JPH09156008A - 車両用内装材の成形方法 - Google Patents

車両用内装材の成形方法

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JPH09156008A
JPH09156008A JP34600295A JP34600295A JPH09156008A JP H09156008 A JPH09156008 A JP H09156008A JP 34600295 A JP34600295 A JP 34600295A JP 34600295 A JP34600295 A JP 34600295A JP H09156008 A JPH09156008 A JP H09156008A
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野 芳 弘 浅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形時に溶融発泡状態にあるPP基材
のセルが潰される虞れがなく、PP基材の深絞り部等に
おいて、シャープなR形状の成形をする。内装基材の肉
厚が薄くなる虞れがなく、強度を向上させる。 【解決手段】 PP基材12と表皮材13とをPP基材
12を成形温度まで加熱した状態でプレス成形型21に
より一体にプレス成形し、次いで前記プレス成形型21
の内部の空気を真空引きし、PP基材12のセルを膨張
させる。真空引きによるPP基材12のセルの膨張を、
プレス成形型21による一体プレス成形後、5〜30秒
経過後に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用内装材の成形
方法に関し、更に詳細に説明すると、成形天井や、ドア
トリム、その他の車両用内装材に用いられ、内装基材
と、該内装基材の表面側に接合される表皮材とからなる
車両用内装材の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等の成形天井や、ドアト
リム及びその他の内装材は天井基材及び内装基材等に表
皮材を接合して形成されている。これら天井基材及び内
装基材は発泡ポリプロピレン基材(以下PP基材とい
う。)を用いたものが存在する。
【0003】図4に示す如く、従来の車両用成形天井等
の内装材1は内装基材2と、この内装基材2の表面側に
接合された表皮材3とから形成されている。前記内装基
材2はPP基材からなり、また、表皮材3は不織布等か
らなる。尚、表皮材3を表面側のトリコット等の布製の
表皮と、この表皮の裏面側に積層されたスラブウレタン
等のワディングとから形成することもできる。
【0004】従来の内装材1のPP基材からなる内装基
材2と表皮材3とを接合する場合には、PP基材の表面
温度を220〜240℃に加熱し、加熱発泡させた状態
で表皮材3に積層し、常温でプレス成形して一体化して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図4に示す従来の内装
材1のPP基材からなる内装基材2と表皮材3とを接合
する場合には、PP基材の表面温度を220〜240℃
に加熱し、加熱発泡させた状態で表皮材3に積層し、常
温でプレス成形しているが、表皮材3に皺が発生しない
ようにテンションを掛けているので、プレス成形時に溶
融発泡状態にあるPP基材のセルが潰され、PP基材の
深絞り部等において、下型22及び上型23の凹凸によ
るR形状22a,23aに沿った成形ができず、表皮材
3と上型23との間に隙間5が発生し、シャープなR形
状を得ることができず、また内装基材2の肉厚が薄くな
り、強度が低下する虞れを有していた。またPP基材の
深絞り部に限らず一般面の平面部においても、内装基材
2の成形後に冷却されて10〜15%収縮するため強度
が低下する虞れを有していた。
【0006】本発明の目的は、プレス成形時に溶融発泡
状態にあるPP基材からなる内装基材のセルが潰される
虞れがなく、PP基材の深絞り部等において、シャープ
なR形状の成形ができ、内装基材の肉厚が薄くなる虞れ
がなく、強度を向上させることができる車両用内装材の
成形方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に
鑑みてなされたもので、請求項1記載の車両用内装材の
成形方法は、内装基材と、該内装基材の表面側に接合さ
れる表皮材とからなる車両用内装材の成形方法におい
て、前記内装基材を発泡ポリプロピレン基材から形成
し、前記発泡ポリプロピレン基材と表皮材とを発泡ポリ
プロピレン基材を成形温度まで加熱した状態でプレス成
形型により一体にプレス成形し、次いで前記プレス成形
型の内部の空気を真空引きし、発泡ポリプロピレン基材
のセルを膨張させることを特徴とする。
【0008】また請求項2記載の車両用内装材の成形方
法は、内装基材と、該内装基材の表面側に接合される表
皮材とからなる車両用内装材の成形方法において、前記
内装基材を発泡ポリプロピレン基材から形成し、前記発
泡ポリプロピレン基材の裏面に加熱時ドローダウン防止
用の不織布を積層し、前記発泡ポリプロピレン基材と不
織布及び表皮材とを発泡ポリプロピレン基材を成形温度
まで加熱した状態でプレス成形型により一体にプレス成
形し、次いで前記プレス成形型の内部の空気を真空引き
し、発泡ポリプロピレン基材のセルを膨張させることを
特徴とする。
【0009】また請求項3記載の車両用内装材の成形方
法は、前記プレス成形型の内部の空気の真空引きによる
発泡ポリプロピレン基材のセルの膨張を、プレス成形型
による一体プレス成形後、5〜30秒経過後に行うこと
を特徴とする。
【0010】本発明の請求項1に記載の車両用内装材の
成形方法によれば、発泡ポリプロピレン基材を成形温度
まで加熱した状態で、発泡ポリプロピレン基材と表皮材
とをプレス成形型により一体にプレス成形し、次いで前
記プレス成形型の内部の空気を真空引きし、発泡ポリプ
ロピレン基材のセルを膨張させているので、発泡ポリプ
ロピレン基材のセルが一時的にプレス成形により圧縮さ
れても、再び真空引きにより引き伸ばされ、発泡ポリプ
ロピレン基材の厚さが増大し、シャープなR形状の成形
ができる。
【0011】また、本発明の請求項2に記載の車両用内
装材の成形方法によれば、前記発泡ポリプロピレン基材
の裏面に加熱時ドローダウン防止用の不織布を積層して
いるので、発泡ポリプロピレン基材を成形温度まで加熱
しても発泡ポリプロピレン基材がドローダウンする虞れ
がなく、また発泡ポリプロピレン基材の裏面がプレス成
形型により一体にプレス成形される際に発泡ポリプロピ
レン基材の裏面側のセルが一時的にプレス成形により圧
縮されても、再び真空引きにより引き伸ばされ、発泡ポ
リプロピレン基材の厚さが増大し、シャープなR形状の
成形ができる。
【0012】また、本発明の請求項3に記載の車両用内
装材の成形方法によれば、前記プレス成形型の内部の空
気の真空引きによる発泡ポリプロピレン基材のセルの膨
張を、プレス成形型による一体プレス成形後、5〜30
秒経過後に行うので、発泡ポリプロピレン基材の温度が
低下し、溶融し過ぎの状態で真空引きすることがなく、
セルの破壊を防止することができ、シャープなR形状の
成形ができ、内装基材の肉厚が厚くなり強度が向上し、
表皮材と内装基材とが剥離するのを防止し、感触及び外
観を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用内装材
の成形方法を図面を参照して詳述する。図1及び図2
(a),(b)には本発明に係る車両用内装材の成形方
法の実施の形態の概略が示されており、本実施の形態に
おいては、内装材として車両用成形天井に適用した場合
につき説明するが、これに限定されるものではない。
【0014】図1に示す如く、内装材11は内装基材1
2と、この内装基材12の表面側に積層された表皮材1
3とから形成されている。前記内装基材12は二次発泡
または後発泡ポリプロピレン(PP)基材からなり、こ
のPP基材にはガラス繊維が5〜20重量%混合されて
いる。またPP基材は目付け量700〜1000g/m2
発泡厚さ3.5〜5.0mm,原反に対して4〜5倍発泡
のものが用いられる。
【0015】また、表皮材13は不織布等からなり、例
えばPET不織布からなる目付け量100〜200g/m2
のものが用いられる。尚、PP不織布、PE不織布、ナ
イロン不織布、アクリル不織布等であってもよく、また
は表面側のトリコット等の布製の表皮と、この表皮の裏
面側に積層されたスラブウレタン等のワディングとから
形成された表皮材を用いることもできる。
【0016】前記PP基材を成形温度まで加熱した状態
で常温のプレス成形型21によりPP基材からなる内装
基材12と表皮材13とが一体にプレス成形され、加熱
溶融したPP基材が表皮材13の裏面側に含浸して内装
基材12と表皮材13とが接合状態で成形される。
【0017】前記プレス成形型21の下型22及び上型
23は真空成形型に形成され、下型22及び上型23の
凹凸によるR形状22a,23aに対応する位置に複数
の空気排出孔25が形成され、これらの複数の空気排出
孔25と連通するように真空ポンプ27が設けられてい
る。
【0018】次に、図2(a),(b)を参照して内装
材11の成形方法を更に説明する。前記PP基材12を
加熱炉等により加熱する。PP基材12の表面温度を2
20〜240℃に加熱した後、20〜50℃の常温のプ
レス成形型21の下型22及び上型23の間に挿入す
る。
【0019】前記常温のプレス成形型21の上型23に
は、PET不織布からなる表皮材13がクランプされて
いる。プレス成形型21の下型22及び上型23を型締
めすることにより、加熱溶融したPP基材12の表面側
がPET不織布からなる表皮材13の裏面側に含浸し、
含浸接合される。
【0020】次いで、プレス成形型21による一体プレ
ス成形後、5〜30秒経過後に、好ましくは10〜15
秒経過後に、前記プレス成形型21の真空ポンプ27を
作動させ、プレス成形型21内部の空気を空気排出孔2
5を介して真空引きし、PP基材12のセルを膨張させ
る。
【0021】前記真空引きを一体プレス成形後、5秒経
過以前に行うとPP基材12のセルが加熱溶融した状態
であるので、PP基材12のセルが破壊される虞れを有
し、また31秒以上経過後ではPP基材12が冷却し過
ぎ、セルの膨張が十分に得られなくなるものである。
【0022】図3には、本発明の異なる実施の形態が示
されており、この実施の形態では前記PP基材12の裏
面に加熱時ドローダウン防止用の不織布15を積層した
ことを除いては、前述せる実施の形態と同様である。
【0023】従って、前記PP基材12と不織布15及
び表皮材13とをPP基材12と不織布15とを成形温
度まで加熱した状態で常温のプレス成形型21により一
体にプレス成形し、次いで前記プレス成形型21の内部
の空気を真空ポンプ27を作動させて真空引きすること
により、PP基材12のセルを膨張させることができ
る。
【0024】尚、プレス成形型21内部の空気を真空引
きする空気排出孔25は図3に示す実施の形態ではPP
基材12の深絞り部に限らず一般面の平面部に対応する
位置にも形成され、PP基材12の平面部のセルも膨張
させることができるようになされている。
【0025】
【発明の効果】以上が本発明に係る車両用内装材の成形
方法の実施の形態の方法であるが、本発明の請求項1記
載の車両用内装材の成形方法によれば、内装基材を発泡
ポリプロピレン基材から形成し、前記発泡ポリプロピレ
ン基材と表皮材とを発泡ポリプロピレン基材を成形温度
まで加熱した状態で常温のプレス成形型により一体にプ
レス成形し、次いで前記プレス成形型の内部の空気を真
空引きし、発泡ポリプロピレン基材のセルを膨張させて
いるので、発泡ポリプロピレン基材のセルが真空引きに
より引き伸ばされ、発泡ポリプロピレン基材の厚さが増
大し、シャープなR形状の成形ができる。
【0026】また請求項2記載の車両用内装材の成形方
法によれば、発泡ポリプロピレン基材の裏面に加熱時ド
ローダウン防止用の不織布を積層し、前記発泡ポリプロ
ピレン基材と不織布及び表皮材とを発泡ポリプロピレン
基材を成形温度まで加熱した状態で常温のプレス成形型
により一体にプレス成形し、次いで前記プレス成形型の
内部の空気を真空引きし、発泡ポリプロピレン基材のセ
ルを膨張させているので、発泡ポリプロピレン基材の加
熱時に発泡ポリプロピレン基材がドローダウンするのを
防止することができ、プレス成形後、発泡ポリプロピレ
ン基材のセルが真空引きにより引き伸ばされ、発泡ポリ
プロピレン基材の厚さが増大し、シャープなR形状の成
形ができる。
【0027】また請求項3記載の車両用内装材の成形方
法によれば、前記プレス成形型の内部の空気の真空引き
による発泡ポリプロピレン基材のセルの膨張を、プレス
成形型による一体プレス成形後、5〜30秒経過後に行
うので、発泡ポリプロピレン基材の温度が低下し、溶融
し過ぎの状態で真空引きすることがなく、セルの破壊を
防止することができ、シャープなR形状の成形ができ、
内装基材の肉厚が厚くなり強度が向上し、表皮材と内装
基材とが剥離するのを防止し、感触及び外観を向上させ
ることができる。
【0028】本発明によれば、プレス成形時に溶融発泡
状態にある発泡ポリプロピレン基材からなる内装基材の
セルが潰される虞れがなく、発泡ポリプロピレン基材の
深絞り部等において、シャープなR形状の成形ができ、
内装基材の肉厚が薄くなる虞れがなく、強度を向上させ
ることができる車両用内装材の成形方法を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる車両用内装材の成形方法を示す
もので、常温でプレス成形した後、真空引きした状態の
一部断面図。
【図2】本発明に係わる車両用内装材の成形方法を示す
もので、(a)は内装基材と表皮材を積層する状態の断
面図、(b)は常温でプレス成形した後、真空引きした
状態の断面図。
【図3】本発明に係わる車両用内装材の成形方法の異な
る実施の形態を示すもので、常温でプレス成形した後、
真空引きした状態の一部断面図。
【図4】従来の車両用内装材の成形方法を示す一部断面
図。
【符号の説明】
11 内装材 12 内装基材 13 表皮材 15 不織布 21 プレス成形型 22 下型 23 上型 25 空気排出孔 27 真空ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:58

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内装基材と、該内装基材の表面側に接合
    される表皮材とからなる車両用内装材の成形方法におい
    て、前記内装基材を発泡ポリプロピレン基材から形成
    し、前記発泡ポリプロピレン基材と表皮材とを発泡ポリ
    プロピレン基材を成形温度まで加熱した状態でプレス成
    形型により一体にプレス成形し、次いで前記プレス成形
    型の内部の空気を真空引きし、発泡ポリプロピレン基材
    のセルを膨張させることを特徴とする車両用内装材の成
    形方法。
  2. 【請求項2】 内装基材と、該内装基材の表面側に接合
    される表皮材とからなる車両用内装材の成形方法におい
    て、前記内装基材を発泡ポリプロピレン基材から形成
    し、前記発泡ポリプロピレン基材の裏面に加熱時ドロー
    ダウン防止用の不織布を積層し、前記発泡ポリプロピレ
    ン基材と不織布及び表皮材とを発泡ポリプロピレン基材
    を成形温度まで加熱した状態でプレス成形型により一体
    にプレス成形し、次いで前記プレス成形型の内部の空気
    を真空引きし、発泡ポリプロピレン基材のセルを膨張さ
    せることを特徴とする車両用内装材の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記プレス成形型の内部の空気の真空引
    きによる発泡ポリプロピレン基材のセルの膨張を、プレ
    ス成形型による一体プレス成形後、5〜30秒経過後に
    行うことを特徴とする請求項1または請求項2の何れか
    に記載の車両用内装材の成形方法。
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