JP3535601B2 - 眼科診断装置 - Google Patents

眼科診断装置

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JP3535601B2
JP3535601B2 JP03598595A JP3598595A JP3535601B2 JP 3535601 B2 JP3535601 B2 JP 3535601B2 JP 03598595 A JP03598595 A JP 03598595A JP 3598595 A JP3598595 A JP 3598595A JP 3535601 B2 JP3535601 B2 JP 3535601B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼底上の血管を検査す
る眼科診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は本発明で対象とする眼科診断装置
である眼底血流計の従来例の構成図であり、眼科診療に
一般的に用いられているスリットランプを改造したもの
である。光路K1上には照明光学系が配置されており、照
明用光源1からの白色光は孔あきミラー2で反射され、
スリット3、レンズ4、被検眼Eの角膜の屈折力を相殺
して眼底Eaを観察可能とするコンタクトレンズ5を介し
て、眼底Ea上の血管Evを照明する。また、孔あきミラー
2の背後の光路上には、測定用のHe−Neレーザー光
を発する測定用レーザー光源6が配置されており、測定
用レーザー光源6からの測定光は孔あきミラー2の中央
の開口部を通り、照明用光源1からの光束と同軸にさ
れ、眼底Eaを点状に照射する。
【0003】血管Ev内を流れる血球及び血管壁により散
乱反射された光束は、角度α’を成す光路K2、K3上に配
置された立体観察用の受光光学系の対物レンズ7a、7
bを通り、ミラー8a、8b、ミラー9a、9bで反射
され、接眼レンズ10a、10bを介し、検者により眼
底像として観察され、検者は接眼レンズ10a、10b
を覗いて眼底Eaを観察しながら測定部位を選択する。
【0004】図10は検者により観察される眼底像であ
り、照明光により照明されている領域I0内で、測定対象
となる血管Evを接眼レンズ10a、10bの焦点面に予
め用意されているスケールSCと合軸すると、測定用レー
ザー光源6による測定光と血管Evが合軸され、測定用レ
ーザー光源6によるスポット光束PSによって測定部位が
決定される。このとき、測定光による眼底Eaからの反射
光は、光ファイバ11a、11bを介してフォトマルチ
プライヤ12a、12bで受光される。
【0005】この受光信号は、血管Ev内を流れる血流に
よりドップラシフトした成分と、静止している血管壁で
反射された成分とが、それぞれ干渉することによって生
ずる所定のビート信号成分を含んでおり、このビート信
号を周波数解析して血管Ev内の血流速度を求める。
【0006】図11はフォトマルチプライヤ12a、1
2bで測定された受光信号を周波数解析した結果の一例
であり、横軸は周波数Δf 、縦軸はその出力ΔSを示し
ている。周波数の最大シフトΔfmaxと、入射光の波数ベ
クトルκi 及び受光光の波数ベクトルκs と、血流の速
度ベクトルυとの関係は、 Δfmax=(κs −κi)・υ …(1) と表すことができる。
【0007】従って、フォトマルチプライヤ12a、1
2bのそれぞれの受光信号から算出された周波数の最大
シフトΔfmax1 、Δfmax2 、レーザー光の波長λ、測定
部位の屈折率n、眼内での受光光軸K2、K3のなす角度
α、眼内で受光光軸K2、K3の作る平面と血流の速度ベク
トルυとのなす角度βを用いて、式(1) を変形すると、
血流の最大速度Vmaxは、 Vmax={λ/(n・α)}・|Δfmax1 −Δfmax2 |/ cosβ …(2) と表すことができる。
【0008】このように、2方向から計測を行うことに
より測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底Ea上の任
意の部位の血流を計測することができる。
【0009】また、2本の受光光路K2、K3が作る平面と
眼底Eaとの交線Aと、この交線Aと血流の速度ベクトル
υとのなす角βとの関係から、真の血流速度を測定する
ためには、式(2) においてβ=0°として、交線Aを速
度ベクトルυに一致させる必要がある。このため従来例
では、受光光学系全体を回転させるか、又は受光光学系
中にイメージローテータを配置し、光学的に一致させる
ように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
(1) しかしながら上述の従来例は、スリットランプを使
用しているため、眼底観察をするために被検眼Eにコン
タクトレンズを装着する必要があり、麻酔薬を点眼しな
くてはならない。従って、コンタクトレンズによる被検
眼Eの圧迫のみでなく、薬物による眼底Ea上の血流に対
する影響も無視できなくなる。また、このような眼底観
察の手法は眼科診療特有の手法であり、他科の医師など
未習熟者には取扱いが難しく、その結果、眼底血流測定
の普及が阻まれている。
【0011】上記の問題点の解決するために、特開昭6
3−28133号公報には独自の光学系を用いることに
より、コンタクトレンズを装用しないで測定を可能に
し、コンタクトレンズによる弊害を除去する方式が開示
されている。しかし、この方式の場合は被検眼Eが自由
に動けるようになるために、測定光を常時測定部位に照
射することが困難になるという新たな問題が生ずる。
【0012】この問題を解決するために、常に測定光を
測定部位に保持することを可能とした眼底追跡手段が付
加されている。この眼底追跡手段には、回転軸が互いに
直交した2枚のガルバノメトリックミラーが被検眼Eの
回転中心に共役な位置に設けられており、血管にトラッ
キング光を照射して血管像を撮像し、その血管像の位置
信号を用いて2枚のガルバノメトリックミラーの回転角
度を制御して測定光の照射位置を保持している。
【0013】しかしながら、従来の眼底追跡手段は測定
光、トラッキング光を二次元的に移動しているので、眼
底観察光学系に種々のフレア光が発生して良好な眼底観
察が行えない。更に、ガルバノメトリックミラーの初期
設定を二次元的に行わなくてはならず、操作が複雑にな
るという問題がある。
【0014】また、フレア光の発生を防止するために、
測定光、トラッキング光、観察光をそれぞれ被検眼Eの
瞳孔上で分離して入射させるという方式が採用されてい
るが、これら3本の光束を入射するためには、測定可能
な瞳孔径の下限を大きくなければならなくなり、例えば
糖尿病患者のように十分に散瞳しない被検者を測定する
ことが困難になる。更に、光源に高価なレーザー光源が
3種類必要となるために、装置が大型かつ高価になると
いう問題点も生ずる。
【0015】更に、従来のスリットランプ型の眼科装置
では、測定対称部位の選択は装置自体の移動により行っ
ているので、装置のアライメントがそのまま測定部位を
選択するエイミングに直結しており、操作桿を傾斜させ
ることにより装置を前後左右に移動してアライメントを
行っている。しかし、特開昭63−28133号公報の
ような装置では、構造上この操作桿は装置のアライメン
トにのみ使用され、測定部位の選択に使用することは不
可能である。このために、別に測定部位選択専用のエイ
ミング手段を付加し、これを操作する操作部材によりエ
イミングを行っているために、片手で操作するなどの単
純な操作ができず非常に使い難い装置となっている。
【0016】(2) また、ドップラシフトの最大値Δfmax
は、血流によりシフトした成分と静止している血管壁と
の干渉信号として検出を行うために、周波数解析により
得られる最大周波数シフトΔfmaxは、|Δfmax|という
符号情報の欠如したものとなる。
【0017】このため、眼底Ea上の部位の異なる血管の
血流を測定する際には、最大周波数シフトΔfmax1 及び
Δfmax2 の符号が共に正、共に負、正負異符号を持つ場
合が存在することになる。従って、測定する領域によっ
ては、(2) 式により最大血流速度Vmaxを決定することが
不可能になるという問題が生ずる。
【0018】この問題を図12を用いて説明すると、信
号光は瞳孔Epの中心hi=0から入射され、散乱光は瞳孔
Epの所定部位hs1 、hs2 から受光されるとすると、眼底
Eaからこのhs1 、hs2 を見込む角度が従来例の受光光軸
のなす角αとなる。
【0019】いま、眼底Eaの中心にある血管Ev1 と周辺
にある血管Ev2 を測定する場合を考えると、血管Ev1 の
測定を行う場合には、部位hs1 の方向からの受光信号に
より得られる最大周波数シフトΔfmax1 と、部位hs2 の
方向からの受光信号により得られる最大周波数シフトΔ
fmax2 とは異符号となる。この場合は、信号光は血管Ev
1 上に垂直に入射するため、信号光の方向によって生ず
る周波数シフトはなく、得られる周波数シフトは観察の
方向によって生ずるものだけとなる。ここで、血管Ev1
の血流の速度ベクトルυ1 と、hs1 方向の波数ベクトル
κs1及びhs2 方向の波数ベクトルκs2を考えると、これ
らは速度ベクトルυ1 の垂線に対し異なる方向に存在す
るために、その内積は異符号となり、異符号の周波数シ
フトが起こっていることになる。
【0020】一方、周辺部位の血管Ev2 の測定を行う場
合には、周波数シフトが0となる正反射光κi'に対し、
同じ方向にhs1 の方向とhs2 の方向が存在するので、同
符号の周波数シフトが起きていることになる。ここで、
眼底Eaの中心Eoと血管Ev2 とを結んだ直線、即ち眼底Ea
の血管Ev2 における垂線と信号光の波数ベクトルκiの
方向とのなす角がφi であり、この垂線に対し角φc を
なし、ベクトルκi と逆方向に向いたベクトルκi の正
反射光を示す波数ベクトルがκi'である。しかしながら
従来例においては、上述のように最大周波数シフトΔfm
axの符号を考慮して血流速度を算出していない。
【0021】本発明の目的は、上述の問題点(1) を解消
し、単一の操作手段により装置のアライメント及び測定
部位の追跡が可能な眼科診断装置を提供することにあ
る。
【0022】また本発明の他の目的は、上述の問題点
(2) を解消し、周波数シフトの符号情報を考慮し、眼底
上の血流速度を測定する眼科診断装置を提供することに
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る眼科診断装置は、照明光により被検眼の
測定部位を照明する照明手段と、該照明手段により照明
された前記測定部位からの反射光を受光する受光手段
と、該受光手段で受光した光束により前記測定部位を測
定又は撮影するための測定撮影手段と、前記測定撮影手
段を作動する操作桿とを有する眼科診断装置において、
前記操作桿は、上部先端に設け回転及び該回転以外の方
向に変位可能な回転ダイアルと、該回転ダイアルの回転
を検知する回転検出器と、前記回転ダイアルの回転方向
以外の方向への変位により作動する駆動スイッチとを備
、前記回転検出器で得られる回転量によりエイミング
手段を一次元方向に移動して前記測定部位を選択し、前
記駆動スイッチへの入力により前記測定部位のトラッキ
ングを開始することを特徴とする。
【0024】
【作用】上述の構成を有する眼科診断装置は、操作桿
回転ダイアルにより被検眼の測定部位を選択し、回転検
出器によりその初期位置を設定する。回転ダイアルの回
転以外の操作により駆動スイッチを駆動し、被検眼の
定部位のトラッキングを開始する。
【0025】
【実施例】本発明を図1〜図8に図示の実施例に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明を眼底血流計に応用し
た実施例の構成図であり、白色光を発するタングステン
ランプ等から成る観察用光源21から被検眼Eと対向す
る対物レンズ22へ至る照明光路上には、コンデンサレ
ンズ23、黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフ
ィルタ24、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位置に設けら
れたリングスリット25、被検眼Eの水晶体とほぼ共役
な位置に設けられた遮光部材26、リレーレンズ27、
光路に沿って移動自在な固視標表示素子である透過型液
晶板28、リレーレンズ29、被検眼Eの角膜近傍と共
役に設けられた遮光部材30、孔あきミラー31、黄色
域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパス
ミラー32が順次に配列されている。
【0026】孔あきミラー31の背後には眼底観察光学
系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカ
シングレンズ33、リレーレンズ34、スケール板3
5、光路中に挿脱自在な光路切換えミラー36、接眼レ
ンズ37が順次に配列され、検者眼eに至っている。光
路切換えミラー36が光路中に挿入されているときの反
射方向の光路上には、テレビリレーレンズ38、CCD
カメラ39が配置されており、CCDカメラ39の出力
は液晶モニタ40に接続されている。
【0027】バンドパスミラー32の反射方向の光路上
には、イメージローテータ41、紙面に垂直な回転軸を
有する回転プリズム42が配置され、回転プリズム42
の左側反射面の反射方向には固定ミラー43が配置さ
れ、右側反射面の反射方向にはレンズ44、光路に沿っ
て移動自在なフォーカスユニット45が配置されてい
る。なお、レンズ44の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔と
共役関係にあり、この焦点面に回転プリズム42が配置
されている。
【0028】フォーカスユニット45においては、レン
ズ44と同一光路上に、マスク46、ダイクロイックミ
ラー47、集光レンズ48が順次に配列され、ダイクロ
イックミラー47の入射方向の光路上にはミラー49が
配置されており、このフォーカスユニット45は一体的
に矢印で示す方向に移動ができるようになっている。
【0029】レンズ48の入射方向の光路上には、固定
ミラー50、光路から退避可能な光路切換えミラー51
が平行に配置され、光路切換えミラー51の入射方向の
光路上には、コリメータレンズ52、測定用のコヒーレ
ントな赤色光を発するレーザーダイオード53が配列さ
れている。更に、ミラー49の入射方向の光路上には、
シリンドリカルレンズ等から成るビームエクスパンダ5
4、高輝度の緑色光を発するトラッキング用光源55が
配列されている。
【0030】回転プリズム42の左側反射面の反射方向
の光路上には、固定ミラー43、56、光路に沿って移
動自在なフォーカシングレンズ57、ダイクロイックミ
ラー58、レンズ59、イメージインテンシファイヤ付
の一次元CCD60が順次に配列され、血管検出系が構
成されている。また、ダイクロイックミラー58の反射
方向の光路上には、共焦点絞り61、被検眼Eの瞳孔と
ほぼ共役に設けられたミラー対62a、62bが配置さ
れ、ミラー対62a、62bの反射方向にはそれぞれフ
ォトマルチプライヤ63a、63bが配置され、測定用
受光光学系が構成されている。なお、図示の都合上、全
ての光路を同一平面上に示したが、ミラー対62a、6
2bの反射光路、トラッキング用光源55の出射方向の
測定光路、レーザーダイオード53からマスク46に至
る光路はそれぞれ紙面に直交している。
【0031】更に、装置全体を制御するためのシステム
制御部64が設けられ、このシステム制御部64には検
者が操作する入力手段65、フォトマルチプライヤ63
a、63bの出力がそれぞれ接続されており、システム
制御部64の出力は回転プリズム42を制御するプリズ
ム制御回路66、光路切換えミラー51にそれぞれ接続
されている。また、プリズム制御回路66には一次元C
CD60の出力が血管位置検出回路67を介して接続さ
れている。
【0032】このように、本実施例は被検眼Eの測定、
撮影等を行う測定部ヘッド68、入力手段65、液晶モ
ニタ40から構成されており、図2はその外観の斜視図
を示している。基台上69上に固定台70と液晶モニタ
40が固定され、固定台70の前方には被検眼Eの顔を
固定する顔支持部材71が設けられ、固定台70上に前
後方向に駆動する可動台72が固定されている。
【0033】可動台72上には、検者側に入力手段6
5、被検者側に左右方向に駆動する測定部ヘッド68が
固設されている。入力手段65は、傾斜させることによ
り測定部ヘッド68を前後左右方向に調節する操作桿7
3と、回転させることにより上下方向に調節する操作リ
ング74とから形成されており、操作桿73の上部先端
には回転プリズム42の回転を調節する回転ダイアル7
5が設けられている。測定部ヘッド68の外部には、イ
メージローテータ41の回転を調節する回転ノブ76と
各フォーカス用部材を連動させて駆動しフォーカス調節
を行うフォーカスノブ77が設けられ、更に内部固視標
位置を二次元的に移動させる視標操作桿78が取り付け
られている。
【0034】図3は入力手段65の構成図であり、操作
桿73、操作リング74、回転ダイアル75、視標操作
桿78から構成され、これらの出力はシステム制御部6
4に接続されている。操作桿73は内部にロータリエン
コーダ79と2段式の駆動用スイッチ80が設けられ、
ロータリエンコーダ79は回転ダイアル75に接続さ
れ、その回転を検出するようになっており、回転プリズ
ム42の基準位置の設定を行う。また、駆動用スイッチ
80は回転リング75の下部に固定されたロータリエン
コーダ79の下に取り付けられており、回転リング75
をその回転軸に対し平行方向に移動させることにより駆
動スイッチ80が作動し、1段目においてトラッキング
の開始信号を、2段目において血流速度の測定開始信号
を入力するようになっている。
【0035】また、図4は他の操作桿73’の実施例の
構成を示し、駆動用スイッチ80’がロータリエンコー
ダ79’の側部に固設されている。従って、回転リング
75’をその回転軸に対し直角方向に移動させることに
よって、駆動スイッチ80’の入力を行うようになって
いる。
【0036】観察用光源21から発した白色光はコンデ
ンサレンズ23を通り、バンドパスフィルタ24により
黄色の波長光のみが透過され、リングスリット25、遮
光部材26、リレーレンズ27を通り、透過型液晶板2
8を背後から照明し、リレーレンズ29、遮光部材30
を通って孔あきミラー31で反射され、黄色域の波長光
のみがバンドパスミラー32を透過し、対物レンズ22
を通り、被検眼Eの瞳孔上で眼底照明光光束像Iとして
一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。この
とき、透過型液晶板28には固視標が表示されており、
照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影され、視標像とし
て被検眼Eに呈示される。なお、リングスリット25、
遮光部材26、30は、被検眼Eの前眼部において眼底
照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要
な遮光領域を形成するものであればその形状は問題とな
らない。
【0037】眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳
孔上から眼底観察光光束Oとして取り出され、孔あきミ
ラー31の中心の開口部、フォーカシングレンズ33、
リレーレンズ34を通り、スケール板35で眼底像Ea’
として結像した後に、光路切換えミラー36に至る。こ
こで、光路切換えミラー36が光路から退避していると
きは、検者眼eにより接眼レンズ37を介して眼底像E
a’が観察可能となり、一方光路切換えミラー36が光
路に挿入されているときは、スケール板35上に結像さ
れた眼底像Ea’がテレビリレーレンズ38によりCCD
カメラ39上に再結像され、液晶モニタ40に映出され
る。
【0038】この眼底像Ea’を観察しながら接眼レンズ
37又は液晶モニタ40により装置のアライメントを行
う。このとき、適切な目的に応じて観察方式を採用する
ことが好適であり、接眼レンズ37による観察の場合
は、一般的に液晶モニタ40等よりも高解像かつ高感度
なので、眼底Eaの微細な変化を読み取って診断する場合
に適している。一方、液晶モニタ40による観察の場合
は、視野を制限しないので検者の疲労を軽減することが
でき、更にCCDカメラ39の出力を外部のビデオテー
プレコーダやビデオプリンタ等に接続することにより、
眼底像Ea’上の測定部位の変化を遂次電子的に記録する
ことが可能となるので、臨床上極めて有効である。
【0039】レーザーダイオード53を発した測定光は
コリメータレンズ52によりコリメートされ、光路切換
えミラー51が光路に挿入されている場合には、光路切
換えミラー51、固定ミラー50でそれぞれ反射され、
集光レンズ48の下方を通過し、光路切換えミラー51
が光路から退避している場合には、直接集光レンズ48
の下方を通過しダイクロイックミラー47を透過する。
【0040】一方、トラッキング用光源55から発した
トラッキング光は、ビームエクスパンダ54により縦横
異なる倍率でビーム径が拡大され、ミラー49で反射さ
れた後に、ダイクロイックミラー47に反射されて上述
の測定光と重畳される。この両光束は整形用のマスク4
6に至り、測定光は集光レンズ48によりマスク46の
開口部にスポット状に結像され、トラッキング光は不要
な部分が遮光され適切な形状に整形される。
【0041】更に、測定光とトラッキング光はレンズ4
4を通って回転プリズム42の右側反射面で反射され、
イメージローテータ41を経てバンドパスミラー32に
より対物レンズ22の光軸に結合され、対物レンズ22
を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。このように、
測定光とトラッキング光は、回転プリズム42の右側反
射面内で反射されて、対物レンズ22の光軸から偏心し
た状態で眼底Eaに投影されており、特に測定光は図5に
示すように瞳孔上でスポット像P又はP’として結像し
た後に眼底Eaを点状に照射している。
【0042】眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ2
2で集光され、バンドパスミラー32で反射されてイメ
ージローテータ41を通り、回転プリズム42の左側反
射面で反射され、固定ミラー43、56で屈曲されてフ
ォーカシングレンズ57を通り、ダイクロイックミラー
58において測定光とトラッキング光とが分離される。
【0043】トラッキング光はダイクロイックミラー5
8を透過し、レンズ59により一次元CCD60上で眼
底観察光学系による眼底像Ea’よりも拡大された血管像
Ev'として結像する。そして、一次元CCD60で撮像
された血管像Ev' に基づいて、血管位置検出回路67に
おいて血管像Ev' の移動量を表すデータが作成され、プ
リズム制御回路66に出力される。プリズム制御回路6
6はこの移動量を補償するように回転プリズム42を駆
動する。
【0044】一方、測定光はダイクロイックミラー58
により反射され、共焦点絞り61の開口部を経てミラー
対62a、62bで反射され、それぞれフォトマルチプ
ライヤ63a、63bに受光される。フォトマルチプラ
イヤ63a、63bの出力はそれぞれシステム制御部6
4に出力され、この受光信号は従来例と同様に周波数解
析されて眼底Eaの血流速度が求められる。
【0045】このとき、バンドパスミラー32の分光特
性のため観察用光源21からの照明光は一次元CCD6
0には到達せず、その上、撮像範囲が狭く設定されてい
るので有害なフレア光も混入し難くなっている。この結
果、一次元CCD60にはトラッキング光による血管像
Ev' のみが撮像されることになる。また、血中ヘモグロ
ビンと色素上皮上メラニンとは、緑色の波長域において
その分光反射率が大きく異なるため、トラッキング光を
緑色光にすることにより、血管像Ev' をコントラス良く
撮像することが可能となる。
【0046】図5は被検眼Eの瞳孔上の各光束の配置を
示し、Iは黄色の照明光により照明される領域でリング
スリット25の像、Oは眼底観察光束で孔あきミラー3
1の開口部の像、Vは測定/血管受光光束で、回転プリ
ズム42の左右反射面の有効部の像、Da、Dbは2つの測
定受光光束で、それぞれミラー対62a、62bの像
P、P’は測定光の入射位置で、光路切換ミラー51を
切換えることによって選択される測定光の位置を示す。
また、鎖線で示す領域Mは回転プリズム42の右側反射
面の像である。
【0047】一次元CCD60に受光される光束は、被
検眼Eの瞳孔上で測定/血管受光光束Vから取り出され
た光束であり、この光束からミラー対62a、62bに
より測定受光光束Da、Dbを通る光束を取り出してフォト
マルチプライヤ63a、63bで受光する。眼底観察光
光束Oに比べ測定/血管受光光束Vを大きくしているの
は、一次元CCD60の方が眼底観察光学系のCCDカ
メラ39よりも眼底の結像倍率が大きいので、一次元C
CD60上での像面照度が確保し難いためである。一
方、光束を大きくしたことによる被検眼Eの前眼部で発
生するフレア光の影響は、その受像範囲が血管受像光学
系の方が小さいために問題とならない。また、測定受光
光束Da、Dbの瞳孔上の間隔は血流速度計測の分解能に直
接影響するが、測定/血管受光光束Vを大きくすること
により、測定受光光束Da、Dbの間隔を十分に確保するこ
とが可能である。
【0048】また、測定光とトラッキング光による眼底
Eaでの散乱反射光の一部はバンドパスミラー32を透過
し、孔あきミラー31の背後の眼底観察光学系に導か
れ、トラッキング光はスケール板35上に棒状のインジ
ケータTとして結像し、測定光はこのインジケータTの
中心部にスポット像として結像する。図6に示すよう
に、これらの像は接眼レンズ37又は液晶モニタ40を
介して眼底像Ea’、視標像Fと共に観察される。このと
き、インジケータTの中心には図示しないスポット像P
又はP’が重畳して観察されており、インジケータTは
入力手段65の操作桿等の操作部材により、眼底Ea上を
一次元に移動させることができる。また、視野の中心の
正円はスケール板35に予め用意されているスケールS
であり、インジケータTを移動できる範囲を示してい
る。
【0049】測定に際しては、被検者の顔が図2に示す
顔支持部材71に固定され、検者は液晶モニタ40の眼
底像Ea' を観察しながら、操作棹73を操作して測定部
ヘッド68を前後左右方向に摺動し、また操作リング7
4を回転して上下方向に摺動し測定部ヘッド68と被検
者Eの位置合わせを行う。
【0050】検者が、入力手段65のフォークカスノブ
77を調節すると、図示しない駆動手段により透過型液
晶板28、フォーカシングレンズ33、57、フォーカ
スユニット45が連動して光路に沿って移動する。眼底
像Ea’のピントが合うと、透過型液晶板28、スケール
板35、一次元CCD60、共焦点絞り61は同時に眼
底Eaと共役になる。
【0051】本実施例では共焦点絞り61を設けること
により、特定の深さにある血管Evでの反射光のみをフォ
トマルチプライヤ63a、63bに受光し、所望の血流
だけを血流速度計測することができる。実際の検査にお
いては、検者は図6に示す眼底像Ea’上のフォーカス状
態を見ながら、測定対象となる血管Evの深さを設定して
眼底像Ea’のピントを合わせる。
【0052】ピント合わせが終了した後に、検者は入力
手段65の視標操作桿78により視標像Fを移動して被
検眼Eの視線を誘導し、観察領域を変更して測定対象と
する血管EvをサークルS内へ移動する。そして図7に示
すように、入力手段65の回転ノブ76によりイメージ
ローテータ41を操作してインジケータTを回転し、測
定対象とする血管Evの走行方向に対してインジケータT
を直交させる。このとき、眼底観察光はイメージローテ
ータ41を経ていないので、検者はインジケータTのみ
が回転するように認識される。同時に、図5に示した瞳
孔上の各光学部材の像も原点を中心に同じ方向に同じ角
度回転し、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線と、
スポット像P、P’の中心を結んだ直線、即ちx軸は血
管Evの走行方向に一致する。
【0053】この操作は、従来例で述べた速度算出のた
めの(2) 式においてβ=0°としたことに相当する。こ
のβ=0°とすることにより次の(a) 、(b) 、(c) の3
つの利点が生ずる。(a) (2) 式からβ=90°即ち cos
β=0となった場合には、最大周波数シフトΔfmax1 と
Δfmax2 だけから最大血流速度Vmaxの絶対値を求めるこ
とができなくなるが、β=0°となるように眼底像Ea’
を回転することにより、測定不能位置を回避することが
できる。(b) 角度βを測定する必要がなくなるために、
誤差要因が減少し作業が簡略化される。(c) 従来例で述
べたように、血流速度は血管壁からの散乱反射光と血液
中の散乱反射光との干渉信号から求めているので、測定
中にx軸方向に眼底Eaが移動しても、血管Evをx軸方向
にほぼ平行にしておけば、測定結果は影響を受けない。
【0054】一方、x軸と直交するy軸方向に眼底Eaが
移動した場合には、測定用のレーザーダイオード53か
らの光束が測定部位の血管Evから逸脱して測定値が不安
定になるが、その場合はy軸方向についてのみ血管Evの
移動量を検知すればよく、本実施例ではダイクロックミ
ラー58の背後の血管検出系と回転プリズム42により
この一方向のみのトラッキングを行っている。
【0055】このトラッキングを行って、全ての被検血
管Evについて精度良くかつ迅速に血流速度を測定するた
めには、血管像Ev’の移動量を検知する一次元CCD6
0を測定対象となる血管Evに垂直に配置するとよく、更
にβ=0°とすることにより二次元センサを使用する必
要がなくなるという利点も生ずる。
【0056】本実施例では、トラッキング光の長手方向
に一次元CCD60の素子が配列されており、図7に示
すように測定部位の角度合せが終了している場合には、
トラッキング光を示すインジケータTの長手方向は血管
Evの走行方向と直交しているので、血管検出系の一次元
CCD60上にはインジケータTで示される眼底像Ea’
が拡大されて撮像されている。
【0057】角度合わせが終了した後に、入力手段65
の操作桿73の回転ダイアル75を操作し、図8に示す
ようにインジケータTを矢印で示す方向に移動し、イン
ジケータTと重畳しているスポット像を測定部位に合致
させて測定部位を選択する。そして、測定部位を決定し
た後に、回転ダイアル75をその回転軸と平行な上下方
向に押し込み、駆動スイッチ80の1段目を作動させる
ことにより、トラッキングの開始を入力する。
【0058】入力手段65からシステム制御部60を介
してトラッキング開始の指令がプリズム制御回路66に
入力され、このとき血管位置検出回路67に検出された
血管像Ev' の位置が回転プリズム42の基準位置とな
る。スポット像P又はP’によって測定部位が選択され
ている間に、血管位置検出回路67において、一次元C
CD60の受光信号に基づいて血管像Ev’の一次元基準
位置からの移動量が算出される。プリズム制御回路66
によりこの移動量に基づいて回転プリズム42が駆動さ
れ、一次元CCD60上の血管像Ev' の受像位置が一定
になるように制御される。
【0059】なお、駆動スイッチ80の1段目が作動し
ている間は、上述の制御は継続されており、ロータリエ
ンコーダ79の押し込みを止めた時点で、トラッキング
が中止されて光束が原点位置に戻るようになっているの
で、検者は測定に先立ってトラッキングが正常に行われ
ていることを確認することができる。
【0060】測定光とトラッキング光が被検眼Eの前眼
部を通過する際に、前眼部において散乱光が発生する
が、このとき入射側と受光側それぞれの光束が被検眼E
の前眼部で重畳すると受光側にフレア光が生ずること
は、一般の眼底カメラでよく知られていることである。
従って、本実施例においては、測定光及びトラッキング
光の入射光と受光光との重畳がフレア光が発生する原因
の1つになる。
【0061】しかし、図5に示すように、被検眼Eの瞳
孔上において、入射光は回転プリズム42により原点か
ら偏心している右側反射面像M内を通過して眼底Eaを照
射しており、一方受光光は原点を中心とする測定/血管
受光光束Vを通過し、回転プリズム42の左側反射面で
反射されて受光される。このように、回転プリズム42
により瞳孔上で入射光と反射光とが完全に分離されてい
るので、本実施例においてはフレア光の発生を回避する
ことができる。
【0062】以上のように、1個の回転プリズム42の
左右の反射面を使って、被検眼Eの眼底Eaへの入射光の
入射位置と、眼底Eaから反射される受光光の受光位置の
制御を行うことにより、単一の制御信号により両光束を
完全に分離した状態で位置制御を行って、光束が照射さ
れている眼底Ea上の部位を確実に受光/受像することが
できる。この結果、トラッキングの制御機構が簡素化さ
れ、装置を小型かつ安価に構成することが可能となり、
更に入射光と受光光間のクロストークを大幅に軽減でき
るので、測定精度を向上させることが可能となる。
【0063】また、測定光、トラッキング光による入射
光と眼底観察光との重畳もフレア光の発生する原因とな
る。本実施例においては、測定光は被検眼Eの瞳孔上で
原点から偏心しているスポット像P、P’を通過するよ
うにし、トラッキング光はスポット像P、P’を含むy
軸方向に長手方向を有する棒状の領域から入射してy軸
方向に移動するようにしている。いま、両光束による瞳
孔上のスポット像P、P’の原点からのx軸、y軸方向
の変位をそれぞれx、yとしたときに、x>>yとなる
ようにスポット像P、P’の位置をy軸方向に比べてx
軸方向に大きく偏心させることにより、両光束がy軸方
向に移動しても眼底観察光光束Oに重ならないようにし
ている。
【0064】ここでy軸方向への変位yは、回転プリズ
ム42の左右の反射面で光束が別々に反射されるために
生ずるものであり、そのフレア光が発生しない最小値を
ymin とする。そして、ymin が決定された後に、測定
光、トラッキング光が可動範囲の全ての位置において、
眼底照明光学系に設けられたリングスリット25、遮光
部材26、30が形成する遮光領域と重ならないような
x軸方向の変位xをxmin とする。
【0065】R2 =xmin2+ymin2で定義される測定に
必要な被検眼Eの瞳孔径Rは、できる限り小さいことが
望ましく、本実施例においては、瞳孔径Rを最小とする
ためにトラッキングの方向は一次元のみに限定し、測定
光、トラッキング光の入射位置を被検眼Eの瞳上におい
てymin ≒y<<xmin ≒xとなるように設定した。従
来例の場合はトラッキングを二次元で行っているため
に、ymin <<xmin ≒x≒yとしなければならず、必
然的に測定可能な瞳孔径Rの下限は大きくなる。これに
対し本実施例では、上述のように十分に小さな瞳孔径R
の被検眼Eにおいても測定が可能であり、眼底観察光学
系、測定光学系、血管検出系において、測定光、トラッ
キング光により被検眼Eの前眼部に生ずるフレア光の発
生も回避することができる。
【0066】検者はトラッキングの開始を確認した後
で、回転ダイアル75を更に押し込んで、駆動スイッチ
80の2段目を作動させて測定を開始する。このとき、
回転ダイアル75の押し込みを止めてもトラッキングと
測定は継続されている。システム制御部64により光路
切換えミラー51が光路に挿入され、先ず被検眼Eの瞳
孔上のスポット像Pの位置から入射した光束が、フォト
マルチプライヤ63a、63bに受光され、この受光信
号がシステム制御部64に取り込まれて最大周波数シフ
ト|Δfmax1 |、|Δfmax2 |が求められる。ここで、
|Δfmax1 |、|Δfmax2 |はそれぞれフォトマルチプ
ライヤ63a、63bからの出力信号の処理結果であ
る。
【0067】このとき、入射される光束はスポット像P
に位置し、測定受光光束Da、Dbに対し十分に変位した位
置に設けられているために、通常であれば最大速度Vmax
は従来例の(2) 式において cosβ=1とし、Vmax={λ
/(n・α)}・||Δfmax1 |−|Δfmax2 ||によって求
められるが、眼底Ea上の血管Evの位置によっては、真の
流速はVmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1 |+|Δfm
ax2 ||としなくてはならない場合も存在する。本実施例
では、初めに仮測定としてこの状態で先の(2)式による
最大速度Vmaxを算出した後に、システム制御部64によ
り光路切換えミラー51を光路中から退避させ、被検眼
Eの瞳孔上のスポット像P’の位置から光束を入射させ
て測定を行う。
【0068】瞳孔上のスポット像P’の位置は、他方の
スポット像Pの中心を通り、測定受光光束Da、Dbの中心
を結んだ直線と平行な直線上に中心を持つように配置さ
れるが、特に本実施例では、その間隔は測定受光光束D
a、Dbの中心間の距離よりも大きく、かつ2つの直線の
中点を結ぶ直線がそれぞれの中心を結んだ直線と直交す
るように選択されている。
【0069】入射光位置をスポット像Pからこのように
選択したスポット像P’に切換えた後に、再びシステム
制御部64は2つのフォトマルチプライヤ63a、63
bから信号を取り込み、それぞれの最大周波数シフト|
Δfmax1'|、|Δfmax2'|を算出し、(2) 式に従って最
大速度Vmaxを算出する。この時の最大速度VmaxをVmax’
とおくと、入射光を上述のように選択することによっ
て、最大周波数シフト|Δfmax1 |と|Δfmax2 |との
符号が切換わる図12に示す角φi の領域と、最大周波
数シフト|Δfmax1'|と|Δfmax2'|との符号が切換わ
る領域とを分離することができる。ここで、符号が切換
わらない領域においてはVmax≒Vmax’となり、最大速度
VmaxかVmax’の一方の符号が切換わる領域においては、
(符号の切換えがない側)>(符号の切換えがある側)
という関係を作り出すことができる。
【0070】従って、システム制御部64はこの2つの
最大速度VmaxとVmax’を比較することにより、真の最大
流速を求めるための適切な光束の入射方向を決定し、こ
の情報により光路切換えを適切な状態にして本測定を行
うように制御する。本測定は適当な時間間隔で最大速度
Vmax又はVmax’の算出を繰り返して継続的に行う。
【0071】本実施例においては、最大速度Vmax、Vma
x’を本測定前に判断する方法を示したが、測定前に最
大速度Vmax、Vmax’を測定算出して符号の反転の有無を
チェックし、これによって自動的に(2) 式の演算の符号
を逆転するといったソフトウェアによる対応も可能であ
る。
【0072】以上の測定は、所定時間経過後又は再び検
者が回転ダイアル75を押した場合に終了するが、この
ときトラッキング光は常に視野の中心に復帰するように
なっている。これは次回の測定部位を選択するための準
備動作であり、操作の能率化と共にトラッキング光と次
の被検血管Evとの交叉状態を明確に判別できるようにす
るためである。
【0073】なお、ロータリエンコーダ79に代って他
のパルス発生器やボリュームなどを使用してもよいが、
エイミング手段である回転プリズム42の初期位置への
復帰を行う場合には回転に制限のないものを使用する必
要がある。また、駆動スイッチ80は1段式のスイッチ
でもよいが、この場合はトラッキングと同時に血流速度
測定が開始されることになり、トラッキングが正常に動
作していることの確認ができない。このため、2個の1
段式のスイッチを使用して操作方向を変えてトラッキン
グと測定の開始を区別するようにしてもよい。
【0074】また、本発明を眼底Ea上の血流を測定する
眼底血流計について説明したが、血流速度の他に、血管
位置や血管径などを計測をするような眼科装置に応用す
ることも可能である。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る眼科診
断装置は、操作桿に回転ダイアル、回転検出器、駆動ス
イッチを設けることにより、装置のアライメント、測定
部位のトラッキング、測定開始などの一連の操作を簡便
かつ正確に行うことができるので、特に複雑な操作が要
求される眼底血流計においては、血管の種々の位置に対
し正確かつ詳細な測定値を得ることができ、操作性が向
上して各種疾患や被検者に対する適用範囲が拡大する。
【0076】また、測定光の入射方向を2方向に切換え
れてドップラシフトを検出すれば、周波数シフトの符号
情報を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成図である。
【図2】斜視図である。
【図3】入力手段の側面図である。
【図4】他の操作桿の側面図である。
【図5】瞳孔上の光束配置の説明図である。
【図6】ピント合わせ終了後の観察眼底像の説明図であ
る。
【図7】角度合わせ終了後の観察眼底像の説明図であ
る。
【図8】測定部位選択終了後の観察眼底像の説明図であ
る。
【図9】従来例の構成図である。
【図10】観察眼底像の説明図である。
【図11】受光信号の周波数分布のグラフ図である。
【図12】最大周波数シフトの符号の反転の説明図であ
る。
【符号の説明】 21 観察用光源 28 透過型液晶板 36、51 光路切換えミラー 39 CCDカメラ 40 液晶モニタ 41 イメージローテータ 42 回転プリズム 45 フォーカスユニット 53 レーザーダイオード 55 トラッキング用光源 60 一次元CCD 61 共焦点絞り 63a、63b フォトマルチプライヤ 64 システム制御部 66 プリズム制御回路 67 血管位置検出回路 73 操作桿 75 回転ダイアル 79 ロータリエンコーダ 80 駆動スイッチ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 3/00 - 3/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光により被検眼の測定部位を照明す
    る照明手段と、該照明手段により照明された前記測定部
    位からの反射光を受光する受光手段と、該受光手段で受
    光した光束により前記測定部位を測定又は撮影するため
    の測定撮影手段と、前記測定撮影手段を作動する操作桿
    とを有する眼科診断装置において、前記操作桿は、上部
    先端に設け回転及び該回転以外の方向に変位可能な回転
    ダイアルと、該回転ダイアルの回転を検知する回転検出
    器と、前記回転ダイアルの回転方向以外の方向への変位
    により作動する駆動スイッチとを備え、前記回転検出器
    で得られる回転量によりエイミング手段を一次元方向に
    移動して前記測定部位を選択し、前記駆動スイッチへの
    入力により前記測定部位のトラッキングを開始すること
    特徴とする眼科診断装置。
  2. 【請求項2】 前記回転検出器は前記回転ダイアルと共
    に変位する請求項1に記載の眼科診断装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動スイッチは2段階に切換わるよ
    うにした請求項1に記載の眼科診断装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動スイッチの1段目の入力により
    前記測定部位のトラッキングを開始し、2段目の入力に
    より測定又は撮影を行う請求項に記載の眼科診断装
    置。
  5. 【請求項5】 前記エイミング手段は回転プリズムであ
    り、前記回転検出器の出力に基づいて移動する請求項1
    〜4の何れか1つの請求項に記載の眼科診断装置。
  6. 【請求項6】 前記測定部位は被検眼眼底上の血管と
    し、前記照明光は可干渉光とし、前記照明光の眼底から
    の散乱光を前記受光手段により受光し、前記受光手段の
    出力に基づいて血流速度を算出する演算手段とを有する
    請求項1〜5の何れか1つの請求項に記載の眼科診断装
    置。
  7. 【請求項7】 前記受光手段は眼底上の血管内粒子によ
    り散乱される信号光と血管壁から散乱される参照光とを
    異なる2方向から受光可能とし、前記受光手段の出力信
    号を周波数解析してドップラシフトを検出する信号処理
    手段と、該信号処理手段の出力に基づいて血管内の血流
    速度を算出する演算手段と、前記受光手段の2つの受光
    方向に対し、前記測定光の眼底への入射方向を切換える
    入射方向切換手段とを有する請求項に記載の眼科診断
    装置。
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