介してインバータトラ
ンスTr2 の入力巻線Tr2aの中点に接続され、この入力巻
線Tr2aの一端はトランジスタQ4のエミッタ、コレクタを
介して全波整流器３の負極に接続され、入力巻線Tr2aの
他端はトランジスタQ5のエミッタ、コレクタを介して全
波整流器３の負極に接続されている。また、入力巻線Tr
2aには、定電圧素子Q6およびコンデンサC6の並列回路が
接続されている。さらに、インバータトランスTr2 は制
御巻線Tr2cを有しており、この制御巻線Tr2cの一端は、
トランジスタQ4のベースに他端はトランジスタQ5のベー
スに接続され、トランジスタQ4のベースは抵抗R7を介し
て、トランジスタQ5のベースは抵抗R8を介して、それぞ
れトランジスタQ3のコレクタに接続されている。

【０００７】そして、インバータトランスTr2 の出力巻
線Tr2bは、一端がコンデンサC7を介して蛍光ランプFLの
フィラメントFL1 に接続されるとともに、他端が蛍光ラ
ンプFLのフィラメントFL2 に接続されている。

【０００８】また、インバータトランスTr2 は、フィラ
メント予熱巻線Tr2dおよびフィラメント予熱巻線Tr2eを
有しており、フィラメント予熱巻線Tr2dは限流用のコン
デンサC8を介してフィラメントFL1 に接続され、フィラ
メント予熱巻線Tr2eは限流用のコンデンサC9を介してフ
ィラメントFL2 に接続されている。

【０００９】さらに、蛍光ランプFLのフィラメントFL1
およびフィラメントFL2 間には、インダクタL3およびス
タータ６の直列回路が接続されるとともに、スタータ６
に対して並列にコンデンサC10 が接続されている。

【００１０】そして、商用交流電源Ｅの非停電時には、
定電圧素子Z1で設定される電圧にトランスTr1 の一次巻
線Tr1aの電圧が設定され、一次巻線Tr1aの電圧が所定値
に達する毎に極性に従いツェナダイオードZD1 またはツ
ェナダイオードZD2 がオンしてトライアックQ1をオン
し、インダクタL1を介して電圧が印加され、スタータ６
によりフィラメントFL1 ，FL2 を予熱して蛍光ランプFL
を、始動点灯させる。

【００１１】一方、トランスTr1 で降圧して全波整流器
３で全波整流し、抵抗R3、ダイオードD1およびダイオー
ドD2を介してバッテリＢを充電する。また、バッテリＢ
の充電電圧が低い場合には充電電流が流れて抵抗R3に電
位差が生ずるので、トランジスタQ2がオンし発光ダイオ
ードLED1が発光して充電中である旨を表示する。そし
て、バッテリＢの充電が進み、抵抗R3に流れる電流が小
さくなって抵抗R3の電位差が低下するとトランジスタQ2
がオフして、発光ダイオードLED1が消灯しバッテリＢは
充電終了した旨を示す。

【００１２】なお、商用交流電源Ｅが非停電の状態では
トランジスタQ3のベースには逆バイアスが掛かっている
ため、インバータ回路５には電力が供給されず動作しな
い。

【００１３】また、商用交流電源Ｅの停電時には、一次
巻線Tr1aの電圧が所定値以下に低下し、ツェナダイオー
ドZD1 またはツェナダイオードZD2 が逆阻止状態でトラ
イアックQ1はオフ状態を維持するので、インダクタL1を
介しては蛍光ランプFLに電力は供給されない。

【００１４】そして、トランジスタQ3のベースの逆バイ
アスがなくなるため、バッテリＢの直流電力がインバー
タ回路５に供給され、インバータ回路５は高周波発振し
て出力巻線Tr2bに高周波交流を誘起して高周波を供給
し、スタータ６により蛍光ランプFLを始動、点灯させ
る。なお、インバータ回路５からの出力は、インダクタ
L1を介した出力より低い。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
２に示す従来例の場合、商用交流電源ＥのインダクタL1
を経由した蛍光ランプFLへの電力の供給に関する商用交
流電源Ｅの停電および非停電は、ツェナダイオードZD1
およびツェナダイオードZD2 で検知し、インバータ回路
５の動作に関する商用交流電源Ｅの停電および非停電
は、トランジスタQ3で検知する。このため、それぞれの
停電、非停電の閾値が異なり、ツェナダイオードZD1 お
よびツェナダイオードZD2 で商用交流電源Ｅが非停電と
判断し、トランジスタQ3で商用交流電源Ｅが停電と判断
してしまうと、インダクタL1を介した電力とインバータ
回路５からの電力がともに蛍光ランプFLに流れ、高周波
成分が低周波用のインダクタL1などに流れ込み好ましく
ない。反対に、ツェナダイオードZD1 およびツェナダイ
オードZD2 で商用交流電源Ｅが停電と判断し、トランジ
スタQ3で商用交流電源Ｅが非停電と判断してしまうと、
いずれからも蛍光ランプFLに電力が供給されず蛍光ラン
プFLが点灯しない状態になり好ましくない。

【００１６】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、商用交流電源の停電および非停電に確実に対応して
電源を切り換える非常用点灯装置を提供することを目的
とする。

【００１７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の非常用点
灯装置は、商用交流電源の停電および非停電を検出し、
前記商用交流電源の非停電時にはこの商用交流電源から
の電力を供給するとともに前記商用交流電源にてバッテ
リを充電し、前記商用交流電源の停電時には前記バッテ
リからの直流をインバータ回路により変換して供給し、
放電ランプを点灯させる非常用点灯装置において、商用
交流電源および放電ランプ間に位置し商用交流電源から
の電力の供給をオン、オフする切換手段と、前記バッテ
リからの直流を前記インバータ回路に供給すると前記切
換手段をオフする制御手段とを具備したもので、バッテ
リからの直流をインバータ回路に供給すると制御手段で
切換手段をオフするため、商用交流電源のオフとバッテ
リを瞬時に切り換えられるので、放電ランプが非点灯状
態になったり、高周波が低周波側に回り込むことを防止
する。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の非常用点灯装置の
一実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図２に
示す従来例に対応する部分には同一符号を付して説明す
る。

【００１９】この図１に示す構成の非常用点灯装置は、
商用交流電源Ｅは安定器としてのインダクタL1および切
換手段としての切換回路11を介して、放電ランプとして
の蛍光ランプFLの一方のフィラメントFL1 および他方の
フィラメントFL2 に接続されている。

【００２０】また、商用交流電源Ｅの両端子間には、コ
ンデンサC1および定電圧素子Z1の並列回路が接続される
とともに、降圧用のトランスTr1 の一次巻線Tr1aが接続
されている。そして、商用交流電源Ｅおよび蛍光ランプ
FL間にはトライアックQ1が接続され、このトライアック
Q1に対して並列にコンデンサC2が接続されている。ま
た、このトライアックQ1のゲートは抵抗R1を介してトラ
ンスTr1 の一次巻線Tr1aの中間に接続され、トライアッ
クQ1のゲートおよび一端間には、コンデンサC3およびフ
ォトトライアックPQ1 の並列回路が接続されている。

【００２１】さらに、このトランスTr1 の二次巻線Tr1b
には、全波整流器３の入力端子が接続され、全波整流器
３の出力端子間には、トランジスタQ2のエミッタ、コレ
クタ、抵抗R1およびコンデンサC4の直列回路が接続さ
れ、コンデンサC4に対して並列にモニタ用の発光ダイオ
ードLED1が接続されている。また、全波整流器３の出力
端子間には、抵抗R3、ダイオードD1、ダイオードD2、ヒ
ューズＦおよびバッテリＢの直列回路が接続され、抵抗
R3およびダイオードD1の接続点は抵抗R4を介してトラン
ジスタQ2のベースに接続されている。

【００２２】そして、ダイオードD1を介して制御手段と
しての制御回路12が接続され、この制御回路12は、上述
のダイオードD2を有しダイオードD1およびダイオードD2
の接続点と全波整流器３の負極との間に、コンデンサC5
および抵抗R5の並列回路が接続され、ダイオードD1およ
びダイオードD2の接続点は抵抗R6を介してトランジスタ
Q3のベースに接続され、このトランジスタQ3のエミッタ
はダイオードD2に接続され、コレクタはフォトトライア
ックPQ1 にフォトカップリングされた発光ダイオードLE
D2が接続されている。

【００２３】さらに、ダイオードD2には、プッシュプル
型のインバータ回路５が接続されている。このインバー
タ回路５は、チョークコイルL2を介してインバータトラ
ンスTr2 の入力巻線Tr2aの中点に接続され、この入力巻
線Tr2aの一端はトランジスタQ4のエミッタ、コレクタを
介して全波整流器３の負極に接続され、入力巻線Tr2aの
他端はトランジスタQ5のエミッタ、コレクタを介して全
波整流器３の負極に接続されている。また、入力巻線Tr
2aには、定電圧素子Q6およびコンデンサC6の並列回路が
接続されている。さらに、インバータトランスTr2 は制
御巻線Tr2cを有しており、この制御巻線Tr2cの一端は、
トランジスタQ4のベースに他端はトランジスタQ5のベー
スに接続され、トランジスタQ4のベースは抵抗R7を介し
て、トランジスタQ5のベースは抵抗R8を介して、それぞ
れトランジスタQ3のコレクタに接続されている。

【００２４】そして、インバータトランスTr2 の出力巻
線Tr2bは、一端がコンデンサC7を介して蛍光ランプFLの
フィラメントFL1 に接続されるとともに、他端が蛍光ラ
ンプFLのフィラメントFL2 に接続されている。

【００２５】また、インバータトランスTr2 は、フィラ
メント予熱巻線Tr2dおよびフィラメント予熱巻線Tr2eを
有しており、フィラメント予熱巻線Tr2dは限流用のコン
デンサC8を介してフィラメントFL1 に接続され、フィラ
メント予熱巻線Tr2eは限流用のコンデンサC9を介してフ
ィラメントFL2 に接続されている。

【００２６】さらに、蛍光ランプFLのフィラメントFL1
およびフィラメントFL2 間には、インダクタL3およびス
タータ６の直列回路が接続されるとともに、スタータ６
に対して並列にコンデンサC10 が接続されている。

【００２７】次に、上記実施の形態の動作について説明
する。

【００２８】商用交流電源Ｅの非停電時には、定電圧素
子Z1で設定される電圧にトランスTr1 の一次巻線Tr1aの
電圧が設定され、一次巻線Tr1aの電圧が所定値に達する
毎にトライアックQ1をオンし、インダクタL1を介して電
圧が印加され、スタータ６によりフィラメントFL1 ，FL
2 を予熱して蛍光ランプFLを、始動点灯させる。

【００２９】一方、トランスTr1 で降圧して全波整流器
３で全波整流し、抵抗R3、ダイオードD1およびダイオー
ドD2を介してバッテリＢを充電する。また、バッテリＢ
の充電電圧が低い場合には充電電流が流れて抵抗R3に電
位差が生ずるので、トランジスタQ2がオンし発光ダイオ
ードLED1が発光して充電中である旨を表示する。そし
て、バッテリＢの充電が進み、抵抗R3に流れる電流が小
さくなって抵抗R3の電位差が低下するとトランジスタQ2
がオフして、発光ダイオードLED1が消灯しバッテリＢは
充電終了した旨を示す。

【００３０】なお、商用交流電源Ｅが非停電の状態では
コンデンサC3が充電されてトランジスタQ3のベースには
逆バイアスが掛かっているため、インバータ回路５には
電力が供給されず動作しないとともに、発光ダイオード
LED2も発光しない。

【００３１】一方、商用交流電源Ｅの停電時には、コン
デンサC3が放電してトランジスタQ3のベースの逆バイア
スがなくなるため、バッテリＢの直流電力がインバータ
回路５に供給され、インバータ回路５は高周波発振して
出力巻線Tr2bに高周波交流を誘起して高周波を供給し、
スタータ６により蛍光ランプFLを始動、点灯させる。ま
た、トランジスタQ3のエミッタ、コレクタ電流が流れる
ことにより発光ダイオードLED2が点灯し、フォトカップ
リングされたフォトトライアックPQ1 がオンすることに
より、トライアックQ1がトリガされなくなりオフ状態を
維持し、インダクタL1を介しては蛍光ランプFLに電力が
供給されなくなる。したがって、インバータ回路５の動
作の開始に伴いトライアックQ1がオンしなくなるので、
インダクタL1を介した電力とインバータ回路５からの電
力がともに蛍光ランプFLに流れ、高周波成分が低周波用
のインダクタL1などに流れ込んだり、いずれからも蛍光
ランプFLに電力が供給されず蛍光ランプFLが点灯しない
状態になることを防止できる。

【００３２】なお、インバータ回路５からの出力は、イ
ンダクタL1を介した出力より低い。

【００３３】

【発明の効果】請求項１記載の非常用点灯装置によれ
ば、バッテリからの直流をインバータ回路に供給すると
制御手段で切換手段をオフするため、商用交流電源のオ
フとバッテリを瞬時に切り換えられるので、放電ランプ
が非点灯状態になったり、高周波が低周波側に回り込む
ことを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の非常用点灯装置の一実施の形態を示す
回路図である。

【図２】従来例の非常用点灯装置を示す回路図である。

【符号の説明】

５ インバータ回路 11 切換手段としての切換回路 12 制御手段としての制御回路 Ｂ バッテリ Ｅ 商用交流電源 FL 放電ランプとしての蛍光ランプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 玄峰 静岡県三島市南町６番78号 株式会社テッ ク三島工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商用交流電源の停電および非停電を検出
   し、前記商用交流電源の非停電時にはこの商用交流電源
   からの電力を供給するとともに前記商用交流電源にてバ
   ッテリを充電し、前記商用交流電源の停電時には前記バ
   ッテリからの直流をインバータ回路により変換して供給
   し、放電ランプを点灯させる非常用点灯装置において、 商用交流電源および放電ランプ間に位置し商用交流電源
   からの電力の供給をオン、オフする切換手段と、 前記バッテリからの直流を前記インバータ回路に供給す
   ると前記切換手段をオフする制御手段とを具備したこと
   を特徴とした非常用点灯装置。