JPH09145902A - 着色型反射防止膜 - Google Patents

着色型反射防止膜

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JPH09145902A
JPH09145902A JP7329710A JP32971095A JPH09145902A JP H09145902 A JPH09145902 A JP H09145902A JP 7329710 A JP7329710 A JP 7329710A JP 32971095 A JP32971095 A JP 32971095A JP H09145902 A JPH09145902 A JP H09145902A
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antireflection film
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Naoki Takamiya
直樹 高宮
Makoto Nakao
誠 中尾
Shinichi Tanaka
伸一 田中
Kazumichi Mori
一倫 森
Atsumi Wakabayashi
淳美 若林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な反射防止能を有し、目に非常に優しい
自然光に近い光が得られる反射防止膜を提供する。 【解決手段】 透明基材の面上に形成された単層または
多層の透明膜からなる反射防止膜であって、該単層透明
膜中または該多層透明膜の少くとも最外層中に光吸収剤
が含有され、且つ光吸収剤を含有する該単層透明膜の屈
折率または該多層透明膜の最外層の屈折率が、それぞ
れ、隣接する透明基材の屈折率または隣接する層の屈折
率より0.01以上低いことを特徴とする着色型反射防
止膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反射を防止または低
減せしめるための着色型反射防止膜に関する。本発明の
反射防止膜は、自然光に近い、目に優しい光が得られる
という特徴を有し、陰極線管、液晶表示板などのディス
プレイ画面の反射防止および計器板の前面ガラス、自動
車ガラスなどの外光映り込みが問題となる透明板の反射
防止に有用である。
【0002】
【従来の技術】陰極線管、液晶表示板などのディスプレ
イ装置は産業用および民生用の分野で多用されており、
画質の向上もめざましいが、画面上に照明灯などの外光
が映り込むことにより、画質を劣化させることが多い。
また、計器、時計の前面板、自動車のフロントガラスな
どの透明性も外光の反射により損なわれ、問題となって
いる。
【0003】上記の問題点を解決するには、表面の反射
率を低下させることが効果的であり、このための手段と
して屈折率の異なる透明膜を基板表面上に積層する方法
が採られている。しかしながら、充分な反射防止効果を
得るためには、少なくとも3層以上の多層膜とする必要
があり、そのような多層膜は生産性が悪く、製造コスト
が高いことが普及の妨げとなっている。
【0004】特開平5−203804号には、基板上に
形成された第1の透明膜とさらにその上に形成された第
2の透明膜において、第1の透明膜中に適当な色素を含
有させることによって、可視領域における分光透過率の
最小となる波長と分光反射率の最小となる波長をほぼ一
致させ、ひいては、より広帯域にわたり反射防止効果が
得られるように構成した反射防止膜が記載されている。
しかしながら、この反射防止膜は、特定の波長の干渉光
が強く発現するため、特定の色が強く目に映り、ディス
プレイを長時間見続けると目の疲労を招き易い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の反射防止透明膜の課題を解決して、良好な反射防止能
を有し、生産性に優れ且つ製造コストが低く、しかも、
特定の波長の干渉光が強く発現することがなく、目に非
常に優しい自然光に近い光が得られる着色型反射防止膜
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、透明基材
の面上に形成された単層または多層の透明膜からなる反
射防止膜であって、該単層透明膜中または該多層透明膜
の少くとも最外層中に光吸収剤が含有され、且つ光吸収
剤を含有する該単層透明膜の屈折率または該多層透明膜
の最外層の屈折率が、それぞれ、隣接する透明基材の屈
折率または隣接する層の屈折率より0.01以上低いこ
とを特徴とする着色型反射防止膜によって達成される。
【0007】好ましくは、(1)1.45〜2.10の
屈折率を有するガラス、プラスチックなどの透明基材の
面上に形成された、該屈折率より0.01以上低い屈折
率を有し、且つ光吸収剤を含有する単層の透明膜からな
る着色型反射防止膜、または、(2)透明基材の面上に
形成された多層の透明膜からなり、その少くとも最外層
に光吸収剤が含有され、且つ、該最外層の屈折率が隣接
する層の屈折率より0.01以上低く、該隣接層の屈折
率が1.45〜2.10である着色型反射防止膜によっ
て達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の着色型反射防止膜は、単
層反射防止膜と2以上の層からなる多層反射防止膜とに
区分される。反射防止膜において、ガラス、プラスチッ
クなどの透明基材の表面に屈折率が1.45〜2.10
である第1の透明膜を密着して形成し、さらにその上
に、第1の透明膜の屈折率より0.01以上低い屈折率
を有する第2の透明膜(最外層)を密着して形成するこ
とによって、または、屈折率が1.45〜2.10であ
る透明基材の表面に該屈折率より0.01以上低い屈折
率を有する単層の透明膜を密着して形成することによっ
て、ある程度の反射防止効果を得ることができる。しか
しながら、反射光のスペクトルには波長依存性が強く出
現し、反射光が着色するのみならず、可視光線の広い範
囲にわたって十分な反射防止膜効果を得ることができな
い。従って、目視では、十分な反射防止ないし低減特性
を達成することができない。
【0009】第1の透明膜および第2の透明膜(最外
層)の屈折率または単層の透明膜の屈折率を上記のよう
に選定することに加えて、少なくとも最外層の透明膜ま
たは単層の透明膜に光吸収剤を含有せしめると、基材と
第1の透明膜との界面、第1の透明膜と第2の透明膜と
の界面、および第2の透明膜の表面より反射する光のバ
ランスが調節され、または、基材と単層の透明膜との界
面および単層の透明膜の表面より反射する光のバランス
が調節され、結果として反射スペクトルが改良され、且
つ、反射率が低下する。
【0010】透過光の着色をできるだけ避け、十分な反
射防止効果を得るととともに、目に優しい光を得るため
に、多層反射防止膜においては光吸収剤を少くとも最外
層中に配合し、また単層反射防止膜においては光吸収剤
を該単層膜中に配合することが重要である。多層透明膜
においては、最外層のみでなく、他の透明膜層中に光吸
収剤を配合することもできる。しかしながら、多層透明
膜の組合せによっては、単に透過光が着色するのみで十
分な反射防止効果が得られない場合がある。特に、最外
層に比べて、他の光吸収剤配合透明膜層の吸光度が高い
場合は十分な反射防止効果の向上が見られず、単に透過
率が低下するのみである。従って、多層透明膜において
は、光吸収剤は、最外層のみに配合するか、または他の
透明膜層の吸光度が最外層のそれより高くならない範囲
において、各透明膜層に配合しなければならない。
【0011】多層反射防止膜を構成する透明膜の層数は
格別限定されないが、均一な膜を積層することの煩雑さ
および製造コストを考慮すると、二層で構成することが
好ましい。単層反射防止膜における単層透明膜と基材と
の屈折率差および多層反射防止膜における最外層と隣接
層との屈折率差はいずれも0.01以上であることが必
要であり、好ましくは0.1以上である。屈折率差が
0.01未満では十分な反射防止効果が得られない。
【0012】単層透明膜に配合する、または多層透明膜
の最外層に配合する光吸収剤としては最大吸収波長Lの
あるものを用いることができる。そのような光吸収剤が
含まれない場合、波長(横軸)と反射率(縦軸)との関
係をあらわすグラフは多くの場合V字型となり、可視光
線の広い範囲にわたって十分な反射防止効果を得ること
ができないため、V字型の底点に相当する可視光波長L
(nm)以外の可視光を主として吸収する光吸収剤を配
合することが好ましく、最大吸収波長Lが約400〜8
00nmである光吸収剤はこの要求に応えるのに好適で
ある。
【0013】特に最大吸収波長Lが550nm±50n
mにある時、反射スペクトルの改良効果が最も顕著に認
められ、例えば、ジオキサジンバイオレットを用いた場
合、約0.004absの吸光度より効果が現われ、
0.01abs以上の吸光度においてその効果は著しく
なる。反射防止膜の膜厚は、単層膜の場合は20〜15
0nmの範囲が好ましく、また、多層膜の場合は、最外
層が20〜150nmの範囲、それに隣接する高屈折率
層が40〜200nmの範囲であることが望ましい。
【0014】反射防止透明膜を作製するための材料とし
ては、屈折率および最大吸収波長Lが上記の要件を満た
し且つ透明な膜を形成することができる材料が用いられ
る。そのような材料としては、例えば、シリカ化合物、
多孔質シリカ、チタン化合物、スズ化合物、インジウム
化合物、ジルコニウム化合物などの無機化合物、および
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、エ
ポキシ樹脂などの有機材料が挙げられる。これらは単独
でも、または2以上を組合せて用いることができる。
【0015】単層膜または多層膜の最外層を構成する材
料としては、それぞれ、隣接する基材または隣接する層
を構成する材料より屈折率が0.01以上低い材料を用
いなければならない。そのように屈折率が低い材料の好
ましい例としてはシリカ化合物が挙げられる。シリカ化
合物は屈折率が低い(SiO2=1.46) ことに加え
て、硬化剤としての機能も併有するので好都合である。
【0016】光吸収剤としては、例えば、モノアゾピグ
メント、キナクリドン、アイアン・オキサイド・イエロ
ー、ジスアゾピグメント、フタロシアニングリーン、フ
タロシアニンブルー、シアニンブルー、フラバンスロン
エロー、ジアンスラキノリルレッド、インダンスロンブ
ルー、チオインジゴボルドー、ペリノンオレンジ、ペリ
レンスカーレット、ペリレンレッド178、ペリレンマ
ルーン、ジオキサジンバイオレット、イソインドリノン
エロー、キノフタロンエロー、イソインドリンエロー、
ニッケルニトロソエロー、マダーレーキ、銅アゾメチン
エロー、アルカリブルー、亜鉛華、酸化チタン、弁柄、
酸化クロム、チタンエロー、コバルトブルー、セルリア
ンブルー、コバルトグリーン、アルミナホワイト、ビリ
ジアン、カドミウムエロー、カドミウムレッド、朱、リ
トポン、黄鉛、モリブデートオレンジ、クロム酸亜鉛、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、鉛
白、群青、マンガンバイオレット、コバルトバイオレッ
ト、エメラルドグリーン、紺青、金属粉などの有機およ
び無機顔料、ならびにアゾ染料、アントラキノン染料、
インジゴイド染料、フタロシアニン染料、カルボニウム
染料、キノンイミン染料、メチン染料、キノリン染料、
ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフト
キノン染料、ナフタルイミド染料、ベリノン染料などの
染料が挙げられる。これらの光吸収剤は単独で、また
は、二つ以上を組合せて用いることができる。
【0017】光吸収剤配合透明膜の吸光度Aは下記式で
表わされる。 A=log10(I0/I)=εCD (式中、I0:入射光、I:透過光、C:色濃度、D:
光距離(膜厚)、ε:モル吸光係数) 本発明では、一般に、モル吸光係数ε>104の光吸収
剤が用いられる。また、光吸収剤の配合量は、使用する
光吸収剤の吸光度に依存して変るが、一般に、光吸収剤
を配合した多層透明膜の最外層および単層透明膜の吸光
度のピーク値A1が0.0004〜3abs.の範囲と
なるような量であることが望ましい。より好ましい吸光
度のピーク値は0.01〜1の範囲である。これらの要
件が満たされないと透明度および/または反射防止効果
が低下する。
【0018】上記のように単層膜中または多層膜の最外
層中に光吸収剤が配合されるが、この光吸収剤に加えて
別異の黒色系光吸収剤を併用することもできる。黒色系
光吸収剤を単層膜中または多層膜中の任意の層中に配合
することによって、本発明の反射防止膜を、例えば、ブ
ラウン管映像面上に形成したとき、コントラストのよい
映像を得ることができる。特に、黒色系光吸収剤を多層
膜中の最外層に隣接する高屈折率層中に配合すると映像
コントラストの向上のみならず、反射防止効果がより向
上するので好ましい。
【0019】上記のような黒色系光吸収剤としては、可
視領域(400〜800nm)に吸収波長のピークがな
く、可視領域400〜800nmの全体に亘って透過率
を低下する作用を示すものを用いることができる。その
ような黒色系光吸収剤の具体例としては、カーボンブラ
ック、黒色系金属粉、黒色系金属酸化物、黒色系染料な
どが挙げられるが、安定性、経済性および導電性の面か
らカーボンブラックが最良である。黒色系光吸収剤の配
合量は、一般に、反射防止膜の重量に対して50重量%
以下、好ましくは1〜20重量%である。
【0020】本発明の反射防止膜には、本発明の目的が
達成される限り、種々の材料を加えることができる。例
えば、単層膜中に、または多層膜の任意の少なくとも一
層中に、アンチモンをドープした酸化スズ粉末、スズを
ドープした酸化インジウム粉末および金属粉末の中から
選ばれた少なくとも一種を透明膜形成材料の一部として
配合すると、帯電防止性に優れ、可視光線の散乱を抑制
し、且つ、十分密度の高い透明膜を得ることができる。
特に、塗布法によって膜を作製する場合にこの利点はよ
り大きい。
【0021】ドープされるアンチモンまたはスズの量は
通常1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%であ
る。また、これら酸化スズ粉末および/または酸化イン
ジウム粉末の配合量は、反射防止膜の重量に対して通常
80重量%以下、好ましくは20〜60重量%が用いら
れる。また、金属粉末としては、銀、金、銅などの10
°s/cm以上の導電性を有し、且つ一次粒子の平均粒
径が0.1μm以下である金属粉末が用いられ、その配
合量は、反射防止膜の重量に対して通常80重量%以
下、好ましくは10〜60重量%である。
【0022】単層膜中または多層膜の最外層中には多孔
質シリカを配合することが好ましく、特に平均粒径が1
〜100nmおよび屈折率が1.2〜1.4の多孔質シ
リカを配合することが好ましい。多孔質シリカを含有せ
しめることによって、反射率を低減させる効果が助長さ
れる。透明性反射防止膜を構成する材料粒子および光吸
収剤粒子の粒径は膜厚以下であれば格別限定されるもの
ではないが、可視光線の光散乱を抑制し且つ十分密度の
高い膜を得るには平均粒径が100nm以下であること
が好ましい。
【0023】光吸収剤を配合した単層膜または多層膜の
最外層のさらに外表面上に薄い補助膜を形成することが
できる。補助膜としては、保護用ハードコートを主たる
目的として形成される膜層0.02μm未満の薄膜、お
よび外光を散乱させることを主たる目的として形成され
る外表面に凹凸を有する、凸部の膜層が0.1μm未満
である薄膜などが挙げられる。
【0024】また、外光を散乱させることを目的とし
て、外表面に凹凸を有する薄い補助膜を形成することに
替えて、光吸収剤を配合した単層膜の外表面または多層
膜の最外層の外表面自体に凹凸を形成することもでき
る。本発明の反射防止膜が形成される基材としては、テ
レビ陰極線管、液晶表示板などのディスプレイ、ならび
に計器、時計などの前面板が例示され、この基材は透明
な無機ガラスまたはプラスチックからなる。
【0025】本発明の透明性反射防止膜を形成する方法
としては、従来から用いられている種々の方法を採るこ
とができる。すなわち、スパッタリング法、蒸着法およ
び塗布方法などが採られる。これらの中でも、安価で膜
の作製が容易な塗布法が好ましく、特に、スプレー法、
スピンコート法、ディップ法、グラビア法などが一般に
好ましい。また、成膜時の硬膜条件(加熱温度、時間)
などは通常の塗布技術によって選定される。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例について具体的に説明
する。各実施例および比較例で得られた透明材料積層体
の特性は、以下のように測定した。 (1)表面抵抗率は三菱油化(株)製Model MC
P−T4000四端子表面抵抗計を用いて測定した。 (2)ヘーズおよび全光線透過率は東京電色(株)製M
odel TC−HIIIDPヘーズメータを用いて測定
した。
【0027】(3)表面反射率は、入射角5度の正反射
治具を用いて日本分光(株)製Ubest−50分光光
度計により測定した。 (4)密着性は、ライオン(株)製消しゴムNo.50
を用いて1kgfの荷重をかけて表面を摩擦しながら2
0回往復運動せしめ、表面損傷の発生を目視観察し、評
価した。
【0028】実施例1 (1)光吸収剤含有透明膜形成用塗料(a)を下記のよ
うに調製した。テトラエトキシシラン2.8gと塩酸
0.004g、エチルアルコール95.27gおよび水
1.9gを混合して均一な溶液とした後、バイオレット
顔料(東洋インキ製造社製:商標LIONOGEN V
IOLET R6200)0.02gと分散剤(ビック
ケミージャパン社製:商標Disperbyk−19
0)0.004gを添加し、超音波ホモジナイザー(セ
ントラル科学貿易社製:ソニファイヤー450)で10
分間処理して、均一な分散液とした。
【0029】(2)黒色顔料含有高屈折率膜形成用塗料
(b)を下記のように調製した。スズドープ酸化インジ
ウム微粉末(住友大阪セメント製)2.7g、カーボン
ブラック(三菱化学社製:商標MA−100)0.2
g、ブチルセロソルブ20g、分散剤(日本油脂社製:
商標ポリスターOM)0.16gおよび水76.74g
をサンドミルを用いて150分間分散混合を行い、均一
な分散液とした。
【0030】(3)積層体の製造 ガラス基板上に、面温40℃において、前記塗料(b)
をスピンコート法により塗布し、50℃の温風により1
分間乾燥した。0.1μmの厚さを有する黒色顔料含有
高屈折率膜が形成された。次に、このガラス基板の黒色
顔料高屈折率膜上に40℃において、塗料(a)をスピ
ンコート法により塗布し、50℃の温風により乾燥し、
これに160℃で20分間の焼き付け処理を施して厚さ
0.1μmの光吸収剤含有透明膜を形成した。得られた
着色反射防止膜の評価結果を表1に示すとともに、着色
反射防止膜の反射スペクトルを図1(曲線E1)に示
す。
【0031】実施例2 実施例1と同様な操作を行った。ただし、黒色顔料含有
高屈折率膜形成用塗料(b)の組成をスズドープ酸化イ
ンジウム3.0g、ブチルセロソルブ15g、分散剤
0.17g、水81.43gに変えた。着色反射防止膜
の評価結果を表1に示すとともに、その反射スペクトル
を図2(曲線E2)に示す。
【0032】比較例1 実施例2と同様な操作を行った。ただし、塗料(a)の
替わりに、下記のように調製した塗料(c)を用いた。
テトラエトキシシラン2.8gと塩酸0.004g、エ
チルアルコール95.29gおよび水1.9gを混合し
て均一な溶液とした。着色反射防止膜の評価結果および
反射スペクトルをそれぞれ表1および図3(曲線C1)
に示す。
【0033】実施例3 実施例1と同様な操作を行った。ただし、塗料(b)中
のスズドープ酸化インジウム量を2.9gとし、カーボ
ンブラックを無添加とした高屈折率膜形成用塗料(d)
を調製し、これを塗料(b)の替わりに用いた。着色反
射防止膜の評価結果を表1に示すとともに、その反射ス
ペクトルを図4(曲線E3)および図5(曲線E3)に
示す。
【0034】実施例4 実施例3と同様な操作を行った。ただし、光吸収剤含有
透明膜形成用塗料(a)の替わりに、下記のように調製
した光吸収剤含有低屈折率膜形成用塗料(e)を用い
た。テトラエトキシシラン2.5gと塩酸0.004
g、エチルアルコール95.61gおよび水1.7gを
混合して均一な溶液とした後、バイオレット顔料0.0
2gと分散剤(ビックケミージャパン社製:商標Dis
perbyk−190)0.004gおよび多孔質シリ
カ(住友大阪セメント社製)0.16gを添加し、超音
波ホモジナイザーで10分間処理して均一な分散液とし
た。着色反射防止膜の評価結果を表1に示すとともに、
その反射スペクトルを図5(曲線E4)に示す。
【0035】比較例2 実施例3と同様な操作を行った。ただし、塗料(a)の
替わりに塗料(c)を用いた。着色反射防止膜の評価結
果を表1に示すとともにその反射スペクトルを図4(曲
線C2)に示す。
【0036】実施例5 実施例1と同様な操作を行った。ただし、塗料(b)を
用いず、塗料(a)による単層コートとした。着色反射
防止膜の評価結果を表1に示すとともに、その反射スペ
クトルを図6(曲線E5)に示す。
【0037】実施例6 実施例5と同様な操作を行った。ただし、塗料(a)の
替わりに塗料(e)を用いた。着色反射防止膜の評価結
果を表1に示すとともに、その反射スペクトルを図7
(曲線E6)に示す。
【0038】比較例3 実施例5と同様な操作を行った。ただし、塗料(a)の
替わりに塗料(c)を用いた。着色反射防止膜の評価結
果を表1に示すとともに、その反射スペクトルを図6
(曲線C3)および図7(曲線C3)に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の着色型反射防止膜は、良好な反
射防止能を有し、生産性がよく、しかも、目に特に優し
い自然光に近い光が得られる。この着色型反射防止膜
は、例えば、テレビ陰極線管、液晶表示板などのディス
プレイ、および計器、時計などの前面板に形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明の反射防止膜の反射
スペクトル。
【図2】実施例2で得られた本発明の反射防止膜の反射
スペクトル。
【図3】比較例1で得られた反射防止膜の反射スペクト
ル。
【図4】実施例3で得られた本発明の反射防止膜および
比較例2で得られた反射防止膜の反射スペクトル。
【図5】実施例3および実施例4で得られた本発明の反
射防止膜の反射スペクトル。
【図6】実施例5で得られた本発明の反射防止膜および
比較例3で得られた反射防止膜の反射スペクトル。
【図7】実施例6で得られた本発明の反射防止膜および
比較例3で得られた反射防止膜の反射スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 一倫 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 若林 淳美 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材の面上に形成された単層または
    多層の透明膜からなる反射防止膜であって、該単層透明
    膜中または該多層透明膜の少くとも最外層中に光吸収剤
    が含有され、且つ光吸収剤を含有する該単層透明膜の屈
    折率または該多層透明膜の最外層の屈折率が、それぞ
    れ、隣接する透明基材の屈折率または隣接する層の屈折
    率より0.01以上低いことを特徴とする着色型反射防
    止膜。
  2. 【請求項2】 該隣接する透明基材の屈折率または該隣
    接する層の屈折率が1.45〜2.1である請求項1記
    載の着色型反射防止膜。
  3. 【請求項3】 光吸収剤が有機顔料、無機顔料および染
    料の中から選ばれた少くとも一種を含む請求項1または
    2記載の着色型反射防止膜。
  4. 【請求項4】 該単層透明膜が、または該多層透明膜中
    の任意の少くとも一つの層がアンチモンをドープした酸
    化スズ粉末、スズをドープした酸化インジウム粉末およ
    び金属粉末の中から選ばれた少くとも一種の粉末を含む
    請求項1〜3のいずれかに記載の着色型反射防止膜。
  5. 【請求項5】 該単層透明膜が、または該多層透明膜中
    の任意の少くとも一つの層が請求項1に記載の光吸収剤
    とは別異の黒色系光吸収剤を含む請求項1〜4のいずれ
    かに記載の着色型反射防止膜。
  6. 【請求項6】 該単層透明膜中に、または該多層の透明
    膜の最外層中に多孔質シリカが含有されている請求項1
    〜5のいずれかに記載の着色型反射防止膜。
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JP2014092632A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Olympus Corp 内面反射防止用塗料および光学素子の製造方法

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