JPH091599A - 入れ子構造の射出成形金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 手軽に入れ子交換ができる入れ子構造の射
出成形金型を提供することである。 【構成】 コア型１とキャビティ型２とからなる射出
成形金型の少なくとも一方の型が、型板３と、この型板
３に設けられた底付き穴３１に挿入されて取り付けられ
た型部４とからなる入れ子構造の射出成形金型におい
て、前記型部４に形成されている型面４１の周縁部に設
けられた複数個のネジ孔に抜きボルト５が螺着され、こ
のネジ孔から突出する抜きボルト５は型部４に設けられ
た収納部２１の中に内蔵されていることを特徴とする入
れ子構造の射出成形金型。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、入れ子構造の射出成形
金型に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、入れ子構造の射出成形金型は
よく知られているが、例えば、日刊工業新聞社発行の書
物「射出成形用金型 第２版」の３５７〜３６６ページ
に記載されて知られている。この入れ子構造の射出成形
金型は、型を一体加工せずに分割して加工し、この分割
した型を組み合わせ、組み込んで構成されたものであ
る。この入れ子構造の射出成形金型において、分割した
型を交換して数種類の形状の異なる成形品を製造するた
めに使用されることがある。

【０００３】上記分割した型を交換するには、射出成形
金型を型板とこの型板に設けられた底付き穴に挿入され
て取り付けられた型部とからなる入れ子構造とし、この
型部の周縁部に抜きボルトを螺入することができる雌ネ
ジが螺刻されたネジ孔を形成しておき、このネジ孔に事
前に用意した抜きボルトを螺着し、この抜きボルトの先
端を型板の底付き穴の底面に当接して螺入すると、型部
を型板から取り出すことができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の入れ子構造の射出成形金型では、事前に抜きボル
トを用意しておかなければならず、また、型部を型板か
ら取り外した後で型部にネジ込んだ抜きボルトを取り外
さなければならないので、手間がかかって面倒であると
いう問題がある。そこで、本発明は上記の問題を解決す
るためになされたものであって、本発明の目的は、手軽
に入れ子交換ができる入れ子構造の射出成形金型を提供
することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、本発明の入れ子構
造の射出成形金型は、コア型とキャビティ型とからなる
射出成形金型の少なくとも一方の型が、型板と、この型
板に設けられた底付き穴に挿入されて取り付けられた型
部とからなる入れ子構造の射出成形金型において、前記
型部に形成されている型面の周縁部に設けられた複数個
の貫通したネジ孔に抜きボルトが螺着され、このネジ孔
から突出する抜きボルトの軸部と頭部は型部に設けられ
た収納部もしくはこの型部と他方の型とにまたがって設
けられた収納部の中に内蔵されているものである。

【０００６】

【作用】本発明の入れ子構造の射出成形金型は、型部に
形成されている型面の周縁部に設けられた複数個の貫通
したネジ孔に抜きボルトが螺着され、このネジ孔から突
出する抜きボルトの軸部と頭部は型部に設けられた収納
部もしくはこの型部と他方の型とにまたがって設けられ
た収納部の中に内蔵されているので、抜きボルトを別途
事前に用意して取り付ける必要がなく、また抜きボルト
を取り付けたままコア型とキャビティ型を合致させて型
締めでき、手軽に入れ子交換ができ手間がかからない。
また、この内蔵された抜きボルトの先端を前記型板の底
付き穴の底面に当接して螺入すると、型部を型板から取
り出すのが容易にできるようになっている。

【０００７】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図１〜図３は、本発明の一実施例であって、
図１は入れ子構造の射出成形金型の断面図、図２は図１
のコア型の分解断面図、図３は図２のＸ−Ｘ線における
コア型部の側面図である。１はコア型、２はキャビティ
型、３はコア型板、４はコア型部、５は抜きボルト、６
は固定ボルトである。

【０００８】本実施例の入れ子構造の射出成形金型は、
コア型１とキャビティ型２とからなり、このコア型１は
コア型板３と、このコア型板３に設けられた底付き穴３
１に挿入されて取り付けられたコア型部４とからなる入
れ子構造となっている。前記コア型１のコア型部４に
は、射出される樹脂と接する型面４１の周縁部に雌ネジ
が螺刻された４個の貫通したネジ孔４２が形成されてい
て、このネジ穴４２に抜きボルト５が螺着されている。
また、コア型部４の周縁部には４個のボルト挿入穴４３
が形成され、固定ボルト６がこのボルト挿入穴４３に挿
入されてコア型板３のネジ孔３２に螺入され、コア型部
４がコア型板３に固着されている。

【０００９】キャビティ型２は一体になされていて、こ
のキャビティ型２の一方の側面にキャビティ型面２２が
形成され、他方の側面に樹脂注入口２３が形成されてい
る。また、このキャビティ型面２２の周縁部には前記コ
ア型部４に螺着された抜きボルト５の軸部と頭部を内蔵
可能な抜きボルト収納部２１が形成されている。

【００１０】つぎに、上記構造になされた射出成形金型
の使用方法を説明しながら本実施例の作用を述べる。コ
ア型板３の底付き穴３１にコア型部４を挿入し、固定ボ
ルト６をコア型板３のネジ孔３２に螺入してコア型部４
をコア型板３に取り付け、入れ子構造のコア型１を組付
ける。このコア型１にキャビティ型２を合致して型締め
し、コア型部４の型面４１とキャビティ型２の型面２２
とで形成される空間に樹脂注入口２３から溶融樹脂を射
出する。この際、コア型部４に取り付けられている抜き
ボルト５はキャビティ型２の抜きボルト収納部２１の中
に内蔵されているので、上記抜きボルト５は型締めに支
障のないようになされている。

【００１１】上記射出された溶融樹脂を型内で冷却し、
コア型１とキャビティ型２とを分離して型開きし、図示
省略の突き出しピンで冷却した樹脂をコア型１から取り
出し成形品を得る。上記成形工程において、コア型部４
を別の形状のコア型部４に取り替えるには、コア型１を
型開きした状態で固定ボルト６を取り外し、内蔵された
抜きボルト５の先端をコア型板３の底付き穴３１の底面
に当接して４本の抜きボルト５を交互に螺入すると、コ
ア型部４が底付き穴３１から引き抜かれ、コア型部４を
コア型板３から取り出すことができるので、手間がかか
らなくて手軽にコア型部４の交換ができる。

【００１２】

【発明の効果】本発明の入れ子構造の射出成形金型は、
入れ子構造になされた型部を交換する際、抜きボルトが
内蔵され、抜きボルトの取り付けと取り外しの手間が省
けて手軽に交換できるので、入れ子の交換作業時間を短
縮して迅速にできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であって、入れ子構造の射出
成形金型の断面図である。

【図２】図１のコア型の分解断面図である。

【図３】図２のＸ−Ｘ線におけるコア型部の側面図であ
る。

【符号の説明】

１ コア型 ２ キャビティ型 ２１ 収納部 ３ コア型板 ３１ 底付き穴 ４ コア型部 ５ 抜きボルト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コア型とキャビティ型とからなる射出成
   形金型の少なくとも一方の型が、型板と、この型板に設
   けられた底付き穴に挿入されて取り付けられた型部とか
   らなる入れ子構造の射出成形金型において、 前記型部に形成されている型面の周縁部に設けられた複
   数個の貫通したネジ孔に抜きボルトが螺着され、このネ
   ジ孔から突出する抜きボルトの軸部と頭部は型部に設け
   られた収納部もしくはこの型部と他方の型とにまたがっ
   て設けられた収納部の中に内蔵されていることを特徴と
   する入れ子構造の射出成形金型。