JPH08170064A - ウレタン系水性接着剤組成物 - Google Patents

ウレタン系水性接着剤組成物

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JPH08170064A
JPH08170064A JP7272720A JP27272095A JPH08170064A JP H08170064 A JPH08170064 A JP H08170064A JP 7272720 A JP7272720 A JP 7272720A JP 27272095 A JP27272095 A JP 27272095A JP H08170064 A JPH08170064 A JP H08170064A
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water
urethane
compound
parts
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JP7272720A
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English (en)
Inventor
Takeshi Hasegawa
剛 長谷川
Yoshiyuki Oguchi
善之 大口
Tomomoto Toda
智基 戸田
Kozo Makino
耕三 牧野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐水性及び常態の接着性に優れたウ
レタン系接着剤を提供する。 【解決手段】 〔1〕(a)分子内にイソシアネート基
を2個有する化合物、(b)分子内に水酸基を2個有す
る直鎖状ジオール化合物、及び、(c)ジメチロールア
ルカン酸化合物、の3成分からなり、上記水酸基の量よ
りイソシアネート基の量が多い配合で反応させて得られ
た末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ー、〔2〕粘着付与樹脂、〔3〕中和剤、並びに、
〔4〕親水性有機溶剤、の4成分からなる均一な混合物
を、水に分散後に、又は、分散中に、〔5〕イソシアネ
ート基と反応可能な活性水素を2個を有する化合物、及
び/又は、〔6〕水によって前記ウレタンプレポリマー
を鎖延長して得られるウレタンポリマーを含む組成物
〔A〕に、粘着付与樹脂の水分散体〔B〕、及び、カル
ボキシル基に対して反応性を有する官能基を2個以上有
する化合物〔C〕を添加して構成するウレタン系水性接
着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウレタン系水性接着
剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ウレタン系接着剤は、幅広い範囲の被着
体に対し優れた接着性を持ち、柔軟性等の特性にも優
れ、多くの用途に適合するため、幅広く利用されてい
る。一方、ウレタン系接着剤に使用されている有機溶剤
の揮散による大気汚染、作業環境の悪化、火災発生の危
険性などの観点から、近年ウレタン接着剤の分野におい
ても水系への転換を考慮した開発が盛んに行われてい
る。
【0003】しかしウレタン系接着剤の水系接着剤への
転換において、一般に乳化剤を用いてウレタンポリマー
を水分散化した場合、その乾燥皮膜に乳化剤が残留する
ことにより皮膜の耐水性を悪化させるので、このような
接着剤組成物を用いて接着を行うと、吸水によって接着
剤層の凝集力が低下し、その耐水性が著しく悪化する欠
点を有していた。
【0004】この問題を解決するために、分子内にイオ
ン性又は潜在的イオン性の官能基、や非イオン性の親水
性基を有する自己分散性ウレタンポリマーを、乳化剤を
用いることなく安定に水分散させた自已分散性水系ウレ
タン分散液が提案されている。この分散液を、乾燥、皮
膜化させることにより、乳化剤を用いたものより耐水性
に優れたポリウレタン樹脂皮膜が得られる。
【0005】特開平3−21626号公報には、カルボ
キシル基を、ポリウレタン鎖中に導入しこの目的を達す
る技術が開示されている。このときカルボキシル基のイ
オン化剤として揮発性の塩基性化合物を用いれば、乾燥
時に当該イオン化剤を飛散させることにより皮膜の耐水
性を向上させることができる。
【0006】特開平1−69682号公報には、自己乳
化性のウレタン系水性接着剤にケトン樹脂の水分散体を
配合した水性接着剤組成物が開示されている。しかし、
ウレタンポリマーのこのような工夫においては、これに
配合する粘着付与樹脂として乳化剤を使用することによ
って水分散化したものを用いているので、自己分散性の
ウレタンポリマーを用いているにも関わらず充分な耐水
性が得られなかった。
【0007】また、粘着付与樹脂は、一般にウレタンポ
リマーに比較して分子量が低く、軟化点も低い樹脂を使
用するので、高温領域においては接着剤層の凝集力を低
下させることになり、耐熱性も充分満足できるレベルに
はない。
【0008】粘着付与樹脂を添加したウレタン系水性接
着剤の耐水性や耐熱性を改善する試みとして、特開平5
―230364号公報には、ウレタンポリマーと粘着付
与樹脂を乳化剤なしで水分散化し、更に、少なくとも3
個以上のイソシアネート基又は少なくとも3個のイソシ
アネート反応基を有する化合物に代表される多官能性の
ポリオールやポリイソシアネートを用いることにより、
水分散体粒子内に架橋構造を導入する方法が開示されて
いる。しかし、この場合は粒子内のみの架橋構造であ
り、粒子間については架橋構造を形成することはできな
いため、充分な耐熱性の改良には至っていない。また、
多官能成分を原料としているので、製造時の増粘やゲル
化が起こったり、更に、疎水性の粘着付与樹脂をウレタ
ンポリマーの親水性成分によって水中に分散するので、
粘着付与樹脂の添加量を増加させた場合に安定な水分散
体が得られない問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、耐熱性、耐水性及び常態の接着性に優れたウレタン
系接着剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ウレタ
ン系水性接着剤組成物を、〔1〕(a)分子内にイソシ
アネート基を2個有する化合物、(b)分子内に水酸基
を2個有する直鎖状ジオール化合物、及び、(c)ジメ
チロールアルカン酸化合物、の3成分からなり、上記水
酸基の量よりイソシアネート基の量が多い配合で反応さ
せて得られた末端にイソシアネート基を有するウレタン
プレポリマー、〔2〕粘着付与樹脂、〔3〕中和剤、並
びに、〔4〕親水性有機溶剤、の4成分からなる均一な
混合物を、水に分散後に、又は、分散中に、〔5〕イソ
シアネート基と反応可能な活性水素を2個を有する化合
物、及び/又は、〔6〕水によって前記ウレタンプレポ
リマーを鎖延長して得られるウレタンポリマーを含む組
成物〔A〕に、カルボキシル基に対して反応性を有する
官能基を2個以上有する化合物〔C〕を添加して構成す
るところに存する。以下に本発明を詳述する。
【0011】本発明で使用される(a)分子内にイソシ
アネート基を2個有する化合物としては特に限定され
ず、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、メチルシクロヘキ
シル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシ
ル−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、
トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート等
の脂肪族ジイソシアネート類;2,4−トルイレンジイ
ソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,
5−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネ
ート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネー
ト、パラフェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート類等が挙げられる。これらは単独で、又は2
種以上を併用して用いることができる。
【0012】本発明で使用される(b)分子内に水酸基
を2個有する直鎖状ジオール化合物としては、例えば、
分子量500〜10000の範囲にあるポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル
ポリオール類;アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、
無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカ
ルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、トリプロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール等のジオール類とから得
られるポリエステルジオール類;ポリカプロラクトンジ
オール、ポリテトラメチレンエーテルジオール、ポリブ
タジエンジオール、水添化ポリプタジエンジオール、ポ
リカーボネートジオール、ポリチオエーテルジオール、
ポリアクリル酸エステルジオール等が挙げられる。これ
らは単独で、又は2種以上を併用して用いることができ
る。
【0013】上記(b)分子内に水酸基を2個有する直
鎖状ジオール化合物の分子量は、単独で使用される場合
は、500〜10000に限定されるが、好ましくは8
00〜7000、更に好ましくは1000〜5000で
ある。分子量が500未満では得られる接着剤被膜が硬
くなり過ぎ、10000を超えると水分散前のプレポリ
マーの粘度が高くなり過ぎ、水分散時の分散操作が困難
になる。
【0014】本発明において、上記(b)分子内に水酸
基を2個有する直鎖状ジオール化合物は、上記分子量5
00〜10000のものに、必要に応じて分子量が50
0未満の、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の低分子量ジ
オール化合物を混合して分子量500〜10000の分
子内に水酸基を2個有する直鎖状ジオール化合物と同様
に使用することもできる。
【0015】上記(b)分子内に水酸基を2個有する直
鎖状ジオール化合物は、上記のような性質を有するもの
であるので、使用目的や具体的な製品の用途に応じて使
用する化合物の種類を適宜選択して、硬さや接着性等の
接着剤に必要な物性を任意に設計することができる。
【0016】本発明で使用される(c)ジメチロールア
ルカン酸化合物としては、下式で表される構造をもつ化
合物であって、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジ
メチロール酪酸等が挙げられる。
【0017】RC(CH2 OH)2 COOH (式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0018】上記(c)ジメチロールアルカン酸化合物
の添加量は、得られるウレタンプレポリマー1gあたり
0.1〜2.0ミリモルであることが好ましい。0.1
ミリモル未満ではプレポリマーの親水性が不足し、安定
に水中に分散させることが困難である。また2.0ミリ
モルを超えると、プレポリマーの親水性が大きくなり過
ぎ、得られる水性接着剤の耐水性が低下する。
【0019】上記(a)、(b)及び(c)の3成分を
必須成分として、これらを上記水酸基の量よりイソシア
ネート基の量が多い配合で反応させて、末端にイソシア
ネート基を有するウレタンプレポリマーが合成される
が、上記〔(a)成分中のイソシアネート基の当量〕/
〔(b)成分中の水酸基の当量+(c)成分中の水酸基
の当量〕で表される当量比が、1.1〜2.0の範囲と
なるような配合比で配合されることが好ましい。
【0020】上記ウレタンプレポリマー〔1〕の合成
は、バルク重合、溶液重合のいずれの重合方法であって
もよいが、その反応温度は、50〜150℃の温度範囲
内で行われるのが好ましい。反応が溶液重合による場
合、用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチ
ルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル等の
イソシアネート基に対し不活性で、水との混和性が高
く、かつ、100℃以下の沸点をもつものが好ましい。
100℃より高い沸点をもつ溶剤を用いた場合には、水
分散後の工程において、得られた分散物から溶剤のみを
系外に取り去ることが困難になる。
【0021】本発明で使用される〔2〕粘着付与樹脂
は、得られる接着剤の被着体に対する付着性を主として
改良するために添加されるものであって、例えば、ガム
ロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、重合ロジン、
水添ロジン、不均化ロジン、ロジンエステル、水添ロジ
ンエステル、不均化ロジンエステル、ロジン変成フェノ
ール樹脂等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、フェノール
樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン
樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系
石油樹脂、クマロン樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられ
るが、通常、接着剤に用いられるものであれば特に限定
されない。
【0022】上記〔2〕粘着付与樹脂としては、メタキ
シレンとホルムアルデヒドから公知の方法によって得ら
れるキシレン樹脂、フェノールやパラ−t−ブチルフェ
ノールのようなアルキル置換2官能性フェノール等のフ
ェノール類によって変成されたキシレン樹脂、シクロヘ
キサノンやメチルエチルケトン等のケトン化合物とホル
ムアルデヒドから公知の方法によって得られるケトン樹
脂、フェノールや場合によってはパラ−t−ブチルフェ
ノールのようなアルキル置換2官能性フェノール等とホ
ルムアルデヒドを酸触媒下公知の方法によって反応させ
て得られるノボラック型フェノール樹脂、アルキルフェ
ノール樹脂等が特に好ましい。これらは単独で、又は2
種以上を併用して用いることができる。上記〔2〕粘着
剤付与樹脂の軟化点は、60〜160℃であることが好
ましい。
【0023】上記〔2〕粘着付与樹脂の添加量は、ウレ
タンポリマー100重量部に対して5〜200重量部、
好ましくは、5〜150重量部であり、更に好ましく
は、10〜100重量部である。添加量が5重量部未満
では接着性の改善効果が充分に得られず、200重量部
を超える場合には高温での凝集力が極端に低下し、耐熱
性の低下が避けられれないばかりでなく、得られる水分
散体の分散粒子中の疎水性成分の割合が極端に多くなり
安定な水分散体が得られない。
【0024】本発明で使用される〔3〕中和剤は、
(c)ジメチロールアルカン酸化合物によってウレタン
プレポリマー中に導入されたカルボキシル基を完全に又
は部分的にカルボキシレート基に変換させ、得られる接
着剤の耐水性を向上させる目的で配合されるものであっ
て、乾燥時に飛散させることにより除去し得るので皮膜
の耐水性が低下しないことから、例えば、アンモニア;
トリメチルアミン、トリエチルアミン等の揮発性の第3
級アミンが好適に用いられる。
【0025】アルカリ金属塩や不揮発性のアミンも上記
〔3〕中和剤として用いることができるが、これらのも
のを中和剤として用いた場合には、乾燥時に飛散、除去
できず、皮膜の耐水性が低下する場合があるので、使用
に際して注意する必要がある。
【0026】上記〔3〕中和剤の添加量は、使用する上
記(c)ジメチロールアルカン酸化合物の当量以下であ
ることが好ましい。使用したジメチロールアルカン酸化
合物の当量以上の中和剤を添加すると、得られる水分散
体のpH値が極端に大きくなり安定な水分散体が得られ
ない。
【0027】本発明で使用される〔4〕親水性有機溶剤
は、イソシアネート基に対し不活性で、水との混和性が
高く、かつ、100℃以下の沸点をもつものが好まし
い。上記〔4〕親水性有機溶剤としては、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸
メチル等が好適に用いられる。
【0028】本発明においては、上記〔1〕ウレタンプ
レポリマー、〔2〕粘着付与樹脂、〔3〕中和剤、
〔4〕親水性有機溶剤を均一に混合できる条件で混合し
た混合物を水中に分散する。このとき、上記4成分の混
合物の粘度が、50000cps以下になるように
〔4〕親水性有機溶剤の使用量を調節することが好まし
い。混合物の粘度が50000cpsを超える場合に
は、混合物を水中に分散させる場合に凝集する等の問題
が起こる。
【0029】上記4成分は、充分に混合されて均一系に
なっていることが必要である。混合物が不均一系である
場合に水中への分散時に凝集を起こしたり、得られる水
性接着剤組成物の安定性が低下し沈降を起こしたりす
る。このような場合には親水性有機溶剤の使用量を混合
物が均一系になるよう適宜調節する。
【0030】上記4成分の混合物を水中に分散する方法
としては、例えば、ホモミキサーやディスパー等の機械
的剪断力を作用させながら、上記混合物中に漸次水を加
える方法や、剪断力の作用している水中に上記混合物を
漸次加える方法等のバッチ式手法、各種の連続的乳化分
散機に水と上記混合物を定量的に供給して分散する連続
的手法等をとることができる。
【0031】本発明においては、分散工程の後、又は、
分散工程と同時に、〔5〕イソシアネート基と反応可能
な活性水素を2個有する化合物、及び/又は、〔6〕水
によって上記ウレタンプレポリマーを鎖延長する。
【0032】上記ウレタンプレポリマーの鎖延長剤とし
て使用される〔5〕イソシアネート基と反応可能な活性
水素を2個有する化合物としては、例えば、エチレンジ
アミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチ
レンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−
アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル
アミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、キシリレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチ
ルピペラジン、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジア
ミン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジシクロヘキシ
ルメタンジアミン等のジアミノ化合物類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール等のジオール化合物類等
が挙げられる。
【0033】上記〔5〕イソシアネート基と反応可能な
活性水素を2個有する化合物の添加量は、得られたウレ
タンプレポリマー中の鎖延長起点となるイソシアネート
基の当量以下であることが好ましい。イソシアネート基
の当量を超えて添加した場合には、鎖延長されたウレタ
ンポリマーの分子量が低下して接着剤の凝集力が低下す
る。
【0034】上記〔5〕イソシアネート基と反応可能な
活性水素を2個有する化合物の添加は、分散媒として存
在する水よりイソシアネート基に対する求核性が大きい
ので、分散媒として存在する水に優先して反応が進行す
る。
【0035】上記ウレタンプレポリマー〔1〕は、水
〔6〕によっても鎖延長される。この場合、水は上記分
散工程中に存在する分散媒としての水が鎖延長剤を兼ね
ることになる。この反応は、上記ウレタンプレポリマー
中のイソシアネート基と水とが反応し、生成するアミン
は常に新たなイソシアネート基と反応するので、水過剰
にもかかわらず、反応にあずかる水はイソシアネート基
の当量を超えることはない。
【0036】以上のようにしてウレタンプレポリマーを
含有する組成物〔A〕が生成されるが、末端にイソシア
ネート基を有するウレタンプレポリマー〔1〕の合成時
に、粘着剤付与樹脂〔2〕等の混合時、又は、上記混合
物を水に分散する際に、必要に応じて添加された親水性
有機溶剤〔4〕は、水に分散された後、加熱、減圧又は
減圧加熱等の手段を用いて水分散体系外に除去すること
ができる。これらの親水性有機溶剤〔4〕が上記水分散
体中に多量に残存していると、接着剤の乾燥皮膜の耐溶
剤性や耐熱性を低下させたり、接着作業中の作業環境を
悪化させる。
【0037】本発明のウレタン系水性接着剤組成物は、
上記ウレタンポリマーを含む組成物(A)にカルボキシ
ル基に対して反応活性を有する官能基を2個以上有する
化合物(C)を添加してなるものである。
【0038】上記カルボキシル基に対して反応活性を有
する官能基を分子内に2ケ以上有する化合物(C)とし
ては、架橋剤として知られる、例えば、イソシアネート
系、メラミン系、アジリジン系、エポキシ系、オキサゾ
リン系、カルボジイミド系、各種の金属キレート型架橋
剤が使用できる。特に好適に用いられるのは、アジリジ
ン系、エポキシ系、イソシアネート系、オキサゾリン
系、カルボジイミド系、更に好ましくはアジリジン系、
エポキシ系、カルボジイミド系のうち水に溶解、又は水
分散されたものである。上記カルボキシル基に対して反
応活性を有する官能基を2個以上有する化合物(C)
は、単独で用いてもよいし、また2種以上を併用しても
よい。
【0039】上記アジリジン系架橋剤としては、例え
ば、トリメチロールプロパン−トリ−3−[(1−アジ
リジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−ビス
−4,4’−N,N’−ジエチレンウレア、テトラメチ
ロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネー
ト、N,N’−トルエン−2,4−ビス−(1−アジリ
ジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−
1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が
挙げられる。
【0040】上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロー
ルポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポ
リグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテ
ル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタン
ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシ
ジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル等が挙げられる。
【0041】上記エポキシ系架橋剤の反応活性を高める
ために、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレン
ジアミン、ピリジン、ヘキサメチレンテトラミン等の公
知の各種アミン系触媒を併用することもできる。
【0042】上記カルボジイミド系架橋剤としては、一
般式、R1 −N=C=N―R2 において、R1 及びR2
が、水素、プロピル基、シクロヘキシル基、p−トルオ
イル基である化合物等が挙げられる。
【0043】本発明2のウレタン系水性接着剤組成物
は、上記ウレタンポリマーを含む組成物(A)に、粘着
付与樹脂の水分散体(B)及びカルボキシル基に対して
反応活性を有する官能基を2個以上有する化合物(C)
を添加してなるものである。
【0044】上記粘着付与樹脂の水分散体(B)に用い
られる粘着付与樹脂としてはポリウレタン接着剤の接着
性を改良するために添加されるものであっって、例え
ば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、重合
ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、ロジンエステル、
水添ロジンエステル、不均化ロジンエステル、ロジン変
成フェノール樹脂等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、フ
ェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹
脂、ケトン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹
脂、脂環族系石油樹脂、クマロン樹脂、スチレン系樹脂
等が挙げられる。中でも好適に用いられるのは、メタキ
シレンとホルムアルデヒドから公知の方法によって得ら
れるキシレン樹脂、フェノールや、パラ−t−ブチルフ
ェノールのようなアルキル置換2官能性フェノール等の
フェノール類によって変成されたキシレン樹脂、シクロ
ヘキサノンやメチルエチルケトン等のケトン化合物とホ
ルムアルデヒドから公知の方法によって得られるケトン
樹脂、フェノールや場合によってはパラ−t−ブチルフ
ェノールのようなアルキル置換2官能性フェノール等と
ホルムアルデヒドを触媒下公知の方法によって反応させ
て得られるフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂で
ある。
【0045】上記粘着付与樹脂の水分散体(B)に使用
される粘着付与樹脂としては、ウレタンプレポリマーと
混合する〔2〕粘着付与樹脂とは異なり、例えばレゾー
ル型のフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂のよう
なイソシアネート基に対して反応活性な基を有する粘着
付与樹脂を用いることも可能である。上記粘着付与樹脂
の水分散体(B)を得る方法としては、粘着付与樹脂を
乳化剤、分散剤等の添加によって水中に分散させる方法
が挙げられる。
【0046】本発明においては、上記粘着付与樹脂の水
分散体(B)を得るため、適当量の乳化剤、分散剤を用
いているが、ベースポリマーであるウレタンポリマーが
自己分散性であるため、全体量中の乳化剤、分散剤量は
少なく、また、ウレタン粒子内と粒子外の両方に粘着付
与樹脂が存在することの相乗効果により、常態、耐水時
のいずれにおいても優れた接着力が得られる。
【0047】上記粘着付与樹脂は1種単独を用いても2
種以上を併用してもよく、その使用量は、ウレタンポリ
マー100重量部に対して5〜100重量部であること
が好ましい。更に好ましくは10〜70重量部である。
使用する粘着付与樹脂の使用量が5重量部未満では接着
性の改善効果が充分得られず、100重量部を超える
と、水分散体中の乳化剤量の増加による耐水性の低下も
問題となる。
【0048】上記ウレタンプレポリマーと混合する
〔2〕粘着付与樹脂と上記粘着付与樹脂の水分散体
(B)中の粘着付与樹脂の合計量は、250重量部以下
であることが好ましい。更に好ましくは200重量部以
下、特に好ましくは150重量部以下である。この合計
量が250部を超える場合には高温での凝集力が極端に
低下することによる、耐熱性の低下が問題となる。
【0049】本発明のウレタン系水性接着剤組成物は、
上記の他、必要に応じて、可塑剤、充填剤、増粘剤、消
泡剤、防かび剤及び防錆剤等が添加されてもよい。
【0050】上記のようにして得られた粘着付与樹脂を
含むウレタン系水性接着剤組成物は、適当な粘度及び濃
度に調整して、塗布、噴霧、含浸等の方法によって各種
被着体の接着に用いることができる。
【0051】本発明は、ウレタンポリマーとウレタン粒
子内及び粒子外の粘着付与樹脂から構成されているため
常態時の接着力に優れる。また直鎖状の自己分散性ウレ
タンポリマーを用いており、製造時のゲル化等の問題が
ない。さらに粘着付与樹脂の水分散体の添加にあたって
も乳化剤、分散剤の使用量が全体量に対して少なく、ま
た、ウレタンポリマー中のカルボキシル基との反応性を
有する架橋剤を添加しているために、接着剤組成物の吸
水性が少なく凝集力の低下も小さいので耐水接着性に優
れる。さらに、高温時の凝集力の低下も小さいため優れ
た耐熱接着性も有する。
【0052】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0053】実施例1 ポリプロピレングリコールジオール(日本油脂社製、商
品名:ニッサンユニオールD−2000、OH価;5
8、数平均分子量;2000)100重量部、3−イソ
シアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
シルイソシアネート(ヒュルス社製、商品名:ベスタン
トIPDI)31.2重量部、及び、ジメチロールプロ
ピオン酸5.6重量部〔トリメットテクニカルプロダク
ツ社製、商品名:DMPA、(イソシアネート基/水酸
基)の等量比=1.5〕にメチルエチルケトン34.2
重量部からなる混合溶液を、攪拌下に沸点重合を行い、
イソシアネート基の含有量が2.3重量%以下にし、こ
こに粘度調整のためメチルエチルケトン57.0重量部
と、中和剤としてトリエチルアミン4.2重量部、ケト
ン樹脂(日立化成社製、商品名:ハイラック111、軟
化点110℃、50重量%メチルエチルケトン溶液)8
2重量部(固形分41重量部)を添加した。
【0054】ついで、上記反応混合物を室温下にて激し
く攪拌しながら、そこへ水480重量部を加え、直後に
10重量%のエチレンジアミン水溶液28.0重量部
(固形分2.8重量部)を加え、更に1時間室温におい
て攪拌したのち、減圧し、脱溶剤を行った。このように
して得られた水分散体の固形分は35重量%であった。
上記のようにして得られた水分散体に、アジリジン系架
橋剤の水分散体(日本触媒社製、商品名:ケミタイトD
Z−22E、固形分25重量%)21.8重量部(固形
分5.5重量部)を添加し、水性接着剤組成物を得た。
【0055】実施例2 実施例1のポリプロピレングリコールジオールに代え
て、ポリエステルジオール(日本ポリウレタン社製、商
品名:ニッポランN−165、OH価;58、数平均分
子量;2000)100重量部を使用した以外は、実施
例1と同様な方法で固形分35重量%のウレタンポリマ
ー水分散体を得た。次いで、アジリジン系架橋剤(日本
触媒社製、商品名:ケミタイトDZ−22Eに代えて相
互薬工社製、商品名:TAZO)5.5重量部を添加し
実施例1と同様に水性接着剤組成物を得た。
【0056】実施例3 実施例1のケトン樹脂に代えてノボラックアルキルフェ
ノール樹脂(日立化成社製、商品名:ヒタノール150
1、軟化点95℃、50重量%メチルエチルケトン溶
液)82重量部を使用した以外は、実施例1と同様な方
法で固形分35重量%のウレタンポリマー水分散体を得
た。ついで実施例1と同様に架橋剤を添加し水性接着剤
組成物を得た。
【0057】実施例4 実施例1のポリプロピレングリコールジオールに代え
て、ポリカーボネートジオール(日本ポリウレタン社
製、商品名:ニッポランN−982N、OH価;57、
数平均分子量;2000)100重量部に、ジメチロー
ルプロピオン酸5.6重量部を5.5重量部に、ケトン
樹脂に代えてキシレン樹脂(三菱瓦斯化学社製、商品
名:ニカノールHP100、軟化点115℃、50重量
%メチルエチルケトン溶液)82重量部を使用した以
外、実施例1と同様な方法で固形分35重量%のウレタ
ンポリマー水分散体を得た。ついで、実施例1と同様に
架橋剤を添加し水性接着剤組成物を得た。
【0058】実施例5 実施例1のケトン樹脂に代えて実施例3で使用したノボ
ラックアルキルフェノール樹脂82重量部を使用した以
外は、実施例1と同様な方法で固形分35重量%のウレ
タンポリマー水分散体を得た。ついで、アジリジン系架
橋剤の水分散体に代えて、エポキシ系架橋剤(ナガセ産
業社製、商品名:デナコールEX−810、固形分10
0重量%)5.5重量部を添加し実施例1と同様に水性
接着剤組成物を得た。
【0059】実施例6 実施例1のポリプロピレングリコールジオールに代え
て、ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社
製、商品名:プラクセルL220AL、OH価;58、
数平均分子量;2000)100重量部に、ケトン樹脂
に代えて、実施例4で使用したキシレン樹脂82重量部
を使用した以外、実施例1と同様な方法で固形分35重
量%のウレタンポリマー水分散体を得た。ついで、アジ
リジン系架橋剤の水分散体に代えて、カルボジイミド系
架橋剤(ユニオンカーバイド社製、商品名:ユカーリン
クXL−25SE、固形分50重量%)11.0重量部
(固形分5.5重量部)を添加し実施例1と同様に水性
接着剤組成物を得た。
【0060】実施例7 実施例1のケトン樹脂に代えて実施例3で使用したノボ
ラックアルキルフェノール樹脂82重量部を使用した以
外は、実施例1と同様な方法で固形分35重量%のウレ
タンポリマー水分散体を得た。次いで、アジリジン系架
橋剤の水分散体(日本触媒社製、商品名:ケミタイトD
Z−22E、固形分25重量%)21.8重量部(固形
分5.5重量部)とエポキシ系架橋剤(ナガセ産業社
製、商品名:デナコールEZ−614B、固形分100
重量%)5.5重量部と、更にトリエチレンジアミン
(和光純薬社製、試薬、50重量%水溶液)0.6重量
部(固形分0.3重量部)を添加し、実施例1と同様に
水性接着剤組成物を得た。
【0061】実施例8 実施例1のケトン樹脂に代えて実施例3で使用したノボ
ラックアルキルフェノール樹脂82重量部を使用した以
外は、実施例1と同様な方法で固形分35重量%のウレ
タンポリマー水分散体を得た。ついで、アジリジン系架
橋剤の水分散体(日本触媒社製、商品名:ケミタイトD
Z−22E、固形分25重量%)21.8重量部(固形
分5.5重量部)と、エポキシ系架橋剤(ナガセ産業社
製、商品名:デナコールEX−313、固形分100重
量%)5.5重量部と、更にトリエチレンジアミン(和
光純薬社製、試薬、50重量%水溶液)0.6重量部
(固形分0.3重量部)を添加し、実施例1と同様に水
性接着剤組成物を得た。
【0062】実施例9 実施例1のケトン樹脂に代えて実施例3で使用したノボ
ラックアルキルフェノール樹脂82重量部を使用した以
外は、実施例1と同様な方法で固形分35重量%のウレ
タンポリマー水分散体を得た。ついで、アジリジン系架
橋剤の水分散体(日本触媒社製、商品名:ケミタイトD
Z−22E、固形分25重量%)21.8重量部(固形
分5.5重量部)と、カルボジイミド系架橋剤(ユニオ
ンカーバイド社製、商品名:ユカーリンクXL−25S
E、固形分50重量%)11.0重量部(固形分5.5
重量部)を添加し実施例1と同様に水性接着剤組成物を
得た。
【0063】比較例1 実施例1のケトン樹脂に代えて実施例3及び5で使用し
たノボラックアルキルフェノール樹脂82重量部に変更
し、架橋剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同
様な方法で、固形分35重量%のウレタンポリマー水分
散体を得た。この水分散体をそのまま水性接着剤組成物
とした。
【0064】比較例2 実施例1のケトン樹脂41重量部を使用しなかったこと
以外は、実施例1と同様な方法で固形分35重量%のウ
レタンポリマー水分散体を得た。ついで、アジリジン系
架橋剤5.5重量部を4.3重量部に変更して添加し実
施例1と同様に水性接着剤組成物を得た。
【0065】比較例3 比較例2におけるアジリジン系架橋剤を使用しなかった
こと以外は、比較例2と同様な方法で、固形分35重量
%のウレタンポリマー水分散体を得た。この水分散体を
そのまま水性接着剤組成物とした。
【0066】比較例4 ノニオン性乳化剤(日本乳化剤社製、商品名:ニューコ
ール 210)3.0重量部を溶解した水溶液110重
量部に、激しく攪拌しながらノボラックアルキルフェノ
ール樹脂(日立化成社製、商品名:ヒタノール150
1、軟化点95℃)とメチルエチルケトン等重量混合溶
液140重量部を室温で滴下し分散させ、ついで、40
℃にて攪拌したのち、減圧し脱溶剤を行い、固形分35
重量%のノボラックアルキルフェノール樹脂水分散体を
得た。
【0067】上記ノボラックアルキルフェノール樹脂水
分散体117重量部(固形分41重量部)を、比較例2
と同様な方法で得られたウレタンポリマーの水分散体に
添加し固形分35重量%の混合水分散体を得た。(但し
添加するアジリジン系架橋剤量を4.3重量部から5.
5重量部に代えた。)
【0068】比較例5 実施例1の3−イソシアネートメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシルイソシアネート31.2重量部
を42.3重量部に、ポリプロピレングリコールジオー
ルに代えて、ポリプロピレングリコールトリオール(旭
硝子社製、商品名:エクセノール3030、OH価;5
6、数平均分子量;3000、平均官能基数;3)10
0重量部に、ジメチロールプロピオン酸5.6重量部を
6.0重量部に、トリエチルアミン4.2重量部を4.
6重量部に、エチレンジアミン2.8重量部を5.7重
量部に、ケトン樹脂82重量部を87.8重量部に変更
し、残存イソシアネート基が4.3重量%以下になるま
で沸点重合を行った以外は実施例1と同様な方法で、固
形分35重量%のウレタンポリマー水分散体を得た。こ
の水分散体をそのまま水性接着剤組成物とした。
【0069】比較例6 実施例1のケトン樹脂に代えて、実施例3及び5で使用
したノボラックアルキルフェノール樹脂メチルエチルケ
トン50重量%溶液575重量部(固形分288重量
部)に変更したこと以外は実施例1と同様な方法で、固
形分35重量%のウレタンポリマー水分散体を得た。つ
いで、アジリジン系架橋剤21.8重量部を51.6重
量部(固形分12.9重量部)に変更し、実施例1と同
様に架橋剤を添加し水性接着剤組成物を得た。
【0070】比較例7 実施例1の3−イソシアネートメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシルイソシアネート31.2重量部
を42.3重量部に、ジメチロールプロピオン酸及びト
リエチルアミンを使用せず、新たに1,4−ブタンジオ
ール4.0重量部を使用し、エチレンジアミン2.8重
量部を5.7重量部に代えて、更にケトンを用いず、残
存イソシアネート基が4.3重量%以下になるまで沸点
重合を行ったこと、また加える水にノニオン性乳化剤
(日本乳化剤社製、商品名:ニューコール210)4.
4重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様な方法
で固形分35重量%のウレタンポリマー水分散体を得
た。この水分散体に比較例4で使用したノボラックアル
キルフェノール樹脂水分散体125.4重量部(固形分
43.9重量部)を添加してそのまま水性接着剤組成物
とした。
【0071】実施例10 ポリプロピレングリコールジオール(日本油脂社製、商
品名:ニッサンユニオールD−2000、OH価58、
数平均分子量2000)100重量部、3−イソシアネ
ートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイ
ソシアネート(ヒュルス社製、商品名:ベスタントIP
DI)31.2重量部、ジメチロールプロピオン酸5.
6重量部〔トリメットテクニカルプロダクツ社製、商品
名:DMPA、(イソシアネート基/水酸基)の当量比
=1.5〕に、メチルエチルケトン34.2重量部から
なる混合溶液を攪拌下に沸点重合を行い、イソシアネー
ト基の含有量が2.3重量%以下にし、ここに粘度調整
のためメチルエチルケトン57.0重量部と、中和剤と
してトリエチルアミン4.2重量部、ノボラック型アル
キルフェノール樹脂(日立化成社製、商品名:ヒタノー
ル1501,軟化点95℃、50重量%メチルエチルケ
トン溶液)82重量部(固形分41重量部)を添加し
た。
【0072】次いで、上記反応混合物を室温下にて激し
く攪拌しながら、そこへ水480重量部を加え、直後に
10重量%のエチレンジアミン水溶液28.0重量部
(固形分2.8重量部)を加え、更に1時間室温におい
て攪拌した後、減圧し、脱溶剤を行った。このようにし
て得られた水分散体の固形分は35重量%であった。
【0073】上記の如くして得られた水分散体にレゾー
ル型アルキルフェノール樹脂の水分散体(日本触媒社
製、商品名:HRJ10416、固形分53重量%)7
7重量部(固形分41重量部)アジリジン系架橋剤の水
分散体(日本触媒社製、商品名:ケミタイトDZ22−
E、固形分25重量%)21.8重量部(固形分5.5
重量部)を添加し、固形分37重量%の水性接着剤組成
物を得た。
【0074】実施例11 ノニオン性乳化剤(日本乳化剤社製、商品名:ニューコ
ール210)3.0重量部を溶解した水溶液110重量
部に、激しく攪拌しながらノボラック型アルキルフェノ
ール樹脂(日立化成社製、商品名:ヒタノール150
1,軟化点95℃)とメチルエチルケトン当重量混合溶
液140重量部を室温で滴下し、分散させ、次いで、4
0℃にて攪拌した後、減圧し、脱溶剤を行い、固形分3
5重量%のノボラック型アルキルフェノール樹脂水分散
体を得た。実施例10のレゾール型アルキルフェノール
樹脂の水分散体に替えて、上記ノボラック型アルキルフ
ェノール樹脂の水分散体117重量部(固形分41重量
部)を使用した以外、実施例10と同様な方法で固形分
35重量%の水性接着剤組成物を得た。
【0075】実施例12 実施例11のノボラック型アルキルフェノール樹脂の水
分散体の合成方法と同様にして固形分35重量%のケト
ン樹脂(日立化成社製、商品名:ハイラック111、軟
化点110℃)の水分散体を得た。実施例10のレゾー
ル型アルキルフェノール樹脂の水分散体に替えて上記ケ
トン樹脂の水分散体117重量部(固形分41重量部)
を使用した以外、実施例10と同様な方法で固形分35
重量%の水性接着剤組成物を得た。
【0076】上記実施例1〜9、比較例1〜7及び実施
例10〜12によって得られたウレタン系水性接着剤組
成物の常態接着力、耐水接着力及び耐熱接着力を、以下
に示す方法で試験し、結果は表1、表2及び表3に示し
た。
【0077】(1)常態接着力 得られたウレタン系水性接着剤組成物を帆布及び冷間圧
延鋼板(幅25mm、長さ125mm、厚さ2mm)に
刷毛塗りにより帆布には塗布量、固形分量100(g/
2 )、冷間圧延鋼板には同40(g/m2 ))で塗布
し、80℃の送風乾燥オーブン中で4分間乾燥させた
後、圧力60kg/25mmで両者をロール圧着し試験
片を作成した。上記試験片を23℃で1週間養生後、2
3℃において、50mm/minの引張り速度で90度
剥離試験を行った。
【0078】(2)耐水接着力 前項の試験片を40℃の温水中に12時間浸漬した後、
水分を拭き取り23℃において、50mm/minの引
張り速度で90度剥離試験を行った。 (3)高温時接着力 得られたウレタン系水性接着剤組成物を25mm幅の帆
布に刷毛塗りにより、塗布量、固形分100(g/
2 )で塗布し、室温で48時間乾燥した。上記接着剤
同士を貼り合わせ、80℃で10kg/cm2 の圧力で
5分間熱プレスし、25mm×25mmの試験片を作成
した。上記試験片の片方の帆布にIkgの錘を付け、1
00℃の雰囲気中で180度剥離クリープ試験を行い、
錘が落下するまでの時間を測定した。 (4)80℃剥維接着力 常態接着力の評価試験片と同様の試験片を80℃の雰囲
気下に5分間放置し、その後同様の雰囲気下で50mm
/minにの引張り速度で90度剥離試験を行った。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】本発明のウレタン系水性接着剤組成物
は、上述の構成であるので、接着剤の製造時に大きい粘
度の上昇やゲル化の問題がなく、かつ、ウレタン粒子内
及び粒子外に存在する粘着付与樹脂の相乗効果により優
れた接着力を示し、更に、接着剤として使用されたとき
初めて、ウレタンポリマー中のカルボキシル基と反応性
を有する架橋剤によって、接着剤の粒子間の架橋反応が
進行し、塗工された塗膜の吸水性が小さくなり、高温時
の凝集力の低下も少ないので、耐水性、耐熱性に優れた
塗膜を形成することができる。従って、上記接着剤とし
て必要な性能を有しているため、ドア、間仕切り、外壁
材、机の天板等の製造に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 耕三 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔1〕(a)分子内にイソシアネート基
    を2個有する化合物、(b)分子内に水酸基を2個有す
    る直鎖状ジオール化合物、及び、(c)ジメチロールア
    ルカン酸化合物、の3成分からなり、上記水酸基の量よ
    りイソシアネート基の量が多い配合で反応させて得られ
    た末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
    ー、〔2〕粘着付与樹脂、〔3〕中和剤、並びに、
    〔4〕親水性有機溶剤、の4成分からなる均一な混合物
    を、水に分散後に、又は、分散中に、〔5〕イソシアネ
    ート基と反応可能な活性水素を2個有する化合物、及び
    /又は、〔6〕水によって前記ウレタンプレポリマーを
    鎖延長して得られるウレタンポリマーを含む組成物
    〔A〕に、カルボキシル基に対して反応性を有する官能
    基を2個以上有する化合物〔C〕を添加してなることを
    特徴とするウレタン系水性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 〔1〕(a)分子内にイソシアネート基
    を2個有する化合物、(b)分子内に水酸基を2個有す
    る直鎖状ジオール化合物、及び、(c)ジメチロールア
    ルカン酸化合物、の3成分からなり、上記水酸基の量よ
    りイソシアネート基の量が多い配合で反応させて得られ
    た末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
    ー、〔2〕粘着付与樹脂、〔3〕中和剤、並びに、
    〔4〕親水性有機溶剤、の4成分からなる均一な混合物
    を、水に分散後に、又は、分散中に、〔5〕イソシアネ
    ート基と反応可能な活性水素を2個有する化合物、及び
    /又は、〔6〕水によって前記ウレタンプレポリマーを
    鎖延長して得られるウレタンポリマーを含む組成物
    〔A〕に、粘着付与樹脂の水分散体〔B〕、及び、カル
    ボキシル基に対して反応性を有する官能基を2個以上有
    する化合物〔C〕を添加してなることを特徴とするウレ
    タン系水性接着剤組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272775A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Toyo Mooton Kk 水性一液ウレタン樹脂接着剤の製造方法
JP2009096939A (ja) * 2007-10-19 2009-05-07 Toyo Ink Mfg Co Ltd 接着剤組成物、それを用いた接着剤シート、および補強材付きフレキシブルプリント配線板
JP2018095876A (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 三洋化成工業株式会社 ポリウレタン樹脂組成物水性分散体
JPWO2018021132A1 (ja) * 2016-07-26 2018-07-26 Dic株式会社 樹脂組成物、及び積層体

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