JPH09143441A - 異方導電性接着剤組成物 - Google Patents

異方導電性接着剤組成物

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JPH09143441A
JPH09143441A JP30767295A JP30767295A JPH09143441A JP H09143441 A JPH09143441 A JP H09143441A JP 30767295 A JP30767295 A JP 30767295A JP 30767295 A JP30767295 A JP 30767295A JP H09143441 A JPH09143441 A JP H09143441A
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    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子回路や基板の接着に用いられる異方導電
性接着剤において導電性がよく信頼性の良い接続が得ら
れるようにする。 【解決手段】 有機ポリマー粒子74にスパッタリング
蒸着法により金属72を被覆させて構成した導電性粒子
70と接着性バインダーにより異方導電性接着剤を構成
する。有機ポリマー粒子74は弾力性のあるものを使用
し、スパッタリング蒸着法で被覆する金属72は、有機
ポリマー粒子74に展性、延性のあるビッカース硬度1
〜100のものを使用し、金属を直接、密着性が良く被
覆する。基板60及び64の接着時において圧着の圧力
で導電性粒子70が押しつぶされた際、金属膜72が有
機ポリマー粒子74の変形に追随し、電極62及び66
との接触面積が広くなり確実な導電性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気部品と回路基板
の接続、あるいは回路基板相互間の接続に使用される異
方導電性接着剤に関する。さらに詳しくは導電性に良好
な異方性を得るための導電性粒子の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より集積回路類の配線基板への接
続、表示素子類と配線基板への接続電気回路とリードと
の接続などのように接続端子が細かいピッチでならんで
いる場合の接続方法として異方導電性接着剤が用いられ
てきた。
【0003】異方導電接着剤とは導電方向に異方性を生
ずる接着剤でありその構造とは、ポリマーバインダー中
に金属微粒子を分散させ、このときの金属微粒子の含有
量および接着層の層厚を調整することにより接着層の厚
み方向には導電性を、面方向には絶縁性を得る接着剤で
ある。
【0004】異方導電性接着剤としては、例えば特開昭
58−23174号公報等に提案されているものがあ
り、これには、加熱加圧下で塑性流動する接着性有機材
料に錫、鉛、銀、アルミニウム等の金属粒子を混合し、
フィルムないしシート状にした異方導電性接着剤を用い
る回路の接続方法が開示されている。
【0005】また、特開昭62−165886号公報及
び特開昭62−177082号公報では、上記金属粒子
のかわりにガラスやセラミックなどの無機微粒子や熱硬
化性樹脂などの有機ポリマー粒子に金属薄膜を被覆した
導電性粒子を配合した異方性導電樹脂が開示されてい
る。これらの文献では金属薄膜の被覆方法として無電解
メッキ法が挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭58-23174号公報に示されるものでは、金属
粒子が硬いため、ICチップの部品や電子回路の微小ピ
ッチの電極を傷つけ導通不良をおこしたり、さらには電
子回路基板自体の破損を招くことがある。さらに金属と
接着剤との熱膨張係数が異なるので温度が上昇したとき
に電気接続が途絶え易いという問題もある。
【0007】また、特開昭62-165886号公報に
示されるものでは、ガラスやセラミックなどの無機微粒
子に金属薄膜を被覆した導電性粒子は核材となるガラス
やセラミックの粒子が硬く、脆い傾向にあり、接続する
ときの加圧接着作業中に粒子が変形しにくいため、破壊
されたりすることがある。その結果、微小ピッチの電極
を破損したり、導電性粒子どうしの接触、通電性が損な
われたり、接続抵抗が増大し導電性が低下するという接
続性能、接続信頼性に難点がある。また、導電性粒子が
割れてしまうこともある。
【0008】良い導電性を得るためには接続すべき電極
と導電性粒子の接触面積が大きい必要があり、そのため
には導電性粒子は硬度50Hv程度の柔軟性を持ち、接
続時の圧着によってつぶれて電極と密着する必要があ
る。導電性粒子がつぶれて電極と接触すると接触箇所は
点から面になりつぶれる比率が大きいほど接触面積は大
きくなるため通電する電気容量も大きくなる。ここでH
vとはビッカース硬度を示す。
【0009】そのため、導電性粒子としては、有機ポリ
マー粒子など弾力性のある素材に導電性を持たせたもの
が好ましい。それは、有機ポリマー粒子に金属薄膜を被
覆するということをすればよい。
【0010】しかし、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂など
の有機ポリマー粒子に金属薄膜を被覆するという文献は
あるものの、実際問題として金、銀、白金等の貴金属は
有機ポリマー粒子と密着性が極めて悪く、直接被覆する
と圧着により金属被膜が剥離してしまうため、有機ポリ
マー粒子表面に物理的、化学的処理を必要とした。この
表面処理は、有機ポリマー粒子表面上を凹凸にして金属
被膜が密着しやすくしたものである。しかし、この処理
によっても有機ポリマー粒子と金属の密着性はそれほど
改善されるわけではない。
【0011】そこで、有機ポリマー粒子をパラジウム系
の活性化処理後、第1被覆膜として内側に40重量%
(2,000オングストローム)のニッケル−リン化合
物無電解メッキにより被覆し、さらに外側に金、銀など
を10重量%(200オングストローム)無電解メッキ
により被覆して表面の軟性をだす方法が行われている。
この方法によるとニッケル−リン化学物はパラジウム触
媒と相性が良いため有機ポリマー粒子との密着性が改善
され、ニッケル被膜と金被膜は金属同士のため、密着性
はよい。これにより、結果として表面が金で被覆された
有機ポリマー粒子と密着性の良い導電性粒子が製造され
る。これが、従来の異方導電性接着剤に含有される導電
性粒子として使用されている。
【0012】しかし、被覆する金属膜として内側にニッ
ケル、外側に金の二層膜が用いられた場合、内側のニッ
ケル薄膜層が硬度500Hvと硬く、脆いので接続時の
圧着による熱硬化性樹脂の変形にともないニッケル薄膜
層に破壊が起こる欠点がある。このため、ニッケル薄膜
層の外側の金薄膜も同時に破壊してしまい、電極と導電
性粒子の接触が不安定になり接続抵抗値が上がったり通
電性の損失の原因になる。
【0013】このように従来の有機ポリマー粒子の被覆
方法では、押しつぶしても剥離や破壊のない密着性の良
い被覆はできなかった。本発明は、このような課題を解
決するためのものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、接着性
バインダーと導電性粒子からなる異方導電性接着剤組成
物において、導電性粒子は、有機ポリマー粒子にスパッ
タリング蒸着法により金属を被覆したものであることを
特徴としたものである。
【0015】本発明に用いる接着性バインダーとしては
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂、
シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、
テルペン樹脂、ロジン樹脂、ポリアクリル樹脂、スチレ
ン−ブタジエン系ゴムアクリロニトリルブタジエンゴ
ム、フッ素ゴム、ポリエチレン樹脂、ビニル樹脂、ポリ
ブチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アイオ
ノマー樹脂、ポリアセタール樹脂などの熱硬化性樹脂ま
たは熱可塑性樹脂が挙げられ、これらは単独で使用して
も2種類以上組み合わせて使用しても良い。
【0016】接着性を向上させるためにカップリング剤
や粘着付与剤などを添加することもできる。当該接着性
バインダーはこれらの樹脂をホットメルト接着剤の形態
にしておき、熱により溶解し冷却により固化するタイ
プ、あるいは熱により溶融と化学反応を起こし硬化する
タイプのいずれかにすることができる。
【0017】有機ポリマー粒子としては応力で変形し、
変形に対して、回路の接続における接着作業時に接着性
バインダーの硬化温度である80〜200℃、10〜5
0Kgw/cm2 加熱条件下において破壊、融解、流
動、分解、炭化などの変化を起こさないものであれば特
に限定されない。例えば、エチレン、プロピレン、また
はスチレンなどの(メタ)アクリル酸エステル類に代表
される単官能のビニル化合物とジアリルフタレート、ト
リアリルトリメリテート、トリアリルシアヌレート、ジ
ビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メ
タ)アクリレート類等の多官能ビニル化合物との共重合
体、硬化性ポリウレタン樹脂、硬化エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、ポ
リアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリフェニレン
スルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル等が挙げられ
る。特に望ましいのものは熱時の弾性率、破壊強度とい
った物性から選定され、ポリスチレン樹脂、アクリル酸
エステル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、単官能ビニル化
合物と多官能ビニル化合物との共重合体である。
【0018】上記の有機ポリマー粒子に被覆される金属
は、有機ポリマー粒子の弾力性に追随することのできる
展性、延性に優れた金属であればよい。また、ビッカー
ス硬度で1〜100がよく、具体的には硬度70Hv以
下が好ましい。さらには、抵抗値の低いものが好まし
く、また、金属の酸化、硫化の少ないものが好ましい。
本発明のスパッタリング法による金属被膜は有機ポリマ
ー粒子と金属との相性などの制限を受けず、ほとんどの
金属を被覆することができる。好ましい金属は、金、白
金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛である。
【0019】本発明のスパッタリング蒸着法とは、イオ
ンを蒸着材料に照射して、その表面から原子、分子、ク
ラスターを気相にはじき飛ばし(蒸発)、基材に付着さ
せる技術である。真空層内にアルゴン等不活性ガスを導
入し、蒸発物質を電極にして適当な電圧を印加するとグ
ロー放電を起こし、電極(蒸発物質)のまわりにアルゴ
ンイオンが発生する。このイオンが負電極(蒸発物質)
の表面に衝突し、その表面から原子や分子をたたき出
す。これが基材の表面に付着堆積し成膜(蒸着)してい
く現象である。
【0020】有機ポリマー粒子の表面に被覆される金属
の被膜の厚さは100〜100,000オングストロー
ムであり、100オングストロームより薄いと導電性が
不安定になりやすく、100,000オングストローム
より厚いとコストが高くなるばかりでなく粒子の比重が
高くなり接着剤成分中で沈降、分離が生じやすくなる。
【0021】また、形成された導電性粒子の粒径は、接
続する基板上の電極のピッチ幅や厚さにより異なるが、
0.1〜100μmが適当である。また、導電性粒子の
接着性バインダーに対する割合は電極のピッチ幅、厚
さ、導電性粒子の粒径などにより適宜調整する必要があ
るが、接着性バインダー100重量部に対し導電性粒子
が1〜30重量部である。
【0022】なお、本発明に係る異方導電性接着剤中に
は導電粒子を接着性バインダー中に分散させる分散剤、
酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、骨剤、帯
電防止剤、顔料等を本発明の効果を損なわない範囲で必
要に応じて添加することができる。
【0023】このように、弾性のある有機ポリマー粒子
に硬度の柔らかい金属を直接被覆させた導電性粒子を使
用しているため、有機ポリマーが接続の圧力で変形した
とき、金属も有機ポリマーの変形と略同形に変形し、従
来のように金属が有機ポリマーから剥離したり、破壊さ
れたりすることがない。そのため、接続時の圧着により
導電性粒子が押しつぶされて電極と広い面積で密着する
ことができるため、本発明の導電性粒子を使用した回路
接続用異方導電性接着剤組成物は高い通電性が得られ
る。
【0024】また、導電性粒子は有機ポリマー粒子表面
にスパッタリング法により金属を被覆することにより、
従来有機ポリマー粒子に直接被覆することのできなかっ
た導電性の良い延性金属で有機ポリマー粒子を被覆で
き、しかもその被覆は密着性のある、追随性のある、押
しつぶされたときに有機ポリマー粒子から剥離または破
壊しない金属膜になる。
【0025】この導電性粒子を使用した異方導電性接着
剤は接続時の圧着により押しつぶされて接続されるた
め、接触面積が大きくなり導電性が良好となる。しか
も、押しつぶされた導電性粒子はポリマーの弾性のため
接続端子間で反発力を維持するので長期接続信頼性が向
上する。
【0026】また、導電性粒子が弾力性を持ち、柔らか
いためLCDのITOパターンに金属がメタライズされ
たLCD基板やポリカーボネート(以下PC)やポリエ
ーテルサンホン(以下PES)等のプラスチック製のL
CD基板の接続も基板を破壊することなく接続すること
ができる。
【0027】さらに、基板の接続には熱圧着するための
プレス機が使用されるが、本発明の異方導電性接着剤を
使用することによりプレス圧着面の表面精度が高くなく
てもまた、圧着面の平行度が正確でなくても高い導電性
を持ちながら基板の接続をすることができる。
【0028】また、本発明のうちで請求項2記載の発明
は、前記有機ポリマー粒子に前記金属を被覆した前記導
電性粒子が、有機ポリマー粒子を不活性雰囲気中で流体
ジェット・ミル処理して一次粒子に分散し、該分散処理
して得た一次粒子の有機ポリマー微粉末を不活性雰囲気
中で減圧加熱処理し、該減圧加熱処理した有機ポリマー
微粉末をスパッタリング源を納めた回転容器に仕込み、
該回転容器を回転させて微粉末の流動層を形成し、容器
を回転させた状態で流動微粉末にスパッタリングするこ
とにより被覆したものであることを特徴としたものであ
る。
【0029】本発明のような微粉末にスパッタリング蒸
着する方法としては、有機ポリマー粉末を不活性雰囲気
中で流体ジェットミル処理して一次粒子に分散し、不活
性雰囲気中で減圧加熱処理し、該処理をした微粉末を装
置に仕込み、該装置の容器を回転させて微粉末の流動層
を形成し、容器を回転した状態で流動微粉末にスパッタ
リングすることにより被覆するのが有利である。
【0030】有機ポリマー微粉末にスパッタリング蒸着
する装置としては、連続しない別々の回転軸に支持され
る回転可能で真空排気可能のバレルであって、その内部
にスパッタ源が設けられ、被覆されるべき微粉末の導入
部及び排出路を有し、かつそ真空排気及び不活性ガス導
入の管路を備えているものからなるスパッタリング室
と、スパッタリング室の微粉末排出路に弁を有する連通
路によって連通するジェットミル手段と、該ジェットミ
ルに弁を有する連通路(導管)によって連通する真空排
気可能の減圧加熱処理室と減圧加熱処理室とスパッタリ
ング室を連通する弁を有する微粉末導管よりなる連続系
の装置を使用するのが好ましい。
【0031】また、本発明に用いるスパッタリング装置
は二極スパッタ方式、マグネトロンスパッタ方式、高周
波スパッタ方式、反応性スパッタ方式その他公知のスパ
ッタ方式を広く使用することができる。
【0032】また、本発明のうちで請求項3記載の発明
は、被覆される前記金属がビッカース硬度1〜100で
あることを特徴としたものである。
【0033】ビッカース硬度1〜100の金属は、有機
ポリマー粒子の弾力性に追随することのできる展性及び
延性に優れているため、押しつぶされたときに有機ポリ
マー粒子から剥離したり破壊されたりしない金属膜にな
る。
【0034】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を詳細に説明する
が、この実施例に限定されるものではない。図3にスパ
ッタリング装置10を示す。スパッタリング装置10の
要部は、減圧加熱処理室12、回転式バレル型スパッタ
リング室14、流体ジェットミル16及び粉末フィルタ
18により成る。減圧加熱処理室12は、電気抵抗加熱
される容器であり、主排気系20及び高度排気系22に
連通する。減圧加熱処理室12は、減圧加熱処理した微
粉末13を回転式バレル型スパッタリング室(回転容
器)14に送入する導管24へ落下させるためのスクリ
ューフィーダ26とこれを回転するモータ28を備えて
いる。回転式バレル型スパッタリング室14は、ボール
ミルのような構造の回転円筒体であって、主排気系20
及び高度排気系22に連通する。回転式バレル型スパッ
タリング室14には、スパッタ源(スパッタリング源)
50が設けられており、スパッタ源50は、図示してな
い電源より高周波電流によって作動される。回転式バレ
ル型スパッタリング室14は、支持ロール30、回転モ
ータ32及びプーリ34によって回転させられるととも
に、回転を制御される。流体ジェットミル16には、不
活性ガス送入パイプ36より不活性ガスを少しづつ送入
することにより、スパッタリングによって被覆された微
粉末37が送入される。流体ジェットミル16は、モー
タ38によって高速回転するプロペラ40に不活性ガス
流に乗せた微粉末37を衝突させる構造のものであり、
微粉末循環パイプ42によって減圧加熱処理室12及び
粉末フィルタ18に連通する。粉末フィルタ18は、円
筒形フィルタ44を介して排気系46に連なるトラップ
である。
【0035】(1)導電性粒子の製造方法 前記で説明したスパッタリング装置10を用いて導電性
粒子を製造する方法について説明する。ポリスチレン微
粒子(平均粒径15μm)を回転式バレル型スパッタリ
ング室14に投入し、次いで減圧加熱処理室12を2×
10-5Torrに減圧した後、アルゴンガスを不活性ガ
ス送入パイプ36より徐々に送り込むと同時に流体ジェ
ットミル16を使用して一次粒子に分散した後、減圧加
熱処理室12に採集する。次に、採集した微粉末13を
2×10-2Torrに減圧しつつ、ヒーターで200℃
に加熱して、乾燥および脱ガスを30分間行う。次に、
予めアルゴンガスで置換された回転式バレル型スパッタ
リング室14に微粉末13を移送した。移送後、回転式
バレル型スパッタリング室14を回転数5rpmで回転
しつつ、減圧下で二極方式マグネトロン方式によるスパ
ッタリング(電力3kW×2個、周波数13.56MH
z)を開始する。約1時間運転させた後、スパッタリン
グを中止し流体ジェットミル16による分散および減圧
加熱処理を行った後、再び回転式バレル型スパッタリン
グ室14に移送し、1時間スパッタリングを行なう。こ
の工程を繰り返し、ポリスチレン粒子に金を被覆する。
スパッタリングによる金薄膜被覆作業終了後は不活性ガ
ス送入パイプ36を通して回転式バレル型スパッタリン
グ室14にアルゴンガスを導入しつつ、微粉末37を含
むアルゴンガス流を粉末フィルター18に送り込んで、
ポリスチレンを核材とした金が被覆された導電性粒子を
得る。この導電性粒子の金の膜厚は約0.2μmであ
る。
【0036】(2)導電性粒子の製造1 上記と同様の製造法方で表1に示される導電性粒子を製
造した。
【0037】
【表1】
【0038】(3)導電性粒子の製造2(比較用) 表1で使用した各種有機ポリマー粒子に無電解メッキ法
により表2に示されるように金属を被覆した。
【0039】
【表2】
【0040】(4)異方導電性接着剤の製造 表1及び表2に示される導電性粒子をスチレンブタジエ
ンブロック共重合体100部とテルペン系粘着付与剤4
0部およびトルエン200部よりなる接着溶液(接着性
バインダー)に表3の通りに配合し、分散させ異方導電
性接着剤組成物を得た。
【0041】
【表3】
【0042】表3に示されるそれぞれの組成物をバーコ
ーターを用いてシリコーン処理ポリエステルフィルムよ
りなる剥離紙上に塗布し、加熱乾燥し、接着性フィルム
を得た。得られたフィルムの乾燥後の塗膜の厚さは25
μmである。
【0043】(5)テスト用電極の接続 図1に示されるようにライン幅0.1mm、ピッチ0.
2mm、厚み75μm、電極62数80の回路を有する
ポリイミドベースのフレキシブル回路基板(FPC)6
0に上記それぞれの接着フィルムを接着幅2mmで仮接
着した。仮接着は120℃−10Kg/cm2 で5秒熱
圧着した。 (5−1)次に剥離紙をはがして同一ピッチを有するガ
ラスITO基板64(10Ω/□)を剥離紙をはがした
面上にのせて位置を同一に合わせ、150℃−20Kg
/cm2 で20秒熱圧着し、テスト用電極基板を接続し
た。 (5−2)ポリイミドベースのFPC60と同電極を有
するガラスITO/Cr蒸着基板64(1Ω/□)を、
上記(5−1)と同様に接続した。 (5−3)ポリイミドベースのFPC60と同電極を有
するPES基材のITO基板64(80Ω/□)を、上
記(5−1)と同様に接続した。
【0044】(6)抵抗値の測定、保存試験 前記(5−1)で得られたテスト用電極の接続端子間抵
抗をそれぞれ測定した結果、及び前記(5−1)、(5
−2)、(5−3)で得られたそれぞれのテスト用電極
を温度85℃、湿度85%の環境下で1000時間保管
した後の接続端子間抵抗をそれぞれ測定した結果を表4
に示す。
【0045】
【表4】
【0046】(7)接続の様子の確認 実施例1、比較例1の接続の様子を顕微鏡拡大写真で撮
影した様子を図4及び図5に、これらの概略模式図を図
1及び図2に示す。これに使用した電極は(5−1)と
同様であり、顕微鏡の倍率は200倍とした。図1及び
図4において62及び66は電極、70は導電性粒子で
あり、同様に図2及び図5において62及び66は電
極、76は導電性粒子である。実施例1では、電極62
及び66上にある導電性粒子70は押しつぶされて大き
くなっており、金属膜72は剥離したり破壊されたりす
ることなく有機ポリマー粒子74に追随して密着してい
る。一方、比較例1では、押しつぶされた導電性粒子7
6は金属膜78が破壊されて割れている。
【0047】(8)圧着機の精度による接着試験 圧着機の熱圧着板の片側に3μmのセラミクス粒子を散
布して、圧着面の精度を悪くして前記(5−1)と同様
に実施例1及び比較例1と同様の異方導電接着剤を用い
て熱圧着し、これらのテスト用電極の接続端子間抵抗を
それぞれ測定した。この結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、導電性粒子を、弾性のある有機ポリ
マー粒子に高度の柔らかい金属をスパッタリング蒸着法
により直接被覆させるように構成しているため、接続の
圧力で有機ポリマーが変形したときに金属も有機ポリマ
ーの変形と略同形に変形する。これにより、接続時の圧
着により導電性粒子が押しつぶされて電極と広い面で密
着することができるため、高い通電性が得られる。ま
た、押しつぶされた導電性粒子はポリマーの弾性のため
接続端子間で反発力を維持するので長期接続信頼性が向
上する。
【0050】また、導電性粒子は有機ポリマー粒子表面
にスパッタリング法により金属を被覆することにより、
従来有機ポリマー粒子に直接被覆することのできなかっ
た導電性の良い延性金属を有機ポリマー粒子に被覆で
き、しかもその被覆は密着性のある、追随性のある、押
しつぶされたときに有機ポリマー粒子から剥離したり破
壊されたりしない金属膜になる。
【0051】また、導電性粒子は弾力性を持ち、柔らか
いため、LCDのITOパターンに金属がメタライズさ
れたLCD基板やポリカーボネート(以下PC)やポリ
エーテルサンホン(以下PES)等のプラスチック製の
LCD基板の接続も基板を破壊することなく接続するこ
とができる。
【0052】さらに、基板の接続には熱圧着するための
プレス機が使用されるが、本発明の異方導電性接着剤を
使用することによりプレス圧着面の表面精度が高くなく
ても、また、圧着面の平行度が正確でなくても高い導電
性を持ちながら基板の接続をすることができる。
【0053】また、本発明のうち請求項2記載の発明に
おいては、有機ポリマー粒子に金属を被覆した導電性粒
子を、有機ポリマー粒子を不活性雰囲気中で流体ジェッ
ト・ミル処理して一次粒子に分散し、この一次粒子の有
機ポリマー微粉末を不活性雰囲気中で減圧加熱処理し、
減圧加熱処理した有機ポリマー微粉末をスパッタリング
源を納めた回転容器に仕込み、回転容器を回転させて微
粉末の流動層を形成し、容器を回転させた状態で流動微
粉末にスパッタリングして被覆することにより構成する
ことができる。
【0054】また、本発明のうち請求項3記載の発明
は、有機ポリマー粒子に被覆する金属をビッカース硬度
1〜100のものにしたので、有機ポリマー粒子の弾力
性に追随することのできる展性及び延性に優れ、押しつ
ぶされたときに有機ポリマー粒子から剥離したり破壊さ
れたりしない金属膜になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の接続端子の概略模式図である。
【図2】比較例1の接続端子の概略模式図である。
【図3】スパッタリング装置の概念図である。
【図4】実施例1の異方導電性接着剤の粒子構造を示す
拡大写真である。
【図5】比較例1の異方導電性接着剤の粒子構造を示す
拡大写真である。
【符号の説明】
14 回転式バレル型スパッタリング室(回転容器) 50 スパッタ源(スパッタリング源) 70 導電性粒子 72 金属膜 74 有機ポリマー粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 5/16 H01B 5/16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着性バインダーと導電性粒子からなる
    異方導電性接着剤組成物において、 導電性粒子は、有機ポリマー粒子にスパッタリング蒸着
    法により金属を被覆したものであることを特徴とする異
    方導電性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機ポリマー粒子に前記金属を被覆
    した前記導電性粒子は、有機ポリマー粒子を不活性雰囲
    気中で流体ジェット・ミル処理して一次粒子に分散し、
    該分散処理して得た一次粒子の有機ポリマー微粉末を不
    活性雰囲気中で減圧加熱処理し、該減圧加熱処理した有
    機ポリマー微粉末をスパッタリング源を納めた回転容器
    に仕込み、該回転容器を回転させて微粉末の流動層を形
    成し、容器を回転させた状態で流動微粉末にスパッタリ
    ングすることにより被覆したものである請求項1記載の
    異方導電性接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記金属はビッカース硬度1〜100で
    あることを特徴とする請求項1記載の異方導電性接着剤
    組成物。
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