JPH09148855A - 差動演算増幅器 - Google Patents

差動演算増幅器

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JPH09148855A
JPH09148855A JP30130395A JP30130395A JPH09148855A JP H09148855 A JPH09148855 A JP H09148855A JP 30130395 A JP30130395 A JP 30130395A JP 30130395 A JP30130395 A JP 30130395A JP H09148855 A JPH09148855 A JP H09148855A
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JP
Japan
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differential
transistor
output
feedback signal
signal
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Withdrawn
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JP30130395A
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English (en)
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Kenji Nemoto
謙治 根本
Mitsuru Kikuchi
満 菊池
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Asahi Kasei Microsystems Co Ltd
Asahi Kasei Microdevices Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Microsystems Co Ltd
Asahi Kasei Microdevices Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同相帰還回路を備えた差動演算増幅器におい
て、高速動作且つ大振幅動作を可能にする。 【解決手段】差動増幅部1と同相帰還回路2との間に切
り換えスイッチSW1 を設け、また、差動増幅部1の差
動入力端子と差動出力端子との間をそれぞれ切り換えス
イッチSW2 及びSW3 を介して接続し、さらに、切り
換えスイッチSW 1 の差動増幅部1側と非反転入力端子
及び反転入力端子との間にそれぞれ容量C 1 及びC2
介挿する。そして、差動増幅部1に入力される差動入力
に信号成分が含まれない状態で、各切り換えスイッチS
1 〜SW3 を導通状態とし、同相帰還回路2で形成し
た同相帰還信号を容量C1 及びC2 に蓄えておく。差動
演算増幅器が通常作動時には、各切り換えスイッチSW
1 〜SW3 を遮断状態とし、容量C1 及びC2 に蓄えた
同相帰還信号と差動出力との差に基づく信号電圧を同相
帰還信号として差動増幅部1に帰還する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MOS集積回路上
に構成される全差動演算増幅器に関し、特に、高速動作
及び大振幅動作を実現するのに有効な、同相帰還回路を
備える差動演算増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、全差動演算増幅器は、差動出力の
DC動作点を安定化するために、同相帰還回路を必要と
している。この同相帰還回路を備えた全差動演算増幅器
としては、例えば、図6に示すように、差動入力段及び
差動出力段からなる一般的な2ステージ演算増幅器が知
られている。
【0003】前記差動入力段は、例えば一対の差動入力
用のNチャネル形トランジスタTr 31及びTr32と、当
該トランジスタTr31及びTr32と電源ラインVDDとの
間にそれぞれ接続されるバイアス用のPチャネル形トラ
ンジスタTr33及びTr34と、前記トランジスタTr31
及びTr32と接地側電源ラインVSSとの間に接続される
バイアス用のNチャネル形トランジスタTr35とから構
成されている。そして、トランジスタTr31及びTr32
のゲートにそれぞれ反転入力,非反転入力信号が入力さ
れるようになっている。また、トランジスタTr33及び
Tr34のゲートにはバイアス電圧Vb1が印加され、トラ
ンジスタTr35のゲートにはバイアス電圧Vb2が印加さ
れるようになっている。
【0004】前記差動出力段は、電源ラインVDD及び接
地側電源ラインVSS間に、Pチャネル形の差動出力段ト
ランジスタTr36及びTr37と、当該トランジスタTr
36及びTr37とそれぞれ直列に接続されるNチャネル形
の出力段電流源トランジスタTr38及びTr39とが接続
されて構成されている。そして、トランジスタTr36
ゲートにはトランジスタTr33のドレイン電圧が印加さ
れると共に、トランジスタTr36のゲートとドレインと
の間に位相補償用の容量CC1 が介挿されている。同様
に、トランジスタTr37のゲートにはトランジスタTr
34のドレイン電圧が印加されると共に、トランジスタT
37のゲートとドレインとの間に位相補償用の容量CC
2 が介挿されている。
【0005】そして、トランジスタTr36及びTr37
ドレイン電圧が差動出力として取り出されるようになっ
ている。また、トランジスタTr38及びTr39のドレイ
ンが抵抗R1 及びR2 を介して接続され、これら抵抗R
1 及びR2 間の電圧が出力段電流源トランジスタTr38
及びTr39のゲート電圧として印加されるようになって
いる。そして、抵抗R1及びR2 によって、差動出力端
子OP ,ON 間の中点電圧を検出し、この中点電圧を出
力段電流源トランジスタTr38及びTr39のゲートに帰
還することによって、同相帰還を行っている。
【0006】しかしながら、図6に示すような構成の全
差動演算増幅器は、簡単な回路構成で同相帰還を行うこ
とができるという利点がある反面、差動出力に対して直
接抵抗負荷が入るために、図6に示すように、2ステー
ジ構成にする必要がある。また、差動出力段トランジス
タTr36及びTr37のゲート容量を差動入力段が駆動す
る構成になっているため、シングルステージ構成の差動
演算増幅器と比較して、高速動作を実現することが困難
であるという問題がある。
【0007】これを回避するために、例えば、図7に示
すような、フォールデッドカスコード(Folded
Cascode)型シングルステージ差動増幅器が用い
られている。この差動演算増幅器は、図7に示すよう
に、フォールデッドカスコード型の差動増幅器からなる
差動増幅部1と、一対のMOSトランジスタから構成さ
れる二組の差動対21,22を備えて構成される同相帰
還回路2とから構成され、差動増幅部1の反転出力が差
動対21の一方のトランジスタのゲートに印加され、非
反転出力が差動対22の一方のトランジスタのゲートに
印加され、差動対21,22の他方のトランジスタのゲ
ートに、差動出力のDC動作点を決定するための基準電
圧VCMを印加することによって、差動対21,22で
反転出力及び非反転出力と基準電圧VCMとの差分を増
幅しこれを差動増幅部1の電流源トランジスタに帰還す
ることによって、差動出力のDC動作点と基準電圧VC
Mとが一致するように制御している。
【0008】図7に示すようなフォールデッドカスコー
ド型の差動増幅器を用いた場合、この差動増幅器の出力
インピーダンスが高く、差動出力に直接抵抗負荷を接続
することは困難であるため、上述のように差動出力をそ
れぞれ2組の差動対で増幅し、これを差動増幅器の電流
源トランジスタに帰還するような同相帰還回路を構成し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7に示すようなフォ
ールデッドカスコード型の差動増幅器の場合には、同相
帰還回路を構成する差動対のトランジスタのゲート容量
を小さくすることが可能であり、高速動作を実現できる
という利点がある反面、大振幅動作においては、同相帰
還回路を構成する差動対にカットオフする領域が存在す
るために、同相帰還が有効に行われず、大振幅動作には
向かないという未解決の課題がある。
【0010】これは、差動出力が大振幅信号である場合
等には、この差動出力が入力されるトランジスタの動作
領域が飽和領域からはずれてしまうことがあるため、差
動出力のDC動作点の制御性能が劣化してしまい、その
結果、基準電圧VCMと差動出力のDC動作点との差が
大きくなって、同相信号除去特性が劣化してしまうため
である。
【0011】そこで、この発明は上記従来の未解決の課
題に着目してなされたものであり、シングルステージ構
成に形成した場合でも高速動作を実現することができ且
つ大振幅動作が可能な、同相帰還回路を有する差動演算
増幅器を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る差動演算増幅器は、差動増幅器と、当
該差動増幅器の差動出力のDC動作点を安定化させるた
めの同相帰還信号を形成する同相帰還回路と、を備えた
差動演算増幅器において、前記差動増幅器への差動入力
に信号成分が含まれないときの前記同相帰還回路からの
同相帰還信号を基準帰還信号として保持する保持手段
と、当該保持手段で保持する基準帰還信号と前記差動増
幅器の差動出力との差をもとに帰還信号を形成する帰還
信号形成手段と、前記同相帰還回路で形成した同相帰還
信号に代えて前記帰還信号形成手段で形成した帰還信号
を前記差動増幅器に帰還する切り換え手段と、を備える
ことを特徴としている。
【0013】よって、例えば、システムリセット時等、
差動入力に信号成分が含まれないときに、差動増幅器の
差動出力に基づいて同相帰還回路で同相帰還信号を形成
し、これを基準帰還信号として保持手段が保持する。そ
して、システムリセット解除時には、切り換え手段が、
同相帰還回路で形成した同相帰還信号に代えて、帰還信
号形成手段で形成した帰還信号を差動増幅器に帰還する
ように切り換えを行う。これによって、差動増幅器に
は、保持手段で保持する基準帰還信号と差動出力との差
からなる帰還信号が同相帰還信号として帰還される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。図1は、本発明における差動演算増幅器の実施
の形態を示したものである。この差動演算増幅器100
は、図7に示す従来のフォールデッドカスコード型シン
グルステージ演算増幅器を用いた差動演算増幅器におい
て、容量C1 及びC 2 、切り換えスイッチSW1 〜SW
3 を設けたこと以外は同様である。
【0015】図1に示すように、この差動演算増幅器1
00は、フォールデッドカスコード型シングルステージ
演算増幅器からなる差動増幅部1と、2組の差動対を有
する同相帰還回路2と、同相帰還回路2で形成した同相
帰還信号を保持し、この同相帰還信号と差動出力とをも
とに同相帰還回路2で形成する同相帰還信号と同等の帰
還信号を形成する帰還信号形成部(保持手段,帰還信号
形成手段)3とから構成されている。
【0016】前記差動増幅部1は、Pチャネル形MOS
トランジスタからなる電流源トランジスタTr1 及びT
2 と、これら電流源トランジスタTr1 及びTr2
それぞれと直列に接続されるPチャネル形MOSトラン
ジスタからなるバイアス用のトランジスタTr3 及びT
4 と、当該トランジスタTr3 及びTr4 のそれぞれ
と直列に接続されるNチャネル形MOSトランジスタか
らなるバイアス用のトランジスタTr5 及びTr6 と、
当該トランジスタTr5 及びTr6 と直列にそれぞれ接
続されるNチャネル形MOSトランジスタからなるバイ
アス用のトランジスタTr7 及びTr8 とが電源ライン
DD及び接地電源ラインVSS間に並列に接続されてい
る。
【0017】さらに、前記電流源トランジスタTr1
トランジスタTr3 との間にNチャネル形MOSトラン
ジスタからなる非反転入力用の入力トランジスタTr9
が接続され、同様に、電流源トランジスタTr2 とトラ
ンジスタTr4 との間にNチャネル形MOSトランジス
タからなる反転入力用の入力トランジスタTr10が接続
されている。これら入力トランジスタTr9 及びTr10
のソースと接地側電源ラインVSSとの間にNチャネル形
MOSトランジスタからなるバイアス用のトランジスタ
Tr11が接続されている。
【0018】そして、前記トランジスタTr1 及びTr
2 のゲートには同相帰還回路2からの同相帰還信号が後
述の切り換えスイッチSW1 (切り換え手段)を介して
印加されると共に、帰還信号形成部3からの帰還信号が
印加されるようになっている。また、前記トランジスタ
Tr3 及びTr4 のゲートには、所定のバイアス電圧V
B1が印加され、前記トランジスタTr5 及びTr6 のゲ
ートには所定のバイアス電圧VB2が印加され、前記トラ
ンジスタTr7 ,Tr8 及びTr11のゲートには所定の
バイアス電圧VB3が印加されるようになっている。
【0019】そして、トランジスタTr3 及びTr5
の間の電位を反転出力として取り出し、トランジスタT
4 とTr6 との間の電位を非反転出力として取り出す
ようになっている。また、非反転出力端子OP と反転入
力端子INN との間は切り換えスイッチSW2 を介して
接続され、切り換えスイッチSW2 の作動状態に応じて
反転入力端子INN と非反転出力端子OP との間を導通
又は遮断状態に制御できるようになっている。同様に、
反転出力端子ON と非反転入力端子INP との間は切り
換えスイッチSW3 を介して接続され、切り換えスイッ
チSW3 の作動状態に応じて非反転入力端子INP と反
転出力端子ON との間を導通又は遮断状態に制御できる
ようになっている。
【0020】一方、前記同相帰還回路2は、差動対21
を形成するNチャネル形MOSトランジスタからなるト
ランジスタTr13及びTr14と、これらトランジスタT
13及びTr14のソースに接続され且つ互いに直列に接
続されたNチャネル形MOSトランジスタからなるバイ
アス用のトランジスタTr15及びTr16とが、電源ライ
ンVDD及び接地側電源ラインVSS間に接続されている。
同様に、差動対22を形成するNチャネル形MOSトラ
ンジスタからなるトランジスタTr17及びTr 18と、こ
れらトランジスタTr17及びTr18のソースに接続され
且つ互いに直列に接続されたNチャネル形MOSトラン
ジスタからなるバイアス用のトランジスタTr19及びT
20とが、電源ラインVDD及び接地側電源ラインVSS
に接続されている。
【0021】そして、前記各差動対21,22を形成す
る一方のトランジスタTr14及びTr17のドレインと電
源ラインVDDとの間にPチャネル形MOSトランジスタ
からなるトランジスタTr21が介挿され、他方のトラン
ジスタTr13及びTr18のドレインと電源ラインVDD
の間にPチャネル形MOSトランジスタからなるトラン
ジスタTr22が介挿されている。そして、トランジスタ
Tr21のゲートには、トランジスタTr21のドレイン電
位が印加され、同様に、トランジスタTr22のゲートに
は、トランジスタTr22のドレイン電位が印加されるよ
うになっている。
【0022】また、前記差動対21,22を形成する一
方のトランジスタTr14及びTr17のゲートには、予め
設定した差動出力のDC動作点を決める基準電圧VCM
が印加されるようになっている。そして、他方のトラン
ジスタTr13のゲートには差動増幅部1の反転出力が印
加され、トランジスタTr18のゲートには差動増幅部1
の非反転出力が印加されるようになっている。
【0023】さらに、前記バイアス用のトランジスタT
15及びTr19のゲートには前記バイアス電圧VB2が印
加され、トランジスタTr16及びTr20のゲートには前
記バイアス電圧VB3が印加されるようになっている。そ
して、前記電流源トランジスタTr1 及びTr2 のゲー
トとトランジスタTr21のゲートとが、切り換えスイッ
チSW1 を介して接続され、切り換えスイッチSW1
作動状態に応じてトランジスタTr1 及びTr2 のゲー
トとTr21のゲートとの間を遮断又は導通状態に制御で
きるようになっている。また、前記トランジスタT
1 ,Tr2 及びTr21とで、カレントミラー回路を構
成している。
【0024】さらに、前記切り換えスイッチSW1 及び
各トランジスタTr1 ,Tr2 のゲート間と、前記差動
増幅部1の反転出力端子ON との間には容量C1 が接続
されている。同様に、前記切り換えスイッチSW1 及び
各トランジスタTr1 ,Tr 2 のゲート間と、前記差動
増幅部1の反転出力端子OP との間には容量C2 が接続
されている。
【0025】ここで、容量C1 及びC2 が保持手段に対
応している。前記切り換えスイッチSW1 〜SW3 は、
例えば、MOSトランジスタ等で構成され、制御部10
からの制御信号に応じて作動し、入力される制御信号が
論理値“1”であるとき導通状態となり、制御信号が論
理値“0”であるとき遮断状態となるようになってい
る。
【0026】前記制御部10は、例えば、システムリセ
ット信号、或いは、A/D変換器等のサンプリング回路
に使用する場合には信号サンプル時等に同期して各制御
信号を設定し、例えば、システムリセット時には、前記
各切り換えスイッチSW1 〜SW3 への制御信号CNT
1 ,CNT2 を論理値“1”、システムリセット解除時
には各制御信号を論理値“0”として出力する。
【0027】また、制御部10では、各制御信号を出力
する場合には、図2に示すように、各切り換えスイッチ
SW1 〜SW3 を導通状態に制御する場合には、切り換
えスイッチSW2 及びSW3 への制御信号CNT2 を論
理値“1”として出力し、td1 秒後に切り換えスイッ
チSW1 への制御信号CNT1 を論理値“1”として出
力する。遮断状態に制御する場合には、制御信号CNT
1 を論理値“0”として出力し、td2 秒後に制御信号
CNT2 を論理値“0”として出力する。このとき、t
1 には特に制約はないが、td2 は、td2 ≧0秒を
満足する値とする。
【0028】これによって、容量C1 及びC2 に対し
て、切り換えスイッチSW2 及びSW 3 が短絡している
時点の同相帰還回路2で形成する同相帰還信号の帰還信
号電圧が確実に蓄えられるようになっている。次に、上
記実施の形態の動作を説明する。通常状態では、各切り
換えスイッチSW1 〜SW3 は遮断状態となっている。
そして、制御部10では、例えば、システムリセット時
に、制御信号CNT2 を論理値“1”として出力し、t
1 秒経過後に制御信号CNT1 を論理値“1”として
出力する。
【0029】なお、ここでのシステムリセット時とは、
差動増幅部1に入力される差動入力に信号成分が含まれ
ない状態となっている時を意味する。帰還信号形成部3
では、制御信号CNT1 及びCNT2 が入力されること
によって、まず切り換えスイッチSW2 及びSW3 が導
通状態となり、その後、切り換えスイッチSW1 が導通
状態となる。
【0030】そして、同相帰還回路2では、差動出力の
DC動作点が基準電圧VCMと同一電圧となるように作
動し、例えば、反転出力のDC動作点が基準電圧VCM
よりも小さく、非反転出力のDC動作点が基準電圧VC
Mよりも小さい場合には、トランジスタTr13のドレイ
ン電流が減少傾向となって、逆にトランジスタTr14
ドレイン電流が増加傾向となり、同様に、トランジスタ
Tr18のドレイン電流が減少傾向となって、逆にトラン
ジスタTr17のドレイン電流が増加傾向となり、トラン
ジスタTr21のドレイン電流が増加傾向となる。よっ
て、差動増幅部1の電流源トランジスタTr1 及びTr
2 のドレイン電流が増加し、反転出力及び非反転出力の
DC動作点が上昇し、差動出力のDC動作点が上昇す
る。そして、この操作を繰り返すことによって差動出力
のDC動作点が基準電圧VCMと一致する。
【0031】同様に、例えば、非反転出力のDC動作点
が基準電圧VCMよりも大きく、反転出力のDC動作点
が基準電圧VCMよりも大きい場合には、トランジスタ
Tr 13のドレイン電流が増加傾向、トランジスタTr14
の減少傾向となって、同様に、トランジスタTr18のド
レイン電流が増加傾向、トランジスタTr17のドレイン
電流が減少傾向となって、トランジスタTr21のドレイ
ン電流が減少傾向となる。よって、差動増幅部1の電流
源トランジスタTR1 及びTr2 のドレイン電流が減少
し、反転出力及び非反転出力のDC動作点が低下し、差
動出力のDC動作点が低下する。そして、この操作を繰
り返すことによって、差動出力のDC動作点が基準電圧
VCMと一致する。トランジスタTr13及びTr14も同
様に作動する。
【0032】そして、このとき、各切り換えスイッチS
1 〜SW3 は導通状態となっているから、差動増幅部
1はボルテージフォロワ構成となる。そして、同相帰還
信号として差動増幅部1の電流源トランジスタTr1
びTr2 に印加されるトランジスタTr21のゲート電圧
と反転出力との差が容量C1 に蓄えられ、同様に、トラ
ンジスタTr21のゲート電圧と非反転出力との差が容量
2 に蓄えられる。
【0033】この状態で、システムリセットが解除され
ると、制御部10は、図2に示すように、制御信号CN
1 を論理値“0”として出力し、td2 経過後に制御
信号CNT2 を論理値“0”として出力する。これによ
って、切り換えスイッチSW 1 が遮断状態となった後、
切り換えスイッチSW2 及びSW3 が遮断状態となり、
容量C1 及びC2 に対して切り換えスイッチSW2 及び
SW3 が導通状態となっている時点での帰還信号電圧で
ある基準帰還信号が確実に蓄えられることになる。
【0034】そして、各切り換えスイッチSW1 〜SW
3 が遮断状態となることによって、同相帰還回路2から
の同相帰還信号が差動増幅部1に帰還されなくなり、代
わりに、容量C1 及びC2 に蓄えられた電圧と差動出力
のDC動作点との差分からなる信号電圧(帰還信号)が
電流源トランジスタTr1 及びTr2 のゲートに帰還さ
れる。
【0035】この状態で差動演算増幅器100に差動信
号が入力されると、電流源トランジスタTr1 及びTr
2 のゲートには、基準帰還信号と差動出力の実際のDC
動作点との差からなる信号電圧が印加されることにな
り、この信号電圧は差動出力のDC動作点の増減に応じ
て変化し、結果的に差動出力の実際のDC動作点を基準
電圧VCMと一致するように動作する。
【0036】したがって、各切り換えスイッチSW1
SW3 が遮断状態である場合には、同相帰還回路2の動
作状態に係わらず、容量C1 及びC2 に蓄えられた基準
帰還信号を差動出力の実際のDC動作点に応じて変化さ
せてなる信号電圧が差動増幅部1に帰還されることにな
る。よって、例えば、差動出力が大振幅信号となるよう
な大振幅動作時に、同相帰還回路2を構成するトランジ
スタTr13,Tr14,Tr17,Tr18が飽和領域外とな
って、差動出力に応じた動作を行うことができず、適切
な同相帰還信号を形成することができない場合でも、予
め容量C1 及びC2 に蓄えられた同相帰還信号を基準と
する差動出力に応じた信号電圧であり、且つ同相帰還信
号と同等に作用する信号電圧が差動増幅部1に帰還され
ることになるので、大振幅動作時でも同相信号除去特性
が劣化することを防止することができる。よって、従来
に比較して、差動演算増幅器の差動出力電圧範囲を拡大
することができる。
【0037】また、差動増幅部1にシングルステージ形
の差動増幅器を用いているから、高速動作、且つ、大振
幅動作が可能な差動演算増幅器を実現することができ
る。また、上記実施の形態では、差動増幅部1をボルテ
ージフォロワ構成にした状態で、同相帰還信号を蓄える
ようにしたから、容量C1 及びC2 には、差動増幅部1
のオフセット電圧も蓄えられることになり、このオフセ
ット電圧を含んだ信号電圧が差動増幅部1に帰還される
ことになるから、差動増幅部1のオフセット電圧を除去
することができる。
【0038】なお、上記実施の形態では、差動増幅部1
にフォールデッドカスコード型のシングルステージ差動
増幅器を用いた場合について説明したが、これに限ら
ず、その他の差動増幅器を用いることも可能であり、大
振幅動作の可能な差動演算増幅器を実現することができ
る。特に、本実施の形態のようにシングルステージ型の
差動増幅器を用いることによって、高速且つ大振幅動作
の可能な差動演算増幅器を実現することができる。
【0039】また、上記実施の形態では、システムリセ
ット時に各切り換えスイッチSW1〜SW3 を導通状態
とし、同相帰還回路2で形成した同相帰還信号を基準帰
還信号として容量C1 ,C2 に蓄える場合について説明
したが、例えば、A/D変換器等のサンプリング回路に
使用する場合には、信号サンプル時等に同期して各制御
信号CNT1 ,CNT2 を設定し、同相帰還信号を容量
1 ,C2 に蓄えることによって、上記と同等の効果を
得ることができる。つまり、サンプリング回路で信号を
取り込んでいる期間などの差動演算増幅器100への信
号成分の入力が行われていない時点で、各制御信号CN
1 ,CNT2 を設定し、同相帰還信号を容量C1 ,C
2 に蓄えるようにすればよい。
【0040】
【実施例】以下に、上記発明の実施例を説明する。図1
に示す差動演算増幅器100を用いて、図3に示すよう
な全差動反転増幅器101を構成した。この全差動反転
増幅器101は、差動演算増幅器100の非反転入力端
子に抵抗R3 を介して非反転入力信号IP が入力され、
反転入力端子に抵抗R4 を介して反転入力信号IN が入
力されるようになっている。そして、差動演算増幅器1
00の反転出力信号OUTN が抵抗R5 を介して非反転
入力端子に帰還され、非反転出力信号OUTP が抵抗R
6 を介して反転入力端子に帰還されるようになってい
る。
【0041】図4は、図3に示す全差動反転増幅器10
1を用いてシュミレーションを行ったときの出力特性を
示したものである。なお、図1に示すようなフォールデ
ッドカスコード型シングルステージの差動演算増幅器は
出力インピーダンスが非常に高いため、図3に示すよう
な抵抗帰還型の回路に使用することは適さない。よっ
て、図3に示す回路の特性を確認するにあたり、出力イ
ンピーダンスの影響がでないように抵抗値は全て100
MΩとしてシュミレーションを行った。
【0042】図5は、図3に示す全差動反転増幅器10
1において、差動演算増幅器100に代えて図7に示す
従来の差動演算増幅器を適用した場合の、シュミレーシ
ョン結果を示したものである。なお、図4及び図5にお
いては、入力信号として、差動正弦波信号を入力してい
る。
【0043】図4及び図5において、破線は差動出力を
表し、実線は同相雑音を表している。この同相雑音は、
理論的には問題とはならないが、実際の集積回路内で
は、信号配線の寄生容量や寄生抵抗等の影響によって同
相雑音が逆相雑音となって、SN比の劣化を導くことに
なる。また、次段に全差動回路がある場合等には、次段
の全差動回路に高い同相雑音除去特性を求められる等、
同相雑音は極力小さい方がよい。
【0044】図4及び図5からわかるように、本実施の
形態における差動演算増幅器を用いた方が、同相雑音が
小さいことが明らかである。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る差動
演算増幅器によれば、差動入力の信号成分が入力されな
い状態での同相帰還信号を基準帰還信号として予め保持
しておき、通常作動時には、保持した基準帰還信号と差
動出力との差に基づく帰還信号を同相帰還信号として差
動増幅器に帰還するようにしたから、同相帰還回路の動
作状態に係わらず常に適切な同相帰還信号を差動増幅器
に帰還することができ、大振幅動作時の差動増幅器の同
相雑音除去特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動演算増幅器の実施の形態を示す回
路図である。
【図2】切り換えスイッチSW1 〜SW3 の動作説明に
供する説明図である。
【図3】本発明の差動演算増幅器を用いた全差動反転増
幅器の一例である。
【図4】本発明の差動演算増幅器を用いて全差動反転増
幅器を構成した場合の出力特性を示す特性図である。
【図5】従来の差動演算増幅器を用いて全差動反転増幅
器を構成した場合の出力特性を示す特性図である。
【図6】従来の差動演算増幅器の一例を示す回路図であ
る。
【図7】従来の差動演算増幅器の一例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1 差動増幅部 2 同相帰還回路 3 帰還信号形成部(保持手段,帰還信号形成手段) 100 差動演算増幅器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 差動増幅器と、当該差動増幅器の差動出
    力のDC動作点を安定化させるための同相帰還信号を形
    成する同相帰還回路と、を備えた差動演算増幅器におい
    て、前記差動増幅器への差動入力に信号成分が含まれな
    いときの前記同相帰還回路からの同相帰還信号を基準帰
    還信号として保持する保持手段と、当該保持手段で保持
    する基準帰還信号と前記差動増幅器の差動出力との差を
    もとに帰還信号を形成する帰還信号形成手段と、前記同
    相帰還回路で形成した同相帰還信号に代えて前記帰還信
    号形成手段で形成した帰還信号を前記差動増幅器に帰還
    する切り換え手段と、を備えることを特徴とする差動演
    算増幅器。
JP30130395A 1995-11-20 1995-11-20 差動演算増幅器 Withdrawn JPH09148855A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100460794B1 (ko) * 2002-06-04 2004-12-09 주식회사 티엘아이 클락신호에 의하여 제어되는 공통 모드 궤환 회로
JP2013153246A (ja) * 2012-01-24 2013-08-08 Seiko Epson Corp 全差動増幅回路、コンパレーター回路、a/d変換回路、及び電子機器
JP2013544060A (ja) * 2010-12-16 2013-12-09 ザイリンクス インコーポレイテッド カレントミラーおよび高コンプライアンス単段増幅器
JP2018174477A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 エイブリック株式会社 トランスコンダクタンス増幅器

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