JPH09157625A - ウレタン系水性接着剤 - Google Patents

ウレタン系水性接着剤

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JPH09157625A
JPH09157625A JP7318906A JP31890695A JPH09157625A JP H09157625 A JPH09157625 A JP H09157625A JP 7318906 A JP7318906 A JP 7318906A JP 31890695 A JP31890695 A JP 31890695A JP H09157625 A JPH09157625 A JP H09157625A
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urethane
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JP7318906A
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Takeshi Hasegawa
剛 長谷川
Yoshiyuki Oguchi
善之 大口
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性にすぐれ、加熱養生を行う必要が
なく、耐熱性、耐水性及び接着性にすぐれたウレタン系
水性接着剤を提供する。 【解決手段】 (a)ポリイソシアネート化合物、
(b)ポリオール化合物、(c)ジメチロールアルカン
酸化合物との3成分を反応させて得られたウレタンプレ
ポリマーと、中和剤及び親水性有機溶剤からなる混合物
を水に分散後もしくは分散中に、イソシアネート基と反
応可能な2個の活性水素を有する化合物及び/又は水に
よって上記ウレタンプレポリマーが鎖延長されて得られ
るウレタンポリマーを含有する組成物(A)に、カルボ
キシル基に対して反応活性を有する2個以上の官能基を
有する化合物の水分散物(B)を添加してなるウレタン
系水性接着剤において、上記ウレタンポリマーを含有す
る組成物(A)の固形分が50重量%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウレタン系水性接着
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウレタン系接着剤は各種の被着体に対し
てすぐれた接着性を持ち、柔軟性等の特性にもすぐれ、
多くの用途に適合するために幅広く利用されている。一
方、有機溶剤の揮散による大気の汚染や作業環境の悪
化、火災発生の危険性などの点から、近年、ウレタン接
着剤においても水系への転換を考慮した開発が盛んに行
われている。
【0003】しかし、ウレタン系接着剤の水系化のため
に乳化剤を用いてウレタンポリマーを水分散化した場
合、その乾燥皮膜に乳化剤が残留することにより皮膜の
耐水性が悪化する。従って、このような接着剤を用いて
接着を行うと吸水により接着剤の凝集力が低下して耐水
性が著しく低下する。
【0004】上記の問題点を解決するために、分子内に
イオン性もしくは潜在的イオン性の官能基、及び/又は
非イオン性の親水性基を有する自己分散性ウレタンポリ
マーを、乳化剤を用いることなく安定に水分散させてな
る自己分散性水系ウレタン分散物は公知である。この分
散物を乾燥、皮膜化させると乳化剤を用いたものよりも
耐水性にすぐれたポリウレタン樹脂皮膜が得られる。例
えば、特開平3−21626号公報に記載されているポ
リウレタン水分散液は、カルボキシル基をポリウレタン
鎖中に導入して上記の目的を達成している。このときカ
ルボキシル基のイオン化剤として揮発性の塩基性化合物
を用いれば、乾燥時に該イオン化剤を飛散させることに
より皮膜の耐水性を向上させることができる。
【0005】上記のようにカルボキシル基を自己分散性
基として用いると、親水性のカルボキシル基が存在する
ためイオン化剤を飛散させても耐水性の向上は不充分で
あるが、さらに、カルボキシル基と反応可能な基を有す
る化合物を添加することにより耐水性の向上が可能であ
る。例えば、特開昭63−33518公報に記載の水性
樹脂組成物は、カルボキシル基含有水溶性もしくは水分
散性ウレタン樹脂に多官能アジリジン環化合物、水性ラ
テックスを配合することにより耐水性の向上がみられて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなカルボキ
シル基と反応可能な架橋剤を水分散体に配合するには水
溶液または水分散体である必要がある。しかし、架橋剤
が水溶性である場合には、カルボキシル基と反応可能な
基を有する化合物を添加する際に凝集が生じたり、添加
後にウレタン粒子内への架橋剤の浸透などによる経時的
な貯蔵安定性の低下がみられる。又、架橋剤が水分散物
である場合には、ウレタンポリマー、架橋剤の各々が独
立した粒子として水中に存在するため貯蔵安定性は良好
であるが、粒子同士の接触が不充分な状態で乾燥するた
め架橋反応が充分に進行せず、加熱養生を行わなければ
充分な耐水性や耐熱性を備えた接着力が得られないとい
う問題がある。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解消し、貯蔵
安定性にすぐれ、加熱養生を行う必要がなく、耐熱性、
耐水性及び接着性にすぐれたウレタン系水性接着剤を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明ウ
レタン系水性接着剤は、(a)ポリイソシアネート化合
物、(b)ポリオール化合物、(c)ジメチロールアル
カン酸化合物との3成分からなり、上記ポリオール化合
物が有する水酸基の量よりも上記ポリイソシアネート化
合物が有するイソシアネート基の量が多い配合で反応さ
せて得られた末端にイソシアネート基を有するウレタン
プレポリマーと、中和剤及び親水性有機溶剤とからなる
均一な混合物を水に分散後もしくは分散中に、イソシア
ネート基と反応可能な2個の活性水素を有する化合物及
び/又は水によって上記ウレタンプレポリマーが鎖延長
されて得られるウレタンポリマーを含有する組成物
(A)に、カルボキシル基に対して反応活性を有する2
個以上の官能基を有する化合物の水分散物(B)を添加
してなるウレタン系水性接着剤において、上記ウレタン
ポリマーを含有する組成物(A)の固形分が50重量%
以上であることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2記載の本発明ウレタン系水
性接着剤は、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)
ポリオール化合物、(c)ジメチロールアルカン酸化合
物との3成分からなり、上記ポリオール化合物が有する
水酸基の量よりも上記ポリイソシアネート化合物が有す
るイソシアネート基の量が多い配合で反応させて得られ
た末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ーと、粘着付与樹脂、中和剤及び親水性有機溶剤とから
なる均一な混合物を水に分散後もしくは分散中に、イソ
シアネート基と反応可能な2個以上の活性水素を有する
化合物及び/又は水によって上記ウレタンプレポリマー
が鎖延長されて得られるウレタンポリマーを含有する組
成物(A)に、粘着付与樹脂の水分散物(B)が添加さ
れてなることを特徴とするものである。
【0010】本発明のウレタン系水性接着剤で使用され
るポリイソシアネート化合物(a)としては、例えば、
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシア
ネートメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタン−4,4' −ジイソシアネート、メチル
シクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート、メチルシ
クロヘキシル−2,6−ジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート類、2,4−トル
イレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタン−4,4' −ジイソシアネ
ート、1,5−ナフテンジイソシアネート、トリジンジ
イソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイ
ソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート等の芳
香族ジイソシアネート類、リジンエステルトリイソシア
ネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジ
イソシアネート−4,4−イソシアネートメチルオクタ
ン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、
ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシア
ネート類が挙げられ、これらは1種または2種以上の混
合物として使用できる。
【0011】請求項1記載のウレタン系水性接着剤に
は、上記ポリイソシアネートのうち、分子内に2個のイ
ソシアネート基を有するジイソシアネートを用いるのが
特に好ましく、請求項2記載のウレタン系水性接着剤に
は分子内に3個以上のイソシアネート基を有するポリイ
ソシアネートを用いるのが特に好ましい。
【0012】また、ポリオール化合物としては、例え
ば、分子量が500以上10000以下の範囲にあるポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
ポリエーテルポリオール、アジピン酸、セバチン酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等のカルボン酸とエチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、トリプロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールから
得られるポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジ
オール、ポリテトラメチレンエーテルジオール、ポリブ
タジエンジオール、水添化ポリブタジエンジオール、ポ
リカーボネートジオール、ポリチオエーテルジオール、
ポリアクリル酸エステルジオール等の分子内に水酸基を
2個有するジオール、又、各種のグリコールから得られ
るポリエステルポリオール、ポリカプトラクトンポリオ
ール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリブ
タジエンポリオール、水添化ポリブタジエンポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリチオエーテルポ
リオール、ポリアクリル酸エステルポリオール等のポリ
オール類が挙げられ、これらのうちの1種または2種以
上の混合物が使用できる。
【0013】請求項1記載のウレタン系水性接着剤に
は、上記ポリオールのうち分子内に2個の水酸基を有す
る直鎖状のジオールを用いるのが特に好ましく、請求項
2記載のウレタン系水性接着剤には分子内に3個以上の
水酸基を有するポリオールを用いるのが特に好ましい。
【0014】上記ポリオール化合物(b)の分子量は、
単独で使用される場合には500以上10000以下に
限定されるが、好ましくは800以上7000以下であ
り、さらに好ましくは1000以上5000以下であ
る。分子量が500未満では得られる接着剤が硬くなり
すぎ、10000を超えると水分散前のプレポリマーの
粘度が高くなりすぎ、水分散時の分散操作が困難にな
る。
【0015】上記ポリオール化合物には、必要に応じて
分子量が500未満の、例えばエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等
の低分子量ジオール化合物を混合し、分子量が500以
上10000以下のポリオール化合物と同様に使用する
こともできる。ポリオール化合物(b)は上記の如き性
質を有するものであるから、混合物を適宜選択し、使用
目的や用途に応じて硬さや接着性等、接着剤に必要な物
性を任意に設計することができる。
【0016】ジメチロールアルカン酸化合物(c)とし
ては、次式〔1〕の構造を有する化合物であり、具体的
にはジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジ
メチロール吉草酸等が挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】使用されるジメチロールアルカン酸化合物
(c)の量は、得られるウレタンプレポリマー1g中に
0.1〜2.0ミリモルが含有される量であることが好
ましい。0.1ミリモル未満ではプレポリマーの親水性
が不足し、水中に安定して分散させることが困難であ
る。又、2.0ミリモルを超えるとプレポリマーの親水
性が大きくなりすぎるため、その後得られる水性接着剤
の耐水性が低下する。
【0019】本発明においては、(a)ポリイソシアネ
ート化合物、(b)ポリオール化合物、(c)ジメチロ
ールアルカン酸化合物とを必須成分とし、これらをポリ
オールが有する水酸基の量に対してポリイソシアネート
が有するイソシアネート基が過剰となる条件下で反応さ
せることにより、末端にイソシアネート基を有するプレ
ポリマーを合成する。水酸基の量に対してイソシアネー
ト基が過剰となる条件とは、(ジイソシアネート化合物
(a)/ジオール化合物(b)及びジメチロールアルカ
ン酸化合物(c))の組成比を、ジイソシアネート化合
物中のイソシアネート基と、ジオール化合物中の水酸基
及びジメチロールアルカン酸化合物中の水酸基の合計量
との当量比が1.1〜2.0の範囲となる条件である。
【0020】上記(a)(b)(c)から末端にイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマーとする重合反
応は50〜150℃の温度範囲で行う。重合反応の方法
としてはバルク重合、溶液重合のいずれでもよい。溶液
重合の場合に用いる溶剤は、アセトン、メチルエチルケ
トン、テトラヒドロフラン,酢酸メチル等、イソシアネ
ート基に対し不活性で、水との混和性が高く、且つ、1
00℃以下の沸点を有するものが好ましい。100℃よ
りも高い沸点を有する溶剤を用いると、水分散後の工程
において、得られた分散物から溶剤だけを系外に取り去
ることが困難になるからである。
【0021】本発明で使用される中和剤は、ジメチロー
ルアルカン酸化合物によってウレタンプレポリマー中に
導入されたカルボキシル基を完全もしくは部分的にカル
ボキシレート基に変換させることが可能な塩基性化合物
である。このような目的で使用する中和剤としては、ア
ンモニア、又はトリメチルアミン、トリエチルアミン等
の揮発性第3級アミンが好適である。なぜならば、これ
らの中和剤は乾燥時に飛散させることにより除去し得る
ので皮膜の耐水性が低下しないからである。
【0022】アルカリ金属塩や不揮発性のアミンも中和
剤として用いることができるが、これらのものを中和剤
として用いた場合には、乾燥時に該中和剤を飛散、除去
することができず、皮膜の耐水性が低下するので好まし
くない。これら中和剤の添加量は使用したジメチロール
アルカン酸化合物の当量以下であることが好ましい。使
用したジメチロールアルカン酸化合物の当量を超える中
和剤を添加すると、得られる水分散物のpH値が極端に
高くなり安定な水分散物が得られない。
【0023】親水性有機溶剤はイソシアネート基に対し
不活性で、水との混和性が高く、且つ、100℃以下の
沸点を有するものが挙げられ、アセトン、メチルエチル
ケトン、テトラヒドロフラン酢酸メチル等が好適に用い
られる。
【0024】上記ウレタンプレポリマーと中和剤及び親
水性有機溶剤とを均一に分散できる条件に混合した混合
物を水中に分散する。この時、混合物の粘度が5000
0cps以下となるよう適宜親水性有機溶剤の使用量を
調節することが好ましい。この理由は、混合物の粘度が
50000cpsを超える場合には混合物を水中に分散
させる場合に凝集が起こるなどの問題があるからであ
る。
【0025】又、混合物は上記の構成成分が充分に混合
されて均一系のものになっていることが必要である。混
合物が不均一系であると水中への分散時に凝集を起こし
たり、得られる水性接着剤の安定性が低下し沈降が生じ
たりするためであり、このような場合には親水性有機溶
剤の使用量を混合物が均一系となるように適宜調整す
る。
【0026】上記混合物を水中へ分散する方法として
は、ホモミキサーやディスパー等により機械的剪断力を
受けている混合物中に漸次水を加える方法や、剪断力が
作用している水中に上記混合物を漸次加える方法等のバ
ッチ式手法、または各種の連続的乳化分散機に水と混合
物を定量的に供給して分散する連続的手法のいずれでも
よい。
【0027】更に、上記混合物を水分散する前に、目的
に応じて粘着付与樹脂、可塑剤、充填剤等の添加剤が添
加されてもよい。ここで用いられる添加剤としては、プ
レポリマーに添加後に水分散することから、直接水中に
分散することが困難な疎水性の添加剤を使用することも
可能である。
【0028】本発明では上記混合物の分散工程の後、ま
たは分散工程と同時にイソシアネート基と反応可能な2
個の活性水素を有する化合物及び/又は水によって上記
ウレタンプレポリマーを鎖延長する。鎖延長剤として使
用されるイソシアネート基と反応可能な2個の活性水素
を有する化合物としては、エチレンジアミン、1,4−
テトラメチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、
1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチ
レンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメ
チルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジ
ン、2,5−ジメチルピペラジン、4,4' −ジシクロ
ヘキシルメタンジアミン、3,3' −ジメチル−4,4
' −ジシクロヘキシルメタンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール
化合物、ポリエチレングリコールに代表されるポリアル
キレングリコール類等が挙げられる。これらは単独で使
用してもよく、又、2種類以上を併用してもよい。
【0029】これらの化合物の添加量は、得られるウレ
タンポリマー中の鎖延長起点となるイソシアネート基の
当量以下であることが好ましい。イソシアネート基の当
量を超えてイソシアネート基と反応可能な2個の活性水
素を有する化合物を添加した場合には、鎖延長されたウ
レタンポリマーの分子量が低下して接着剤の凝集力が低
下する。上記化合物の添加は前記混合物の分散後でもよ
く、分散中でもよい。鎖延長は水によっても行うことが
できる。この場合は分散媒としての水が鎖延長剤を兼ね
ることになる。
【0030】重合、又は粘着付与樹脂の混合、あるいは
混合物の水分散の際に添加された揮発性有機溶剤は、水
分散後に加熱、減圧などの手段を用いて系外へ取り除く
ことが可能である。この溶剤が分散物中に多量に残存し
ていると乾燥皮膜の耐溶剤性や耐熱性が低下したり、作
業環境の悪化をもたらして好ましくない。
【0031】請求項1記載のウレタンプレポリマーを含
有する組成物の固形分は50重量%以上であるが、好ま
しくは70重量%以下である。この理由は、70重量%
を超えると貯蔵中に安定性が悪くなり、また、粘度が高
くなって作業性が悪くなるからである。
【0032】固形分が50重量%以上であるウレタンポ
リマーを含有する組成物(A)を得る方法としては、予
めウレタンポリマー/水の比を1以上として水分散を行
った後、脱溶剤する方法、また、ウレタンポリマー/水
の配合比を1以下として水分散を行った後、脱溶剤し、
引続き水を飛散させて固形分50重量%以上とする方法
が挙げられる。ウレタンポリマー/水の配合比が1以下
で水分散を行う場合でも、水を飛散させるには大きなエ
ネルギーを必要とするので、可能な限り配合比は1に近
い方が好ましい。
【0033】又、請求項1記載のカルボキシル基に対し
て反応活性を有する2個以上の官能基を有する化合物の
水分散物(B)としては、架橋剤として知られている、
例えば、イソシアネート系、メラミン系、アジリジン
系、エポキシ系、オキサゾリン系、カルボジイミド系等
の架橋剤の水分散物が使用できる。上記カルボキシル基
に対して反応活性を有する2個以上の官能基を有する化
合物の水分散物(B)は単独で用いてもよく、また2種
以上を併用してもよい。
【0034】上記アジリジン系化合物としては、例え
ば、トリメチロールプロパン−トリ3−〔(1−アジリ
ジニル)プロピオネート〕、ジフェニルメタン−ビス−
4,4 ' −N,N' −ジエチレンウレア、テトラメチロ
ールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、
N,N' −トルエン−2,4−ビス−(1−アジリジン
カルボキシアミド)、N,N' −ヘキサメチレン−1,
6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げ
られる。
【0035】エポキシ系架橋剤としては、例えば、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロ
ールポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジル
エーテル、レゾルシングリシジルエーテル、ソルビトー
ルポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコール
ジグリシジルエーテル、O−フタル酸ジグリシジルエー
テル、エポキシクレゾールノボラック樹脂、変性ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ系
架橋剤の反応活性を高めるために、トリエチレンジアミ
ン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、ヘキサ
メチレンテトラミン等の公知の各種アミン系触媒を用い
ることもできる。
【0036】また、カルボジイミド系架橋剤は、一般式
1 −N=C=N−R2 で表される(但し、R1 、R2
は水素、プロピル基、シクロヘキシル基、p−トルオイ
ル基等)である。本発明のウレタン系水性接着剤には、
目的に応じて更に可塑剤、充填剤、増粘剤、消泡剤及び
防かび剤、防錆剤等が添加されてもよい。上記のように
して得られたウレタン系水性接着剤は適当な粘度に調整
して、塗布、噴霧、含浸等の方法で各種被着体の接着に
用いることができる。
【0037】次に請求項2記載の発明で使用される粘着
付与樹脂は、従来からポリウレタン接着剤の接着性を改
良するために添加されているもので、ロジンガム、トー
ル油ロジン、ウッドロジン、重合ロジン、水添ロジン、
ロジンエステル、水添ロジンエステル、不均化ロジンエ
ステル、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン系樹脂、
テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹
脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳
香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、クマロン樹脂、ス
チレン系樹脂等が挙げられ、軟化点としては60℃以上
160℃以下のものであることが好ましい。
【0038】中でも好適に用いられるのはメタキシレン
とホルムアルデヒドから公知の方法によって得られるキ
シレン樹脂、フェノールやパラ−t−ブチルフェノール
のようなアルキル置換2官能性フェノール等のフェノー
ル類によって変性されたキシレン樹脂、シクロヘキサノ
ンやメチルエチルケトン等のケトン化合物とホルムアル
デヒドから公知の方法によって得られるケトン樹脂、フ
ェノールや場合によってはパラ−t−ブチルフェノール
のようなアルキル置換2官能性フェノール等とホルムア
ルデヒドを酸触媒下で公知の方法によって反応させて得
られるノボラック型フェノール樹脂、アルキルフェノー
ル樹脂である。
【0039】上記粘着付与樹脂は1種又は2種以上を併
用してもよく、その使用量はウレタンポリマー100重
量部に対して5重量部以上200重量部以下であること
が好ましく、より好ましくは5重量部以上150重量部
であり、特に好ましくは10重量部以上100重量部以
下である。使用する粘着付与樹脂の量が5重量部未満で
は接着性の改善効果が充分得られず、また100重量部
を超える場合には得られる水分散物の分散粒子中の疎水
性成分の割合が極端に多くなり安定な水分散物が得られ
ない。
【0040】(作用)請求項1記載の水性接着剤は、ウ
レタンポリマーを含む組成物とカルボキシル基に対して
反応活性を有する官能基を2個以上有する化合物の水分
散物からなるので、経時での貯蔵安定性にすぐれる。
又、ウレタンポリマーを含む組成物の固形分が50重量
%以上であるため、低固形分のものに比べ乾燥時におけ
るウレタン粒子と架橋剤粒子との接触率が高く、架橋反
応が速やかに進行する。そのため、常態及び高温時や高
水分環境においてもすぐれた接着力を有する。
【0041】請求項2記載の水性接着剤では、ウレタン
ポリマーと粘着付与樹脂からなる組成物に、さらに粘着
付与樹脂の水分散物を添加することにより得られたもの
であるから常態における接着力にすぐれる。また、ベー
スポリマーに自己分散性ウレタンポリマーを用いている
ため、粘着付与樹脂の水分散物を添加しても全体量に対
する乳化剤、分散剤量が少なく、さらにウレタン粒子中
と粒子外の両方に粘着付与樹脂が存在することの相乗効
果により、すぐれた耐水接着性を発揮する。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1) ポリプロピレングリコールジオール(日本油脂社製,商品名「ニッサンユニオ ールD−2000」,OH価58,数平均分子量2000)100重量部 3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシア ネート(ヒュルス社製,商品名「ベスタントIPDI」)37.7重量部 ジメチロールプロピオン酸(トリメリットテクニカルプロダクツ社製,商品名 「DMPA」,〔イソシアネート基/水酸基〕の当量比=2.0) 4.4重量部 メチルエチルケトン 35.5重量部
【0043】上記混合溶液を攪拌下に沸点重合を行い、
イソシアネート基の含有量を4.0重量%以下とし、こ
れに粘度調整のためメチルエチルケトン59.2重量部
と、中和剤としてトリエチルアミン3.3重量部を添加
した。次に、上記反応混合物を室温下で激しく攪拌しな
がら水180重量部を加え、その直後に15重量%のエ
チレンジアミン水溶液31.3重量部(固形分としては
4.7重量部)を加え、さらに1時間室温下で攪拌した
後、減圧し、脱溶剤及び水の除去を行って52重量%の
固形分を有するウレタンポリマーの水分散物を得た。
【0044】得られた上記ウレタンポリマーの水分散物
にアジリジン系架橋剤の水分散物(日本触媒社製,商品
名「ケミタイトDZ22−E」),固形分25重量%)
17.2重量部(固形分として4.3重量部)を添加
し、固形分53重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0045】(実施例2)アジリジン系架橋剤の水分散
物に代えて、エポキシ系架橋剤の水分散物(旭電化社
製,商品名「アデカボンタイターHUX−HW−2」,
固形分70重量%)12.2重量部(固形分として8.
6重量部)を使用した以外は実施例1と同様にして固形
分50重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0046】(実施例3)アジリジン系架橋剤の水分散
物に代えて、オキサゾリン系架橋剤の水分散物(日本触
媒社製,商品名「エポクロスCX−K2030E」,固
形分40重量%)35.8重量部(固形分として14.
3重量部)を使用した以外は実施例1と同様にして固形
分50重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0047】(実施例4)ポリプロピレングリコールジ
オールに代えて、ポリカプロラクトンジオール(ダイセ
ル化学工業社製,商品名「プラクセルL220AL」,
OH価58,数平均分子量2000)を使用した以外は
実施例1と同様にして固形分50重量%のウレタン系水
性接着剤を得た。
【0048】(比較例1)ウレタンポリマーの水分散物
を得るために用いた水の量を180重量部から210重
量部に代えた以外は実施例1と同様にして固形分48重
量%のウレタンポリマーの水分散物を得た。この水分散
物にアジリジン系架橋剤の水分散物(日本触媒社製,商
品名「ケミタイトDZ22−E」),固形分25重量
%)17.2重量部(固形分として4.3重量部)を添
加し、固形分46重量%のウレタン系水性接着剤を得
た。
【0049】(比較例2)アジリジン系架橋剤の水分散
物に代えて、エポキシ系架橋剤の水分散物(旭電化社
製,商品名「アデカボンタイターHUX−HW−2」,
固形分70重量%)12.2重量部(固形分として8.
6重量部)を使用した以外は比較例1と同様にして固形
分49重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0050】(比較例3)アジリジン系架橋剤の水分散
物に代えて、オキサゾリン系架橋剤の水分散物(日本触
媒社製,商品名「エポクロスCX−K2030E」,固
形分40重量%)35.8重量部(固形分として14.
3重量部)を使用した以外は比較例1と同様にして固形
分47重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0051】(比較例4)アジリジン系架橋剤の水分散
物に代えて、水溶性エポキシ系架橋剤(ナガセ化成工業
社製,商品名「デナコールEX−512」,固形分50
重量%に水で希釈したもの)8.6重量部(固形分とし
て4.3重量部)を使用した以外は実施例1と同様にし
て固形分52重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0052】(実施例5) ポリプロピレングリコールジオール(日本油脂社製,商品名「ニッサンユニオ ールD−2000」,OH価58,数平均分子量2000) 100重量部 3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシア ネート(ヒュルス社製,商品名「ベスタントIPDI」)31.2重量部 ジメチロールプロピオン酸(トリメリットテクニカルプロダクツ社製,商品名 「DMPA」,〔イソシアネート基/水酸基〕の当量比=1.5) 5.6重量部 メチルエチルケトン 57.0重量部
【0053】上記混合溶液を攪拌下に沸点重合を行い、
イソシアネート基の含有量を2.3重量%以下とし、こ
れに粘度調整のためメチルエチルケトン57重量部と、
中和剤としてトリエチルアミン4.2重量部、ノボラッ
ク型アルキルフェノール樹脂(日立化成社製,商品名
「ヒタノール1501」,軟化点95℃,50重量%メ
チルエチルケトン溶液)82重量部(固形分として41
重量部)を添加した。次に、上記反応混合物を室温下で
激しく攪拌しながら水480重量部を加え、その直後に
10重量%のエチレンジアミン水溶液28重量部(固形
分としては2.8重量部)を加え、さらに1時間室温下
で攪拌した後、減圧し、脱溶剤及び水を除去して35重
量%の固形分を有するウレタンポリマーの水分散物を得
た。
【0054】得られた上記ウレタンポリマーの水分散物
にレゾール型アルキルフェノール樹脂の水分散物(日本
触媒社製,商品名「HRJ10416」,固形分53重
量%)77重量部(固形分としては41重量部)を添加
し、固形分37重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0055】(実施例6)レゾール型アルキルフェノー
ル樹脂の水分散物に代えて、ノボラック型アルキルフェ
ノール樹脂の水分散物(日本触媒社製,商品名「HRJ
10416」,固形分53重量%)77重量部(固形分
としては41重量部)を添加した以外は実施例5と同様
にして固形分37重量%のウレタン系水性接着剤を得
た。
【0056】(実施例7)ノニオン性乳化剤(日本乳化
剤社製,商品名「ニューコール210」3重量部を溶解
した水溶液110重量部を激しく攪拌しながら、これに
ケトン樹脂(日立化成社製,商品名「ハイラック11
1」,軟化点110℃)とメチルエチルケトン等重量混
合溶液140重量部を室温下で滴下して分散させ、次い
で40℃で攪拌した後、減圧して脱溶剤を行い、固形分
35重量%のケトン樹脂水分散物を得た。実施例6のレ
ゾール型アルキルフェノール樹脂の水分散物に代えて、
上記ケトン樹脂の水分散物117重量部(固形分41重
量部)を使用した以外は実施例6と同様にして固形分3
5重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0057】(実施例8)ポリプロピレングリコールジ
オールに代えて、ポリカプロラクトンジオール(ダイセ
ル化学工業社製,商品名「プラクセルL220AL」,
OH価58,数平均分子量2000)100重量部を使
用した以外は実施例6と同様にして固形分37重量%の
ウレタン系水性接着剤を得た。
【0058】(実施例9)ノボラック型アルキルフェノ
ールに代えて、ケトン樹脂(日立化成社製,商品名「ハ
イラック111」,軟化点110℃)41重量部を使用
した以外は実施例6と同様にして固形分37重量%のウ
レタン系水性接着剤を得た。
【0059】(比較例5)ノボラック型アルキルフェノ
ール樹脂の50%メチルエチルケトン溶液の添加量を1
64重量部(固形分として82重量部)とし、レゾール
型アルキルフェノール樹脂の水分散物を使用しなかった
以外は実施例6と同様にして固形分35重量%のウレタ
ンポリマー水分散物を得た。この水分散物をそのまま水
性接着剤とした。
【0060】(比較例6)実施例6のポリプロピレング
リコールジオールに代えて、ポリカプロラクトンジオー
ル(ダイセル化学工業社製,商品名「プラクセルL22
0AL」,OH価58,数平均分子量2000)100
重量部を使用した以外は比較例1と同様にして固形分3
5重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0061】(比較例7) ポリプロピレングリコールジオール(日本油脂社製,商品名「ニッサンユニオ ールD−2000」,OH価58,数平均分子量2000) 100重量部 3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシア ネート(ヒュルス社製,商品名「ベスタントIPDI」)31.2重量部 ジメチロールプロピオン酸(トリメリットテクニカルプロダクツ社製,商品名 「DMPA」,〔イソシアネート基/水酸基〕の当量比=1.5) 5.6重量部 メチルエチルケトン 34.2重量部
【0062】上記混合溶液を攪拌下に沸点重合を行い、
イソシアネート基の含有量を2.3重量%以下とし、こ
れに粘度調整のためメチルエチルケトン57重量部と、
中和剤としてトリエチルアミン4.2重量部を添加し
た。次に、上記反応混合物を室温下で激しく攪拌しなが
ら水370重量部を加え、その直後に10重量%のエチ
レンジアミン水溶液28重量部(固形分としては2.8
重量部)を加え、さらに1時間室温下で攪拌した後、減
圧し、脱溶剤及び水を除去して35重量%の固形分を有
するウレタンポリマーの水分散物を得た。
【0063】得られた上記ウレタンポリマーの水分散物
にレゾール型アルキルフェノール樹脂の水分散物(日本
触媒社製,商品名「HRJ10416」,固形分53重
量%)154重量部(固形分としては82重量部)を添
加し、固形分40重量%のウレタン系水性接着剤を得
た。
【0064】(比較例8)レゾール型アルキルフェノー
ル樹脂の水分散物の添加量を117重量部(固形分とし
て41重量部)から336重量部(固形分として178
重量部)とした以外は実施例5と同様にして固形分42
重量%のウレタン系水性接着剤を得た。
【0065】性能評価 以上の実施例1〜9及び比較例1〜8のウレタン件水性
接着剤について、下記の方法で常態接着力と耐水接着力
を測定した。又、実施例1〜4及び比較例1〜4のもの
について、下記の方法で貯蔵安定性と常態ゲル分/膨潤
比、及び89℃剥離接着力を評価した。 (1)常態接着力 それぞれのウレタン系水性接着剤を帆布と冷間圧延鋼板
(幅25mm、長さ125mm、厚さ2mm)に刷毛を
用いて、帆布には固形分として100g/m2、冷間圧
延鋼板には固形分として40g/m2 を塗布し、80℃
の送風乾燥オーブン中で4分間乾燥した後、圧力60k
g/25mmで両者をロール圧着して試験片を作製し
た。上記試験片を23℃で1週間養生した後、23℃で
50mm/分の引張速度で90度剥離したときの剥離強
度を測定した。 (2)耐水接着力 上記(1)で用いた試験片と同様のものを40℃の温水
中に12時間浸漬した後、水分を拭き取り、23℃で5
0mm/分の引張速度で90度剥離したときの剥離強度
を測定した。 (3)貯蔵安定性 ウレタン系水性接着剤を100gずつガラス製サンプル
瓶にとり、50℃で1ケ月間放置した後の状態を目視で
観察した。 (4)常態ゲル分/膨潤比 ウレタン系水性接着剤を常温で1週間乾燥させて皮膜を
形成し、該皮膜0.3gをガラス製サンプル瓶にとり、
30ccのテトラヒドロフラン(THF)に24時間浸
漬した後THFを蒸発させて乾燥し、乾燥前後の皮膜重
量を測定し、常態ゲル分と膨潤比を次式〔1〕〔2〕に
より求めた。 (5)80℃剥離接着力 上記(1)で用いたものと同様の試験片を80℃の雰囲
気下に5分間放置した後、80℃で50mm/分の引張
速度で90度剥離したときの剥離強度を測定した。以上
の結果を表1、表2に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】実施例1〜4は請求項1記載の本発明に係
るものであり、比較例1〜4はこれに対するものであ
る。又、実施例5〜9は請求項2記載の本発明に係るも
のであり、比較例5〜8はこれに対するものである。従
って、表1、表2により本発明のウレタン系水性接着剤
はいずれの項目において比較例のものに比べ、格段にす
ぐれた性能を有することが判る。
【0069】
【発明の効果】本発明は以上の構成であり、請求項1記
載のウレタン系水性接着剤はウレタンポリマーを含む組
成物の固形分が50重量%以上であるため、常態及び高
温時や高水分環境においてもすぐれた接着力を有するも
のである。
【0070】又、請求項2記載のウレタン系水性接着剤
は、粘着付与樹脂の水分散物を添加することにより得ら
れたものであるから常態における接着力にすぐれる。ま
た、ベースポリマーに自己分散性ウレタンポリマーを用
いているため、粘着付与樹脂の水分散物を添加しても全
体量に対する乳化剤、分散剤量が少なく、さらにウレタ
ン粒子中と粒子外の両方に粘着付与樹脂が存在すること
の相乗効果により、すぐれた耐水接着性を発揮する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリイソシアネート化合物、
    (b)ポリオール化合物、(c)ジメチロールアルカン
    酸化合物との3成分からなり、上記ポリオール化合物が
    有する水酸基の量よりも上記ポリイソシアネート化合物
    が有するイソシアネート基の量が多い配合で反応させて
    得られた末端にイソシアネート基を有するウレタンプレ
    ポリマーと、中和剤及び親水性有機溶剤とからなる均一
    な混合物を水に分散後もしくは分散中に、イソシアネー
    ト基と反応可能な2個の活性水素を有する化合物及び/
    又は水によって上記ウレタンプレポリマーが鎖延長され
    て得られるウレタンポリマーを含有する組成物(A)
    に、カルボキシル基に対して反応活性を有する2個以上
    の官能基を有する化合物の水分散物(B)を添加してな
    るウレタン系水性接着剤において、上記ウレタンポリマ
    ーを含有する組成物(A)の固形分が50重量%以上で
    あることを特徴とするウレタン系水性接着剤。
  2. 【請求項2】 (a)ポリイソシアネート化合物、
    (b)ポリオール化合物、(c)ジメチロールアルカン
    酸化合物との3成分からなり、上記ポリオールが有する
    水酸基の量よりも上記ポリイソシアネート化合物が有す
    るイソシアネート基の量が多い配合で反応させて得られ
    た末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
    ーと、粘着付与樹脂、中和剤及び親水性有機溶剤とから
    なる均一な混合物を水に分散後もしくは分散中に、イソ
    シアネート基と反応可能な2個以上の活性水素を有する
    化合物及び/又は水によって上記ウレタンプレポリマー
    が鎖延長されて得られるウレタンポリマーを含有する組
    成物(A)に、粘着付与樹脂の水分散物(B)が添加さ
    れてなることを特徴とするウレタン系水性接着剤。
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