JPH09160564A - 吸音性内装材 - Google Patents

吸音性内装材

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JPH09160564A
JPH09160564A JP7338165A JP33816595A JPH09160564A JP H09160564 A JPH09160564 A JP H09160564A JP 7338165 A JP7338165 A JP 7338165A JP 33816595 A JP33816595 A JP 33816595A JP H09160564 A JPH09160564 A JP H09160564A
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Hisataka Kamaike
久隆 蒲池
Kenji Kato
賢治 加藤
Hideyuki Hayashi
英之 林
Ryuichi Tanimoto
隆一 谷本
Kiyoshi Terada
喜代嗣 寺田
Noriaki Takebe
憲明 武部
Munenori Miyazaki
宗紀 宮崎
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Toyota Auto Body Co Ltd
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TATSUMURA BIJUTSU ORIMONO KK
Toyota Auto Body Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏面に樹脂バッキング材を施したモケット表
皮を用い,かつ高い吸音性を有する吸音性内装材を提供
すること。 【解決手段】 多孔質体と該多孔質体を被覆するモケッ
ト表皮10とよりなる。上記モケット表皮10は経糸1
8と緯糸19とよりなる基布16にパイル糸11を織り
込むことにより生機15が構成されてなり,かつ上記生
機15の裏面161におけるパイル基部110と経糸1
8及び緯糸19との間に樹脂バッキング材が含浸されて
いる。上記モケット表皮10の通気度は5〜60cm3
/cm2 ・秒(JIS規格)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,室内の騒音を吸収するための吸
音性内装材に関する。
【0002】
【従来技術】近年,特に自動車は,大型化,高級化が望
まれ,その内装材に使用する表皮材も強度,耐久性,耐
摩耗性等を備えることは勿論,豪華さ,見栄えの良さを
備えることが求められている。そして,これらの事柄を
追求した結果,上記表皮材は厚く,密度の大きなものが
使用されるようになった。そして,この内装材は室内に
侵入した騒音を吸収する吸音性内装材としての性質があ
る。
【0003】従来,例えば自動車の座席,室内の天井
面,壁面等,または家具等の構成部材として使用される
吸音性内装材としては,図8に示すごとく,多孔質体1
01と該多孔質体101を被覆するモケット表皮90と
よりなる吸音性内装材9が使用されている。上記吸音性
内装材9においては,内部の多孔質体101がクッショ
ン性及び吸音性を,一方モケット表皮90が表面加飾
性,外観性,触感等の役割を有している。
【0004】ここに,上記モケット表皮90は,図8に
示すごとく,経糸18と緯糸19とよりなる基布16に
対し,パイル糸11を織り込むことにより生機15が構
成されている。そして,上記生機15の裏面161に
は,上記パイル糸11の抜け防止等のために,厚い層状
の樹脂バッキング材92が設けてある。
【0005】上記樹脂バッキング材92は,上記裏面1
61に形成された樹脂層であり,図9に部分拡大して示
すごとく,厚い皮膜を形成することにより,パイル糸1
1と基布16とを強固に接合している。なお,図9に示
すごとく,パイル糸11の抜けを防止するために樹脂層
を押圧し,パイル基部まで達するように上記樹脂バッキ
ング材92は経糸18,緯糸19の内部,パイル基部1
10及び経糸18と緯糸19との間(同図における斜線
部920)に入り込み,これらの間を接着している。こ
のため,上記樹脂層が厚膜状になりやすい。
【0006】
【解決しようとする課題】ところで,上記吸音性内装材
9は,その表面が,厚膜状の樹脂バッキング材92を有
する上記モケット表皮90により被覆されているため,
後述するごとく,その吸音特性は上記モケット表皮90
に大きく依存する。即ち,図10に示すごとく,モケッ
ト表皮90を表面に設けた上記吸音性内装材9の吸音特
性(実線b)は,多孔質体101のみよりなる吸音性内
装材の吸音特性(破線a)と比較して,特に高周波の領
域において大きく劣っている。
【0007】これは,図8,図9に示すごとく,上記モ
ケット表皮90の裏面において層状に形成された樹脂バ
ッキング材92が外部より伝播した音を反射し,該音が
吸音性内装材9の内部に存在する吸音性に優れた多孔質
体101に届きにくいためである。なお,図10は,各
吸音性内装材において,JIS−A−1405「管内法
による建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に規定され
ている垂直入射法(1/3オクターブバンド周波数)に
基づき測定した垂直入射吸音率である。
【0008】勿論,上記吸音性内装材の表面を,例え
ば,ニット等の通気性のよい素材により被覆すれば上述
に示すごとき吸音性の問題は発生しにくい。しかしなが
ら,上記吸音性内装材は,常に人目に晒される部分に設
けられる機会が多いため,意匠性,外観性,特に自動車
において使用する際には豪華さが重視される。
【0009】また,上記吸音性内装材が例えば家具等の
構成部材として使用され,人手の届く部分に配置される
場合には,その表面が感触等に優れていることも重要で
ある。この点で,上記モケット表皮はニットや織物にな
い豪華さがあり,優れた素材である。したがって,モケ
ット表皮を用い,かつ吸音性に優れた吸音性内装材の開
発が要求されている。
【0010】本発明は,かかる問題点に鑑み,裏面に樹
脂バッキング材を施したモケット表皮を用い,かつ高い
吸音性を有する吸音性内装材を提供しようとするもので
ある。
【0011】
【課題の解決手段】本発明は,多孔質体と該多孔質体を
被覆するモケット表皮とよりなる吸音性内装材であっ
て,上記モケット表皮は経糸と緯糸とよりなる基布にパ
イル糸を織り込むことにより生機が構成されてなり,か
つ上記生機の裏面には,樹脂バッキング材が含浸されて
おり,更に,上記モケット表皮のJIS−L−1096
規格(A法)による通気度は5〜60cm3 /cm2
秒であることを特徴とする吸音性内装材にある。
【0012】本発明の作用につき説明する。本発明の吸
音性内装材においては,生機の裏面に発泡した樹脂バッ
キング材を塗布することにより,パイル基部と基布間に
樹脂が浸透し,不要な部分(空隙)は塗布されない。こ
のため,従来のごとく生機の裏面に,厚膜状かつ層状の
樹脂バッキング材は設けられていない。このため,モケ
ット表皮の表面から裏面への通気性がよい。
【0013】また,本発明のモケット表皮は,JIS−
L−1096規格(A法)による通気度が5〜60cm
3 /cm2 ・秒である通気性に優れたモケット表皮であ
る。このため,外部より伝播した音は,上記モケット表
皮を容易に透過することができ,その後,吸音性内装材
の内部に存在する多孔質体まで容易に到達することがで
きる。一方,上記多孔質体は,本来,高い吸音性を有す
る素材であるため,該多孔質体において音が効率良く吸
収される。また,上記モケット表皮はパイル糸が豪華な
感触を与えるため,内装材として最適な外観性を本発明
に付与することができる。
【0014】上記通気度が5cm3 /cm2 ・秒未満で
ある場合には,モケット表皮を音が通過しにくくなるた
め,上記吸音性内装材の吸音性が悪化するおそれがあ
る。また,上記通気度が60cm3 /cm2 ・秒を越え
た場合には,モケット表皮が汚れやすくなるという問題
が生じるおそれがある。
【0015】なお,上記JIS−L−1096規格(A
法)は,「一般織物試験方法」として織物生地の一般的
な特性を評価するための試験方法について規定したもの
で,円筒の一端に試験片を取り付け,他端の吸い込みフ
ァンにより空気を吸い込んで,試験片を通過する空気量
(cm3 /cm2 ・秒)を求めて通気度を算出すること
を要旨とする測定法である。
【0016】次に,上記経糸は20〜40番手の双糸で
あり,かつ上記緯糸は20〜40番手の双糸であり,更
に上記基布の経糸密度が30〜60本/インチであり,
緯糸密度は25〜60本/インチであることが好まし
い。上記経糸,緯糸の太さが20番手よりも太くなった
場合には,モケット表皮が硬くなり,座席に使用した場
合には基布の隙間が少なくなり通気度が低下し,風合い
も悪くなるおそれがある。また40番手よりも細くなっ
た場合には,モケット表皮の強度が低下し,破れやすく
なる恐れがある。
【0017】また,上記経糸密度が30本/インチ未満
である場合には,モケット表皮の加飾性,外観及び強度
が低下し,破れやすくなるおそれがある。また,上記経
糸密度が60本/インチより大きい場合には,基布の隙
間が少なくなり通気性が低下するため,吸音性能が低下
するおそれがある。
【0018】また,上記緯糸密度が25本/インチ未満
である場合には,モケット表皮の加飾性,外観及び強度
が低下し,破れやすくなるおそれがある。また,上記緯
糸密度が60本/インチより大きい場合には,基布の隙
間が少なくなり通気性が低下するため,吸音性能が低下
するおそれがある。なお,上記双糸とは2本の糸を撚り
合わせた糸をいい,この双糸を1単位として経糸,緯糸
の本数を数える。
【0019】上記樹脂バッキング材の含浸量は30〜9
0g/m2 であることが好ましい。上記含浸量が30g
/m2 未満である場合には,基布とパイル基部との間の
接着力不足により,パイル糸が抜けるおそれがある。ま
た,上記含浸量が90g/m2 より多い場合には,基布
の裏面に膜が形成され,音が反射されやすくなり,吸音
性が低下するおそれがある。
【0020】また,上記樹脂バッキング材としては,例
えば,従来のアクリル酸エステル系樹脂,酢酸ビニル系
樹脂等に対して浸透度を向上するために粘度の低いもの
を使用する。但し, 上記樹脂バッキング材では意匠表面
側に浸み出す可能性があるため,該樹脂バッキング材の
塗布に際し,空気を混合し発泡することにより発泡バッ
キング材となし,該樹脂バッキング材のみかけの粘度を
大きくすることができる。このため,浸み出しが防げ,
かつ樹脂バッキング材を基布に安定して含浸させること
ができる。
【0021】なお,上記発泡バッキング材は,上記アク
リル酸エステル系樹脂等の発泡倍率を2〜8倍としたも
のを用いることが好ましい。上記発泡倍率が2倍未満で
ある場合には,意匠表面に樹脂バッキング材が浸み出す
恐れがあり,逆に8倍より大きくなると付着量が低下す
るためパイル糸が抜けやすくなる可能性がある。
【0022】次に,上記モケット表皮は毛割りが施され
ており,かつ毛割り深さは上記モケット表皮の表面より
パイル糸高さの1/2以上とすることが好ましい。上記
毛割りを施すことにより,パイル糸がほぐされ,空気が
一層モケット表皮を通過しやすくなる。
【0023】毛割り深さがパイル糸高さの1/2未満で
ある場合には,モケット表皮の表面近くはパイル糸がほ
ぐれ,通気度が高くなるが,パイル糸根元部の毛割りが
十分でないため通気性が向上しにくい。このため,毛割
りによる効果を得られないおそれがある。なお,上記パ
イル糸高さとは,基布の表面から,パイル糸の先端であ
るモケット表皮の表面までの長さを示している。
【0024】次に,上記吸音性内装材は,自動車用内装
材として使用することができる。上記自動車用内装材の
うち,特に自動車用座席として使用した場合,該自動車
用座席は,通常座席を構成する骨格と,該骨格の周囲に
設けたクッション材とよりなる。そして,上記クッショ
ン材として,本発明にかかる吸音性内装材を使用する
(図3参照)。
【0025】特に,自動車は,エンジンで発生する騒音
や走行中のタイヤと路面による騒音,或いは走行中の風
切音等種々の騒音が室内に入り,乗員に不快感を与え
る。そのため,本発明の優れた吸音性を有する吸音性内
装材を,クッション材として用い,自動車用座席を構成
した場合には,自動車室内の騒音低減化に大きな効果を
発揮する。また,上記以外の用途としては,例えば自動
車室内の天井やドアの内張り材等室内の壁を構成する部
位の内壁の表面材,あるいは家具のソファーや壁の内張
りなどに広く使用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる吸音性内装材につき,図1
〜図5を用いて説明する。図2に示すごとく,本例の吸
音性内装材1は,多孔質体101と該多孔質体101を
被覆するモケット表皮10とよりなる。
【0027】図1に示すごとく,上記モケット表皮10
は,経糸18と緯糸19とよりなる基布16にパイル糸
11を織り込むことにより生機15が構成されており,
かつ上記生機15の裏面161に発泡した樹脂バッキン
グ材12を塗布することにより,図4に示すごとく,パ
イル基部110と基布16間に樹脂バッキング材12が
浸透し,バインダーとなって基布16にパイル基部11
0を接着し,不要な部分(空隙)は塗布されない。更
に,上記モケット表皮10における,JIS−L−10
96規格(A法)による通気度は10.4cm3 /cm
2 ・秒である。なお,図1における符号162はモケッ
ト表皮10の表面である。
【0028】図4に示すごとく,上記樹脂バッキング材
12は,隣接する経糸18,緯糸19,パイル糸11の
パイル基部110同士を互いに接合する。このため,上
記経糸18,緯糸19,パイル糸11との接合部が隣合
う間には,いくらかの空隙190が存在している。な
お,従来例にかかる図9に示したモケット表皮90にお
いては,同図に示すごとく,上記経糸18,緯糸19,
パイル糸11の間の隙間を充填するように樹脂バッキン
グ材92が設けられるので,空隙190に該当する間隙
が存在しない。
【0029】なお,図2に示すごとく,上記モケット表
皮10と多孔質体101との間には,該モケット表皮1
0のシワ発生防止や形状の確保という目的により,ラミ
パッド102が設けてある。また,上記経糸18及び緯
糸19としては,テトロン/レーヨン糸を,上記パイル
糸11としてはポリエステルスパン糸を使用する。更
に,上記多孔質体101はポリウレタンフォーム,上記
ラミパッド102も,ポリウレタンフォーム材料よりな
る。
【0030】また,図3に示すごとく,上記吸音性内装
材は自動車用座席2として使用するのに適している。即
ち,上記自動車用座席2は,座席を構成する骨格(図示
略)と,該骨格の周囲に設けたクッション材とよりな
る。そして,上記クッション材として,本発明にかかる
吸音性内装材1を使用する。
【0031】次に,上記モケット表皮10の製造方法に
つき説明する。まず,経糸18に緯糸19を交差させな
がら緯糸19にパイル糸11を織り込み,生機15とす
る。なお,上記経糸18等の太さ,密度等の詳細は,後
述の表1における試料2に示されている。
【0032】次いで,アクリル酸エステル系樹脂と空気
とを発泡機に送り込み,これらを混合してアクリル酸エ
ステル系樹脂を発泡させ,発泡バッキング材となす。次
いで,上記発泡バッキング材を,上記生機15の裏面1
61に公知の技術で塗布する。その後,生機15を乾燥
することにより,上記発泡バッキング材を固化させ,樹
脂バッキング材12となす。
【0033】次に,本例における作用につき説明する。
本例の吸音性内装材1においては,図4に示すごとく,
生機15の裏面161におけるパイル基部110と経糸
18及び緯糸19との間に樹脂バッキング材12が含浸
されている。このため,従来のごとく生機15の裏面
に,厚膜状かつ層状の樹脂バッキング材は設けられてい
ない(図9参照)。このため,モケット表皮10の表面
から裏面161への通気性がよい。
【0034】また,上記モケット表皮10はJIS−L
−1096規格(A法)による通気度が5〜60cm3
/cm2 ・秒ある通気性に優れたモケット表皮である。
このため,外部より伝播した音は,モケット表皮10を
容易に透過することができ,その後,吸音性内装材1の
内部に存在する多孔質体101まで容易に到達すること
ができる。上記多孔質体101は,高い吸音性を有する
ポリウレタンフォームであるため,該多孔質体101に
おいて音が効率良く吸収される。
【0035】また,上記モケット表皮10はパイル糸1
1が豪華な感触を与えるため,自動車用座席2のクッシ
ョン材として好適である。
【0036】実施形態例2 本例は,表1,図5に示すごとく,本発明にかかる吸音
性内装材と従来の内装材との吸音性能につき比較説明す
るものである。本発明にかかる試料1,2及び従来例に
かかる比較試料C1,C2は,表1に示すごとき構成の
モケット表皮にて多孔質体を被覆することにより構成さ
れている。
【0037】試料1,2におけるモケット表皮は,実施
形態例1に示すごとく,アクリル酸エステル系樹脂の発
泡バッキング材を生機の裏面に塗布することにより,形
成されている。また,比較試料C1,C2におけるモケ
ット表皮は,発泡されていないアクリル酸エステル系の
樹脂バッキング材を生機に塗布することにより,形成さ
れている。なお,表1における試料1と試料2,試料C
1と試料C2は,それぞれ異なる緯糸で構成されてい
る。また試料1と試料C1,試料2と試料C2は,それ
ぞれ塗布された樹脂バッキング材の量が異なる。また,
表1における経糸及び緯糸の太さを示す欄での『30/
2』という表現は,30番手の双糸を使用したことを示
している。
【0038】次に,上記試料及び比較試料における垂直
入射吸音率を,JIS−A−1405「管内法による建
築材料の垂直入射吸音率測定方法」に規定されている垂
直入射法(1/3オクターブバンド周波数)に基づき測
定した。上記測定の結果に基づき,250〜2000H
zのそれぞれの周波数帯域における平均吸音率を算出し
た。また,上記試料,比較試料の通気度を,JIS−L
−1096規格(A法)に基づき測定した。また,単位
面積当たりの重量につき測定した。
【0039】以上の測定結果を,表1及び図5に示し
た。なお,上記比較試料C2及び試料2は複数のサンプ
ルに対する測定結果を全て同図にプロットした。また,
上記試料2及び比較試料C2の表1における通気度及び
平均吸音率の値は,複数のサンプルにおける平均の値で
ある。
【0040】以上により,通気度が5〜60cm3 /c
2 ・秒の範囲内にある試料1及び試料2は,高い平均
吸音率を有することが分かった。そして,発泡バッキン
グ材を塗布,乾燥させることにより得られた樹脂バッキ
ング材を有するモケット表皮を使用することで,通気度
が5〜60cm3 /cm2 ・秒であるような吸音性内装
材を得ることができることが分かった。
【0041】また,基布やパイル基部の繊維間に樹脂バ
ッキング材が十分含浸されるため,耐摩耗性,強度など
の物性について確保することが可能であるということも
分かった。また,基布の経糸,緯糸の太さを20/2か
ら30/2に細くすることにより,基布の隙間が大きく
なり,通気度が向上し,平均吸音率が向上することが判
った。
【0042】
【表1】
【0043】実施形態例3 本例は,図6,図7に示すごとく,毛割りブラシ5を用
いて,パイル糸11に対し毛割りを施したモケット表皮
1である。図6において,上記毛割りブラシ5は円筒形
であり,その円筒面の径方向には,多数の針50が設け
てある。上記毛割り深さは,得ようとするモケット表皮
10の表面162よりパイル糸高さの1/2以上であ
る。よって,上記針50の長さも,上記パイル糸高さの
1/2以上である。上記毛割りを施すにあたっては,従
来のブラッシング方法で行ない,クリアランス調整を実
施する。その他は実施形態例1と同様である。
【0044】上記毛割りを施すことにより,塊状となっ
たパイル糸11をほぐし,該パイル糸11の解繊度を高
め,よってパイル糸11間の隙間を増加させることがで
きる。これにより,一層モケット表皮1の通気度を高め
ることができる。
【0045】次に,図7には,本発明の吸音性内装材に
かかる試料2,試料3及び従来例にかかる比較試料C2
における平均吸音率を示す。試料2及び比較試料C2を
構成するモケット表皮は,実施形態例2の表1に示すモ
ケット表皮である。試料3の表面を構成するモケット表
皮は,上記試料2に対し,本例にかかる毛割りを施した
モケット表皮である。なお,上記平均吸音率は,実施形
態例2と同様に測定した。
【0046】同図によれば,平均吸音率の大きさは,試
料3>試料2>比較試料C2である。即ち,モケット表
皮に毛割りを深く施すことにより,吸音性内装材の平均
吸音率を,更に高めることができることが分かった。
【0047】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,裏面に
樹脂バッキング材を施したモケット表皮を用い,かつ高
い吸音性を有する吸音性内装材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,モケット表皮の断面説
明図。
【図2】実施形態例1における,吸音性内装材の断面説
明図。
【図3】実施形態例1における,自動車用座席の斜視
図。
【図4】実施形態例1における,モケット表皮の要部拡
大説明図。
【図5】実施形態例2における,本発明にかかる試料と
比較試料とにおける,平均吸音率と通気度との関係を示
す線図,
【図6】実施形態例3における,モケット表皮における
毛割りの工程の説明図。
【図7】実施形態例3における,本発明にかかる試料と
比較試料とにおける,平均吸音率を示す線図。
【図8】従来例における,吸音性内装材の要部断面説明
図。
【図9】従来例における,モケット表皮の要部拡大説明
図。
【図10】従来例における,吸音性内装材の問題を示す
線図。
【符号の説明】
1...吸音性内装材, 10...モケット表皮, 11...パイル糸, 110...パイル基部, 12...樹脂バッキング材, 15...生機, 16...基布, 161...裏面, 18...経糸, 19...緯糸,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04F 13/16 8913−2E E04F 13/16 A G10K 11/16 G10K 11/16 D (72)発明者 林 英之 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 (72)発明者 谷本 隆一 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 (72)発明者 寺田 喜代嗣 京都府京都市中京区壬生森町29番地 株式 会社龍村美術織物内 (72)発明者 武部 憲明 京都府京都市中京区壬生森町29番地 株式 会社龍村美術織物内 (72)発明者 宮崎 宗紀 愛知県豊田市豊栄町一丁目八十二番地 株 式会社龍村美術織物内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質体と該多孔質体を被覆するモケッ
    ト表皮とよりなる吸音性内装材であって,上記モケット
    表皮は経糸と緯糸とよりなる基布にパイル糸を織り込む
    ことにより生機が構成されてなり,かつ上記生機の裏面
    には,樹脂バッキング材が含浸されており,更に,上記
    モケット表皮のJIS−L−1096規格(A法)によ
    る通気度は5〜60cm3 /cm2 ・秒であることを特
    徴とする吸音性内装材。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記経糸は20〜4
    0番手の双糸であり,また上記緯糸は20〜40番手の
    双糸であり,更に上記基布の経糸密度が30〜60本/
    インチであり,緯糸密度が25〜60本/インチである
    ことを特徴とする吸音性内装材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記樹脂バ
    ッキング材の含浸量は30〜90g/m2 であることを
    特徴とする吸音性内装材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記樹脂バッキング材はアクリル酸エステル系樹脂,酢
    酸ビニル系樹脂を発泡させることによって形成されたも
    のであることを特徴とする吸音性内装材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記モケット表皮は,毛割りが施されており,かつ毛割
    り深さは上記モケット表皮の表面よりパイル糸高さの1
    /2以上としたことを特徴とする吸音性内装材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記吸音性内装材は,自動車用内装材であることを特徴
    とする吸音性内装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005104196A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Hayashi Engineering Inc 自動車用サンバイザー
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WO2021111519A1 (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 株式会社イーテック 複層吸音材及びその製造方法

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