JPH09146627A - 故障診断知識ツリー階層化装置 - Google Patents

故障診断知識ツリー階層化装置

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JPH09146627A
JPH09146627A JP30538195A JP30538195A JPH09146627A JP H09146627 A JPH09146627 A JP H09146627A JP 30538195 A JP30538195 A JP 30538195A JP 30538195 A JP30538195 A JP 30538195A JP H09146627 A JPH09146627 A JP H09146627A
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knowledge
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 故障診断に効果的に用いることができる、よ
り最適化された故障診断知識ツリーを、作業者の負担を
抑えながらより能率良く生成する。 【解決手段】 故障診断知識ツリー階層化設定装置42
は、知識の数がより多い大きな故障診断知識ツリーを、
知識の数がより少ない複数の小さな故障診断知識ツリー
に分割するとともに、関連付けてリンクすることで階層
化する。故障診断知識ツリー階層化表示装置36は、こ
のような知識ツリーを階層化して表示する。獲得された
知識は階層化され、最適化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、故障診断に用いる
故障事例を獲得し、整理したものに基づいて故障診断す
る故障診断システム装置等に用いるのに好適な故障診断
知識ツリー階層化装置に係り、特に、故障診断に効果的
に用いることができる、より最適化された故障診断知識
ツリーを、作業者の負担を抑えながらより能率よく生成
することができる故障診断知識ツリー階層化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エキスパートシステムは、当該技術分野
の専門家の知識やノウハウを基に製作される。このエキ
スパートシステムは、専門家に代わり、本来専門家が担
当すべき問題に回答を与える。特に診断型エキスパート
システムは、診断に特化したシステムであり、故障診断
のための手段を与える。
【0003】このエキスパートシステムの構築をコンピ
ュータにより支援するためにエキスパートシステム構築
ツールが用いられる。しかしながら、従来のエキスパー
トシステム構築ツールでは、当該技術分野の専門家から
の知識獲得に際して、システム化を行うAI(人工知
能)に詳しいナレッジエンジニアが、専門家にインタビ
ューを行って知識を体系化する必要があった。これは、
専門家の持つ知識やノウハウが整理・体系化されている
ことが少なく、且つ、専門家によって知識ベース化する
のに使用する知識のレベルが異なるためである。ナレッ
ジエンジニアが介在せずに、当該技術分野の専門家のみ
で整理・体系化する場合には、専門家が整理・体系化の
ための枠組みを作る必要があった。そして、枠組みを作
っても、システムの対象設備が異なれば、応用が効かな
いという問題点もあった。
【0004】このような問題点を解決するべく、特開平
5−134872では、知識格納部に、知識編集部の対
象モデルエディタで入力・編集がなされた、故障診断の
対象に関する知識、即ち対象モデルを格納すると共に、
因果関係生成知識エディタで入力・編集がなされた因果
関係生成知識を格納し、因果関係生成部において、対象
モデルエディタで入力・編集がなされた故障診断の対象
に関する知識に、因果関係生成知識を適用することによ
って、診断対象の因果関係を自動生成するようにした知
識獲得装置、及び、これを用いた診断型エキスパートシ
ステムが提案されている。
【0005】又、特開平6−44075では、診断対象
の具体的な因果関係が専門家等によって指示されたとき
に、指示された具体的な因果関係の原因及び結果の故障
事例から構造に関する条件・制約を取り出して提示し、
提示した条件・制約のうちで不要な部分を削除して、削
除の結果残った条件・制約を因果関係生成知識の条件・
制約とし、又、指示された具体的な因果関係を結論部に
持たせるよう、具体的な因果関係を一般化することによ
って因果関係生成知識を獲得するようにした因果関係生
成知識獲得部を有する知識獲得装置、及び、これを用い
た診断型エキスパートシステムが提案されている。
【0006】しかしながら、特開平5−134872や
特開平6−44075に記載されたようなやり方で「因
果関係生成知識」を生成して利用する方法では、「対象
モデルを生成する段階」、「因果関係生成知識を生成す
る段階」、「因果関係を生成する段階」の3段階を踏ま
なければ、最終的な整理・体系化された知識が生成され
ず、専門家にとって多大な負荷が発生する。又、複数の
専門家によって知識を整理・体系化する場合、用語の不
統一が発生する可能性があり、知識が不整合となる可能
性がある。更に、入力時にフロー図が表示されないた
め、知識の整理・体系化が容易でない等の問題点を有し
ていた。
【0007】このため、本願発明の出願時には未公開の
特願平7−262647において、本願発明の発明者ら
を含む者によって、故障事例獲得・整理装置及び知識獲
得型故障診断システムに関する技術を提案している。こ
の技術では、発生した故障事例の原因追求ステップから
故障復旧ステップまでの一連の故障因果関係の知識を入
力するための故障因果関係入力部と、該故障因果関係入
力部によって入力される入力用語を統一して管理するた
めの、故障診断対象設備に関する用語が登録された用語
辞書を有する用語辞書管理部と、フロー図を用いて、前
記故障因果関係入力部によって入力された知識の洗練化
を支援する知識洗練化支援部とを備えるようにしてい
る。又、この技術において、例えば前記故障因果関係入
力部では、「徴候」、「行動」、「結果」の因果関係の
知識として入力し、整理するようにしている。又、例え
ば該故障因果関係入力部は、発生した故障の「徴候」
と、これに従って行った「行動」、及びこの行動によっ
て生じた「結果」を、時系列に従って順番に入力可能と
している。従って、このような故障事例獲得・整理装置
を使用することによって、整理・体系化された知識を容
易に獲得することができ、専門家による知識の獲得・整
理・体系化が容易となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに整理・体系化された知識をこのような故障事例獲得
・整理装置によって獲得し、この後、獲得された知識を
従来から用いられている故障事例診断装置、例えば、特
願平3−214320にあるような装置と組み合わせて
知識獲得型故障診断装置として使用する場合、効率良く
処理するという点で問題がある。特願平7−26264
7で提案している技術によって、整理・体系化された知
識を容易に獲得したとしても、この後に処理を行う故障
事例診断装置の故障診断に、より効果的に用いることが
できる故障診断知識ツリーを得るという点では不十分な
点が多い。このため、「効率良い診断を行うための順
序」に故障診断知識ツリーを最適化する過程(以降、故
障診断知識ツリー最適化作業と称する)で、専門家に大
きな負担が発生してしまうという問題がある。
【0009】ここで、この故障診断知識ツリー最適化作
業について簡単に説明する。
【0010】専門家は、故障対応をするとき、「システ
ムに影響を与える行動」を間で行いながら、調査を進め
原因を特定して行くこともある。この「システムに影響
を与える行動」は、発生している故障を解除すること
で、次の段階の調査に進めるようにする、故障診断対象
システムに影響を与える行動(以降、故障探査行動と称
する)である。又、このような事例を基に故障診断知識
ツリーを生成すれば、故障探査行動を含んだ故障診断知
識ツリーとなる。
【0011】ここで、故障探査行動について考えてみる
と、ある故障探査行動の前の故障の徴候と後の故障の徴
候とは、当該故障探査行動を超えて入れ代わってはなら
ない。しかしながら、診断パスが短くなるように知識を
整理するID3のような公知の技術を使用して故障診断
知識ツリーを生成する故障事例診断装置においては、生
成した1つの故障診断知識ツリーの中に、故障探査行動
が幾つかあれば、多くの事例で使用されている属性が故
障診断知識ツリーの上部に集中してしまう。即ち、故障
探査行動の後にチェックすべき検査項目となる属性につ
いても、故障探査行動の前にチェックされるように故障
診断知識ツリーが作成される場合が多い。従って、故障
診断を行う故障事例診断装置の処理能率の向上等のため
に、故障診断知識ツリーを時系列順に整列させて最適化
する故障診断知識ツリー最適化作業を行うべく、多くの
制約条件を専門家が入力する必要がある。このため、最
適な故障診断知識ツリーを完成するまでに、人手による
操作が多く発生してしまい、故障診断知識ツリーを生成
するための負荷が大きくなってしまうという問題があ
る。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、故障診断に効果的に用いることがで
きる、より最適化された故障診断知識ツリーを、作業者
の負担を抑えながらより能率よく生成することができる
故障診断知識ツリー階層化装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、知識の数がよ
り多い大きな故障診断知識ツリーを、知識の数がより少
ない複数の小さな故障診断知識ツリーに分割すると共
に、関連付けてリンクすることで、これら大きな故障診
断知識ツリー及び小さな故障診断知識ツリーを階層化す
る故障診断知識ツリー階層化設定装置と、これら大きな
故障診断知識ツリー及び小さな故障診断知識ツリーを階
層化して表示する故障診断知識ツリー階層化表示装置と
を備えたことにより、前記課題を解決したものである。
【0014】又、前記故障診断知識ツリー階層化装置に
おいて、故障事例を「徴候」、「行動」、「結果」の因
果関係の知識として入力し、整理する故障事例獲得・整
理装置と、該故障事例獲得・整理装置で獲得された知識
に基づいて、故障診断知識ツリーを生成し、又、故障診
断を行う故障事例診断装置とを備えたことにより、前記
課題を解決するとともに、知識獲得型故障診断装置を構
成するようにしたものである。
【0015】又、前記故障診断知識ツリー階層化装置に
おいて、前記故障診断知識ツリー階層化設定装置が、発
生している故障を解除することで次の段階の調査に進め
るようにする、故障診断対象システムに影響を与える故
障探査行動を単位として、故障事例を時間的に分割し、
分割されたそれぞれの部分診断知識単位で故障診断知識
ツリーを生成するものであることにより、前記課題を解
決するとともに、故障診断知識ツリー最適化作業をより
効果的に行えるようにしたものである。
【0016】又、前記故障診断知識ツリー階層化装置に
おいて、前記故障診断知識ツリー階層化表示装置が、前
記部分診断単位で故障診断知識ツリーを表示可能なもの
であると共に、表示しようとする故障診断知識ツリーが
表示する上で大きすぎる場合には、該故障診断知識ツリ
ーの大きさ指定、及び表示範囲指定が可能なものである
ことにより、前記課題を解決するとともに、利用者の利
便性をより考慮した表示が可能となるようにしたもので
ある。
【0017】以下、本発明の作用について簡単に説明す
る。
【0018】図1は、本発明の基本的な構成を示すブロ
ック図である。
【0019】この図1に示される如く、本発明の故障診
断知識ツリー階層化装置16の特徴は、故障診断知識ツ
リー階層化設定装置42と、故障診断知識ツリー階層化
表示装置36とにより基本的に構成されている点であ
る。又、該故障診断知識ツリー階層化装置16は、これ
らに加えて、関係する種々のファイルや知識データを記
憶するための記憶装置20を備えるようにしてもよい。
【0020】まず、故障診断知識ツリー階層化設定装置
42は、知識の数がより多い大きな故障診断知識ツリー
を、知識の数がより少ない複数の故障診断知識ツリーに
分割するとともに、関連付けてリンクする。該故障診断
知識ツリー階層化設定装置42は、このように分割及び
リンクすることで、これら大きな故障診断知識ツリー及
び小さな故障診断知識ツリーを階層化する。
【0021】又、故障診断知識ツリー階層化表示装置3
6は、大きな故障診断知識ツリー、及び、故障診断知識
ツリー階層化設定装置42で得られた小さな故障診断知
識ツリーを階層化して表示する。該故障診断知識ツリー
階層化表示装置36は、このように階層化して表示する
ことができるため、故障診断知識ツリーの表示範囲をよ
り効果的に設定することができる。
【0022】例えば、表示しようとする故障診断知識ツ
リーが表示する上で大き過ぎる場合には、故障診断知識
ツリーの階層化に応じて表示範囲を容易に設定すること
もできる。あるいは、例えば、表示しようとする故障診
断知識ツリーが表示する上で大き過ぎる場合には、該故
障診断知識ツリーの大きさ指定、及び表示範囲指定を可
能とすることもできる。
【0023】このような構成の本発明によれば、故障診
断に効果的に用いることができる、より最適化された故
障診断知識ツリーを、作業者の負担を抑えながらより能
率よく生成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の
形態を詳細に説明する。
【0025】図2は、本発明が適用された故障診断知識
ツリー階層化装置を備えた故障診断システム装置の第1
実施形態の構成を示すブロック図である。
【0026】本実施形態は、この図2に示される如く、
本発明が適用されている故障診断知識ツリー階層化装置
16に加えて、故障事例獲得・整理装置12及び故障事
例診断装置14を備えている。又、故障診断知識ツリー
階層化装置16は、基本的に前述の図1と同じ構成であ
り、故障診断知識ツリー階層化設定装置42及び故障診
断知識ツリー階層化表示装置36に加えて、記憶装置2
0を備えている。又、故障事例獲得・整理装置12は、
故障因果関係入力装置33を備えている。
【0027】本実施形態の基本的な考え方は、故障診断
により効果的に用いることができる最適化された故障診
断知識ツリーを、作業者の負担を抑えながら能率良く生
成するために、故障探査行動の単位として故障事例を時
間的に分割し、分割されたそれぞれのものを部分診断単
位と称して、このような部分診断単位で故障診断知識ツ
リーを生成あるいは最適化するようにしていることであ
る。本実施形態は、このような部分診断知識単位という
考え方を導入したことが1つの特徴となっている。本実
施形態では、このような部分診断知識単位で故障診断知
識ツリーを生成するという考え方を導入することで、こ
のような部分診断知識単位で分けられた、それぞれの部
分を構成する属性の順番は関係なくなる。従って、最適
化された故障診断知識ツリーを能率良く生成あるいは最
適化することができる。
【0028】なお、故障探査行動とは、発生している故
障を解除する行動であり、このように解除することで、
次の段階の故障原因追求の調査に進めるようにする行動
である。本実施形態、又後述する第2実施形態では、こ
のような故障探査行動として、以下のようなものを対象
としている。
【0029】A1.故障リセットボタンの押下。 A2.カード(プリント基板)の交換、検出器やトラン
ジスタ等の素子交換、ヒューズの交換等のためになされ
る、電源ブレーカ等を操作することによる制御電源の入
り切り。 A3.制御に用いる計算機のリスタート。 A4.制御に用いるシーケンサのリスタート。
【0030】図2に基づいて本実施形態について説明す
ると、まず、故障事例獲得・整理装置12が備える故障
因果関係入力装置33で獲得・整理した個々の故障探査
行動を専門家が捜し出し、故障診断知識ツリー階層化設
定装置42により、当該故障探査行動をマークする。こ
のマークの操作は、故障診断知識ツリー階層化設定装置
42が備える表示装置に表示されるウィンドウに対し
て、例えばマウス操作により行う。故障診断知識ツリー
階層化設定装置42は、このように故障探査行動をマー
クした故障事例データを、保存操作により記憶装置20
に保存する。保存の際には、各マーク箇所(行)の直前
で事例を区切り、区切られた部分単位、即ち部分診断知
識単位で小事例データとして保存する。
【0031】又、故障診断知識ツリー階層化設定装置4
2では、知識の数がより多い大きな故障診断知識ツリー
を、知識の数がより少ない複数の小さな故障診断知識ツ
リーに分割するとともに、関連付けてリンクすること
で、これら大きな故障診断知識ツリー及び小さな故障診
断知識ツリーを階層化する。該故障診断知識ツリー階層
化設定装置42は、故障診断知識ツリーのトップのノー
ドから1階層上の階層の故障診断知識ツリーをリンクす
る。又、該故障診断知識ツリー階層化設定装置42は、
故障診断知識ツリーのボトムのノードからは、別の1階
層下の階層の故障診断知識ツリーへリンクの設定を行
う。なお、最上層の故障診断知識ツリーについては、該
故障診断知識ツリーのトップのノードからのリンクの設
定を行わない。又、故障診断知識ツリーのボトムのノー
ドが故障原因のノードの場合には、該故障診断知識ツリ
ーのボトムのノードから更に1階層下の階層の故障診断
知識ツリーへのリンクの設定は行わない。
【0032】次に、故障事例診断装置14が、複数の故
障事例データを記憶装置20から読み込む。又、該故障
事例診断装置14は、読み込んだ故障事例データの故障
事例を、該故障事例診断装置14が備える表示装置に対
して、部分診断知識単位で表形式でまとめて表示する。
このような表形式の表示に対して、専門家は、属性、属
性値、クラス等の編集をマウス操作により行う。
【0033】編集が終了した後、故障事例診断装置14
において生成した知識ベースを基に、故障診断知識ツリ
ー階層化表示装置36を使って最適化された故障診断知
識ツリーを表示する。該表示は、故障診断知識ツリー階
層化表示装置36が備える表示装置に対してなされる。
又、該表示において、故障診断知識ツリーは階層単位で
表示される。例えば、故障診断知識ツリーのトップのノ
ードをクリックした場合には、1階層上の階層の故障診
断知識ツリーが表示装置に表示される。一方、ある故障
診断知識ツリーのボトムのノードをクリックした場合に
は、1階層下の階層の故障診断知識ツリーが表示装置に
表示される。
【0034】1階層の大きさが人間の把握できる範囲を
超えている場合、故障診断知識ツリー階層化表示装置3
6を用いて、順次、指定階層段数分の表示をすることが
可能である。この表示の指定は、あるノードから上方の
階層に何ノード、あるいは、あるノードから下方の階層
に何ノードという形で行う。
【0035】ここで、故障診断知識ツリー階層化設定装
置42や故障診断知識ツリー階層化表示装置36又故障
事例診断装置14の表示装置に表示された故障診断知識
ツリーが専門家の期待通りのものでない場合、再度、故
障診断知識ツリー階層化設定装置42や故障診断知識ツ
リー階層化表示装置36又故障事例診断装置14を用い
て、記憶装置20に記憶される知識ベースの編集を行
う。一方、故障診断知識ツリーが専門家の期待通りのも
のであれば、このような知識ベースの生成を終了する。
【0036】ここで、本実施形態、又後述する第2実施
形態では、故障診断の対象となる装置(以降、故障診断
対象システムと称する)は、帯状の鋼板を圧延する連続
圧延装置となっている。実際に故障が発生した場合、故
障診断対象システムにおいて専門家は、故障事例診断装
置14の診断画面を表示装置に表示し、これに対して入
力を行いながら診断を行う。故障事例診断装置14から
は故障診断知識ツリー階層化表示装置36の画面が呼び
出され、表示装置に表示される。故障診断知識ツリー階
層化表示装置36の画面には、上述した通り、故障診断
知識ツリーは階層単位で表示される。又、表示されてい
る故障診断知識ツリーのトップのノードをクリックした
場合は、1階層上の故障診断知識ツリーが表示される。
一方、表示されている故障診断知識ツリーのボトムのノ
ードをクリックした場合には、1階層下の故障診断知識
ツリーが表示される。
【0037】なお、本実施形態においては、故障診断知
識ツリー階層化装置16、故障事例獲得・整理装置12
及び故障事例診断装置14は、CRT(cathode ray tu
be)を用いた表示装置、及び、マウスやキーボードによ
る入力装置を有する、単一のコンピュータ装置上に構成
されている。従って、故障事例獲得・整理装置12や、
故障診断知識ツリー階層化装置16が備える故障診断知
識ツリー階層化設定装置42や故障診断知識ツリー階層
化表示装置36、又故障事例診断装置14それぞれの表
示は、単一の表示装置で表示される種々のウィンドウに
てなされる。又、故障診断知識ツリー階層化設定装置4
2でなされる諸設定は、故障診断知識ツリー階層化表示
装置36による表示上で行うことも可能となっている。
即ち、故障診断知識ツリー階層化表示装置36でなされ
た故障診断知識ツリーの階層単位の表示において、故障
診断知識ツリーのトップのノード及びボトムのノードか
らの、別の階層の故障診断知識ツリーへのリンクの設定
も行うことができるようになっている。
【0038】以上説明した通り、本実施形態によれば、
故障診断に効果的に用いることができる、より最適化さ
れた故障診断知識ツリーを、作業者の負担を抑えながら
より能率よく生成することができる故障診断知識ツリー
階層化装置を備えた故障診断システム装置を提供するこ
とができるという優れた効果を得ることができる。
【0039】又、本実施形態によれば、前述のように故
障探査行動の単位として、部分診断知識単位で故障診断
知識ツリーを分割することで、以下に示すような優れた
効果を得ることができる。
【0040】専門家が行う故障対応は、多くの場合、状
況を調査する作業と、故障を復旧させようとする作業の
繰り返しで行われる。この故障を復旧させようとする作
業は、本発明の故障探査行動に相当する。ここで、故障
を復旧させようとする作業の故障探査行動を行うこと
で、必ずしも故障が復旧するとは限らず、場合によって
は故障原因を特定するための手掛かりを得ることもあ
る。
【0041】このように、故障探査行動を行う結果が故
障事例によって、故障の復旧であったり、あるいは故障
原因を特定するための手掛かりであったりするような、
種類の故障探査行動が混合した故障事例データの場合が
ある。このような場合、故障事例データを基に故障診断
知識ツリーを生成する際に、単純に1つの故障診断知識
ツリーを生成すると、属性の順序が効率の良い順序にな
らないことが殆どである。
【0042】なぜなら、実際の故障で故障を復旧させよ
うとする作業を行う前の情報と、行った後の情報とは、
基本的に順番が保証されていなければならない。しかし
ながら、このような順番の補償を行おうとすれば、故障
診断知識ツリーが巨大になってしまい、専門家が把握し
きれなくなってしまう。一方、このような順番を保証せ
ず、無視して故障診断知識ツリーを生成すれば、多くの
場合、故障を復旧させようとする作業を行った後にする
べき調査を、当該作業の前に行うような順序に故障診断
知識ツリーが生成されてしまう。
【0043】このように故障事例データを基に単純に1
つの故障診断知識ツリーを生成するようにした場合には
上述のような問題が生じてしまうが、本実施形態では故
障探査行動を単位として故障事例を部分診断単位に分割
し、分割されたそれぞれの部分診断単位で故障診断知識
ツリーを生成するようにしている。このようにすること
で、上述のような問題を解消あるいは低減することがで
きる。即ち、故障診断知識ツリーの順番を保証しようと
すれば故障診断知識ツリーが巨大になって専門家が把握
しきれなくなってしまうという問題を解消ないしは低減
することができる。又、順番を無視して故障診断知識ツ
リーを生成すれば、多くの場合、故障探査行動を行った
後にするべき調査を、当該故障探査行動の前に行うよう
な順序に故障診断知識ツリーが生成されてしまうという
問題を解消ないしは低減することができる。
【0044】このように、本実施形態によれば、故障探
査行動を単位として故障事例を分割し、分割されたそれ
ぞれの部分診断知識単位で故障診断知識ツリーを生成す
ることにより、より最適化された故障診断知識ツリーを
能率良く生成することができ、又作業者の負担を抑える
ことも可能である。
【0045】又、上述したような故障診断探査行動の単
位での分割による効果に加えて、本実施形態によれば、
以下に述べるような表示上の作業性の向上という効果も
得ることができる。
【0046】故障調査の知識が増加するにつれて、故障
診断知識ツリーは次第に大きくなって行く。故障診断知
識ツリーが大きくなると、故障診断知識ツリーを見渡す
ことが困難になる。例えば、故障診断知識ツリーの構築
や修正時に、故障診断知識ツリーの内容を把握すること
が困難になってしまう。あるいは、故障診断対象システ
ムにおいて故障が発生したときの診断時に、故障診断知
識ツリーを目で辿るのが困難になってしまう。本実施形
態では故障診断知識ツリーを階層化しているため、故障
診断知識ツリーがたとえ大きくなったとしても、これを
把握したり辿ることがより容易とされている。
【0047】例えば、故障診断知識ツリーを表示したり
辿るときには、あるノードから上方向に何ノード、ある
いはノードから下方向に何ノードという形で指定する。
これにより、故障診断知識ツリーの高さが結果的に低く
なり、又横幅も結果的に小さくなるので、専門家が故障
診断知識ツリーを把握し易くなる。このように、本実施
形態においては、故障診断知識ツリーの表示についても
優れた効果を得ることができる。
【0048】図3は、本発明が適用された故障診断シス
テム装置の第2実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【0049】この図3に示される如く、本実施形態の故
障診断システム装置10は、故障事例獲得・整理装置1
2と、故障事例診断装置14と、故障診断知識ツリー階
層化表示装置36とを備えている。又、これらに加えて
該故障診断システム装置10は、いずれも所定の記憶装
置上に構成される用語辞書22と、事例情報ファイル2
4と、知識ベースファイル26とを備えている。更に、
該故障診断システム装置10は、用語参照機能部55
と、事例マトリックス形式変換部62と、診断知識ツリ
ー生成部64と、診断知識ツリー呼出部66とを備えて
いる。
【0050】又、上述の故障事例獲得・整理装置12
は、用語辞書装置32と、故障因果関係入力装置33
と、知識洗練化支援装置34とを備えている。更に、該
故障事例獲得・整理装置12は、用語登録機能部52
と、用語参照機能部53と、フロー図変換機能部57
と、事例入力シート変換機能部58とを備えている。
【0051】一方、上述の故障事例診断装置14につい
ては、知識ベース生成装置38と、故障診断装置39と
を備えている。
【0052】以下、まず、上述した故障診断システム装
置10の各構成装置について説明する。
【0053】用語登録機能部52は、用語辞書装置32
に内蔵されている。用語辞書装置32は、概念的には図
4に示されるような表示を行う。この用語登録機能部5
2は、故障診断対象としている設備に関する用語が登録
されている。用語辞書装置32は、故障因果関係入力装
置33での入力に用いられる用語から、用語登録機能部
52によって用語辞書の新規の用語登録を行う。この登
録は、用語辞書装置32から用語辞書22へとデータを
書き込むことによってなされる。又、用語辞書装置32
は、既に登録されている用語の修正や削除の機能をも有
している。この用語の修正や削除は、用語辞書装置32
が用語辞書22の該当する用語のデータを削除すること
によって行われる。
【0054】用語参照機能部53は、用語辞書装置32
に内蔵されている。用語辞書装置32は、故障因果関係
入力装置33から用語参照の要求があると、用語参照機
能部53によって参照された用語を用語辞書22から読
み出し、故障因果関係入力装置33へ出力する。
【0055】次に、故障因果関係入力装置33は、故障
因果関係を入力する機能を備えていると共に、加えて、
本発明が適用される故障診断知識ツリー階層化設定装置
の機能をも有している。故障因果関係入力装置33は、
概念的には図5に示されるような表示を行う。まず、故
障因果関係の入力の機能については、より具体的には、
事例の整理の機能や、調査復旧の切り分けの機能を備え
る。一方、故障診断知識ツリー階層化設定装置の機能と
して故障因果関係入力装置33は、より具体的には、故
障事例に対する、本発明が適用される故障探査行動の設
定を行う機能を備えており、故障診断知識ツリーの階層
化の設定の機能を備えている。
【0056】故障因果関係入力装置33は、発生した故
障の「徴候」と、これに従って行った「行動(故障探査
行動)」、及びその行動によって生じた「結果」を、時
系列に従って順番に入力することが可能であり、「徴
候」、「行動」、及び「結果」の各々は図10〜図12
を用いて後述するように、対象設備名、対象設備状態、
行動内容等を記入することが可能となっている。図10
〜図12に示されるような故障因果関係入力装置33の
表示画面の各項目の記入欄は、用語辞書装置32と連係
しており、各入力欄は、用語辞書装置32が内蔵する用
語参照機能部53を用いながら、用語辞書22に登録さ
れている用語を選択して用いた入力が可能となってい
る。
【0057】次に、知識洗練化支援装置34は、概念的
には、図6に示されるような表示を行う。知識洗練化支
援装置34は、フロー図変換機能部57や事例入力シー
ト変換機能部58を内蔵し、必要な知識の抽出の機能、
故障を悪化させる行動及びその結果の削除の機能、診断
順序の入れ替えの機能、調査と復旧のライン引きの機
能、及び、初期徴候の設定の機能を有している。
【0058】該知識洗練化支援装置34は、故障因果関
係入力装置33によって入力された「徴候」、「行
動」、「結果」の系列を、フロー図として視覚的に表示
する装置である。該知識洗練化支援装置34は、表示さ
れたフロー図を作業者が確認して、必要な部分あるいは
不要な部分、又は、順番を変更した方が良い部分を容易
に指定、変更、再表示ができるユーザインタフェースの
機能を備えた装置である。なお、この知識洗練化支援装
置34は適宜利用するものであり、必ずしも使用する必
要はない。
【0059】次に、本発明が適用された故障診断知識ツ
リー階層化表示装置36は、故障診断知識ツリーを階層
化して表示する。故障診断知識ツリー階層化表示装置3
6は、概念的には、図7に示されるような表示を行う。
【0060】本実施形態では、知識の数がより大きい大
きな故障診断知識ツリーを、知識の数がより少ない複数
の小さな故障診断知識ツリーに分割するとともに、関連
付けてリンクすることで、これら大きな故障診断知識ツ
リー及び小さな故障診断知識ツリーを階層化するように
している。特に、このような階層化は、前述の故障因果
関係入力装置33によって行われている。
【0061】ここで、故障診断知識ツリー階層化表示装
置36では、これら大きな故障診断知識ツリー及び小さ
な故障診断知識ツリーを階層化して表示する。このよう
な表示の際に、故障診断知識ツリー階層化表示装置36
は、該故障診断知識ツリー階層化表示装置36が内蔵す
る診断知識ツリー生成部64及び診断知識ツリー呼出部
66を用いる。
【0062】知識ベース生成装置38は、事例の統合の
機能や、故障診断知識ツリーの生成の機能を有してい
る。知識ベース生成装置38は、概念的には図8に示さ
れるような表示を行う。該知識ベース生成装置38は、
このような機能において、用語参照機能部55及び用語
辞書装置32を用いて用語辞書22のデータを参照した
り、事例マトリックス形式変換部62を経由して事例情
報ファイル24や知識ベースファイル26のデータを参
照する。該知識ベース生成装置38は、事例の統合の機
能、及び、故障診断知識ツリーの生成の機能を有する。
【0063】故障診断装置39は、故障診断知識ツリー
階層化設定装置の機能を有する故障因果関係入力装置3
3で設定された階層単位での故障診断知識ツリーの表示
を行う機能を有しているとともに、故障診断知識ツリー
の指定段数(階層数)分の表示を行う機能を有してい
る。故障診断装置39は、概念的には主として図9に示
されるような表示を行う。該故障診断装置39は、この
ような機能のために、用語参照機能部55及び用語辞書
装置32を経由して用語辞書22のデータを読み出した
り、知識ベースファイル26のデータを読み出す。
【0064】図10〜図12は、前記図3に示した故障
因果関係入力装置33の表示装置に表示される画面を示
す線図である。これら図10〜図12は、本来1つの画
面を示すものであり、作図の便宜上3分割されている。
図10では画面の左側が示され、図11では画面の中央
が示され、図12では画面の右側が示される。故障因果
関係入力装置33は、故障因果関係入力装置33本来の
因果関係の入力に関する機能とともに故障診断知識ツリ
ー階層化設定装置の機能を有しているが、図10の表中
の左から3項目にある「システムに与える影響」のみが
故障診断知識ツリー階層化設定装置の機能に関する部分
であり、その他は故障因果関係入力装置33の本来の機
能に関する部分である。
【0065】図10の上部にある「故障名称」、及び
「故障原因」の項目、又図11の上方にある「設備」の
項目、又表の部分の図10から図11にわたる大項目の
「徴候」の項目や、表の部分の図11から図12にわた
る大項目の「結果」の「初期徴候」の項目については、
故障事例を分類分けして故障事例グループを生成するの
に使用する。この故障事例グループは、故障事例診断装
置14で診断を行う際に使用する、知識ベースファイル
26に記憶される個々の知識ベースと対応する。
【0066】又、表の部分の最左端にある「復旧開始位
置」の項目は、1つの故障事例の復旧開始のポイントを
示すものである。図10〜図12の表の復旧開始のポイ
ントが設定された行より上の行が、故障診断知識ツリー
を構成する知識となる。
【0067】次に、図10の表部分の左端から2番目の
「要・不要」の項目は、該当行の内容が故障診断に必要
な知識か、あるいはそうではない知識かをチェックする
項目である。
【0068】図10の表部分の左端から3番目の「シス
テムに与える影響」は、故障診断知識ツリー階層化設定
装置の部分で、該当行の行動の内容がシステムに影響を
与える行動であって、従って本発明の故障探査行動であ
るか、あるいはこのような行動ではないかをチェックす
る項目である。この「システムに与える影響」の項目に
○印の付された故障探査行動として設定した行より上の
内容と、当該故障探査行動とされた行を含んで下側の内
容とを、別の故障診断知識ツリーを構成する情報として
分ける役割をも有する。
【0069】図10から図11にわたる表部分の大項目
「徴候」は、図11の表部分の大項目「行動」のきっか
けとなった徴候を表す。ここで、該大項目の「徴候」に
おいて、「設備・機械」は故障の生じた設備あるいは機
械を示し、「場所」はこのような設備や機械の設置場所
を示し、又、「属性名」は故障の内容を示し、「属性
値」は故障の分類を示し、「付帯条件」は故障に関する
種々の条件を示す。ここで、図10〜図12で示される
画面を用いた入力の基準は、「場所」にある「設備・機
械」の「属性名」が「付帯条件」の下で「属性値」とな
っていた場合である。なお、これらの小項目以外に、
「初期徴候」、「記号(新)」、「記号(旧)」、「メ
モ」という項目がある。
【0070】次に、図11の表部分に示される大項目の
「行動」は、全体で前述の大項目の「徴候」を受けて行
った行動を表す。ここで、この大項目の「行動」にある
小項目について説明すると、「どうする」の項目は行動
内容を示し、「設備・機械」の項目は行動を行った設備
や機械を示し、「場所」の項目はこのような設備や機械
の設置場所を示し、「何に対して」の項目は行った行動
が設備や機械のどのような部分に対するものかを示し、
「タイミング」の項目は行った行動のタイミングを示
す。従って、大項目の「行動」の入力の基準は、「場
所」にある「設備・機械」の「何に対して」に対して、
「タイミング」で示されるタイミングに「どうする」と
いう行動を行ったものかというものである。なお、上述
の小項目以外に、「番号(新)」、「番号(旧)」とい
う項目がある。
【0071】なお、図11から図12の表部分の大項目
「結果」の小項目の構成及び使い方は、前述した図10
から図11にわたる表部分の、大項目の「徴候」の小項
目の構成及び使い方と同じである。
【0072】ここで、上述したような大項目や小項目へ
の故障因果関係入力装置33での入力は、表示された用
語を選択する形で行う。表示される用語は、用語辞書2
2に記憶されているものを、用語辞書装置32及び用語
参照機能部53を経て故障因果関係入力装置33が読み
出し、選択メニューとして表示する。
【0073】ここで、図10〜図12の前述した大項目
の「徴候」、「行動」及び「結果」の読み方の規則は次
の通りである。
【0074】規則A1:左から右へ、上から下へ読む。 規則A2:「徴候」に対する「行動」が同一行に入力さ
れていない場合は、当該「徴候」を次行の「徴候」と並
列に扱う。 規則A3:「行動」に対する「結果」が同一行に入力さ
れていない場合は、当該「行動」を次行の「行動」と並
列に扱う。 規則A4:「結果」に対する「行動」が同一行に入力さ
れていない場合は、当該「結果」を次行の「結果」と並
列に扱う。 規則A5:「行動」に対する「徴候」が同一行に入力さ
れていない場合は、当該「行動」を次行の「行動」と並
列に扱う。
【0075】上記の規則A1〜A5に従って、図10〜
図12に例として示されているものを読むと、以下の通
りとなる。
【0076】内容B1:故障監視CRTに、「5BR1
ロールINV伝送異常」が表示された。 内容B2:上記の内容B1を受けて、操作盤の故障リセ
ットボタンを押下操作した。 内容B3:上記の内容B2の結果、故障監視CRTに
「伝送異常」が表示された。 内容B4:上記の内容B3を受けて、INV盤にある
「INV盤パネル表示」をチェックした。 内容B5:上記の内容B4の結果、 「INV盤パネル表示」に“8.8”が点灯(CPUク
ロック異常) 「INV盤パネル表示」に21Hzが表示 「INV盤パネル表示」に“OFF”が点灯(INV電
源トリップ) 「INV盤パネル表示」に“FAULT”が点灯(IN
V故障) 「INV盤パネル表示」に“STOP”が点灯(CPU
STOP) 内容B6:上記の内容B5の全ての結果を受けて、制御
電源を“切”→“入”操作をした。 内容B7:上記の内容B6の結果、「INV盤パネル表
示」に“RUN”が点灯(INV制御システム正常化)
【0077】ここで、図10〜図12を用いて説明した
故障因果関係入力装置33で生成した事例データは、そ
のまま故障事例診断装置14に渡されるのではなく、故
障因果関係入力装置33が備える故障診断知識ツリー階
層化設定装置の機能によって、保存の際に分割される。
この分割は、図10にある小項目の「システムに与える
影響」が設定されている行動を基準として分割するとい
うものである。例えば図10〜図12では、図11の大
項目「行動」の小項目「番号(新)」が“1”の行動
(重故障のリセット)は、「システムに与える影響」の
設定がなされていることにより分割されている。又、
「番号(新)」が“3”の行動(制御電源の“切”→
“入”操作)についても、小項目「システムに与える影
響」の設定がなされているが、同行に小項目「復旧開始
位置」が設定されているため、同行より上の「徴候」及
び「結果」を保存する。又、図12の大項目「結果」の
小項目「記号(新)」が“D”の当該「結果」の欄の内
容が、同結果欄の行に「要・不要」の設定がなされてい
ないため、同「結果」欄の内容は保存しない。以下に、
分割後保存した事例データの内容を示す。
【0078】 ○第1層の故障診断知識ツリー用の事例データ INV伝送異常………………表示 ○第2層の故障診断知識ツリー用の事例データ INV伝送異常………………表示 “8.8”……………………点灯 “OFF”……………………点灯 “FAULT”………………点灯 “STOP”…………………点灯
【0079】図10〜図12を用いて以上に述べたよう
な各事例データは、事例情報ファイル24に保存され
る。又、この事例データは、他の事例データと合わせて
図13に示されるようなマトリックス表として、知識ベ
ースが知識ベースファイル26に生成される。なお、こ
の図13は、知識ベース生成装置38の表示画面でもあ
る。
【0080】又、このように生成された知識ベースを基
に、図14に示されるような故障診断知識ツリーが生成
される。この図14は、故障診断知識ツリー階層化表示
装置36に表示されるものである。ここで、図13及び
図14の例で使用している故障事例診断装置14は、I
D3という、知識整理アルゴリズムで故障診断知識ツリ
ーを生成するものを想定している。
【0081】なお、図14の左側、即ち符号W1で示さ
れる「第1層」については、詳細には図15に示される
通りである。又、図14の右上、即ち符号W2で示され
る部分は、図16に示される通りである。図14の右下
に示される部分、即ち符号W3で示される部分は、詳細
には図17に示される通りである。ここで、図13の項
目と、図14の項目(即ち図15〜図17の項目でもあ
る)との対応関係は、以下の通りである。
【0082】C1:図10〜図12の“徴候(または結
果)”の“設備・機械”+“属性名”……図13の“属
性” C2:図10〜図12の“徴候(または結果)”の“属
性値”……図13の“属性”と“クラス”の交差部分 C3:図10〜図12の“故障原因”……図13の“ク
ラス”
【0083】図13の属性には図10〜図12で保存し
た事例データに含まれていないものがある。例えば、第
1層のINV盤“Hd”、INV盤“LINK”、IN
V盤“ERR”、INV盤“dL”、INV盤“C
D”、INV盤“OL”、第2層−2のINV盤“d
L”、INV盤“CD”である。これらの属性は、他の
事例データに含まれていた属性である。こういった属性
の属性値欄は人間が判断して埋めている。
【0084】図14は図13をもとに生成した故障診断
知識ツリーを故障診断知識ツリー階層化表示装置36を
使用して表示した例である。仮に階層化の設定をしなか
った場合、図13の内容から故障診断知識ツリーを生成
することは出来ない。何故なら、層が異なると同じ属性
に対して異なる属性値を持つクラス(バックアップロー
ル伝送異常)が存在するからである。
【0085】診断の際には、図14の故障診断知識ツリ
ーの属性を上からチェックしながら診断していく。この
ようにID3を使うタイプの故障診断システム装置で
は、うまく事例データの変換を行うことが出来る。
【0086】なお、本実施形態ではID3を使うタイプ
の故障診断システム装置を使ったが、基本的には、故障
原因と属性と属性値が必要な故障診断システム装置を使
用する場合は、本発明は有効である。
【0087】以上説明した通り、本実施形態において
は、本発明を適用しながら故障診断システム装置を構成
することができ、故障診断に効果的に用いることができ
る、より最適化された故障診断知識ツリーを、作業者の
負担を抑えながらより能率よく生成することができる。
又、本実施形態では、特に連続圧延機を故障診断対象シ
ステムとし、優れた故障診断を行うことができている。
【0088】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、故
障診断に効果的に用いることができる、より最適化され
た故障診断知識ツリーを、作業者の負担を抑えながらよ
り能率よく生成することができる故障診断知識ツリー階
層化装置を提供することができるという優れた効果を得
ることができる。又、このような故障診断知識ツリー階
層化装置は、前述した実施形態の如く、故障診断システ
ム装置に用いることもでき、この場合効果的な故障診断
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の故障診断知識ツリー階層化装置の基本
的構成を示すブロック図
【図2】本発明が適用される故障診断知識ツリー階層化
装置を備える故障診断システム装置の第1実施形態の構
成を示すブロック図
【図3】本発明が適用される故障診断システム装置の第
2実施形態の構成を示すブロック図
【図4】前記第2実施形態に用いられる用語辞書装置の
表示画面を示す線図
【図5】前記第2実施形態に用いられる故障因果関係入
力装置の表示画面を示す線図
【図6】前記第2実施形態に用いられる知識洗練化支援
装置の表示画面を示す線図
【図7】前記第2実施形態に用いられる故障診断知識ツ
リー階層化表示装置の表示画面を示す線図
【図8】前記第2実施形態に用いられる知識ベース生成
装置の表示画面を示す線図
【図9】前記第2実施形態に用いられる故障診断装置の
表示画面を示す線図
【図10】前記第2実施形態の故障因果関係入力装置に
表示される1例の画面(左側)を示す線図
【図11】前記第2実施形態の故障因果関係入力装置に
表示される1例の画面(中央)を示す線図
【図12】前記第2実施形態の故障因果関係入力装置に
表示される1例の画面(右側)を示す線図
【図13】前記実施形態で用いられる知識ベース生成装
置で表示される画面の1例を示す線図
【図14】前記第2実施形態で用いられる故障診断知識
ツリー階層化表示装置で表示される画面の1例を示す線
【図15】上記故障診断知識ツリー階層化表示装置で表
示される画面の一部(第1層)の詳細を示す線図
【図16】上記故障診断知識ツリー階層化表示装置で表
示される画面の一部(第2層−1)の詳細を示す線図
【図17】上記故障診断知識ツリー階層化表示装置で表
示される画面の一部(第2層−2)の詳細を示す線図
【符号の説明】
10…故障診断システム装置 12…故障事例獲得・整理装置 14…故障事例診断装置 16…故障診断知識ツリー階層化装置 20…記憶装置 22…用語辞書 24…事例情報ファイル 26…知識ベースファイル 32…用語辞書装置 33…故障因果関係入力装置 34…知識洗練化支援装置 36…故障診断知識ツリー階層化表示装置 38…知識ベース生成装置 39…故障診断装置 42…故障診断知識ツリー階層化設定装置 52…用語登録機能部 53…用語参照機能部 55…用語参照機能部 57…フロー図変換機能部 58…事例入力シート変換機能部 62…事例マトリックス形式変換部 64…診断知識ツリー生成部 66…診断知識ツリー呼出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福村 聡 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内 (72)発明者 門野 恵介 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内 (72)発明者 鈴木 学 東京都江東区豊洲三丁目3番3号 川鉄情 報システム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】知識の数がより多い大きな故障診断知識ツ
    リーを、知識の数がより少ない複数の小さな故障診断知
    識ツリーに分割すると共に、関連付けてリンクすること
    で、これら大きな故障診断知識ツリー及び小さな故障診
    断知識ツリーを階層化する故障診断知識ツリー階層化設
    定装置と、 これら大きな故障診断知識ツリー及び小さな故障診断知
    識ツリーを階層化して表示する故障診断知識ツリー階層
    化表示装置とを備えたことを特徴とする故障診断知識ツ
    リー階層化装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 故障事例を「徴候」、「行動」、「結果」の因果関係の
    知識として入力し、整理する故障事例獲得・整理装置
    と、 該故障事例獲得・整理装置で獲得された知識に基づい
    て、故障診断知識ツリーを生成し、又、故障診断を行う
    故障事例診断装置とを備えたことを特徴とする故障診断
    知識ツリー階層化装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記故障診断知識ツリ
    ー階層化設定装置が、 発生している故障を解除することで次の段階の調査に進
    めるようにする、故障診断対象システムに影響を与える
    故障探査行動を単位として、故障事例を時間的に分割
    し、分割されたそれぞれの部分診断知識単位で故障診断
    知識ツリーを生成するものであることを特徴とする故障
    診断知識ツリー階層化装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記故障診断知識ツリ
    ー階層化表示装置が、 前記部分診断単位で故障診断知識ツリーを表示可能なも
    のであると共に、 表示しようとする故障診断知識ツリーが表示する上で大
    きすぎる場合には、該故障診断知識ツリーの大きさ指
    定、及び表示範囲指定が可能なものであることを特徴と
    する故障診断知識ツリー階層化装置。
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