JPH09152683A - 写真要素の保存改良方法およびそれに用いる材料 - Google Patents

写真要素の保存改良方法およびそれに用いる材料

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JPH09152683A
JPH09152683A JP8269777A JP26977796A JPH09152683A JP H09152683 A JPH09152683 A JP H09152683A JP 8269777 A JP8269777 A JP 8269777A JP 26977796 A JP26977796 A JP 26977796A JP H09152683 A JPH09152683 A JP H09152683A
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molecular sieve
polymer
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film
container
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JP8269777A
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Arunachalam Tulsi Ram
ツルシ ラム アルナチャラム
Brett Zippel Blaisdell
ジッペル ブレイズデル ブレット
Yacoby Diane M Carroll
エム.キャロル−ヤコビー ダイアン
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Eastman Kodak Co
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Eastman Kodak Co
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C3/00Packages of films for inserting into cameras, e.g. roll-films, film-packs; Wrapping materials for light-sensitive plates, films or papers, e.g. materials characterised by the use of special dyes, printing inks, adhesives

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  • Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿気に対して写真要素等の製品を保護する方
法およびそのための乾燥材料を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 写真要素を容器に入れ、次いでポリマー
とゼオライト分子篩粒子のブレンドを含む材料を、前記
要素を含む前記容器に入れることを含んでなる写真要素
の保存改良方法、並びにポリマーとゼオライト分子篩粒
子の固相ブレンドを含んでなる材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水蒸気の吸収また
はSO2 もしくはオゾンのような気体の吸収により劣化
しやすい材料の保存を改良するための方法および製品に
関する。本発明は特に写真フィルムの保存に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムの特性を変化させることな
く、処理済写真フィルムおよび未処理写真フィルムを保
存する能力は、露光済および現像済のフィルムを保持
し、並びに未露光フィルムの不変の性能を保持するため
に重要である。写真フィルムの文書記録特性を数十年間
に亘って評価することが期待されている。未露光フィル
ムの特性は、各種条件下で数十月保存しても安定のまま
であるよう意図されている。
【0003】プラスチックまたは金属の密閉容器を使用
するか、またはメタル被覆ポリマーバッグ中にシールし
てフィルムへの湿分の接近を防止することは普通に行わ
れている。SO2 およびオゾンのような気体からフィル
ムを保護することもまた望ましい。食品のような他の材
料もまたシールしそして保護パッケージすることが必要
である。これを通常Modified Atmosph
ere Packaging(MAP)と称する。ここ
では典型的な周囲環境状態とは異なる特定の周囲状態を
パッケージ内に作り出す。
【0004】さらに、分子篩ゼオライトのような微細材
料のパッケージを、露光済フィルム用のフィルム保存容
器中に入れて、それらの保存特性を向上させることが、
Ram等の米国特許第5,215,192号に開示されて
いる。Deffeyesの米国特許第4,036,360号に
は、フィルムまたはカメラのパッケージ用のパッケージ
インサートもしくはコーティング材料のための乾燥剤も
提案されている。
【0005】Schroderの米国特許第5,189,581
号は、カメラを乾燥させるためにビデオカメラ内に乾燥
剤を入れることを提案している。ポリエチレンポリマー
と、MgSO4 およびCoSO4 のブレンドが、パッケ
ージ・インサート用に提案されている。しかしながら、
MgSO4 は、SO2 、オゾンおよびH2 2 のような
気体、またはHClもしくは酢酸のような酸を吸収しな
い。
【0006】しかしながら、乾燥用材料をパッケージま
たは装置内に置く前記方式にはいくつかの欠点がある:
消費者は乾燥パックの取扱い方法を知らないので、乾燥
剤パックの廃棄が困難である。さらに、それらのパック
は移動するかまたは破損して、湿気保護が施されている
ところの成分機能を妨害することがある。さらに、これ
らは、パッケージに乾燥剤パックを入れるための別個の
アセンブリ工程があり、それと同時に乾燥剤パッケージ
の製造コストがかかるので、コストが増加する。硫酸マ
グネシウムポリマーブレンドは、乾燥剤として用いる場
合、それらが加水分解して有害な酸を生成するという欠
点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】改良された乾燥剤およ
び気体吸収保護性を有するパッケージ・インサートを提
供する方法が依然として必要とされている。さらに、乾
燥特性並びに有害気体の吸収能を有するパッケージ・イ
ンサートを有する写真製品を提供するための、より良好
な方法に対するニーズも存在する。
【0008】本発明の目的は、従来技術の方法および製
品の欠点を克服することである。本発明の別の目的は、
写真要素のための湿気保護を改良することである。さら
に別の目的は、保護品質を向上させ、そして写真要素を
保存するための容器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的お
よび他の目的は、写真要素を容器に入れ、次いでポリマ
ーと分子篩粒子のブレンドを含む材料を、前記要素が置
かれている前記容器に入れることを含んでなる、写真要
素の保存を改良する方法を提供することにより達成され
る。
【0010】本発明の別の実施態様は、ポリマーと分子
篩粒子のブレンドを含む写真要素の保存貯蔵特性を改良
するための材料である。
【0011】
【発明の効果】本発明は、湿分保護性が改良されたパッ
ケージ・インサートを提供する。本発明のパッケージ・
インサートは、分子篩材料をポリマー中に保持している
ので、例えそれらが破損してもそれらは微細材料中に分
散しないという利点を有する。それらは、硫酸マグネシ
ウム材料がそうであるようには、その分子篩材料が湿気
を吸収した後に加水分解して酸を形成することがない点
で、硫酸マグネシウムおよび硫酸コバルトのタイプの乾
燥剤と比較して利点を有する。さらに、これらの分子篩
材料は、有害気体、例えば、硫化水素、過酸化水素、亜
硝酸化合物、およびイオウ化合物を吸収するのに効果的
である。さらに、本発明のゼオライト分子篩材料は、
酸、例えば、塩酸、硝酸および酢酸を吸収し、このよう
な物質を加水分解して無害状態にする。さらに、本発明
のインサート製品は、酸性材料を加水分解して中性成分
にするであろう。本発明のポリマーブレンド材料は、さ
らに水を吸収した際、導電性となり、保存中の製品に帯
電防止性を付与する。本発明の材料は、例え、何らかの
理由でこれらの材料を直接水と接触させた場合でもそれ
らは発熱しないであろう。ゼオライトは、液状の水と直
接接触すると発熱して、ゼオライトパケットと共に保存
した写真材料に害を与えることもある。本発明のゼオラ
イトポリマーブレンドの別の利点は、コバルトおよびマ
グネシウムの硫酸塩と比較して、より迅速に水蒸気を吸
収することができることである。本発明のインサート
は、長期間の保存中にセルロースアセテートフィルムベ
ースより発生する酢酸を吸収することができる利点を有
する。ポリマーと分子篩のブレンド材料は、それと共に
使用することが意図されているパッケージに適応可能な
任意の形状に形成できる。例えば、映画フィルムの保存
用の大きな平坦容器の底部および頂部上に載置するため
のシート様材料に形成することができる。本発明のこの
ようなシート様ディスク材料は、多年に亘る保存のため
に十分な乾燥保護を与えるのに、僅か約1/8インチ
(0.32cm)の厚さを必要とするに過ぎない。他の用
途、例えば、フィルムのカートリッジに使用する場合、
または使い捨てカメラに使用する場合、本発明材料を、
巻きフィルムの芯に挿入できるような小さい円筒状に形
成することが望ましい。有用な他の形状は、酸および蒸
気に対する保護が望ましい、フィルムパックもしくは食
品および電子材料と共に置くことができるウェファーま
たはクラッカーの形状であろう。本発明の好ましい態様
に用いられる高耐衝撃性ポリスチレン並びに高密度およ
び低密度のポリエチレンは、例え、薄層であっても、極
めて小さい空間しか取らずそして軽重量の状態でパッケ
ージ内に載置するために、一体であるのに十分な強度を
有する。各種の着色剤をポリマーに添加して、本発明の
インサート材料を任意の所望の色にすることも可能であ
る。先に述べたように、吸水すると変色する材料をポリ
マー中に存在させ、本発明の乾燥剤および酸吸収材料を
交換すべきとの目視上の指示を与えることもできる。本
発明製品は、コストが低く、保存材料を劣化させること
なく、フィルム特性を改良する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、カメラおよびフィルム
カートリッジを本発明の乾燥材料と保存した場合に、異
なる気候条件下でも変動がより少い状態でそれらが作動
するという利点を有する。マガジン内でのフィルムの固
有のカーリングおよびコアセットも低減するであろう。
本発明の分子篩の添加もまた環境汚染物、例えば、H2
2 、SO3 およびオゾンを触媒分解し、したがって、
生フィルムおよび処理済フィルムの一体性を高める。本
発明の分子篩の湿度飽和が発生した場合でさえ、保存フ
ィルムに対する帯電保護を提供するであろう。本発明は
また保存中の湿度低下により、写真フィルムの生保存貯
蔵性を向上させるが、これは湿度含有量の低下に基づい
てゼラチン乳剤のガラス転移温度が高くなることによる
ものであるという利点も有する。本発明はまた、通常の
保存条件下でそして悪い保存条件下で、フィルム支持体
にかかわらず、ロールフィルムのフェロタイピング/粘
着/ブロッキングを最少にするという利点をも有する。
フィルムの安定保存は、カメラおよびカートリッジにお
けるフィルムの作動性を向上させるであろう。さらに、
保存中の湿度低下は、支持体の加水分解を低減すること
によりフィルムの崩壊を低下させるであろう。支持体の
加水分解は、生フィルムおよび特に処理済フィルムの両
者について長期間の保存にわたってフィルムの崩壊を導
くことになるからである。これらのそして他の利点は以
下の記載から明らかになるであろう。
【0013】前記の記載は、フィルム保存のために分子
篩ポリマーブレンド材料を使用することを主に取り扱っ
ているが、これらの分子篩ポリマーブレンド材料は他の
領域、特に船積みの際パッケージされた材料に乾燥保護
を与えるような荷造り包装の領域にも用途がある。この
方法および材料は、高湿度条件が望ましくないような電
気部品または食品のパッケージ用に利用できるであろ
う。本発明はまた光学ディスクおよびオーディオテープ
用のパッケージにも利用できるであろう。他の情報保存
媒体、例えば、情報保存ディスク用のパッケージおよび
保存容器もまた本発明のインサート材料を含有すること
ができるであろう。磁気媒体、並びに写真媒体は、それ
らが露らされる大気中の酸、亜硝酸ガスおよび水蒸気の
存在により引き起される劣化を受けやすい。これらのす
べては、本発明により得られるような構造部材に隣接し
て存在させることにより利益が得られるであろう。
【0014】本発明の実施において、分子篩材料はポリ
マーとブレンドする。このポリマー分子篩ブレンドは写
真要素容器中に置くことができる。これらの容器は、処
理済フィルム、露光済であるが未処理のフィルム、また
は未露光フィルムのために用いることができる。本発明
のポリマーインサート材料は、本発明の分子篩による水
蒸気および大気汚染物の吸収により利益を得るような他
の製品にもまた利用できる。これらのポリマーインサー
トは、電気材料または乾燥食品のパッケージにも用途が
ある。
【0015】写真材料の保存においては、相対湿度を低
い湿分含有量%に保持することが重要である。これは画
像形成材料を含むゼラチンは、第1表に示すように、平
衡状態にある周囲の空気の相対湿度に基づく保持湿度量
に依存して各種のガラス転移温度を示すからである。
【0016】
【表1】
【0017】前表に示されるように、80%の相対湿度
では、ガラス転移温度は一般に室温である。70%の相
対湿度においてさえ、倉庫におけるように、多くの保存
条件下ではガラス転移温度に達することがあるであろ
う。ゼラチンではなく、ゼオライト・インサートにより
湿気を吸収すると、ゼラチンのガラス転移温度を高める
であろう。ガラス転移温度が高くなれば、加水分解によ
るフィルムの急激な品質低下は防止されるであろう。
【0018】本発明の好ましい材料は、分子篩ゼオライ
トである。これは、これらの材料がポリマーとのブレン
ド性能が良好であり、乾燥特性も良好であり、そしてS
2のような他のガスを吸収するからである。任意の適
切な分子篩ゼオライト、例えば、タイプA、タイプL、
タイプX、タイプYおよびこれらのゼオライトの混合物
を本発明に用いることができる。分子篩材料は結晶性の
水和金属アルミノシリケートであり、これらは合成によ
り生成するか、または天然の鉱物である。このような材
料は、米国特許第2,882,243号、第2,88
2,244号、第3,078,636号、第3,14
0,235号および第4,094,652号に記載され
ており、これらのすべては引用することにより本明細書
に包含する。本発明の実施において、2種類のタイプ、
すなわちAおよびXが好ましい。分子篩、ゼオライト
は、各結晶中に、均一サイズの相互に関連したキャビテ
ィを含有し、これらのキャビティは、同一の均一性を有
する、より狭い開口部、もしくは孔により分離されてい
る。形成される際、この結晶性網状構造は水で満されて
いるが、緩やかに暖めると、結晶構造を変化させること
なく、キャビティから湿気を追い出すことができる。こ
のことにより、水もしくは他の物質の吸収に利用できる
表面積および孔容量の両者を備えたキャビティが残され
る。キャビティからの排出とキャビティへの再充填の工
程が、好ましい条件下で無限に繰り返される。
【0019】分子篩を用いると、精密なプロセス制御が
可能であり、これは結晶性網状構造の孔は、他の吸着剤
の場合のように各種の寸法のものではなく、均一である
からである。表面積および孔容量が大きいので、分子篩
は、孔の均一性を利用して分子を分離して、分子サイズ
および分子形状に基づいて分別することができる。分子
篩は、シリカおよびアルミナ四面体の三次元網状構造を
有する結晶性金属アルミノシリケートである。この極め
て均一の結晶構造が、高温でさえも高性能の優れた乾燥
剤となる特性を分子篩に付与する。四面体は、ケイ素原
子またはアルミニウム原子を取り巻く4個の酸素原子に
より形成される。各酸素は−2の電荷であり、各ケイ素
は+4の電荷を有する。この構造は、シェアリング(共
有)配置を可能とし、4方向に均一に四面体を構築す
る。アルミニウムは3価なので、アルミナ四面体は負電
荷となり、系のバランスをとるためには追加のカチオン
を必要とする。したがって、最終構造は網状構造中にナ
トリウム、カリウム、カルシウムまた他のカチオンを有
する。これらの電荷バランス用カチオンはゼオライト構
造の交換可能なイオンである。
【0020】前記の結晶構造において、4価のケイ素原
子の半分までは3価のアルミニウム原子により置き換え
ることができる。アルミニウムイオンに対するケイ素イ
オンの比が異なるゼオライトも、各種のカチオンを含有
する異なる結晶構造と同様に入手可能である。最も普通
の市販ゼオライト、タイプAにおいて、四面体は、各点
でケイ素もしくはアルミナの四面体を有する平頭(tr
uncated)八面体を形成するものにグループ分け
される。この構造は方ソーダ石ケージとして知られてい
る。
【0021】方ソーダ石ケージを単純な立方形状に重ね
合せると、その結果、サイズが約11.5Åのキャビテ
ィの網状構造が形成され、これらの網状構造はその6側
面すべての上に存在する開口部を介して接近可能であ
る。これらの開口部は、8個の酸素イオンに囲まれてい
る。1個またはそれ以上の交換可能なカチオンもまた部
分的に表面域をブロックする。ナトリウム形において
は、酸素イオンのこの環は、この構造の内部へ通じる直
径4.2Åの開口部を有するこの結晶構造は以下の式: Na12〔(AlO2)12(SiO2)12〕XH2 O により化学的に表される。
【0022】結晶化の際、キャビティを満す水和水は、
緩く結合しており、緩やかな加熱により除去できる。以
前はこの水で占領されていた空隙は、各種の気体および
液体を吸着することにより再び充填することができる。
この構造中の水分子の数(Xの数)は27のような大き
い数であることがある。アルミニウム四面体と組み合わ
されるナトリウムイオンは、開口部をブロックする傾向
になるか、またはそれらの電荷により反対に僅かに大き
いサイズの分子の通過を助長することができる。その結
果、ナトリウム形の分子篩は(市販の際は4Aと称され
ている)、約4Åの直径の均一の開口部を有するものと
見做すことができる。
【0023】これらの塩基交換特性の故に、ゼオライト
は、ナトリウムの一部を他の金属で置き換えたものを容
易に生成することができる。合成ゼオライトの中には、
工業上特に有用な2種類の改良形が見出されている。大
部分のナトリウムイオンをカリウムイオンで置き換える
ことにより、3A分子篩が形成される(約3Åの開口部
を有する)。同様に、カルシウムイオンを用いて置換す
ると、5A(約5Åの開口部を有する)が形成される。
【0024】タイプXのゼオライトの結晶構造は、基本
の方ソーダ石ケージを、6員の酸素原子環と交叉する、
四面体積層状(ダイヤモンド構造)の状態に配列するこ
とにより形成される。これらの環は、この構造の内部に
通じる直径9〜10Åの開口部を有する。全体の電荷
は、タイプA構造の場合と同様に、正電荷のカチオンに
よりバランスがとられている。ソーダ形のタイプXの分
子篩の単位セルを表す化学式を以下に示す: Na86〔(AlO2)86(SiO2)106 〕XH2 O タイプAの結晶の場合と同様に、水和水は、緩やかに加
熱することにより除去することができ、このようにして
発生した空隙は、他の液体もしくは気体で再充填するこ
とができる。Xの値は276の大きい値であることがあ
る。
【0025】吸着剤にとっての主な必須要件は、単位容
積当り大きな表面積を有することである。さらに、表面
は化学的に不活性で、しかも所望の吸着質に対して有効
であることである。純粋に理論的観点から、分子が吸着
される速度は、他のファクターが等しいならば、それら
の分子が吸着体粒子と接触する速度およびそれらの分子
が接触後粒子中に拡散するスピードに依存するであろ
う。これらのファクターの1個またはその他のものは、
所定状態に調整される。物質移動を早める一方法は、い
ずれの場合でも吸着体粒子のサイズを低減することであ
る。
【0026】合成のゼオライト結晶は、比較的小さい
(例えば、0.1μm〜10μm)が、これらの小粒子
は結合または凝集してより大きい形状になっていてもよ
い。典型的な市販の球状粒子は、1000μm〜500
0μm(4〜12メッシュ)の平均結合粒子サイズを有
する。他の分子篩形状、例えば、ペレット(1〜3mm直
径)、ラッシング(Rashing)環、サドル等が有
用である。
【0027】最も乾燥した状態の分子篩を、製造業者か
ら受け取ったままで使用すべきである。分子篩が大気に
露された場合は、製造業者の指示に従って再活性化する
ことが好ましい。分子篩は、一般に製品に形成する前に
ポリマーとブレンドすることによりポリマーと合せる。
使用するポリマーとしては、熱可塑性半結晶性ポリオレ
フィンポリマー、例えば、ポリエチレン、ブタジエンス
チレンポリマー、もしくはポリプロピレン;非結晶性ポ
リマー、例えば、ポリフェニレンもしくはポリスチレ
ン;または熱硬化性ポリマー、例えば、ポリエステルお
よびアクリル系樹脂が挙げられるが、これらに限定され
ない。高耐衝撃性ポリスチレンポリマーおよび高密度も
しくは低密度のポリエチレンが好ましい。高耐衝撃性ポ
リスチレン(HIPS)は、一般に5〜12重量%のゴ
ム含有量でゴム改質されている。
【0028】分子状ゼオライトは、一般にポリマーに包
含せしめる際には粉末状である。しかしながら、ペレッ
トのように、分子篩が粉末より幾分大きい場合があるか
もしれないが、より大きい粒子状の分子篩材料を包含す
る材料は、構造についてさらに並はずれた要求をする用
途にとっては、強健でもなく、適切でもない。ポリマー
とゼオライトのブレンドは、純粋なポリマーを再循環さ
せるのと同一方法で再循環させることができ、そして再
循環の際、さらに純粋なポリマーと混合することができ
る。
【0029】分子篩材料は、任意の適切な量、包含せし
めてよい。一般に、0.1〜10μmの平均直径の粒子
サイズの分子篩ゼオライトを用いる場合、前記材料は、
ポリマーとゼオライトのブレンドの約60重量%までの
任意の有効な量、存在させることができ、それでもなお
十分な強度特性が得られる。分子篩材料の適切量は、ポ
リマーと分子篩の総重量の2〜60重量%である。この
量は、インサート部材の機械的要件に依って変動するこ
とができる。好ましい包含量は、本発明のパッケージ・
インサートの形成に用いられる高密度ポリエチレンおよ
び高耐衝撃性ポリスチレンの特性を保持しながら、水蒸
気および他の蒸気を良好に吸着させるためには、粉末の
約20〜50重量%である。
【0030】パッケージ・インサートの形成方法は、任
意の配合(compounding)プロセスであって
よい。典型的なポリマー形成用配合方法、例えば、二本
ロール混合機、高強度ブレード、ミキサー、連続インラ
イン静電ミキサー、熱成形吹込成形、および一軸スクリ
ュー押出しを用いてよい。このプロセスのために好まし
い装置は、二軸スクリュー押出しであることが判明して
いる。湿度表示器を押出しプロセスおよび混合プロセス
に包含せしめることも可能である。このような表示器
は、インサートを取り換える時期を使用者に示す。この
ような材料としては無水コバルト(II)塩が挙げられ
る。形成方法としては、レイダウン(laydown)
または押出しによるウェブ形成である。また射出成形
も、迅速で低コストなので好ましい。
【0031】本発明の分子篩を含有するインサートは、
使用するまで乾燥した状態に保存しなければならない。
一般に、これらの材料が、フィルム保存用の容器に用い
られる場合、パッケージ保存容器を開くまで湿気が存在
しないようにパッケージを密閉する。したがって、フィ
ルムパッケージおよび保存のための典型的なバリヤーシ
ールにより、これらの分子篩は任意の水蒸気吸収を続け
るのに十分に効果的となるであろう。しかしながら、ゼ
オライトを含有するポリマー成形インサートが、容器に
フィルムを装填する時点に先立って高湿度に露らされな
いように保護するよう注意することが必要である。本発
明のインサートは、写真製品と共に使用することについ
て述べてきた。しかしながら、これらのインサートは、
他のパッケージ分野、例えば、食品、電子部品、磁気保
存媒体光学ディスク、および薬品等のような、水蒸気お
よび有害ガスを吸収する性能が有利となるような他のパ
ッケージ領域においても用途がある。
【0032】以下の実施例は、本発明の実施を具体的に
示すものである。これらは、本発明の可能な変形のすべ
てを言いつくしているものではない。特に断らない限
り、部および%は重量部および重量%である。
【0033】
【実施例】Molecular Sieve Type
4Aゼオライトは、UOP-Molecular Sieve Division I
nc. から入手した。ゼオライトはナトリウムアルミノシ
リケートの化学組成を有し、約5ミクロンの平均粒子サ
イズを有した。分子篩は、0.812逆回転二軸配合押
出し機を用いて、高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)
および高密度ポリエチレンコポリマー(HDPE)中に
配合した。2種類のバッチを準備した−バッチA、HI
PS中に20%篩含有量のマスターバッチ、およびHD
PE中に30%ゼオライト篩含有量のマスターバッチ。
前記材料を次に、未配合のHIPSおよびHDPEと共
に溶かし、次いで成形してASTM試験片とした。ゼオ
ライト粉末の%は、ポリマーと配合物の全体重量に基づ
いている。これらの試験片をASTM法D638により
試験した。試験結果を第2表に報告する。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】第3表から、本発明のポリマーブレンド
は、写真材料のパッケージおよび保存用のインサート要
素に適した特性を有することが明らかである。これらの
インサート要素は、保存中のフィルムの通常の取り扱い
においても破損しないであろう。これら材料化合物をさ
らに試験して、HIPSおよびHDPEポリマーとの配
合後にもこれらの材料の分子篩特性が存在することを確
認した。これらの分子篩は、前記試験片に形成した後に
も、その大部分の吸収特性を維持するので、インサート
としての使用に適していることが判明した。
【0037】
【追加の実施態様】
<態様1> 前記ブレンドが、前記分子篩材料を2〜6
0重量%含む請求項1記載の方法。 <態様2> 前記容器が使い捨てカメラを含む請求項1
記載の方法。 <態様3> 前記分子篩が、前記ブレンドを約20〜5
0重量%含む請求項1記載の方法。 <態様4> 前記写真要素が、セルロースアセテートベ
ースを有する、現像済映画フィルムを含む請求項1記載
の方法。 <態様5> 前記材料が、前記のセルロースアセテート
ベースフィルムのスプールの上下に載置されたウェファ
ーの形状である態様4記載の方法。 <態様6> 前記ポリマーが、高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレンまたは高耐衝撃性ポリスチレンである
請求項1記載の方法。 <態様7> 前記分子篩材料がゼオライトである請求項
1記載の方法。 <態様8> 前記材料がロッド形状である請求項1記載
の方法。 <態様9> 前記ポリマーが、ポリオレフィンポリマー
を含む請求項1記載の方法。 <態様10> 前記分子篩粒子が、前記ブレンドの約2
〜約60重量%を含む請求項2記載の材料。 <態様11> 前記ポリマーが、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレンまたは高耐衝撃性ポリスチレンを含
む請求項2記載の材料。 <態様12> 前記分子篩粒子が、ゼオライトを含む請
求項2記載の材料。 <態様13> 薄いウェファーの形状である請求項2記
載の材料。 <態様14> 前記分子篩粒子が、前記ブレンドの20
〜50重量%の量存在するゼオライトを含む請求項2記
載の材料。 <態様15> 前記分子篩材料が酸を吸収しかつ分解す
る請求項2記載の材料。 <態様16> 前記材料が、写真要素の保存貯蔵特性を
改良する請求項2記載の材料。 <態様17> 前記ポリマーが、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレートまたはグリコール改
質ポリエチレンテレフタレートである請求項2記載の材
料。 <態様18> 水蒸気に露らされることにより劣化する
製品の保存性を改良する方法であって、前記製品を容器
に入れ、次いでゼオライト分子篩粒子とポリマーのブレ
ンドを含むインサートを、前記製品が入っている前記容
器中に入れることを含んでなる方法。
【0038】本発明を、その好ましい実施態様を特に参
考にして詳述したが、本発明の精神および範囲内におい
て変更および修正ができることが理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 11/16 G03C 11/16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真要素を容器に入れ、次いでポリマー
    とゼオライト分子篩粒子のブレンドを含む材料を、前記
    要素を含む前記容器に入れることを含んでなる、写真要
    素の保存改良方法。
  2. 【請求項2】 ポリマーとゼオライト分子篩粒子の固相
    ブレンドを含んでなる材料。
JP8269777A 1995-10-13 1996-10-11 写真要素の保存改良方法およびそれに用いる材料 Pending JPH09152683A (ja)

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US08/590720 1996-01-24

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