JPH09147919A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の製造方法

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JPH09147919A
JPH09147919A JP7305375A JP30537595A JPH09147919A JP H09147919 A JPH09147919 A JP H09147919A JP 7305375 A JP7305375 A JP 7305375A JP 30537595 A JP30537595 A JP 30537595A JP H09147919 A JPH09147919 A JP H09147919A
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negative electrode
aluminum plate
battery
lithium
plate
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JP7305375A
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English (en)
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Satoru Fukuoka
悟 福岡
Keiichi Tsujioku
啓一 辻奥
Yuji Yamamoto
祐司 山本
Nobuhiro Nishiguchi
信博 西口
Shoichi Inamine
正一 稲嶺
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気化学的方法によりリチウム・アルミニウ
ム合金負極を作製するリチウム二次電池の製造方法にお
いて、負極構成材料としてのアルミニウム板の金属組織
をリチウムとの合金化反応が円滑かつ均一に行える状態
に改質し、もってアルミニウム板の加圧履歴に起因する
電池性能のバラツキを防止する。 【解決手段】 アルミニウム板及びこれに接触する金属
リチウム板とから電気化学的方法によりリチウム・アル
ミニウム合金負極を作製する非水電解液二次電池の製造
方法であって、アルミニウム板(3)を負極キャップ
(1)の内側に圧着する工程と、圧着されたアルミニウ
ム板を不活性雰囲気中もしくは還元雰囲気中で300℃
〜600℃の温度で加熱する熱処理工程とを備えること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池の製造方法に関し、詳しくはリチウム・アルミニウム
合金負極を用いた非水電解液二次電池の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、高電圧、高エネル
ギー密度であり、自己放電率が小さいという優れた特徴
を有するので、各種電子機器の補助電源やメモリーバッ
クアップ電源として広く使用されている。しかし、負極
として金属リチウムを単独で用いたこの種の電池では、
充放電の繰り返しによりリチウムのデンドライトが生成
され、これが内部短絡の原因となるためサイクル寿命や
安全性に問題があった。そこで、従来より、リチウムの
デンドライト生成を抑制するために、リチウムと他金属
との合金を負極として使用する方法が採用されている。
このような合金のうちリチウム・アルミニウム合金は、
比較的安価に製造でき、かつ製造作業性もよいので、リ
チウム二次電池用の負極として特に多く用いられてい
る。
【0003】ところで、リチウム・アルミニウム合金を
負極とするリチウム二次電池の製造方法としては、溶解
鋳造等で製造したリチウム・アルミニウム合金板を所定
の形状に打ち抜いた後、負極キヤップ内に配置するする
方法(電池外合金法)と、負極キヤップ内に配置したア
ルミニウム板に金属リチウム板を接触させた状態で電池
に組み込み、電解液の存在下で電気化学的に合金化させ
る方法(電池内合金化法)とに大別できるが、後者の電
池内合金化法は、均一な合金組成が得られ、しかも電池
自体の製造コストの低減に資するため、現在ではリチウ
ム二次電池の製造方法の主流となっている。
【0004】ところが、電池内合金化法を用いて製造し
た電池では、同一製造条件で製造されたものであるにも
かかわらず、電池性能にバラツキが生じることがあり、
サイクル寿命の極めて短い電池が存在することもある。
この原因は、リチウム・アルミニウム合金負極の品質が
一定しないためと考えられるが、負極の品質を一定にす
るためには長期間にわたるエージング(合金化期間)を
必要とする。しかし、長期間にわたるエージングは電池
の生産性を低下させる他、長期間エージングを施しても
十分に電池性能のバラツキをなくすことができない場合
もある。したがって、電池内合金化法における負極品質
のバラツキは、リチウム二次電池の更なる信頼性の向上
や安全性の向上を図る上で障害となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み、本発明者
らは、電池内合金化法における電池性能のバラツキ原因
を種々検討した。その結果、負極材料として使用するア
ルミニウム板の不純物量や添加物の違いは、電池性能の
バラツキの主要因ではないことを知った。他方、アルミ
ニウム板の加圧履歴の違いが、電池性能のバラツキに大
きく影響することを知った。本発明は、このような知見
に基づき完成されたものであり、金属アルミニウムと金
属リチウムとから電気化学的方法によりリチウム・アル
ミニウム合金負極を作製するリチウム二次電池の製造方
法において、負極構成材料としてのアルミニウム板の加
圧履歴に係わりなく、サイクル特性に優れた信頼性の高
い非水電解液二次電池を安定して製造できる方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、アルミニウム板及びこれに
接触する金属リチウム板とから電気化学的方法によりリ
チウム・アルミニウム合金負極を作製する非水電解液二
次電池の製造方法であって、少なくともアルミニウム板
(3)を負極キャップ(1)の内側に圧着する工程と、
圧着されたアルミニウム板を不活性雰囲気中もしくは還
元雰囲気中で300℃〜600℃の温度で加熱する熱処
理工程とを備えることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の非
水電解液二次電池の製造方法において、更に、前記熱処
理工程で熱処理されたアルミニウム板に金属リチウム板
(4)を接触させ負極構成要素(10)を形成する負極
構成要素形成工程と、前記負極構成要素の形成された負
極キャップと、正極と、セパレータと、非水電解液とを
有する電池構成体を作製する電池組立工程と、前記電池
構成体を放置することにより前記負極構成要素を合金化
させるエージング工程とを備えることを特徴とする。
【0008】
【実施の形態】以下、本発明の特徴部分の説明を通して
本発明の実施の形態を明らかにする。
【0009】本発明は、アルミニウム板を負極キャップ
内側に圧着後、300℃〜600℃の温度で加熱処理す
る熱処理工程を備える点に顕著な特徴を有するものであ
り、より詳しくは、アルミニウム板を負極キャップ内側
に圧着した後、前記負極キャップとともにアルミニウム
板を不活性雰囲気中もしくは還元雰囲気中で300℃〜
600℃の温度で熱処理し、熱処理後のアルミニウム板
に金属リチウム板を接触させて電池に組み込み、その後
のエージングにより負極構成要素(アルミニウム板にリ
チウム板を接触させたもの)をリチウム・アルミニウム
合金負極と成す構成を有したものである。このような構
成を有する本発明製造方法によると、アルミニウム板の
加圧履歴(金属歪みの有無)にかかわりなく、品質にバ
ラツキのない好適なリチウム・アルミニウム合金負極が
形成できる。その結果、サイクル特性に優れた非水電解
液二次電池が生産性良くかつ安定して製造でき、電池の
信頼性及び安定性を顕著に高めることができる。以下、
このことを詳説する。
【0010】金属板素材としてのアルミニウム板には、
大別すると熱間圧延法で作製したものと、冷間圧延法で
作製されたものがあるが、負極構成材料として使用され
るアルミニウム板は数mm以下の薄いものであり、この
ような薄板は一般に冷間圧延により製造されている。と
ころが、冷間圧延されたアルミニウムは、圧延の際の圧
力により金属組織が歪み、アルミニウム結晶の粒界が押
し潰されて粒界間隙の少ない状態になっている。他方、
熱間圧延法で製造されたものや、冷間圧延の後に焼鈍処
理されたアルミニウム板では金属組織の歪みが少ないも
のの、このようなアルミニウム板においても、例えば規
格寸法の大きさにするための打ち抜き加工等により部分
的に圧力が加えられている。したがって、このような加
工操作によりやはり部分的な歪みを有するアルミニウム
となっている。
【0011】ここで、リチウムとアルミニウムの電気化
学的な合金化の過程を考えると、リチウムは、アルミニ
ウムの結晶粒界より侵入し結晶粒内に拡散する過程を経
てアルミニウム組織中に取り込まれ、金属間化合物を形
成すると考えられる。したがって、結晶粒界が押し潰さ
れたアルミニウム板を負極構成材料として用いた場合、
リチウムがアルミニウム金属組織の内部に侵入でき難い
ので、合金化反応が円滑に進行し難い。このことは、部
分的に歪みを有するアルミニウム板であっても、歪み部
位において同様であるため、全体として合金化反応が遅
延し又アルミニウム板全体の合金化が不均一に進行する
ことになる。つまり、加圧履歴を有するアルミニウム板
を用いた場合、製造方法を同一にしても均一な品質の負
極(リチウム・アルミニウム合金)が得られない。
【0012】ここにおいて、本発明では、負極キャップ
(1)にアルミニウム板(3)を圧着した後にアルミニ
ウム板に対し熱処理を行う構成としてある。したがっ
て、この熱処理により、それ以前にアルミニウム板が受
けた種々の加圧履歴(金属組織の歪み)が開放され、ア
ルミニウムの性状がリチウムが侵入でき得る状態に改質
される。よって、電池組立工程の後に行うエージング工
程において、アルミニウム板の加圧履歴にかかわりな
く、リチウムとの合金化反応がアルミニウム板全体にわ
たって円滑かつ均一に進行し、良質なリチウム・アルミ
ニウム合金負極が形成でき、その結果として電池性能の
バラツキのない、サイクル特性に優れた非水電解液二次
電池が製造できることになる。
【0013】なお、本発明では、負極キャップに圧着し
た後に熱処理を行う構成としてあるので、負極キャップ
にアルミニウム板を圧着する際の金属歪みをも除去で
き、これ以降にアルミニウム板が再び歪みを伴う加圧履
歴を重ねることがない。つまり、加圧履歴の最終段階に
おける本発明にかかる熱処理は、極めて合理的にアルミ
ニウム板の歪みを除去でき、この熱処理により合金化反
応が円滑かつ均一に進行するようになることから、エー
ジング工程におけるエージング期間を短縮し電池の生産
性を高めるとともに、電池品質をも高めることができ
る。
【0014】このような本発明にかかるアルミニウム板
圧着工程では、より好ましくは負極キャップ(1)にア
ルミニウム板(3)を圧着する前に、負極キャップ
(1)に導電性材料からなる網状の集電体を接着してお
くのが良い。このようにすると、集電効率を高めること
ができるとともに、網状の集電体の介在により負極キャ
ップへのアルミニウム板の圧着が容易になる。
【0015】また、負極構成要素形成工程では、好まし
くはアルミニウム板(3)とリチウム板(4)とを完全
に重ね合わせて圧着するのがよい。アルミニウム板とリ
チウム板とを面接触した状態で密着させると、合金化反
応をより促進できるからである。なお、リチウムは柔ら
かい金属であるので、ここでの加圧は、負極キャップ
(1)にアルミニウム板(3)を圧着する際の加圧力に
比べ遙に小さい力で足りる。よって、この圧着操作によ
りアルミニウム板の金属組織が再び歪むことはない。
【0016】ところで、本発明にいうアルミニウム板
は、純粋な金属アルミニウム板のみを意味するものでは
ない。純粋な金属アルミニウム板の他、金属アルミニウ
ムに例えばマンガン、マグネシウム、銅等の他の金属を
少量添加してなる合金板であってもよい。更に、本発明
にいう負極キャップの材質は特に限定されるものではな
いが、好ましくは導電性でリチウムや非水電解液に対し
安定な材質がよい。導電性であると、負極端子を兼ねる
ことができ、またリチウムや非水電解液に対し安定であ
ると、電池の長寿命化に資するからである。
【0017】なお、本発明製造方法は、リチウム・アル
ミニウム合金負極を電気化学的方法により作製する各種
の非水電解液二次電池に適用でき、電池形状や正極の種
類、電解液の種類には何ら制限がない。本発明が適用可
能な非水電解液二次電池の形状としては、例えばコイン
形、円筒形、角形等があり、正極としては例えば、Mn
2 、V2 5 、V6 13、LiV3 5 、Cr
2 5 、Cr3 8 等の金属酸化物、TiS2 、FeS
2 、MoS2 等の金属硫化物などを主成分とするものが
ある。
【0018】また、電解液を構成する溶質としては、例
えばLiCF3 SO3、LiPF6、LiPF4 、LiA
sF6 、LiClO4 等が使用でき、また電解液の溶媒
としては、例えばプロピレンカーボネート、ジメチルス
ルホキシド、エチレンカーホネート、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、スルホラン、γ−オクタノイ
ックラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジブ
トキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフランなどが使用でき、低粘度かつ高誘電率とす
るために複数の溶媒を混合したものであってもよい。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。
【0020】〔実施例1〕図3に基づいて、本発明が適
用された非水電解液二次電池の組立直後の構造(電池構
成体)を概説する。図3中、1は、負極端子を兼ねるス
テンレススチ−ル製の負極キャップであり、2は、直径
16mmのステンレススチ−ル製の網からなる集電体で
ある。3は、厚み0.8mm、直径19mmのアルミニ
ウム板である。4は、厚み0.5mm、直径18mmの
リチウム板であり、このリチウム板と前記アルミニウム
板(3)とで負極構成要素(10)が構成される。そし
て、負極構成要素(10)は、エージング工程を経るこ
とにより電気化学的に合金化され、リチウム・アルミニ
ウム合金負極が形成される。なお、前記1〜4よりなる
ものを負極体(20)とする。
【0021】5は、ポリプロピレン製の微多孔膜セパレ
ータであり、6はプロピレン製のガスケット、7は二酸
化マンガンを主成分とする正極、8は正極端子を兼ねる
ステンレススチール製の外装缶である。
【0022】次に、上記構造を有する本発明にかかる二
次電池の作製方法を説明する。先ず、負極体(20)を
次のようにして作製した。負極キャップ(1)の内底
に、集電体としての網(2)をスポット溶接し、この網
(2)の上にアルミニウム板(3)を被せ、加圧プレス
機により加圧して圧着した。このアルミニウム板(3)
の圧着された負極キャップ(1)を熱処理炉に入れ、炉
内の真空度を5mmHg以下とし、300℃の温度で3
時間加熱した。加熱処理後、アルミニウム板(3)の表
面を覆うようにしてリチウム板(4)を重ね、リチウム
板を圧着した。これにより負極体(20)が構成され
る。なお、上記では熱処理炉内を真空状態としたが、こ
の方法に代えて、炉内を窒素ガス等の不活性ガスや、ま
たは水素ガス等の還元性ガスで置換してもよい。
【0023】他方、円盤状の正極(7)を次のようにし
て作製した。活物質としての二酸化マンガン80wt%
(重量%)に、導電剤としてアセチレンブラックを10
wt%、結着剤としてフッ素樹脂粉末を10wt%の割合で
加えて混合した後、この混合物を加圧し厚さ1mm、直
径18mmのペレットとなし、更にこのペレットを加熱
処理し正極と成した。
【0024】更に、別途、非水電解液としてプロピレン
カーボネートとジメトキシエタンの混合溶媒に過塩素酸
リチウムを1mol/l(リットル)を溶解した溶液を
作製した。そして、この電解液と上記正極(7)とを、
内側周縁にガスケット(6)を配した外装缶(8)に入
れ、正極の上にセパレータ(5)を配置し、前記負極体
(20)と組み合わせて、高さ約3mm、直径24mm
の本発明適用のコイン形電池構成体(A1 )を組み立て
た。この電池構成体に対し、室温で5日間放置して(エ
ージング操作)、本発明適用の非水二次電池A1 と成し
た。
【0025】なお、このエージング操作により前記負極
構成要素(10)が合金化されて、リチウム・アルミニ
ウム合金負極が形成されることになるが、本明細書では
合金が形成される前のもの(電池組立直後のもの)を便
宜上、電池構成体と称する。
【0026】〔実施例2〕負極キャップ(1)にアルミ
ニウム板(3)を圧着した後の加熱処理を、450℃で
行ったこと以外は、実施例1と同様にして本発明適用の
電池構成体(A2)を作製し、同様なエージングを行っ
て本発明適用の二次電池A2 を作製した。
【0027】〔実施例3〕負極キャップ(1)にアルミ
ニウム板(3)を圧着した後の加熱処理を、600℃で
行ったこと以外は、実施例1と同様にして本発明適用の
電池構成体(A3)を作製し、同様なエージングを行っ
て本発明適用の二次電池A3 を作製した。
【0028】〔比較例1〕負極キャップ(1)にアルミ
ニウム板(3)を圧着した後に加熱処理を行わなかった
こと以外は、実施例1と同様にして比較例電池構成体
(B1 )を作製し、同様なエージングを行った。
【0029】〔比較例2〕負極キャップ(1)にアルミ
ニウム板(3)を圧着した後の加熱処理を、250℃で
行ったこと以外は、実施例1と同様にして比較例電池構
成体(B2 )を作製し、同様なエージングを行った。
【0030】〔比較例3〕300℃で3時間の加熱処理
を行ったアルミニウム板(3)を、負極キャップ(1)
に圧着し、圧着後の加熱処理を行わなかったこと以外
は、実施例1と同様にして比較例電池構成体(B3 )を
作製し、同様なエージングを行った。
【0031】(負極合金化の評価)上記の各種電池(電
池構成体)をそれぞれ20個づつ用意し、それぞれにつ
いて、エージング中における電池内部抵抗の変化を測定
するとともに、エージング終了後に電池を分解して金属
リチウムの残存の有無を肉眼観察した。その結果を加熱
処理条件とともに表1に示す。また、A1 及びB3 につ
いは、エージング中における内部抵抗の経時的変化をグ
ラフ化し図1に示す。なお、図1は、平均値を折れ線グ
ラフで示すと同時に、各測定点におけるバラツキの範囲
を示している。
【0032】
【表1】
【0033】表1より明らかなごとく、比較例電池B1
〜B3 では、5日間のエージング終了後の二次電池内に
リチウム金属が残存しており、合金化が不完全であるこ
とが確認された。これに対し、本発明例電池A1 〜A3
では、全く金属リチウムの残存がなく、5日間のエージ
ングにより完全に合金化できることが確認された。ま
た、本発明例電池A1 (圧着後300℃で加熱処理)と
比較例電池B3 (圧着前300℃で加熱処理)との内部
抵抗値の比較を示す図1から、B3 に比べA1 の方が内
部抵抗値のバラツキが小さく、合金化がスムーズに進行
することが確認された。
【0034】なお、表1に示さなかったが、本発明例電
池A1 について、エージング3日後に金属リチウムを調
べたところ、殆どリチウム金属の残存が確認されなかっ
た。その一方、比較例電池B1 〜B2 では、エージング
30日後においても、B1 で2個、B2 で1個(各々の
検体総数数20)に金属リチウムの残存が確認された。
【0035】(各二次電池の充放電サイクル特性)各種
二次電池をそれぞれ5個づつ用意し、3mAの電流値で
電池電圧が3.4Vになるまで充電した後、電池電圧が
2.0Vになるまで3mAの電流値で放電する充放電サ
イクル試験を行い、各サイクルにおける放電容量の変化
を調べた。その結果を図2に示す。なお、図2の各プロ
ットは平均値を示している。
【0036】図2において、本発明例電池A1 〜A
3 は、何れも比較例電池B1 〜B3 に比べ容量維持率が
顕著に高かった。また、容量維持率を熱処理温度との関
係で見た場合、容量維持率の高い方から、A2 (600
℃)>A3 (450℃)≧A1 (300℃)>B3 (負
極キャップ圧着前に300℃で熱処理を行ったもの)>
>B2 (250℃)>B1 (非熱処理)の順となった。
【0037】以上の結果は、次のように考えられる。即
ち、アルミニウム板を300℃以上の温度で熱処理を行
った場合、アルミニウム板の性状が合金化反応に好適な
状態に改変される。よって、合金化反応が円滑に進行し
良質なリチウム・アルミニウム合金負極が得られ、その
結果として電池の充放電特性が向上する。これに対し、
熱処理温度を250℃とした場合には、非熱処理の電池
1 と熱処理温度250℃の電池B2 との比較から明ら
かなように、圧力硬化(金属組織の歪み)の悪影響を取
り除くことができないために良質なリチウム・アルミニ
ウム合金負極が得られず、その結果としてサイクル寿命
の短い電池となる。
【0038】上述から、圧力硬化による悪影響を取り除
くには、少なくとも250℃を越える温度で熱処理を行
う必要があり、また十分に悪影響を取り除くためには、
好ましくは300℃以上の温度で熱処理を行う必要があ
る。但し、熱処理温度をアルミニウムの融点(659.
8℃)以上の温度とした場合や融点近傍の温度とした場
合には、アルミニウム板が溶融し変形するという不都合
がある。また、このような高温で加熱しても熱処理効果
の更なる向上がない。したがって、温度制御誤差を考慮
した場合、熱処理温度の上限を600℃とするのがよ
い。
【0039】他方、電池A1 と電池B3 との比較(表1
及び図2参照)から明らかなように、負極材料としての
アルミニウム板を300℃で熱処理を行った場合であっ
ても、熱処理後に当該アルミニウム板を負極キャップに
圧着する場合、この圧着操作によりアルミニウムが再び
加圧硬化するために熱処理効果が減殺されてしまう。し
たがって、熱処理はアルミニウム板を負極キャップに圧
着した後に行う必要がある。
【0040】なお、電池B1 、電池B2 のサイクル終期
(20回以降)における急激な容量低下は、デンドライ
トの生成に起因する内部短絡のためと考えられる。ま
た、300℃と250℃の間の温度で熱処理を行った場
合、ある程度の熱処理効果が期待できるが、負極材料と
してのアルミニウム板の圧力硬化の程度は、原材料とし
てのアルミニウム板の製造方法や加圧履歴によって大き
く異なり一定ではないので、悪影響を十分に取り除くた
めには300℃以上の温度が好ましい。
【0041】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、負極構成材料としてのアルミニウム板の加圧履歴に
起因する金属歪みの悪影響を開放できるので、合金化反
応が円滑かつ均一に進行する。したがって、アルミニウ
ム板の加圧履歴に起因する電池性能のバラツキが防止で
き、良質なリチウム・アルミニウム合金負極が形成でき
る。これにより、品質バラツキのない、サイクル特性に
優れた非水電解液二次電池が安定して製造でき、非水電
解液二次電池の信頼性、安全性を一層高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】エージング中における電池内部抵抗の変化を示
すグラフである。
【図2】各電池のサイクル特性を示すグラフである。
【図3】電池構成体の構造を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 負極キャップ 3 アルミニウム板 4 金属リチウム板 10 負極構成要素
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】ところで、リチウム・アルミニウム合金を
負極とするリチウム二次電池の製造方法としては、溶解
鋳造等で製造したリチウム・アルミニウム合金板を所定
の形状に打ち抜いた後、負極キップ内に配置する方法
(電池外合金法)と、負極キップ内に配置したアル
ミニウム板に金属リチウム板を接触させた状態で電池に
組み込み、電解液の存在下で電気化学的に合金化させる
方法(電池内合金化法)とに大別できるが、後者の電池
内合金化法は、均一な合金組成が得られ、しかも電池自
体の製造コストの低減に資するため、現在ではリチウム
二次電池の製造方法の主流となっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西口 信博 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 稲嶺 正一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板及びこれに接触する金属
    リチウム板とから電気化学的方法によりリチウム・アル
    ミニウム合金負極を作製する非水電解液二次電池の製造
    方法であって、 前記製造方法は、アルミニウム板(3)を負極キャップ
    (1)の内側に圧着する工程と、圧着されたアルミニウ
    ム板を不活性雰囲気中もしくは還元雰囲気中で300℃
    〜600℃の温度で加熱する熱処理工程と、を備えるこ
    とを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記製造方法は、更に、前記熱処理工程
    で熱処理されたアルミニウム板に金属リチウム板(4)
    を接触させ負極構成要素(10)を形成する負極構成要
    素形成工程と、 前記負極構成要素の形成された負極キャップと正極とセ
    パレータと非水電解液とを有する電池構成体を作製する
    電池組立工程と、 前記電池構成体を放置することにより前記負極構成要素
    を合金化させるエージング工程と、を備えることを特徴
    とする請求項1記載の非水電解液二次電池の製造方法。
JP7305375A 1995-11-24 1995-11-24 非水電解液二次電池の製造方法 Pending JPH09147919A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007164800A (ja) * 2007-01-05 2007-06-28 Toshiba Corp データ表示装置
CN114421069A (zh) * 2020-10-13 2022-04-29 宜昌力佳科技有限公司 一种负极为锂铝合金的宽温型扣式电池制作方法
WO2022210393A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 住友化学株式会社 リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法

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