JPH09146630A - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

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JPH09146630A
JPH09146630A JP32984195A JP32984195A JPH09146630A JP H09146630 A JPH09146630 A JP H09146630A JP 32984195 A JP32984195 A JP 32984195A JP 32984195 A JP32984195 A JP 32984195A JP H09146630 A JPH09146630 A JP H09146630A
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JP
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JP32984195A
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Seiichi Takahashi
精一 高橋
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Original Assignee
JATCO Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 故障の原因解析や修理を正確かつ迅速に実行
でき、複雑に入り組んだ複合的な原因でも容易に解き明
かし得る故障診断装置を提供する。 【解決手段】 モニタ回路24の出力に基づいて演算部
21がソレノイド25の断線を検知すると、演算部21
は、そのときの運転状態を記述する背景データを作成し
て、メモリ素子26に記録された過去のソレノイド25
の断線の記録データに関連付けて追加記録する。その
後、演算部21は、自動車の停車状態を検知すると自動
変速機12をテスト運転する。テスト運転中にソレノイ
ド25の断線が再び検知された場合には、メモリ素子2
6に記録された背景データに頼らなくても故障の原因や
修理の判断を行えるから、ソレノイド25の断線に関し
てそれまでに記録された背景データをすべて消去する。
これにより、少ない記憶容量のメモリ素子26でも価値
の高い故障経歴データを数多く残せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車載制御装置を含
む車載装置の制御系における異常の発生箇所を記録して
その後の修理判断に役立てる故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧制御系に配置した複数のソレノイド
を作動させて変速動作の過渡状態を電気信号により細か
く調整可能とした自動変速機が実用化されている。この
ような自動変速機の制御装置は、自動車の駆動系に配置
した複数のセンサや周辺に配置された複数の外部機器か
ら入力される種々の入力情報を複数のソレノイドに対す
る制御に反映させる。このような自動変速機の制御系
は、多数の電気配線やコネクタを含むから、センサの機
能の異常や外部機器の誤動作に加えて、電気配線の断線
やコネクタの接触不良によっても自動変速機の正常な動
作が阻害される可能性がある。
【0003】また、自動変速機の制御系の構成や動作が
複雑化すると、異常が発生し得る場所の数が増加する一
方で自動変速機の動作の正常/異常の判断が困難にな
り、仮に異常を正確に識別できても原因の特定が容易で
ない。不完全な断線や接触不良の場合には異常が発生し
た後に回復してしまう可能性もある。また、どこかで異
常が発生した場合でも、走行の継続が可能な限りは、運
転可能な状態を保持させて自力で修理工場へ辿り着ける
ようにフェイルセーフ動作を構成する必要がある。
【0004】そこで、自動変速機の制御装置に自己診断
機能を設けて、異常の発生を検知して発生箇所を自動的
に特定させたり、発生した異常の重要度を判断して駆動
系のフェイルセーフ動作の段階(重大:即刻停止〜軽
微:警告表示のみ)を自動的に決定させる提案がなされ
ている。また、自動車の電源を切っても記憶内容が保持
される記憶装置を設け、記憶装置に異常の発生箇所を記
録させて、後日の原因解析や修理評価に役立たせる提案
がなされている。
【0005】例えば、特開昭61−169332号公報
に示される自動変速機の故障診断装置では、自動変速機
の制御系におけるセンサやソレノイド(電磁手段)のそ
れぞれに故障検出回路を設けている。故障検出回路によ
って異常が判断された場合には、自動車の電源を切って
も記憶内容が保持されるメモリに異常の発生箇所を記録
させている。そして、自動車の停車中に同じ発生箇所で
異常が検知された場合を継続的な故障と判断し、停車中
に異常が検知されない一時的な故障とはその後の取扱い
を異ならせている。また、特開平2−133261号公
報に示される故障検出装置では、異常の発生箇所ごとに
異常の発生回数を積算させ、所定の回数に達した発生箇
所だけをメモリに記録させる。これにより、記憶すべき
データ数を整理してメモリの容量を節約している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】メモリに記録される情
報が異常の発生箇所や発生時刻やその後の発生回数だけ
では、後日の原因解析や修理評価に手間取ったり誤った
りする場合がある。また、センサや外部機器からの入力
が異常と判断されても、異常の発生箇所と判断されたセ
ンサや外部機器の機能自体は正常である場合も多い。外
部の原因によってセンサや外部機器の出力が正常の範囲
を逸脱している場合、外部の原因の解析と対策が必要で
あるにもかかわらず、メモリの記録内容から単純に判断
するとセンサや外部機器が異常であると誤判断されがち
である。
【0007】また、複合的な原因によって発生する異常
は、異常の発生箇所や発生時刻のデータの羅列からは容
易に原因を解き明かすことができない。原因解析を行う
際に同じ異常を再現することもできない。例えば、特定
のセンサの配線が不完全に断線していて、特定の車速範
囲で自動変速機の振動が高まった時だけ出力異常と判断
される場合、停止状態では異常を発見することができな
い。センサを交換する利益も無い。
【0008】本発明は、記録された情報の質を高めて異
常の原因解析や修理を正確かつ迅速に実行でき、複雑に
入り組んだ複合的な原因でも容易に解き明かし得るよう
にした故障診断装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車載
制御装置に接続されたセンサと外部機器、および車載制
御装置からの出力で駆動される電磁手段のうち少なくと
も1つに対応して設けられてそれぞれの異常を検知する
異常検知手段と、前記異常の発生経歴が記録され、自動
車の電源が切られても記憶内容を保持可能な記憶手段
と、前記異常が発生した場合にその発生箇所を前記記憶
手段に記録させる記憶制御手段とを有する故障診断装置
において、前記記憶制御手段は、前記異常が検知された
際にそのときの運転状態を記述する背景データを作成す
る背景作成手段と、前記記憶手段に記録された過去の同
じ発生箇所に関連付けて前記背景データを記録させる背
景付加手段とを含むものである。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の構成におけ
る背景付加手段が、異常が検知されるごとに前記記憶手
段から発生箇所の一致する過去の異常を検索して両者の
背景データを比較する背景比較手段と、背景データの一
致が判断された場合には今回の異常の背景データを前記
記憶手段に記録させない第1整理手段とを含むものであ
る。
【0011】請求項3の発明は、請求項2の構成におけ
る背景比較手段が、前記車載制御装置に入力されて背景
データ化されるアナログ量については、初回の背景デー
タ作成時の数値を中心とする上下所定幅の範囲内を一致
と判断するものである。
【0012】請求項4の発明は、請求項1、2または3
の構成における背景付加手段が、発生箇所が一致する異
常の発生回数が所定回数に達した以降は、その発生箇所
に関する前記記憶手段への記録の追加を禁止する第2整
理手段を含むものである。
【0013】請求項5の発明は、請求項1、2、3また
は4の構成における記憶制御手段が、駆動系の運転状態
の停止期間を検知する停止検知手段と、前記停止期間に
前記電磁手段を作動させて前記車載制御装置をテスト運
転させる試験手段と、前記記憶手段に記録された過去の
異常の発生箇所で前記テスト運転中に異常が検知された
以降は、その発生箇所に関する前記記憶手段への記録の
追加を禁止する第3整理手段とを含むものである。
【0014】請求項6の発明は、請求項5の構成におけ
る記憶制御手段は、前記記憶手段に記録された過去の異
常の発生箇所で前記テスト運転中に異常が検知された際
に、その発生箇所に関して既に記録された背景データを
消去する第4整理手段を含むものである。
【0015】
【作用】請求項1の故障診断装置では、異常が発生した
際に、異常の発生箇所や発生時刻だけでなく、発生時の
車載制御装置に対する入力情報、例えば車速、スロット
ル開度、気温や冷却水温、他の制御装置からの入力状態
等から、運転状態を記述するに足る背景データを作成し
て記録に残す。また、単なる記録データの羅列とはしな
いで、同じ発生箇所の過去の記録と関連付けて記録し
て、後述する各種の検索操作を可能とするとともに、異
常が発生した状況を後から把握し再現し易いようにして
いる。
【0016】請求項2の故障診断装置では、今回の異常
の背景データと過去の同一発生箇所の異常の背景データ
との間で一致が判断された場合には、今回の異常の背景
データの記録を省略して記憶手段の記憶容量を節約す
る。背景データの一致は、異常の発生条件を特定するに
十分な程度なら部分的な一致でもよい。故障箇所と背景
データの両方が一致することは、異常の発生条件に再現
性が確認されたことに他ならず、後日に同じ発生条件を
再現して異常の発生原因の解析や修理判断の正誤の確認
を確実に実行できることを意味する。
【0017】請求項3の故障診断装置では、背景データ
化されるアナログ量(例えば車速やスロットル開度)に
関しては厳密な一致を見る利益が無いから、初回に背景
データ化された数値を中心とする所定幅の範囲内であれ
ば、そのアナログ量が同一であるとみなして背景データ
の記録を省略する。
【0018】請求項4の故障診断装置では、同じ故障箇
所に関する記録の個数の上限を定めて記憶手段の記憶容
量を節約する。頻度の高い異常や継続的な異常が発生し
た場合、背景データの記録を際限無く継続すると、記憶
手段の記憶容量が短時間でオーバーフローして、それ以
後の必要な記録が不可能となる。そもそも、1つの発生
箇所における異常の発生条件が特定されていれば、それ
以上の記録は意味が無い。異常の発生条件が特定されな
い場合でも、特定できないことが読み取れる個数があれ
ば十分であり、でたらめな背景データの羅列は必要な記
録内容を目立たなくして邪魔である。そこで、例えば同
じ故障箇所の異常の累積回数が10回に達したら、背景
データの収集を含めたその故障箇所に関する記憶容量の
浪費を禁止する。
【0019】請求項5の故障診断装置では、車体の運転
状態の停止中に、制御装置とその制御対象を可能な範囲
でテスト運転して、車体の運転状態に発生した異常が再
現されるか否かを自動的に検査する。そして、停止中に
も同じ異常が再現されて継続的な異常であることが判明
すれば、蓄積した背景データに頼らなくても後から確実
に故障解析や異常の再現を行えるから、それ以降の背景
データの蓄積を中止して記憶手段の記憶容量を節約す
る。
【0020】請求項6の故障診断装置では、テスト運転
によって継続的な異常であることが判明すれば、蓄積し
た背景データに頼らなくても確実に故障解析や異常の再
現を行えるから、それ以前に蓄積された背景データをも
一掃して記憶手段の記憶容量を回復する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜図6を参照して実施例の自
動変速機コントロールユニットにおける故障診断機能を
説明する。図1は自動変速機の制御系の説明図、図2は
ソレノイドの異常検知回路の説明図、図3は故障診断機
能の動作のタイムチャート、図4は故障の記録データの
説明図、図5は再確認処理のフローチャート、図6は故
障の記録処理のフローチャートである。図4中、(a)
は未確認の場合、(b)は再確認の場合を示す。ここで
は、走行中に異常が検知されるごとに異常の発生箇所と
背景データの記録を行い、異常が記録されている場合に
は、停車中に自動変速機をテスト運転して同じ異常が再
現されるか否かを判断する。
【0022】図1に示されるように、エンジン11に自
動変速機12を連結して自動車の駆動系が構成される。
自動変速機12は、エンジン11の出力回転を複数段階
の変速比で変速する。自動変速機12の出力回転は、プ
ロペラ軸13を通じて図示しない後輪の駆動機構に伝達
される。自動変速機12は、自動変速機コントロールユ
ニット(ATCU)14によってその変速動作を制御さ
れる。自動変速機コントロールユニット14は、自動変
速機12やエンジン11に配置した各種センサの出力に
基づいて、自動変速機12の変速時期を判断し、自動変
速機12に設けた油圧制御用の複数のソレノイドのON
−OFFを制御して必要な変速動作を実行させる。自動
変速機コントロールユニット14には、時計15、エン
ジンコントロールユニット(ECU)16、ブレーキコ
ントロールユニット(ABS)17、およびその他のコ
ントロールユニット18から各種情報の入力がなされ
る。
【0023】図2に示されるように、自動変速機12に
設けられた油圧制御用のソレノイド25は、線路L1を
通じて自動変速機コントロールユニット14のドライバ
23に接続される。ドライバ23は、演算部(CPU)
21の出力電圧が高まるとONして、電源電圧VBから
抵抗22、ドライバ23、線路L1を通じてソレノイド
25に電力を供給する。線路L1にはモニタ回路24が
接続され、モニタ回路24を通じて線路L1の電圧が演
算部21にモニターされる。演算部21は、図1に示さ
れる各種の入力信号や入力情報に基づいて必要な演算処
理を実行し、ソレノイド25を含む複数のソレノイドの
ON−OFFを制御する。
【0024】演算部21およびモニタ回路24によって
ソレノイド25の故障検知回路が構成される。破線で象
徴的に示す短絡の場合、ドライバ23のON−OFFと
無関係に線路L1の電位が0Vとなる。演算部21がド
ライバ23をONさせた際のモニタ回路24の出力電圧
が所定の第1しきい値以下であると、演算部21は、こ
れをソレノイド25の短絡と判断する。一方、×印で象
徴的に示す断線の場合、ドライバ23をOFFしても線
路L1の電位が0Vに落ちなくなる。演算部21がドラ
イバ23をOFFさせた際のモニタ回路24の出力電圧
が所定の第2しきい値以上であると、演算部21は、こ
れをソレノイド25の断線と判断する。このような故障
検知回路が自動変速機12の他のソレノイドやセンサに
ついてもそれぞれ設けられており、演算部21は、どの
故障検知回路の出力状態が異常であるかを判断して故障
の発生箇所を特定する。
【0025】自動変速機コントロールユニット14は、
例えば、EEPROM(書き替え可能な不揮発型の記憶
素子)のメモリ素子26を設けて、演算部21とデータ
交換可能に配置している。メモリ素子26は、運転者が
図示しないキースイッチをOFFして自動車の電源系統
を遮断し、自動変速機コントロールユニット14に対す
る電源供給が途絶えた後も、半永久的に記憶内容を保持
する。しかし、通常の読み出し専用メモリ素子とは異な
って、自動変速機コントロールユニット14の作動中に
演算部21との間で自由に記憶内容を消去したり書き替
えたりが可能である。
【0026】演算部21およびメモリ素子26によっ
て、自動変速機12および自動変速機12の制御系の故
障経歴を記憶保存する回路が構成される。上述したよう
な処理手順を通じてなんらかの故障が検知されると、演
算部21は、そのときの自動変速機コントロールユニッ
ト14の入出力状態に基づいて背景データを作成し、故
障箇所等とともにメモリ素子26に記録する。このと
き、演算部21は、2種類のデータ整理を実行してメモ
リ素子26の記憶容量を節約し、また、記憶内容の質を
高めている。一方のデータ整理は車体の停車中に実行さ
れ、走行中と同じ発生箇所で停車中にも異常が検知され
るか否かを識別する。他方のデータ整理は、走行中にリ
アルタイムに実行され、メモリ素子26に記録された故
障経歴を参照して記録内容を削減する。
【0027】図3に示すように、運転者が時刻t1に自
動車の電源系統を起動し、短い暖気運転を経て時刻t2
に自動車を発進させ、時刻t3、t4でソレノイド25
の断線が検知された後に時刻t5に自動車を停止させた
とする。そして、電源系統を遮断することなく運転者が
再び時刻t7から時刻t10まで自動車を運転し、停車
後の時刻t11に至って自動車の電源系統を遮断したも
のとする。最初にソレノイド25の断線が検知された時
刻t3では、演算部21が、図4の(a)に示すよう
に、故障箇所に、未確認、故障回数1、および時間t3
の背景データを接続した記録データを作成してメモリ素
子26に記録する。
【0028】次回にソレノイド25の断線が検知された
時刻t4では、演算部21が時刻t4の背景データを作
成するとともに、メモリ素子26を検索して故障箇所が
一致する記録データをすべて呼び出す。そして、呼び出
した記録データと背景データ(発生時刻は除く)が異な
っていれば、故障箇所に、未確認、故障回数1、および
時刻t4の背景データを接続した記録データを作成して
メモリ素子26に追加記録する。しかし、呼び出した時
刻t3の記録データと背景データが一致していれば時刻
t3の記録データのうちの故障回数を1増して時刻t3
の記録データに置き替えることとし、時刻t4の背景デ
ータは記録されることなく捨てられる。
【0029】時刻t5で自動車が停止して運転者がセレ
クトレバーをPレンジまたはNレンジに設定すると、直
ちに時刻t6で、演算部21は、ソレノイド25を含む
複数のソレノイドをON−OFFさせて自動変速機12
をテスト運転させる。そして、時刻t6のテスト運転で
ソレノイド25の断線が検知されれば、メモリ素子26
に記録されたその故障箇所の記録データをすべて消去
し、代わりに図4の(b)に示すような故障箇所に再確
認を接続した短い記録データを1つだけ記録する。テス
ト運転でソレノイド25の断線が検知されなければ、ソ
レノイド25の断線に関する時刻t3、t4の記録デー
タが不揮発メモリ素子26に残る結果となる。
【0030】時刻t7で自動車の再発進がなされた後、
時刻t8、t9でもソレノイド25の断線が検知された
とする。このときにも、時刻t8、t9でそれぞれ背景
データが形成されて、不揮発メモリ素子26から故障箇
所が一致する記録データが呼び出されるが、呼び出した
記録データが図4の(b)に示す再確認の短い記録デー
タの場合には不揮発メモリ素子26に対する記録は実行
されず、時刻t8、t9の背景データは捨てられる。一
方、呼び出した記録データが図4の(a)に示す未確認
の長い記録データの場合には、上述した時刻t3におけ
る処理が繰り返される。ただし、故障経歴の記録データ
が10個もあれば背景データの一定の傾向が明らかとな
るから、同一の故障箇所の累計の故障回数が10回に達
した以降は、不揮発メモリ素子26に対する記録や書き
替えが実行されず、時刻t8、t9の背景データがその
まま捨てられる。
【0031】なお、図4の(a)に示される背景データ
では、車速が10km/時刻み、スロットル開度が1/
8刻み、エンジン回転数が100回転刻みでデータ化さ
れている。また、呼び出した記録データの背景データと
新しい背景データの比較においては、それぞれのデータ
の格差が±20%の範囲であれば、2つの背景データが
一致していると判断している。例えば、時刻t3で車速
50km/の場合、時刻t4で車速40〜60km/時
の範囲であれば両者は一致していると判断される。時刻
t3でエンジン回転数2000rpmの場合、時刻t4
でエンジン回転数1600〜2400rpmの範囲であ
れば両者は一致していると判断される。時刻t3で自動
変速機のオイル温度100度Cの場合、時刻t4でオイ
ル温度80〜120度Cの範囲であれば両者は一致して
いると判断される。
【0032】時刻t6における停車中のテスト運転は、
演算部21が図5に示される手順に従って実行する。ス
テップ101では、セレクトレバーの設定位置が識別さ
れる。PレンジまたはNレンジであれば、ステップ10
2へ進み、それ以外のレンジであれば、テスト運転でき
ないからフローを終了する。ステップ102では、車速
VSPが0km/時か否かが識別される。自動車が動い
ている間はテスト運転できないからフローを終了する。
完全な停止状態であればステップ103へ進む。ステッ
プ103では、図4の(a)に示す未確認の記録データ
がメモリ素子26に残っているか否かが識別される。未
確認の記録データが無い場合にはテスト運転を行う利益
が無いのでフローを終了する。未確認の記録データが有
る場合にはステップ104へ進んで自動変速機12をテ
スト運転して故障診断を行う。
【0033】ステップ105では、テスト運転で異常が
検知されたか否かが識別される。異常が検知されなかっ
た場合はフローを終了して、メモリ素子26の記録内容
を変更しない。しかし、異常が検知された場合は、ステ
ップ106へ進んで、テスト運転で検知された故障箇所
に関する未確認の記録データがすべて消去される。そし
て、ステップ107で図4の(b)に示される短い再確
認の記録データが1個だけ記録される。
【0034】走行中の故障検出とメモリ素子26への記
録は、演算部21が図6に示される手順に従って実行す
る。ステップ111、112では、それぞれの故障検出
回路の出力について正常/異常の区別が識別される。異
常が何も検出されなかった場合はフローを終了するが、
異常が検出された場合はステップ113へ進んで図4の
(a)に示されるような背景データを作成する。ステッ
プ114では、今回の異常と発生箇所が共通する記録デ
ータがメモリ素子26から呼び出される。ステップ11
5では、呼び出した記録データの未確認/再確認の区別
が識別される。再確認の場合にはフローを終了してメモ
リ素子26の記録内容を変更しないが、未確認の場合に
はステップ116へ進む。
【0035】ステップ116、117では、今回の異常
とメモリ素子26から呼び出した記録データの間で背景
データを比較する。背景データに同一性の有る記録デー
タが存在すれば、ステップ121でその記録データの故
障回数の項を1増して、ステップ122でメモリ素子2
6に書き込み、元のその記録データに置き替える。一
方、同一性の有る記録データが存在しない場合は、ステ
ップ118へ進む。ステップ118では、呼び出した記
録データの故障回数の項の和に今回の1回を加えた同一
故障の累積回数がn回以上か否かを識別する。n回以上
の場合はフローを終了してメモリ素子26の記録内容を
変更しない。n回未満の場合はステップ119で図4の
(a)に示すような記録データを作成し、この記録デー
タをステップ120でメモリ素子26に追加記録する。
【0036】実施例の自動変速機コントロールユニット
14の故障診断機能によれば、メモリ素子26の記憶容
量が節約されるから、少ない記憶容量のメモリ素子26
を用いて質の高い記録を数多く残せる。従って、異常が
検出された後日において、メモリ素子26の記録データ
に基づいて故障箇所の特定や原因解析を迅速かつ正確に
判断できる。また、修理や対策を施した後に、背景デー
タに基づいて故障の発生状況を再現して異常が再現され
ないことを確認すれば、修理や対策の妥当性を容易に判
断できる。また、メモリ素子26の記憶容量が少なくて
済むから、専用のメモリ素子を設ける代わりに、暗証番
号等を記録するための既存のメモリ素子の容量の一部を
使用して故障診断機能を実現することも可能である。
【0037】なお、図2に示す増幅回路24と演算部2
1が発明の異常検知手段、メモリ素子26が発明の記憶
手段、演算部21が発明の記憶制御手段に相当する。図
6に示すステップ113が発明の背景作成手段、ステッ
プ114〜122が発明の背景付加手段に相当する。ス
テップ116が発明の背景比較手段、ステップ117、
119、120、121、122が発明の第1整理手段
に相当する。ステップ118が発明の第2整理手段に相
当する。図5に示すステップ101、102が発明の停
止検知手段、ステップ104が発明の試験手段、ステッ
プ106が発明の第4整理手段、ステップ107および
ステップ115(図6)が発明の第3整理手段に相当す
る。
【0038】本実施例では、自動変速機の制御系におけ
る故障検出処理を説明したが、本発明は他の車載装置と
その制御系における同様な処理、例えば、エンジンの制
御系の故障検出機能をエンジンコントロールユニットに
組み込むような場合にも利用できる。また、本実施例で
は、自動変速機12に関する故障検出処理を説明した
が、本発明は、自動変速機コントロールユニット14に
より、時計15、エンジンコントロールユニット(EC
U)16、ブレーキコントロールユニット(ABS)1
7、およびその他のコントロールユニット18(これら
が本発明の外部機器に相当する)の故障を検出し、記憶
する場合にも利用できる。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、単なる発生箇
所の記録に止まらず、故障発生時の運転状態を再現でき
る背景データも記録に残すから、発生頻度の低い異常で
も記録された背景データに基づいて後日に修理業者がそ
の原因や対策効果を容易に判断できる。また、同じ発生
箇所の過去の経歴が関連付けて記録されているから、記
録データの価値が高まって背景データのばらつき状態等
を容易に把握でき、原因解析や修理評価の客観性が増し
て誤りの無い判断へと速やかに到達できる。
【0040】請求項2の発明によれば、記録された背景
データの整理がなされて、記録内容の理解が容易とな
り、後日の原因解析がさらに容易となる。また、背景デ
ータを毎回追加記録する場合に比較して記録されるデー
タ量が少なくて済むから、記憶手段の記憶容量が節約さ
れ、限られた記憶容量を有効活用して数多くの故障経歴
を記録できる。
【0041】請求項3の発明によれば、アナログ量の小
差によって異なる背景データの個数が無制限に増大する
ことが防止される。また、背景データ化されたアナログ
量の一致/不一致が実用的に判断される。
【0042】請求項4の発明によれば、1種類の故障に
関する記録回数の上限を定めているから、定常的な異常
(例えば冷却水停止によるエンジンのオーバーヒート
等)が発生して繰り返しの記録がなされて記憶手段の記
憶容量を短時間でオーバーフローさせる事態が回避され
る。従って、発生頻度が低くて原因解析等が困難な故障
に関する価値の高い記録(背景データの集積を伴う)を
確実に残すことが可能である。
【0043】請求項5の発明によれば、後日の原因解析
や修理評価が容易な定常的な異常を早期にふるい分けし
て、定常的な異常に関する記録を禁止するから、記憶手
段の限られた記憶容量の中に、発生頻度が低くて原因解
析等が困難な故障に関する価値の高い記録を確実に残す
ことが可能である。
【0044】請求項6の発明によれば、後日の原因解析
や修理評価が容易な定常的な異常を早期にふるい分けし
て、その記録内容を簡単にして記憶手段の記憶容量を過
去に遡って回復させるから、その後に発生する故障に関
する記録をより多く残すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動変速機の制御系の説明図である。
【図2】ソレノイドの異常検知回路の説明図である。
【図3】故障診断機能の動作のタイムチャートである。
【図4】故障の記録データの説明図である。
【図5】再確認処理のフローチャートである。
【図6】故障の記録処理のフローチャートである。
【符号の説明】
11 エンジン 12 自動変速機 13 プロペラ軸 14 自動変速機コントロールユニット 15 時計 16 エンジンコントロールユニット 17 ブレーキコントロールユニット 21 演算部 22 抵抗 23 ドライバ 24 モニタ回路 25 ソレノイド 26 メモリ素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車載制御装置に接続されたセンサと外部
    機器、および車載制御装置からの出力で駆動される電磁
    手段のうち少なくとも1つに対応して設けられてそれぞ
    れの異常を検知する異常検知手段と、 前記異常の発生経歴が記録され、自動車の電源が切られ
    ても記憶内容を保持可能な記憶手段と、 前記異常が発生した場合にその発生箇所を前記記憶手段
    に記録させる記憶制御手段とを有する故障診断装置にお
    いて、 前記記憶制御手段は、前記異常が検知された際にそのと
    きの運転状態を記述する背景データを作成する背景作成
    手段と、 前記記憶手段に記録された過去の同じ発生箇所に関連付
    けて前記背景データを記録させる背景付加手段とを含む
    ことを特徴とする故障診断装置。
  2. 【請求項2】 前記背景付加手段は、異常が検知される
    ごとに前記記憶手段から発生箇所が一致する過去の異常
    を検索して両者の背景データを比較する背景比較手段
    と、 背景データの一致が判断された場合には今回の異常の背
    景データを前記記憶手段に記録させない第1整理手段と
    を含むことを特徴とする請求項1記載の故障診断装置。
  3. 【請求項3】 前記背景比較手段は、前記車載制御装置
    に入力されて背景データ化されるアナログ量について
    は、初回の背景データ作成時の数値を中心とする上下所
    定幅の範囲内を一致と判断することを特徴とする請求項
    2記載の故障診断装置。
  4. 【請求項4】 前記背景負荷手段は、発生箇所が一致す
    る異常の発生回数が所定回数に達した以降は、その発生
    箇所に関する前記記憶手段への記録の追加を禁止する第
    2整理手段を含むことを特徴とする請求項1、2または
    3記載の故障診断装置。
  5. 【請求項5】 前記記憶制御手段は、駆動系の運転状態
    の停止期間を検知する停止検知手段と、 前記停止期間に前記電磁手段を作動させて前記車載制御
    装置をテスト運転させる試験手段と、 前記記憶手段に記録された過去の異常の発生箇所で前記
    テスト運転中に異常が検知された以降は、その発生箇所
    に関する前記記憶手段への記録の追加を禁止する第3整
    理手段を含むことを特徴とする請求項1、2、3または
    4記載の故障診断装置。
  6. 【請求項6】 前記記憶制御手段は、前記記憶手段に記
    録された過去の異常の発生箇所で前記テスト運転中に異
    常が検知された際に、その発生箇所に関して既に記録さ
    れた背景データを消去する第4整理手段を含むことを特
    徴とする請求項5記載の故障診断装置。
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Effective date: 20021224