JPH09146034A - ガルバノミラーおよびこれを用いた光ディスク装置 - Google Patents
ガルバノミラーおよびこれを用いた光ディスク装置Info
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- JPH09146034A JPH09146034A JP30578295A JP30578295A JPH09146034A JP H09146034 A JPH09146034 A JP H09146034A JP 30578295 A JP30578295 A JP 30578295A JP 30578295 A JP30578295 A JP 30578295A JP H09146034 A JPH09146034 A JP H09146034A
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Abstract
ッドの高速シークが阻害されてしまっていた。 【解決手段】本発明のガルバノミラー9 は第1のプレー
ト21,第2のプレート22の2つのプレートが積層された
構造をなしている。第1のプレート21には固定部24、揺
動部25、および2枚の弾性部26a,26b からなり、シリコ
ンを主体とする半導体の異方性エッチングにより一体生
計されている。また第2のプレート22は、例えばガラス
板等の電気的絶縁材料で形成され、第1のプレート21の
固定部24に対して静電接合等の手段で接合されている。
さらに第2プレート22上に、2枚の弾性部26a,26b を結
ぶ線に対しほぼ平行に延びる櫛歯形状の電極27a,27b が
形成され、これら電極27a,27b の櫛歯間については、対
応する第2プレート22側に複数の凹部40が刻設されてい
る。
Description
方向に反射するためのガルバノミラーおよびその製造方
法、およびこのガルバノミラーを搭載し、対物レンズへ
の入射光の向きを変化させながら光ディスクへの情報の
記録再生を行う光ディスク装置に関する。
D)やレーザディスク(LD)に代表されるように、レ
ーザ光を用いて情報の再生を行う光ディスク装置が広く
普及している。また最近では、光ディスク装置はコンピ
ュータの記憶装置として利用されるようになっている。
となるように、光学系を搭載する光学ヘッドの高速移動
が要求されるようになった。このような光学ヘッドの高
速移動の要求に対し、光学ヘッドの質量をできるだけ小
さくして素早いシークを実現する方式が提案されてい
る。このような方式として、半導体レーザ(光源)やフ
ォトディテクタ(検出器)などを光学ヘッドに搭載せ
ず、光ディスクに焦点を形成する対物レンズのみを光学
ヘッドに搭載して移動させる分離光学方式が採用されて
いる。
て説明する。半導体レーザ111 やフォトディテクタ112
などの固定光学系113 は、図示しないベースなどに固定
されている。半導体レーザ111 から照射されたレーザ光
L は、同じく固定配置されたガルバノミラー114 を介し
て光学ヘッド115 内に搭載された対物レンズ116 に与え
られている。対物レンズ116 は光ディスクD 上のピット
に焦点を形成し、その反射光を再び逆の経路でフォトデ
ィテクタ112 に導く。光学ヘッド115 は図示しない駆動
手段によってトラッキング方向Xおよびフォーカシング
方向Yにそれぞれ駆動される。
をトラッキング方向Xへ駆動する際に発生する微小な光
路の傾き(対物レンズ116 へのレーザ光の入射角度の変
化)を、固定配置されたガルバノミラー114 の揺動角度
の制御によって補正することができる。そのため対物レ
ンズ116 自体を傾ける手段などを光学ヘッド115 に搭載
する必要がなくなり、光学ヘッド115 全体の質量を低減
することができ、素早いシークを実現している。
ミラー114 は、具体的には図13乃至図15に示す構造とな
っている。ここで、図13はガルバノミラー114 の平面
図、図14は図13中のA−A線断面図、図15は図13中のB
−B線断面図である。
るための反射ミラー117 と、この反射ミラー117 を固定
した揺動体118 と、この揺動体118 を固定部119 に対し
て支持する2枚の支持体120a,120b とを備えている。固
定部119 は、ヨーク121 と磁石122 とから構成されてお
り、揺動体118 の側面に固定されたコイル123 に対して
磁界を作用させることにより、反射ミラー117 を支持体
120a,120b の軸回りに揺動させることができる。
ノミラー114 の反射ミラー117 表面は、温度変化や経年
変化によって徐々に傾いてしまう危険性がある。このよ
うな傾きが発生すると、ガルバノミラー114 からの反射
光を正確に対物レンズ116 へ導くことが困難となってし
まうため、トラッキングオフセットの要因となり、正確
なトラッキング動作を阻害してしまう危険性がある。ま
た、この傾きの影響は、ガルバノミラー114 から対物レ
ンズ116 までの距離に応じて変化するため、ガルバノミ
ラー114 の揺動角度の補正を光学ヘッド115 の現在位置
によってさらに補正するといった複雑な制御が必要とな
ってしまう。
ヘッド115 に搭載し、ガルバノミラー114 と対物レンズ
116 との距離を一定に保った状態の固定光学方式が望ま
れている。
ミラー114 はヨーク121 ,磁石122,コイル123 などを
備えているため質量が大きく、光学ヘッド115 に搭載す
ると光学ヘッド115 の高速シークが阻害されてしまい実
質的には不可能であった。そこで本発明は、軽量・小形
な構成のガルバノミラー、および高速シークが可能な光
ディスク装置を提供することを目的とする。
めに本発明では、反射ミラーを備えた揺動体と、一端が
前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に吊設支
持する一対の支持部材と、前記支持部材の他端が接続さ
れるとともに前記揺動体と対向配置される固定部と、前
記揺動体を静電力で駆動するための電極と、を有するガ
ルバノミラーにおいて、前記揺動体と前記固定部の対向
部位の少なくとも一方に、前記一対の支持部材を結ぶ直
線にほぼ平行な方向に沿って凹部が延設されているガル
バノミラーとした。
石,コイルなど質量の大きい要素を含むことなく、軽量
・小形な構成のガルバノミラー、および高速シークが可
能な光ディスク装置が実現する。
線に対しほぼ平行に複数の凹部が延設されている。その
ため、揺動体と固定部との間の隙間に作用する空気をこ
の凹部の延設方向に逃がすことができる。したがって、
空気の粘性抵抗により生じる圧力分布に起因する悪影響
を大幅に緩和することができるようになり、揺動体の揺
動運動を最大限に高めることができるようになる。
施例を説明する。まず、図1から図4を用いて本発明の
ガルバノミラーを搭載した光ディスク装置について説明
する。ここで、図1は光ディスク装置の内部構造を示す
断面図、図2は光学ヘッドを含む駆動系の平面図、図3
は光学ヘッドの断面図、図4は光学ユニットの断面図で
ある。
ディスク,光磁気ディスクなど)は、図示しないベース
に固定されたスピンドルモータ2 に対してマグネットチ
ャック等のチャッキング手段により保持されており、記
録再生時にはこのスピンドルモータ2 によって安定に回
転駆動される。
成する半導体レーザ3 は、フォトディテクタ4 とHOE(Ho
logramic Optical Element) 素子5 などと共に光学ユニ
ット6 を構成しており、この光学ユニット6 は光学ヘッ
ド7 の下部に固定されている。なお、光学ユニット6 の
下部には放熱性を高める目的で複数の凹凸が形成されて
いる。
は、ガラス面に形成されたHOE 素子5を通過し、HOE 素
子5 の反対面に固定されたプリズム8 で90゜向きを変
え、ガルバノミラー9 (詳細は後述する)で再び90゜向
きを変え、光学ヘッド7 の上部に配置された対物レンズ
10に導かれる。そして、この対物レンズ10よりディスク
1の記録トラック上にレーザ光を集光させ焦点を形成す
る。
ズ10に戻り、ガルバノミラー9 ,プリズム8 を経由し、
HOE 素子5 で向きを変えてフォトディテクタ4 に戻され
る。フォトディテクタ4 に取り込まれた反射光から、記
録情報信号,フォーカスオフセット信号,トラックオフ
セット信号等が生成される。そして、フォーカスオフセ
ット信号を用いることにより対物レンズ10のフォーカス
方向の位置ズレが検出され、この位置ズレを補正するよ
うにフォーカスコイル11に電流を流す制御動作を行う。
また、トラックオフセット信号を用いることにより対物
レンズ10のトラック方向の位置ズレが検出され、この位
置ズレを補正するようにリニアモータコイル12とガルバ
ノミラー9 に電圧を加えて制御動作を行う。このように
してディスク1 の記録トラック上に情報が記録され、ま
たディスク1 の記録トラック上から情報が読み取られ
る。
で形成された対物レンズホルダ13に保持されている。ま
た平行板バネ14の一端が対物レンズホルダ13に固定さ
れ、平行板バネ14の他端は光学ヘッド7 に固定されるこ
とにより、対物レンズ10はその光軸方向に移動可能に支
持されている。プラスチックマグネットからなる対物レ
ンズホルダ13と、光学ヘッド7 に巻装固定されたフォー
カスコイル11に流れる電流との間に電磁作用が作用し、
対物レンズ10にフォーカス駆動力を発生させる。
おり、光学ヘッド7 の両側面に各1個が固定されてい
る。光学ヘッド7 のリニアモータコイル12を挟んで両側
には、計4個の滑り軸受15が形成されており、ディスク
1 の径方向に延設された2本のガイドシャフト16とそれ
ぞれ係合している。これにより光学ヘッド7 はディスク
1 の半径方向に移動できるように支持されている。
り、磁気回路のヨークとしての役割も果たしている。そ
して、ガイドシャフト16の両端にはコ字形のバックヨー
ク17が固定されている。また磁気ギャップを挟んでリニ
アモータコイル12と対向する位置にはラジアル磁石18が
配置され、バックヨーク17に固定されている。これらガ
イドシャフト16,バックヨーク17,ラジアル磁石18がラ
ジアル磁気回路19を形成しており、リニアモータコイル
12に磁界を作用させ、リニアモータコイル12に流れる電
流との電磁作用により、光学ヘッド7 にディスク1 の半
径方向への駆動力を発生させている。
ラー9 の具体的な構造を説明する。図5はガルバノミラ
ーの第1実施例を示す斜視図、図6は第1のプレートの
裏面を示す斜視図、図7は第2のプレートの表面を示す
斜視図である。
に、第1のプレート21,第2のプレート22の2つのプレ
ートが積層された構造をなしている。第1のプレート21
には、図6に示されるように、2本の溝23a,23b が形成
されている。この溝23a,23b によって第1のプレート21
は固定部24、揺動部25、および2枚の弾性部(支持部
材)26a,26b に区分されている。さらに、2枚の弾性部
26a,26b を結ぶ直線に沿って、さらに2本の溝23c,23d
が形成されている。なお、ここでは溝23c,23d は2枚の
弾性部26a,26b のそれぞれ両側に形成されているが、弾
性部26a,26b の片側に形成してもよい。
対応して形成されたものであり、第2のプレート22に接
合されることにより第1のプレート21全体を固定保持し
ている。
る関係に形成されており、その表面には半導体レーザ3
からのレーザ光を反射するべくミラー面が、鏡面加工な
どの手段によって一体形成されている。
に、他端が固定部24にそれぞれ接続されることにより、
揺動部25と固定部24とを連結し吊設支持している。な
お、弾性部26a,26b には1ミクロンから20ミクロン程度
の段差39a,39b が形成されており、後述する第2のプレ
ート22との間に隙間が形成される。
心は、ちょうど2枚の弾性部26a,26b を結ぶ線上の中間
付近となるように構成されている。なお、第1のプレー
ト21を構成する固定部24、揺動部25、2枚の弾性部26a,
26b は、シリコンを主体とする半導体の異方性エッチン
グにより一体的に形成されている。そして、エッチング
の後、切削加工により段差39a,39b を形成する。また揺
動部25の表面のミラー面は、このエッチング加工を行う
前に鏡面加工により仕上げられる。なお、ミラー面は鏡
面加工により形成する他に、揺動部25の表面に金属薄膜
や誘電体多層膜等を蒸着した反射鏡で構成することもで
きる。
板等の電気的絶縁材料で形成されるか、あるいは表面に
電気的絶縁材料(または酸化膜)がコーティングされた
シリコンで形成されており、第1のプレート21の固定部
24に対して静電接合,拡散接合,陽極酸化接合等の手段
で接合されている。また、図7に示されたように、第2
プレート22上の揺動部25と対向する部位には、2枚の弾
性部26a,26b を結ぶ線に対しほぼ平行に延びる櫛歯形状
の電極27a,27b が形成されている。また、電極27a,27b
の櫛歯部位以外の部位、すなわち櫛歯間については、対
応する第2プレート22側に複数の筋状凹部40が刻設され
ている。これら凹部40の深さは、例えば10ミクロンから
200 ミクロンの範囲に設定される。
28b により電気的に接続されている。そして、外部より
端子28a,28b に電圧を印加することにより電極27a,27b
に電圧を印加することができるようになっている。
24の裏面(反射ミラーが形成されていない側の面)と接
触する関係となるように、第2プレート22上に端子29a,
29bが形成されている。これら端子29a,29b はグランド
に接続される。そして、第1のプレート21と第2のプレ
ート22を接合する際には、固定部24と端子29a,29b の一
部とが接触する関係となる。
1のプレート21側とは電気的に接続されないように設計
されている。具体的には、電極27a,27b と第1のプレー
ト21には前記段差39a,39b によって1ミクロンから20ミ
クロン程度の隙間が形成され、また端子28a,28b は第1
のプレート21に形成された空間部分に位置決めされるよ
うになっている。
部25に形成された反射ミラー面と平行な方向の長さに対
して、反射ミラー面と直交する方向の長さが長く形成さ
れていることを条件としている。
長手方向にわたって全体的に一律であってもよいが、少
なくとも弾性部26a,26b の一部にのみ適用されていても
よい。また、断面形状についての具体的なアスペクト比
は、上記条件の範囲内で任意に設定することができる。
は、ほぼ同じ熱膨張係数を有する材料が選択されている
ことが好ましい。このように構成されている本実施例の
ガルバノミラー9 は、光学ヘッド7 の一部に設けられた
端子とガルバノミラー9 に設けられた端子28a,28b とが
半田などの手段により電気的に接続され、また機械的に
も強固に接続されている。
な駆動方法を説明する。まず、端子28a,28b を介して電
流を流すことにより、半導体で形成された揺動体25を例
えば+に帯電させ、また同様に電極27a を−に、電極27
b を+に帯電させる。すると電極27a が揺動部25を吸引
する力と、電極27b が揺動部25を吸引する力とのバラン
スが崩れ、揺動部25に回転トルクが発生し、2枚の弾性
体26a,26b がねじれ変形することにより揺動体25が図5
中Aで示す方向に回転する。これとは逆に、揺動体25を
+に帯電させ、また電極27a を+に、電極27b を−に帯
電させることにより、2枚の弾性体26a,26b がねじれ変
形を起こし揺動体25が図5中Bで示す方向に回転する。
させ、第1の電極28および第2の電極29を−に帯電させ
る場合を説明したが、例えば揺動体25を−に帯電させ、
第1の電極28および第2の電極29を+に帯電させても同
様の効果が得られる。さらに、揺動体25をグランドに接
続して電位ゼロの状態に設定した場合には、電極28,29
は共に+に帯電させるか、あるいは共に−に帯電させて
も同様の効果が得られる。
電容量を測定することにより、揺動体25と第2のプレー
ト22とのギャップ長を検出することができ、これによっ
て可動体25の回転(揺動)角度を正確に検出することが
できる。そして、その検出値を用いてトラッキングオフ
セットを電気的に補正するすることにより、ガルバノミ
ラー特有の回転角度の制約をほとんどなくすことがで
き、安定かつ精度の高いトラッキング制御を行うことが
できる。
定することにより、温度上昇や経時変化によるミラー面
の傾きを補正することもできる。このような構成のガル
バノミラー9 によれば、ヨーク,磁石,コイルなど質量
の大きい要素を具備していない。したがって、従来に比
べて大幅な軽量化を図ることが可能となる。そのため、
光学ヘッド7 にガルバノミラー9 を搭載しても光学ヘッ
ド7 は軽量・小型を維持することができ、光学ヘッド7
の高速シークが可能となる。
結ぶ直線に対しほぼ平行に複数の筋状凹部40が延設され
ている。反射ミラーの揺動角度を高精度に制御しようと
する場合、揺動部25を高速で揺動駆動する必要がある
が、その際には揺動部25と第2のプレート22との間の隙
間に作用する空気の粘性抵抗を無視することができなく
なる。また、この粘性抵抗は図7中のC方向に向かって
徐々に大きくなる圧力分布を形成する。したがって、こ
の圧力差により空気の流れもC方向に向かう流れとな
る。そのため、凹部40を設けることにより空気の流れを
圧力分布の方向とほぼ直交する方向に向けることが可能
となり、C方向への圧力分布による悪影響を大幅に緩和
することができるようになる。そして、揺動部25の揺動
運動を最大限に高めることができるようになる。
もちろん良いが、揺動部25を比較的薄く作成する場合に
は凹部形成は困難となってしまう場合もある。そのよう
な場合であっても、第2のプレート22側のみに凹部を設
けるだけでも十分な効果が期待できる。
なく揺動部25自体に直接形成されているため、回転駆動
力はミラー面に直接的に作用することになる。したがっ
て、位相が180 ゜を越える共振モードの共振周波数を高
くすることができる。そのため、精度の高いトラッキン
グ制御が可能となるので、トラックピッチの狭い光ディ
スクなどにも十分に対応することができ、記録密度の向
上を図ることができる。
構成であるため、消費電力を少なくすることができ、光
学ヘッド7 に搭載される光学ユニット6 や対物レンズ10
などに与える熱的悪影響を極力回避することができる。
いられているコイルや磁石といった電磁駆動要素に対し
て、電磁力を全く必要としない静電駆動要素からなるガ
ルバノミラーを用いている。すなわち、電磁力と静電力
とを用いることにより、互いの駆動力が干渉し合うなど
といった不具合をほぼ完全に防止することができる。そ
のため、ガルバノミラー9 を光学ヘッド7 へ搭載するこ
とによる悪影響が排除できるとともに、ガルバノミラー
9 と対物レンズ10とを極めて近接した位置(例えば図1
に示すように対物レンズの真下など)に配置することも
容易となり、装置設計の自由度が大幅に改善される。そ
して、ガルバノミラーを揺動し傾けることによる光軸中
心の対物レンズ位置での移動を抑制することが可能とな
り、結果としてトラッキングおよびフォーカス制御信号
に発生するオフセットを小さくすることができ、スポッ
ト位置をより高精度に定めることが可能となる。
接合、およびコイルと揺動体との接合が接着剤などで行
われていたが、本発明では接着剤などの介在物が一切用
いられていない。そのため、コイルや磁石などで発生す
るトルクが接着層を介して伝達されることがなく、振周
波数を極めて高く設定することが可能となる。つまり、
接着部分の剛性不足によってガルバノミラーの駆動周波
数特性が劣化すること(例えば20kHz 付近に共振点を持
ち、高域までサーボをかけることができなくなってしま
うというような不都合)がないため、高周波帯域まで制
御動作を行うことが極めて容易となり、精度の高い位置
決め動作が可能になる。
の長手方向とがほぼ一致しており、しかも揺動部25(可
動部分)の質量の重心がちょうど2枚の弾性部26a,26b
を結ぶ線上の中間付近となるように構成されている。そ
のため、装置に外乱加速度が作用したとしても、揺動体
25の回転動作に影響を及ぼすことがない。
れているために、揺動部25が静電気を帯びてしまうこと
がない。そのため、浮遊するチリ等の浮遊物が反射ミラ
ーに吸着してしまう危険性が大幅に低下し、ガルバノミ
ラー9 の性能が長期間維持される。
プレート22はガラス板等の電気的絶縁材料で形成されて
いるが、例えばシリコンを主体とする半導体の表面に酸
化膜による絶縁層を設けたものを用いてもよい。このよ
うな構成であっても同様な効果が得られる。
ー面と平行な平面を110面とし、かつ電極27a,27b が
設けられる部位をエッチングによって第1のプレート21
と接合される部分より低く(溝状に)加工することによ
り、電極27a,27b の反射ミラー面に対する高い平行度を
保持しながら加工できるといった効果が得られる。すな
わち、シリコンの共有結合における110面は異方性エ
ッチングにより各原子の層が一層づつ平行度を保ちなが
らエッチングされる性質があるためである。
40は、ちょうどシリコンの111面方向と平行となるよ
うに加工されている。そのため、細長形状の弾性部26a,
26bおよび凹部40周辺を加工する際に面が荒れたり、バ
リ状のエッチングが残ったりすることがなくなる。その
ため、応力集中や負荷による弾性部26a,26b や凹部40の
破断の危険が少なくなることから、衝撃に強い製品が得
られる。また、弾性部26a,26b や凹部40自体をさらに微
細に加工することが可能となる。
なお、以下の各実施例の説明においては、前述の第1実
施例と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明
を省略する。
ミラーの第2のプレートの表面を示す斜視図である。本
実施例が第1実施例と異なる点は、電極の形状にある。
すなわち、本実施例の電極27a,27b は櫛歯のように一端
が開放された形状とはなっておらず、その周囲が包囲さ
れた(全体的に閉じた)形状となっている。
ても、前述の実施例と同様の効果を得ることができる。
続いて、本発明の第3実施例を説明する。図9は本発明
の第3実施例に係るガルバノミラーの第1のプレートの
裏面を示す斜視図である。本実施例が第1実施例と異な
る点は、揺動部25裏面の形状にある。すなわち、本実施
では揺動部25裏面に複数の溝41が刻設されている。ここ
で溝41は前記凹部40の延設される方向と直交する方向に
向かって形成されているが、必ずしも直交の関係である
必要はなく、凹部40の延設方向と交差するように形成さ
れていればよい。
度の厚みのシリコンウエハから製作するような場合に
は、凹部40に相当するような深い溝を形成しようとして
も反射ミラー面に貫通してしまい、実質的に形成不可能
となってしまう。そこで、揺動部25の厚みに対して十分
に浅い凹部42を形成してある。
部25の揺動運動によりわずかに発生する図9中D方向に
向かう空気の流れに対しても凹部42の機能を適用させる
ことができる。そのため、前述の凹部40の場合とは90
°異なる方向に対しても圧力分布を緩和することがで
き、揺動運動をさらに高めることができるようになる。
25の揺動運動時の変形(揺動軸を中心として反り返るよ
うな変形)に対しても比較的剛性を保つことができる方
向に刻設されている。したがって、ガルバノミラー9 の
制御動作の安定性を維持することができる。
図10は本発明の第4実施例に係るガルバノミラーの第2
のプレートの表面を示す斜視図である。本実施例が第2
実施例と異なる点は、電極の形状にある。すなわち、本
実施例の電極27a,27b は櫛歯形状となっていものの、そ
の長手方向は揺動軸の方向とは一致しておらず、揺動軸
を中心に外側に膨らんだ湾曲形状に形成されている。
27a,27b の櫛歯の方向が揺動軸方向およびこれと直交す
る方向の両方のベクトル成分を持つことになる。そのた
め、第1実施例(図7)で得られる効果と第3実施例
(図9)で得られる効果を相乗した効果を期待すること
ができる。この場合、揺動部25側に凹部を設ける必要が
なくなるため、揺動部25の一層の薄型化に寄与すること
ができる。
図11は本発明の第5実施例に係るガルバノミラーの第2
のプレートの表面を示す斜視図である。本実施例が第2
実施例と異なる点は、電極の形状にある。すなわち本実
施例の電極27a,27b は、揺動軸と直交する方向に刻設さ
れた複数の切り込み43を設けている。また、第2のプレ
ート22側の切り込み43に対応する箇所も溝状に刻設され
ている。
述の第4実施例と同じように、第1実施例で得られる効
果と第3実施例で得られる効果を相乗した効果を期待す
ることができる。
2プレート22側に切り込み43を設けても同様の効果が得
られる。なお、本発明は上述した各実施例および変形例
に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施できることは言うまでもない。
量・小形な構成のガルバノミラー、および高速シークが
可能な光ディスク装置が実現する。
断面図。
2のプレートの表面を示す斜視図。
1のプレートの裏面を示す斜視図。
第2のプレートの表面を示す斜視図。
第2のプレートの表面を示す斜視図。
Claims (10)
- 【請求項1】反射ミラーを備えた揺動体と、 一端が前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に
吊設支持する一対の支持部材と、 前記支持部材の他端が接続されるとともに前記揺動体と
対向配置される固定部と、 前記揺動体を静電力で駆動するための電極と、を有する
ガルバノミラーにおいて、 前記揺動体と前記固定部の対向部位の少なくとも一方
に、前記一対の支持部材を結ぶ直線にほぼ平行な方向に
沿って凹部が延設されていることを特徴とするガルバノ
ミラー。 - 【請求項2】前記凹部は前記固定部側に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のガルバノミラー。 - 【請求項3】前記凹部との対向部位には、前記一対の支
持部材を結ぶ直線にほぼ直交する方向に沿って凹部が延
設されていることを特徴とする請求項1記載のガルバノ
ミラー。 - 【請求項4】前記凹部は、その一部が、前記一対の支持
部材を結ぶ直線にほぼ直交する方向のベクトル成分を有
する形状をなしていることを特徴とする請求項1記載の
ガルバノミラー。 - 【請求項5】前記凹部は湾曲形状をなる部分を有してい
ることを特徴とする請求項4記載のガルバノミラー装
置。 - 【請求項6】レーザ光を発生する光源と、 前記光源からのレーザ光を反射するガルバノミラーと、 前記ガルバノミラーにより反射したレーザ光を受け、光
ディスクに焦点を形成する対物レンズと、 前記ガルバノミラーおよび前記対物レンズを搭載するキ
ャリッジと、 前記キャリッジを前記光ディスクの径方向に駆動する駆
動手段と、 前記光ディスクからの反射光を処理して前記駆動手段へ
の駆動信号および前記光ディスクからの再生信号を生成
する信号処理手段と、を有する光ディスク装置におい
て、前記ガルバノミラーは、 反射ミラーを備えた揺動体と、 一端が前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に
吊設支持する一対の支持部材と、 前記支持部材の他端が接続されるとともに前記揺動体と
対向配置される固定部と、 前記揺動体を静電力で駆動するための電極とを有し、 前記揺動体と前記固定部の対向部位の少なくとも一方
に、前記一対の支持部材を結ぶ直線にほぼ平行な方向に
沿って凹部が延設されていることを特徴とする光ディス
ク装置。 - 【請求項7】前記凹部は前記固定部側に設けられている
ことを特徴とする請求項6記載の光ディスク装置。 - 【請求項8】前記凹部との対向部位には、前記一対の支
持部材を結ぶ直線にほぼ直交する方向に沿って凹部が延
設されていることを特徴とする請求項6記載の光ディス
ク装置。 - 【請求項9】前記凹部は、その一部が、前記一対の支持
部材を結ぶ直線にほぼ直交する方向のベクトル成分を有
する形状をなしていることを特徴とする請求項6記載の
光ディスク装置。 - 【請求項10】前記凹部は湾曲形状をなる部分を有して
いることを特徴とする請求項9記載の光ディスク装置。
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