JPH09150203A - 表面特性の良好な低炭素薄鋼板の製造方法 - Google Patents

表面特性の良好な低炭素薄鋼板の製造方法

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JPH09150203A
JPH09150203A JP30801095A JP30801095A JPH09150203A JP H09150203 A JPH09150203 A JP H09150203A JP 30801095 A JP30801095 A JP 30801095A JP 30801095 A JP30801095 A JP 30801095A JP H09150203 A JPH09150203 A JP H09150203A
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Tetsuo Takeshita
哲郎 竹下
Hidekuni Murakami
英邦 村上
Masaharu Kameda
正春 亀田
Takashi Oda
高士 小田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はリジング等のない表面特性の良好な
低炭素薄鋼板の製造法を提供する。 【解決手段】 低炭素薄鋼板の熱間圧延条件、特に仕上
げ熱延条件を特定したもので、その要旨とするところ
は、C含有量が0.1重量%以下である低炭素薄鋼板の
製造方法において、当該低炭素鋼を熱間圧延するに際
し、仕上圧延に用いる圧延ロールの表面粗度を1.5μ
m以上とする。更に、当該粗度の圧延ロールで圧延する
に際し、異周速率が15%以上の異周速圧延を少なくと
も1パス以上施すか、あるいは仕上熱延終了板厚を2mm
以下とすることで、本発明の効果はいっそう発揮される
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面特性の良好な
低炭素薄鋼板を製造する方法に関するものである。ここ
で、本発明における表面特性とは、熱間圧延温度が低く
Ar3 変態点以下となってα相が析出したことにより劣
化する表面性状を示すものとする。具体的には、α域熱
延実施した際に発生するリジング(ローピングとも称さ
れる)を意味する。
【0002】
【従来の技術】従来より、低炭素鋼板の熱間圧延におい
てその終了温度をAr3 変態点以上(以下γ域熱延と称
する)とすることは、冷延・焼鈍板の表面性状劣化(特
にリジング)を防止する上で必須とされてきた。ところ
が近年、Ar3 変態点以下熱延(以下α域熱延と称す
る)が、コストダウン(低温スラブ加熱や冷延工程の簡
省略)の観点から、近年新たに研究・開発なされつつあ
る。例えば、特開昭61−119621号公報では、α
域熱延により深絞り性が向上する旨が開示されている。
しかし、この様なα域熱延を実施すると、従来のγ域熱
延では発生しなかったリジングが顕在化し、実用化され
なかった。
【0003】このα域熱延実施によるリジングを改善す
る技術として、特開昭61−204320号公報から特
開昭61−204338号公報に至る18件の公報、ま
た特開昭61−261434,261435号公報等が
ある。これらの公報ではすべて、α域熱延時の圧下率と
歪速度を大きくすることで、冷間圧延工程を省略して製
造した成品板のリジングを向上させる技術を開示してい
る。しかし、熱延時、取り分け仕上熱延後半における高
圧下率乃至高歪速度は、通板性等の操業上の問題を惹起
するばかりでなく、熱延疵の発生を促して成品板の歩留
低下までも引き起こすものである。
【0004】更に、これらの先行技術では、α域熱延を
実施した後に冷間圧延をして製造する薄鋼板のリジング
特性について明確な記載がない。一般にリジング特性は
冷延圧下率と共に劣化することが知られており、これら
の先行技術によるリジング特性改善効果では冷延・焼鈍
板のリジング特性を向上せしめられないものと判断され
る。しかし、低炭素薄鋼板の主たる用途である自動車用
及び飲料缶用鋼板では、表面美麗性の観点より冷延工程
は必須であり、α域熱延後に冷延工程を実施した際にお
いてもリジング特性を劣化させない技術の開発が課題と
なっている。
【0005】
【本発明が解決しようとする問題点】本発明は、かかる
従来技術の問題点を克服しつつ低炭素薄鋼板の表面特性
を向上せしめる製造方法、特にα域熱延を実施した際に
顕在化するリジング特性を向上せしめる製造方法を、提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために低炭素薄鋼板の熱間圧延条件、特に仕上げ熱
延条件を特定したもので、その要旨とするところは、C
含有量が0.1重量%以下である低炭素薄鋼板の製造方
法において、当該低炭素鋼を熱間圧延するに際し、熱間
圧延温度がAr3 変態点以下での仕上圧延に用いる圧延
ロールの表面粗度を1.5μm以上とすることにある。
更に、当該粗度の圧延ロールで圧延するに際し、異周速
率が15%以上の異周速圧延を少なくとも1パス以上施
すか、あるいは仕上熱延終了板厚を2mm以下とすること
で、本発明の効果はいっそう発揮されるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
一般に、リジングは鋼板に存在する結晶コロニーの塑性
異方性により顕在化すると考えられている。結晶コロニ
ーとは、結晶方位が大略同方位となる結晶粒が隣接した
集団であり、リジングの原因として最も著名なコロニー
は板面法線方向に{100}方位が平行な{100}コ
ロニーである。この{100}コロニーに関しては、リ
ジングが顕著に発生するα系ステンレス鋼板において研
究が進んでおり、リジングを向上させるには当該コロニ
ーを破壊すれば良いと考えられている。低炭素鋼の場
合、通常のγ域熱延では熱延後α相に完全変態して、細
粒・ランダム化が生じ、コロニーが形成されない。
【0008】一方、α域熱延を実施した場合には、熱延
時のα相中にコロニーが形成され、引き続く冷延時にコ
ロニー形成が助長され、焼鈍後においてもコロニーが残
存し、リジング特性を劣化させると考えられる。従っ
て、リジング特性を向上させるには、α域熱延時のコロ
ニー発生を阻害すれば良い。そこで、本発明者等はこの
α熱延時のコロニー破壊に関し、熱延条件と冷延・焼鈍
板でのリジング特性の関係を綿密に調査して、本発明を
考案・完成させたものである。
【0009】以下に本発明方法の限定理由を述べる。ま
ず、Cの含有量を0.1%以下と限定したのは、それ以
上の含有量では低炭素薄鋼板としての加工性が満たされ
ないと共に、C添加による製造コストの上昇をもたらす
為である。
【0010】熱間圧延温度をAr3 変態点以下と限定し
たのは、それ以上の温度域では当該鋼は完全にγ相であ
り、当該温度で熱延を終了すれば、リジングが殆ど発生
しないからである。
【0011】Ar3 変態点以下の熱間圧延時の圧延ロー
ル粗度を1.5μm以上と限定した理由は、これ以下の
ロール粗度では、成品板のリジング特性が向上しないか
らである。その上限は特に規定しないが、ロール粗度が
大きすぎると鋼板の表面性状を劣化させるため通常高々
50μm程度までである。尚、本発明におけるロール粗
度は、JISで規定される平均粗度Raで示されるもの
とする。ここで、当該粗度ロールによる圧延温度の下限
は特に規定しないが、通常300℃までで、それ以下で
は熱延疵の発生が著しい。
【0012】また、鋼板温度がAr3 以下になってから
(即ちα域熱延)の全圧下率についても特に規定しない
が、その全圧下率が10%以下の場合にはリジングがそ
れ程顕在化せず、本発明の趣旨より当該全圧下率は高け
れば高いほどリジング特性向上効果が大きい。1パス当
たりの圧下率も特に規定しないが、通常10−60%程
度であり、それ以下では通板性に支障を来し、それ以上
では熱延疵ばかりかロール磨耗が著しくなってコスト上
昇をもたらす。また、圧延時の歪速度が本発明の作用効
果に及ぼす影響は極めて小さい為規定する必要は無い
が、余りに高い歪速度(例えば300s−1)は、通板
性に支障を来す。
【0013】本発明におけるロール粗度は、基本的には
圧延を実施する前のロール粗度で良い。しかし、工業生
産に用いる熱間圧延機では大量の鋼板を続けて圧延する
ため、ロールが磨耗して圧延中にロール粗度が低下する
場合がある。この際には、近年開発されたオンラインロ
ール研磨機機により、圧延を中断することなくロールを
研磨し、本発明の当該粗度を維持することが生産性向上
の観点からも望ましい。
【0014】次に請求項2の発明に限定した理由を述べ
る。請求項1記載の熱延を実施するに際して異周速率を
15%以上とした理由は、それ以下の異周速率では異周
速圧延実施しない場合の発明法以上にリジング特性が向
上しないからである。その圧延パス数は1パスで十分効
果を発揮する。本発明では、異周速率及び異周速圧延パ
ス数の上限は特に規定しないが、何れも大きい方がリジ
ング向上効果が大きいことは言うまでもない。しかし、
50%以上の異周速率は現状困難であり、仕上熱延パス
数は通常8パス程度までである。ここで本発明における
異周速率とは、上下圧延ロールの周速差を低周速側ロー
ルの周速で除した値を百分率で表示したものである。ま
た、本発明の異周速圧延は、上下ロール周速の何れが大
きくてもリジング向上効果に差は無い。
【0015】請求項3において、当該仕上熱延終了板厚
を2mm以下に限定した理由は、これ以上の板厚での本発
明以上にリジング特性が向上しないからである。また、
当該板厚が薄くなる程、上述の歪み分布変化部の全板厚
に対する割合が増加し、リジング向上効果が大きくなる
ことは言うまでもない。しかし、通常の熱間圧延による
終了板厚の下限は大略1mm程度であり、近年開発されつ
つある連々続熱間圧延機でも0.5mm厚程度までであ
る。
【0016】ところで、熱延ロール粗度を大きくした
り、異周速圧延や圧延終了板厚を薄くすることで成品板
のリジング特性が顕著に向上する理由は、現在のところ
必ずしも明確ではないが、下記の様に考えられる。上述
のように、{100}コロニーを破壊すれば成品板のリ
ジング特性は向上する。本発明者らの研究によれば、コ
ロニーの形成は下記の如く生じるものと考えられる。ま
ず、圧延変形(平面歪み変形)時に結晶回転して板面法
線方向に{100}方位が平行となると、その後の焼鈍
工程により再結晶して細粒化しても、各結晶粒の方位は
再結晶後も{100}に近い方位となり、この結晶粒の
一群が{100}コロニーとなる。従って、平面歪み変
形時の{100}方位形成を妨げるか、平面歪み変形前
に細粒化(更にはランダム化)しコロニーサイズを小さ
くすれば、リジング特性は向上する。例えば、冷延(平
面歪み変形)前にα⇔γ完全変態が生じてα粒の微細化
・ランダム化が生じる従前のγ域熱延を実施すれば、冷
延・焼鈍板にリジングは発生しない。また、従来よりリ
ジングが顕在化するフェライト系ステンレス鋼鋼では、
完全変態が生じないため、熱延工程も{100}形成平
面歪み変形工程と考えられる。更に低炭素鋼に於いて、
α域熱延を実施した際にリジングが発生することを考え
併せれば、低炭素鋼のα域熱延工程こそコロニー形成初
期工程と見なすことができる。
【0017】上記仮設が正しいとすると、本発明におけ
るロール粗度・異周速熱延・仕上熱延薄手化の効果は、
α域熱延工程におけるコロニー形成を阻害し、成品板の
コロニーを少なくしてリジング特性を向上せしめたもの
と考えうる。即ち、ロール粗度を大きくすると鋼板とロ
ールの摩擦係数が増加し、鋼板表層に剪断歪み変形が生
じて歪み分布が変化し、平面歪み条件が保たれずコロニ
ー形成が阻害されたものと考えられる。更に、異周速熱
延はこの剪断変形を助長し、板厚薄手化はこの歪み分布
変化部の全板厚に対する割合を増加せしめたものと考え
ることができる。しかし、通常板厚中心部に存在するコ
ロニーがリジングを発生させると考えられ、鋼板表層の
歪み分布変化が如何にして板厚中心部のコロニー形成に
作用するかは、現在のところ明確ではない。また、潤滑
熱延を実施してもロール粗度効果が認められる為、当該
効果は上述のように鋼板とロールとの摩擦係数のみに帰
着されず、ロール表層の幾何学的凹凸に起因する鋼板表
層部の歪変化の作用も大きいと考えられる。更に、単純
に表層剪断変形がリジング向上作用を持つとすれば、異
周速熱延を実施するだけでリジング特性が向上する筈で
あるが、異なる異周速熱延だけでは格別のリジング向上
効果はない。即ち、ロール粗度を大きくした時の鋼板表
層歪み分布の変化にリジング向上効果が内在していると
考えられる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って詳細に説明す
る。 (実施例1)表1に示す化学成分を有する25mm厚の低
炭素鋼板(鋼種A,B)を1000℃に加熱後、鋼種A
は900℃まで、鋼種Bは850℃まで空冷して、6パ
スの熱間圧延を実施し、熱延後550℃で1時間の捲取
相当処理を実施した。この際の熱延条件の詳細を表2、
表3に示す。得られた熱延板は、酸洗後、全圧下率80
%の冷延を施し、800℃で30秒間焼鈍した後にリジ
ング特性を評価した。その結果を表2,3及び図1,
2,3に示す。
【0019】尚、リジング特性は、下記の様に評価し
た。成品板より圧延方向に平行に引張試験片(10本)
を切り出し、各試験片を圧延方向に引張歪みを与えた時
の粗度の最大値(各試験片)を求め、その最大値の平均
値(10本分)をリジング高さとした。この評価法で、
リジング高さが約20μm以下であればリジング特性は
良好と言え、従前のγ域熱延で製造すると10μm以下
となる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】図1は、熱延終了板厚を一定とした時に熱
延ロール粗度がリジング特性に及ぼす影響を示す図で、
鋼種A及びBにおける結果を示す。図中、丸印は鋼種A
を、三角印は鋼種Bの結果を示し、比較法の表2の符号
A−1と表3のB−1の結果は白印で表し、本発明第1
項(請求項1)に従って製造された結果(A−6,7,
14及びB−6,7,14)は黒印で表した。図より、
熱延時のロール粗度を1.5μm以上にすると冷延焼鈍
板のリジング高さが20μm以下となり、リジング特性
が良好になることが認められる。
【0024】図2は、熱延ロール粗度を1μmと3μm
の2水準とした時の異周速圧延率がリジング特性に及ぼ
す影響を示す図で、表2,3の符号A,B−1,2,
3,4(比較法:図中白丸と白三角)と、符号A,B−
7,8(本発明法第1項:図中黒丸と黒三角)と、更に
は符号A,B−9,10,11(本発明法第2項(請求
項2):図中斜線付きシンボル)の結果を示す。図より
明らかなように、ロール粗度が大きいとリジング高さは
低減し、更にロール粗度が大きい場合に異周速圧延率を
15%以上にするとリジング特性が更に向上し、リジン
グ高さが10μm以下となることが認められる。
【0025】図3は、熱延ロール粗度を1μmと3mmの
2水準として熱延終了板厚を変化させた時のリジング特
性を示す図で、表2,3の符号A,B−1,5(比較
法:図中白丸と白三角)と、符号A,B−7(本発明法
第1項:図中黒丸と黒三角)、及び符号A,B−12,
13(本発明法第3項(請求項3):図中斜線付きシン
ボル)の結果を示す。図より、ロール粗度が大きいとリ
ジング特性は良好となり、ロール粗度が大きい場合に熱
延終了板厚を薄くすることで、冷延焼鈍板のリジング特
性が更に向上し、リジング高さが10μm以下となるこ
とが認められる。
【0026】(実施例2)表4に示す化学成分を有する
低炭素鋼を通常の溶製法に従って溶製し、250mm厚の
連続鋳造スラブとした。該スラブを加熱後し粗熱延し、
続けて7パスの仕上熱間圧延機で熱延コイルとした。得
られた熱延コイルは、酸洗・冷延・焼鈍に供し、0.2
mm厚の製品板とした。これら製品板のリジング特性を、
製造条件と共に表5に示す。尚、熱延コイルの一部は、
熱延板におけるリジング特性を評価するために、酸洗後
引張試験片を切り出し、圧延方向に引張歪を与え、目視
でリジング特性を評価した。冷延焼鈍板のリジング特性
は実施例1と同様に評価した。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】表5のは従来法に則り、γ域熱延をした
結果で、リジング特性は極めて良好であるが、仕上熱延
終了温度をAr3 変態点以上にするため高温スラブ加熱
が必要となる。特に、冷間圧延工程での負担を少なくす
るために、熱延終了板厚を薄くする場合には、一層の高
温スラブ加熱が望ましくなる。はと同じ加熱温度で
熱延終了板厚を薄くした場合で、熱延終了温度が低下し
てα域熱延となり、製品板にリジングが顕著に発現し、
実用に供することができない。はスラブ加熱温度を低
くし、と同じ熱延終了板厚で製造した場合を示す。従
来法のと同じ熱延終了板厚にしても、加熱温度が低い
ためα域熱延となり、と同様にリジングが発現する。
【0030】かかる〜の従来法乃至比較法に対し、
本発明法を実施した,,の冷延焼鈍板では、α域
熱延であるにも拘わらず、20μm以下の良好なリジン
グ特性を示した。特に本発明法第2項及び第3項を用い
た,材では、従来のγ域熱延材程度の特性をも示し
ている。更に冷延工程省略の観点より、熱延終了板厚が
薄い材と材の熱延板におけるリジング特性を比較し
ても、本発明法による材のリジング特性が良好である
ことが明らかである。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、従
来不可避とされたα域熱延時のリジング特性を、特に熱
延時の通板性等の操業の問題を惹起させることなく、向
上せしめることができるので、低温スラブ加熱や冷間圧
延工程の簡省略等による製造コストを低減でき、産業上
裨益するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】25mm厚の低炭素鋼をロール粗度を変えて3mm
厚まで熱間圧延し、550℃で1時間の捲取相当処理を
実施した後に、酸洗後全圧下率80%の冷延を施して8
00℃で30秒間焼鈍した板のリジング特性と熱延ロー
ル粗度との関係を示す。図中白印は比較法による製造を
意味し、黒印は本発明法による製造法に依ることを意味
する。更に、図中の丸印は表1の鋼種Aでの結果を、三
角印は表1鋼種Bでの結果を意味する。尚、ロール粗度
はJISで定められている平均粗度Raで評価した。
【図2】25mm厚の低炭素鋼を3mm厚まで熱間圧延し、
その後0.6mmまで冷延して800℃で30秒間焼鈍し
た板のリジング特性を、熱延時の異周速率に対して示し
た。熱延時のロール粗度は1μm(図中白印)と3μm
(図中黒印)の2水準とし、更に上ロールと下ロールの
周速を変えて異周速熱延を実施した。図中白印は比較法
により製造したことを意味し、図中の黒印及び斜線付き
黒印は各々本発明法第1項(請求項1)及び第2項(請
求項2)によって製造したことを意味する。また、丸印
と三角印は、各々表1に示した鋼種AとBの結果である
ことを意味する。
【図3】図1と同様の実験で、熱延終了板厚を変化させ
た時のリジング特性を示す。この際、熱延ロール粗度は
1μm(図中白印)と3μm(図中黒印)の2水準とし
た。図中白印は比較法により製造したことを意味し、図
中の黒印及び斜線付き黒印は各々本発明法第1項(請求
項1)及び第3項(請求項3)によって製造したことを
意味する。また、丸印と三角印は、各々表1に示した鋼
種AとBの結果であることを意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 高士 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C含有量が0.1重量%以下である低炭
    素薄鋼板の製造方法において、当該鋼を熱間圧延するに
    際し、熱間圧延温度がAr3 変態点以下を表面粗度1.
    5μm以上のロールを使用して圧延することを特徴とす
    る表面特性の良好な低炭素薄鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱間圧延の実施におい
    て、異周速率が15%以上の異周速圧延を少なくとも1
    パス以上施すことを特徴とする表面特性の良好な低炭素
    薄鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱間圧延の実施におい
    て、仕上熱延終了板厚を2mm以下にすることを特徴とす
    る表面特性の良好な低炭素薄鋼板の製造方法。
JP30801095A 1995-11-27 1995-11-27 表面特性の良好な低炭素薄鋼板の製造方法 Withdrawn JPH09150203A (ja)

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