JPH09157682A - 熱間塑性加工用潤滑剤組成物 - Google Patents

熱間塑性加工用潤滑剤組成物

Info

Publication number
JPH09157682A
JPH09157682A JP33995295A JP33995295A JPH09157682A JP H09157682 A JPH09157682 A JP H09157682A JP 33995295 A JP33995295 A JP 33995295A JP 33995295 A JP33995295 A JP 33995295A JP H09157682 A JPH09157682 A JP H09157682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
lubricant composition
plastic working
graphite
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33995295A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Imai
康夫 今井
Yoshio Matsumura
由男 松村
Sumio Iida
純生 飯田
Tetsuya Nakanishi
哲也 中西
Toshiro Anraku
敏朗 安楽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd, Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority to JP33995295A priority Critical patent/JPH09157682A/ja
Publication of JPH09157682A publication Critical patent/JPH09157682A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒鉛系潤滑剤で問題とされる浸炭現象に対
し、潤滑性を保持しつつ、優れた浸炭抑制作用を有する
熱間塑性加工用潤滑剤組成物を提供する。 【解決手段】 100重量部の黒鉛粉末と、2〜100
重量部のチタン、マグネシウム及び珪素の各酸化物、及
びマグネシウムの水酸化物の群から選ばれる少なくとも
1種からなり、かつ0.01〜20.0μmの平均粒径
を有する粉末とを含有することを特徴とする熱間塑性加
工用潤滑剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒鉛系の熱間塑性
加工用潤滑剤組成物に関するものである。更に詳しく述
べるならば、その特徴として、この種の黒鉛系潤滑剤で
問題とされる浸炭現象に対し、優れた抑制作用を有する
熱間塑性加工用潤滑剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属の熱間圧延、熱間押し出しあるいは
熱間鍛造では、金型と被加工材の摩擦を低減してかじり
や焼き付きを防止し、塑性加工を容易に行う目的で、各
種潤滑剤が使用される。この種の潤滑剤には、大別し
て、黒鉛系と、非黒鉛系の2種類がある。黒鉛系潤滑剤
は基剤として黒鉛粉末が、非黒鉛系は基剤として窒化ホ
ウ素、珪酸塩あるいは炭酸カルシウムなどが使用され
る。これらの潤滑剤は、固体状態のままで使用された
り、あるいは水に混合して使用されるが、水に混合して
使用する場合は、水溶性樹脂やホウ酸をバインダーとし
て、水に希釈した状態でスプレー等で金型に塗布されて
いる。非黒鉛系潤滑剤は、黒鉛系潤滑剤に比べ汚れが少
なく、作業環境が改善されるため広く開発が行われてい
るが、潤滑性が黒鉛系に比べ劣っているため、黒鉛系潤
滑剤が未だ多用されている。
【0003】しかしながら、黒鉛系潤滑剤は基剤が黒鉛
であるため、熱間加工の際に被加工物への浸炭現象が避
け得ないという大きな欠点を有している。この浸炭現象
は、特に加熱加工温度での炭素の固溶限が大きい場合、
例えば高合金鋼をオーステナイト域で熱間加工する場合
に、影響が大きく、材料の硬化や傷の発生をもたらし、
その後の成形品の耐食性の劣化や強度の低下の原因とな
ることがある。これらの問題の解決のため、非黒鉛系の
潤滑剤の適用が検討されている。例えば、特開昭61−
223096号公報や、特開昭64−16894号公報
等に開示されているが、前述のように黒鉛系潤滑剤に匹
敵するような潤滑性を有するものは見い出されていな
い。また、黒鉛系潤滑剤では、特開平5−125386
号公報に黒鉛粉末を基剤として、これに特定の錫、鉛、
亜鉛、カルシウム、銅及びアルミニウムの酸化物を添加
し、潤滑性と浸炭抑制効果が優れた熱間塑性加工用潤滑
剤が開示されている。しかしながら、上記潤滑剤でも、
例えば実機による熱間圧延での潤滑性と浸炭抑制効果は
必ずしも再現できていない。従って、完全に実機による
熱間圧延加工で満足な性能を発揮できるような潤滑剤は
見い出されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の抱える問題を解決するためのものであり、黒鉛粉末
を主剤とする潤滑剤において、黒鉛本来の優れた潤滑効
果を保持しながら、被加工物に対する浸炭を抑制する機
能を再現性良く発揮するような熱間塑性加工用潤滑剤組
成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するための手段について鋭意検討を行った結果、
黒鉛粉末を主剤とする潤滑剤において、これに特定の平
均粒径を有する特定の酸化物及び特定の水酸化物から選
択される物質を黒鉛粉末に添加することによって、黒鉛
の潤滑性を損なう事なく、被加工物への浸炭現象を抑制
できること、及び従来のように1000℃程度の高温で
潤滑剤を加熱する浸炭試験法に比べ、より現場での再現
性が高い浸炭評価試験方法を新たに見いだして、該評価
試験方法で評価することにより実機においても熱間圧延
加工で満足な性能を発揮できるような潤滑剤を見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は100重量部の黒鉛粉
末と、2〜100重量部のチタン、マグネシウム及び珪
素の各酸化物、及びマグネシウムの水酸化物の群から選
ばれる少なくとも1種からなり、かつ0.01〜20.
0μmの平均粒径を有する粉末とを含有することを特徴
とする熱間塑性加工用潤滑剤組成物に関するものであ
る。なお、黒鉛粉末に含有させる前記粉末の平均粒径
は、黒鉛粉末の平均粒径の0.001〜1倍であること
が好ましい。
【0007】本発明の熱間塑性加工用潤滑剤組成物は、
潤滑性を従来の黒鉛系潤滑剤と同等とし、なおかつ浸炭
抑制作用を有する潤滑剤を意図しており、特に潤滑性を
黒鉛系と同等以上とするため、黒鉛を使用しつつ浸炭を
抑制する潤滑剤の検討を行った。すなわち高温(700
〜1250℃)での黒鉛の挙動について、実際の潤滑剤
使用条件を考慮した浸炭雰囲気で試験を行い、種々の物
質と黒鉛の燃焼に伴う反応を詳細に観察した結果、黒鉛
系潤滑剤中にチタン、マグネシウム及び珪素の各酸化
物、及びマグネシウムの水酸化物の群から選ばれた少な
くとも1種からなり、かつ0.01〜20.0μmの平
均粒径を有する粉末を添加することにより、黒鉛本来の
優れた潤滑性を損なう事なく、浸炭現象を効果的に抑制
し得る事を見い出したのである。
【0008】以下、本発明をより詳細に説明する。本発
明の熱間加工用潤滑剤組成物に使用される黒鉛粉末は、
天然品もしくは合成品のいずれであっても良い。その好
ましい平均粒径は、被加工物形状、加工方法や加工温度
により適時選択して構わないが、100μm以下である
ことが好ましく、0.5〜30μmであることがより好
ましい。例えば、加工温度が高く、加工度が大きい場合
には、潤滑性を考慮し平均粒径が比較的大きい黒鉛粉末
を用いることにより優れた効果が得られる。
【0009】また、本発明の熱間塑性加工用潤滑剤組成
物は、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、及び珪
素(Si)の各酸化物と、マグネシウム(Mg)の水酸
化物の群から選ばれた少なくとも1種からなり、かつ平
均粒径(個々の粒子の粒径は、長軸と短軸の平均値とす
る)が0.01〜20.0μmの粉末を必須成分として
含有するものであることを特徴とするものである。従っ
て、2種以上の酸化物の混合物や、酸化物とマグネシウ
ムの水酸化物との混合物も適用できるものである。
【0010】本発明の熱間塑性加工用潤滑剤組成物の特
定酸化物による浸炭抑制機構については十分に解明され
ていないが、これまでの試験により以下のように推定さ
れる。高温(700〜1250℃)で加熱された被加工
物と金型により、潤滑剤が加熱されると浸炭を起こしや
すいガスであるCOが発生する。この還元雰囲気のCO
ガスにより浸炭が行われると推察されるが、COガスの
濃度がさらに高まり十分な還元雰囲気を形成すると、酸
化物の作用によりCOはCO2に酸化され、COガス濃
度が下がり浸炭を抑制すると考えられる。また、水酸化
物は高温に加熱されると酸化物に変化するため、同様に
浸炭抑制効果を発揮すると推察される。
【0011】熱間塑性加工用潤滑剤組成物に添加するチ
タン、マグネシウム及び珪素の各酸化物及びマグネシウ
ムの水酸化物の群から選ばれる少なくとも1種の量は、
加工温度、時間や潤滑剤の膜厚等により変わるが、黒鉛
粉末100重量部に対し前記酸化物及び水酸化物2〜1
00重量部である。この添加割合が、黒鉛粉末100重
量部に対し2重量部未満であると十分な浸炭抑制効果が
得られず、100重量部を超えると黒鉛粉末による潤滑
作用が阻害される。
【0012】前記酸化物粉末の平均粒径は、0.01〜
20.0μmであることが好ましい。前記酸化物粉末及
び水酸化物粉末の平均粒径が0.01μm未満である
と、昇温時に発生ガスと共に酸化物及び水酸化物粉末が
揮散もしくは逃散し易く、一方それが20.0μmを超
えるとCO→CO2にする効果が少なくなり、さらに潤
滑性も低下するのである。
【0013】前記酸化物及び水酸化物の好適な粒径及び
配合比は、黒鉛粉末粒子の大きさ、所用潤滑剤膜の厚
さ、あるいは加工温度等諸々の条件を勘案して適宜選定
すべきであるが、前記酸化物及び水酸化物の平均粒径
は、黒鉛粉末の平均粒径の0.001〜1倍の範囲であ
ることが好ましい。前記酸化物及び水酸化物の粒径が、
黒鉛粉末の平均粒径に対し1倍を超えると発生COガス
に対する表面積が少なくなり十分な浸炭抑制効果が得ら
れず、また0.001倍未満だと表面積が大きくなりす
ぎ浸炭抑制効果の持続性が得られない。
【0014】黒鉛粉末に添加する前記酸化物及び水酸化
物は、それぞれ浸炭抑制効果がピークを示す温度範囲が
異なるので、使用する温度によりこれらの化合物から最
も適した物を選択するのがより好ましい。すなわち、チ
タンの酸化物は、700〜1250℃の広い温度範囲で
顕著な浸炭抑制作用を示すので最も汎用的に使用でき
る。マグネシウムの酸化物及び水酸化物は、温度が80
0〜1100℃での使用がより好ましい。珪素の酸化物
は、800〜1000℃がより好ましい。
【0015】このようにして調合した本発明の熱間塑性
加工用潤滑剤組成物は、水分散液として使用することが
作業性等の面から好ましい。使用時の黒鉛粉末と酸化物
粉末及び水酸化物との固形分濃度は、塑性加工条件、被
加工物への塗布装置の能力、金型の温度あるいは加工設
備の生産能力等の種々の条件によって大きく異なるが、
約0.1〜60重量%程度になるように水で希釈するこ
とが好ましい。希釈の大まかな目安として、高温に加熱
された被加工物による金型の昇温を抑えたい場合(特に
連続・多量に生産する場合)には、高い希釈倍率である
ことが好ましく、一方、被加工物が大型で加工形状が複
雑な場合には、加工部位によっては潤滑剤が欠乏するこ
とがあるので、比較的高い固形分濃度の分散液を被加工
物へ大量に塗布する。
【0016】また、乾燥後の膜厚は、種々の条件によっ
て異なり一概に決め難いが、薄過ぎると潤滑効果が不足
し、一方、厚過ぎても効果が飽和しコスト面でも不利な
ため、約2〜100μmとすることが好ましい。
【0017】なお、加工後に被加工物の表面に付着して
いる被着層は、被加工物の酸化膜除去処理工程において
容易に除去できるが、そのままの状態で残存しても加工
物の外観あるいは機械的性質を損なうものではない。
【0018】また、本発明の熱間塑性加工用潤滑剤組成
物においては、その潤滑剤組成物中に予め、あるいは使
用時に潤滑剤水分散液の濃度の最終調整を行う際に、従
来公知の各種添加剤、例えばバインダー、界面活性剤、
防腐剤等を必要に応じて添加することができる。
【0019】ここで、バインダーとしては、ほう酸、酸
化ほう素、及び塩化ナトリウム等の無機系化合物、ある
いはカルボキシメチルセルロース、デンプン、ゼラチン
等のタンパク質、ポリサッカライド、ポリカルボン酸ナ
トリウム、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、酢
酸ビニル樹脂及びフェノール樹脂等の有機高分子が使用
できる。これらのバインダーの添加量は、少量ではバイ
ンダーとして効果が不足し、多すぎると基剤の特性が隠
蔽されるので、黒鉛粉末と金属酸化物の合計重量の1〜
50重量%程度とすることが望ましい。
【0020】また、界面活性剤は、主として黒鉛及び金
属酸化物の分散性を向上する目的で用いるものであっ
て、前記のバインダーも分散性の向上効果を有するもの
であるが、界面活性剤を併用することによって更に分散
性が向上し効果的である。好ましい界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エーテル、高級アルコール硫酸エステル
あるいはリノール酸ナトリウム等を挙げることができ
る。
【0021】
【実施例】本発明の実施例を比較例と共に挙げ、その効
果をより具体的に説明する。熱間塑性加工用潤滑剤組成
物の潤滑性テストと浸炭テストは下記に準拠し行った。
【0022】(a)潤滑性テスト SUS304Lステンレス鋼材(C:0.016%、C
r:18.5%、Ni:8.7%)から、外径30mm
φ、内径15mmφ、高さ7.5mmのリング状試験片
を採取した。この試験片を、アルゴンガス雰囲気中で1
100℃に加熱した。別に、上下に平行で平らな金型を
装着したクランクプレス機を用意し、この金型を150
℃に加熱した。そして、この上下の金型に供試潤滑剤組
成物を、黒鉛粉末の濃度が20重量%になるように水で
希釈して、スプレーで乾燥膜厚20μmになるように塗
布した。次に、前記の加熱されたリング試験片を、金型
の潤滑剤塗布面に静置し、上下金型により高さが50%
になるまで圧縮加工を行った。そして、リング試験片の
内径と高さの変化率から、定法(工藤によるエネルギー
法)によって、金型接触面の摩擦係数を求めた。
【0023】(b)浸炭テスト 上記SUS304Lステンレス鋼材から、外径30mm
φ、高さ20mmの円柱を採取し、この中心に15mm
φ、高さ15mmの穴をあけ試験容器を採取する。別に
用意した厚さ1.2mmhの外径10mmφのSUS3
04L板を150℃に加熱し、供試潤滑剤組成物を黒鉛
粉末の濃度が20重量%になるように水で希釈して、ス
プレーで乾燥膜厚20μmになるように板の両面に塗布
した。次に、先に用意した試験容器の中心の穴に試験片
を挿入した後、外径20mmφ、厚さ1.2mmのSU
S304L板を試験容器の穴に溶接し、内部を外界から
完全に遮断した。そして、試験容器を水準700、80
0、900、1000、1100及び1250℃でそれ
ぞれ10分間加熱後、水冷し、試験片を取り出した。こ
の試験片の断面をEPMAに供し、最表面から100ミ
クロンまでの炭素量を重量%で測定した。
【0024】実施例1〜5 10μmの平均粒径を有する黒鉛粉末に平均粒径0.2
μmのTiO2粉末を表1に示した混合割合で添加し、
これに全体の10重量%のカルボキシメチルセルロース
よりなるバインダーを混合し熱間塑性加工用潤滑剤組成
物を調製した。加工温度は1100℃である。調製した
熱間塑性加工用潤滑剤組成物について潤滑性テスト(摩
擦係数の測定)と浸炭テスト(浸炭量の測定)を行っ
た。得られた結果を表1に併記した。
【0025】実施例6 TiO2の平均粒径を10μmとした以外は実施例3と
同一の条件下で熱間塑性加工用潤滑剤組成物を調製し、
潤滑性テスト及び浸炭テストを行った。得られた結果を
表1に併記した。
【0026】実施例7〜11 TiO2粉末を0.02μmとした以外は、実施例7〜
11は各々実施例1〜5と同一の条件で熱間塑性加工用
潤滑剤組成物を調製し、潤滑性テスト及び浸炭テストを
行った。得られた結果を表1に併記した。
【0027】比較例1〜4 比較例1はTiO2粉末を無添加とし、比較例2はTi
2粉末の添加量を1重量部とし、比較例3はTiO2
末の添加量を150重量部とし、及び比較例4はTiO
2粉末の平均粒径を32μmとした以外は実施例3と同
一の条件でに熱間塑性加工用潤滑剤組成物を調製し、潤
滑性テスト及び浸炭テストを行った。得られた結果を表
1に併記した。
【0028】実施例12〜16 加工温度を実施例12〜16で各々700℃、800
℃、900℃、1000℃、及び1250℃とした以外
は実施例3と同一の条件で熱間塑性加工用潤滑剤組成物
を調製し、潤滑性テスト及び浸炭テストを行った。得ら
れた結果を表2に併記した。
【0029】比較例5 TiO2粉末を無添加とした以外は実施例13と同一の
条件で熱間塑性加工用潤滑剤組成物を調製し、潤滑性テ
スト及び浸炭テストを行った。得られた結果を表2に併
記した。
【0030】比較例6 TiO2粉末を無添加とした以外は実施例16と同一の
条件で熱間塑性加工用潤滑剤組成物を調製し潤滑性テス
ト及び浸炭テストを行った。得られた結果を表2に併記
した。
【0031】実施例17〜18 TiO2粉末の替わりに平均粒径1.0μmのMg(O
H)2粉末を40重量部用いた以外は実施例1と同一の
条件で熱間塑性加工用潤滑剤組成物を調製した。加工温
度は、実施例17及び18で各々1000℃及び110
0℃である。該潤滑剤組成物について潤滑性テストと浸
炭テストを行った。得られた結果を表3に併記した。
【0032】実施例19〜22 TiO2粉末の替わりに平均粒径1.0μm(実施例2
2は0.02μm)のSiO2粉末40重量部を用いた
以外は実施例1と同一の条件で熱間塑性加工用潤滑剤組
成物を調製した。加工温度は実施例19〜22で各々1
000℃、1100℃、1250℃及び1000℃であ
る。該潤滑剤組成物について潤滑性テストと浸炭テスト
を行った。得られた結果を表3に併記した。
【0033】実施例23〜25 TiO2粉末の替わりに平均粒径0.2μmのMgO粉
末40重量部を用いた以外は実施例1と同一の条件で熱
間塑性加工用潤滑剤組成物を調製した。加工温度は実施
例23〜25で各々1100℃、800℃及び1250
℃である。該潤滑剤組成物について潤滑性テストと浸炭
テストを行った。得られた結果を表3に併記した。
【0034】比較例7 SiO2粉末の添加量を1重量部とした以外は、実施例
20と同一の条件で熱間塑性加工用潤滑剤組成物を調製
した。該潤滑剤組成物について潤滑性テストと浸炭テス
トを行った。得られた結果を表3に併記した。
【0035】比較例8 Mg(OH)2粉末の添加量を1重量部とし平均粒径を
0.2μmとした以外は実施例18と同一の条件で熱間
塑性加工用潤滑剤組成物を調製した。該潤滑剤組成物に
ついて潤滑性テストと浸炭テストを行った。得られた結
果を表3に併記した。
【0036】比較例9 MgO粉末の添加量を1重量部とした以外は実施例23
と同一の条件で熱間塑性加工用潤滑剤組成物を調製し
た。該潤滑剤組成物について潤滑性テストと浸炭テスト
を行った。得られた結果を表3に併記した。
【0037】実施例及び比較例から次のことが言える。 実施例1〜11の熱間塑性加工用潤滑剤組成物の潤滑
性は従来品と同等であり、浸炭量は従来品より極めて少
ない。このため、優れた潤滑性と浸炭抑制効果が同時に
満足される。 TiO2粉末が無添加の比較例1及びその添加量が極
めて少ない比較例2は浸炭量が極めて多い。 TiO2粉末の添加量が実施例1〜11に比べ極めて
多い比較例3は浸炭量は少ないが、潤滑性が極めて悪
い。 TiO2粉末の粒径が32μmと実施例1〜11に比
べ極めて大きい比較例4は浸炭量は極めて多い。
【0038】TiO2粉末を用い、加工温度が各々7
00、800、900、1000及び1250℃と異な
る実施例12〜16では、浸炭量がいずれも少ない。こ
のことから、かなり広い温度範囲にわたって浸炭抑制効
果が持続されている。 TiO2粉末が無添加で、加工温度が各々800及び
1250℃である比較例5及び6は浸炭量が多い。 Mg(OH)2粉末を用いた実施例17〜18、Si
2粉末を用いた実施例19〜22、MgO粉末を用い
た実施例23〜25の熱間塑性加工用潤滑剤組成物の潤
滑性は従来品と同等であり、浸炭量は従来品より極めて
少ない。このことから、Mg(OH)2粉末、SiO2
末及びMgO粉末を用いた場合も潤滑性を保持しつつ浸
炭抑制効果が発揮される。 SiO2粉末を用いた比較例7、Mg(OH)2を用い
た比較例8及びMgO粉末を用いた比較例9はその添加
量1重量部と極めて少ないため浸炭量が極めて多い。
【0039】
【発明の効果】本発明の熱間塑性加工用潤滑剤組成物は
黒鉛本来の優れた潤滑性を保持しつつ、加工材の浸炭を
防止及び低下させることが可能であり、熱間塑性加工の
品質及び製品寸法精度の改善や生産性の向上に極めて有
効なものである。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:08 30:00 40:24 50:02 (72)発明者 飯田 純生 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 中西 哲也 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 安楽 敏朗 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100重量部の黒鉛粉末と、2〜100
    重量部のチタン、マグネシウム及び珪素の各酸化物、及
    びマグネシウムの水酸化物の群から選ばれる少なくとも
    1種からなり、かつ0.01〜20.0μmの平均粒径
    を有する粉末とを含有することを特徴とする熱間塑性加
    工用潤滑剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記チタン、マグネシウム及び珪素の各
    酸化物、及びマグネシウムの水酸化物の群から選ばれる
    少なくとも1種からなる粉末の平均粒径が、前記黒鉛粉
    末の平均粒径の0.001〜1倍の範囲である請求項1
    に記載の熱間塑性加工用潤滑剤組成物。
JP33995295A 1995-12-04 1995-12-04 熱間塑性加工用潤滑剤組成物 Pending JPH09157682A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33995295A JPH09157682A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 熱間塑性加工用潤滑剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33995295A JPH09157682A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 熱間塑性加工用潤滑剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09157682A true JPH09157682A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18332323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33995295A Pending JPH09157682A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 熱間塑性加工用潤滑剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09157682A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008095150A1 (en) * 2007-02-01 2008-08-07 Gm Global Technology Operations, Inc. Lubrication of magnesium workpieces for hot forming
WO2008097944A1 (en) * 2007-02-06 2008-08-14 Gm Global Technology Operations, Inc. Lubricant for elevated temperature forming

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008095150A1 (en) * 2007-02-01 2008-08-07 Gm Global Technology Operations, Inc. Lubrication of magnesium workpieces for hot forming
WO2008097944A1 (en) * 2007-02-06 2008-08-14 Gm Global Technology Operations, Inc. Lubricant for elevated temperature forming
US7730753B2 (en) 2007-02-06 2010-06-08 Gm Global Technology Operations, Inc. Lubricant for elevated temperature forming

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1449936A1 (en) Process for producing metal wire rod for plastic working
EP0412788A1 (en) Lubrication method for cold plastic working of metallic materials
JPS61291687A (ja) アルミニウム冷間鍛造用潤滑剤
JP2925388B2 (ja) 熱間塑性加工用潤滑剤組成物
JPH09157682A (ja) 熱間塑性加工用潤滑剤組成物
JP3778026B2 (ja) 冷間伸線加工用潤滑剤、冷間伸線材およびその製造方法
JPH07107157B2 (ja) 高温用潤滑剤組成物
JP5491881B2 (ja) ダイカスト用水性離型剤及びそれを用いたダイカスト鋳造法
JP4792841B2 (ja) 熱間型鍛造方法及び熱間型鍛造用断熱潤滑剤
JP3744392B2 (ja) 金属線材およびその製造方法
JPS5849800A (ja) 高温用潤滑剤組成物
JP4054107B2 (ja) 乾式潤滑剤及びその製造方法
JP2882949B2 (ja) 水溶性プランジャー用潤滑剤組成物
JP3370869B2 (ja) 銅又は銅合金管の抽伸加工用外面油
JPH06256790A (ja) 浸炭抑制作用の優れた熱間塑性加工用黒鉛系水分散型潤滑剤組成物
JPH04519B2 (ja)
JPH09156029A (ja) 深絞り性および耐カジリ性に優れた脱膜型潤滑鋼板
JP3234810B2 (ja) 粉末アルミニウム合金製シリンダライナ
JP2914844B2 (ja) 浸炭抑制作用の優れた熱間塑性加工用黒鉛系顆粒状潤滑剤組成物
JPS62297393A (ja) アルミニウム合金の冷間塑性加工用潤滑油および塑性加工方法
JPH06264088A (ja) 高温用潤滑剤組成物
JP2003089797A (ja) マグネシウム合金用塑性加工潤滑剤
JPH05186881A (ja) 潤滑性の優れたアルミニウム系材料及びその製造方法
JPH0651875B2 (ja) アルミニウム冷間鍛造用潤滑剤
JPH06316698A (ja) アルミニウム板加工用潤滑油