JPH09148528A - 誘電体キャパシタ - Google Patents

誘電体キャパシタ

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JPH09148528A
JPH09148528A JP7311152A JP31115295A JPH09148528A JP H09148528 A JPH09148528 A JP H09148528A JP 7311152 A JP7311152 A JP 7311152A JP 31115295 A JP31115295 A JP 31115295A JP H09148528 A JPH09148528 A JP H09148528A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電キュリー温度が高く、高温においても
大きな残留分極を保持可能であり、かつ下部電極の微細
加工が可能な誘電体キャパシタを提供すること。 【解決手段】 表面に六方晶系の(0001)面が現れ
ている導電性基板と、この導電性基板上に(111)面
方位にエピタキシャル成長したペロブスカイト型結晶構
造を有する誘電体膜とを具備し、導電性基板表面の六方
晶系のa軸の格子定数as (hcp)と、ペロブスカイ
ト型結晶のa軸長で表される誘電体材料本来の格子定数
d とが下記式に示す関係を満たすことを特徴とする。 1.002≦ad /(as (hcp)×21/2 )≦1.
030

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体記憶装置に
用いられる、エピタキシャル誘電体薄膜を有する誘電体
キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、記憶媒体として強誘電体薄膜を有
する強誘電体キャパシタを用いた記憶装置(強誘電体メ
モリ)の開発が行われており、1部には既に実用化がな
されている。強誘電体メモリは不揮発性であり、電源を
落とした後も記憶内容が失われない、しかも膜厚が十部
薄い場合には自発分極の反転が早く、DRAM並みに高
速の書き込み、読み出しが可能であるなどの優れた特徴
を有する。また、1ビットのメモリセルを一つのトラン
ジスタと一つの強誘電体キャパシタとで構成することが
できるため、大容量化にも適している。
【0003】強誘電体メモリに適した強誘電体薄膜に必
要な特性は、残留分極が大きいこと、残留分極の温度依
存性が小さいこと、及び残留分極の長時間保持が可能で
あること(リテンション)などである。
【0004】現在強誘電体材料としては、主としてジル
コン酸チタン酸鉛(PZT)が用いられている。PZT
は、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛の固溶体であるが、ほぼ
1:1のモル比で固溶したものが自発分極が大きく、低
い電界でも反転することができ、記憶媒体として優れて
いるものと考えられている。PZTは、強誘電体相と常
誘電体層の間の転移温度(キュリー温度)が300℃以
上と比較的高いため、通常の電子回路が使用される温度
範囲(120℃以下)では、記憶された内容が熱によっ
て失われる心配は少ない。
【0005】しかしながら、PZTの良質な薄膜は、作
成が難しいことが知られている。第1に、PZTの主成
分である鉛は500℃以上で蒸発しやすく、そのため組
成の正確な制御が難しい。第2に、PZTがペロブスカ
イト型結晶構造を形成したときにはじめて強誘電性が現
れるが、このペロブスカイト型結晶を持つPZTが得に
くく、パイロクロアと呼ばれる結晶構造のほうが容易に
得られやすいという問題がある。また、シリコンデバイ
スに応用した場合には、主成分である鉛のシリコン中へ
の拡散を防ぐことが難しいという問題もある。
【0006】PZT以外ではチタン酸バリウム(BaT
iO3 )が代表的な強誘電体として知られている。チタ
ン酸バリウムは、PZTと同様にペロブスカイト型結晶
を持ち、キュリー温度は約120℃であることが知られ
ている。Pbと比べるとBaは蒸発しにくいので、チタ
ン酸バリウムの薄膜作成においては、組成の制御が比較
的容易である。また、チタン酸バリウムが結晶化した場
合は、ペロブスカイト型以外の結晶構造をとることは殆
どない。
【0007】これらの長所にもかかわらず、チタン酸バ
リウムの薄膜キャパシタが強誘電体メモリの記憶媒体と
してさほど検討されていない理由として、チタン酸バリ
ウムはPZTと比べて残留分極が小さく、しかも残留分
極の温度依存性が大きいことが挙げられる。この原因
は、チタン酸バリウムのキュリー温度が低い(120
℃)ことにあり、このため強誘電体メモリを作成した場
合、100℃以上の高温にさらされた場合に記憶内容が
失われる恐れがあるばかりではなく、通常電子回路が使
用される温度範囲(85℃以下)でも残留分極の温度依
存性が大きく、動作が不安定である。したがって、チタ
ン酸バリウムからなる強誘電体薄膜を使用した薄膜キャ
パシタは、強誘電体メモリの記憶媒体としての用途に適
さないと考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、新しい
強誘電体薄膜として、下部電極(例えばPtの(10
0)面)の格子定数に比較的近くやや大きな格子定数を
持つ誘電材料(例えば、Bax Sr1-x TiO3 )を選
択し、かつまたRFマグネトロン・スパッタ法という成
膜過程でミスフィット転位が比較的入りにくい成膜方法
を採用して、分極軸であるc軸方向にエピタキシャル成
長させることにより、膜厚200nm以上の比較的厚い
膜厚をもつ薄膜においても、エピタキシャル効果により
本来の誘電体の格子定数よりも膜厚方向(c軸)に格子
定数が伸び、面内方向(a軸)の格子定数が縮んだ状態
を保つことができることを見いだした。
【0009】その結果、強誘電キュリー温度を高温側に
シフトさせ、室温領域で大きな残留分極を示し、かつ8
5℃程度まで温度を上げても十分大きな残留分極を保持
できる強誘電体薄膜が実現可能であることを確認した。
例えば、下部電極として酸化されにくいPt(格子定数
a:0.39231)を使用し、誘電体として所定の組
成領域のチタン酸バリウムストロンチウム(Bax Sr
1-x TiO3 、x=0.30−0.90、以下BSTと
呼ぶ)を用いることにより、本来室温では強誘電性を示
さないはずの組成領域(x≦0.7)でも強誘電性が発
現し、またもともと室温で強誘電性を示す組成領域(x
>0.7)においては、本来室温以上にあるキュリー温
度がさらに上昇するという、実用上好ましい強誘電体特
性を実現できることを実験的に確認している。
【0010】しかしながら、白金を下部電極に使うこと
は、キャパシタとしての絶縁性にすぐれ、また大きな強
誘電性を得るという点で優れているが、白金のハロゲン
化物の蒸気圧が低く、反応性イオンエッチングなどによ
るドライエッチングが非常に困難であるという欠点を有
している。このため、サブミクロンのサイズのキャパシ
タセルを作成しようとすると、白金下部電極の加工が障
害になり、キャパシタセルの作成が非常に困難になると
いう問題点があった。また、白金下部電極の代わりに、
同様に上記BST膜をエピタキシャル成長させることが
可能な、ルテニウム酸ストロンチウムなど導電性ペロブ
スカイト結晶を使用しても、下部電極のドライエッチン
グによる微細加工が困難なことに変わりはない。
【0011】本発明は、エピタキシャル効果を利用して
強誘電性を発現した強誘電体薄膜、あるいはエピタキシ
ャル効果により強誘電性が強化された強誘電体薄膜を有
する薄膜キャパシタを用い、高集積化した不揮発性メモ
リを作製する際に問題になる下部電極の微細加工の問題
を克服するためになされたものである。
【0012】即ち、本発明の目的は、強誘電キュリー温
度が高く、高温においても大きな残留分極を保持可能で
あり、かつ下部電極の微細加工が可能な誘電体キャパシ
タを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)は、表面に六方晶系の(000
1)面が現れている導電性基板と、この導電性基板上に
(111)面方位にエピタキシャル成長したペロブスカ
イト型結晶構造を有する誘電体膜とを具備し、前記導電
性基板表面の六方晶系のa軸の格子定数as (hcp)
と、前記ペロブスカイト型結晶のa軸長で表される前記
誘電体材料本来の格子定数ad とが下記式に示す関係を
満たすことを特徴とする誘電体キャパシタを提供する。
【0014】1.002≦ad /(as (hcp)×2
1/2 )≦1.030 また、本発明(請求項2)は、表面に立方晶系の(11
1)面が現われている導電性基板と、この導電性基板上
に(111)面方位にエピタキシャル成長したペロブス
カイト型結晶構造を有する誘電体膜とを具備し、前記導
電性基板表面の立方晶系のa軸の格子定数as (cu
b)と、前記ペロブスカイト型結晶のa軸長で表される
前記誘電体材料本来の格子定数ad とが下記式に示す関
係を満たすことを特徴とする誘電体キャパシタを提供す
る。
【0015】 1.002≦ad /as (cub)≦1.030 更に、本発明(請求項3)は、上記誘電体キャパシタ
(請求項1,2)において、前記誘電体材料の本来のキ
ュリー温度が200℃以下であることを特徴とする誘電
体キャパシタを提供する。
【0016】更にまた、本発明(請求項4)は、上記誘
電体キャパシタ(請求項1,3)において、前記導電性
基板が、シリコン(111)基板と、このシリコン(1
11)基板上に形成された開口部を有する絶縁層と、こ
の絶縁層上に、前記開口部を介して成長した(111)
配向シリコン層とからなり、前記(111)配向シリコ
ン層上に前記キャパシタの誘電体膜がエピタキシャル成
長していることを特徴とする誘電体キャパシタを提供す
る。
【0017】なお、上記六方晶系の導電性基板として
は、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、及びオス
ミウム(Os)からなる群から選ばれた少なくとも1種
を含む合金を挙げることが出来る。
【0018】本発明は、以下のような原理に基づくもの
である。即ち、本発明者らは、酸化物誘電体の下地電極
として利用が可能な貴金属の中で、微細加工が可能なル
テニウム(Ru)、レニウム(Re)、あるいはオスミ
ウム(Os)に着目した。しかしながら、白金、金、パ
ラジウム、イリジウム、ロジウムなどは面心立方格子
(fcc)を取り、やはり立方晶系のペロブスカイト誘
電体膜とは格子定数も極めて近いため、前述したように
白金電極膜の(100)面上に分極方向である(10
0)面をエピタキシャル成長させることが可能である。
しかも下部電極の格子定数を誘電体膜の格子定数よりや
や小さくすることにより、誘電体膜の成長面内のa軸を
縮め、成長方向のc軸を延ばすことによってBST膜の
分極軸方向であるc軸方向の誘電特性を飛躍的に改善す
ることが可能である。また、白金電極等の(100)面
は、キャパシタと組み合わせてメモリセルを構成するト
ランジスタを作りこむために、シリコン(100)基板
上に直接あるいはバリアメタル等を介してエピタキシャ
ル成長させることが可能である。
【0019】一方、Ru、Re、Osはともに六方晶系
に属しており、BST結晶の室温の分極方向である(1
00)面と格子整合をとることが不可能であり、エピタ
キシャル成長させることができない。そこで発明者ら
は、チタン酸バリウム結晶の分極軸が低温では[11
1]方位であることに着目した。すなわち、チタン酸バ
リウムは、約130℃から約0℃の間は正方晶、約0℃
から約−90℃では斜方晶、それ以下では菱面体晶が安
定であり、それぞれ[100]方位、[110]方位、
[111]方位に分極軸方向を持つとされている。
【0020】このように、温度により安定相が変わる
が、それぞれの安定相間のエネルギ差は非常に小さいと
考えられる。したがって、白金の(100)面上にBS
Tをエピタキシャル成長させるときに導入される歪みに
よりc軸が伸長し、本来は立方晶が安定な組成領域でも
正方晶となり、c軸方向に自発分極が現れて強誘電体に
なる現象と同様に、六方晶系の(0001)面ないしは
立方晶系の(111)面からなる下部電極上に、ペロブ
スカイト系誘電体膜の(111)面をエピタキシャル成
長させて歪みを導入すれば、[111]方向に自発分極
が発生して強誘電性を誘起することができる。
【0021】例えば、Ru、Re、Osの六方晶におけ
るa軸の格子定数はそれぞれ0.2704nm、0.2
761nmおよび0.2735nmであり、これを立方
晶系の(111)面とみなして格子定数に変換すると、
0.3824nm、0.3905nmおよび0.386
8nmになる。一方、チタン酸ストロンチウムの格子定
数は0.3904nm、正方晶であるチタン酸バリウム
のa軸は0.3992nm、c軸は0.4036nm、
体積平均した格子定数は0.4007nmである。
【0022】従って、下地電極としてRu、Re、Os
の合金(相互に全率固溶体を作るので、格子定数はRu
からReまで連続的に変化する)の(0001)面を使
用し、誘電体としてチタン酸ストロンチウムとチタン酸
バリウムの固溶体の(111)面をエピタキシャル成長
させることにより、[111]方向に強誘電性を付与す
るのに望ましい0.2%〜3.0%の格子定数差に基づ
く歪みを導入することが可能になる。例えば、下地電極
にレニウムを使用し、誘電体にバリウム分率80%のB
ST膜(0.3980nm)を使用することで、誘電体
膜の面内方向に1.9%の歪みを与えることができる。
【0023】具体的に本発明で使用可能なペロブスカイ
ト型構造の誘電体材料としては、ABO3 で表される組
成式を示すものがある。Aとしては主としてBaからな
り、その一部をSrあるいはCaのうち少なくとも1種
類の元素で置換したもの、Bとして、Ti、Sn、Z
r、Hfなどおよびそれらの固溶系、さらにはMg1/3
Ta2/3 、Mg1/3 Nb2/3 、Zn1/3 Nb2/3 、Zn
1/3 Ta2/3 などの複合酸化物およびそれらの固溶系を
使用することができる。
【0024】本発明で、誘電体固有のキュリー温度を2
00℃以下と規定した理由は、キュリー温度が200℃
以上と高いものは、ペロブスカイト結晶を構成する元素
に低融点金属である鉛かビスマスを含むため、これらの
誘電体はシリコン半導体プロセスに適さないためであ
る。
【0025】また、下地電極として、ドライエッチング
が比較的容易なRu、Re、Osおよびそれらの合金が
望ましいが、耐酸化性を向上させる目的や、格子定数を
調整する目的で、白金、パラジウム、イリジウム、ロジ
ウムなどをRu、Re、Osに、均一にあるいは表面近
傍に固溶させてもよい。
【0026】また、白金を中心とした合金などの、面心
立方格子をとる結晶の(111)面を使用することも可
能である。さらに、ルテニウムあるいはレニウムなどの
六方晶(0001)面と、白金などの立方晶(111)
面を積層することも可能である。比較的厚いRu、R
e、Osの上にごく薄い白金層を成長させることによ
り、加工性と誘電体界面の耐酸化性を両立させることも
できる。
【0027】本発明において、誘電体膜と下地電極の格
子定数の比を0.2%〜3.0%と規定した理由は、
0.2%未満の比ではキュリー温度を十分上昇させて大
きな残留分極を得るための歪みを導入させることができ
ず、3.0%を越えると歪みが大きすぎて、基板との界
面や成長途中に格子不整合歪が導入されて逆に歪みが緩
和されてしまうからである。
【0028】また、本発明で、Si基板上に六方晶(0
001)面あるいは立方晶の(111)面に配向した下
部電極結晶を作成する方法として、Si(111)基板
を使用し、Si(111)面からのエピタキシャルない
し配向成長を利用する方法があげられる。また、シリコ
ン基板と下部電極の間に、エピタキシャルないし配向成
長したバリアメタル層や、コンタクトプラグ層を挟むこ
とができる。バリアメタルとして、チタン、タンタル、
ニオブ、タングステン、モリブデンなど高融点金属、そ
れらの窒化物、炭化物、ケイ化物、酸化物などのなか
で、六方晶の結晶の(0001)面、立方晶の結晶の
(111)面を使用することができる。例えば、立方晶
の窒化チタンの(111)面などである。また、コンタ
クトプラグとして、上記のバリアメタルの材料が使用で
きるほか、エピタキシャルないしは配向成長させたシリ
コン結晶を使用することができる。
【0029】なお以上説明したように、本発明にかかる
誘電体キャパシタは、不揮発性の強誘電体メモリ(FR
AM)に使用することができるが、同様に高誘電体膜を
使用したダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ
(DRAM)に使用することも可能である。すなわち、
誘電体は強誘電体相変移温度(キュリー温度)近傍で最
大値をとることが知られているが、誘電体層のチタン酸
バリウムとチタン酸ストロンチウムの固溶比と、下部電
極を構成する、例えばRu、Re、Os合金との格子定
数の比の2つのパラメータを調節することにより、バル
クの誘電体をも上回る大きな誘電率の誘電体膜を得るこ
とが可能である。具体的には、Stのモル分率が0〜3
0%程度のBST膜において、Re、Ru、Os合金か
らなる下部電極との格子定数比を1〜3%にして膜面内
に圧縮歪を導入することにより、誘電率が500〜10
00と大きい誘電体膜を得ることができる。
【0030】このように、本発明によれば、シリコンプ
ロセスに適合するのに困難な低融点金属である鉛やビス
マスを含まず、エピタキシャル成長時に導入する歪によ
り誘起された強誘電体膜を使用し、また下部電極にもド
ライエッチングが可能なRu、Re等の合金を使用する
ことにより、超高集積化した不揮発性半導体記憶素子を
作成し得る誘電体キャパシタを得ることが可能である。
【0031】
【発明の形態】以下、本発明を実施例によって説明す
る。 実施例1 図1及び2は、本発明の第1の実施例に係る強誘電体メ
モリの製造プロセスを工程順に示す断面図である。即
ち、エピタキシャル成長させたときに生じる不整合歪を
利用して歪み誘起強誘電体膜を形成し、強誘電体メモリ
を形成した例である。
【0032】図1(a)は、メモリセルのトランジスタ
部および層間絶縁膜9を形成した状態を示す。図1
(a)において、参照符号1は第1導電型のシリコン基
板を示す。この第1導電型シリコン基板1に素子間分離
酸化膜2が形成され、この素子間分離酸化膜2により分
離されたシリコン基板1の領域上に、ゲート酸化膜3及
びワード線4が形成されている。なお、参照符号5は層
間絶縁膜、6は第2導電型不純物拡散層をそれぞれ示
す。
【0033】次いで、図1(b)に示すように、フォト
リソグラフィーおよびイオンエッチングにより層間絶縁
膜を開孔し、単結晶シリコン(111)面の選択成長技
術によりコンタクトプラグ11を形成した。コンタクト
プラグは、ジクロルシランを原料ガスとしたLPCVD
法により、成長温度820℃で単結晶シリコンを選択的
に埋め込んだ。
【0034】その後、図1(c)に示すように、フッ酸
を使用した湿式選択エッチングにより、コンタクトプラ
グ11をエッチバックして平坦化した後、バリアメタル
層12として反応性スパッタ法により600℃でTiN
膜を(111)面となるようにエピタキシャル成長させ
た。引き続き、下部電極13となるRe−10%Ru合
金の薄膜をスパッタ法により600℃で(0001)面
となるようにエピタキシャル成長させた。更に、Srの
モル分率20%のBST薄膜16を下部電極13上に
(111)面となるようにエピタキシャル成長させた。
【0035】次に、図2(a)に示すように、フォトリ
ソグラフィーおよびイオンエッチングにより誘電体層1
6、下部電極層13、及びバリアメタル層12をパター
ニングした。次いで、図2(b)に示すように、層間絶
縁膜7を堆積し、フォトリソグラフィーおよびイオンエ
ッチングにより層間絶縁膜7を開孔し、さらにニッケル
上部電極15を順次形成した。その後、図2(c)に示
すように、更に層間絶縁膜9を堆積し、フォトリソグラ
フィーおよびイオンエッチングにより層間絶縁膜9,
7,5を開孔し、ビット線8を形成した。
【0036】このようにして得た強誘電体メモリの誘電
体キャパシタにおいて、誘電体層16であるBST膜の
本来のa軸の格子定数は0.3975nm、下部電極層
13であるRe−Ru合金の格子定数は0.2755n
mであり、平方根2倍してfccの(111)面に換算
すると、格子定数比は1.020であった。誘電特性を
測定したところ、残留分極量として0.15C/m2
大きな値が得られ、強誘電体メモリとして十分であるこ
とが確かめられた。
【0037】実施例2 図3及び4は、本発明の第2の実施例に係るダイナミッ
クアクセスメモリ(DRAM)半導体記憶装置の製造プ
ロセスを工程順に示す断面図である。図3(a)は、S
i(111)基板上にメモリセルのトランジスタ部およ
びビット線を形成した後、平坦化用の絶縁膜および研磨
停止層を形成した後の断面図である。図3(a)におい
て、参照符号11は第1導電型半導体基板を示す。この
第1導電型シリコン基板11に素子間分離酸化膜12が
形成され、この素子間分離酸化膜12により分離された
シリコン基板11の領域上に、ゲート酸化膜13及びワ
ード線14が形成されている。なお、参照符号15,1
7は層間絶縁膜、16は第2導電型不純物拡散層、18
はビット線、19は平坦化用絶縁膜、20は研磨停止層
をそれぞれ示す。
【0038】絶縁膜19を平坦化するためにはエッチバ
ック法を用いても良いし、またCMP法などを用いても
良い。研磨停止層20としては、酸化アルミニウムなど
の絶縁膜を用いることができる。
【0039】次いで、図3(b)に示すように、公知の
フォトリソグラフィーおよびプラズマエッチングによ
り、研磨停止層20の開孔部に引き続き第2導電型不純
物拡散層へのコンタクトホールを形成し、選択成長技術
によりアモルファスシリコン層21を形成した。成膜技
術は、ジシランおよびジボランを原料ガスとしたLPC
VD法により、成長温度450℃でアモルファスシリコ
ンを単結晶シリコン基板に対して選択的に成長させた。
【0040】次に、フォーミングガス中で600℃の熱
処理により、シリコン基板11界面から固相成長により
(111)方位の単結晶シリコンを成長させ、アモルフ
ァス層をすべて単結晶化した。その後、図3(c)に示
すように、CMPないしは機械的研磨により研磨停止層
20上に形成されている単結晶シリコンを除去した。そ
の後、図4(a)に示すように、基板温度600℃で反
応性スパッタ法により(111)方位のTiNバリアメ
タル22をエピタキシャル成長させ、さらに下部電極2
3となる、厚さ100nmのRe−50%Ru合金の薄
膜を基板温度600℃でスパッタ法により(0001)
方位にエピタキシャル成長させた。
【0041】その後、フォトリソグラフィーおよびプラ
ズマエッチングによりパターニングを行った。そして、
図4(b)に示すように、Srのモル分率25%のBS
T高誘電率薄膜26を、基板温度600℃でスパッタ法
により(111)面にエピタキシャル成長させた。次い
で、図4(c)に示すように、層間絶縁膜を堆積し、フ
ォトリソグラフィーおよびイオンエッチングにより層間
絶縁膜を開孔し、さらにニッケル上部電極25を形成し
た。
【0042】このときのBST膜26の格子定数は0.
3931nm、Re−Ru合金23の格子定数は0.2
738nmで、平方根2倍してfccの(111)面に
換算すると、格子定数比は1.015であった。比誘電
率を測定したところ、650と大きな値が得られた。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
下部電極として六方晶系の(0001)面に配向した導
電性基板、又は立方結晶系の導電性基板を用い、さらに
(111)面にエピタキシャル成長したペロブスカイト
型結晶構造を有する誘電体膜を使用することにより、蓄
積電荷量の増大、強誘電性の誘起、電荷蓄積素子間のば
らつきの低減、下部電極のドライエッチングによる超高
微細化などを実現することができ、その結果、高集積化
した半導体記憶素子を実現が可能となる。従って、本発
明の工業的値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るメモリセルの製造プロ
セスを工程順に示す断面図。
【図2】本発明の一実施例に係るメモリセルの製造プロ
セスを工程順に示す断面図。
【図3】本発明の他の実施例に係るメモリセルの製造プ
ロセスを工程順に示す断面図。
【図4】本発明の他の実施例に係るメモリセルの製造プ
ロセスを工程順に示す断面図。
【符号の説明】
1,11…第1導電型のシリコン基板 2,12…素子間分離酸化膜 3,13…ゲート酸化膜 4,14…ワード線 5,7,15,17…層間絶縁膜 6,16…第2導電型不純物拡散層 8,18…ビット線 11,21…コンタクトプラグ 12,22…バリアメタル 13,23…下部電極層 15,25…上部電極層 16,26…強誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/8242 21/8247 29/788 29/792 (72)発明者 小松 周一 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に六方晶系の(0001)面が現れ
    ている導電性基板と、この導電性基板上に(111)面
    方位にエピタキシャル成長したペロブスカイト型結晶構
    造を有する誘電体膜とを具備し、前記導電性基板表面の
    六方晶系のa軸の格子定数as (hcp)と、前記ペロ
    ブスカイト型結晶のa軸長で表される前記誘電体材料本
    来の格子定数ad とが下記式に示す関係を満たすことを
    特徴とする誘電体キャパシタ。 1.002≦ad /(as (hcp)×21/2 )≦1.
    030
  2. 【請求項2】 表面に立方晶系の(111)面が現われ
    ている導電性基板と、この導電性基板上に(111)面
    方位にエピタキシャル成長したペロブスカイト型結晶構
    造を有する誘電体膜とを具備し、前記導電性基板表面の
    立方晶系のa軸の格子定数as (cub)と、前記ペロ
    ブスカイト型結晶のa軸長で表される前記誘電体材料本
    来の格子定数ad とが下記式に示す関係を満たすことを
    特徴とする誘電体キャパシタ。 1.002≦ad /as (cub)≦1.030
  3. 【請求項3】 前記誘電体材料の本来のキュリー温度が
    200℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の誘電体キャパシタ。
  4. 【請求項4】 前記導電性基板が、シリコン(111)
    基板と、このシリコン(111)基板上に形成された開
    口部を有する絶縁層と、この絶縁層上に、前記開口部を
    介して成長した(111)配向シリコン層とからなり、
    前記(111)配向シリコン層上に前記キャパシタの誘
    電体膜がエピタキシャル成長していることを特徴とする
    請求項1又は3に記載の誘電体キャパシタ。
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JP5585209B2 (ja) 2009-05-28 2014-09-10 株式会社リコー 電気機械変換素子の製造方法、該製造方法により製造した電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

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