JPH0914885A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JPH0914885A
JPH0914885A JP7162218A JP16221895A JPH0914885A JP H0914885 A JPH0914885 A JP H0914885A JP 7162218 A JP7162218 A JP 7162218A JP 16221895 A JP16221895 A JP 16221895A JP H0914885 A JPH0914885 A JP H0914885A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡潔な構成でもって、しかも流体の種
類の如何に係わらず、多数本の各チューブへの流体の流
量の均一化を図る。 【構成】 流体入口1を有する入口タンク2により、流
体を並列配置された多数本のチューブ3、3a〜3iに
分配するとともに、この多数本のチューブ3、3a〜3
iからの流体を出口タンク4に集合して流体出口5から
流出させる熱交換器において、入口タンク2および出口
タンク4の少なくとも一方に仕切り板7a、7bを設置
し、この仕切り板7a、7bにより、タンク内の流路が
チューブ並列配置方向ロに沿った複数の流路2a、2
b、2cに仕切るとともに、この複数の流路2a、2
b、2cにおける流体の圧力損失が略均等となるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多数本のチューブを持つ
熱交換器において、空気等の被熱交換媒体の温度分布の
均一化を図るための改良構造に関するもので、車載空調
用熱交換器等に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車載用等の熱交換器においては、
その小型化への要求が強まるとともに、タンク部分の大
きさを十分確保できないようになってきている。このタ
ンク部分は、多数本のチューブへ流体を分配したり、多
数本のチューブからの流体を集合させたりする機能を果
たすものであって、その大きさを十分確保できないと、
タンク部分での圧力損失が大きくなる。
【0003】その結果、熱交換器のタンクに流入する流
体の流速が低い場合とか、流体が液体とか気液2相流で
あって、重力の影響を受けるような場合には、タンク部
分において、圧力損失の小さい部分(タンクの流体入口
に近い部分)に連通するチューブには流体が多く流れ、
圧力損失の大きい部分(タンクの流体入口から遠い部
分)に連通するチューブへの流体の流量が減少し、多数
本のチューブ間での流量の不均一が生じるので、熱交換
器を流れる流体との間で熱交換をした空気等の被熱交換
媒体の温度差が大きくなり、温度分布が大きくなるとい
う問題が発生する。この温度分布の増大は、空調装置の
場合には、室内への吹出空気温度のばらつきとなり、空
調フィーリングの悪化を招く。
【0004】そこで、特開平4−155194号公報に
おいては、熱交換器の入口タンク内に、多数本のチュー
ブと同数の流体通路を形成した多穴管を配設し、この多
穴管の各流体通路からそれぞれ個別に各チューブに流体
を流入させるようにして、多数本の各チューブへ流入す
る流体の流量の均一化を図るものが提案されている。ま
た、実開昭61−18394号公報では、自動車のイン
タークーラのように圧縮空気の冷却を行う熱交換器にお
いて、空気入口を有する入口タンクおよび、空気出口を
有する出口タンクの形状を、空気入口、空気出口が設け
られた一端から、この出入口の設けてない他端側へ向か
って漸次縮小する形状とするとともに、この入口タンク
および出口タンク内に渦流の発生を防止する流線形の多
数のガイド板を設置するようにしたものが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
公報記載のものでは、1つの多穴管の内部をチューブ本
数と同数の、多数の通路に仕切る必要があるので、多穴
管は極めて煩雑な構造となり、製造コストがどうしても
上昇する。また、多穴管の構造が極めて煩雑であるた
め、品質上のばらつきも発生しやすい等の問題がある。
【0006】また、後者の公報記載のものでは、タンク
形状を、空気入口、空気出口が設けられた一端から他端
側へ向かって漸次縮小する形状にしているから、熱交換
器のタンクに流入する流体の流速が低い場合とか、流体
が液体とか気液2相流であって、重力の影響を受けるよ
うな場合には、出入口の設けられている一端側に近接し
ているチューブに多量の流体が流れ、他端側のチューブ
には少量の流体しか流れず、各チューブへの流体の流量
の均一化を図ることができない。
【0007】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
比較的簡潔な構成でもって、しかも流体の種類の如何に
係わらず、多数本の各チューブへの流体の流量の均一化
を図ることができる熱交換器を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載
の発明では、並列配置された多数本のチューブ(3、3
a〜3i)と、流体入口(1)を有し、この流体入口
(1)から流入する流体を前記多数本のチューブ(3、
3a〜3i)に分配する入口タンク(2)と、流体出口
(5)を有し、前記多数本のチューブ(3、3a〜3
i)からの流体を集合して前記流体出口(5)から流出
させる出口タンク(4)と、前記入口タンク(2)およ
び出口タンク(4)の少なくとも一方に設置された仕切
り板(7a、7b)とを備え、この仕切り板(7a、7
b)により、前記タンク内の流路が前記多数本のチュー
ブ(3、3a〜3i)の並列配置方向(ロ)に沿った複
数の流路(2a、2b、2c)に仕切られているととも
に、この複数の流路(2a、2b、2c)における流体
の圧力損失が略均等となるようにした熱交換器を特徴と
する。
【0009】請求項2記載の発明では、請求項1に記載
の熱交換器において、前記流体入口(1)は、前記入口
タンク(2)のうち、前記多数本のチューブ(3、3a
〜3i)の並列配置方向(ロ)の一端側に配置され、前
記流体出口(5)は、前記出口タンク(4)のうち、前
記多数本のチューブ(3、3a〜3i)の並列配置方向
(ロ)の一端側に配置され、前記仕切り板(7a、7
b)により仕切られた前記複数の流路(2a、2b、2
c)の平均通路長さ(L1 〜L3 )は、前記一端側のチ
ューブ(3a〜3c)に対向する流路(2a)よりも、
前記多数本のチューブ(3、3a〜3i)の並列配置方
向(ロ)の他端側のチューブ(3g〜3i)に対向する
流路(2c)の方が長くなるようにしたことを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明では、請求項1または
2に記載の熱交換器において、前記仕切り板(7a、7
b)により仕切られた前記複数の流路(2a、2b、2
c)の間隔(A、B、C)は、前記一端側のチューブ
(3a〜3c)に対向する流路(2a)よりも、前記多
数本のチューブ(3、3a〜3i)の並列配置方向
(ロ)の他端側のチューブ(3g〜3i)に対向する流
路(2c)の方が大きくなるように不等ピッチとしたこ
とを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明では、請求項1ないし
3のいずれか1つに記載の熱交換器において、前記仕切
り板(7a、7b)は前記タンクに設けられた凹部(2
d、2e)に嵌入、保持されてろう付けされていること
を特徴とする。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0012】
【発明の作用効果】請求項1〜4記載の発明によれば、
上記技術的手段を有しているため、熱交換器の流体の分
配、集合を行うタンク内の流路を複数に仕切る仕切り板
を設置して、この複数の流路における流体の圧力損失が
略均等となるようにしているから、流体の種類の如何に
係わらず、多数本の各チューブへの流体流量の均一化を
図って、被熱交換媒体の温度分布の均一化を実現でき
る。
【0013】しかも、タンク内への仕切り板の設置とい
う、比較的簡単な構造で各チューブへの流体流量を均一
化できるので、低コストで高品質の熱交換器を製造でき
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。図1、2は本発明の一実施例を示すもので、本発
明を自動車用空調装置の暖房用熱交換器(ヒータコア)
に適用した場合を示しており、従って本例では熱交換器
内を流通する流体として水(温水)の場合について述べ
る。
【0015】1は入口パイプ(流体入口)、2はこの入
口パイプ1から温水が流入する入口タンク(上タン
ク)、3は並列配置された多数本のチューブで、入口パ
イプ1から流入する温水を入口タンク2で多数本のチュ
ーブ3に分配するようになっている。図1の例では、チ
ューブ3として、3a〜3iの9本が図示されている
が、実際の製品では、30本程度の多数本設けられてい
る。また、チューブ3は空気(被熱交換媒体)の流れ方
向イ(図2参照)の長さを空気流れ方向イと直角方向ロ
(図1参照)の長さより長くした断面偏平状にアルミニ
ュウム等の金属で成形されている。
【0016】入口パイプ1は、入口タンク2のうち、多
数本のチューブ3の並列配置方向ロ(図1左右方向)の
一端側に配置されているので、入口パイプ1から流入す
る温水は入口タンク2内をチューブ並列配置方向ロに流
れるようになっている。4は出口タンク(下タンク)
で、多数本のチューブ3からの温水を集合して出口パイ
プ(流体出口)5から流出させるものである。この出口
パイプ5も、出口タンク4のうち、多数本のチューブ3
の並列配置方向ロ(図1左右方向)の一端側に配置され
ている。
【0017】6はコルゲートフィンで、多数本のチュー
ブ3相互の間に配置され接合される。7a、7bは入口
タンク2内に水平に設置された仕切り板で、この2枚の
仕切り板7a、7bにより、入口タンク2内の温水流路
がチューブ並列配置方向ロに沿った3つの流路2a、2
b、2cに仕切られている。この仕切り板7a、7bに
より仕切られた3つの温水流路2a、2b、2cの平均
長さL1 、L2 、L3 は、チューブ並列配置方向ロの一
端側のチューブ3a〜3c側に対向する流路2aより
も、チューブ並列配置方向ロの他端側のチューブ3g〜
3i側に対向する流路2cの方が長くなるようにしてあ
る。
【0018】すなわち、L1 <L2 <L3 の関係に設定
されている。また、上記仕切り板7a、7bにより仕切
られた複数の温水流路2a、2b、2cの間隔A、B、
C(図2参照)は、前記一端側のチューブ3a〜3cに
対向する流路2aよりも、チューブ並列配置方向ロの他
端側のチューブ3g〜3iに対向する流路2cの方が大
きくなるように不等ピッチとしてある。
【0019】すなわち、A<B<Cの関係に設定されて
いる。なお、上記仕切り板7a、7bは長方形に成形さ
れ、図2に示すように矢印イ方向の両端部は入口タンク
2に形成された凹部2d、2eに嵌入されて保持される
ようになっている。また、上述した熱交換器の各部品は
アルミニュウム等の金属で所定形状に成形された後、図
1、2の構造に仮組付され、加熱炉中にて一体構造にろ
う付けにより接合されるようになっている。
【0020】次に、上記構成において本実施例による熱
交換器の作用を説明する。入口パイプ1から流入した温
水は、入口タンク2内において仕切り板7a、7bによ
り仕切られた3つの温水流路2a、2b、2cに分配さ
れる。そして、最下部の温水流路2aに分配された温水
は主にチューブ3a〜3cに流入する。また、中間部の
温水流路2bに分配された温水は主にチューブ3d〜3
fに流入し、最上部の温水流路2cに分配された温水は
主にチューブ3g〜3iに流入する。
【0021】各チューブ3a〜3iに流入した温水は、
コルゲートフィン6を介して矢印イ方向に図示しない送
風機により送風される空調用空気と熱交換して、この空
調用空気に放熱する。従って、空調用空気は加熱され、
温風となる。熱交換を終了した温水は、出口タンク4内
で集合した後、出口パイプ5から外部へ流出する。
【0022】ところで、上記熱交換作用において、各チ
ューブ3a〜3iを流れる温水の流量は、空調用空気の
温度分布均一化のために極力均等にすることが望まし
い。この温水流量均等化のためには、仕切り板7a、7
bにより仕切られた3つの温水流路2a、2b、2cの
断面積の比、すなわち、各流路2a、2b、2cの間隔
A、B、Cの比が重要となる。
【0023】そこで、この各流路2a、2b、2cの間
隔A、B、Cの比を決定するための考え方について以下
述べる。図1、2に示す本実施例の構成のように、2枚
の仕切り板7a、7bを用い、この仕切り板7a、7b
により多数本のチューブ3を、チューブ3a〜3cと、
チューブ3d〜3fと、チューブ3g〜3iとの3つの
ブロックに分けて考える場合について説明すると、一般
に、流路内を流れる流体には、次の数式1による圧力損
失ΔPがかかる。
【0024】
【数1】
【0025】仕切り板7a、7bの効果により各流路2
a、2b、2cの体積流量が等しくWとなったとする
と、各流路2a、2b、2cの流速Vは、次の数式2に
て表される。
【0026】
【数2】
【0027】上記数式2において、Xは各流路2a、2
b、2cの幅(図2参照)である。また、各流路2a、
2b、2cの水力直径dは次の数式3にて表される。
【0028】
【数3】
【0029】チューブ3の1つ目のブロック(チューブ
3a〜3c)と、2つ目のブロック(チューブ3d〜3
f)と、3つ目のブロック(チューブ3g〜3i)に対
する各流路2a、2b、2cの平均通路長さをそれぞれ
1 、L2 、L3 としたとき、 各流路2a、2b、2
cの圧力損失ΔP1 、ΔP2 、ΔP3 は次の数式4にて
表される。
【0030】
【数4】
【0031】そして、ΔP1 =ΔP2 =ΔP3 となれ
ば、各ブロックへの流入量はほぼ等しくなると考えられ
るため、各流路2a、2b、2cの間隔A、B、Cは、
次の数式5を満足するような比率に設定すればよいこと
になる。
【0032】
【数5】
【0033】なお、上述した各流路2a、2b、2cの
間隔A、B、Cを決定するための計算は、入口タンク2
の部分での圧力損失の差が各ブロックへの流入量の差に
対する支配的要因であると考えて、入口タンク2の部分
のみの圧力損失を計算しているが、その他の部分、例え
ば入口タンク2からチューブ3への流入損失や、チュー
ブ3から出口タンク4への流出損失を考慮することよ
り、各流路2a、2b、2cの間隔A、B、Cの比率を
より高精度に計算できることはいうまでもない。
【0034】また、試作品を作り、実験結果から各流路
2a、2b、2cの間隔A、B、Cの最適比率を求める
こともできる。いずれにしても、前記数式5から理解さ
れるように、各流路2a、2b、2cの間隔A、B、C
が通路長さL1 、L2 、L3 に対応した不等ピッチとな
るように、仕切り板7a、7bの配設位置を設定するこ
とにより、各チューブ3への流量の均等化を大幅に改善
できる。
【0035】なお、上述した図1、2の実施例構造で
は、入口タンク2内のみに仕切り板7a、7bを設置し
ているが、入口タンク2内でなく、出口タンク4内のみ
に同様の仕切り板7a、7bを設置してもよい。また、
入口タンク2内と出口タンク4内の両方に仕切り板7
a、7bを設置してもよい。
【0036】また、上述した図1、2の実施例構造で
は、仕切り板7a、7bを2枚設置しているが、この仕
切り板7a、7bの数をチューブ3の本数の増減等に対
応して1枚のみとしたり、3枚以上としてもよい。仕切
り板7a、7bの数は、多いほど、前述したチューブ3
のブロック数が増えて、1つのブロック当たりのチュー
ブ数が減るので、各チューブ3への流体分配をより一層
均等化できる。逆に、仕切り板7a、7bの数が少ない
ほど、各チューブ3への流体分配の均等さは低下する
が、仕切り板7a、7bによる製造コストの上昇を抑制
できる。このように、仕切り板7a、7bの数は目的に
合わせて、容易に自由に選定することができる。
【0037】なお、上述した実施例では、本発明を自動
車用空調装置の暖房用熱交換器に適用した例について述
べたが、本発明はこれに限定されることなく、自動車の
エンジン冷却用ラジエータ、自動車用空調装置の冷媒凝
縮器、冷媒蒸発器等の熱交換器に適用でき、さらには自
動車用以外の種々の熱交換器にも広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す正面断面図である。
【図2】図1の熱交換器の側面断面図である。
【符号の説明】
1…入口パイプ、2…入口タンク、3、3a〜3i…チ
ューブ、4…出口タンク、5…出口パイプ、7a、7b
…仕切り板。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 並列配置された多数本のチューブと、 流体入口を有し、この流体入口から流入する流体を前記
    多数本のチューブに分配する入口タンクと、 流体出口を有し、前記多数本のチューブからの流体を集
    合して前記流体出口から流出させる出口タンクと、 前記入口タンクおよび出口タンクの少なくとも一方に設
    置された仕切り板とを備え、 この仕切り板により、前記タンク内の流路が前記多数本
    のチューブの並列配置方向に沿った複数の流路に仕切ら
    れているとともに、この複数の流路における流体の圧力
    損失が略均等となるようにしたことを特徴とする熱交換
    器。
  2. 【請求項2】 前記流体入口は、前記入口タンクのう
    ち、前記多数本のチューブの並列配置方向の一端側に配
    置され、 前記流体出口は、前記出口タンクのうち、前記多数本の
    チューブの並列配置方向の一端側に配置され、 前記仕切り板により仕切られた前記複数の流路の平均通
    路長さは、前記一端側のチューブに対向する流路より
    も、前記多数本のチューブの並列配置方向の他端側のチ
    ューブに対向する流路の方が長くなるようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記仕切り板により仕切られた前記複数
    の流路の間隔は、前記一端側のチューブに対向する流路
    よりも、前記多数本のチューブの並列配置方向の他端側
    のチューブに対向する流路の方が大きくなるように不等
    ピッチとしたことを特徴とする請求項1または2に記載
    の熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記仕切り板は前記タンクに設けられた
    凹部に嵌入、保持されてろう付けされていることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換
    器。
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