JPH09154819A - 光束偏向装置及び該装置を用いる眼科装置 - Google Patents

光束偏向装置及び該装置を用いる眼科装置

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JPH09154819A
JPH09154819A JP7345100A JP34510095A JPH09154819A JP H09154819 A JPH09154819 A JP H09154819A JP 7345100 A JP7345100 A JP 7345100A JP 34510095 A JP34510095 A JP 34510095A JP H09154819 A JPH09154819 A JP H09154819A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射率の低い被検物でも正確に測定する。 【構成】 レーザーダイオード66を発した測定光はダ
イクロイックミラー59を透過する。一方、トラッキン
グ用光源68から発したトラッキング光は、ダイクロイ
ックミラー59で反射されて上述の測定光と重畳され
る。測定光とトラッキング光はレンズ54を通ってガル
バノメトリックミラー52の左側反射面52bで一度反
射され、黒点板57を通った後に、凹面ミラー58にお
いて反射され、再び黒点板57、光路長補正用半月板5
6を通りガルバノメトリックミラー52に戻される。イ
メージローテータ51を経て、バンドパスミラー42に
より対物レンズ32へ偏向された両光束は、対物レンズ
32を介して被検眼Eの眼底Eaを照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対物レンズを介し
て被検物に検査光を照射し、かつその反射光を再び対物
レンズを介し受光する光束偏向装置及び該装置を用いる
眼科装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の眼科機器のコンフォーカル走査型
眼底カメラのような光学装置においては、被検物に照射
される検査用光束の光路が二次元に走査を行い、その反
射光をその光路とほぼ同じ光路に戻し、同一の走査部材
を用い再びその走査を相殺するような光束偏向手段が利
用されている。より一般的には、コンフォーカル走査型
の顕微鏡においても同様のものが用いられたり、又は治
療用レーザー装置でその治療部位の情報をも同時に取り
込むようなものにも利用が進んでいる。
【0003】このような光束偏向器の代表例として、特
表平6−501166号公報が知られている。この装置
は図7に示すように、検査用光路と反射光路のクロスト
ークを防ぐために、回転可能な第1の両面ミラー1、第
2の両面ミラー2を有している。
【0004】発光器3からの検査用光束は光軸Laに沿っ
て進み、第1の両面ミラー1の第1面1aで反射し、ミ
ラーレンズ4、ミラー5、ミラーレンズ6を介して第2
の両面ミラー2の第1面2aで反射された後に、対物レ
ンズ7により被検眼Eへ向けて照射される。一方、被検
眼Eにおいて反射された反射光は光路Lbに沿って受光さ
れるが、それは対物レンズ7で受光された後に、第1の
第1の両面ミラー1の第2面1b、第2の両面ミラー2
の第2面2bでその偏向角が相殺された形で、図示しな
い受光素子へ向かうように構成されている。
【0005】即ち、対物レンズ7以外では、両光束は完
全に分離した状態で偏向が行われるのである。このよう
な光束偏向器を有する眼科装置としては、例えば米国特
許公報5106184号に記載されているように、被検
眼の眼圧の血管内を流れる血流速度を計測する眼底血流
計が知られている。
【0006】その測定原理を図8〜図10を用いて説明
すると、光路K1上には照明光学系が配置されており、照
明用光源11からの白色光束は孔あきミラー12で反射
され、スリット13、レンズ14、被検眼Eの角膜の屈
折力を相殺して眼底Eaを観察可能とするコンタクトレン
ズ15を介して、眼底Ea上の血管Evを照明する。また、
孔あきミラー12の背後の光路上には、測定用のHe−
Neレーザー光を発する測定用レーザー光源16が配置
されており、測定用レーザー光源16からの測定光は孔
あきミラー12の中央の開孔部を通り、照明用光源11
からの光束と同軸にされ、スリット13、レンズ14、
コンタクトレンズ15を介して眼底Eaを点状に照射す
る。
【0007】血管Ev内を流れる血球及び血管壁により散
乱反射された光束は、角度α’を成す光路K2、K3上に配
置された立体観察用の受光光学系の対物レンズ17a、
17bを通り、ミラー18a、18b、ミラー19a、
19bで反射され、接眼レンズ20a、20bを介して
検者により眼底像として観察され、検者は接眼レンズ2
0a、20bを覗いて眼底Eaを観察しながら測定部位を
選択する。
【0008】図9は検者により観察される眼底像であ
り、照明光により照明されている領域Io内において、測
定対象となる血管Evと接眼レンズ20a、20bの焦点
面に予め用意されているスケールSCとを合軸にすると、
測定用レーザー光源16による測定光と血管Evが合軸と
なり、測定用レーザー光源16によるスポット光PSによ
って測定部位が決定される。このとき、眼底Eaからの反
射光は光ファイバ21a、21bを介してフォトマルチ
プライヤ22a、22bに受光される。
【0009】この受光信号は血管Ev内を流れる血流によ
りドップラーシフトした成分と、静止している血管壁で
反射された成分とが、それぞれ干渉することによって生
ずる所定のビート信号成分を含んでおり、このビート信
号を周波数解析して血管Ev内の血流速度を求めることが
できる。
【0010】図10はフォトマルチプライヤ22a、2
2bで測定された受光信号を周波数解析した結果の一例
であり、横軸は周波数Δf 、縦軸はその出力ΔSを示し
ている。周波数の最大シフトΔfmaxと、入射光の波数ベ
クトルκi 及び受光光の波数ベクトルκs と、血流の速
度ベクトルυとの関係は、次の式(1) で表すことができ
る。 Δfmax=(κs −κi)・υ …(1)
【0011】従って、フォトマルチプライヤ22a、2
2bのそれぞれの受光信号から算出された周波数の最大
シフトΔfmax1 、Δfmax2 、レーザー光の波長λ、測定
部位の屈折率n、眼内での受光光軸K2、K3のなす角度
α、眼内で受光光軸K2、K3の作る平面と血流の速度ベク
トルυとのなす角度βを用いて式(1) を変形すると、血
流の最大速度Vmaxは、次式で表すことができる。 Vmax={λ/(n・α)}・|Δfmax1 −Δfmax2 |/ cosβ …(2)
【0012】このように、2方向から計測を行うことに
より測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底Ea上の任
意の部位の血流を計測することができる。
【0013】また、図9に示す2本の受光光路K2、K3が
作る平面と眼底Eaとの交線Aと、この交線Aと血流の速
度ベクトルυとのなす角βとの関係から、真の血流速度
を測定するためには、式(2) においてβ=0°として、
交線Aを速度ベクトルυに一致させる必要がある。この
ため従来例では、受光光学系全体を回転させるか又は受
光光学系中にイメージローテータを配置して、光学的に
一致させるような構成となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
この種の光束偏向手段においては、検査光と反射光が共
用する対物レンズ6によるフレアを考慮する必要があ
る。その他の光路については、光路の分離がなされてお
り、特に光束偏向器として作用する両面ミラーは各面が
各光束に割り当てられ、そこで発生するクロストークは
十分に抑制されているが、この対物レンズ6によるクロ
ストークに対する処理も必要である。
【0015】このことは、特に反射率の非常に低い被検
物を対称とする装置にとって重要であり、その代表例は
被検物が被検眼内にある眼科装置である。眼科装置にお
いては、被検物は被検眼前眼部の中間透光体であったり
眼底であり、これらの反射率は極めて低いことはよく知
られている。
【0016】本発明の目的は、反射率の低い被検眼内の
被検物でも正確に測定し得る光束偏向装置及び該装置を
用いる眼科装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの第1発明に係る光束偏向装置は、被検眼に対向する
対物レンズと、被検眼内の被検物の検査のために検査光
を照射する照射手段と、該検査光の被検物からの反射光
を受光する受光手段とを有する光束偏向装置において、
前記対物レンズの後方に配置した光学系の瞳面に、前記
対物レンズの光軸を含む第1の領域をカバーするように
配置し光軸に対し非対称な形状を有する回転可能な両面
ミラーと、該両面ミラーの後方に配した反射部材と前記
光軸上を遮光する遮光部材と、前記光学系の瞳をリレー
するリレー光学系とを有し、前記照射手段から発した前
記検査光を前記両面ミラーの前記対物レンズに対向しな
い第1面の光軸を含まない部分により反射し、前記リレ
ー光学系により前記光学系の瞳面の前記両面ミラーによ
りカバーされていない第2の領域を通過させた後に、前
記対物レンズによって被検物へ照射し、被検物により反
射され前記対物レンズを通過した反射光を、前記両面ミ
ラーの前記対物レンズに対向する第2面の光軸を含む部
分により反射し、前記受光手段へ導光することを特徴と
する。
【0018】また、第2発明に係る眼科装置は、被検眼
に対向する対物レンズと、被検眼内の被検物が保有する
所定の値を得るために検査光を照射する照射手段と、該
検査光の被検眼からの反射光を受光する受光手段と、該
受光手段の出力から被検物の所定の値を得るための処理
手段と、前記対物レンズの後方に配置した光学系の瞳面
に、前記対物レンズの光軸を含む第1の領域をカバーす
るように配置し光軸に対し非対称な形状を有する回転可
能な両面ミラーと、該両面ミラーの後方に配した反射部
材と前記光軸上を遮光する遮光部材と、前記対物レンズ
によって被検眼瞳と共役な光学系瞳をリレーするリレー
光学系とを有し、前記照射手段から発した検査光を前記
両面ミラーの前記対物レンズに対向しない第1面の光軸
を含まない部分により反射し、前記リレー光学系により
前記光学系の瞳面の前記両面ミラーによりカバーされて
いない第2の領域を通過させた後に、前記対物レンズに
よって被検物へ照射し、被検物により反射され前記対物
レンズを通過した反射光を、前記両面ミラーの前記対物
レンズに対向する第2面の光軸を含む部分により反射し
て前記受光手段へ導光することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明を図1〜図6に図示の実施
例に基づいて詳細に説明する。図1は本発明を眼底血流
計へ応用した実施例の構成図であり、白色光を発するタ
ングステンランプ等から成る観察用光源31から被検眼
Eと対向する対物レンズ32へ至る照明光路上には、コ
ンデンサレンズ33、例えば黄色域の波長光のみを透過
するバンドパスフィルタ付のフィールドレンズ34、被
検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位置に設けられたリングスリ
ット35、被検眼Eの水晶体とほぼ共役な位置に設けら
れた遮光部材36、リレーレンズ37、光路に沿って移
動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板38、リ
レーレンズ39、被検眼Eの角膜近傍と共役に設けられ
た遮光部材40、孔あきミラー41、黄色域の波長光を
透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー42が
順次に配列されている。
【0020】孔あきミラー41の背後には眼底観察光学
系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカ
シングレンズ43、リレーレンズ44、スケール板4
5、光路中に挿脱自在な光路切換えミラー46、接眼レ
ンズ47が順次に配列され、検者眼eに至っている。光
路切換えミラー46が光路中に挿入されているときの反
射方向の光路上には、テレビリレーレンズ48、CCD
カメラ49が配置されており、CCDカメラ49の出力
は液晶モニタ50に接続されている。
【0021】バンドパスミラー42の反射方向の光路上
には、イメージローテータ51、紙面に垂直な方向に回
転軸を有するガルバノメトリックミラー52が配置さ
れ、ガルバノメトリックミラー52の右側反射面52a
の反射方向には第2のフォーカシングレンズ53が配置
され、左側反射面52bの反射方向にはレンズ54、光
路に沿って移動自在なフォーカスユニット55が配置さ
れている。なお、レンズ54の前側焦点面は被検眼Eの
瞳孔と共役関係にあり、この焦点面に光束偏向器である
例えばガルバノメトリックミラー52が配置されてい
る。
【0022】また、ガルバノメトリックミラー52の後
方には、光路長補償半月板56、光路中に遮光部を有す
る黒点板57、凹面ミラー58が配され、ガルバノメト
リックミラー52の右側反射面52aで反射されず通過
する光束を左側反射面52bへ導くリレー光学系を構成
している。
【0023】フォーカスユニット55においては、レン
ズ54と同一光路上に、ダイクロイックミラー59、集
光レンズ60が順次に配列され、ダイクロイックミラー
59の入射方向の光路上にはマスク61、ミラー62が
配置されており、このフォーカスユニット55は一体的
に矢印で示す方向に移動可能とされている。
【0024】集光レンズ60の入射方向の光路上には、
固定ミラー63、光路から退避可能な光路切換えミラー
64が平列して配置され、光路切換えミラー64の入射
方向の光路上には、コリメータレンズ65、コヒーレン
トな赤色光を発する測定用のレーザーダイオード66が
配列されている。光路切換えミラー64が光路上にない
ときは、レーザーダイオード66からの測定光は集光レ
ンズ60に直接入射し、光路上にあるときは光路切換え
ミラー64、固定ミラー63を介して集光レンズ60に
入射するようになっている。更に、ミラー62の入射方
向の光路上には、シリンドリカルレンズ等から成るビー
ムエクスパンダ67、高輝度の緑色光を発するトラッキ
ング用光源68が配列されている。
【0025】ガルバノメトリックミラー52の右側反射
面52aの反射方向の光路上には、光路に沿って移動自
在なフォーカシングレンズ53、ダイクロイックミラー
69、フィールドレンズ70、拡大レンズ71、イメー
ジインテンシファイヤ付の一次元CCD72が順次に配
列され、血管検出系が構成されている。
【0026】また、ダイクロイックミラー69の反射方
向の光路上には、結像レンズ73、共焦点絞り74、被
検眼Eの瞳孔とほぼ共役に設けられたミラー対75a、
75bが配置され、ミラー対75a、75bの反射方向
にはそれぞれフォトマルチプライヤ76a、76bが配
置され、測定用受光光学系が構成されている。なお、図
示の都合上、全ての光路を同一平面上に示したが、ミラ
ー対75a、75bの反射光路、トラッキング用光源6
8の出射方向の測定光路、レーザーダイオード66から
マスク61に至る光路はそれぞれ紙面に直交している。
【0027】更に、装置全体を制御するためのシステム
制御部77が設けられ、このシステム制御部77には検
者が操作する入力手段78、フォトマルチプライヤ76
a、76bの出力がそれぞれ接続されており、システム
制御部77の出力はガルバノメトリックミラー52を制
御するミラー制御回路79、光路切換えミラー64にそ
れぞれ接続されている。また、ミラー制御回路79には
一次元CCD72の出力が血管位置検出回路80を介し
て接続されている。
【0028】使用に際して、観察用光源31から発した
白色光はコンデンサレンズ33を通り、バンドパスフィ
ルタ付のフィールドレンズ34により黄色の波長光のみ
が透過され、リングスリット35、遮光部材36、リレ
ーレンズ37を通り、透過型液晶板38を背後から照明
し、リレーレンズ39、遮光部材40を通って孔あきミ
ラー41で反射され、黄色域の波長光のみがバンドパス
ミラー42を透過し、対物レンズ32を通り、被検眼E
の瞳孔上で眼底照明光束像Iとして一旦結像した後に、
眼底Eaをほぼ一様に照明する。
【0029】このとき、透過型液晶板38には固視標が
表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影
され、視標像として被検眼Eに呈示される。なお、リン
グスリット35、遮光部材36、40は、被検眼Eの前
眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するための
ものであり、必要な遮光領域を形成するものであればそ
の形状は問題とならない。
【0030】眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳
孔上から眼底観察光束Oとして取り出され、孔あきミラ
ー41の中心の開口部、フォーカシングレンズ43、リ
レーレンズ44を通り、スケール板45で眼底像Ea’と
して結像した後に、光路切換えミラー46に至る。ここ
で、光路切換えミラー46が光路から退避しているとき
は、検者眼eにより接眼レンズ47を介して眼底像Ea’
が観察可能となり、一方、光路切換えミラー46が光路
に挿入されているときは、スケール板45上に結像され
た眼底像Ea’がテレビリレーレンズ48によりCCDカ
メラ49上に再結像され、液晶モニタ50に映出され
る。
【0031】この眼底像Ea’を接眼レンズ47又は液晶
モニタ50を介して観察しながら装置のアライメントを
行う。このとき、適切な目的に応じて観察方式を採用す
ることが好適であり、接眼レンズ47による観察の場合
は、一般的に液晶モニタ50等よりも高解像かつ高感度
なので、眼底Eaの微細な変化を読み取って診断する場合
に適している。一方、液晶モニタ50による観察の場合
は、視野を制限しないので検者の疲労を軽減することが
でき、更にCCDカメラ49の出力を外部のビデオテー
プレコーダやビデオプリンタ等に接続することにより、
眼底像Ea’上の測定部位の変化を遂次に電子的に記録す
ることが可能となるので、臨床上極めて有効である。
【0032】レーザーダイオード66を発した測定光は
コリメータレンズ65によりコリメートされ、光路切換
えミラー64が光路に挿入されている場合には、測定光
は光路切換えミラー64、固定ミラー63でそれぞれ反
射され、集光レンズ60の下方を通過し、光路切換えミ
ラー64が光路から退避している場合には、測定光は直
接集光レンズ60の上方を通過し、それぞれダイクロイ
ックミラー59を透過する。
【0033】一方、トラッキング用光源68から発した
トラッキング光は、ビームエクスパンダ67により縦横
異なる倍率でビーム径が拡大され、ミラー62で反射さ
れた後に整形用マスク61で所望の形状に整形され、ダ
イクロイックミラー59で反射されて上述の測定光と重
畳される。このとき、測定光は集光レンズ60によりマ
スク61の開口部中心と共役な位置にスポット状に結像
されている。
【0034】更に、測定光とトラッキング光はレンズ5
4を通ってガルバノメトリックミラー52の左側反射面
52bで一旦反射され、黒点板57を通った後に、凹面
ミラー58において反射され、再び黒点板57、光路長
補正用半月板56を通りガルバノメトリックミラー52
に戻される。ここで、ガルバノメトリックミラー52は
被検眼Eの瞳と共役な位置に配されており、その形状は
瞳上において例えば図2の破線Mで示した非対称な形状
となされている。そして、凹面ミラー58、黒点板5
7、光路長補償半月板56は光軸上に同心に配置され、
かつ共働してガルバノメトリックミラー52の左側反射
面52bと右側反射面52aとを−1倍で結像するリレ
ー系の機能が与えられている。
【0035】従って、光路切換えミラー64の光路中へ
の挿入、退避により、ガルバノメトリックミラー52の
像Mの裏側の図2中のP1、P1' の何れかの位置で反射さ
れた両光束は、今度はガルバノメトリックミラー52の
切欠部に位置するP2、P2' の位置に戻されることにな
り、ガルバノメトリックミラー52で反射されることな
くイメージローテータ51へ向かうことになる。イメー
ジローテータ51を経て、バンドパスミラー42により
対物レンズ32へ偏向された両光束は、対物レンズ32
を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。なお、光路長
補償半月板56はガルバノメトリックミラー52の左側
反射面52b、右側反射面52aの位置がそのミラー厚
によって図面上で上下方向へのずれが生ずることを補正
するためのものであり、イメージローテータ51へ向か
う光路中にのみ作用するが、必ずしも不可欠なものでは
ない。
【0036】このように、測定光とトラッキング光はガ
ルバノメトリックミラー52の左側反射面52b内で反
射されて、再び戻されるように対物レンズ32の光軸か
ら偏心した状態でガルバノメトリックミラー52に入射
が行われ、その結果として図2に示すように、瞳孔上で
スポット像P2又はP2' として結像した後に眼底Eaを点状
に照射している。
【0037】眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ3
2で集光され、バンドパスミラー42で反射されてイメ
ージローテータ51を通り、ガルバノメトリックミラー
52の右側反射面52aで反射され、フォーカシングレ
ンズ53を通り、ダイクロイックミラー69において測
定光とトラッキング光とが波長により分離される。
【0038】トラッキング光はダイクロイックミラー6
9を透過し、フィールドレンズ70、結像レンズ71に
より一次元CCD72上で眼底観察光学系による眼底像
Ea’よりも拡大された血管像Ev' として結像する。そし
て、一次元CCD72で撮像された血管像Ev' に基づい
て、血管位置検出回路80において血管像Ev' の移動量
を表すデータが作成され、ミラー制御回路79に出力さ
れる。ミラー制御回路79はこの移動量を補償するよう
に、ガルバノメトリックミラー52を駆動する。
【0039】一方、測定光はダイクロイックミラー69
により反射され、結像レンズ73、共焦点絞り74の開
口部を経てミラー対75a、75bでそれぞれ反射さ
れ、それぞれフォトマルチプライヤ76a、76bで受
光される。フォトマルチプライヤ76a、76bの出力
はそれぞれシステム制御部77に出力され、この受光信
号は従来例と同様に周波数解析されて眼底Eaの血流速度
が求められる。
【0040】このとき、バンドパスミラー42の分光特
性のため、観察用光源31からの照明光は一次元CCD
72には到達せず、その上、撮像範囲が狭く設定されて
いるので、有害なフレア光も混入し難くなっている。こ
の結果、一次元CCD72にはトラッキング光による血
管像Ev' のみが撮像されることになる。また、血中ヘモ
グロビンと色素上皮上メラニンとは、緑色の波長域にお
いてその分光反射率が大きく異なるため、トラッキング
光を緑色光にすることにより、血管像Ev' をコントラス
良く撮像することが可能となる。
【0041】図2には被検眼Eの瞳孔上の各光束の配置
を合わせて示してあるが、Iは黄色の照明光により照明
される領域でリングスリット35の像、Oは眼底観察光
束で孔あきミラー41の開口部の像、Vは測定/血管受
光光束で、ガルバノメトリックミラー52の左右反射面
52b、52aの有効部の像、Da、Dbは2つの測定受光
光束で、それぞれミラー対75a、75bによる像であ
る。P1、P2、P1’、P2' は測定光の入射位置で光路切換
ミラー64を切換えることによって選択される測定用で
あるスポット像であり、鎖線で示す領域Mはガルバノメ
トリックミラー52の像であることは前述した通りであ
る。
【0042】一次元CCD72に受光される光束は、被
検眼Eの瞳孔上で測定/血管受光光束Vから取り出され
た光束であり、この光束からミラー対75a、75bに
より測定受光光束Da、Dbを通る光束を取り出して、フォ
トマルチプライヤ76a、76bで受光する。眼底観察
光光束Oに比べて測定/血管受光光束Vを大きくしてい
るのは、一次元CCD72の方が眼底観察光学系のCC
Dカメラ49よりも眼底Eaの結像倍率が大きいので、一
次元CCD72上での像面照度が確保し難いためであ
る。
【0043】一方、光束を大きくしたことによる被検眼
Eの前眼部で発生するフレア光の影響は、その受像範囲
が血管受像光学系の方が小さいために問題とならない。
また、測定受光光束Da、Dbの瞳孔上の間隔は血流速度計
測の分解能に直接影響するが、測定/血管受光光束Vを
大きくすることにより、測定受光光束Da、Dbの間隔を十
分に確保することが可能となる。
【0044】また、測定光とトラッキング光による眼底
Eaでの散乱反射光の一部は、バンドパスミラー42を透
過し、孔あきミラー41の背後の眼底観察光学系に導か
れ、図3に示すように、トラッキング光はスケール板4
5上に棒状のインジケータTとして結像し、測定光はこ
のインジケータTの中心部にスポット像として結像す
る。
【0045】これらの像は接眼レンズ47又は液晶モニ
タ50を介して眼底像Ea’、視標像Fと共に観察され
る。このとき、インジケータTの中心には図示しないス
ポット像P2又はP2' が重畳して観察されており、インジ
ケータTは入力手段78の操作桿等の操作部材により、
眼底像Ea’上を一次元に移動させることができる。ま
た、視野の中心の正円はスケール板45に予め用意され
ているスケールSであり、インジケータTを移動できる
範囲を示している。
【0046】測定に際して、検者は先ず眼底像Ea’のピ
ント合わせを行う。入力手段78のフォークカスノブを
調節すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板3
8、フォーカシングレンズ43、53、フォーカスユニ
ット55が連動して光路に沿って移動する。眼底像Ea’
のピントが合うと、透過型液晶板38、スケール板4
5、一次元CCD72、共焦点絞り74は同時に眼底Ea
と共役になる。
【0047】このときの共焦点絞り74は、所望の血管
Evにピントを合わせるためのものであり、その作用を図
4により説明する。測定対象となる眼底Ea上の血管Evの
位置を測定部位S1で表し、この血管Evの後方にある脈絡
膜Sc内の血管Evの位置を測定部位S2で表す。測定用のレ
ーザーダイオード66からの光束はミラー81に下方か
ら入射し、左右方向へ反射されて測定部位S1を照射す
る。測定部位S1での反射光は、ミラー対75a、75b
と同等の受光方向を決定する機能を有する開口82を通
過して、レンズ83により測定部位S1に共役とされ、小
孔84を通過した後に図示しないフォトマルチプライヤ
へ受光される。上述の光学系では、点線で示す測定部位
S2での反射光は、実線で示す測定部位S1で反射された光
束と同様にレンズ83により結像されるが、小孔84を
通ることができないためフォトマルチプライヤで受光さ
れることはない。
【0048】このように本実施例では、上述の小孔84
と同様の機能を有する共焦点絞り74を設け、特定の深
さにある血管Evでの反射光のみをフォトマルチプライヤ
76a、76bに受光させることにより、所望の血管Ev
の血流速度を計測することが可能となる。実際の検査に
おいては、検者は図3に示す眼底像Ea’上のフォーカス
状態を見ながら測定対象となる血管Evの深さを設定し、
眼底像Ea’のピントを合わせる。
【0049】ピント合わせが終了した後に、検者は入力
手段78を操作して視標像Fを移動し、被検眼Eの視線
を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Evを
スケール板45のスケールS内へ移動する。そして図5
に示すように、入力手段78によりイメージローテータ
51を操作してインジケータTを回転し、測定対象とす
る血管Evの走行方向に対してインジケータTが垂直にな
るようにする。
【0050】このとき、眼底観察光はイメージローテー
タ51を通過していないために、インジケータTのみが
回転するように認識される。この結果、図2に示した瞳
孔上の各光学部材の像も原点を中心に同じ方向に同じ角
度回転し、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線とス
ポット像P2、P2' の中心を結んだ直線、即ちx軸は血管
Evの走行方向に一致する。
【0051】この操作は従来例で述べた速度算出のため
の(2) 式において、β=0°としたことに相当し、β=
0°とすることにより、次の(a) 〜(c) の利点が生ず
る。
【0052】(a) (2) 式からβ=90°即ち cosβ=0
となった場合には、最大周波数シフトΔfmax1 とΔfmax
2 だけから最大血流速度Vmaxの絶対値を求めることがで
きなくなるが、β=0°となるように眼底像Ea’を回転
することにより、測定不能位置を回避することができ
る。
【0053】(b) 角度βを測定する必要がなくなるため
に、誤差要因が減り操作が簡略化される。
【0054】(c) 従来例で述べたように、血流速度は血
管壁からの散乱反射光と血液中の散乱反射光との干渉信
号から求めているので、測定中にx軸方向に眼底Eaが移
動しても、血管Evをx軸方向にほぼ平行にしておけば測
定結果は影響されない。
【0055】一方、x軸と直交するy軸方向に眼底Eaが
移動した場合には、レーザーダイオード66からの測定
光が測定部位の血管Evから逸脱して測定値が不安定にな
るが、その場合はy軸方向についてのみ血管Evの移動量
を検知すればよく、本実施例ではダイクロックミラー5
9の背後の血管検出系とガルバノメトリックミラー52
により、この一方向のみのトラッキングを行っている。
【0056】このトラッキングを行って、全ての被検血
管Evについて精度良くかつ迅速に血流速度を測定するた
めには、血管像Ev’の移動量を検知する一次元CCD7
2を測定対象となる血管Evに垂直に配置するとよく、更
にβ=0°とすることにより二次元センサを使用する必
要がなくなるという利点も生ずる。
【0057】本実施例では、トラッキング光の長手方向
に一次元CCD72の素子が配列されており、図5に示
すように測定部位の角度合わせが終了している場合は、
トラッキング光を示すインジケータTの長手方向は測定
血管Evの走行方向と直交しているので、血管検出系の一
次元CCD72にはインジケータTで指示された眼底像
Ea’が拡大して撮像されている。
【0058】角度合わせが終了した後に入力手段78を
操作して、図6に示すようにインジケータTを矢印で示
す方向に移動し、トラッキング光に重畳しているスポッ
ト像を測定部位に合致させて測定部位を選択する。そし
て、測定部位を決定した後に再び入力手段78を操作し
て、トラッキングの開始を入力する。
【0059】入力手段78からシステム制御部60を介
してトラッキング開始の指令がミラー制御回路79に入
力されると、血管位置検出回路80において、一次元C
CD72の受光信号に基づいて血管像Ev’の一次元基準
位置からの移動量が算出される。そして、ミラー制御回
路79によりこの移動量に基づいてガルバノメトリック
ミラー52が駆動され、一次元CCD72上の血管像E
v' の受像位置が一定になるように制御される。
【0060】測定光とトラッキング光が被検眼Eの前眼
部を通過する際に、前眼部において散乱光が発生する
が、このとき入射側と受光側それぞれの光束が前眼部で
重畳すると受光側にフレア光が生ずることは、一般の眼
底カメラでよく知られている。従って、本実施例におい
ても、測定光及びトラッキング光の入射光と受光光との
重畳がフレア光が発生する原因の1つになる。
【0061】しかし、図2に示すように被検眼Eの瞳孔
上において、入射光は原点から偏心しているガルバノメ
トリックミラー52の切欠部を通過して眼底Eaを照射し
ており、一方で受光光は原点を中心とする測定/血管受
光光束Vを通過し、ガルバノメトリックミラー52の右
側反射面52aで反射されて受光される。このように、
ガルバノメトリックミラー52により瞳孔上で入射光と
反射光とが完全に分離されているので、本実施例におい
てはフレア光の発生を回避することができる。
【0062】このように、1個の両面研磨されたガルバ
ノメトリックミラー52の左右反射面52b、52aを
使って、被検眼Eの眼底Eaへの入射光の入射位置と、眼
底Eaから反射される受光光の受光位置の制御を行うこと
により、単一の制御信号により両光束を完全に分離した
状態で位置制御を行い、光束が照射されている眼底Ea上
の部位を確実に受光/受像することができる。この結
果、トラッキングの制御機構が簡素化され、装置を小型
かつ安価に構成することが可能となり、更に入射光と受
光光間のクロストークを大幅に軽減できるので、測定精
度を向上させることが可能となる。
【0063】また、測定光、トラッキング光による入射
光と眼底観察光との重畳もフレア光の発生する原因とな
る。本実施例においては、測定光は被検眼Eの瞳孔上で
原点から偏心しているスポット像P2、P2' を通過するよ
うにし、トラッキング光はスポット像P2、P2' を含むy
軸方向に長手方向を有する棒状の領域から入射してy軸
方向に移動するようにしている。いま、両光束による瞳
孔上のスポット像P2、P2' の原点からのx軸、y軸方向
の変位をそれぞれx、yとしたときに、x>>yとなる
ようにスポット像P2、P2' の位置をy軸方向に比べてx
軸方向に大きく偏心させることにより、両光束がy軸方
向に移動しても眼底観察光光束Oに重ならないようにし
ている。
【0064】ここで、y軸方向への変位yは、ガルバノ
メトリックミラー52の左右反射面52b、52aで光
束が別々に反射させるために生ずるものであり、そのフ
レア光が発生しない最小値をymin とする。そして、y
min が決定された後に、測定光、トラッキング光が可動
範囲の全ての位置において、眼底照明光学系に設けられ
たリングスリット35、遮光部材36、40が形成する
遮光領域と重ならないようなx軸方向の変位xをxmin
とする。
【0065】R2 =xmin2+ymin2で定義される測定に
必要な被検眼Eの瞳孔径Rは、できる限り小さいことが
望ましく、本実施例においては、瞳孔径Rを最小とする
ためにトラッキング方向は一次元のみに限定し、測定
光、トラッキング光の入射位置x、yを被検眼Eの瞳上
において、ymin ≒y<<xmin ≒xとなるように設定
している。
【0066】従来例の場合はトラッキングを二次元で行
っているために、ymin <<xmin≒x≒yとしなけれ
ばならず、必然的に測定可能な瞳孔径Rの下限は大きく
なる。これに対し本実施例では、上述のように十分に小
さな瞳孔径Rの被検眼Eにおいても測定が可能であり、
眼底観察光学系、測定光学系、血管検出系において、測
定光、トラッキング光により被検眼Eの前眼部に生ずる
フレア光の発生も回避することができる。
【0067】もう1つのノイズとして、測定光、トラッ
キング光の対物レンズ32による反射光の存在が考えら
れる。これは、両光束の対物レンズ32の両面からの反
射戻り光が、図2の測定/血管受光光束の瞳Vへ混入す
るノイズ光である。
【0068】本実施例では、これを除去するための測定
光、トラッキング光が、ガルバノメトリックミラー52
の左側反射面52b、52aで偏向された後の光路中
に、光軸上に上遮光領域を有する黒点板57が設けられ
ている。その遮光領域の位置と大きさは次のように決定
される。即ち、受光瞳Vを仮想物体として把え、これを
ガルバノメトリックミラー52の右側反射面52aに想
定する。そして、イメージローテータ51、バンドパス
ミラー42を経由して、対物レンズ32の何れかの一面
で反射し、再びバンドパスミラー42、イメージローテ
ータ51、光路長補償用半月板56を経由して凹面鏡4
8で反射し、ガルバノメトリックミラー52に戻る光学
系によって、その仮想物体の結像する位置と大きさをそ
の遮光領域の基準としている。
【0069】このように構成することにより、両光束が
ガルバノメトリックミラー52に対し何れの方向に偏向
されていても、受光瞳Vへ混入することを防止できるこ
とになる。ここで重要なことはイメージローテータ51
の存在であって、受光瞳Vの像はイメージローテータ5
1の回転により、その回転面の2倍回転する。従って、
仮に受光瞳Vがその光軸上に存在しないとすると、遮光
しなくてはならない領域は、その偏心によって生ずる移
動領域の全てをカバーしなくてはならず、必然的に大き
くなってしまう。
【0070】本実施例では、これを避けるために受光瞳
Vは光軸上に設けられているが、このためにガルバノメ
トリックミラー52の形状が図2に示すようにその光軸
とスポット像P2、P2' をカバーするような特殊な形状と
なされている。また、本実施例においては、構造の単純
化のため、対物レンズ32の第1面、第2面のそれぞれ
の反射光を除去するための遮光部材を平行平面板の第1
面、第2面のそれぞれに設け、単一部材により2つの反
射光を除去する構成としている。
【0071】検者はトラッキング開始を確認した後に、
入力手段78の測定スイッチを押して測定を開始する。
システム制御部77により光路切換えミラー64が光路
に挿入され、先ず被検眼Eの瞳孔上のスポット像P1、P
1' の位置から入射した光束がフォトマルチプライヤ7
6a、76bに受光され、この受光信号がシステム制御
部77に取り込まれ、最大周波数シフト|Δfmax1 |、
|Δfmax2 |が求められる。ここで、|Δfmax1 |、|
Δfmax2 |はそれぞれフォトマルチプライヤ76a、7
6bからの出力信号の処理結果である。
【0072】このとき、入射される光束はスポット像P
1、P1' に位置し、測定受光光束Da、Dbに対し十分に変
位した位置に設けられているため、通常であれば最大速
度Vmaxは従来例の式(2) において、 cosβ=1とし、Vm
ax={λ/(n・α)}・||Δfmax1 |−|Δfmax2 ||に
よって求められるが、眼底Ea上の血管Evの位置によって
は、真の流速はVmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1 |
+|Δfmax2 ||としなくてはならない場合も存在する。
本実施例では、初めに仮測定として、この状態で先の式
(2) による最大速度Vmaxを算出した後に、システム制御
部77により光路切換えミラー64を光路中から退避
し、被検眼Eの瞳孔上のスポット像P1、P2'の位置から
光束を入射させて測定を行う。
【0073】瞳孔上のスポット像P2、P2' の位置は、図
2に示すように他方のスポット像P1、P1' の中心を通
り、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線と平行な直
線上に中心を持つように配置されるが、特に本実施例で
はスポット像P1、P1' とP2、P2' の間隔は測定受光光束
Da、Dbの中心間の距離よりも大きく、かつ2つの直線の
中点を結ぶ直線がそれぞれの中心を結んだ直線と直交す
るように選択されている。
【0074】入射光位置をスポット像P1、P1' から、こ
のように選択したスポット像P2、P2' に切換えた後に、
再びシステム制御部77は2つのフォトマルチプライヤ
76a、76bから信号を取り込み、それぞれの最大周
波数シフト|Δfmax1'|、|Δfmax2'|を算出し、式
(2) に従って最大速度Vmaxを算出する。
【0075】このときの最大速度VmaxをVmax’とおく
と、入射光を上述のように選択することによって、最大
周波数シフト|Δfmax1 |と|Δfmax2 |との符号が切
換わる図10に示す角φi の領域と、最大周波数シフト
|Δfmax1'|と|Δfmax2'|との符号が切換わる領域を
分離することができ、かつ符号が切換わらない領域にお
いてはVmax≒Vmax’となる。また、最大速度VmaxかVma
x’の一方の符号が切換わる領域においては、(符号の
切換えがない側)>(符号の切換えがある側)という関
係を作り出すことが可能となる。
【0076】従って、システム制御部77はこの2つの
最大速度VmaxとVmax’を比較することにより、真の最大
流速を求めるための適切な光束の入射方向を決定し、こ
の情報により光路切換えを適切な状態にして本測定を行
うように制御する。本測定は適当な時間間隔で、最大速
度Vmax又はVmax’の算出を繰り返して継続的に行う。
【0077】本実施例においては、最大速度VmaxとVma
x’を本測定前に判断する方式を示したが、本測定前に
最大速度Vmax、Vmax’を測定算出して符号の反転の有無
をチェックし、これによって自動的に式(2) の演算の符
号を逆転するといったソフトウェアによる対応も可能で
ある。
【0078】以上の説明においては、本発明を眼底Ea上
の血流を測定する眼底血流計について行ったが、血流速
度の他に、血管位置や血管径も同時に計測をするような
眼科装置に応用することも可能である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る光束偏
向装置及び該装置を用いる眼科装置によれば、用意した
遮光部材は光束偏向器である両面ミラー以後に、かつ照
射光束光路中に設置したため、その対物レンズとの相対
位置は両面ミラーの偏向角によらず、その配置を一義的
に定めることが可能である。また、リレー光学系は対物
レンズと共軸であり、かつ受光系の瞳も軸上領域である
ため、遮光領域を軸対称に配置可能となり、極小化する
ことが可能となる。このことによって、照射光束がけら
れることなく、被検物上を自由に照射することが可能で
ある。
【0080】また、反射光の光路を対物レンズの光軸上
に設定し、かつリレー光学系を共軸系とすることによ
り、対物レンズによって発生するフレアの発生する領域
をリレー系の光軸上のごく小領域に限定させ、そこに遮
光手段を設けることにより、対物レンズにより発生する
フレアを効率良く抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光束偏向装置を有する眼底血流計の構成図であ
る。
【図2】瞳上の光束配置図である。
【図3】検者視野の説明図である。
【図4】コンフォーカル絞りの説明図である。
【図5】検者視野の説明図である。
【図6】検者視野の説明図である。
【図7】従来例の光束偏向器の説明図である。
【図8】測定原理の説明図である。
【図9】眼底像の説明図である。
【図10】受信信号のグラフ図である。
【符号の説明】
31 観察用光源 41 孔あきミラー 42 バンドパスミラー 49 CCDカメラ 50 液晶モニタ 51 イメージローテータ 52 ガルバノメトリックミラー 55 フォーカスユニット 56 光路長補償半月板 58 凹面ミラー 59、69 ダイクロイックミラー 66 レーザーダイオード 68 トラッキング用光源 72 一次元CCD 76a、76b フォトマルチプライヤ 77 システム制御回路 80 血管位置検出回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼に対向する対物レンズと、被検眼
    内の被検物の検査のために検査光を照射する照射手段
    と、該検査光の被検物からの反射光を受光する受光手段
    とを有する光束偏向装置において、前記対物レンズの後
    方に配置した光学系の瞳面に、前記対物レンズの光軸を
    含む第1の領域をカバーするように配置し光軸に対し非
    対称な形状を有する回転可能な両面ミラーと、該両面ミ
    ラーの後方に配した反射部材と前記光軸上を遮光する遮
    光部材と、前記光学系の瞳をリレーするリレー光学系と
    を有し、前記照射手段から発した前記検査光を前記両面
    ミラーの前記対物レンズに対向しない第1面の光軸を含
    まない部分により反射し、前記リレー光学系により前記
    光学系の瞳面の前記両面ミラーによりカバーされていな
    い第2の領域を通過させた後に、前記対物レンズによっ
    て被検物へ照射し、被検物により反射され前記対物レン
    ズを通過した反射光を、前記両面ミラーの前記対物レン
    ズに対向する第2面の光軸を含む部分により反射し、前
    記受光手段へ導光することを特徴とする光束偏向装置。
  2. 【請求項2】 被検眼に対向する対物レンズと、被検眼
    内の被検物が保有する所定の値を得るために検査光を照
    射する照射手段と、該検査光の被検眼からの反射光を受
    光する受光手段と、該受光手段の出力から被検物の所定
    の値を得るための処理手段と、前記対物レンズの後方に
    配置した光学系の瞳面に、前記対物レンズの光軸を含む
    第1の領域をカバーするように配置し光軸に対し非対称
    な形状を有する回転可能な両面ミラーと、該両面ミラー
    の後方に配した反射部材と前記光軸上を遮光する遮光部
    材と、前記対物レンズによって被検眼瞳と共役な光学系
    瞳をリレーするリレー光学系とを有し、前記照射手段か
    ら発した検査光を前記両面ミラーの前記対物レンズに対
    向しない第1面の光軸を含まない部分により反射し、前
    記リレー光学系により前記光学系の瞳面の前記両面ミラ
    ーによりカバーされていない第2の領域を通過させた後
    に、前記対物レンズによって被検物へ照射し、被検物に
    より反射され前記対物レンズを通過した反射光を、前記
    両面ミラーの前記対物レンズに対向する第2面の光軸を
    含む部分により反射して前記受光手段へ導光することを
    特徴とする眼科装置。
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