JPH09143373A - 付加反応用触媒組成物及び硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

付加反応用触媒組成物及び硬化性オルガノポリシロキサン組成物

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JPH09143373A
JPH09143373A JP33562295A JP33562295A JPH09143373A JP H09143373 A JPH09143373 A JP H09143373A JP 33562295 A JP33562295 A JP 33562295A JP 33562295 A JP33562295 A JP 33562295A JP H09143373 A JPH09143373 A JP H09143373A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 アルケニル基含有オルガノシランまたは
アルケニル基含有オルガノシロキサンを配位子とする白
金錯体と、ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に
1〜3個含有するオルガノハイドロジェンシロキサン又
はオルガノハイドロジェンシルアルキレン化合物とから
なる付加反応用触媒組成物および該触媒組成物を配合し
てなることを特徴とする硬化性オルガノポリシロキサン
組成物。 【効果】 本発明の付加反応用触媒組成物は、特に付加
反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物に配合する
と、従来の触媒に比べて室温付近で優れた可使時間を保
持し、高温では優れた硬化特性を発現するという効果を
有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族不飽和基を
有するオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物と
SiH基(即ち、ヒドロシリル基)のような活性水素原
子を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン等の有
機ケイ素化合物との付加反応に用いる触媒用の組成物に
関し、特に付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組
成物の硬化に用いる硬化触媒として好適で、室温付近で
優れた可使時間を有し、高温では優れた硬化特性を有す
る付加反応用触媒組成物並びに該触媒組成物を含む硬化
性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルケ
ニル基含有シロキサンと塩化白金酸などとの反応によっ
て製造される白金アルケニルシロキサン錯体は触媒活性
が高く、付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成
物の硬化に用いる硬化触媒として有用されている(特公
昭46−28795号公報、特公昭51−8926号公
報、特公昭55−423号公報)。また、脂肪族不飽和
基を有するオルガノポリシロキサンとSiH基を含有す
るオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなるオ
ルガノポリシロキサン組成物に該白金アルケニルシロキ
サン錯体が添加されると、硬化反応は瞬時に起きる。従
って使用に際しては、通常の保存条件下、例えば25℃
付近の室温下における可使時間を延長するために多量の
白金触媒の抑制剤を必要とする。
【0003】従来よりこれら白金系触媒の抑制剤として
はポリメチルビニルシロキサン環状化合物やアセチレン
化合物等が知られているが、これらを多量に使用すると
架橋密度に影響し、硬化物の特性を損なってしまうとい
う問題があった。この問題を解決するために、室温付近
で優れた可使時間を有し、高温では優れた硬化特性を有
する付加反応用触媒の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記した従来の問題点を解決するため鋭意検討
の結果、アルケニル基含有オルガノシランまたはアルケ
ニル基含有オルガノシロキサンを配位子とする白金錯体
と、ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に1〜3
個含有するオルガノハイドロジェンシロキサン又はオル
ガノハイドロジェンシルアルキレン化合物とを、該白金
錯体中の白金原子1モルに対して該オルガノハイドロジ
ェンシロキサン又はオルガノハイドロジェンシルアルキ
レン化合物中のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH
基)が10モル以上となる様に接触、混合すると、意外
にも長期保存安定性に優れ高温においても劣化し難いヒ
ドロシリル化付加反応に有効な触媒組成物が得られるこ
とを知見し、これを主剤としてのアルケニル基含有オル
ガノポリシロキサン及び架橋剤としてのケイ素原子結合
水素原子を一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個
以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンな
どと均一に配合してなる組成物は、室温付近で優れた可
使時間を有し高温では優れた硬化特性を有することを確
認し本発明をなすに至った。
【0005】従って本発明は、(A)アルケニル基含有
オルガノシランまたはアルケニル基含有オルガノシロキ
サンを配位子とする白金錯体と、(B)ケイ素原子に結
合した水素原子を一分子中に1〜3個含有するオルガノ
ハイドロジェンシロキサン又はオルガノハイドロジェン
シルアルキレン化合物とからなり、かつ(A)成分中の
白金原子1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合
水素原子が10モル以上となる様に接触、混合させてな
る付加反応用触媒組成物、及び一分子中に少なくとも2
個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと
一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を
含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含
むオルガノポリシロキサン組成物に、該付加反応用触媒
組成物を配合してなることを特徴とする硬化性オルガノ
ポリシロキサン組成物を提供する。
【0006】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の付加反応用触媒組成物は(A)成分として
アルケニル基含有オルガノシランまたはアルケニル基含
有オルガノシロキサンを配位子とする白金錯体を用い
る。
【0007】この(A)成分の白金錯体はそれ自体従来
公知のものであり、例えば特公昭46−28795号公
報、特公昭51−8926号公報、特公昭55−423
号公報、特開昭56−136655号公報に開示された
様なアルケニル基含有オルガノシラン又はアルケニル基
含有オルガノシロキサンを配位子とした白金錯体であ
る。
【0008】配位子としてのアルケニル基含有オルガノ
シランまたはアルケニル基含有オルガノシロキサンにお
けるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル
基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イ
ソブテニル基等の炭素原子数2〜4程度の低級アルケニ
ル基を挙げることができ、このオルガノシランまたはオ
ルガノシロキサンにおけるアルケニル基以外のケイ素原
子に結合した置換基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチ
ル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基等の炭素原子数1〜8程度のアルキル基、フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素原
子数6〜10程度のアリール基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、tert−ブトキシ基、メトキシメトキ
シ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エト
キシエトキシ基等の炭素原子数1〜4程度のアルコキシ
基又はアルコキシ置換アルコキシ基などが挙げられる
が、これらのうち合成のし易さ、錯体の安定性等の点か
らアルケニル基としてはビニル基が好適であり、またア
ルケニル基以外の置換基としてはメチル基、フェニル
基、特にメチル基が好ましい。
【0009】このアルケニル基含有オルガノシランまた
はアルケニル基含有オルガノシロキサンにおいて一分子
中のケイ素原子に結合したアルケニル基の数は2個以
上、特に2〜4個であることが好適である。
【0010】またアルケニル基含有オルガノシロキサン
としてはケイ素原子数2〜8、特にはケイ素原子数2〜
4程度の、直鎖状又は環状の低重合度シロキサンオリゴ
マーが好適に用いられる。
【0011】アルケニル基含有オルガノシランまたはア
ルケニル基含有オルガノシロキサンとして具体的には、
テトラビニルシラン、トリビニルメチルシラン、トリビ
ニルフェニルシラン、トリビニルメトキシシラン、トリ
ビニルエトキシシラン、トリアリルメチルシラン、トリ
アリルフェニルシラン、ジビニルジメチルシラン、ジビ
ニルジフェニルシラン、ジビニルメチルエトキシシラ
ン、ジビニルメチルメトキシシラン、ジビニルジエトキ
シシラン、ジビニルジメトキシシラン、1,3−ジビニ
ル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,
3−ジビニル−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニル
ジシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなど
が例示される。
【0012】(A) 成分のアルケニル基含有オルガノ
シランまたはアルケニル基含有オルガノシロキサンを配
位子とする白金錯体は従来公知の方法により製造するこ
とができ、例えば、塩化白金酸(HPtCl)など
の白金または白金化合物と、これに対して4〜6倍モル
量程度のアルケニル基含有オルガノシランまたはアルケ
ニル基含有オルガノシロキサンとをエタノール等の希釈
剤、炭酸水素ナトリウム等の中和剤の存在下に60〜8
0℃程度で2〜6時間反応させることによって得ること
ができる。
【0013】本発明の(B)成分はケイ素原子に結合し
た水素原子(即ち、SiH基)を1分子中に1〜3個有
するオルガノハイドロジェンシロキサン又はオルガノハ
イドロジェンシルアルキレン化合物であり、これは上記
(A)成分の白金錯体の安定化のための必須成分であ
る。
【0014】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン又はオルガノハイドロジェンシルアルキレン化合物
は、例えば、下記平均組成式(I): RSiZ(4−p−q)/2 (I) (式中、Rは非置換又は置換の1価炭化水素基、Zは酸
素原子又は低級アルキレン基であり、pは0<p<3、
qは0<q≦2であり、1≦p+q≦3を満足する数で
ある)で表される化合物である。かかる化合物の構造は
特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよ
い。
【0015】この平均組成式(I)において、Rの適当
な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オク
チル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基等のシ
クロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、
ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチ
ル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;及びこれ
らの炭化水素基の水素原子の一部又は全部が塩素、フッ
素、臭素などのハロゲン原子、シアノ基等で置換された
基、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、
クロロフェニル基、ジブロモフェニル基、ジブロモフェ
ニル基、テトラクロロフェニル基、ジフルロオフェニル
基等のハロゲン化炭化水素基やα−シアノエチル基、β
−シアノプロピル基、γ−シアノプロピル基等のシアノ
アルキル基等の、通常、炭素原子数1〜12、好ましく
は脂肪族不飽和結合を除く炭素原子数1〜8の、非置換
又は置換の1価炭化水素基を挙げることが出来る。
【0016】また上記平均組成式中Zは酸素原子又は低
級アルキレン基であり、このような低級アルキレン基と
しては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン
基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、テトラメチ
レン基、ヘキサメチレン基等の炭素原子数6以下のも
の、好適には炭素原子数2〜4のものを例示することが
出来る。
【0017】この(B)成分としてのオルガノハイドロ
ジェンシロキサン又はオルガノハイドロジェンシルアル
キレン化合物において、一分子中のケイ素原子数(また
は重合度)は、2〜50、特に2〜20、とりわけ2〜
10程度のものが好適に使用される。
【0018】また、一分子中のケイ素原子に結合した水
素原子(即ち、SiH基)は1〜3個であることが必要
であり、ケイ素原子結合水素原子を一分子中に4個以上
有するオルガノハイドロジェンシロキサン又はオルガノ
ハイドロジェンシルアルキレン化合物を用いると(A)
成分と混合した際、発泡したりゲル化する。
【0019】(B)成分の具体例としては、例えば下記
に例示したものなどを挙げることができる。
【0020】
【化1】 (但し、nは1〜50の整数であり、Meはメチル基、
Phはフェニル基を示す。)
【0021】この(B)成分の配合量は、(B)成分中
のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)の量が
(A)成分中の白金量に対してモル比で10倍等量以上
とする必要があり、通常10〜1000倍等量、好まし
くは200〜500倍等量とすることができる。このモ
ル比が10倍等量未満では充分な安定性が得られない場
合があり、1000倍等量を越えると触媒活性が低くな
る場合がある。
【0022】本発明の触媒組成物は上記(A)成分と
(B)成分を例えば0〜30℃程度の室温下あるいはそ
れ以上の温度で1〜4時間程度接触させ均一に混合する
ことにより製造することができるが、この温度が高すぎ
ると発泡したり、白金錯体が白金黒として沈殿したりす
るため、通常50℃以下、特に40℃以下で接触、混合
することが好ましい。
【0023】このようにして得られる付加反応用触媒組
成物は、ヒドロシリル化反応の触媒として使用され、公
知の付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物中に
配合することができる。
【0024】通常、この付加反応硬化型オルガノポリシ
ロキサン組成物は一分子中に少なくとも2個のアルケニ
ル基を含有するオルガノポリシロキサンと、一分子中に
少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子結合
水素原子(即ち、SiH基)を含有するオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンとを含むものであり、またこの
組成物には各種充填剤などの公知の成分をその常用量で
配合することができる。
【0025】ここでアルケニル基含有オルガノポリシロ
キサンは、通常の付加硬化型シリコーンゴムの主原料と
して使用されている公知のオルガノポリシロキサンであ
り、25℃で60〜50000000cp(センチポイ
ズ)、特に100〜5000000cp程度の粘度を有
する、一般組成式: R SiO(4−a)/2で表
されるものを使用することができる。
【0026】ここで、Rはケイ素原子に結合した炭素
原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の非置換又は置
換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル
基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、
ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラキ
ル基;及びこれらの炭化水素基の水素原子の一部が塩
素、フッ素、臭素などのハロゲン原子、シアノ基等で置
換された基、例えばクロロメチル基、ブロモエチル基、
トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げら
れる。この非置換又は置換の一価炭化水素基は同一であ
っても異なっていてもよいが、分子中に少なくとも2個
のアルケニル基を含んでいることが必要であり、好まし
くは、ケイ素原子に結合した置換基Rの0.01〜1
0モル%、特に0.05〜5モル%程度のアルケニル基
を含んでいるのが一般的である。また、aは1.9≦a
≦2.25、好ましくは1.95≦a≦2.1を満足す
る正数である。
【0027】ケイ素原子に結合した置換基は基本的には
上記のいずれであってもよいが、アルケニル基として
は、好ましくはビニル基、アリル基、その他の置換基と
してはメチル基、フェニル基の導入が望ましい。
【0028】このオルガノポリシロキサンは直鎖状、分
岐状、環状等のいずれの分子構造のものであってもよい
が、通常、主鎖部分が基本的にR SiO2/2で示
されるジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、
分子鎖両末端がR SiO1/2で示されるトリオル
ガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシ
ロキサンであることが一般的である。
【0029】尚、アルケニル基は分子鎖末端のケイ素原
子あるいは分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合した
ものであっても、あるいは両方に結合したものであって
もよいが、硬化速度、硬化物の機械的強度などの物性等
の点から、少なくとも分子鎖両末端に結合したアルケニ
ル基を含有するものであることが望ましい。
【0030】このようなオルガノポリシロキサンは公知
の方法により製造することができ、オルガノシクロポリ
シロキサンとヘキサオルガノジシロキサンとをアルカリ
又は酸触媒の存在下に平衡化反応を行なうことによって
得ることができる。
【0031】また、オルガノハイドロジェンポリシロキ
サンは、前記のアルケニル基含有オルガノポリシロキサ
ンと反応し架橋剤として作用するものであり、その分子
構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線
状、環状、分岐状構造あるいは、三次元網状構造の樹脂
状物など各種のものが使用可能であるが、1分子中に少
なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合
した水素原子(即ち、SiH基)を含むものとする必要
がある。
【0032】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンは、通常、一般組成式:R SiO
(4−b−c)/2で表されるものを使用することがで
きる。ここでRは樹脂族不飽和結合を除く、炭素数1
〜10、特に炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化
水素基であり、前記したRにおけるアルケニル基以外
の基と同じものを例示することができる。又、b、cは
それぞれ0.6<b<2.2、0.002≦c<2、
0.8<b+c≦3、好ましくは1.5≦b≦2.0、
0.01≦c≦1、1.5<b+c≦2.7を満足する
正数である。
【0033】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンは25℃における粘度が通常0.5〜500cp、特
に1〜300cp程度のものであり、一分子中のケイ素
原子数(又は重合度)が2〜250、特に4〜100程
度に相当するものである。
【0034】このようなオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシク
ロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチ
ルシクロペンタシロキサン等のシロキサンオリゴマー、
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロ
ジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキ
シ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシ
ロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノ
ール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェン
シロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジ
ェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両
末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイ
ドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル
ハイドロジェンシロキサン共重合体等のシロキサンポリ
マー、R (H)SiO1/2単位とSiO4/2
単位からなり、任意にR SiO1/2単位、R
SiO2/2単位、R(H)SiO2/2単位、
(H)SiO3/2単位またはRSiO3/2単位等
(ここで、Rは前記と同様の意味を示す。)を含み得
るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
【0035】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンの配合量は、該オルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)のモ
ル数が、前記のアルケニル基含有オルガノポリシロキサ
ン中のアルケニル基1モルに対してモル比で0.4〜5
当量となる量であり、好ましくは0.8〜2当量の範囲
とされる。このモル比が0.4当量より少ない場合は架
橋密度が低くなりすぎて硬化したシリコーンゴムの耐熱
性に悪影響を与え、5当量より多い場合には脱水素反応
による発泡の問題が生じたり、耐熱性に悪影響を与える
おそれが生じる。
【0036】このようなオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、公知の方法により製造することができ、例
えばオクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はテ
トラメチルシクロテトラシロキサンと末端基となり得る
ヘキサメチルジシロキサン或いは1,3−ジハイドロ−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等のトリオ
ルガノシロキシ単位またはジオルガノハイドロジェンシ
ロキシ単位を含む化合物とを硫酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に−1
0℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって
容易に得ることができる。
【0037】本発明の組成物には補強性充填材としてヒ
ュームドシリカ、沈降シリカ等の、比表面積が50〜1
000m/g(BET法)程度のシリカ微粉末を配合
することができる他、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウ
ム等の非補強性の充填材、コバルトブルー等の無機顔
料、有機染料などの着色剤、酸化セリウム、炭酸亜鉛、
炭酸マンガン、ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラッ
ク等の耐熱性向上剤、難燃性向上剤や接着性向上剤、あ
るいは、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエ
ート、アセチルアルコール類及びそのシラン、シロキサ
ン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチ
レンジアミン、ベンゾトリアゾール及びこれらの混合物
からなる群から選ばれる従来公知の付加反応制御剤など
を配合することは差しつかえない。
【0038】なお、本発明の触媒組成物を付加硬化型オ
ルガノポリシロキサン組成物に添加するに際し、その配
合量は触媒量であり、好ましくは白金原子の重量として
組成物中に、特には、前記したアルケニル基含有オルガ
ノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキ
サンの合計重量に対して1〜500ppm、とりわけ3
〜100ppm程度である。
【0039】
【発明の効果】本発明の付加反応用触媒組成物は、脂肪
族不飽和基を有するオルガノポリシロキサン等の有機ケ
イ素化合物とSiH基の様な活性水素原子を有するオル
ガノハイドロジェンポリシロキサン等の有機ケイ素化合
物とのヒドロシリル化付加反応を促進する触媒として有
効であり、特に付加反応硬化型のオルガノポリシロキサ
ン組成物に配合すると、従来の触媒に比べて室温付近で
優れた可使時間(ポットライフ)を保持し、高温では優
れた硬化特性を発現するという効果を有するものであ
る。
【0040】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、Meはメチル基を示し、%は重量%
を、部は重量部を示す。また、粘度は25℃での値を示
す。
【0041】[実施例1]塩化白金酸80部,1,3−
ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
160部及びエタノール400部の混合物に炭酸水素ナ
トリウム160部を加えた。撹拌下に、この混合物を7
0〜80℃で4時間反応させた。次いで生成した塩を濾
過した後、濾液から揮発成分を50℃で減圧留去した。
再沈殿してきた塩を再濾過後、白金量が0.5%になる
ようにトルエンで希釈し1,3,ジビニル−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした白金
錯体(白金触媒A)を得た。
【0042】この白金触媒A10部にCSi(O
SiHMeの10部を25℃の室温下に添加し、
均一に混合して室温下に2時間放置し、褐色透明の白金
錯体(白金触媒B)を得た。
【0043】次に、100部の分子鎖両末端ビニルジメ
チルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(粘度60
0cs)と62モル%のMeSiO2/2単位,28
モル%のHMeSiO2/2単位、10モル%のHMe
SiO1/2単位からなるメチルハイドロジェンポリ
シロキサン8.3部とを室温下で均一に混合した。この
オルガノポリシロキサン組成物に上記で得た白金触媒B
2部を25℃の室温下で加え、均一に混合したところ7
分で硬化した。
【0044】[実施例2]白金触媒A10部にC
Si(OSiHMeの0.3部を25℃の室温下
に添加し、均一に混合して室温下に2時間放置し、濃褐
色透明の白金錯体(白金触媒C)を得た。次に、実施例
1と同様なオルガノポリシロキサン組成物にこの白金触
媒C1部を25℃の室温下で加え、均一に混合したとこ
ろ6分で硬化した。
【0045】[実施例3]白金触媒A10部にMe
iOSiMeHの13部を25℃の室温下に添加し、
均一に混合して室温下に2時間放置し、黄色透明の白金
錯体(白金触媒D)を得た。次に、実施例1と同様なオ
ルガノポリシロキサン組成物にこの白金触媒D2.3部
を25℃の室温下で加え、均一に混合したところ17分
で硬化した。
【0046】[実施例4]白金触媒A10部にMe
iOSiMeHの0.4部を25℃の室温下に添加
し、均一に混合して室温下に2時間放置し、濃褐色透明
の白金錯体(白金触媒E)を得た。次に、実施例1と同
様なオルガノポリシロキサン組成物にこの白金触媒E1
部を25℃の室温下で加え、均一に混合したところ8分
で硬化した。
【0047】[比較例1]実施例1と同様なオルガノポ
リシロキサン組成物に白金触媒Aを25℃の室温下で1
部加えたところ、15秒で硬化した。
【0048】以上の結果を表1にまとめた。
【0049】
【表1】 ※SiH/Ptモル比:(A)成分中の白金原子に対す
る(B)成分中のSiH基のモル比
【0050】表1より、本発明の触媒組成物は従来の触
媒と比べ、室温での硬化時間が長いため可使時間が長く
とれ、作業性に優れていることが分かる。
【0051】[実施例5]100部の分子鎖両末端ビニ
ルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(粘
度600cs)と62モル%のMeSiO2/2
位,28モル%のHMeSiO2/2単位,10モル%
のHMeSiO1/2単位からなるメチルハイドロジ
ェンポリシロキサン8.3部と反応制御剤としてエチニ
ルシクロヘキサノール0.1部を25℃の室温下で均一
に混合した。このオルガノポリシロキサン組成物に白金
触媒Bを0.6部加え、25℃の室温下で均一に混合し
組成物1を得た。
【0052】[実施例6]実施例5と同様の処方におい
て白金触媒Bの代わりに白金触媒Cを0.3部加え、2
5℃の室温下で均一に混合し組成物2を得た。
【0053】[実施例7]実施例5と同様の処方におい
て白金触媒Bの代わりに白金触媒Dを0.7部加え、2
5℃の室温下で均一に混合し組成物3を得た。
【0054】[実施例8]実施例5と同様の処方におい
て白金触媒Bの代わりに白金触媒Eを0.3部加え、2
5℃の室温下で均一に混合し組成物4を得た。
【0055】[比較例2]実施例5と同様の処方におい
て白金触媒Bの代わりに白金触媒Aを0.3部加え、2
5℃の室温下均一に混合し組成物5を得た。
【0056】これら組成物1〜5の90℃における硬化
発熱ピークをDSC(示差熱分析)で測定し、発熱ピー
クの頂点までの時間を表2にまとめた。
【0057】
【表2】
【0058】表2より、本発明の触媒組成物は従来の触
媒と比べ、高温での硬化性に優れていることが分かる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルケニル基含有オルガノシラ
    ンまたはアルケニル基含有オルガノシロキサンを配位子
    とする白金錯体と、(B)ケイ素原子に結合した水素原
    子を一分子中に1〜3個含有するオルガノハイドロジェ
    ンシロキサン又はオルガノハイドロジェンシルアルキレ
    ン化合物とからなり、かつ(A)成分中の白金原子1モ
    ルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が1
    0モル以上となる様に混合させてなる付加反応用触媒組
    成物。
  2. 【請求項2】 一分子中に少なくとも2個のアルケニル
    基を含有するオルガノポリシロキサンと一分子中に少な
    くとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガ
    ノハイドロジェンポリシロキサンとを含むオルガノポリ
    シロキサン組成物に、請求項1記載の付加反応用触媒組
    成物を配合してなることを特徴とする硬化性オルガノポ
    リシロキサン組成物。
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