JPH09158984A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH09158984A
JPH09158984A JP31788295A JP31788295A JPH09158984A JP H09158984 A JPH09158984 A JP H09158984A JP 31788295 A JP31788295 A JP 31788295A JP 31788295 A JP31788295 A JP 31788295A JP H09158984 A JPH09158984 A JP H09158984A
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JP
Japan
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pedestal
leg
seismic isolation
isolation device
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JP31788295A
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English (en)
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Masaki Yoshimaru
雅樹 吉丸
Yasuhiko Uchida
康彦 内田
Atsunori Yamaguchi
敦規 山口
裕史 ▲高▼尾
Yasushi Takao
Noriko Ito
典子 伊藤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震に対して各種機器装置などに免震効果を
得ることのできる免震装置の改善に関し、免震装置の構
成部分の分離防止、機器装置の転倒防止、および、設置
面上の自在移動を制限すること。 【解決手段】 上部が機器装置1に取り付けられる棒状
の脚体32と、底面内部が皿状の回転凹面36と該回転
凹面の周囲から延び下部と上部開口とが小径で中間部分
が大径な凹曲面でなる壁面41である脚体の受け台35
と、からなり、上記脚体32が垂直状態で上記受け台3
5の横転状態において脚体の下端部34が壁面41の凹
曲面内部と接触し脚体の側面が壁面の開口38面と接触
することにより脚体32が受け台35から逸脱しないよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震に対して各種
機器装置などに免震効果を得ることのできる免震装置の
改善された新規なる免震装置に関する。
【0002】電子機器を筐体内に収容してなる各種の情
報処理用の電子装置、通信装置など(以下、単に機器装
置と略称する)は、図40に示される概略の正面図のよ
うに設置される。すなわち、機器装置1の底部2下面の
四隅には棒状の台足3が取り付けられている。なお、図
(a)は全体図、図(b)は要部拡大図、である。
【0003】機器装置1は、設置されるべき床5面上の
所定位置に設置され、台足3により支持立設される。台
足3には機器装置1を床5面上に対して、それぞれが上
下方向の高さを微細に調整可能とする、ねじ手段をそな
えており、床5面上の凹凸などの状態に関係なく、機器
装置1のレベルを正確な水平状態に設定維持し得るよう
になっている。
【0004】台足3の下面は、床5面に食い込むことの
ないように、単位面積当たりの荷重を適正以下となるよ
うにして、機器装置1の重量を支持し得るよう、下面を
円板状に広くすることも行なわれる。
【0005】台足3の下面は機器装置1の重量を支持
し、床5面上に接しているのみであるから、その間の摩
擦に依存して地震の大きさによる揺れに応じては、相対
的な移動をともない、状態によっては自在に移動するこ
とになる。地震の揺れの終息とともに機器装置1は、最
初の設置位置から大きく移動しているといった事態が生
じる。
【0006】このような事態の生じることがないよう
に、最近の機器装置1には地震に対する耐震対策が施さ
れ、地震による影響を極力少なくすることが行なわれて
いる。このような耐震対策は台足3に、免震機能をそな
えるようにすることが望ましい。
【0007】
【従来の技術】上記したような台足に免震機能をそなえ
た免震装置は、図41の図(a)に示される側断面斜視
図のようである。図(a)において、免震装置11は、
棒状をなす上部の側面にねじ12が形成され下端部13
は半球面に形成された脚体14と、底面内部の中央部が
低く、周囲が高くなる皿状の回転凹面15をなす脚体1
4の受け台16と、からなるものである。
【0008】脚体14のねじ12は機器装置の底面にね
じ込むことで、機器装置に取り付けられるが、このねじ
込む長さを調整することで、機器装置の床面からの高さ
を任意微細に設定することができる。ナット17はねじ
12のねじ込み位置の設定された状態が、移動しないよ
うにするためのロックナットである。
【0009】受け台16の周囲に取り付けられて、上面
を覆い脚体14の周囲に取り付けられているダイアフラ
ム状の覆い18は、ゴムなどからなり変形容易なもの
で、受け台16の内部に塵埃などの異物が入り込んだ
り、堆積しないようにするためのものである。
【0010】この免震装置11を、図40に示される台
足3に代えて機器装置1に取り付けることで、地震発生
にともなう揺れに応じて、床5が、たとえば、図示左右
方向に揺れるとすると、振幅が少ない状態では、機器装
置1の質量により静止慣性力で機器装置1は移動するこ
となく床5の震動に応じて、受け台16は床5の移動に
一致した動きとなることから、脚体14の下端部13と
受け台16の回転凹面15間の接触摩擦による相対的移
動となり、機器装置1への地震動による影響は少ない。
【0011】揺れが大きくなり、脚体14が受け台16
の回転凹面15の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面15の中央部よりも高い位置に脚体14の
下端部13が接することから、機器装置1をその重量に
抗して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体14
はその分力に相当する以上には周囲方向に移動すること
が抑制される。
【0012】このことは、機器装置1が地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(揺れ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0013】免震装置11に対する地震の揺れは、免震
装置の受け台16が平面視円形をなし、回転凹面15も
同様であることから、図示左右方向のみならず、360
°の全方向に対して、同様の機能を奏することは、あえ
て説明するまでもなく明白なことである。
【0014】しかしながら、免震装置11の限度である
ところの、脚体14が図42の図(b)に示されるよう
に、受け台16の周囲に接触するような状態以上となる
と、もはや、受け台16は床5面上を脚体14による押
圧力により滑ることになる。このような状態が揺れに応
じて繰り返される。このことから、機器装置1が転倒す
ることを免れる。
【0015】いずれにしても、地震の揺れの終息にとも
なう減衰震動により、脚体14は受け台16の回転凹面
15の中央部、すなわち安定点である最下部の位置に収
まることになる。
【0016】以上のような免震作用を奏する免震装置
は、(特願平1−273956号)特公平7−6094
3号公報に「免震台足」として開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記、免震装置11
は、きわめて顕著な免震機能を有しているものである
が、脚体14が受け台16を移動させる極限状態になる
と、以下に述べるような事態が起こり得る。
【0018】図42の図(a)に示されるように、機器
装置1は免震装置11により床5面上に支持されるが、
通常、床5を構成するのは建屋の床21上に支柱22を
設け、この支柱22上に方形をなす金属製でブロック状
の床部材23を隙間なく整然と並べ、平坦な床5面を構
成させている。
【0019】支柱22は互いに隣接するブロック状の床
部材23を、その上面に共通に支持するようであり、ね
じジャッキ式に高さを微細に調節可能としたものであ
る。以上のような構成の床面構成は、フリーアクセスフ
ロアとして知られている。
【0020】床部材23は金属製であることから、その
強度ならびに剛性などは大きいものであるが、機器装置
1の重量が過大な場合には、長期にはその隣接部分に図
(b)に示されるような段差24が生じることがある。
この段差24が微少な場合はとくに問題はないが、たと
えば、3ないし5mm程度ともなると、上述したよう
な、受け台16が滑って移動する際に、受け台16の周
囲下端部が衝突する。そこで、揺れが反転すれば問題は
ないが、それ以上に脚体13が移動しようとすると、図
中二点鎖線で示されるように、受け台16が転倒される
ことになり、その結果として、脚体14が床5面に落ち
てそのまま移動することになるといった、可能性があ
る。
【0021】受け台16が転倒されるようなことは、床
5面の段差24にもとづくものではなく、床5面上に固
定的に設けられた設備部材などによってもあり得ること
である。
【0022】本発明は、以上のような不都合の生じる可
能性にかんがみて、免震装置を構成する部分が分離しな
いこと、および、障害物による機器装置の転倒防止、な
らびに、機器装置が自在に移動しないように制限する、
免震装置の提供を発明の課題とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明手段の構成要旨であるところの、第1の手段に
よると、上部が機器装置に取り付けられる棒状の脚体
と、底面内部の中央が低く周囲が高くなる皿状の回転凹
面と該回転凹面の周囲から延びるとともに下部と上部開
口とが小径で中間部分が大径な凹曲面でなる壁面とを有
する上記脚体の受け台と、からなり、上記脚体が垂直状
態で上記受け台の壁面の外側が設置面と接するような受
け台の転倒状態において脚体の下端部が壁面の凹曲面内
部と接触し該脚体の側面が壁面の開口面と接触するよう
に構成する免震装置である。
【0024】受け台の周囲下端部が段差などの障害物に
衝突してそれ以上の移動が阻止されると、脚体は受け台
の壁面の上部開口の縁を押圧する。これによって受け台
は下端部を支点として設置面に対して転がるようになる
が、脚体の下端部は底部の回転凹面に連続する壁面の中
間部分であるところの、凹曲面内に容易に滑り込む。
【0025】しかしながら、受け台が転がりによる横転
姿勢となると、脚体の上部側面は上側となった反対側の
壁面の開口面に接して、それ以上の受け台の横転を阻止
するので、脚体が受け台から逸脱することはなく、受け
台はその姿勢のまま、設置面上を滑ることになる。
【0026】地震の揺れ方向の反転により、脚体の下端
部は壁面の凹曲面をすべり始めることになり、同時に上
部側面に接触していた開口部は離脱する。この結果、受
け台は元の正常な姿勢に容易に復元し、再び、免震装置
としての機能を奏する。
【0027】第2の手段によると、上部が機器装置に取
り付けられる棒状の脚体と、底面内部の中央が低く周囲
が高くなる皿状の回転凹面を有する上記脚体の受け台
と、上記脚体の周囲に設けられて上記受け台の周囲に延
び該周囲に接して受け台の転倒を防止する受け台押さえ
と、からなる免震装置である。
【0028】受け台の周囲下端部が段差などの障害物に
衝突してそれ以上の移動が阻止されると、受け台は脚体
に側面を押圧されて、受け台は下端部を支点として設置
面に対して転倒するようになるが、脚体の周囲に設けら
れた受け台押さえが、受け台の転倒方向への動きを押さ
え付けることになり、受け台の転倒が防止される。
【0029】受け台の下面周囲に下面内部側から周囲に
向けて、設置面から高くなるような斜面を形成しておく
ことで、段差などの障害物上に乗り上げることで、機器
装置の転倒が防止される。
【0030】第3の手段によると、上部が機器装置に取
り付けられる棒状の脚体と、底面内部の中央部が低く周
囲が高くなる皿状の回転凹面を有する上記脚体の受け台
と、設置面に固定され平面視上記脚体または受け台周囲
の少なくとも90°の範囲を囲む壁体と、からなり、上
記壁体は機器装置の四隅側位置のうち少なくとも2箇所
に配置される免震装置である。
【0031】地震による揺れが小さい状態では、脚体が
受け台の内部を相対的に移動するのみであるが、大きい
状態では受け台の周囲を押圧し移動させるようになる。
この状態で移動量が設定された範囲を越えるようになる
と、壁体に制限されてそれ以上の移動が阻止される。壁
体が対角方向に設けられる場合、それぞれ90°の範囲
を囲むことで目的は達せられる。
【0032】第4の手段によると、周囲に突出段部が形
成され上部が機器装置に取り付けられる棒状の脚体と、
底面内部の中央部が低く周囲が高くなる皿状の回転凹面
を有する上記脚体の受け台と、設置面に固定され平面視
上記脚体または受け台周囲90°の範囲を囲むとともに
内面側の上部に上記脚体の突出段部を受け入れる縁部を
有する壁体と、からなる免震装置である。
【0033】基本的構成の作用は第3の手段と同様であ
るが、地震の揺れが、さらに大きい場合に壁体に制限さ
れることで機器装置が転倒方向に傾くようになると、脚
体周囲の突出段部が壁体の縁部に係合して引っ掛かった
状態となり、脚体の上昇することを阻止されるために機
器装置の転倒することが防止される。
【0034】第5の手段によると、周囲に突出段部の形
成され上部が機器装置に取り付けられる棒状の脚体と、
底面内部の中央部が低く周囲が高くなる皿状の回転凹面
を有し内部側面の上部周囲に上記脚体の突出段部を受け
入れる縁部を有する上記脚体の受け台と、からなる免震
装置である。
【0035】地震の揺れにより脚体が受け台の周囲に接
触し、脚体が受け台から浮き上がろうとするような状態
になる場合、脚体周囲の突出段部が受け台周囲の縁部と
係合し、分離することが阻止される。
【0036】第6の手段によると、周囲に突出段部の形
成され上部が機器装置に取り付けられる棒状の脚体と、
底面内部の中央部が低く周囲が高くなる皿状の回転凹面
を有し底面下側の周囲内部に環状の凹溝の形成された上
記脚体の受け台と、上記受け台の下面の環状の凹溝に係
合する円板状の係合部を有し設置面に固定される固定部
材と、からなる免震装置である。
【0037】地震の揺れにより脚体が受け台の周囲に接
触し、脚体が受け台から浮き上がろうとするような状態
になる場合、脚体周囲の突出段部が受け台周囲の縁部と
係合し、分離することが阻止される。さらに大きな揺れ
により機器装置が傾こうとするような状態ともなると、
受け台の下側の環状の凹溝に固定部材の係合部が嵌まり
合っていることで、受け台が係止されて機器装置の傾き
が阻止される。
【0038】第7の手段によると、設置面上に回動可能
に位置固定される回動軸とは偏倚された脚体の上部が機
器装置に取り付けられる免震装置である。回動軸は設置
面に位置固定されており、脚体は回動軸とは偏倚されて
一体化されていることから、地震の揺れに応じて回動軸
を中心に脚体は円弧運動することで免震作用を奏する。
回動軸は360°回動可能であるから、如何なる方向の
揺れに対応し得る。もちろん、設置面に位置固定されて
いることから、機器装置が転倒することはない。
【0039】第8の手段によると、周囲に突出段部の形
成され上部が機器装置に取り付けられる棒状の脚体と、
底面内部の中央部が低く周囲が高くなる皿状の回転凹面
を有する上記脚体の受け台と、上記脚体の突出段部の上
部を覆い該脚体を半径方向に移動可能とする長孔を有し
上記受け台に回転可能に支持される蓋体と、からなる免
震装置である。
【0040】蓋体は受け台に対して回動可能に支持され
ていることから、地震の揺れに応じて脚体が受け台内を
移動する方向に蓋体の長孔の向きが一致される。脚体の
浮き上がりを生じるような状態においては、脚体周囲の
突出段部が蓋体と係合するので、脚体と受け台とが分離
することが防止される。受け台を設置面に固定しておく
ことで、機器装置の傾きや転倒が阻止される。
【0041】第9の手段によると、上部が機器装置に取
り付けられる棒状の脚体と、底面内部の中央部が低く周
囲が高くなる皿状の回転凹面を有する上記脚体の受け台
と、上記受け台の周囲複数箇所に昇降可能に設けられ下
降状態で設置面に接する摺動部材と、上記受け台の上部
に上記複数の摺動部材に対応して回動可能に設けられ外
側端部が上記摺動部材の上面に接するとともに内側端部
が上記受け台の回転凹面内上に延びる梃子部材と、をそ
なえ、上記梃子部材の内側端部が上記脚体の側面で押さ
れることにより梃子部材の外側端部が摺動部材を押し下
げる免震装置である。
【0042】地震の揺れが過大となり、受け台が移動す
るような状態ともなり、段差などの障害物に衝突するよ
うな事態に到ると、脚体が梃子部材を押圧して摺動部材
を押し下げる。摺動部材の下端部が段差などの上側を押
圧することで、梃子部材と協働して受け台の底面を段差
などの上面位置まで持ち上げるから、受け台は段差など
の上面に乗り上げることで、受け台が転倒されることが
防止される。
【0043】摺動部材と梃子部材とは、対の組み合わせ
で受け台の周囲に複数設けられているので、何れの方向
に対しても対処し得る。第10の手段によると、上部が
機器装置に取り付けられる上側部材と、下部が設置面に
取り付けられる下側部材と、上記上側部材と下側部材間
を相互に直交方向に摺動移動可能に中央部が円弧面によ
り膨大する第1と第2の摺動部材を介して移動方向にの
み移動可能な突条と凹溝の組み合わせによる係合手段に
より係合させる中間部材と、からなる免震装置である。
【0044】上側部材と下側部材とは相互に直交方向に
のみ摺動移動可能に構成されており、下側部材は設置面
に取り付けられて位置固定されていることから、地震に
よる揺れに応じて、水平方向に対しては、どの方向にも
移動可能である。
【0045】第1と第2の摺動部材の中央部が膨大であ
ることにより、移動に応じて上側部材は設置面に対して
上昇される。したがって、機器装置の重量が加わること
で、上側部材と下側部材とが同一中心上に一致する安定
点に復帰しようとする力が作用して免震作用が得られ、
地震の終息減衰とともに安定点に戻る。
【0046】第11の手段によると、上部が機器装置に
取り付けられる上側部材と、下部が設置面に取り付けら
れる下側部材と、上記上側部材と下側部材間を相互に直
交方向に摺動移動可能に中央部が円弧面により膨大する
第1と第2の摺動部材を介して摺動方向にのみ移動可能
な突条と凹溝の組み合わせによる係合手段により係合さ
せる中間部材と、平面視上記上側部材の周囲の少なくと
も90°の範囲を囲み設置面に固定される壁体と、から
なり、上記壁体は機器装置の四隅位置の少なくとも2箇
所に配置される免震装置である。
【0047】基本的な作用は第10の手段と同様である
が。地震の過大な揺れにより可動範囲を越えるような事
態となると、上側部材が壁体に制限されて、それ以上の
移動が阻止される。すなわち基本構成部分の組み合わせ
構造の分離が防止される。
【0048】第12の手段によると、上記上側部材と第
1の摺動部材と中間部材ならびに上記中間部材と第2の
摺動部材と下側部材との係合手段は、それぞれ、ありと
あり溝であって第10の手段または第11の手段に記載
の免震装置に適用される。
【0049】係合手段はT型とT溝との組み合わせによ
ることでも可能であるが、好ましくは、ありとあり溝と
の組み合わせであることが、応力集中が避けられるの
で、より好適である。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の免震装置について
具体的な実施形態例により、図を参照しながら詳細に説
明する。なお、全図を通じて同等部分には同一符号を付
して示してある。
【0051】図1は、本発明免震装置の第1の一実施形
態であり、側断面図に示される。図1において、免震装
置31の脚体32は機器装置1の下部底面2の四隅に、
それぞれねじ込み取り付けられており、機器装置1の高
さ位置を調整された状態がロックナット33で位置決め
固定されている。図1には、このような状態の1箇所の
みが代表的に示されている。
【0052】この脚体32は構造用鋼材からなり、下端
部34が半球面(または球面の一部)に形成されてお
り、焼入れや、窒化法などによる表面硬化処理、ならび
に、研磨仕上げが施されている。
【0053】受け台35は、図2の図(a)の平面図、
図(b)の側断面図、に示されるように、底面内部の中
央部分が低く、周囲方向に到るにしたがって逐次高くな
る皿状の回転凹面36であり、この回転凹面36の周囲
から滑らかに連続して延びるとともに、下部37と上部
開口38とが小径で、中間部分39が大径な凹曲面41
でなる壁面42を有する。この壁面42の外形は内形と
相似形をなしており、その周囲は比較的硬質な合成ゴム
43で覆われている。
【0054】回転凹面36は曲率が一定な円弧、または
中央部を小さく、周囲方向を大きな曲率とするような複
合させた曲面、さらには、円錐状の凹面、などから適宜
選択し得るもので、中心を基準にして360°水平方向
に回転させて得られる凹面でなる。凹曲面41は簡易に
は円弧が適用し得る。
【0055】受け台35の上部開口38の周囲、壁面4
2の端面44は擂鉢状の傾斜面に形成されている。ま
た、下方底面には4弗化エチレン樹脂(テフロン)、ま
たは、適宜な硬度の合成ゴムなどの部材45が取り付け
られている。
【0056】この受け台35は構造用鋼材からなり、と
くに回転凹面36と凹曲面41との面は、焼入れや、窒
化法などによる表面硬化処理、ならびに、研磨仕上げが
施されるとともに、2硫化モリブデンなどの固体潤滑剤
が供給塗布されている。
【0057】免震装置31の脚体32は、図1に示され
るように機器装置1の底面2の四隅に取り付けられ、床
などの設置面5上に設置された受け台35の回転凹面3
6の中心部に、それぞれ位置される。
【0058】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置1の質量により静止慣性力
で機器装置1は移動することなく設置面5の震動に応じ
て、受け台35は設置面5の移動に一致した動きとなる
ことから、脚体32の下端部34と受け台35の回転凹
面36間の接触摩擦による相対的移動となり、機器装置
1への地震動による影響は少ない。
【0059】揺れが大きくなり、脚体32が受け台35
の回転凹面36の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面36の中央部よりも高い位置に脚体32の
下端部34が接することから、機器装置1をその重量に
抗して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体32
はその分力に相当する以上には周囲方向に移動すること
が抑制される。
【0060】このことは、機器装置1が地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(揺れ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0061】免震装置31に対する地震の揺れは、免震
装置の受け台35が平面視円形をなし、回転凹面36も
同様であることから、図示左右方向のみならず、360
°の全方向に対して、同様の機能を奏する。
【0062】しかしながら、免震装置31の限度である
ところの、脚体32の周囲が受け台35の開口38の周
囲に接触するような状態以上となると、受け台35は設
置面5上を脚体32の押圧力により滑ることになる。こ
のような状態が揺れに応じて繰り返される。このことか
ら、機器装置1が転倒することを免れる。
【0063】いずれにしても、地震の揺れの終息にとも
なう減衰震動により、脚体32は受け台35の回転凹面
36の中央部、すなわち、安定点である最下部の位置に
収まることになる。
【0064】以上のような、受け台35が設置面5上を
摺動移動させられるような状態において、設置面5上の
段差や障害物、あるいは、なんらかのはずみで、受け台
35の円滑な移動状態が阻止されたりすると、脚体32
の側面が受け台35の開口38の周囲と接触しているこ
とから、開口38の周囲を押すことで、受け台35の下
端部を支点として受け台35の反対側の底面が持ち上が
る。
【0065】すなわち、受け台35が転倒されるのであ
るが、この過程で、壁面42の円弧状の形状にもとづい
て、段差などの上側へ転がり上がることで、阻止される
ことなく円滑に移動する。
【0066】このようになると、脚体32の下端部34
は受け台35の凹曲面41の部分に滑り込み、受け台3
5を転倒起立させることになる。しかしながら、このよ
うな過程において、地震動の方向が反転されると、脚体
32は受け台35の回転凹面36の方向に向かい、受け
台35が完全に転倒されることは一応防止されて正常な
姿勢に復する。
【0067】受け台35が完全に転倒された状態は、図
3に示されるようになる。すなわち、脚体32の下端部
34は凹曲面41の大径な中間部分39に位置し、脚体
32の側面上方が転倒起立した受け台35の壁面42の
端面44に当接される。図示されるように脚体32の側
面と端面44の傾斜面とが丁度一致して線接触するよう
であるから。安定した状態となる。
【0068】以上のような状態の姿勢となる受け台35
は、それ以上の傾きが阻止され、この姿勢の状態で設置
面5上を滑ることになる。受け台35には機器装置1の
重量が作用しているから、設置面5上に押さえつけら
れ、脚体32が受け台35から逸脱分離されることが防
止される。このような状態になったとしても、地震動の
方向反転により脚体32は再び回転凹面36の方向に向
かい、受け台35の姿勢は復元される。
【0069】図3において、設置面5上における脚体3
2の中心軸線の位置46と、受け台35の設置面5との
接触位置47とには差異がある。この差異にもとづい
て、機器装置1の重量の作用する脚体32の下端部34
は回転凹面36方向に滑り込むような動きをするので、
復元が容易に行なわれる。
【0070】図4の図(a)は、本発明免震装置の第2
の一実施形態であり、側断面図に示される。図(a)に
おいて、免震装置51の脚体52は機器装置1の下部底
面2の四隅に、それぞれねじ込み取り付けられており、
機器装置1の高さ位置の調整された状態がロックナット
33で位置決め固定されている。図(a)には、このよ
うな状態の1箇所のみが代表的に示されている。
【0071】この脚体52は構造用鋼材からなり、下方
先端34が半球面(または球面の一部)に形成されてお
り、焼入れや、窒化法などによる表面効果処理、ならび
に、研磨仕上げが施されている。
【0072】脚体52の側面周囲には、フランジ状の受
け台押さえ53がスリーブ部分54により嵌め込まれて
いる。受け台55は、底面内部の中央部分が低く、周囲
方向に到るにしたがって逐次高くなる皿状の回転凹面3
6であり、この回転凹面36の周囲を囲むように筒状の
壁面56が一体形成されている。
【0073】回転凹面36は曲率が一定な円弧、または
中央部を小さく、周囲方向を大きな曲率とするような複
合させた曲面、さらには、円錐状の凹面、などがら適宜
選択し得るもので、中心を基準にして360°水平方向
に回転させて得られる凹面でなる。
【0074】受け台55の下面周囲に下面内部側から周
囲に向けて、設置面5から高くなるような傾斜面57が
形成されており、底面の平坦面には、4弗化エチレン樹
脂(テフロン)、または、適宜な硬度の合成ゴムなどの
部材45が取り付けられている。
【0075】この受け台55は構造用鋼材からなり、回
転凹面36の面は、焼入れや、窒化法などによる表面硬
化処理、ならびに、研磨仕上げが施されるとともに、2
硫化モリブデンなどの固体潤滑剤が供給塗布されてい
る。
【0076】免震装置51の脚体52は、図(a)に示
されるように機器装置1の底面2の四隅に取り付けら
れ、床などの設置面5上に設置された受け台55の回転
凹面36の中心部に、それぞれ位置される。
【0077】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置1の質量により静止慣性力
で機器装置1は移動することなく設置面5の震動に応じ
て、受け台55は設置面5の移動に一致した動きとなる
ことから、脚体52の下端部34と受け台55の回転凹
面36間の接触摩擦による相対的移動となり、機器装置
1への地震動による影響は少ない。
【0078】揺れが大きくなり、脚体52が受け台55
の回転凹面36の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面36の中央部よりも高い位置に脚体52の
下端部34が接することから、機器装置1をその重量に
抗して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体52
はその分力に相当する以上には周囲方向に移動すること
が抑制される。
【0079】このことは、機器装置1が地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(揺れ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0080】免震装置51に対する地震の揺れは、免震
装置の受け台55が平面視円形をなし、回転凹面36も
同様であることから、図示左右方向のみならず、360
°の全方向に対して、同様の機能を奏する。
【0081】しかしながら、免震装置51の限度である
ところの、脚体52の周囲が受け台55の壁面56の周
囲に接触するような状態以上となると、受け台55は設
置面5上を脚体52の押圧力により滑ることになる。こ
のような状態が揺れに応じて繰り返される。このことか
ら、機器装置1が転倒することを免れる。
【0082】いずれにしても、地震の揺れの終息にとも
なう減衰震動により、脚体52は受け台55の回転凹面
36の中央部、すなわち、安定点である最下部の位置に
収まることになる。
【0083】以上のような、受け台55が設置面5上を
摺動移動させられるような状態において、設置面5上の
段差や障害物、あるいは、なんらかのはずみで、受け台
55の円滑な移動状態が阻止されたりすると、脚体52
の側面が受け台55の壁面56の周囲を押すことから、
受け台55の下端部を支点として受け台55の反対側が
持ち上がり、受け台55が転倒されるように働く。
【0084】図(b)の側断面図、および、図5の要部
平面図(脚体52をロックナット33の下部で断面状態
としてある)、に示されるように、受け台55の下端部
が設置面5の段差24に接することで、以上のような事
態が起こり得るようになる。しかしながら、脚体52に
は、受け台押さえ53が嵌められ取り付けられているか
ら、この受け台押さえ53によって押さえられているの
で、受け台55は浮き上がることが阻止される。
【0085】実際には、受け台押さえ53のスリーブ部
分54の嵌め合いにより、受け台押さえ53が傾くこと
がなく、スリーブ部分54の軸方向への移動により、ス
リーブ部分54の上端がロックナット33面に接して位
置決めされるからである。
【0086】受け台55の下面周囲の傾斜面57によ
り、移動が阻止されるであろう受け台55は段差24の
上に乗り上げることができるので、受け台55に無理が
生じることが防止される。
【0087】以上のようなことは、受け台押さえ53が
受け台55の壁面56上をその外周上におよんで、広く
覆っていることから、水平方向の全方向に対して機能す
るものである。
【0088】本実施形態によれば、受け台押さえ53が
受け台55の回転凹面36上を確実に覆うことから、通
常の状態において、回転凹面36内に塵埃や異物の入り
込むことがなくなり、内部の清浄な状態が確保される。
【0089】図示例に限定されることなく、受け台押さ
え53を脚体52に強固に固定し、一体的にしておくこ
とは十分に可能であり、要すれば、一体に形成すること
であってもよいことである。
【0090】図6の図(a)は、本発明免震装置の第3
の一実施形態であり、側断面図に示される。図(a)に
おいて、免震装置61の脚体32は機器装置1の下部底
面2の四隅に、それぞれねじ込み取り付けられており、
機器装置1の高さ位置の調整された状態がロックナット
33で位置決め固定されている。図(a)には、このよ
うな状態の1箇所のみが代表的に示されている。
【0091】この脚体32は構造用鋼材からなり、下方
先端34が半球面(または球面の一部)に形成されてお
り、焼入れや、窒化法などによる表面硬化処理、ならび
に、研磨仕上げが施されている。
【0092】受け台55は、底面内部の中央部分が低
く、周囲方向に到るにしたがって逐次高くなる皿状の回
転凹面36であり、この回転凹面36の周囲を囲むよう
に筒状の壁面56が一体形成されている。
【0093】回転凹面36は曲率が一定な円弧、または
中央部を小さく、周囲方向を大きな曲率とするような複
合させた曲面、さらには、円錐状の凹面、などがら適宜
選択し得るもので、中心を基準にして360°水平方向
に回転させて得られる凹面でなる。
【0094】受け台55の底面の平坦面には、4弗化エ
チレン樹脂(テフロン)、または、適宜な硬度の合成ゴ
ムなどの部材45が取り付けられている。この受け台5
5は構造用鋼材からなり、回転凹面36の面は、焼入れ
や、窒化法などによる表面硬化処理、ならびに、研磨仕
上げが施されるとともに、2硫化モリブデンなどの固体
潤滑剤が供給塗布されている。
【0095】壁体65は、構造用鋼材などの金属からな
り、受け台55とは同心円の一部で形成されたもので、
半径方向に受け台55とは所定間隔隔てられるように設
定され、設置面5上に直立する円弧状の壁面66の外側
下方周囲に張り出され、設置面5上に取り付けられるフ
ランジ部67と、壁面66の内側上方周囲に張り出され
る縁部68と、からなり、壁面66の下方内面には比較
的に硬度の高い帯状の緩衝ゴム69が取り付けられてい
る。
【0096】壁体65は、脚体32または受け台55周
囲の少なくとも、理論上は90°の範囲を囲む円弧形状
である。しかしながら、種々の状態を勘案し、両側方向
に余裕を与えることで、130°程度に設定する。
【0097】また、壁体65は後述するような位置関係
となるように位置決めし、ねじなどを適用してそれぞれ
を設置面5に強固に取り付け固定させる。免震装置61
の脚体32は、図(a)に示されるように機器装置1の
底面2の四隅に取り付けられ、床などの設置面5上に設
置された受け台55の回転凹面36の中心部に、それぞ
れ位置される。
【0098】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置1の質量により静止慣性力
で機器装置1は移動することなく設置面5の震動に応じ
て、受け台55は設置面5の移動に一致した動きとなる
ことから、脚体32の下端部34と受け台55の回転凹
面36間の接触摩擦による相対的移動となり、機器装置
1への地震動による影響は少ない。
【0099】揺れが大きくなり、脚体32が受け台55
の回転凹面36の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面36の中央部よりも高い位置に脚体32の
下端部34が接することから、機器装置1をその重量に
抗して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体32
はその分力に相当する以上には周囲方向に移動すること
が抑制される。
【0100】このことは、機器装置1が地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(揺れ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0101】免震装置61に対する地震の揺れは、免震
装置の受け台55が平面視円形をなし、回転凹面36も
同様であることから、図示左右方向のみならず、360
°の全方向に対して、同様の機能を奏する。
【0102】しかしながら、このような免震機能の限度
であるところの、脚体32の周囲が受け台55の壁面5
6の周囲に接触するような状態以上となると、受け台5
5は設置面5上を脚体32の押圧力により滑ることとな
る。このような状態が揺れに応じて繰り返される。この
ことから、機器装置1が転倒することを免れる。
【0103】いずれにしても、地震の揺れの終息にとも
なう減衰震動により、脚体32は受け台55の回転凹面
36の中央部、すなわち、安定点である最下部の位置に
収まることになる。
【0104】以上のような、受け台55が設置面5上を
摺動移動させられるような状態においては、建屋の揺れ
を含むことから、単純な震動ではなく不規則な震動状態
となるので、単なる往復震動とはならず、このために、
機器装置1の移動方向が不規則となり、室内の通路上な
どに進出したり、他の機器装置と接触するなどの事態を
生じ得るようになる。
【0105】このような事態となることが、図(b)に
示されるようにして防止される。すなわち、受け台55
が所定距離以上の移動することを防止する位置に、壁体
65が包囲配置されているので、図示されるように、受
け台55の壁面56の外側が壁体65の壁面66に取り
付けられている、緩衝ゴム69に接触して移動が阻止さ
れる。
【0106】地震動の揺れに応じて反対方向への移動
は、図示されない他の受け台55と壁体65との接触に
より移動は阻止されるから、所定範囲以上に機器装置1
の移動することが防止される。
【0107】図7の図(a)は、本発明免震装置の第4
の一実施形態であり、側断面図に示される。図(a)に
おいて、免震装置71の脚体72は機器装置1の下部底
面2の四隅に、それぞれねじ込み取り付けられており、
機器装置1の高さ位置の調整された状態がロックナット
33で位置決め固定されている。図(a)には、このよ
うな状態の1箇所のみが代表的に示されている。
【0108】この脚体72は構造用鋼材からなり、中間
部周囲には環状の突出段部73が設けられ、下方先端3
4が半球面(または球面の一部)に形成されており、焼
入れや、窒化法などによる表面硬化処理、ならびに、研
磨仕上げが施されている。
【0109】この免震装置71における、受け台55な
らびに壁体65は前述の、本発明免震装置の第3の一実
施形態と同じであることから、同一符号を付してその詳
細構成については、説明を省略するので、必要に応じて
前述の説明を参照されたい。したがって、相違するのは
脚体72であり、とくに突出段部73が設けられている
ことにある。
【0110】また、脚体72と受け台55および壁体6
5との作用についても基本的には、第3の一実施形態と
同じであることから、基本的な作用説明は省略する。こ
こでは、前実施形態と相違する作用点について、以下説
明する。
【0111】図(a)に示されるような状態に設置面5
上に設定配置されることも、同様である。地震の揺れが
大きくなり、受け台55が脚体72によって移動され、
図(b)に示されるように、機器装置1が図示右方へ、
壁体65が図示左方へ相対的に移動されて衝撃的に接触
したとすると、脚体72は受け台55の壁面56を介し
て壁体65により移動が阻止されるが、それにともなっ
て、機器装置は図示右方へ上方の重心位置を基準とし
て、他方の図示されない脚体72を支点にして、傾こう
とする。
【0112】この傾こうとする作用は、すなわち、図
(b)に示される脚体72が浮き上がろうとすることに
ほかならず、この場合、図示されるように、脚体72の
突出段部73が壁体65の上側の縁部68の下方に受け
入れられて係合しているので、浮き上がることが阻止さ
れ、機器装置1の傾きが防止されるとともに、脚体72
と受け台55との分離することも防止される。
【0113】傾くことが極端な場合、すなわち、地震の
規模が大きい場合に機器装置が転倒する程度であって
も、転倒することが防止される。なお、図示省略した
が、第3の一実施形態および第4の一実施形態のいずれ
においても、免震装置61、71の脚体32,72と、
受け台55との間に、凹面36上に塵埃や異物が入り込
まないような、ダイアフラム状の柔軟な覆いを設けるこ
とは、いうまでもなく可能なことである。
【0114】図8に、本発明免震装置の第3および第4
の一実施形態における配置図、が示され、図(a)に平
面図、図(b)に要部正面図、が示される。ただし、脚
体については、便宜上、第4の一実施形態の符号72を
適用してあるが、第3の一実施形態の符号32を適用し
得ることは、なんらの不都合はないものと理解された
い。免震装置の符号71についても同様とする。
【0115】機器装置1の四隅に、脚体72を取り付
け、それぞれの中心に受け台55を配置させるのである
が、これらの脚体72または受け台55を中心として同
心円上に一致するようにして円弧状の壁体65を設置面
5上に強固に取り付ける。
【0116】壁体65は、図示されるように、機器装置
1の四隅のそれぞれの直角とは対称となるような位置に
設定する。免震装置71は、後述の説明で理解を容易と
するために、図(a)において、右上から左廻りにそれ
ぞれを、71−1,71−2,71−3,71−4、と
して示す。
【0117】図9の図(a)を参照すると、地震による
揺れが矢印で示されるように、図示左右方向であるとす
ると、相対的に、機器装置1が図示左方へ、設置面5が
図示右方へ、揺れた瞬間において免震装置71−1と7
1−2との、受け台55と壁体65とが接触している。
反対方向に揺れた瞬間においては、免震装置71−3と
71−4との、受け台55と壁体65とが接触すること
は、説明するまでもなく容易に理解されるであろう。
【0118】図示矢印とは直交方向の揺れに対しても、
相対的に、機器装置1が図示前方へ、設置面5が図示手
前側へ、揺れた瞬間において免震装置71−2と71−
3との受け台55と壁体65とが接触し、反対方向に揺
れた瞬間においては、免震装置71−1と71−4との
受け台55と壁体65とが接触し、設置面5に対する位
置ずれ、ならびに機器装置1の傾きなどが防止される。
【0119】図9の図(b)を参照すると、地震による
揺れが矢印で示されるように、図示斜め方向であるとす
ると、相対的に、機器装置1が図示右手前側へ、設置面
5が左前方へ、揺れた瞬間において免震装置71−1と
71−4との、受け台55と壁体65とが接触してい
る。反対方向に揺れた瞬間においては、免震装置71−
2と71−3との、受け台55と壁体65とが接触する
ことになる。
【0120】図示矢印とは直交方向の揺れに対しても、
相対的に、機器装置が図示左手前側へ、設置面5が右前
方へ、揺れた瞬間において免震装置71−1と71−4
との、受け台55と壁体65とが接触し、反対方向に揺
れた瞬間においては、免震装置71−2と72−3と
の、受け台55と壁体65とが接触し、設置面5に対す
る位置ずれ、ならびに機器装置1の傾きなどが防止され
る。
【0121】図10の図(a)に、本発明免震装置の第
5の一実施形態の平面図、が示される。この免震装置7
5の実施形態は図8に示される第3および第4の実施形
態と実質同様であって、前実施形態が壁体65を床など
の設置面5に取り付けるようにしていたものを、枠体7
6に、ねじなどで一旦強固に取り付け、一体化したもの
である。
【0122】したがって、設置面5に位置決めなどの面
倒な現場作業を要することなく、あらかじめ、工場など
で組み立てたものを、設置現場に搬入して枠体76を設
置することで大幅に工期を短縮し得る。また、設置面の
状況に関係なく設置することも可能である。
【0123】その他の、基本的な構成、作用、効果など
は前実施形態で既述したとおりであるから、ここでの説
明は省略する。枠体76は、たとえば、構造用鋼板を基
板77とし、その周囲に枠78、これらを連結補強する
リブ79、などを溶接し組み立てることで製造し得る。
基板77には要所に軽量化ならびにケーブル配線用の孔
81を設ける。壁体65は図示省略のねじでもって基板
77の所定位置に取り付けるのであるが、溶接により取
り付けることも可能である。
【0124】壁体65の中心の基板77上にそれぞれ、
受け台55を配置することで、機器装置1を脚体72と
ともに設置することができる。この免震装置75の異な
る実施形態としては、たとえば、枠体76を壁体65を
含んでアルミニウム合金の鋳造品として一体化し、要所
を仕上げ加工することも可能なことであり、軽量化し得
る。
【0125】図(b)には参考として、矢印に示される
前後方向の地震動による場合を示したもので、この説明
は図9の図(a)で説明したことと同じであるから、既
述の説明を参照されたい。
【0126】図11の図(a)は、本発明免震装置の第
6の一実施形態であり、側断面図に示される。図(a)
において、免震装置85の脚体72は機器装置1の下部
底面2の四隅に、それぞれねじ込み取り付けられてお
り、機器装置1の高さ位置の調整された状態がロックナ
ット33で位置決め固定される。図(a)には、このよ
うな状態の1箇所のみが代表的に示されている。
【0127】脚体72は前述の、本発明免震装置の第4
の一実施形態と同じであることから、同一符号を付して
その詳細構成については、説明を省略するので、必要に
応じて前述の説明を参照されたい。
【0128】また、受け台55についても、本発明免震
装置の第3の一実施形態と同じことであることから、同
一符号を付してその詳細構成については、説明を省略す
るので、必要に応じて前述の説明を参照されたい。
【0129】壁体86は、構造用鋼材などの金属からな
り、受け台55とは同心円に形成されたもので、半径方
向に受け台55とは所定間隔隔てられるように設定さ
れ、設置面5上に直立する全円周の壁面87の外側下方
周囲に張り出され、設置面5上に取り付けられるフラン
ジ88と、壁面87の内側上方周囲に張り出される縁部
89と、からなり、壁面87の下方内面には比較的に硬
度の高い環状の緩衝ゴム90が取り付けられている。
【0130】壁体86は、後述するような位置関係とな
るように位置決めし、ねじなどを適用してそれぞれを設
置面5に強固に取り付け固定させる。脚体72は、後述
するように、機器装置1の底面2の四隅位置に取り付け
られ、床などの設置面5上に設置された受け台55の回
転凹面36の中心部に、それぞれ位置される。
【0131】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置1の質量により静止慣性力
で機器装置1は移動することなく設置面5の震動に応じ
て、受け台55は設置面5の移動に一致した動きとなる
ことから、脚体72の下端部34と受け台55の回転凹
面36間の接触摩擦による相対的移動となり、機器装置
1への地震動による影響は少ない。
【0132】揺れが大きくなり、脚体72が受け台55
の回転凹面36の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面36の中央部よりも高い位置に脚体72の
下端部34が接することから、機器装置1をその重量に
抗して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体72
はその分力に相当する以上には周囲方向に移動すること
が抑制される。
【0133】このことは、機器装置1が地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(揺れ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0134】免震装置85に対する地震の揺れは、免震
装置の受け台55が平面視円形をなし、回転凹面36も
同様であることから、図示左右方向のみならず、360
°の全方向に対して、同様の機能を奏する。
【0135】しかしながら、このような免震機能の限度
であるところの、脚体72の周囲が受け台55の壁面5
6の周囲に接触するような状態以上となると、受け台5
5は設置面5上を脚体72の押圧力により滑ることとな
る。このような状態が揺れに応じて繰り返される。この
ことから、機器装置1が転倒することを免れる。
【0136】いずれにしても、地震の揺れの終息にとも
なう減衰震動により、脚体72は受け台55の回転凹面
36の中央部、すなわち、安定点である最下部の位置に
収まることになる。
【0137】以上のような、受け台55が設置面5上を
摺動移動させられるような状態においては、建屋の揺れ
を含むことから、単純な震動ではなく不規則な震動状態
となるので、単なる往復震動とはならず、このために、
機器装置1の移動方向が不規則となり、室内の通路上な
どに進出したり、他の機器装置と接触するなどの事態を
生じ得るようになる。
【0138】このような事態となることが、図(b)に
示されるようにして防止される。すなわち、受け台55
が所定距離以上の移動することを防止する位置に、壁体
86が包囲配置されているので、図示されるように、受
け台55の壁面56の外側が壁体86の壁面87に取り
付けられている、緩衝ゴム90に接触して移動が阻止さ
れる。
【0139】地震動の揺れに応じて反対方向への移動
は、同様にして反対側の緩衝ゴム90に接触して移動が
阻止されるから、所定範囲以上に機器装置1の移動する
ことが防止される。
【0140】地震の揺れが大きくなり、受け台55が脚
体72によって移動され、図(b)に示されるように、
機器装置1が図示右方へ、壁体86が図示左方へ相対的
に移動されて衝撃的に接触したとすると、脚体72は受
け台55の壁面56を介して壁体86により移動が阻止
されるが、それにともなって、機器装置1は右方へ上方
の重心位置を基準として、他方の図示されない脚体72
を支点として、傾こうとする。
【0141】この傾こうとする作用は、すなわち、図
(b)に示される脚体72が浮き上がろうとすることに
ほかならず、この場合、図示されるように、脚体72の
突出段部73が壁体86の上側の縁部89の下方に受け
入れられて係合しているので、浮き上がることが阻止さ
れ、機器装置1の傾きが防止されるとともに、脚体72
と受け台55との分離することが防止される。
【0142】傾くことが極端な場合、すなわち、地震の
規模が大きい場合に機器装置1が転倒する程度であって
も、転倒することが防止される。なお、図示省略した
が、脚体72と受け台55との間に、凹面36上に塵埃
や異物が入り込まないような、ダイアフラム状の柔軟な
覆いを設けることは、いうまでもなく可能なことであ
る。
【0143】図12に、本発明免震装置の第6の一実施
形態における配置図、が示され、図(a)に平面図、図
(b)に要部正面図、が示される。機器装置1の四隅に
脚体を取り付けるのであるが、この実施形態において
は、一方の対角位置に本発明免震装置85の脚体72を
取り付け、他の対角位置に従来技術におけると同様な棒
状の脚体3を取り付ける。
【0144】脚体72を取り付けるには、それぞれの中
心に受け台55を配置させるのであるが、これらの脚体
72または受け台55を中心として同心円上に一致する
ようにして円形状の壁体86を設置面5上に強固に取り
付ける。
【0145】図13の図(a)を参照すると、地震によ
る揺れが矢印で示されるように、図示左右方向であると
すると、相対的に、機器装置1が図示右方へ、設置面5
が図示左方へ、揺れた瞬間において免震装置85の、受
け台55と壁体86との図示右側どうしが接触してい
る。反対方向に揺れた瞬間においては、受け台55と壁
体86との図示左側どうしが接触することは、容易に理
解されるであろう。
【0146】図示矢印とは直交方向の揺れに対しても、
相対的に、機器装置1が図示前方へ、設置面5が図示手
前側へ、揺れた瞬間において免震装置85の、受け台5
5と壁体86との図示前方側どうしが接触し、機器装置
1が図示手前側へ、設置面5が図示前方側へ、揺れた瞬
間においては、受け台55と壁体86の図示手前側どう
しが接触し、設置面5に対する位置ずれ、ならびに機器
装置1の傾きなどが防止される。
【0147】図13の図(b)を参照すると、地震によ
る揺れが矢印で示されるように、図示斜め方向であると
すると、相対的に、機器装置1が図示左前方側へ、設置
面5が右手前側へ、揺れた瞬間において免震装置85
の、受け台55と壁体86の図示左前方側で接触し、反
対方向に揺れた瞬間においては、免震装置85の、受け
台55と壁体86の図示右手前側どうしが接触し、設置
面5に対する位置ずれ、ならびに機器装置1の傾きなど
が防止される。
【0148】いずれにしても、棒状の脚体3は設置面5
上を摺動移動するのみである。図13においては免震装
置85は、対角位置の2箇所に配置させるのみで、十分
な免震効果が得られるが、機器装置1の大きさ、重量な
どに応じて、4箇所に配置することは、より信頼性の良
好な状態を得ることができる。
【0149】図14に本発明免震装置の第7の一実施形
態が示され、図(a)に平面図、図(b)に要部正面
図、が示される。この免震装置91の実施形態は図12
に示される第6の実施形態と実質同様であって、前実施
形態が壁体86を床などの設置面5に取り付けるように
していたものを、枠体92に、ねじなどで一旦強固に取
り付け、一体化したものである。また、前実施形態の免
震装置85を機器装置1の四隅に配置することにもある
が、対角位置の2箇所に対しても対応し得るものでもあ
る。
【0150】枠体92に取り付けることは、設置面5に
位置決めなどの面倒な現場作業を要することなく、あら
かじめ、工場などで組み立てたものを、設置現場に搬入
して枠体92を設置することで大幅な工期を短縮し得
る。また、設置面の状況に関係なく設置することも可能
である。
【0151】その他の、基本的な構成、作用、効果など
は前実施形態で既述したとおりであるから、ここでの説
明は省略する。枠体92は、たとえば、構造用鋼板を基
板93とし、その周囲に枠94、これらを連結補強する
リブ95などを溶接し組み立てることで製造し得る。基
板93には要所に軽量化ならびにケーブル配線用の孔9
6を設ける。壁体86は溶接により取り付けることも可
能である。
【0152】この免震装置91の異なる実施形態として
は、たとえば、枠体92を壁体86を含んでアルミニウ
ム合金の鋳造品として一体化し、要所を仕上げ加工する
ことも可能なことであり、軽量化し得る。
【0153】図15の図(a)は、本発明免震装置の第
8の実施形態であり、側断面図に示される。図(a)に
おいて、免震装置101の脚体72は機器装置1の下部
底面2の四隅に、それぞれねじ込み取り付けられてお
り、機器装置1の高さ位置の調整された状態がロックナ
ット33で位置決め固定される。図(a)にはこのよう
な状態の1箇所のみが代表的に示されている。
【0154】この脚体72は構造用鋼材からなり、中間
部周囲には環状の突出段部73が設けられ、下方先端3
4が半球面(または球面の一部)に形成されており、焼
入れや、窒化法などによる表面硬化処理、ならびに、研
磨仕上げが施されている。
【0155】受け台102は、底面内部の中央部分が低
く、周囲方向に到るにしたがって逐次高くなる皿状の回
転凹面36であり、この回転凹面36の周囲を囲むよう
に筒状の壁面103と、壁面103の上部に内部方向に
張り出す環状の縁部104と、が一体形成されている。
【0156】回転凹面36は曲率が一定な円弧、または
中央部を小さく、周囲方向を大きな曲率とするような複
合させた曲面、さらには、円錐状の凹面、などから適宜
選択し得るもので、中心を基準にして360°水平方向
に回転させて得られる凹面でなる。
【0157】底面の平坦面には、4弗化エチレン樹脂
(テフロン)、または、適宜な硬度の合成ゴムなどの部
材45が取り付けられている。この受け台102は構造
用鋼材からなり、回転凹面36の面は、焼入れや、窒化
法などによる表面硬化処理、ならびに、研磨仕上げが施
されるとともに、2硫化モリブデンなどの固体潤滑剤が
供給塗布されている。
【0158】免震装置101の脚体72は、図(a)に
示されるように機器装置1の底面2の四隅に取り付けら
れ、床などの設置面5上に設置された受け台102の回
転凹面36の中心部に、それぞれ位置される。
【0159】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置1の質量により静止慣性力
で機器装置1は移動することなく設置面5の震動に応じ
て、受け台102は設置面5の移動に一致した動きとな
ることから、脚体72の下端部34と受け台102の回
転凹面36間の接触摩擦による相対的移動となり、機器
装置1への地震動による影響は少ない。
【0160】揺れが大きくなり、脚体72が受け台10
2の回転凹面36の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面36の中央部よりも高い位置に脚体72の
下端部34が接することから、機器装置1をその重量に
抗して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体72
はその分力に相当する以上には周囲方向に移動すること
が抑制される。
【0161】このことは、機器装置1が地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(揺れ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0162】免震装置101に対する地震の揺れは、免
震装置の受け台102が平面視円形をなし、回転凹面3
6も同様であることから、図示左右方向のみならず、3
60°の全方向に対して、同様の機能を奏する。
【0163】しかしながら、免震装置101の限度であ
るところの、脚体72の突出段部73の周囲が受け台1
02の壁面103の周囲に接触するような状態以上とな
ると、受け台102は設置面5上を脚体72の押圧力に
より滑ることになる。このような状態が揺れに応じて繰
り返される。このことから、機器装置1が転倒すること
を免れる。
【0164】いずれにしても、地震の揺れの終息にとも
なう減衰震動により、脚体72は受け台102の回転凹
面36の中央部、すなわち、安定点である最下部に収ま
ることになる。
【0165】以上のような、受け台102が設置面5上
を摺動移動させられるような状態において、図(b)に
示されるように脚体72の突出段部73は受け台102
の縁部104の下方に受け入れられて係合されるように
なる。
【0166】このような状態で、機器装置1がなんらか
のはずみで、傾き脚体72が浮き上がるような事態が生
じたとしても、突出段部73と縁部104との係合によ
り、分離することなく、受け台102は持ち上げられ、
反対方向への揺れに応じて設置面5上に設置復元され
る。
【0167】脚体72と受け台102の周囲との間を覆
っている覆い105は、柔軟なゴムからなりダイアフラ
ム状をなすもので、回転凹面36上に塵埃や異物の侵入
を防止するためのものである。
【0168】図16は、本発明免震装置の第9の一実施
形態であり、側断面図に示される。図16において、免
震装置111の脚体72は機器装置1の下部底面2の四
隅に、それぞれねじ込み取り付けられており、機器装置
1の高さ位置の調整された状態がロックナット33で位
置決め固定される。図16にはこのような状態の1箇所
のみが代表的に示されている。
【0169】この脚体72は構造用鋼材からなり、中間
部周囲には環状の突出段部73が設けられ、下方先端3
4が半球面(または球面の一部)に形成されており、焼
入れや、窒化法などによる表面硬化処理、ならびに、研
磨仕上げが施されている。
【0170】受け台112は、図17の図(a)の平面
図、図(b)の側断面図、に示されるようであり、底面
内部の中央部が低く、周囲方向に到るにしたがって逐次
高くなる皿状の回転凹面36であり、この回転凹面の周
囲を囲むように筒状の塀面103と、壁面103の上部
に内部方向に張り出す環状の縁部104と、回転凹面3
6の底面下側には、凹部115の内側の周囲に環状の凹
溝116と、が一体形成されている。
【0171】回転凹面36は曲率が一定な円弧、または
中央部を小さく、周囲方向を大きな曲率とするような複
合させた曲面、さらには、円錐状の凹面、などから適宜
選択し得るもので、中心を基準にして360°水平方向
に回転させて得られる凹面でなる。
【0172】図16を参照すると、受け台112の下側
には、円板状の台板118が配置されるが、この台板1
18は受け台112の外径よりも大きい。台板118を
設置面5に対して固定する固定部材121が、台板11
8と設置面5とを貫通して取り付け固定される。この固
定部材121は、台板118と設置面5を貫通するねじ
部122と、台板118を設置面5に押さえ付ける段部
123と、受け台112の凹溝116に嵌まり込めるこ
とのできる円板状の係合部124とからなり、ばね座金
125とナット126とにより、強固に設置面5である
床に締めつけ位置固定される。
【0173】受け台112は構造用鋼材からなり、回転
凹面36の面は、焼入れや、窒化法などによる表面硬化
処理、ならびに、研磨仕上げが施され、台板118とと
もに2硫化モリブデンなどの固体潤滑剤が供給塗布され
ている。
【0174】免震装置111の脚体72は、図16に示
されるように機器装置1の底面2の四隅に取り付けら
れ、床などの設置面5上の台板118上に設置された受
け台112の回転凹面36の中心部に、それぞれ位置さ
れる。
【0175】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置1の質量により静止慣性力
で機器装置1は移動することなく設置面5の震動に応じ
て、受け台112は設置面5の移動に一致した動きとな
ることから、脚体72の下端部34と受け台112の回
転凹面36間の接触摩擦による相対的移動となり、機器
装置1への地震動による影響は少ない。
【0176】揺れが大きくなり、脚体72が受け台11
2の回転凹面36の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面36の中央部よりも高い位置に脚体72の
下端部34が接することから、機器装置1をその重量に
抗して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体72
はその分力に相当する以上には周囲方向に移動すること
が抑制される。
【0177】このことは、機器装置1が地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(ゆれ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0178】免震装置111に対する地震の揺れは、免
震装置の受け台112が平面視円形をなし、回転凹面3
6も同様であることから、図示左右方向のみならず、3
60°の全方向に対して、同様の機能を奏する。
【0179】しかしながら、免震装置111の限度であ
るところの、脚体72の突出段部73の周囲が受け台1
12の壁面103の周囲に接触するような状態以上とな
ると、図18に示されるように、受け台112は台板1
18上を脚体72の押圧力により滑ることになる。この
ような状態が揺れに応じて繰り返される。
【0180】受け台112が台板118上を移動するこ
とは、固定部材121の係合部124が、受け台112
の凹部115の凹溝116に嵌まり込むことで、移動範
囲が制限される。
【0181】図18に示されるような状態で、機器装置
1の図示右方向への移動により、図示されない他方の免
震装置111を支点として、機器装置1が傾き図示脚体
72が浮き上がるようになると、脚体72の突出段部7
3が受け台112の縁部104と係合され、受け台11
2の凹溝116に固定部材121の係合部124も係合
されることから、浮き上がることが阻止され、機器装置
1の傾きや、転倒することが防止される。
【0182】受け台112と台板118との摺動移動
は、静止摩擦から動摩擦になることから、一旦移動し始
めると震動に応じて移動し易いものとなる。地震の揺れ
の終息にともなう減衰震動により、脚体72は受け台1
12の回転凹面36の中央部、すなわち、安定点である
最下部に収まることになる。
【0183】脚体72と受け台112の周囲間を覆って
いる覆い105は、柔軟なゴムからなりダイアフラム状
をなすもので、回転凹面36上に塵埃や異物の侵入防止
するためのものである。
【0184】図19は、本発明免震装置の第10の一実
施形態の側断面図であり、図20に覆いを取り外した状
態の要部平面図、が示される。免震装置131は主体と
なる回動支持台132の一方下側に回動軸133と、回
動軸133とは所定距離隔てた偏倚位置上側に脚体13
4とが一体に形成されてなる。
【0185】回動支持台132は、設置面5上に平坦面
を構成する基台135の中心の孔136に回動軸133
が嵌合され、それらの上下面で摺動し回動される。基台
135は設置面5である床を貫通し、座金137とナッ
ト138とで、強固に取り付け固定される。
【0186】回動支持台132の回動軸133は先端の
ねじ部141に座金142ならびに、ばね座金とナット
143を適用して抜け止め状態に固定されるが、基台1
35に対しては回動自在である。
【0187】機器装置1の底面2のフレーム145に、
受け部材146がナット147で締めつけられ固定状態
に取り付けられる。脚体134のねじ部151に、下側
のナット152とその上に鍔付きブッシュ153が嵌め
られ、鍔付きブッシュ153は受け部材146と嵌合さ
れ、その上から座金154とばね座金155ならびに上
側のナット156で締めつけ固定されるが、受け部材1
46に対しては回動自在である。
【0188】回動支持台132の回動中心上に全体をカ
バーする覆い158がねじ159で取り付けられる。こ
の覆い158は基台135上に塵埃などが堆積されるの
を防止するものである。図20に示される符号の161
は、ねじ159のねじ穴である。
【0189】各構成部材は、強度を有する構造用鋼材か
らなり、適宜な熱処理ならびに研磨仕上げが施される。
また、回動支持台132と基台135、ならびに、受け
部材146と鍔付きブッシュ153、の接触摺動面に
は、すべて2硫化モリブデンなどの固体潤滑剤などが供
給塗布され、焼きつき防止処理が施される。
【0190】脚体134のねじ部151に対して、下側
のナット152と上側のナット156との位置を調整し
て固定させることにより、機器装置1の高さ位置を設置
面5に対して調整させることができ、これによって、機
器装置1の水平レベルを調整可能としている。
【0191】図20に示されるように、回動支持台13
2は基台135に対して回動軸133を中心に回動させ
ることで、脚体134の位置が環状の中心線C上を回動
移動し得る。
【0192】図21の図(a)に示されるように、機器
装置1の底面四隅位置と設置面5とに免震装置131を
配置し、それぞれに取り付ける。すなわち、機器装置1
側に脚体134、設置面5側に回動軸133、を位置関
係を同一条件として取り付ける。
【0193】地震発生とともに、設置面5が矢印方向に
揺れるとする。機器装置1と設置面5とは相対的に、回
動軸133を中心とする中心線C上を、脚体134は1
34’との間を円弧運動をえがいて、機器装置1は二点
鎖線で示される1’のように震動移動することになる。
【0194】震動による移動は、質量の大きな機器装置
1を移動させることから、震動方向とは異なる円運動の
範囲に到ることはなく、円運動の一部である円弧の範囲
に止まる。このように、4箇所の回動軸133と脚体1
34による一種のリンク運動となる。
【0195】図(b)によると、図(a)の前後方向と
は異なる図示左右方向の場合が示されるが、このような
場合においても、まったく同様の震動が行なわれる。こ
のようなことから、全方向の震動に対応し得ることが理
解される。
【0196】本免震装置131によると、機器装置1は
免震装置131によって設置面5と連結されることか
ら、移動することなく、機器装置の傾きや、転倒するこ
とが防止される。
【0197】図22は、本発明免震装置の第11の一実
施形態であり、図(a)に平面図、図(b)に側断面
図、が示される。免震装置171の脚体72は図示省略
の機器装置の下部底面の四隅に、それぞれねじ込み取り
付けられており、機器装置の高さ位置の調整された状態
がロックナットで位置決め固定される。図22には、こ
のような状態の1箇所のみが示される。
【0198】脚体72は構造用鋼材からなり、中間部周
囲には環状の突出段部73が設けられ、下方先端34が
半球面(または球面の一部)に形成されており、焼入れ
や、窒化法などによる表面硬化処理、ならびに、研磨仕
上げが施されている。
【0199】受け台172は、図23の側断面図に示さ
れるように、底面内部の中央部分が低く、周囲方向に到
るにしたがって逐次高くなる皿状の回転凹面36であ
り、この回転凹面36の周囲を囲むように筒状の壁面1
73と、外側の上部に環状の縁部174、および下側の
周囲に環状の溝175と、が一体形成されている。
【0200】回転凹面36は曲率が一定な円弧、または
中央部を小さく、周囲方向を大きな曲率とするような複
合させた曲面、さらには、円錐状の凹面、などから適宜
選択し得るもので、中心を基準にして360°水平方向
に回転させて得られる凹面でなる。
【0201】この受け台172は構造用鋼材からなり、
回転凹面36の面は、焼入れや、窒化法などによる表面
硬化処理、ならびに、研磨仕上げが施されるとともに、
2硫化モリブデンなどの固体潤滑剤が供給塗布されてい
る。
【0202】図24には、支持部材178の側断面図が
示される。構造用鋼材からなる円筒状の内部上側には、
めねじ179と中間部に段部181、段部181の下側
には軸受け182が設けられている。軸受け182はボ
ール軸受け、または、含油メタル軸受けなどが適用可能
である。
【0203】図25には、覆い部材185が、図(a)
に平面図、図(b)に側断面図、として示される。覆い
部材185は構造用鋼材からなり、上面に脚体72を貫
通させる長孔186が一方向に延びて設けられ、側面に
はおねじ187が形成されている。
【0204】図26には、環状円板のフランジ部材19
1が、図(a)に平面図、図(b)に側断面図、が示さ
れる。フランジ部材191は構造用鋼材からなり、内部
側に段差192、周囲に取り付け用の孔193が設けら
れ、左右に切断分割されたものである。
【0205】以上のように構成される各部材を、図22
に示されるように組み立てるには、まず、受け台172
の下方から支持部材178を嵌め、段部181を縁部1
74に接触させることで、軸受け182は受け台172
に嵌められる。
【0206】ついで、覆い部材185の長孔186に脚
体72を下から挿入し、この状態で、支持部材178の
めねじ179に、覆い部材185のおねじ187をねじ
込み、両者を確実に締めつける。これによって、受け台
172の縁部174は上下から、支持部材178の段部
181の上端面と、覆い部材185のおねじ187の下
端面と、によって、僅かな隙間が与えられるのみで回動
可能に上下が支持される。半径方向に対しても隙間は僅
かである。
【0207】受け台172の外側の溝175に、フラン
ジ部材191の内径部分を両側から当てがい、嵌め合わ
せることで組み立てが完了する。フランジ部材191の
段差192によって、フランジ部材191の下面と受け
台172の下面とが一致する。
【0208】脚体72は覆い部材185の長孔186の
長手方向に自在に移動可能であり、受け台172の中心
から偏倚した位置で、受け台172に対して回動可能で
ある。この回動に応じて覆い部材185は支持部材17
8とともに受け台172に対して回動し得る。しかしな
がら、脚体72は突出段部73が覆い部材185によっ
て覆われているので、抜け出ることはない。
【0209】免震装置171の脚体72は、図示省略の
機器装置の底面の四隅に取り付けられ、床などの設置面
上に設置される受け台172の回転凹面36の中心部に
それぞれ位置される。このような状態で、フランジ部材
191のねじ孔193に、図示省略のねじを適用して設
置面に強固に取り付ける。
【0210】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、脚体7
2と受け台172の相対的な移動により、覆い部材18
5は長孔186の方向が同方向に回動される。
【0211】振幅が少ない状態では、機器装置の質量に
より静止慣性力で機器装置は移動することなく設置面の
震動に応じて、受け台172は設置面の移動に一致した
動きとなることから、脚体72の下端部34と受け台1
72の回転凹面36間の接触摩擦による相対的移動とな
り、機器装置への地震動による影響は少ない。
【0212】揺れが大きくなり、脚体72が受け台17
2の回転凹面36の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面36の中央部よりも高い位置に脚体72の
下端部34が接することから、機器装置をその重量に抗
して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体72は
その分力に相当する以上には周囲方向に移動することが
抑制される。
【0213】このことは、機器装置が地震動の振幅とは
一致しないが、それに応じた移動(揺れ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0214】免震装置171に対する地震の揺れは、免
震装置の受け台172が平面視円形をなし、回転凹面3
6も同様であることから、図示左右方向のみならず、3
60°の全方向に対して、同様の機能を奏する。地震動
による移動方向が相対的に変化するに応じて、覆い部材
185は脚体72の移動方向に回動され、受け台172
に対する脚体72の相対的な震動移動を妨げることはな
い。
【0215】しかしながら、このような免震機能の限度
であるところの、脚体72の周囲が受け台172の周囲
の壁面173に接触するような状態以上となると、免震
装置171は設置面上に固定されていることから、機器
装置は設置面上を移動することが阻止される。揺れが大
きく機器装置の移動が阻止されることから、機器装置が
傾くような事態ともなると、脚体72の突出段部73が
覆い部材185によって抜け出すことができないことか
ら、傾くことも阻止される。すなわち、最悪の事態であ
るところの、機器装置が転倒される事態発生も免れる。
【0216】いずれにしても、地震の揺れの終息にとも
なう減衰震動により、脚体72は受け台172の回転凹
面36の中央部、すなわち、安定点である最下部の位置
に収まることになる。
【0217】図27は、本発明免震装置の第12の一実
施形態が示され、図(a)に要部平面図、図(b)に正
面視要部断面図、が示される。この免震装置201の基
本的な構成部分は、第11の実施形態と同様であって、
前実施形態がフランジ部材191を床などの設置面に取
り付けるようにしていたものを、枠体202に、ねじな
どで強固に取り付け一体化したものである。
【0218】したがって、設置面に位置決めなどの面倒
な現場作業を要することなく、あらかじめ、工場などで
組み立てたものを、設置現場に搬入して枠体202を設
置することで大幅に工期を短縮し得る。また、設置面の
状況に関係なく設置することも可能である。
【0219】基本的な部分の構成、作用、効果などは前
実施形態で既述したとおりであるから、ここでの説明は
省略する。枠体202は、たとえば、構造用鋼板を基板
203とし、その周囲に枠204、これらを補強するリ
ブ205、などを溶接し組み立てることで製造し得る。
基板203には要所に軽量化ならびにケーブル配線用の
孔206を設ける。
【0220】フランジ部材191を基板203四隅の所
定位置に、図示省略のねじでもって取り付けるのである
が、溶接により取り付けることも可能である。建屋の床
21上に配置され取り付けられた支柱22上に、アルミ
ニウム合金からなる枠状床部材208を取り付け、この
上に枠体202を設置する。枠体202の中央部の孔2
09の部分に、ばね支持枠211を具体的詳細構造を図
示省略の、ねじを適用して枠体202に取り付け、下方
の枠状の支持台212と枠状床部材208との間に、重
ね板ばね213を周囲四辺にそれぞれ取り付ける。
【0221】この重ね板ばね213により、枠体202
は下方に押し下げられるようになり、枠状床部材208
の上面に押しつけられる。地震の発生による震動は、受
け台172と脚体72との相対的な移動により機器装置
1に対する免震作用が得られることは、第11実施形態
で説明したことにほかならないことである。
【0222】震動が大きく、機器装置1の移動が免震装
置によって阻止されることから、傾きを生じるような事
態にも到ると、脚体72による覆い部材185の浮き上
がろうとする動きにより、フランジ部材191とともに
枠体202が傾く方向と反対側が浮き上がるようにな
る。
【0223】このように浮き上がることは、その下方側
の重ね板ばね213が圧縮されることで機器装置1の大
きく傾くことが防止され、地震動による傾き力の大部分
が重ね板ばね213の弾性力により吸収される。この
際、枠状床部材208は支柱22に固定されているの
で、不動である。
【0224】この免震装置201の異なる実施形態とし
ては、たとえば、枠体202およびばね支持枠213
を、アルミニウム合金の鋳造品としてそれぞれ一体化
し、要所を仕上げ加工することも可能なことであり、軽
量化し得る。
【0225】図28の図(a)は、本発明免震装置の第
13の実施形態であり、図(a)に側断面図、図29に
平面図、が示される。図28の図(a)において、免震
装置221の脚体32は機器装置の下部底面の四隅に、
それぞれねじ込み取り付けられ、機器装置の高さ位置の
調整された状態がロックナットで位置決め固定される。
図(a)はこのような状態の1箇所のみが代表的に示さ
れている。
【0226】この脚体32は構造用鋼材からなり、下方
先端34が半球面(または球面の一部)に形成されてお
り、焼入れや、窒化法などによる表面硬化処理、ならび
に、研磨仕上げが施されている。
【0227】受け台222は、図30で、図(a)に平
面図、図(b)に側断面図、として、それぞれ示される
ように、底面内部の中央部分が低く、周囲方向に到るに
したがって逐次高くなる皿状の回転凹面36であり、こ
の回転凹面36の周囲を囲むように筒状の壁面223と
外側周囲に複数(本実施形態にあっては8箇所)の、垂
直方向のあり(鳩尾状)溝224と、壁面223の上側
に、あり溝224に連通する放射状の溝225と、放射
状の溝225に連続して、あり溝224の底面に続く凹
溝226と、放射状の溝225の上方の両側壁に貫通す
る軸孔227と、が形成されてなる。
【0228】回転凹面36は曲率が一定な円弧、または
中央部を小さく、周囲方向を大きな曲率とするような複
合させた曲面、さらには、円錐状の凹面、などから適宜
選択し得るもので、中心を基準にして360°水平方向
に回転させて得られる凹面でなる。
【0229】底面の平坦面には、4弗化エチレン樹脂
(テフロン)、または、適宜な硬度の合成ゴムなどの部
材45が取り付けられている。この受け台222は構造
用鋼材からなり、回転凹面36の面は、焼入れや、窒化
法などによる表面硬化処理、ならびに、研磨仕上げが施
されるとともに、2硫化モリブデンなどの固体潤滑剤が
供給塗布されている。
【0230】受け台222の、あり溝224に嵌められ
る摺動部材231は、図31に示されるようである。図
31の、図(a)に平面図、図(b)に正面図、図
(c)に側面図、がそれぞれ示される。
【0231】各図において、あり形をなすテーパ面23
2の形成された摺動部233の下方に軸受け部234が
一体形成され、この両側の軸受け部234間にローラ2
35が軸236により回転自在に取り付けられている。
摺動部233の上側には、受け台222の放射状の溝2
25に一致する凹溝226に延びる平坦面237が形成
されている。
【0232】図32には、梃子部材241が示され、図
(a)に側面図、図(b)に平面図、が示される。断面
視方形で、外側端部242が側面視円弧形状に、内側端
部244が平面視ならびに側面視円弧形状に、それぞれ
形成され、中間部に軸孔245が設けられている。
【0233】以上のような各構成部材を、図28の図
(a)および、図29に示される状態に組み立てるに
は、受け台222の放射状の溝225の上側に梃子部材
241をはめ込み、軸246をそれぞれの軸孔227,
245に嵌める。この際いずれかの軸孔に対しては圧入
状態とすることで、梃子部材241は受け台222に回
動自在となり、軸246が抜けることがない。
【0234】ついで、摺動部材231の摺動部233
を、受け台222の、あり溝224に下方から嵌め込
み、平坦面237を梃子部材241の外側端部に接触さ
せる。以上のようにして、すべての部分に、梃子部材2
41ならびに摺動部材231を取り付けることで組み立
てが完了する。
【0235】図28の図(a)で、図示右側のローラ2
35と設置面5の間のように、適宜所望とする間隔が設
けられるような状態に、摺動部材231の軸受け234
の上側が、受け台222の下端面に接触した状態となる
ように、図示省略のばねにより上側へ付勢されて位置決
めされるものである。また、このような状態となるよう
に、梃子部材241も図示省略の位置決め手段により、
図示姿勢が維持され、受け台222の内部側へ倒れ込ま
ないように位置決めされる。
【0236】このような状態では、図29に示されるよ
うに、梃子部材241の内側端部244の円弧形状によ
り、脚体32を取り囲む円形状になる。免震装置221
の脚体32は、図示省略の機器装置の底面の四隅に取り
付けられ、床などの設置面5上に設置された受け台22
2の回転凹面36の中心部に、それぞれ位置される。
【0237】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置の質量により静止慣性力で
機器装置は移動することなく設置面5の震動に応じて、
受け台222は設置面5の移動に一致した動きとなるこ
とから、脚体32の下端部34と受け台222の回転凹
面36間の接触摩擦による相対的移動となり、機器装置
への地震動による影響は少ない。
【0238】揺れが大きくなり、脚体32が受け台22
2の回転凹面36の周囲方向位置に接触するようになる
と、回転凹面36の中央部よりも高い位置に脚体32の
下端部34が接することから、機器装置をその重量に抗
して押し上げようとする力の分力が作用し、脚体32は
その分に相当する以上には周囲方向に移動することが抑
制される。
【0239】このことは、機器装置が地震動の振幅とは
一致しないが、それに応じた移動(揺れ)を惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0240】免震装置221に対する地震の揺れは、免
震装置の受け台222が平面視円形をなし、回転凹面3
6も同様であることから、図示左右方向のみならず、3
60°の全方向に対して、同様の機能を奏する。
【0241】しかながら、このような免震機能の限度で
あるところの、脚体32と回転凹面36内の移動によっ
ては、受け台222は設置面5上を滑り移動する事態と
なる。このような動摩擦による状態が揺れに応じて繰り
返される。このことから、機器装置が転倒することが免
れる。
【0242】いずれにしても、地震の揺れの収束にとも
なう減衰震動により、脚体32は受け台222の回転凹
面36の中央部、すなわち、安定点である最下部の位置
に収まることになる。
【0243】以上のような、受け台222が設置面5上
を震動をともなって、不特定方向に移動することは、図
示されるような設置面5上に段差24がある箇所に到る
こともある。受け台222の外側下端部が段差24に衝
撃的に接触すると、機器装置の慣性力で脚体32が同方
向に移動する。
【0244】図28の図(b)に示される状態が、脚体
32の移動した状態である。図示されるように、脚体3
2の側面が梃子部材241の内側端部244に接触し、
軸246を中心にして梃子部材241を直立させるよう
に傾ける。
【0245】梃子部材241の外側端側242が、摺動
部材231の平坦面237と接していることから、摺動
部材231を押し下げる。押し下げられた摺動部材23
1の下端部のローラ235面が、段差24上の設置面5
に接して図示されるように、受け台222の段差24側
を持ち上げ、受け台222の下端面を設置面5上とす
る。
【0246】このことで、脚体32に押されている受け
台222を段差24上の設置面5上に移動させ、機器装
置が段差24によって傾いたり、転倒する事態となるこ
とが防止される。
【0247】脚体32の移動は隣接する梃子部材241
をも傾動させることから、隣接する摺動部材231は押
し下げられ、ローラ235が設置面5に接する。したが
って、どのような方向に対しても機能が果たされる。脚
体32が回転凹面36の中央部に復することで、梃子部
材241ならびに摺動部材231も復元位置となる。
【0248】摺動部材231の下端部のローラ235
は、必ずしも必須のものではなく、単に設置面5を押し
つけることであってもよいことである。図33は、本発
明免震装置の第14の実施形態の原理説明図であり、側
面図に示される。図(a)の基本状態姿勢の位置に示さ
れるように、機器装置に取り付けられる上側部材251
には、機器装置に取り付け固定される脚体252と下面
が円弧でなる摺動凹面253とからなる。
【0249】設置面に取り付けられる下側部材255に
は、設置面に取り付け固定される軸体256と上面が円
弧でなる摺動凹面257とからなる。上側部材251と
下側部材255の摺動凹面253,257に接して、上
下両面が円弧でなり中央部が膨大となる摺動凸面258
を有する中間部材259が介在配置される。
【0250】上記、円弧はすべて同一の曲率に設定され
ているから、全面が密接状態となり、相互に図示左右方
向へ円弧に沿って摺動移動されたとしても、相互の位置
が移動するのみで、対向間の密接状態に変化を生じるこ
とはない。
【0251】上側部材251の垂直方向の中心線をC
1、下側部材255の垂直方向の中心線をC2、中間部
材259の水平方向の中心線をC3、とする。図示は省
略するが、上側部材251は機器装置に取り付けられて
垂直方向の荷重が負荷され、下側部材255は設置面に
取り付け固定されているものとする。したがって、上側
部材251の脚体252は機器装置に垂直状態の姿勢に
固定されることから、傾くことはあり得ない。
【0252】以上のような構成条件において、上側部材
251が図(b)に示されるような第1の移動状態位置
である、図示左方へ移動されると中間部材259は、図
示右側から押されて左側へ摺動移動される。
【0253】このことは、中間部材259が下側部材2
55に対して、図示左側へ摺動移動され、その結果、中
間部材259の中心線C3が水平方向とは傾くことにな
り、上側部材251は相互に円弧に沿った摺動移動が行
なわれるにもかかわらず、水平姿勢が維持され、中心線
C1はC2と平行状態である。すなわち、脚体252の
垂直姿勢に影響を与えるものではない。
【0254】ここで、注目すべきは、中間部材259の
水平方向の中心である膨大部分が、上側部材251およ
び下側部材255の中心から偏倚した位置に、それぞれ
移動したことにより、上側部材251の上面261と下
側部材255の下面262との距離HがH1に上昇した
ことにある。
【0255】上側部材251が図(c)に示されるよう
な第2の移動状態位置に、さらに図示左方位置へ移動さ
れると、中間部材259は上記した作用の延長により、
さらに傾かされるとともに同方向に移動される結果、上
面261の位置はH2とさらに上昇された位置となる
が、中心線C1とC2の平行状態は維持されている。
【0256】このように、偏倚とともに上側部材251
が上昇されることは、荷重の負荷により、偏倚力の除去
とともに図(a)に示される基本状態姿勢の位置に、自
動的に復元することになる。
【0257】すなわち、地震の揺れの収束にともなう減
衰震動により、安定位置である図(a)に示される状態
に収まることになる。図34は、本発明免震装置の第1
4の一実施形態であり、図(a)に平面図、図(b)に
側面図、が示される。図35には、図34の図(b)の
90°横方向からみた第2の側面図、が示される。
【0258】免震装置271は、上側部材272の脚体
273が機器装置1の下部底面2の四隅に、それぞれね
じ込み取り付けられており、機器装置1の高さ位置の調
整された状態がロックナット33で位置決め固定され
る。図34には、このような状態の1箇所のみが代表的
に示されている。
【0259】上側部材は、図36に示されるようであ
り、図(a)に下面図、図(b)に側面図、図(c)に
図(b)の直交方向の側面図、が示される。図(b)、
図(c)、は上下方向が反転されている。
【0260】この上側部材272の摺動凹面274は一
定曲率の円弧面でなり、周囲は平面視(底面視)円形を
なす。中心部に脚体273が設けられ、摺動凹面274
の中央部を中心を通るように係合用凹溝としての、あり
(鳩尾状)溝275が形成されている。あり溝275の
テーパ形面、底面、の各曲面は摺動凹面274と同心の
円弧である。
【0261】下側部材282は、基本的に上側部材27
2と同じである。脚体273に対応する部分は設置面に
取り付け固定される軸体283であり、摺動凹面274
に対応する部分は284、あり溝275に対応する部分
は285である。したがって、図36においては両符号
を併記して示す。
【0262】中間部材は、図37に示されるようであ
り、図(a)に平面図、図(b)に側面図、図(c)に
図(b)の直交方向の側面図、が示される。この中間部
材291は、周囲が平面視円形であり、その上下の摺動
凹面292,293は、いずれもが、同一の一定曲率の
円弧面でなり、凹面方向が直交方向に異なるのみであ
る。
【0263】摺動凹面292,293の中央部には中心
を通るように、それぞれ係合用凹溝としての、あり溝2
94,295が形成されている。あり溝294,295
のテーパ形面、底面、の各曲面は摺動凹面292,29
3と同心の円弧である。
【0264】この中間部材291の摺動凹面292,2
93は、上側部材272および下側部材282の摺動凹
面274,284と同一の曲率であることが、製造上の
容易さからも好ましい。
【0265】摺動部材は、図38に示されるようであ
り、図(a)に平面図、図(b)に側面図、図(c)に
図(b)の直交方向の側面図、が示される。この摺動部
材301は、周囲が平面視円形であり、その上下の摺動
凸面302,303は、いずれもが、同一の一定曲率の
円弧面でなり、凸面方向が同一方向に一致されている。
したがって、凸面の両端部分の厚みが薄く、中央部分の
厚みが厚い膨大箇所となっている。
【0266】摺動凸面302,303の中央部には中心
を通るように、凸面方向にそれぞれ係合用凸条として
の、あり304,305が形成されている。あり30
4,305のテーパ面形、頂面、の各面は摺動凸面30
2,303と同心の円弧である。
【0267】この摺動部材301の摺動凸面302,3
03は、上側部材272、下側部材282の摺動凹面2
74,284、および中間部材291の摺動凹面29
2,293と同一の曲率である。
【0268】以上の、上側部材272、下側部材28
2、中間部材291、摺動部材301、は構造用鋼材か
らなり、適宜強度を付与する熱処理、ならびに、研磨仕
上げ加工が施され、各摺動面には、2硫化モリブデンな
どの固体潤滑剤が供給塗布される。
【0269】上記、各構成部材を図34、図35に示さ
れる状態に組み立てるには、まず、上側部材272のあ
り溝275と、中間部材291の上側のあり溝294
と、の間に、摺動部材301のあり304と305と
を、それぞれ挿入させる。
【0270】ついで、中間部材291の下側のあり溝2
95と、下側部材282のあり溝285と、の間に、摺
動部材301のあり304と305とを、それぞれ挿入
させる。
【0271】以上の手順により組み立てることができる
が、順序は上記に限ることなく任意の手順により行なう
ことができる。上下二つの摺動部材301は、上側を第
1の摺動部材、下側を第2の摺動部材、と便宜上称する
ことにする。
【0272】このようにして組み立てられた免震装置2
71は、ありと、あり溝との係合手段により、係合方向
にのみ摺動移動可能であって、それ以外の方向への移動
は、まったくできないものである。
【0273】図34を参照すると、免震装置271は、
上側部材272の脚体273は機器装置1の下部底面2
の四隅に、それぞれねじ込み取り付けられ、機器装置1
の高さ位置の調整された状態がロックナット33で位置
決め固定される。
【0274】下側部材282の軸体283は床などの設
置面5を貫通させ、設置面5の下面に、軸体283のね
じ部に、座金307とナット308を適用して強固に取
り付け固定させる。
【0275】以上のようにして取り付けられる免震装置
271の、上側部材272と下側部材282は、それぞ
れ機器装置の四隅において、それぞれの直交関係が位置
ずれしないように一致させることが必要であり、維持さ
れるような対策手段が図示しないが講じられる。
【0276】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置1の質量により静止慣性力
で機器装置1は移動することなく設置面5の震動に応じ
て、下側部材282は設置面5の移動と一体に移動され
ことから、中間部材291と第2の摺動部材301との
間の相対的な摺動移動となり、機器装置1への地震動に
よる影響は少ない。
【0277】揺れが大きくなり、第2の摺動部材301
の上下での摺動移動範囲が大きくなると、図33の原理
説明で述べたように、機器装置1をその重量に抗して押
し上げようとする力が作用し、第2の摺動部材301は
その力に相当する以上には移動が抑制される。
【0278】このことは、機器装置1に地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(揺れ)が惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なものとなる。
【0279】以上のことは、紙面と直交方向の揺れに対
して、上側の第1の摺動部材301によって機能される
ことは、まったく同様のことである。したがって、両者
の組み合わせ機能にもとづく、図示左右方向または、直
交方向のみならず、合成作用される360°の全方向に
対して、同様の機能を奏する。
【0280】地震の揺れの終息にともなう減衰震動によ
り、安定点である最下部の位置であるところの、図34
に示される状態に収まることになる。上記実施形態にお
ける摺動面の係合手段であるところの、ありと、あり溝
の関係は逆の位置関係、すなわち、あり溝と、あり、と
することももちろん可能なことである。
【0281】上記実施形態によると、各摺動面の係合手
段として、ありと、あり溝との組み合わせによるものと
したが、このような係合手段に限定されることなく、た
とえば、断面視、T形とT溝とき組み合わせによること
であってもよいものである。
【0282】上記、免震装置271は平面視円形とした
が、円形に限らず方形状とすることであってもよいもの
である。図39は、本発明免震装置の第15の一実施形
態が側断面図に示される。図において、免震装置311
の脚体273は機器装置1の下部底面2の四隅に、それ
ぞれねじ込み取り付けられており、機器装置1の高さ位
置の調整された状態がロックナット33で位置決め固定
される。図39には、このような状態の1箇所のみが代
表的に示されている。
【0283】この免震装置311における、上側部材2
72、下側部材282、中間部材291、第1,第2の
摺動部材301、は第14の一実施形態と同じであるこ
とから、同一符号を付してその詳細構成については、説
明を省略するので、必要に応じて前述の、図36,3
7,38ならびに図34,35とともに、それぞれの説
明を参照されたい。
【0284】壁体312は、構造用鋼材などからなり、
下側部材282とは同心円に形成されたもので、底面3
13から半径方向に延び、上側部材272とは所定間隔
隔てられた箇所に、垂直方向に円形の壁面314が立設
され、壁面314の上方内面には比較的に硬度の高い環
状の緩衝ゴム315が取り付けられている。
【0285】壁体312は、図示されるように下側部材
282とともに設置面5上に設置され、座金307とナ
ット308とにより、強固に締めつけ固定される。以上
のようにして取り付けられる免震装置311の、上側部
材272と下側部材282は、それぞれ機器装置1の四
隅において、それぞれの直交関係が位置ずれしないよう
に一致させることが必要であり、維持されるような対策
手段が図示しないが講じられる。
【0286】地震発生にともなう揺れに応じて、設置面
5が、たとえば、図示左右方向に揺れるとすると、振幅
が少ない状態では、機器装置1の質量により静止慣性力
で機器装置1は移動することなく設置面5の震動に応じ
て、下側部材282は設置面の移動と一体に移動される
ことから、中間部材291と第2の摺動部材301との
間の相対的な摺動移動となり、機器装置1への地震動に
よる影響は少ない。
【0287】揺れが大きくなり、第2の摺動部材301
の上下での摺動移動範囲が大きくなると、図33の原理
説明で述べたように、機器装置1をその重量に抗して押
し上げようとする力が作用し、第2の摺動部材301は
その力に相当する以上には移動することが抑制される。
【0288】このことは、機器装置1に地震動の振幅と
は一致しないが、それに応じた移動(揺れ)が惹起され
る。このようなことは、地震の大きさが大きくなるにつ
れても揺れが抑制されるから、地震に対する免震効果は
有効なもきとなる。
【0289】以上のことは、紙面と直交方向の揺れに対
して、上側の第1の摺動部材301によって機能される
ことは、まったく同様のことである。したがって、両者
の組み合わせ機能にもとづく、図示白湯方向または、直
交方向のみならず、合成作用される360°の全方向に
対して、同様の機能を奏する。
【0290】以上のような、上側部材272と中間部材
291との摺動移動は、建屋の揺れを含むことから、単
純な震動ではなく不規則な震動状態となるので、このた
めに、機器装置1の移動方向が設置面5に対して不規則
となる。
【0291】このような移動が免震機能の限度以上とな
ることが、壁体312により防止される。すなわち、上
側部材272が下側部材282の位置に対して移動距離
が最も大きいことから、上側部材272の周囲が、壁体
312の壁面304に取り付けられている、緩衝ゴム3
15に接触して移動が阻止される。
【0292】地震の揺れの終息にともなう減衰震動によ
り、安定点である際下部の位置であるところの、図34
に示され状態に収まることになる。本発明実施形態にお
ける壁体312は、機器装置1の四隅に配置することな
く、図12の本発明第6の実施形態に示されるように、
機器装置1の対角位置の2箇所に配置することであって
も、目的は達成される。もちろん、異なる他の対角位置
には本実施形態の免震装置の本体部分を配置するか、他
の実施形態における免震装置を組み合わせ配置させるこ
とも、可能なことである。
【0293】しかしながら、基本的には枠体312を円
形とすることなく、図8に示されるような、第3および
第4の一実施形態における配置における、円弧状として
対角方向に90°の範囲を包囲するような形状として、
配置することも含まれることである。この場合、原理的
に90°で可能であるが、状況に応じて両方向の余裕を
与え、130°程度にすることが好ましいことである。
【0294】上記実施形態における摺動面の係合手段で
あるところの、ありと、あり溝の関係は逆の位置関係、
すなわち、あり溝と、あり、とすることももちろん可能
なことである。
【0295】上記実施形態によると、各摺動面の係合手
段として、ありと、あり溝との組み合わせによるものと
したが、このような係合手段に限定されることなく、た
とえば、断面視、T形とT溝との組み合わせとすること
も可能である。
【0296】上記、免震装置311の本体部分は平面視
円形としたが、円形に限らず方形状にすることであって
もよいものである。そのほか、本発明によると、たとえ
ば、対の免震装置により機器装置に対する作用効果が奏
せられるものについては、他の対の箇所に対しては、従
来のような免震機能をそなえていない脚体、あるいは、
他の本発明になる免震装置との組み合わせることが可能
であり組み合わせによる、作用、効果が奏せられるよう
に任意に組み合わせることも含まれることである。
【0297】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明免震
装置によれば、地震に際して、免震装置を構成する部分
の分離防止、および、障害物による機器装置の傾きや転
倒防止、ならびに、機器装置が自在に移動しないように
制限されるものである。
【0298】第1の手段によると、機器装置に取り付け
られる棒状の脚体と、底部の回転凹面に連続する周囲が
凹曲面の壁体でなる受け台と、からなり、回転凹面によ
る免震効果はもちろんのこと、障害による受け台の横転
に際しては無理なく容易に横転可能であり、脚体の下端
部が壁面の凹曲面内部に位置し、脚体の側面が壁体の開
口面に接触することで、機器装置の重量によりそれ以上
の受け台の転倒が阻止されるとともに、相互が分離逸脱
することが防止されるものであるといった、簡易構成で
あるにもかかわらず、実用上の効果は著しい。
【0299】第2の手段によると、機器装置に取り付け
られる棒状の脚体と、底部の回転凹面を有する受け台
と、脚体の周囲に設けられ受け台の周囲を覆う受け台押
さえと、からなり、回転凹面による免震効果はもちろん
のこと、障害による受け台の横転発生の可能性に応じ
て、機器装置の重量により受け台押さえが、受け台の浮
き上がり傾斜ならびに転倒を阻止することから、受け台
から脚体の逸脱分離されることが防止されといった、実
用上、種々の効果を奏する。
【0300】第3の手段によると、機器装置に取り付け
られる棒状の脚体と、底部に回転凹面を有する受け台
と、平面視これらの少なくとも周囲90°の範囲を取り
囲み設置面に固定される壁体と、からなり、回転凹面に
よる免震効果はもちろんのこと、受け台の移動に際して
は、壁体により所定距離以上に受け台の移動が阻止され
るといった、格別な効果を奏する。壁体は機器装置の四
隅に対して、少なくとも2箇所に配置させることで可能
である。
【0301】第4の手段によると、側面周囲に環状の突
出段部が形成され機器装置に取り付けられる棒状の脚体
と、底部に回転凹面を有する受け台と、平面視これらの
少なくとも周囲90°の範囲を取り囲み上部に縁部を有
し設置面に固定される壁体と、からなり、回転凹面によ
る免震効果はもちろんのこと、受け台の移動に際して
は、壁体により所定距離以上に受け台の移動が阻止さ
れ、過大な震動による機器装置の傾きや転倒を生じる可
能性のある場合には、壁体の縁部に脚体の突出段部が係
合されることで、それ以上の傾きを阻止されるから、機
器装置の転倒が確実に防止されるといった顕著な効果を
奏する。また、受け台と脚体の分離逸脱も防止される。
壁体は機器装置の四隅に対して、少なくとも2箇所に配
置させることで可能である。
【0302】第5の手段によると、側面周囲に環状の突
出段部が形成され機器装置に取り付けられる棒状の脚体
と、底部に回転凹面と周囲壁面の上部周囲に縁部とを有
する受け台と、からなり、回転凹面による免震効果はも
ちろんのこと、脚体が受け台の周囲に接した状態で、機
器装置の傾斜により脚体が浮き上がろうとする場合、受
け台の縁部に脚体の突出段部が係合することから、両者
の分離されることが防止される。
【0303】第6の手段によると、側面周囲に環状の突
出段部が形成され機器装置に取り付けられる棒状の脚体
と、底部に回転凹面と周囲壁面の上部周囲に縁部と底面
の下側周囲内部に環状凹溝を有する受け台と、設置面に
固定され受け台の環状凹溝に係合する円板状の係合部を
有する固定部材と、からなり、回転凹面による免震効果
はもちろんのこと、受け台の移動は固定部材が凹溝と係
合することで機器装置の移動は阻止される。機器装置の
傾きは固定部材との係合、ならびに、脚体の突出段部と
受け台の縁部の係合、とにより、確実に阻止され、機器
装置の傾きや転倒が防止される。免震装置が分離される
ことも防止されるといった、種々の効果がもたらされ
る。
【0304】第7の手段によると、設置面上に回動可能
に取り付けられる回動軸とは偏倚された脚体に機器装置
が取り付けられること、からなり、地震の揺れに応じて
回動軸を中心に脚体は円弧運動することで、免震効果が
得られる。免震装置は設置面に位置固定されることで、
機器装置が転倒することがない。
【0305】第8の手段によると、側面周囲に環状の突
出段部が形成され機器装置に取り付けられる棒状の脚体
と、底部に回転凹面を有する受け台と、脚体の突出段部
の上部を覆い脚体を半径方向に移動可能とする長孔を有
し受け台に回転可能に支持される蓋体と、からなり、回
転凹面による免震効果はもちろんのこと、脚体は突出段
部が蓋体によって覆われることから分離されず、受け台
を設置面に取り付けることで、機器装置の設置面上の移
動、ならびに、傾きや転倒されることが防止されるとい
った、効果を奏する。
【0306】第9の手段によると、機器装置に取り付け
られる棒状の脚体と、底部に回転凹面を有する受け台
と、受け台の周囲に昇降可能に設けられる摺動部材と、
外側端部が摺動部材の上面に接し内側端部が回転凹面内
上に延びる梃子部材と、からなり、回転凹面による免震
効果はもちろんのこと、障害物と受け台との接触によ
り、梃子部材の内側端部が脚体におされることで外側端
部が摺動部材を押し下げ、摺動部材の下端部が障害物を
押さえることにより、受け台が障害物上に引き上げら
れ、乗り上げるから機器装置が停止されることなく震動
移動が可能となるので、傾きや転倒することが防止され
る。
【0307】第10の手段によると、機器装置に取り付
けられる上側部材と、設置面上に取り付けられる下側部
材と、上側部材と下側部材を相互に直交方向に摺動移動
可能に中央部が円弧面により膨大する第1と第2の摺動
部材を介して移動方向にのみ移動可能な凸条と凹溝の組
み合わせによる係合手段により係合させる中間部材と、
からなり、水平方向に対しては、どの方向にも移動可能
である。第1と第2の摺動部材の中央部が膨大なことに
より、移動に応じて上側部材は設置面に対して上昇され
るから、地震後は機器装置の重量で上側部材と下側部材
の中心が一致する安定点に復元される。すべての部材は
係合されるから分離されることはなく、機器装置の傾
き、転倒は防止される。
【0308】第11の手段によると、機器装置に取り付
けられる上側部材と、設置面上に取り付けられる下側部
材と、上側部材と下側部材を相互に直交方向に摺動移動
可能に中央部が円弧面により膨大する第1と第2の摺動
部材を介して移動方向にのみ移動可能な凸条と凹溝の組
み合わせによる係合手段により係合させる中間部材と、
平面視上側部材の周囲の少なくとも90°の範囲を囲み
設置面上に取り付けられる壁体と、からなり、水平方向
に対しては、どの方向にも移動可能である。第1と第2
の摺動部材の中央部が膨大なことにより、移動に応じて
上側部材は設置面に対して上昇されるから、地震後は機
器装置の重量で上側部材と下側部材の中心が一致する安
定点に復元される。地震の過大な揺れによる上側部材の
移動は、所定距離以上となるような場合に、上側部材が
壁体に接触することで移動が阻止されるるとともに、分
離されることもない。
【0309】第12の手段によると、第10の手段、第
11の手段に適用される係合手段は、ありと、あり溝の
組み合わせとすることで、各部材への応力集中が避けら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明免震装置の第1の一実施形態の側断面図
である。
【図2】受け台の平面図および側断面図である。
【図3】受け台の横転状態の側断面図である。
【図4】本発明免震装置の第2の一実施形態の側断面図
である。
【図5】図4の図(b)に示される状態の要部平面図で
ある。
【図6】本発明免震装置の第3の一実施形態の側断面図
である。
【図7】本発明免震装置の第4の一実施形態の側断面図
である。
【図8】本発明免震装置の第3および第4の一実施形態
における配置図(その1)である。
【図9】本発明免震装置の第3および第4の一実施形態
における配置図(その2)である。
【図10】本発明免震装置の第5の一実施形態の平面図
である。
【図11】本発明免震装置の第6の一実施形態の側断面
図である。
【図12】本発明免震装置の第6の一実施形態における
配置図(その1)である。
【図13】本発明免震装置の第6の一実施形態における
配置図(その2)である。
【図14】本発明免震装置の第7の一実施形態である。
【図15】本発明免震装置の第8の一実施形態の側断面
図である。
【図16】本発明免震装置の第9の一実施形態の側断面
図である。
【図17】図16の受け台の平面図および側断面図であ
る。
【図18】本発明免震装置の第9の一実施形態の作用説
明図である。
【図19】本発明免震装置の第10の一実施形態の側断
面図である。
【図20】図19の要部平面図である。
【図21】本発明免震装置の第10の一実施形態の作用
説明図である。
【図22】本発明免震装置の第11の一実施形態の平面
図および側断面図である。
【図23】受け台の側断面図である。
【図24】支持部材の側断面図である。
【図25】覆い部材の平面図および側断面図である。
【図26】フランジ部材の平面図および側断面図であ
る。
【図27】本発明免震装置の第12の一実施形態であ
る。
【図28】本発明免震装置の第13の一実施形態の側断
面図である。
【図29】図28の図(a)の平面図である。
【図30】受け台の平面図および側断面図である。
【図31】摺動部材の外形図である。
【図32】梃子部材の外形図である。
【図33】本発明免震装置の第14の実施形態の原理図
である。
【図34】本発明免震装置の第14の一実施形態の平面
図および側面図(その1)である。
【図35】本発明免震装置の第14の一実施形態の側面
図(その2)である。
【図36】上側部材および下側部材の外形図である。
【図37】中間部材の外形図である。
【図38】摺動部材の外形図である。
【図39】本発明免震装置の第15の一実施形態の側断
面図である。
【図40】設置された機器装置の外観正面図である。
【図41】従来の免震装置の側断面斜視図である。
【図42】従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 機器装置 2 底面 3 台足、脚体 5 床、設置面 21 建屋の床 22 支柱 24 段差 31 免震装置 32 脚体 33 ロックナット 34 下端部、下方先端 35 受け台 36 回転凹面 37 下部 38 開口 39 中間部分 41 凹曲面 42 壁面 43 合成ゴム 44 端面 45 部材 51 免震装置 52 脚体 53 受け台押さえ 54 スリーブ部分 55 受け台 56 壁面 57 傾斜面 61 免震装置 65 壁体 66 壁面 67 フランジ部 68 縁部 69 緩衝ゴム 71 免震装置 72 脚体 73 突出段部 75 免震装置 76 枠体 77 基板 78 枠 79 リブ 81 孔 85 免震装置 86 壁体 87 壁面 88 フランジ 89 縁部 90 緩衝ゴム 91 免震装置 92 枠体 93 基板 94 枠 95 リブ 96 孔 101 免震装置 102 受け台 103 壁面 104 縁部 105 覆い 111 免震装置 112 受け台 115 凹部 116 凹溝 118 台板 121 固定部材 122 ねじ部 123 段部 124 係合部 125 ばね座金 126 ナット 131 免震装置 132 回動支持台 133 回動軸 134 脚体 135 基台 136 孔 137 座金 138 ナット 141 ねじ部 142 座金 143 ナット 145 フレーム 146 受け部材 147 ナット 151 ねじ部 152 下側のナット 153 ブッシュ 154 座金 155 ばね座金 156 上側のナット 158 覆い 159 ねじ 161 ねじ穴 171 免震装置 172 受け台 173 壁面 174 縁部 175 溝 178 支持部材 179 めねじ 181 段部 182 軸受け 185 覆い部材 186 長孔 187 おねじ 191 フランジ部材 192 段差 193 孔 201 免震装置 202 枠体 203 基板 204 枠 205 リブ 206 孔 208 枠状床部材 209 孔 211 ばね支持枠 212 支持台 213 重ね板ばね 221 免震装置 222 受け台 223 壁面 224 あり溝 225 放射状の溝 226 凹溝 227 軸孔 231 摺動部材 232 テーパ面 233 摺動部 234 軸受け部 235 ローラ 236 軸 237 平坦面 241 梃子部材 242 外側端部 244 内側端部 245 軸孔 246 軸 251 上側部材 252 脚体 253 摺動凹面 255 下側部材 256 軸体 257 摺動凹面 258 摺動凸面 259 中間部材 261 上面 262 下面 271 免震装置 272 上側部材 273 脚体 274 摺動凹面 275 あり溝 282 下側部材 283 軸体 284 摺動凹面 285 あり溝 291 中間部材 292,293 摺動凹面 294,295 あり溝 301 摺動部材 302,303 摺動凸面 304,305 あり 307 座金 308 ナット 311 免震装置 313 底面 314 壁面 315 緩衝ゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 敦規 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 ▲高▼尾 裕史 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 伊藤 典子 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部が機器装置に取り付けられる棒状の
    脚体と、底面内部の中央が低く周囲が高くなる皿状の回
    転凹面と該回転凹面の周囲から延びるとともに下部と上
    部開口とが小径で中間部分が大径な凹曲面でなる壁面と
    を有する上記脚体の受け台と、からなり、上記脚体が垂
    直状態で上記受け台の壁面の外側が設置面と接するよう
    な受け台の転倒状態において脚体の下端部が壁面の凹曲
    面内部と接触し該脚体の側面が壁面の開口面と接触する
    ように構成することを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 上部が機器装置に取り付けられる棒状の
    脚体と、底面内部の中央が低く周囲が高くなる皿状の回
    転凹面を有する上記脚体の受け台と、上記脚体の周囲に
    設けられて上記受け台の周囲に延び該周囲に接して受け
    台の転倒を防止する受け台押さえと、からなることを特
    徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】 上部が機器装置に取り付けられる棒状の
    脚体と、底面内部の中央部が低く周囲が高くなる皿状の
    回転凹面を有する上記脚体の受け台と、設置面に固定さ
    れ平面視上記脚体または受け台周囲の少なくとも90°
    の範囲を囲む壁体と、からなり、上記壁体は機器装置の
    四隅側位置のうち少なくとも2箇所に配置されることを
    特徴とする免震装置。
  4. 【請求項4】 周囲に突出段部が形成され上部が機器装
    置に取り付けられる棒状の脚体と、底面内部の中央部が
    低く周囲が高くなる皿状の回転凹面を有する上記脚体の
    受け台と、設置面に固定され平面視上記脚体または受け
    台周囲90°の範囲を囲むとともに内面側の上部に上記
    脚体の突出段部を受け入れる縁部を有する壁体と、から
    なることを特徴とする免震装置。
  5. 【請求項5】 周囲に突出段部の形成され上部が機器装
    置に取り付けられる棒状の脚体と、底面内部の中央部が
    低く周囲が高くなる皿状の回転凹面を有し内部側面の上
    部周囲に上記脚体の突出段部を受け入れる縁部を有する
    上記脚体の受け台と、からなることを特徴とする免震装
    置。
  6. 【請求項6】 周囲に突出段部の形成され上部が機器装
    置に取り付けられる棒状の脚体と、底面内部の中央部が
    低く周囲が高くなる皿状の回転凹面を有し底面下側の周
    囲内部に環状の凹溝の形成された上記脚体の受け台と、
    上記受け台の下面の環状の凹溝に係合する円板状の係合
    部を有し設置面に固定される固定部材と、からなること
    を特徴とする免震装置。
  7. 【請求項7】 設置面上に回動可能に位置固定される回
    動軸とは偏倚された脚体の上部が機器装置に取り付けら
    れることを特徴とする免震装置。
  8. 【請求項8】 周囲に突出段部の形成され上部が機器装
    置に取り付けられる棒状の脚体と、底面内部の中央部が
    低く周囲が高くなる皿状の回転凹面を有する上記脚体の
    受け台と、上記脚体の突出段部の上部を覆い該脚体を半
    径方向に移動可能とする長孔を有し上記受け台に回転可
    能に支持される蓋体と、からなることを特徴とする免震
    装置。
  9. 【請求項9】 上部が機器装置に取り付けられる棒状の
    脚体と、底面内部の中央部が低く周囲が高くなる皿状の
    回転凹面を有する上記脚体の受け台と、上記受け台の周
    囲複数箇所に昇降可能に設けられ下降状態で設置面に接
    する摺動部材と、上記受け台の上部に上記複数の摺動部
    材に対応して回動可能に設けられ外側端部が上記摺動部
    材の上面に接するとともに内側端部が上記受け台の回転
    凹面内上に延びる梃子部材と、をそなえ、上記梃子部材
    の内側端部が上記脚体の側面で押されることにより梃子
    部材の外側端部が摺動部材を押し下げることを特徴とす
    る免震装置。
  10. 【請求項10】 上部が機器装置に取り付けられる上側
    部材と、下部が設置面に取り付けられる下側部材と、上
    記上側部材と下側部材間を相互に直交方向に摺動移動可
    能に中央部が円弧面により膨大する第1と第2の摺動部
    材を介して移動方向にのみ移動可能な突条と凹溝の組み
    合わせによる係合手段により係合させる中間部材と、か
    らなることを特徴とする免震装置。
  11. 【請求項11】 上部が機器装置に取り付けられる上側
    部材と、下部が設置面に取り付けられる下側部材と、上
    記上側部材と下側部材間を相互に直交方向に摺動移動可
    能に中央部が円弧面により膨大する第1と第2の摺動部
    材を介して摺動方向にのみ移動可能な突条と凹溝の組み
    合わせによる係合手段により係合させる中間部材と、平
    面視上記上側部材の周囲の少なくとも90°の範囲を囲
    み設置面に固定される壁体と、からなり、上記壁体は機
    器装置の四隅位置の少なくとも2箇所に配置されること
    を特徴とする免震装置。
  12. 【請求項12】 上記上側部材と第1の摺動部材と中間
    部材ならびに上記中間部材と第2の摺動部材と下側部材
    との係合手段は、それぞれ、ありとあり溝であることを
    特徴とする請求項10または請求項11に記載の免震装
    置。
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