JPH09151272A - ゴム用可塑剤及びゴム組成物 - Google Patents
ゴム用可塑剤及びゴム組成物Info
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- JPH09151272A JPH09151272A JP31263495A JP31263495A JPH09151272A JP H09151272 A JPH09151272 A JP H09151272A JP 31263495 A JP31263495 A JP 31263495A JP 31263495 A JP31263495 A JP 31263495A JP H09151272 A JPH09151272 A JP H09151272A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 著しく耐寒性に優れ、かつ長期間にわたり成
形品の耐寒性を維持することができる耐久性が良好なゴ
ム用可塑剤およびそれを用いたゴム組成物の提供。 【解決手段】 2−プロピルヘプタノールまたは2−プ
ロピルヘプタノールと4−メチル−2−プロピルヘキサ
ノールとの混合物と脂肪族カルボン酸とのエステルから
なるゴム用可塑剤、及びゴムとゴム100重量部あたり
5〜150重量部の上記可塑剤とを含有するゴム組成
物。
形品の耐寒性を維持することができる耐久性が良好なゴ
ム用可塑剤およびそれを用いたゴム組成物の提供。 【解決手段】 2−プロピルヘプタノールまたは2−プ
ロピルヘプタノールと4−メチル−2−プロピルヘキサ
ノールとの混合物と脂肪族カルボン酸とのエステルから
なるゴム用可塑剤、及びゴムとゴム100重量部あたり
5〜150重量部の上記可塑剤とを含有するゴム組成
物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム用可塑剤および
これを用いたゴム組成物に関する。詳しくは、耐寒性に
極めて優れ、かつ耐久性も良好なゴム用可塑剤及びゴム
組成物に関する。
これを用いたゴム組成物に関する。詳しくは、耐寒性に
極めて優れ、かつ耐久性も良好なゴム用可塑剤及びゴム
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムを用いた製品には、その加工性を改
良する目的で、アロマ系もしくはナフテン系プロセスオ
イルやフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル等のエステル系可塑剤
が配合される例が多い。中でも、エステル系可塑剤は添
加することにより、得られる製品の低温柔軟性、低温耐
衝撃性等の耐寒性が改良されるので、多く用いられるよ
うになっている。
良する目的で、アロマ系もしくはナフテン系プロセスオ
イルやフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル等のエステル系可塑剤
が配合される例が多い。中でも、エステル系可塑剤は添
加することにより、得られる製品の低温柔軟性、低温耐
衝撃性等の耐寒性が改良されるので、多く用いられるよ
うになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のプロセ
スオイルやエステル化合物を用いた場合でも、極めて温
度が低くなるような使用条件では、依然として耐寒性は
不十分であり、これを改良するため、例えばアジピン酸
ジ−2−エチルヘキシルのような可塑剤を用いると、そ
の分子量が小さいためか、成形後の製品から可塑剤が揮
発したり、接触する他の樹脂等に移行したり、あるいは
各種の油脂類に抽出されたりして、長期間の使用後には
ゴムの柔軟性が失われる、即ち耐久性が劣るという欠点
があった。
スオイルやエステル化合物を用いた場合でも、極めて温
度が低くなるような使用条件では、依然として耐寒性は
不十分であり、これを改良するため、例えばアジピン酸
ジ−2−エチルヘキシルのような可塑剤を用いると、そ
の分子量が小さいためか、成形後の製品から可塑剤が揮
発したり、接触する他の樹脂等に移行したり、あるいは
各種の油脂類に抽出されたりして、長期間の使用後には
ゴムの柔軟性が失われる、即ち耐久性が劣るという欠点
があった。
【0004】また、耐寒性を改良しようとして上記の化
合物の添加量を多くすると、ゴムとの相溶性の関係か、
可塑剤等が成形品の表面にブリードする、という問題点
があった。即ち、本発明の課題は、ゴムとの相溶性や耐
寒性が優れ、かつ長期間にわたり成形品の耐寒性を維持
することができる耐久性が良好なゴム用可塑剤及びそれ
を用いたゴム組成物を提供することにある。
合物の添加量を多くすると、ゴムとの相溶性の関係か、
可塑剤等が成形品の表面にブリードする、という問題点
があった。即ち、本発明の課題は、ゴムとの相溶性や耐
寒性が優れ、かつ長期間にわたり成形品の耐寒性を維持
することができる耐久性が良好なゴム用可塑剤及びそれ
を用いたゴム組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の実情に
鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定のアルコール成分を
用いて得られたエステル化合物が上記の問題点を解決で
きることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明の要
旨は、2−プロピルヘプタノールまたは2−プロピルヘ
プタノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノールと
の混合物(以下、まとめて「C10アルコール」とい
う)と脂肪族カルボン酸とのエステル(以下「C10エ
ステル」という)からなるゴム用可塑剤、に存する。
鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定のアルコール成分を
用いて得られたエステル化合物が上記の問題点を解決で
きることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明の要
旨は、2−プロピルヘプタノールまたは2−プロピルヘ
プタノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノールと
の混合物(以下、まとめて「C10アルコール」とい
う)と脂肪族カルボン酸とのエステル(以下「C10エ
ステル」という)からなるゴム用可塑剤、に存する。
【0006】本発明の他の要旨は、C10アルコールが
2−プロピルヘプタノールと4−メチル−2−プロピル
ヘキサノールとの混合物であって、かつその重量比率
(以下「C10アルコール組成比」という)が95/5
〜70/30である上記のゴム用可塑剤、及び脂肪族カ
ルボン酸が脂肪族二価カルボン酸、特にコハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸か
らなる群の1種または2種以上の混合物である上記のゴ
ム用可塑剤、にも存する。
2−プロピルヘプタノールと4−メチル−2−プロピル
ヘキサノールとの混合物であって、かつその重量比率
(以下「C10アルコール組成比」という)が95/5
〜70/30である上記のゴム用可塑剤、及び脂肪族カ
ルボン酸が脂肪族二価カルボン酸、特にコハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸か
らなる群の1種または2種以上の混合物である上記のゴ
ム用可塑剤、にも存する。
【0007】更に、本発明の別の要旨は、ゴムと該ゴム
100重量部あたりC10エステル5〜150重量部と
を含有するゴム組成物、にも存し、また本発明のもう一
つの要旨は、ゴムとして溶解度パラメーターが8.0〜
9.0の範囲にあるゴムを用いる上記のゴム組成物、及
びゴムとして天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、
エチレン−プロピレンゴム、及びスチレン−ブタジエン
ゴムからなる群から選ばれた1種または2種以上の混合
物を用いる上記のゴム組成物、にも存している。
100重量部あたりC10エステル5〜150重量部と
を含有するゴム組成物、にも存し、また本発明のもう一
つの要旨は、ゴムとして溶解度パラメーターが8.0〜
9.0の範囲にあるゴムを用いる上記のゴム組成物、及
びゴムとして天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、
エチレン−プロピレンゴム、及びスチレン−ブタジエン
ゴムからなる群から選ばれた1種または2種以上の混合
物を用いる上記のゴム組成物、にも存している。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のゴム用可塑剤及び
ゴム組成物について詳細に説明する。 <ゴム用可塑剤> アルコール成分:本発明のゴム用可塑剤のアルコール成
分としては、2−プロピルヘプタノールまたは2−プロ
ピルヘプタノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノ
ールとの混合物(C10アルコール)を用いる。中で
も、C10アルコールが2−プロピルヘプタノールと4
−メチル−2−プロピルヘキサノールとの混合物であっ
て、かつその重量比率が95/5〜70/30のものを
用いるのが、加工性と耐寒性のバランスに優れており好
ましい。
ゴム組成物について詳細に説明する。 <ゴム用可塑剤> アルコール成分:本発明のゴム用可塑剤のアルコール成
分としては、2−プロピルヘプタノールまたは2−プロ
ピルヘプタノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノ
ールとの混合物(C10アルコール)を用いる。中で
も、C10アルコールが2−プロピルヘプタノールと4
−メチル−2−プロピルヘキサノールとの混合物であっ
て、かつその重量比率が95/5〜70/30のものを
用いるのが、加工性と耐寒性のバランスに優れており好
ましい。
【0009】酸成分:本発明のゴム用可塑剤の酸成分と
しては脂肪族カルボン酸を用いる。用いる脂肪族カルボ
ン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ
酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロヘキサ
ンカルボン酸、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸、デ
カン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミ
リストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、エライジン酸、リノレン酸、リノール酸、エイコ
サン酸、ベヘン酸等の一価カルボン酸、蓚酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ウンデカン
ジエンカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン
酸、イタコン酸等の二価カルボン酸、トリカルバリル
酸、酒石酸、ブタンテトラカルボン酸等の三価以上のカ
ルボン酸等が挙げられるが、特に脂肪族カルボン酸が脂
肪族二価カルボン酸、中でもコハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸からなる群の
1種または2種以上の混合物を用いるのが、ゴムとの相
溶性、保留性が良好で好ましい。 エステル化反応:本発明のゴム用可塑剤(C10エステ
ル)は上記のアルコール成分と酸成分(上記の酸の無水
物を含む)とを、チタネート触媒や強酸触媒等を用いて
常法によりエステル化することにより得られる。
しては脂肪族カルボン酸を用いる。用いる脂肪族カルボ
ン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ
酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロヘキサ
ンカルボン酸、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸、デ
カン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミ
リストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、エライジン酸、リノレン酸、リノール酸、エイコ
サン酸、ベヘン酸等の一価カルボン酸、蓚酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ウンデカン
ジエンカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン
酸、イタコン酸等の二価カルボン酸、トリカルバリル
酸、酒石酸、ブタンテトラカルボン酸等の三価以上のカ
ルボン酸等が挙げられるが、特に脂肪族カルボン酸が脂
肪族二価カルボン酸、中でもコハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸からなる群の
1種または2種以上の混合物を用いるのが、ゴムとの相
溶性、保留性が良好で好ましい。 エステル化反応:本発明のゴム用可塑剤(C10エステ
ル)は上記のアルコール成分と酸成分(上記の酸の無水
物を含む)とを、チタネート触媒や強酸触媒等を用いて
常法によりエステル化することにより得られる。
【0010】<ゴム組成物> 組成:本発明のゴム組成物は、ゴムと該ゴム100重量
部あたりC10エステル5〜150重量部とを混合して
得ることができる。C10エステルの使用量が5重量部
未満では本発明の効果、特に耐寒性が十分には発揮され
ず、一方150重量を超えて使用した場合は、成形品表
面に可塑剤が噴き出す、いわゆるブリードが起こりやす
くなる。C10エステルの配合量としては10〜100
重量部が好ましく、特に10〜50重量部が好ましい
が、使用量は用いるゴム、可塑剤の種類や目的とする柔
らかさ等に応じて適宜定めればよい。このゴム組成物に
は、ゴム用の配合剤、例えばカーボンブラック、加硫
剤、加硫促進剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助
剤等を必要に応じて添加することができる。
部あたりC10エステル5〜150重量部とを混合して
得ることができる。C10エステルの使用量が5重量部
未満では本発明の効果、特に耐寒性が十分には発揮され
ず、一方150重量を超えて使用した場合は、成形品表
面に可塑剤が噴き出す、いわゆるブリードが起こりやす
くなる。C10エステルの配合量としては10〜100
重量部が好ましく、特に10〜50重量部が好ましい
が、使用量は用いるゴム、可塑剤の種類や目的とする柔
らかさ等に応じて適宜定めればよい。このゴム組成物に
は、ゴム用の配合剤、例えばカーボンブラック、加硫
剤、加硫促進剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助
剤等を必要に応じて添加することができる。
【0011】ゴム:本発明のゴム組成物に用いるゴムと
しては、天然ゴム(「NR」と記す)、ブタジエンゴム
(「BR」と記す)、ニトリルゴム(「NBR」と記
す)、スチレン−ブタジエンゴム(「SBR」と記
す)、クロロプレンゴム(「CR」と記す)、エチレン
−プロピレンゴム(「EPDM」と記す)、ブチルゴム
(「IIR」と記す)、アクリルゴム(「ACM」と記
す)等が例示でき、特に限定はされないが、溶解度パラ
メーター(以下「SP値」と記す)が8.0〜9.0の
範囲にあるもの、例えば、天然ゴム(SP値=8.
2)、ブタジエンゴム(SP値=8.5)、ブチルゴム
(SP値=7.7)、エチレン−プロピレンゴム(SP
値=8.1)、及びスチレン−ブタジエンゴム(SP値
=8.5)からなる群から選ばれた1種または2種以上
の混合物を用いるのが本発明のC10エステルとの相溶
性が優れており好ましい。
しては、天然ゴム(「NR」と記す)、ブタジエンゴム
(「BR」と記す)、ニトリルゴム(「NBR」と記
す)、スチレン−ブタジエンゴム(「SBR」と記
す)、クロロプレンゴム(「CR」と記す)、エチレン
−プロピレンゴム(「EPDM」と記す)、ブチルゴム
(「IIR」と記す)、アクリルゴム(「ACM」と記
す)等が例示でき、特に限定はされないが、溶解度パラ
メーター(以下「SP値」と記す)が8.0〜9.0の
範囲にあるもの、例えば、天然ゴム(SP値=8.
2)、ブタジエンゴム(SP値=8.5)、ブチルゴム
(SP値=7.7)、エチレン−プロピレンゴム(SP
値=8.1)、及びスチレン−ブタジエンゴム(SP値
=8.5)からなる群から選ばれた1種または2種以上
の混合物を用いるのが本発明のC10エステルとの相溶
性が優れており好ましい。
【0012】なお、溶解度パラメータには種々の測定方
法が提案されているが、本発明においては、スモール
(Small)の方法を用いるものとする。なお、上に
示した各ゴムのSP値は、代表的な値であって、個々の
ゴムについては共重合組成や架橋の程度等によりいくら
かの大小があるので、必要に応じて測定を行って確認す
るのが望ましい。 組成物の製造:本発明のゴム組成物を製造するために
は、通常用いられるゴムの混練方法、例えばミルロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いる。
法が提案されているが、本発明においては、スモール
(Small)の方法を用いるものとする。なお、上に
示した各ゴムのSP値は、代表的な値であって、個々の
ゴムについては共重合組成や架橋の程度等によりいくら
かの大小があるので、必要に応じて測定を行って確認す
るのが望ましい。 組成物の製造:本発明のゴム組成物を製造するために
は、通常用いられるゴムの混練方法、例えばミルロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いる。
【0013】
【実施例】次に、本発明方法の具体的内容を実施例を用
いて説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、
以下の実施例によって限定されるものではない。 <エステルの合成>アジピン酸146g(1.0モ
ル)、C10アルコールとして2−プロピル−ヘプタノ
ール355.5g(2.25モル)と4−メチル−2−
プロピルヘキサノール39.5g(0.25モル)との
混合物(総量395g、2.5モル)(C10アルコー
ル組成比=90/10)、及びエステル化触媒としてテ
トライソプロピルチタネート0.13gを加え、温度
計、窒素導入管、Dean−Stark型分水器(以下
「分水器」と記す)及び還流冷却器を付した内容積2リ
ットルのフラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら
加熱し、反応液温度を220℃としてエステル化反応を
実施した。生成水を分水器により連続的に系外へ除去
し、反応液の酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応を
実施した。反応時間は4時間であった。反応終了後、未
反応のC10アルコールを系を減圧にして除去した後、
常法により中和、水洗、減圧脱水してC10アルコール
のアジピン酸ジエステルを得た。(以下、「DC10A」
と記す)
いて説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、
以下の実施例によって限定されるものではない。 <エステルの合成>アジピン酸146g(1.0モ
ル)、C10アルコールとして2−プロピル−ヘプタノ
ール355.5g(2.25モル)と4−メチル−2−
プロピルヘキサノール39.5g(0.25モル)との
混合物(総量395g、2.5モル)(C10アルコー
ル組成比=90/10)、及びエステル化触媒としてテ
トライソプロピルチタネート0.13gを加え、温度
計、窒素導入管、Dean−Stark型分水器(以下
「分水器」と記す)及び還流冷却器を付した内容積2リ
ットルのフラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら
加熱し、反応液温度を220℃としてエステル化反応を
実施した。生成水を分水器により連続的に系外へ除去
し、反応液の酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応を
実施した。反応時間は4時間であった。反応終了後、未
反応のC10アルコールを系を減圧にして除去した後、
常法により中和、水洗、減圧脱水してC10アルコール
のアジピン酸ジエステルを得た。(以下、「DC10A」
と記す)
【0014】<実施例1、2、比較例1〜7>上記によ
り得られたエステル(実施例1、2)もしくは市販のエ
ステル系可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(D
OP、比較例1、5)、及びアジピン酸ジ−2−エチル
ヘキシル(以下「DOA」と記す、比較例2、6))、
またはプロセスオイル(アロマ系(「X−140」、比
較例3)、ナフテン系(「R−200」、比較例4)、
及びパラフィン系(「P−200」、比較例7)、いず
れも共同石油(株)製)をゴム用可塑剤として用い、ゴ
ム組成物を作成して評価を行った。
り得られたエステル(実施例1、2)もしくは市販のエ
ステル系可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(D
OP、比較例1、5)、及びアジピン酸ジ−2−エチル
ヘキシル(以下「DOA」と記す、比較例2、6))、
またはプロセスオイル(アロマ系(「X−140」、比
較例3)、ナフテン系(「R−200」、比較例4)、
及びパラフィン系(「P−200」、比較例7)、いず
れも共同石油(株)製)をゴム用可塑剤として用い、ゴ
ム組成物を作成して評価を行った。
【0015】配合:ゴムとしてスチレン−ブタジエンゴ
ム(SBR、品種S-1500)、エチレン−プロピレンゴム
(EPDM、品種EP-57C)を用い、表−1に示す組成比
で配合した。 試料の調製:上記配合に基づきバンバリーで混練を行っ
た上、ミルロールを用いてシートを作成した。その後、
表−1に示す条件でプレス加硫を行い評価用のシートを
得、このシートを用いて、下記の方法にてゴム組成物と
しての物性を評価した。結果は、ゴムの種類ごとにまと
めて、表−2、表−3に示す。
ム(SBR、品種S-1500)、エチレン−プロピレンゴム
(EPDM、品種EP-57C)を用い、表−1に示す組成比
で配合した。 試料の調製:上記配合に基づきバンバリーで混練を行っ
た上、ミルロールを用いてシートを作成した。その後、
表−1に示す条件でプレス加硫を行い評価用のシートを
得、このシートを用いて、下記の方法にてゴム組成物と
しての物性を評価した。結果は、ゴムの種類ごとにまと
めて、表−2、表−3に示す。
【0016】<評価方法> (1)引張試験・・・JIS K−6301(引張試験)
に準拠 (2)硬度 ・・・同(硬さ試験)の「スプリング式硬
さ試験 A型」に準拠 (3)耐寒性 ・・・JIS K−6745(低温ねじり
試験)に準拠 (4)耐熱試験・・・JIS K−6301(老化試験)
に準拠(100℃×72時間) (5)圧縮永久歪み・JIS K−6301(圧縮永久歪
み試験)に準拠(100℃×70時間) (6)移行性 ・・・試料(1mm厚)を、可塑剤を含ま
ないシート(1mm厚)に挟み、0.1kg/cm2の荷重
をかけた状態で40℃の雰囲気下に、所定期間放置した
後の試料の重量変化率を測定する。
に準拠 (2)硬度 ・・・同(硬さ試験)の「スプリング式硬
さ試験 A型」に準拠 (3)耐寒性 ・・・JIS K−6745(低温ねじり
試験)に準拠 (4)耐熱試験・・・JIS K−6301(老化試験)
に準拠(100℃×72時間) (5)圧縮永久歪み・JIS K−6301(圧縮永久歪
み試験)に準拠(100℃×70時間) (6)移行性 ・・・試料(1mm厚)を、可塑剤を含ま
ないシート(1mm厚)に挟み、0.1kg/cm2の荷重
をかけた状態で40℃の雰囲気下に、所定期間放置した
後の試料の重量変化率を測定する。
【0017】<結果の評価>本発明のゴム用可塑剤を用
いたゴム組成物は、耐寒性(低温ねじり試験)がDOP
より優れ、耐寒性では最高レベルとされるDOAと同等
である上、耐熱試験(特に質量変化率)で代表される耐
久性は他のエステル化合物より優れ、プロセスオイル並
である。即ち、本発明のゴム用可塑剤は優れた耐寒性と
良好な耐久性を両立させたものであると言える。
いたゴム組成物は、耐寒性(低温ねじり試験)がDOP
より優れ、耐寒性では最高レベルとされるDOAと同等
である上、耐熱試験(特に質量変化率)で代表される耐
久性は他のエステル化合物より優れ、プロセスオイル並
である。即ち、本発明のゴム用可塑剤は優れた耐寒性と
良好な耐久性を両立させたものであると言える。
【0018】
【発明の効果】本発明のゴム用可塑剤を用いることによ
り、耐寒性に極めて優れ、かつ耐熱性、耐油性、非移行
性等の耐久性がバランス良く向上したゴム組成物を得る
ことができ、これに基づいて高品質のゴム成形品が製造
できる。
り、耐寒性に極めて優れ、かつ耐熱性、耐油性、非移行
性等の耐久性がバランス良く向上したゴム組成物を得る
ことができ、これに基づいて高品質のゴム成形品が製造
できる。
【0019】
【表1】 加硫促進剤CZ、TT:いずれも大内新興(株)製
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
Claims (7)
- 【請求項1】 2−プロピルヘプタノールまたは2−プ
ロピルヘプタノールと4−メチル−2−プロピルヘキサ
ノールとの混合物(以下、まとめて「C10アルコー
ル」という)と脂肪族カルボン酸とのエステル(以下
「C10エステル」という)からなるゴム用可塑剤。 - 【請求項2】 C10アルコールが2−プロピルヘプタ
ノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノールとの混
合物であって、かつその重量比率が95/5〜70/3
0である請求項1に記載のゴム用可塑剤。 - 【請求項3】 脂肪族カルボン酸が脂肪族二価カルボン
酸である請求項1または請求項2に記載のゴム用可塑
剤。 - 【請求項4】 脂肪族カルボン酸がコハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸からな
る群の1種または2種以上の混合物である請求項3に記
載のゴム用可塑剤。 - 【請求項5】 ゴムと該ゴム100重量部あたり請求項
1〜4のいずれか1項に記載のC10エステル5〜15
0重量部とを含有するゴム組成物。 - 【請求項6】 ゴムとして溶解度パラメーターが8.0
〜9.0の範囲にあるゴムを用いる請求項5に記載のゴ
ム組成物。 - 【請求項7】 ゴムとして天然ゴム、ブタジエンゴム、
ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、及びスチレン
−ブタジエンゴムからなる群から選ばれた1種または2
種以上の混合物を用いる請求項5または請求項6に記載
のゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31263495A JPH09151272A (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | ゴム用可塑剤及びゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31263495A JPH09151272A (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | ゴム用可塑剤及びゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09151272A true JPH09151272A (ja) | 1997-06-10 |
Family
ID=18031574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31263495A Pending JPH09151272A (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | ゴム用可塑剤及びゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09151272A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1905419A1 (de) * | 2006-09-20 | 2008-04-02 | Cognis IP Management GmbH | Kosmetische Zubereitung und Ölkörper Mischungen |
JP2015516468A (ja) * | 2012-02-24 | 2015-06-11 | ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー | 可塑剤として使用されるコハク酸アルキルエステル混合物 |
CN105377975A (zh) * | 2013-06-03 | 2016-03-02 | 电气化学工业株式会社 | 橡胶组合物和其硫化成型体 |
-
1995
- 1995-11-30 JP JP31263495A patent/JPH09151272A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1905419A1 (de) * | 2006-09-20 | 2008-04-02 | Cognis IP Management GmbH | Kosmetische Zubereitung und Ölkörper Mischungen |
JP2015516468A (ja) * | 2012-02-24 | 2015-06-11 | ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー | 可塑剤として使用されるコハク酸アルキルエステル混合物 |
CN105377975A (zh) * | 2013-06-03 | 2016-03-02 | 电气化学工业株式会社 | 橡胶组合物和其硫化成型体 |
JPWO2014196544A1 (ja) * | 2013-06-03 | 2017-02-23 | デンカ株式会社 | ゴム組成物及びその加硫成形体 |
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