JPH09144842A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH09144842A
JPH09144842A JP30150895A JP30150895A JPH09144842A JP H09144842 A JPH09144842 A JP H09144842A JP 30150895 A JP30150895 A JP 30150895A JP 30150895 A JP30150895 A JP 30150895A JP H09144842 A JPH09144842 A JP H09144842A
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JP
Japan
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conical
differential
gear
clutches
force
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JP30150895A
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English (en)
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Shinji Yamazaki
伸司 山崎
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円錐クラッチの角度を小さくせずに大きな差
動制限力を得ると共に、円錐クラッチ部の摩耗を少なく
し、摩耗や加工誤差の調整を容易にする。 【解決手段】 エンジンにより回転駆動されるデフケ−
ス3と、ケ−ス3の回転をピニオンギヤ15の第1のギ
ヤ部15aを介してサイドギヤ17、19から出力する
ベベルギヤ式の差動ギヤ機構25と、ケ−ス3とギヤ1
7、19との間にに形成された円錐クラッチ35、37
と、円錐クラッチ35、37の間に挟み込まれピニオン
ギヤ15の第2のギヤ部15bと噛み合うと共に、円錐
クラッチ35、37と異なった曲率を有する摩擦板39
とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に用いられ
るデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭47−10484号公報に図3の
ようなデファレンシャル装置201が記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置201は、デフ
ケ−ス203に固定されたピニオンシャフト205と、
ピニオンシャフト205上に回転自在に支承されたピニ
オンギヤ207と、ピニオンギヤ207と噛み合う出力
側サイドギヤ209、211とからなるベベルギヤ式の
差動機構213と、差動制限用の円錐クラッチ215、
217と、各円錐クラッチ215、217に押圧力を与
えるコイルばね219などから構成されており、サイド
ギヤ209、211は車軸221、223と各別にスプ
ライン連結されている。円錐クラッチ215、217
は、それぞれクラッチ部材225、227とデフケ−ス
203との間に形成されており、各クラッチ部材22
5、227は車軸219、221にスプライン連結され
ている。
【0004】各サイドギヤ209、211にはピニオン
ギヤ207との噛み合い反力が掛かり、この噛み合い反
力により各円錐クラッチ215が締結され、差動機構2
13の差動が制限される。
【0005】エンジンからデフケ−ス203に入力する
駆動トルク(Tr)はピニオンギヤ207から各サイド
ギヤ209、211を介して等分され、それぞれの車輪
に(Tr/2)の駆動トルクが送られる。
【0006】このとき、例えば、サイドギヤ209側の
車輪が空転すると、サイドギヤ209側円錐クラッチ2
15の摩擦トルク(Tc)はピニオンギヤ207から各
サイドギヤ209、211を介して等分され、それぞれ
の車輪に(Tc/2)の摩擦トルクが送られる。このと
き、デフケ−ス203より先行回転しようとするサイド
ギヤ209は円錐クラッチ215の摩擦トルク(Tc)
によって制動されるから、サイドギヤ209側に送られ
る摩擦トルクは(Tc/2−Tc=−Tc/2)にな
る。
【0007】従って、サイドギヤ211側車輪に送られ
るトルクは(Tr/2+Tc/2)になり、サイドギヤ
209側車輪に送られるトルクは(Tr/2−Tc/
2)になる。一方の車輪が空転したときグリップ側の車
輪と空転側の車輪とに送られる駆動力の比(トランスフ
ァレシオ)をRtとし、デファレンシャル装置201の
Rtを(TBRt1)とすると、TBRt1=(Tr/
2+Tc/2)/(Tr/2−Tc/2)になる。
【0008】又、各円錐クラッチ215、217はコイ
ルばね219の押圧力によってイニシャルトルク(一定
の差動制限力)が与えられており、車両の発進時に駆動
輪の空転を防止して駆動力ロスを低減すると共に、車体
を安定させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このデファ
レンシャル装置201では、サイドギヤ209、211
とデフケ−ス203との差動回転が各円錐クラッチ21
5、217にそのまま入るから、摺動回転速度が大き
く、摩耗し易い。
【0010】また、デフケ−ス203とサイドギヤ20
9、211との間に配置された円錐クラッチ215、2
17はS−H型であり、その差動制限力はサイドギヤ2
09、211の間で差動を制限するS−S型差動制限機
能の半分である。
【0011】そこで、トランスファレシオ:TBRt1
を大きくするには摩擦トルク(Tc)を強化する必要が
あるが、摩擦トルク(Tc)を強化するには円錐クラッ
チ215、217の角度αを小さくする必要がある。
【0012】しかし、図4に示したように、実線で描い
た大角度α1の円錐クラッチと破線で描いた小角度α2
の円錐クラッチとを較べると、摩耗あるいは加工誤差に
よる隙間aが同じでも、ピニオンギヤ207と各サイド
ギヤ209、211のバックラッシ方向の誤差をbとす
ると、小角度α2の円錐クラッチでの誤差b2は、大角
度α1の円錐クラッチでの誤差b1より大幅に大きくな
る。
【0013】このように、円錐クラッチでは角度αを小
さくする程、摩耗や加工誤差に対するバックラッシ誤差
bの感度が高くなるから、角度αを小さくして差動制限
力を強化することが難しい。
【0014】更に、円錐クラッチ215、217だけで
はイニシャルトルクが発生しないから、デファレンシャ
ル装置201ではイニシャルトルクを得るためにコイル
ばね219が用いられており、それだけ部品点数が多
い。
【0015】そこで、この発明は、ギヤの噛み合い反力
で差動制限用の円錐クラッチを作動させるデファレンシ
ャル装置であって、円錐クラッチの角度を小さくせずに
大きな差動制限力が得られ、円錐クラッチ部の摩耗が少
なく、円錐クラッチの摩耗や加工誤差の調整が容易なデ
ファレンシャル装置、及び、これらの効果に加えて、専
用部材を用いずにイニシャルトルクが得られるデファレ
ンシャル装置の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケ−スと、デフケ−スの回転をピニオンギヤの第1の
ギヤ部を介して一対の出力側サイドギヤから出力するベ
ベルギヤ式の差動ギヤ機構と、デフケ−ス側に一体に形
成された円錐面と両サイドギヤ側に一体に形成されデフ
ケ−ス側の円錐面に貫入した円錐面とからなる円錐クラ
ッチと、デフケ−スと両サイドギヤの各円錐面の間に挟
み込まれると共に、それぞれピニオンギヤの第2のギヤ
部と噛み合う摩擦板とを備えたことを特徴とする。
【0017】サイドギヤの噛み合い反力は各円錐クラッ
チを締結して、デフケ−スとの間で各サイドギヤの差動
を制限するS−H型の差動制限力が得られる。これに加
えて、各円錐クラッチの円錐面の間にはピニオンギヤの
第2のギヤ部と噛み合う摩擦板が挟み込まれているか
ら、この摩擦板を介してピニオンギヤが制動され、差動
制限力が得られる。この差動制限力は摩擦板を介して両
方のサイドギヤの間で働くから、S−S型の差動制限力
である。
【0018】このように、従来のS−H型の差動制限力
に加えて、S−S型の差動制限力が得られ、差動制限力
は大幅に強化される。
【0019】従って、差動制限力を強化するために円錐
クラッチの角度を小さくする必要がなく、差動制限力を
同じ大きさにする場合は円錐クラッチの角度をより大き
くすることができるから、摩耗や加工誤差に対するバッ
クラッシ誤差の感度をそれだけ低くできる。従って、各
ギヤの噛み合い状態を良好に保ち、差動ギヤ機構の耐久
性を高めることができる。また、円錐クラッチの加工が
容易になり、低コストになる。
【0020】これに加えて、異なった厚さの摩擦板を用
意し、適正な厚さの摩擦板を選んで用いれば、円錐クラ
ッチの摩耗や加工誤差の修正が可能であり、こうするこ
とによってバックラッシが更に適正に調整されて差動ギ
ヤ機構の耐久性が高まると共に、円錐クラッチの加工が
更に容易になる。
【0021】また、各円錐クラッチの円錐面の間に摩擦
板を挟み込んだことにより、この摩擦板と各円錐面との
摺動速度が、従来例の円錐クラッチ部と較べて小さくな
り、摩耗が軽減され、各円錐クラッチ及び摩擦板は高い
耐久性が得られる。
【0022】請求項2のデファレンシャル装置は、摩擦
板に各円錐面と異なった曲率が与えられたものであり、
請求項1のデファレンシャル装置と同様の効果を得る。
【0023】これに加えて、摩擦板と各円錐面の曲率が
異なっていることにより、デファレンシャル装置を組み
立てた状態で摩擦板に撓みが与えられ、撓んだ摩擦板の
ばね力によって摩擦板と各円錐面との間に摩擦抵抗が発
生し、この摩擦抵抗によりイニシャルトルクが得られ
る。
【0024】従って、図3の従来例と異なり、イニシャ
ルトルクを得るための専用ばねが不要になり、部品点数
が低減する。
【0025】
【発明の実施の形態】図1と図2とにより本発明の一実
施形態を説明する。図1、2はこの実施形態のデファレ
ンシャル装置1を示しており、このデファレンシャル装
置1は請求項1、2の特徴を備えている。なお、左右の
方向は図1、2での左右の方向であり、符号を与えてい
ない部材等は図示されていない。
【0026】デファレンシャル装置1のデフケ−ス3は
ケ−シング本体5とカバ−7とをボルトで固定して構成
されている。デフケ−ス3はデフキャリヤの内部に配置
されており、デフケ−ス3の左右のボス部9、11はぞ
れぞれベアリングを介してデフキャリヤに支承されてい
る。このデフキャリヤにはオイル溜りが形成されてい
る。
【0027】デフケ−ス3にはリングギヤがボルトで固
定されており、このリングギヤは駆動力伝達系の駆動ギ
ヤと噛み合っている。こうして、デフケ−ス3はエンジ
ンの駆動力によりこの駆動力伝達系を介して回転駆動さ
れる。
【0028】デフケ−ス3の内部にはピニオンシャフト
13が固定されており、各ピニオンシャフト13上には
ピニオンギヤ15が回転自在に支承されている。
【0029】ピニオンギヤ15の第1のギヤ部15aに
は左右から出力側サイドギヤ17、19が噛み合ってお
り、各サイドギヤ17、19はピニオンギヤ15との噛
み合いによって径方向外側から支持されている。各サイ
ドギヤ17、19は左右の車軸にスプライン連結されて
いる。
【0030】図2に示すように、ピニオンギヤ15には
その第1のギヤ部15aの外側に第2のギヤ部15bが
設けられている。デフケ−ス3にはこの第2のギヤ部1
5bの背面と摺動する球面状の摺動部23が形成されて
おり、ピニオンギヤ15の遠心力と、各サイドギヤ1
7、19との噛み合いによりピニオンギヤ15が受ける
噛み合い反力とを負担している。
【0031】こうして、ベベルギヤ式の差動ギヤ機構2
5が構成されている。
【0032】各サイドギヤ17、19の外周部には円錐
面27、29が形成され、デフケ−ス3にはこれらと対
向する円錐面31、33が形成され、円錐クラッチ3
5、37を構成している。
【0033】図1に示すように、円錐状の摩擦板39が
各円錐クラッチ35、37の円錐面27、31の間と円
錐面29、33の間に挟み込まれ、そのギヤ部39bが
それぞれ各ピニオンギヤ15の第2のギヤ部15bと噛
み合っている。また、これらの摩擦板39には円錐面2
7、31、29、33と異なった曲率が与えられてい
る。従って、デファレンシャル装置1を組み立てると、
各摩擦板39は円錐クラッチ35、37の円錐面27、
31の間と円錐面29、33の間で撓められ、ばね力が
発生する。
【0034】デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンシャフト13からピニオンギヤ15を介
してサイドギヤ17、19に分配され、各出力軸を介し
て左右の車輪に伝達される。又、例えば悪路走行中に、
各車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ15の
自転によってエンジンの駆動力は左右各側に差動分配さ
れる。
【0035】トルクの伝達中は、各サイドギヤ17、1
9が受けるピニオンギヤ15との噛み合い反力により各
円錐クラッチ35、37が締結され、これらの摩擦抵抗
によりS−H型の差動制限力が得られる。
【0036】これに加えて、各摩擦板39が円錐面2
7、31の間と円錐面29、33の間で押圧され摩擦板
39を介してピニオンギヤ15が制動され、この制動力
は摩擦板39を介して両方のサイドギヤ17、19の間
で働き、S−S型の差動制限力が得られる。
【0037】こうして、各円錐クラッチ35、37によ
るS−H型の差動制限力に加えて、摩擦板39によるS
−S型の差動制限力が得られ、差動制限力は大幅に強化
される。
【0038】デフケ−ス3に入力する駆動トルク(T
r)は、上記のように、ピニオンギヤ15から各サイド
ギヤ17、19を介して等分され、それぞれの車輪に
(Tr/2)の駆動トルクが送られる。
【0039】このとき、例えば、左サイドギヤ17側の
車輪が空転すると、デフケ−ス3より先行回転しようと
するサイドギヤ17は摩擦板39と円錐クラッチ35の
摩擦トルク(Tc)によって制動されるから、サイドギ
ヤ17にはマイナスの摩擦トルク(−Tc)が働く。ま
た、この摩擦トルクは各摩擦板39と円錐クラッチ35
を介して右サイドギヤ19の回転を促進するから、サイ
ドギヤ19にはプラスの摩擦トルク(Tc)が与えられ
る。
【0040】こうして、左サイドギヤ17側の車輪が空
転すると、サイドギヤ17側車輪にはトルク(Tr/2
−Tc)が送られ、右サイドギヤ19側車輪にはトルク
(Tr/2+Tc)が送られる。
【0041】従って、デファレンシャル装置1のトラン
スファレシオ:Rtを(TBRt2)とすると、TBR
t2=(Tr/2+Tc)/(Tr/2−Tc)にな
り、図3の従来例でのTBRt1より大きいトランスフ
ァレシオ:Rtが得られることが分かる。
【0042】これに加えて、摩擦板39のばね力により
円錐クラッチ35、37が押圧され、この押圧力によっ
てイニシャルトルクが発生し、伝達トルクや差動回転数
と無関係に常時一定の差動制限力が得られる。
【0043】デフケ−ス3には、開口41、43が設け
られており、これらの開口41、43からはオイル溜り
のオイルが直接、あるいはリングギヤの回転によって撥
ね上げられデフキャリヤの内壁で跳ね返って、デフケ−
ス3の内部に入り、差動ギヤ機構25の各ギヤ、円錐ク
ラッチ35、37及び摩擦板39の摺動部などを潤滑
し、耐久性を高める。
【0044】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0045】上記のように、デファレンシャル装置1で
は、円錐クラッチ35、37による差動制限力に加え
て、摩擦板39により差動制限力が強化され、極めて大
きな差動制限力が得られるから、差動制限力を強化する
ために円錐クラッチ35、37の角度を小さくする必要
がなく、差動制限力を同じ大きさにした場合は円錐クラ
ッチ35、37の角度をより大きくすることができる。
【0046】従って、円錐クラッチ35、37の摩耗や
加工誤差に対するバックラッシ誤差の感度がそれだけ低
くなり、各ギヤの噛み合い状態が良好に保たれ、差動ギ
ヤ機構25の耐久性が向上する。また、差動ギヤ機構2
5の各噛み合い部の噛み合い音が低減し、静粛性が向上
する。さらに円錐クラッチ35、37の加工が容易にな
り、低コストになる。
【0047】これに加えて、異なった厚さの摩擦板39
を用意し、適正な厚さのものを選んで用いれば、円錐ク
ラッチ35、37の摩耗や加工誤差を修正することが可
能であり、こうすることによってバックラッシが更に適
正に調整されて差動ギヤ機構25の耐久性が高まると共
に、円錐クラッチ35、37の加工が更に容易になる。
【0048】また、各円錐クラッチ35、37の円錐面
27、31、29、33の間に摩擦板39を挟み込んだ
ことにより、この摩擦板39と各円錐面27、31、2
9、33との摺動速度が従来例の円錐クラッチ部と較べ
て大幅に低くなり、摩耗が軽減されるから、円錐クラッ
チ35、37及び摩擦板39は高い耐久性が得られる。
【0049】更に、摩擦板39のばね力によって得られ
るイニシャルトルクが、上記の差動制限力を更に強化す
る。従って、図3の従来例と異なり、イニシャルトルク
を得るための専用ばねが不要になり、部品点数が低減す
る。
【0050】デファレンシャル装置1を用いた車両は、
その強力な差動制限機能によって運動性能が向上し、悪
路などで一方の車輪が空転すると他方の車輪に大きな駆
動力が送られて走破性が向上する。
【0051】また、デファレンシャル装置1のイニシャ
ルトルクにより、車両の発進時に駆動輪の空転が防止さ
れ、駆動力ロスが低減すると共に、車体が安定する。
【0052】なお、本実施形態において、円錐面27、
29と円錐面31、33とはそれぞれサイドギヤ17、
19とデフケース3に直接形成されているが、これらの
円錐面は別部材を設けて形成し、これらの別部材をサイ
ドギヤ17、19とデフケース3に回転不能に固定して
もよい。また、この発明のデファレンシャル装置は、フ
ロントデフ(前輪の車軸上に配置したデファレンシャル
装置)と、リヤデフ(後輪の車軸上に配置したデファレ
ンシャル装置)と、センタ−デフ(エンジンの駆動力を
前輪と後輪とに分配するデファレンシャル装置)のいず
れにも用いることができる。
【0053】
【発明の効果】上記のように、請求項1のデファレンシ
ャル装置は、ピニオンギヤの第2のギヤ部と噛み合う摩
擦板を円錐クラッチの円錐面の間に挟み込むことによ
り、デフケ−スと各サイドギヤ間のS−H型差動制限力
に加えて、摩擦板を介して両方のサイドギヤの間で働く
S−S型の差動制限力が得られ、差動制限力が大幅に強
化される。
【0054】従って、差動制限力を強化するために円錐
クラッチの角度を小さくする必要がなく、差動制限力を
同じ大きさにした場合は円錐クラッチの角度をより大き
くできるから、円錐クラッチの摩耗や加工誤差に対する
バックラッシ誤差の感度が低くなり、各ギヤの噛み合い
状態を良好に保ち、差動ギヤ機構の耐久性を高めるとと
もに噛み合い音を低減しデファレンシャル装置の静粛性
を高めることができる。また、それだけ円錐クラッチの
加工が容易になり、低コストになる。
【0055】これに加えて、適正な厚さの摩擦板を選べ
ば、円錐クラッチの摩耗や加工誤差の修正が可能であ
り、バックラッシが更に適正に調整されて差動ギヤ機構
の耐久性が高まると共に、円錐クラッチの加工が更に容
易になる。
【0056】また、各円錐クラッチに摩擦板を挟み込ん
だことにより、この摩擦板と各円錐クラッチの摺動速度
が従来例より低くなり、摩耗が軽減され、円錐クラッチ
と摩擦板は高い耐久性が得られる。
【0057】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置と同様の効果を得ると共
に、摩擦板に円錐クラッチの円錐面と異なった曲率を与
えたことにより、摩擦板に撓みが与えられ、撓んだ摩擦
板のばね力によってイニシャルトルクが得られる。
【0058】従って、従来例と異なり、イニシャルトル
クを得るための専用ばねが不要であり、部品点数が低減
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の実施形態において、差動ギヤ機構をピニ
オンギヤの背面から見た図である。
【図3】従来例の断面図である。
【図4】円錐クラッチの角度変化に対する差動ギヤ機構
のバックラッシ方向誤差変化を示す図である
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケ−ス 15 ピニオンギヤ 15a ピニオンギヤの第1のギヤ部 15b ピニオンギヤの第2のギヤ部 17、19 出力側サイドギヤ 25 ベベルギヤ式の差動ギヤ機構 27、29、31、33 円錐面 35、37 円錐クラッチ 39 摩擦板 39b 摩擦板のギヤ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケ−スと、デフケ−スの回転をピニオンギヤの第1
    のギヤ部を介して一対の出力側サイドギヤから出力する
    ベベルギヤ式の差動ギヤ機構と、デフケ−ス側に一体に
    形成された円錐面と両サイドギヤ側に一体に形成されデ
    フケ−ス側の円錐面に貫入した円錐面とからなる円錐ク
    ラッチと、デフケ−スと両サイドギヤの各円錐面の間に
    挟み込まれると共に、それぞれピニオンギヤの第2のギ
    ヤ部と噛み合う摩擦板とを備えたことを特徴とするデフ
    ァレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 摩擦板に各円錐面と異なった曲率が与え
    られた請求項1のデファレンシャル装置。
JP30150895A 1995-11-20 1995-11-20 デファレンシャル装置 Pending JPH09144842A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010038223A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Jtekt Corp 車両用差動装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010038223A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Jtekt Corp 車両用差動装置

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