JPH05320613A - 水分散性接着剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

水分散性接着剤組成物及びその製造方法

Info

Publication number
JPH05320613A
JPH05320613A JP4127712A JP12771292A JPH05320613A JP H05320613 A JPH05320613 A JP H05320613A JP 4127712 A JP4127712 A JP 4127712A JP 12771292 A JP12771292 A JP 12771292A JP H05320613 A JPH05320613 A JP H05320613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tackifier
water
urethane
urethane polymer
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4127712A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Oguchi
善之 大口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP4127712A priority Critical patent/JPH05320613A/ja
Publication of JPH05320613A publication Critical patent/JPH05320613A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散安定性及び機械的安定性に優れ、かつ接
着性及び耐水性に優れた皮膜を形成させることのできる
ウレタン系水分散性接着剤組成物を得る。 【構成】 分子内にイオン性もしくは非イオン性の親水
性基または潜在的イオン性の官能基を有するウレタンポ
リマーを用い、このウレタンポリマーを水分散させる前
の液相中に、分子内に少なくとも1つの酸基を有する粘
着付与剤を添加し均一に混合する。ウレタンポリマーに
混合された粘着付与剤の酸基は、水分散前、水分散の
際、または水分散後に、中和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着性、耐水性、及び
分散安定性に優れた性能を示すポリウレタン系水分散性
接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐水性に優れたポリウレタン樹脂皮膜を
得る方法として、分子内にイオン性もしくは非イオン性
の親水性基または潜在的イオン性の官能基を有するウレ
タンポリマーを用い、乳化剤を用いることなくこのポリ
マーを水分散させ、この分散液を乾燥し皮膜化させる方
法が知られている。特開平3−21626号公報では、
カルボキシル基を有するウレタンポリマーを用いて、乳
化剤を用いずにウレタン系の水性樹脂を得ている。
【0003】特開昭56−20022号公報では、分子
内に親水性基を組み込んだウレタンプレポリマーと疎水
性の添加剤または助剤を水分散前の液相中で緊密に混合
し、その後に乳化剤を用いることなく水分散させて、安
定な水性分散液を得ている。この製造方法によって得ら
れる分散液は、疎水性の添加物を含有しているにも関わ
らず、貯蔵安定性に優れている。特公昭63−5431
9号公報では、アクリル、ゴム系、及びポリエステル等
をベースとしたポリマーに、粘着付与剤を添加し、接着
力や粘着力を向上させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ウレタン系水分散性接
着剤の接着性を改良する方法として、上記特公昭63−
54319号公報と同様に粘着付与剤を添加することが
考えられる。ロジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、各種石油樹脂のような粘着付与剤を添加
する場合には、これらの疎水性の樹脂を乳化剤の存在下
で水中に分散させ、この分散液をベースポリマー材料の
分散液と混合することにより配合を行っている。
【0005】このような方法によれば、粘着付与剤の粒
子と接着剤ベースポリマーの粒子とは別個に分散した状
態の分散液であるため、乾燥後に分散粒子が融着し皮膜
化しても、均一な組成の皮膜を得ることができない。ま
た、粘着付与剤を乳化剤の存在下で分散させた分散液を
用いているので、皮膜の耐水性が劣っているという欠点
も有している。さらに、このような方法で得られた分散
液は、分散安定性が悪いという問題もあった。上記の問
題を解消する方法として、特開昭56−20022号公
報に開示された方法を応用し、分子内に親水性基を組み
込んだウレタンポリマーと疎水性の粘着付与剤とを水分
散させる前の液相中で緊密に混合し、その後水分散させ
る方法が考えられる。しかしながら、このような方法に
よれば、分散液の貯蔵安定性は改善されるものの、分散
液の機械的安定性に劣るという問題があった。
【0006】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、接着性、耐水性及び分散安定性に優れ、さら
に機械的安定性にも優れたポリウレタン系水分散性接着
剤組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
従う水分散性接着剤組成物は、ウレタンポリマーとして
分子内にイオン性もしくは非イオン性の親水性基または
潜在的イオン性の官能基を有するウレタンポリマーを用
い、粘着付与剤として分子内に少なくとも1つの酸基を
有する粘着付与剤を用い、ウレタンポリマーを水分散さ
せる前の液相中に粘着付与剤を添加するか、あるいはウ
レタンポリマーを重合する前のウレタン原料中に粘着付
与剤を添加することによって粘着付与剤をウレタンポリ
マーに均一に混合し、その後粘着付与剤の酸基を中和さ
せることを特徴としている。
【0008】請求項2に記載の発明に従う製造方法は、
分子内にイオン性もしくは非イオン性の親水性基または
潜在的イオン性の官能基を有するウレタンポリマーの液
相中に、分子内に少なくとも1つの酸基を有する粘着付
与剤を添加して混合する工程と、粘着付与剤を混合した
ウレタンポリマーを水分散させる工程と、水分散の前、
水分散の際、または水分散後に、ウレタンポリマー中の
粘着付与剤の酸基を中和する工程とを備えている。
【0009】請求項3に記載の発明に従う製造方法は、
分子内にイオン性もしくは非イオン性の親水性基または
潜在的イオン性の官能基を有するウレタンポリマーを与
える重合前のウレタン原料に、分子内に少なくとも1つ
の酸基を有する粘着付与剤を添加して混合する工程と、
粘着付与剤を混合したウレタン原料を重合させてウレタ
ンポリマーを生成させる工程と、ウレタンポリマーを水
分散させる工程と、水分散の前、水分散の際、または水
分散後に、ウレタンポリマー中の粘着付与剤の酸基を中
和する工程とを備えている。
【0010】請求項1〜3の発明におけるウレタンポリ
マーは、以下の化合物(a)〜(c)を重合することに
より得ることができる。 (a)分子内にイソシアネート基と反応可能な活性水素
原子を含む官能基を2個以上有する、1種または2種以
上の化合物 (b)脂肪族または芳香族系の有機ポリイソシアネート
化合物 (c)分子内にイオン性もしくは非イオン性の親水性基
または潜在的イオン性の官能基を有し、さらにイソシア
ネート基と反応可能な活性水素原子を含む官能基を2個
以上有する化合物
【0011】請求項2に記載の発明では、以上のように
して得られるウレタンポリマーに、分子内に少なくとも
1個の酸基を有する粘着付与剤が添加され混合される。
粘着付与剤の添加は、ウレタンポリマーの液相に対して
行われる。ウレタンポリマー自体が液状である場合に
は、そのまま混合することができるが、固体である場合
には、液状にするため、溶剤を添加して溶液化したり、
加熱してポリマーを溶融状態にして粘着付与剤を添加し
均一に混合する。請求項3に記載の発明の製造方法に従
えば、ウレタンポリマーの原料である化合物(a)、化
合物(b)及び化合物(c)に対して、粘着付与剤が混
合される。これらを緊密に混合した後に、重合してウレ
タンポリマーを生成する。
【0012】化合物(a)としては、ポリオール類、ポ
リアミン類等があるが、ポリオール類が好ましく用いら
れる。ポリオール類としては、例えば、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリ
セリン等の多価アルコール、ジエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
ポリエーテルポリオール、アジピン酸、セバチン酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸等
のジカルボン酸とエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ブチレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール等のグリコールから得ら
れるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリ
オール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ
ブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、
ポリチオエーテルポリオール等のうち、1種または2種
以上の混合物が挙げられる。これらのポリオール類は、
目的や用途に応じて適宜選択することができ、硬さや接
着性等の物性を任意に設計することができる。
【0013】次に、化合物(b)としては、通常のウレ
タン樹脂の製造に使用される有機ポリイソシアネートを
用いることができ、例えば、1,4−テトラメチレンジ
イソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキ
シルメタン−4,4´−ジイソシアネートメチルシクロ
ヘキシル−2,4−ジイソシアネート、テトラメチルキ
シリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート
類、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、1,5−ナフテンジイソシアネート、
ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアル
キルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジ
ベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソ
シアネート等の芳香族ジイソシアネート類等の1種また
は2種以上の混合物が挙げられる。
【0014】化合物(c)としては、分子内にイオン性
もしくは非イオン性の親水性基または潜在的イオン性の
官能基を有するポリヒドロキシ化合物が好適に用いられ
る。イオン性の親水基の例としては、スルホネート基、
カルボキシレート基及びアンモニウム基等が挙げられ
る。非イオン性の親水基としては、ポリオキシエチレン
基あるいは水酸基等が挙げられる。ここで、潜在的イオ
ン性の官能基とは、分散操作前はあるいは分散操作中
に、適当な化合物の添加等の手段により、イオン性基に
完全または一部変換し得るような官能基のことをいう。
具体的には、スルホン酸基やカルボン酸基のような遊離
酸基が挙げられ、中和剤の添加によりアニオン性基とな
るようなものが好ましい。このような遊離酸基を有する
ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、ジメチロール
乳酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチル酪酸のよう
に、分子内にカルボキシル基を有する化合物が挙げられ
る。
【0015】このような潜在的イオン性の官能基を有す
る化合物(c)を用いて、分子内に潜在的イオン性の官
能基を有するウレタンポリマーを得た場合には、いわゆ
る中和剤を用いて、ウレタンポリマー中の酸基をアニオ
ン性基に完全もしくは部分的に変換し、イオン性基とす
ることができる。このような中和剤としては、アンモニ
ア、または揮発性のアミン類を用いることができる。ア
ルカリ金属塩や不揮発性のアミンも中和剤として用いる
ことができるが、これらのものを中和剤として用いた場
合には乾燥後に得られる皮膜の耐水性が若干低下するの
で、耐水性の面からはアンモニアまたは揮発性のアミン
類を用いることが好ましい。アミン類としては、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン等の揮発性の第3級アミ
ンが好適に用いられる。
【0016】ポリウレタンの重合は、イソシアネート基
と活性水素を有する官能基との間の反応によって進行す
る。本発明におけるポリマー重合に関し、活性水素を有
する官能基に対するイソシアネート基の比率は0.5〜
2の範囲内であることが好ましい。さらに好ましくは、
イソシアネート過剰の条件、すなわち前述の比率が1.
1〜2の範囲内である。
【0017】重合反応は50〜150℃の温度範囲内で
行われることが好ましく、バルク重合でも溶液重合でも
よい。溶液重合に用いられる溶剤としては、アセトン、
メチルエチルケトン等のイソシアネート基に対し不活性
なものが好ましく、水と任意の比率で混合することがで
き、しかも100℃以下の沸点をもつものが好ましい。
100℃より高い沸点をもつ溶剤を用いた場合には、脱
溶剤の工程の際に溶剤のみを系外に取り去ることが困難
になるからである。
【0018】請求項1〜3に記載の発明に用いられる、
分子内に少なくとも1個の酸基を有する粘着付与剤とし
ては、ロジン系樹脂が好適に用いられる。例えば、ガム
ロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の生ロジン、
もしくはその誘導体が用いられる。すなわち、重合ロジ
ン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変成ロジン
等のように分子内にカルボキシル基を有するものが挙げ
られる。請求項2に記載の発明に従えば、このような粘
着付与剤は、ウレタンポリマーの液相中で均一に混合さ
れる。上述のようにウレタンポリマー自体が液状である
場合にはそのまま混合すればよいが、ウレタンポリマー
が固体である場合には系を液相にするため、溶剤を添加
して溶液化するか、あるいは加熱してポリマーを溶融状
態にする。
【0019】請求項3に記載の発明に従えば、上記のウ
レタン原料である化合物(a)、化合物(b)及び化合
物(c)に対し上記の粘着付与剤が添加される。この場
合も、ウレタン原料の液相に対して添加されるが、必要
に応じて溶剤を用いてもよい。粘着付与剤をウレタン原
料と均一に混合した後、重合を行う。この際の重合条件
等の各種条件は、上記のポリウレタンの重合条件と同様
である。請求項1〜3に記載の発明では、粘着付与剤中
の酸基が中和され、アニオン性基に変換される。この変
換は、接着剤中のすべての酸基に対し行われてもよい
し、一部のみの酸基に対して行われてもよい。中和剤と
しては、アンモニアまた揮発性のアミン類を用いること
ができる。アルカリ金属塩や不揮発性のアミンも中和剤
として用いることはできる。しかしながら、これらの中
和剤を用いた場合には乾燥後に得られる皮膜の耐水性が
若干低下するおそれがある。アミン類としては、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン等の不揮発性の第3級ア
ミンが好適に用いられる。
【0020】請求項1〜3に記載の発明においては、上
記のようにして得られるウレタンポリマーと粘着付与剤
の混合物を水中に分散させ、分散液とする。分散の方法
としては、混合物を攪拌下に水中に滴下する方法や、攪
拌下の混合物中に水を滴下する方法等公知の方法を適用
することができる。請求項1〜3に記載の発明において
は、ウレタンポリマー中に鎖延長起点となるイソシアネ
ート基を含む場合には、任意の鎖延長剤を用いて鎖延長
することができる。鎖延長剤としては、ポリアミンやポ
リオール、具体的には低分子アルキレンジアミン、低分
子アルキレングリコール等が好適に用いられる。鎖延長
剤の添加は水分散前の段階でも水分散と同時でもよい。
【0021】重合時、粘着付与剤の混合時、あるいは水
分散時に系中に添加された揮発性溶剤は、水分散後に加
熱、減圧等の手段を用いて系中から取り除くことが可能
である。これらの溶剤が分散物中に多量に残存している
と乾燥皮膜の耐溶剤性や耐水性が低下したり、作業環境
の悪化をもたらして好ましくない。上記のようにして得
られた粘着付与剤を含むウレタン系水性分散体は、適当
な粘度及び濃度に調整して、塗布、噴霧、含浸等の方法
によって各種被着体の接着に用いることができる。
【0022】
【作用】請求項1〜3に記載の発明においては、粘着付
与剤をウレタンポリマーまたはウレタン原料の液相中に
添加し均一に混合している。このため、混合の程度は分
子レベルでみて均一であるので、水分散体に変換した後
も粒子中でこれらの成分が均一に混合した形で存在す
る。さらに、均一に混合されずに添加された粘着付与剤
が存在していたとしても、粘着付与剤自体が分子中に酸
基を有しており、しかもこの酸基が中和されて親水性を
高めるので、分散体の機械的安定性や分散安定性を損な
うようなことがない。また乳化剤として界面活性剤を用
いていないので、分散体を乾燥した皮膜の耐水性が非常
に優れている。さらに、粘着付与剤が添加されているの
で、乾燥皮膜の接着性が優れている。
【0023】
【実施例】実施例1 ポリカプロラクトンジオール(OH価=90、ダイセル
化学社製、商品名;PLACCEL,L212)100
g、イソホロンジイソシアネート70.5g、ジメチロ
ールプロピオン酸10.6g、希釈剤としてのメチルエ
チルケトン45gからなる混合溶液を、攪拌しながらイ
ソシアネート含有量が6重量%以下になるまで沸点にお
いて重合を行った。その後、水添ロジン(酸価=16
0、軟化点80℃)90.5gとメチルエチルケトン2
2.6gを加え、約50℃にて30分間攪拌混合した後
にトリエチルアミン34.1gを加えて約20分間攪拌
した後に、混合物を室温まで冷却した。次に、エチレン
ジアミン7.5gの水溶液500gに上記の混合物を激
しく攪拌しながら室温で約30分かけて滴下し、最後に
40℃で攪拌し、減圧して、脱溶剤を行い混合物の水分
散体を得た。
【0024】実施例2 実施例1で用いた水添ロジンに代えて、精製ロジン(酸
価=165、軟化点80℃)を用いることと、添加する
トリエチルアミン量を34.9gにすること以外は、実
施例1と同様の方法で混合物の水分散体を得た。実施例3 実施例1で用いた水添ロジンに代えて、ロジン変成マレ
イン酸樹脂(播磨化成社製、商品名;ハリマックT−8
0、酸価=180、軟化点80℃)を用いることと、添
加するトリエチルアミン量を37.4gにすること以外
は、実施例1と同様の方法で混合物の水分散体を得た。
【0025】実施例4 ポリカプロラクトンジオール(OH価=90、ダイセル
化学社製、商品名;PLACCEL,L212)100
g、イソホロンジイソシアネート70.5g、ジメチロ
ールプロピオン酸10.6g、水添ロジン(酸価=16
0、軟化点80℃)60g、希釈溶剤としてのメチルエ
チルケトン67.9gからなる混合溶液を、攪拌しなが
らイソシアネート含有量が4重量%以下になるまで沸点
において重合を行った。次に、トリエチルアミン34.
1gを加えて、約20分間攪拌した後、混合物を室温ま
で冷却した。最後にエチレンジアミン7.5gの水溶液
500gに上記の混合物を激しく攪拌しながら室温で、
約30分間かけて滴下し、さらに40℃にて攪拌し、減
圧して脱溶剤を行い、混合物の水分散体を得た。
【0026】比較例1 実施例1で用いた水添ロジンに代えて、ロジンエステル
(酸価=2.5、軟化点80℃)を用い、トリエチルア
ミンの添加量を8.4gとすること以外は、実施例1と
同様の方法で混合物の水分散体を得た。比較例2 実施例1で用いた水添ロジンに代えて、石油樹脂(三井
石油化学社製、商品名;FTR6100、軟化点100
℃)を用い、トリエチルアミンの添加量を8.0gとす
ること以外は、実施例1と同様の方法で混合物の水分散
体を得た。
【0027】比較例3 ポリカプロラクトンジオール(OH価=90、ダイセル
化学社製、商品名;PLACCEL,L212)100
g、イソホロンジイソシアネート70.5g、ジメチロ
ールプロピオン酸10.6g、希釈溶剤としてのメチル
エチルケトン45gからなる混合溶液を、攪拌しながら
イソシアネート含有量が6重量%以下になるまで沸点に
おいて重合を行った。次に、トリエチルアミン8.0g
を加えて約20分間攪拌した後、室温まで冷却した。最
後にエチレンジアミン7.5gの水溶液330gに上記
の溶液を激しく攪拌しながら室温で、約30分間かけて
滴下し、さらに40℃にて攪拌し、減圧して脱溶剤を行
い、ウレタンポリマーの水分散体を得た。
【0028】比較例4 比較例3に示した方法により得られたウレタンポリマー
の水分散体200gに、ロジンエステルのエマルジョン
(荒川化学工業社製、商品名;スーパーエステルE−7
20、不揮発分50%、軟化点100℃)78.3gを
添加混合分散体を得た。
【0029】実施例1〜4及び比較例1〜4に使用した
方法によって得られた水分散体を、以下に示す評価方法
によって評価し、その結果を表1に示した。 (1)分散安定性 得られた水分散体を室温で2カ月静置して、沈降物の有
無を確認した。 (2)機械的安定性 得られた水分散体を固形分35%に調製し、100メッ
シュのステンレスフィルターで濾過したものを50gと
り、マーロン式機械的安定性試験機(協和界面科学社製
エマルジョン、ラテックス機械的安定性試験機、CMS
−A型)にて負荷10(kgf)をかけながら、回転数
1000rpmにて、5分間試験した。試験した分散体
を再び100メッシュのステンレスフィルターで濾過し
た後、濾過されずに残った凝集物の重量を測定し、その
試験前の固形分に対する割合を求めた。
【0030】(3)接着性 得られた水分散体を刷毛を用いて、帆布及び硬質塩化ビ
ニル樹脂板(幅25mm、長さ125mm、厚さ2m
m)に塗布し、60℃にで送風乾燥オーブン中で10分
間乾燥させた後、プレス圧着(圧力10kg/cm2
80℃、5分)して試験片を作製した。このようにして
得られた試験片を23℃の条件下で、引張速度50mm
/minにて180度剥離試験を行った。 (4)耐水性 接着性評価試験片と同様にして作製した、帆布×硬質塩
化ビニル試験板を40℃の温水中に、3日間浸漬してか
ら、水分を軽く拭って得られた試験片を23℃の条件
で、引張速度50mm/minにて180度剥離試験を
行った。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、請求項1及び2
に記載の発明に従う実施例1〜3及び請求項1及び3の
発明に従う実施例4の水分散体は、分散安定性に優れて
おり、かつ機械的安定性にも優れている。また、これら
の分散体から得られた粘着剤皮膜は、接着性及び耐水性
においても優れている。
【0033】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の発明に従えば、粘
着付与剤がウレタンポリマーまたはウレタン原料の液相
に対して添加され均一に混合される。このため、水分散
体においても粘着付与剤が粒子中で均一に混合してお
り、均一な皮膜を得ることができる。また、均一に混合
されているので、水分散体における分散安定性も優れて
いる。
【0034】また、粘着付与剤自体が分子中に酸基を有
しており、この酸基が中和された高い親水性を有してい
るため、万一ウレタンポリマー中に混合されず不均一に
存在していても、分散体の機械的安定性や分散安定性を
損なうことがない。請求項1〜3に記載の発明に従え
ば、界面活性剤を使用していないので、水分散体を乾燥
して得られる皮膜の耐水性が非常に優れている。従っ
て、請求項1〜3に記載の発明に従えば、分散安定性、
及び機械的安定性に優れ、さらに接着性及び耐水性に優
れた皮膜を形成することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタンポリマーに粘着付与剤を添加し
    たウレタン系水分散性接着剤組成物であって、 前記ウレタンポリマーとして、分子内にイオン性もしく
    は非イオン性の親水性基または潜在的イオン性の官能基
    を有するウレタンポリマーを用い、前記粘着付与剤とし
    て分子内に少なくとも1つの酸基を有する粘着付与剤を
    用い、前記ウレタンポリマーを水分散させる前の液相中
    に前記粘着付与剤を添加するか、あるいは前記ウレタン
    ポリマーを重合する前のウレタン原料中に前記粘着付与
    剤を添加することによって、前記粘着付与剤をウレタン
    ポリマーに均一に混合し、その後前記粘着付与剤の酸基
    を中和させたことを特徴とする、水分散性接着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 ウレタンポリマーに粘着付与剤を添加し
    たウレタン系水分散性接着剤組成物を製造する方法であ
    って、 分子内にイオン性もしくは非イオン性の親水性基または
    潜在的イオン性の官能基を有するウレタンポリマーの液
    相中に、分子内に少なくとも1つの酸基を有する粘着付
    与剤を添加して混合する工程と、 前記粘着付与剤を混合したウレタンポリマーを水分散さ
    せる工程と、 水分散の前、水分散の際、または水分散後に、前記ウレ
    タンポリマー中の粘着付与剤の酸基を中和する工程とを
    備える、水分散性接着剤組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 ウレタンポリマーに粘着付与剤を添加し
    たウレタン系水分散性接着剤を製造する方法であって、 分子内にイオン性もしくは非イオン性の親水性基または
    潜在的イオン性の官能基を有するウレタンポリマーを与
    える重合前のウレタン原料に、分子内に少なくとも1つ
    の酸基を有する粘着付与剤を添加して混合する工程と、 前記粘着付与剤を混合したウレタン原料を重合させてウ
    レタンポリマーを生成させる工程と、 前記ウレタンポリマーを水分散させる工程と、 水分散の前、水分散の際、または水分散後に、前記ウレ
    タンポリマー中の粘着付与剤の酸基を中和する工程とを
    備える、水分散性接着剤組成物の製造方法。
JP4127712A 1992-05-20 1992-05-20 水分散性接着剤組成物及びその製造方法 Pending JPH05320613A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4127712A JPH05320613A (ja) 1992-05-20 1992-05-20 水分散性接着剤組成物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4127712A JPH05320613A (ja) 1992-05-20 1992-05-20 水分散性接着剤組成物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05320613A true JPH05320613A (ja) 1993-12-03

Family

ID=14966845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4127712A Pending JPH05320613A (ja) 1992-05-20 1992-05-20 水分散性接着剤組成物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05320613A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09157625A (ja) * 1995-12-07 1997-06-17 Sekisui Chem Co Ltd ウレタン系水性接着剤
JP2005060690A (ja) * 2003-07-30 2005-03-10 Mitsui Takeda Chemicals Inc ポリウレタン樹脂、水性ポリウレタン樹脂、親水性改質剤、透湿性樹脂およびポリウレタン樹脂の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09157625A (ja) * 1995-12-07 1997-06-17 Sekisui Chem Co Ltd ウレタン系水性接着剤
JP2005060690A (ja) * 2003-07-30 2005-03-10 Mitsui Takeda Chemicals Inc ポリウレタン樹脂、水性ポリウレタン樹脂、親水性改質剤、透湿性樹脂およびポリウレタン樹脂の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3493796B2 (ja) 水性ポリウレタン樹脂塗料
JP6784689B2 (ja) 水性ポリウレタン分散体
EP0674675A1 (de) Hydrophile polyurethane
JPS6222816A (ja) 貯蔵安定性の放射線硬化性nco−不含有水性エマルジヨンおよびその製造法
CN109206569A (zh) 一种水性聚氨酯和水性聚氨酯胶黏剂及其制备方法
JPH1036481A (ja) 一液湿気硬化型ウレタン組成物及び接着剤
JPH08225780A (ja) ウレタン系水性接着剤組成物
JPH08157801A (ja) 湿気硬化性ウレタンシーラント組成物
US4256615A (en) Adhesive consisting essentially of a ricinoleate urethane polyol and a chlorinated rubber
JPH05320613A (ja) 水分散性接着剤組成物及びその製造方法
JP2003261763A (ja) 水性エマルジョン組成物及びこれを含有する水性接着剤組成物又は水性塗料用プライマー組成物
JPH10110152A (ja) ポリウレタンとポリアミン懸濁液とをベースにした接着剤組成物と、その製造方法および利用
JP2000007909A (ja) ウレタン系水性組成物
JPH10195412A (ja) 水性ウレタン樹脂接着剤組成物
JP2008248201A (ja) 湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤
JPH08269429A (ja) ウレタン系水性接着剤の製造方法
JPH0892540A (ja) ウレタン系水性接着剤組成物
JPH07102233A (ja) 水性接着剤組成物
JPH09157625A (ja) ウレタン系水性接着剤
JPH06220156A (ja) 革の塗料のための、粘着性の低下したアニオン性修飾ポリウレタンウレア
JP4051638B2 (ja) ウレタン組成物及びそれを含む防水材
JP2021080366A (ja) ポリカルボジイミド化合物、水性樹脂架橋剤、水性樹脂組成物及びポリカルボジイミド化合物の製造方法
JPH0632859A (ja) 湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物およびその製造方法
JPH08170064A (ja) ウレタン系水性接着剤組成物
JP3181854B2 (ja) 水性接着剤組成物