JPH09159696A - テスト用コンタクトピンの製造方法 - Google Patents

テスト用コンタクトピンの製造方法

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JPH09159696A
JPH09159696A JP32273695A JP32273695A JPH09159696A JP H09159696 A JPH09159696 A JP H09159696A JP 32273695 A JP32273695 A JP 32273695A JP 32273695 A JP32273695 A JP 32273695A JP H09159696 A JPH09159696 A JP H09159696A
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Akihiro Masuda
昭裕 増田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ICチップや液晶等のテストに適したテスト
用コンタクトピンを高アスペクト比で矩形の断面形状
で、しかも高い生産性で製造する。 【解決手段】 ベースメタル層11を支持用金属板10
上に形成し、層11上にフォトレジスト層12を形成
し、層12に所定のパターンのマスク13を施して露光
し、この層12を現像することによりテスト用コンタク
トピンとなる部分を除去して層12に開口部12aを形
成する。開口部12aの底部に層11の金属と同一の金
属からなる金属被膜16を形成し、被膜16を形成した
開口部12aに金属層14を形成し、層12を除去す
る。ピンのコンタク部となる部分を除いた金属層14
上にフィルム15を被着し、金属板10から層11を被
膜16と金属層14とフィルム15とともに剥離した
後、層11及び被膜16を除去してフィルム15に支持
された金属層14からなるテスト用コンタクトピンを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプローブピンやソケ
ットピン等として用いられるテスト用コンタクトピンの
製造方法に関する。更に詳しくは、ICチップや液晶の
各端子に接触して電気的なテストを行うためのテスト用
コンタクトピンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のテスト用コンタクトピン
は、スプリング機構を有する可動式のスプリングピン
や、テーパ形状で片持ち式のプローブピンが一般的であ
る。もっとも、スプリングピンは機構上小さくすること
が困難なためプリント基板等の比較的大きなものに適用
が限られ、ICチップや液晶のテストには専らプローブ
ピンが使用されている。このプローブピンは、電解研磨
等によってピン毎に製造される。
【0003】このような従来のテスト用コンタクトピン
は、テーパ上のプローブピンを扇状に並べてプローブカ
ードに取り付ける工程や、ICパッドの配置に合わせて
先端のコンタクト部を曲げて高さやピッチを揃える工程
を経て実用に供される。これらの工程は俗に針立てとも
呼ばれ、その作業には職人芸が要求される。特に高集積
ICについては多ピン化、狭ピッチ化の要求が厳しく、
これに応え得る高度な技能者は極めて限られ、製品の性
能がばらついて信頼性が低下しがちである。また使用途
中にもしばしば困難な再調整作業が必要とされる。この
ため、従来のテスト用コンタクトピンを用いた場合に
は、カードやソケット等の生産性及び性能がICの進歩
に追従できなくなりつつある。
【0004】この問題を解決するために、エッチングに
よってコンタクトピンを作る方法が提案されているが、
ドライエッチングでは生産性が悪過ぎ、ウエットエッチ
ングではテーパエッチの発生等によりピンの断面形状が
悪くて必要なコンタクト力が確保できない等の欠陥があ
る。また異方性材料を用いて断面形状を確保しても材料
が限定されるため導電性が確保できない。更にはコンタ
クト部分をピンにすることを諦めて樹脂基板上の配線パ
ターンにパッドを付けて押し付ける方法もあるが、この
方法はいわゆるオーバードライブが確保できないことか
ら、コンタクト圧がばらつき易く接触抵抗が不安定で信
頼性に欠ける。結果として、エッチングにより製造され
るこのようなコンタクトピンは、実験的或いは限定的な
使用は別として実用に耐えない。
【0005】以上の問題点を解決するために、光化学と
めっき処理の技術を利用したテスト用コンタクトピンの
製造方法が提案されている(特開平6−31377
5)。この方法は、図8(a)〜図8(h)に示すよう
に、支持用金属板6上にベースメタル層1を形成し、こ
のベースメタル層1上にフォトレジスト層2を形成し、
このフォトレジスト層2に所定のパターンのマスク3を
施して露光し、フォトレジスト層2を現像してテスト用
コンタクトピンとなる部分を除去して残存するフォトレ
ジスト層2に開口部2aを形成し、この開口部2aにテ
スト用コンタクトピンとなる金属層4をめっき処理によ
り形成し、金属層5の上にテスト用コンタクトピンに供
される部分以外をカバーするフィルム5を接着剤5aを
介して被着した後、このフィルム5と金属層4とベース
メタル層1からなる部分と、支持用金属板6とを分離し
て、フィルム5を支持体とするテスト用コンタクトピン
4を製造する方法である。この方法によれば、ICチッ
プや液晶等のテストに適したテスト用コンタクトピンを
高い生産性で製造することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】テスト用コンタクトピ
ンには、導電性を確保するためにテストする電極部分を
スクラッビング(scrubbing)したときにピンが変形し
たり折損しないように、一体の強度と弾性が要求され
る。この要求に応えるためには、図3に示されるコンタ
クトピン14の断面において、ピンの厚さtに対するピ
ンの幅wの比(t/w)、即ちアスペクト比が高いテス
ト用コンタクトピンが求められる。上記特開平6−31
3775号公報に示される方法で、この厚さtが大き
い、高アスペクト比のテスト用コンタクトピンを製造し
ようとする場合には、フォトレジストの解像度が極端に
低下し、図9(a)に示すように露光・現像後にフォト
レジスト層2に形成される開口部2aの底部が所望の形
状にならない。即ち、図9(a)のCに示すように残存
するフォトレジスト層2がベースメタル層1から浮き上
がる場合には、この開口部2aに金属層4を形成する
と、図9(b)及び(c)のDに示すように隣接する金
属層4,4同士が連なってショートする。また図9
(a)のEに示すように残存するフォトレジスト層2の
ベースメタル層1との接触部の一部が浸食する場合に
は、この開口部2aに金属層4を形成すると、図9
(b)及び(c)のFに示すようにピンのコンタク部の
エッジ(図のG部)がシャープな形状にならない。この
ため、上記方法により、ピン断面形状が高アスペクト比
であってしかも矩形であるテスト用コンタクトピンが依
然として得られない不具合があった。
【0007】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点を解決するものであって、ICチップや液晶等のテ
ストに適したテスト用コンタクトピンを高い生産性で製
造する方法を提供することにある。本発明の別の目的
は、ピン断面形状が高アスペクト比であってしかも矩形
であるテスト用コンタクトピンを製造する方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1(a)〜図1(j)に示すようにテスト用コンタク
トピンとなる金属層14と結合可能なベースメタル層1
1をこのベースメタル層11に対して剥離性のある平坦
かつ平滑な支持用金属板10上にめっきにより形成する
工程と、このベースメタル層11上にフォトレジスト層
12を形成する工程と、このフォトレジスト層12に所
定のパターンのマスク13を施して露光する工程と、こ
の露光したフォトレジスト層12を現像することにより
テスト用コンタクトピンとなる部分を除去して残存する
フォトレジスト層12に開口部12aを形成する工程
と、この開口部12aの底部にベースメタル層11の金
属と同一の金属からなる金属被膜16をめっきにより形
成する工程と、金属被膜16を形成した開口部12aに
テスト用コンタクトピンとなる金属層14をめっきによ
り形成する工程と、残存するフォトレジスト層12を除
去する工程と、テスト用コンタクトピンのコンタク部と
なる部分を除いた金属層14上にフィルム15を接着剤
15aを介して被着する工程と、支持用金属板10から
ベースメタル層11を金属被膜16と金属層14とフィ
ルム15とともに剥離する工程と、ベースメタル層11
及び金属被膜16を除去してフィルム15に支持された
金属層14からなるテスト用コンタクトピンを得る工程
とを含むテスト用コンタクトピンの製造方法である。
【0009】この請求項1に係る発明の製造方法では、
エッチングによって直接的にコンタクトピンを形成する
のではなく、マスクされていない部分にめっき処理によ
ってコンタクトピンを形成する。高アスペクト比のテス
ト用コンタクトピンを製造しようとして、フォトレジス
トの解像度が極端に低下し、図2(a)に示すように露
光・現像後にフォトレジスト層12に形成される開口部
12aの底部が所望の形状にならない場合にも、図1
(d)及び図2(b)に示すように、金属被膜16をベ
ースメタル層11上に形成することにより、残存するフ
ォトレジスト層12の浸食部分を金属被膜16が補う。
図1(i),(j)及び図2(c),(d)に示すよう
にこの金属被膜16は最終的にベースメタル層11とと
もに除去される。これにより、ピンの断面形状が不所望
なテーパ状となったり、ピンコンタク部が異形になるの
を防止して、ほぼ矩形状で高アスペクト比の好ましい断
面形状のコンタクトピンを製造することができる。また
支持用金属板の上にめっきして後に分離するので、各コ
ンタクトピンの接触点の位置が比較的揃っていて、その
面は平滑である。そこで、多ピン化、狭ピッチ化の要求
に対しても十分なオーバードライブとほぼ一様で十分な
コンタクト圧を確保できるので、ICのウエハやベアチ
ップ等のテストに好適である。更に、めっき処理等の一
般的な工程だけで製造できるので、ピンの製造効率も良
い。
【0010】また図4及び図5に示すように、金属層1
4のうちテスト用コンタクトピンに供される部分以外が
フィルム15でカバーされる。これにより、フィルム1
5が支持体となって、多数のコンタクトピン14がフィ
ルムと一体的に形成されるので、プローブカードやIC
ソケット等への組込みに際し、複数のコンタクトピンを
一括して取り扱うことができる。従って、針立て等の職
人芸が無くても容易に組立てができる。即ち、このテス
ト用コンタクトピンを用いると、カードやソケット等の
ピン組込み製品の生産性の向上をも図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1に、各工程にお
ける断面模式図を示し、図4及び図5にテスト用コンタ
クトピン14dとそれに連なる引出し用配線パターン1
4e等とこれらが形成されたフィルム15との全体模式
図を示す。これは説明用のものであり、実際には、テス
ト用コンタクトピンの数が数十から数百のものが一般的
であって、ピッチも一定とは限らない。なお、以下、テ
スト用コンタクトピンを単にピンと呼び、引出し用配線
パターンをパターンと呼び、ピン14dとパターン14
eを合わせてピン14と呼ぶ。またピン14等とフィル
ム15との全体をフィルム付きテスト用コンタクトピン
22と呼ぶ。ピンの製造工程は、主に、ベースメタル層
の形成工程と、めっき処理の最初の工程であるレジスト
パターンの形成工程と、めっき処理の中間工程である金
属被膜を形成する電解めっき工程と、めっき処理の最終
工程である金属層を形成する電解めっき工程と、フィル
ムの被着工程と、分離工程の前半部である剥離工程と、
分離工程の後半部である除去工程とからなる。なお、ピ
ン14の材質は、強度や靭性の観点からNiが良い。更
に、Pd等を含ませることもある。また導電性を重視す
る場合には、金をコーテングして導電性を高くするとよ
い。或いはNiに代えてベリリウム銅を用いても良い。
【0012】以下、各工程をこの順に説明する。ベース
メタル層の形成工程は、支持用金属板としてのステンレ
ス板10の上に、ベースメタル層としての銅層11を薄
く電解めっきで形成する。ベースメタル層に銅を用いる
のは、Ni製のピン14等との被着性に優れること、ス
テンレス板10に対する被着力がNi製のピン14等に
対するフィルム15の被着力よりも弱いこと、良い電導
体であることからである。銅はステンレスよりも導電性
に優れるので、電解めっきが素早く且つ均一に行われ
る。なお、ステンレス板10は、鏡面仕上げされて、そ
の表面は平坦であり、しかも平滑である。レジストパタ
ーンの形成工程は、銅層11の上にフォトレジスト12
をコーティングし(図1(a)参照)、これにマスク1
3を介して露光する(図1(b)参照)。これにより、
マスク13に対応するパターンをレジスト12に転写す
る。更に、これを現像してマスク13に対応するパター
ンのレジスト12を形成して、銅層11の上にレジスト
マスクを施す(図1(c)参照)。
【0013】電解めっき工程は、レジストマスクされて
いない部分に現れている銅層11の上方の開口部12a
に、まずベースメタル層と同一のCuを電解めっきによ
り形成する(図1(d)及び図2(b)参照)。このめ
っきの付着量は最終的なピンの断面形状を高アスペクト
比にするために、極力少ないことが望ましい。即ち金属
被膜16の厚さは、図2(b)に示すように開口部12
aの異形の底部を平坦にし得る最少量である。次いでこ
の金属被膜16上にNiを電解めっきにより付着成長さ
せて形成する(図1(e)参照)。Niめっきの終了後
は、レジスト12を除去する(図1(f)及び図2
(c)参照)。このようにして形成されたNi層14は
開口部12aの底部が異形であっても金属被膜16によ
り整形される。このNi層14はピンに供されるもので
ある。
【0014】フィルムの被着工程は、図5に示されるピ
ンに供される部分14d以外のパターン14e等をカバ
ーするポリイミドのフィルム15をNi層14の上に被
着する。具体的には、接着剤(接着用プラスチック)1
5aを挟んでフィルム15の上方から平坦な押圧面の治
具で熱圧着する(図1(g)参照)。これにより、プラ
スチック側がピン14に合わせて一部変形するので、N
i層14の上面に存在する微少な凹凸や厚さのむらが吸
収される。その結果、図5に示されるフィルム付きテス
ト用コンタクトピン22の厚さを一様にすることができ
る。またフィルム15は、窓孔15bを有する(図5参
照)。この窓孔15bの部分にピン14の部分14dを
臨ませてフィルム15をピン(Ni層)14に接着す
る。これにより、ピンの部分14dが片持ち梁の状態で
フィルム15に支持され、フィルム15がピン14d等
を纏めて一体として支持する支持体として利用される。
【0015】剥離工程は、銅層11とNi層14とフィ
ルム15とからなる部分を、ステンレス板10と銅層1
1との間で、ステンレス板10から引き剥がして分離す
る。ベースメタル層の形成工程の説明で説明したように
ステンレス板10に対応する被着力がNi製のピン14
等に対応するフィルム15の被着力よりも弱いことか
ら、フィルム15等を損なうことなく、これらは容易に
分離する(図1(h)参照)。除去工程は、金属被膜1
6と銅層11をNi層14からウエットエッチングで除
去する。金属被膜16及び銅層11は極薄であるので、
選択比の高いエッチング液を用いてNi層14を損なう
ことなく、金属被膜16及び銅層11が除去される(図
1(i),(j)及び図2(d)参照)。
【0016】このようにして製造されたテスト用コンタ
クトピン14は、その断面がほぼ矩形状(通常50μm
×50μm)で、高アスペクト比である。そこで、片持
ち梁状に曲げてICチップや液晶等と接触したときに、
三角断面や円形断面等のピンよりも大きな接触圧とオー
バードライブ能力を発揮することができる。また斜め方
向の曲げ剛性が大きくて斜めに曲がることが少ない。そ
こで、ピッチを狭くしても不都合がない(約80μ
m)。またICチップや液晶と接触するコンタクト部1
4a,14b,14cは、ステンレス板10の表面が平
坦であることに対応して、それらの高さが揃っている。
そこで、ピン先の高さ調整の作業をする必要が全くな
い。更に、ICチップや液晶と接触したときに引張応力
が加わるコンタクト部14a,14b,14cは、ステ
ンレス板10の表面が平滑であることに対応して、表面
状態が滑らかである。そこで、表面の平滑度の影響を受
ける疲労強度が増して、繰り返し使用回数が向上する。
【0017】なお、図6及び図7に、このようにして製
造されたフィルム付きテスト用コンタクトピン22を適
用した例として、テストに供すべきICのベアチップ3
0を内側に保持する、いわゆるチップキャリアを示す。
図6及び図7において、20はチップキャリア本体、2
1はフィルム付きピン固定用治具、23はフィルム付き
ピン保持用治具、24はピンをチップに圧接するための
スプリングメタル、25は位置合わせ用支持体である。
また図示は割愛するが、フィルム付きテスト用コンタク
トピン22はプローブカードにも適用される。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のテスト用コ
ンタクトピンの製造方法によれば、光化学とめっき処理
の技術を用いて、ICチップや液晶等のテストに適した
テスト用コンタクトピンを高い生産性で製造することが
でき、かつそのピン断面形状が高アスペクト比であって
矩形のものが得られる特長がある。これにより、ICチ
ップや液晶等のテストに適した生産性の高いテスト用コ
ンタクトピンの製造方法を実現できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテスト用コンタクトピンの製造工程を
工程順に示す断面図。
【図2】その要部の工程を示す断面図。
【図3】そのテスト用コンタクトピンの要部斜視図。
【図4】そのフィルム付きテスト用コンタクトピンを示
す図5のA−A線断面図。
【図5】そのフィルム付きテスト用コンタクトピンの平
面図。
【図6】そのフィルム付きテスト用コンタクトピンを用
いたチップキャリアの斜視図。
【図7】図6のB−B線拡大断面図。
【図8】従来のテスト用コンタクトピンの製造工程を工
程順に示す断面図。
【図9】その要部の工程を示す断面図。
【符号の説明】
10 支持用金属板 11 銅層(ベースメタル層) 12 フォトレジスト層 12a 開口部 13 マスク 14 Ni層(金属層),ピン 15 フィルム 15a 接着剤 16 金属被膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】以上の問題点を解決するために、光化学と
めっき処理の技術を利用したテスト用コンタクトピンの
製造方法が提案されている(特開平6−31377
5)。この方法は、図8(a)〜図8(h)に示すよう
に、支持用金属板6上にベースメタル層1を形成し、こ
のベースメタル層1上にフォトレジスト層2を形成し、
このフォトレジスト層2に所定のパターンのマスク3を
施して露光し、フォトレジスト層2を現像してテスト用
コンタクトピンとなる部分を除去して残存するフォトレ
ジスト層2に開口部2aを形成し、この開口部2aにテ
スト用コンタクトピンとなる金属層4をめっき処理によ
り形成し、金属層の上にテスト用コンタクトピンに供
される部分以外をカバーするフィルム5を接着剤5aを
介して被着した後、このフィルム5と金属層4とベース
メタル層1からなる部分と、支持用金属板6とを分離し
て、フィルム5を支持体とするテスト用コンタクトピン
4を製造する方法である。この方法によれば、ICチッ
プや液晶等のテストに適したテスト用コンタクトピンを
高い生産性で製造することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】テスト用コンタクトピ
ンには、導電性を確保するためにテストする電極部分を
スクラッビング(scrubbing)したときにピンが変形し
たり折損しないように、一体の強度と弾性が要求され
る。この要求に応えるためには、図3に示されるコンタ
クトピン14の断面において、ピンの厚さtに対するピ
ンの幅wの比(t/w)、即ちアスペクト比が高いテス
ト用コンタクトピンが求められる。上記特開平6−31
3775号公報に示される方法で、この厚さtが大き
い、高アスペクト比のテスト用コンタクトピンを製造し
ようとする場合には、フォトレジストの解像度が極端に
低下し、図9(a)に示すように露光・現像後にフォト
レジスト層2に形成される開口部2aの底部が所望の形
状にならない。即ち、図9(a)のCに示すように残存
するフォトレジスト層2がベースメタル層1から浮き上
がる場合には、この開口部2aに金属層4を形成する
と、図9(b)及び(c)のDに示すように隣接する金
属層4,4同士が連なってショートする。また図9
(a)のEに示すように残存するフォトレジスト層2の
ベースメタル層1との接触部の一部が浸食する場合に
は、この開口部2aに金属層4を形成すると、図9
(b)及び(c)のFに示すようにピンのコンタク
のエッジ(図のG部)がシャープな形状にならない。こ
のため、上記方法により、ピン断面形状が高アスペクト
比であってしかも矩形であるテスト用コンタクトピンが
依然として得られない不具合があった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1(a)〜図1(j)に示すようにテスト用コンタク
トピンとなる金属層14と結合可能なベースメタル層1
1をこのベースメタル層11に対して剥離性のある平坦
かつ平滑な支持用金属板10上にめっきにより形成する
工程と、このベースメタル層11上にフォトレジスト層
12を形成する工程と、このフォトレジスト層12に所
定のパターンのマスク13を施して露光する工程と、こ
の露光したフォトレジスト層12を現像することにより
テスト用コンタクトピンとなる部分を除去して残存する
フォトレジスト層12に開口部12aを形成する工程
と、この開口部12aの底部にベースメタル層11の金
属と同一の金属からなる金属被膜16をめっきにより形
成する工程と、金属被膜16を形成した開口部12aに
テスト用コンタクトピンとなる金属層14をめっきによ
り形成する工程と、残存するフォトレジスト層12を除
去する工程と、テスト用コンタクトピンのコンタク
となる部分を除いた金属層14上にフィルム15を接着
剤15aを介して被着する工程と、支持用金属板10か
らベースメタル層11を金属被膜16と金属層14とフ
ィルム15とともに剥離する工程と、ベースメタル層1
1及び金属被膜16を除去してフィルム15に支持され
た金属層14からなるテスト用コンタクトピンを得る工
程とを含むテスト用コンタクトピンの製造方法である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】この請求項1に係る発明の製造方法では、
エッチングによって直接的にコンタクトピンを形成する
のではなく、マスクされていない部分にめっき処理によ
ってコンタクトピンを形成する。高アスペクト比のテス
ト用コンタクトピンを製造しようとして、フォトレジス
トの解像度が極端に低下し、図2(a)に示すように露
光・現像後にフォトレジスト層12に形成される開口部
12aの底部が所望の形状にならない場合にも、図1
(d)及び図2(b)に示すように、金属被膜16をベ
ースメタル層11上に形成することにより、残存するフ
ォトレジスト層12の浸食部分を金属被膜16が補う。
図1(i),(j)及び図2(c),(d)に示すよう
にこの金属被膜16は最終的にベースメタル層11とと
もに除去される。これにより、ピンの断面形状が不所望
なテーパ状となったり、ピンコンタク部が異形になる
のを防止して、ほぼ矩形状で高アスペクト比の好ましい
断面形状のコンタクトピンを製造することができる。ま
た支持用金属板の上にめっきして後に分離するので、各
コンタクトピンの接触点の位置が比較的揃っていて、そ
の面は平滑である。そこで、多ピン化、狭ピッチ化の要
求に対しても十分なオーバードライブとほぼ一様で十分
なコンタクト圧を確保できるので、ICのウエハやベア
チップ等のテストに好適である。更に、めっき処理等の
一般的な工程だけで製造できるので、ピンの製造効率も
良い。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】以下、各工程をこの順に説明する。ベース
メタル層の形成工程は、支持用金属板としてのステンレ
ス板10の上に、ベースメタル層としての銅層11を薄
く電解めっきで形成する。ベースメタル層に銅を用いる
のは、Ni製のピン14等との被着性に優れること、ス
テンレス板10に対する被着力がNi製のピン14等に
対するフィルム15の被着力よりも弱いこと、良い電導
体であることからである。銅はステンレスよりも導電性
に優れるので、電解めっきが素早く且つ均一に行われ
る。なお、ステンレス板10は、鏡面仕上げされて、そ
の表面は平坦であり、しかも平滑である。レジストパタ
ーンの形成工程は、銅層11の上にフォトレジスト12
をコーティングし(図1(a)参照)、これにマスク1
3を介して紫外線を露光する(図1(b)参照)。これ
により、マスク13に対応するパターンをレジスト12
に転写する。更に、これを現像してマスク13に対応す
るパターンのレジスト12を形成して、銅層11の上に
レジストマスクを施す(図1(c)参照)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】このようにして製造されたテスト用コンタ
クトピン14は、その断面がほぼ矩形状(通常50μm
×50μm)で、高アスペクト比である。そこで、片持
ち梁状に曲げてICチップや液晶等と接触したときに、
三角断面や円形断面等のピンよりも大きな接触圧とオー
バードライブ能力を発揮することができる。また斜め方
向の曲げ剛性が大きくて斜めに曲がることが少ない。そ
こで、ピッチを狭くしても不都合がない(約80μ
m)。またICチップや液晶と接触するコンタクト部1
4a,14b,14c(図1(j)参照)は、ステンレ
ス板10の表面が平坦であることに対応して、それらの
高さが揃っている。そこで、ピン先の高さ調整の作業を
する必要が全くない。更に、ICチップや液晶と接触し
たときに引張応力が加わるコンタクト部14a,14
b,14cは、ステンレス板10の表面が平滑であるこ
とに対応して、表面状態が滑らかである。そこで、表面
の平滑度の影響を受ける疲労強度が増して、繰り返し使
用回数が向上する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テスト用コンタクトピンとなる金属層(1
    4)と結合可能なベースメタル層(11)をこのベースメタル
    層(11)に対して剥離性のある平坦かつ平滑な支持用金属
    板(10)上にめっきにより形成する工程と、 前記ベースメタル層(11)上にフォトレジスト層(12)を形
    成する工程と、 前記フォトレジスト層(12)に所定のパターンのマスク(1
    3)を施して露光する工程と、 前記露光したフォトレジスト層(12)を現像することによ
    りテスト用コンタクトピンとなる部分を除去して前記残
    存するフォトレジスト層(12)に開口部(12a)を形成する
    工程と、 前記開口部(12a)の底部に前記ベースメタル層(11)の金
    属と同一の金属からなる金属被膜(16)をめっきにより形
    成する工程と、 前記金属被膜(16)を形成した開口部(12a)に前記テスト
    用コンタクトピンとなる金属層(14)をめっきにより形成
    する工程と、 前記残存するフォトレジスト層(12)を除去する工程と、 前記テスト用コンタクトピンのコンタク部となる部分を
    除いた前記金属層(14)上にフィルム(15)を接着剤(15a)
    を介して被着する工程と、 前記支持用金属板(10)から前記ベースメタル層(11)を前
    記金属被膜(16)と前記金属層(14)と前記フィルム(15)と
    ともに剥離する工程と、 前記ベースメタル層(11)及び前記金属被膜(16)を除去し
    て前記フィルム(15)に支持された金属層(14)からなるテ
    スト用コンタクトピンを得る工程とを含むテスト用コン
    タクトピンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015230314A (ja) * 2014-06-06 2015-12-21 旺▲夕▼科技股▲分▼有限公司 プローブおよびその製造方法

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