JPH09143208A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH09143208A
JPH09143208A JP7328014A JP32801495A JPH09143208A JP H09143208 A JPH09143208 A JP H09143208A JP 7328014 A JP7328014 A JP 7328014A JP 32801495 A JP32801495 A JP 32801495A JP H09143208 A JPH09143208 A JP H09143208A
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polymer
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    • C08F14/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期着色性等の品質が良好である塩化ビニル
系重合体を収率良く、短い重合時間で得ることができる
塩化ビニル系重合体の製造方法の提供。 【解決手段】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
を含む単量体混合物を水性媒体中で油溶性重合開始剤を
用いて懸濁剤の存在下に懸濁重合を行う塩化ビニル系重
合体の製造方法において、前記油溶性重合開始剤とし
て、(A) t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、及
び(B) 前記t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート以
外のパーエステル系過酸化物であって、0.1モル/L
のベンゼン溶液における該過酸化物の10時間半減期温
度が44〜55℃であるパーエステル系過酸化物を用
い、かつ重合反応末期であって重合器内圧力が降下し始
めたとき以後に、重合設定温度より10〜20℃高くし
て重合を終了することを特徴とする塩化ビニル系重合体
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、高品質の平
均重合度850以下の低重合度塩化ビニル系重合体を得
るのに好適な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は、一般に、塩化ビ
ニル単量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を
水性媒体中で油溶性重合開始剤を用いて懸濁剤の存在下
に懸濁重合を行うことにより製造している。
【0003】従来、塩化ビニル系重合体の製造方法にお
いては、重合時間を延長することなく得られる重合体の
収率を向上させるために、油溶性重合開始剤の使用量を
多くする方法や、重合反応が十分に進行して重合器内の
圧力が降下し始めたときに、重合器内容物を昇温する方
法が知られている。しかし、このような方法で得られた
重合体は、該重合体を製品にしたときに黄ばむという所
謂初期着色性が悪いという欠点がある。即ち、従来の製
造方法では良好な初期着色性を維持しながら、得られる
重合体の収率をも向上させることは不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、初期
着色性等の品質が良好である塩化ビニル系重合体を収率
良く、短い重合時間で得ることができる塩化ビニル系重
合体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル単
量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒
体中で油溶性重合開始剤を用いて懸濁剤の存在下に懸濁
重合を行う塩化ビニル系重合体の製造方法において、
【0006】前記油溶性重合開始剤として、(A) t−ブ
チルパーオキシネオヘプタノエート、及び(B) 前記t−
ブチルパーオキシネオヘプタノエート以外のパーエステ
ル系過酸化物であって、0.1モル/Lのベンゼン溶液
における該過酸化物の10時間半減期温度が44〜55
℃であるパーエステル系過酸化物を用い、かつ重合反応
末期であって重合器内圧力が降下し始めたとき以後に、
重合設定温度より10〜20℃高くして重合を終了する
ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】油溶性重合開始剤 本発明の製造方法に用いる油溶性重合開始剤は、前記成
分(A)のt−ブチルパーオキシネオヘプタノエート
[以下、開始剤(A)という]及び次のパーエステル系
過酸化物(B)である。
【0009】前記成分(B)のパーエステル系過酸化物
は、前記t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート以外
のパーエステル系過酸化物であって、0.1モル/Lの
ベンゼン溶液における該過酸化物の10時間半減期温度
が44〜55℃、好ましくは44〜50℃のパーエステ
ル系過酸化物である[以下、開始剤(B)という]。こ
の開始剤(B)の10時間半減期温度が低すぎると、低
重合度塩化ビニル系単量体を製造する場合に、重合初期
の発熱量が大きくなるため、重合器からの適切な除熱が
困難になる。また逆に高すぎると、多量の重合開始剤を
添加しなければならないため、得られる重合体の品質が
低下して該重合体から得られる製品の初期着色傾向が著
しくなる場合があり、経済的でもない。
【0010】前記の10時間半減期温度の測定法は公知
であり、例えば、測定すべきパーエステル系過酸化物の
0.1モル/Lのベンゼン溶液を容器に密封し、該溶液
を所定の温度に保持して該過酸化物を熱分解し、時間に
対する該過酸化物の濃度変化を測定する方法が挙げられ
る。なお、パーエステル系過酸化物の分解反応が近似的
に一次反応とみなせる場合には、半減期は下記式: dx/dt=k(a−x) (式中、x:該過酸化物の濃度、a:該過酸化物の初期
濃度、k:分解速度定数、t:時間)に基づいて、下記
式: t1/2 (半減期)=(ln2)/k から求めることができる。
【0011】前記の開始剤(B)の具体例としては、例
えば、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(10
時間半減期半減期温度:44.7℃、以下同様に10時間半
減期温度を括弧内に示す) 、t−ブチルパーオキシネオ
デカノエート(46.5℃)、t−ヘキシルパーオキシネオ
ヘキサノエート(49.7℃)、t−ブチルパーオキシネオ
ヘキサノエート(52.1℃)等を挙げることができ、特に
t−ブチルパーオキシネオデカノエートが好ましい。こ
れらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み
合わせて使用してもよい。
【0012】開始剤(A)及び開始剤(B)の使用量は
合計量で、重合に供する単量体(前記塩化ビニル単量体
又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物)100重量
部当たり、通常0.02〜0.12重量部、好ましくは
0.04〜0.1重量部、さらに好ましくは0.05〜
0.1重量部である。この使用量が多すぎると、得られ
る重合体の初期着色性が悪くなる場合がある。そのうえ
重合転化率3〜30%の重合初期の段階で発熱性が多く
なって重合器の除熱が不十分になるため、重合温度を一
定に保つのが困難となり、目的の平均重合度の塩化ビニ
ル系重合体が得られない場合がある。これとは逆に、こ
の使用量が少なすぎると重合時間の短縮が不十分になる
場合がある。
【0013】開始剤(A)と開始剤(B)の配合割合
は、重量比で(A)/(B)=1/9〜9/1が好まし
く、さらに好ましくは1/5〜5/1の範囲である。こ
の比が少なすぎると初期着色性が悪くなり、重合器内へ
のスケール付着量も多くなる場合がある。そのうえ重合
転化率3〜30%の重合初期の段階で発熱性が多くなっ
て重合器の除熱が不十分になるため、重合温度を一定に
保つのが困難となり、目的の平均重合度の塩化ビニル系
重合体が得られない場合がある。これとは逆に、この比
が大きすぎても初期着色性が悪くなり、またスケール付
着量が増加する場合がある。
【0014】このような油溶性重合開始剤の重合器内へ
の仕込み方法は、公知の方法でよく、例えば、該重合開
始剤を適当な溶媒又は分散媒を選択して、溶液又はエマ
ルジョン若しくはサスペンジョンとして重合器内に仕込
んでもよい。また、該重合開始剤は、水や懸濁剤と共
に、或いは水や懸濁剤を仕込み終った後に重合器内に仕
込むことができるし、前記単量体を仕込んだ後に重合器
内にポンプで圧入することもできる。
【0015】重合条件 本発明の製造方法は、単量体の重合反応の末期の段階で
重合器内容物の温度を重合設定温度より10〜20℃高
くして重合を終了する。重合設定温度とは、重合器内に
材料を仕込んだ後、重合器内容物を所定の温度まで昇温
して該温度を維持しながら重合反応を行う該温度をい
う。重合反応の末期の段階とは、重合器内の重合転化率
が62%以上、好ましくは72%以上となる段階をい
い、この時期内において重合器内の圧力が降下し始め
る。「重合反応末期であって重合器内圧力が降下し始め
たとき以後」の具体例としては、例えば、重合転化率が
50〜62%であるときの平均重合器内圧力より、0.
2〜1.5kg/cm 2 (ゲージ圧)低下した時点以後、好
ましくは0.3〜1.0kg/cm 2 (ゲージ圧)低下した
時点以後が挙げられる。特に重合転化率が50〜62%
であるときの平均重合器内圧力より、0.2〜1.5kg
/cm 2 (ゲージ圧)低下した時点、好ましくは0.3〜
1.0kg/cm 2 (ゲージ圧)低下した時点で、重合器内
容物の温度を重合設定温度より10〜20℃高くするの
が好適である。
【0016】なお、前記の昇温幅が10〜20℃の範囲
を下回ると、重合体の収率が低下する。また逆に上回る
と得られた重合体の初期着色性が悪くなる。
【0017】前記のように重合温度を10〜20℃に昇
温するために要する時間は、特に制限はないが、通常、
2〜30分間、特に10〜20分間程度でよい。
【0018】その他の重合条件 本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、前記の油溶
性重合開始剤を用いること及び前記のように重合反応の
末期の段階で重合器内容物を所定温度に昇温した時点で
重合を終了すること以外は、通常行われている塩化ビニ
ル系重合体の製造方法と同様の条件で行うことができ
る。即ち、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を含
む単量体混合物、懸濁剤及び水性媒体等の重合器への仕
込みは、従来と同様にして行えばよく、初期の重合条件
も同様でよい。
【0019】(単量体)本発明の塩化ビニル系重合体の
製造方法に用いる単量体は、上記の通り、塩化ビニル単
量体のほか、塩化ビニル単量体を主体とするこれと共重
合可能なビニル系単量体(コモノマー)との混合物(塩
化ビニルが50重量%以上)であってもよい。上記コモ
ノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル等のアクリル酸エステル又はメタアクリル酸エ
ステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン;ラウリ
ルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル;無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチ
レン;塩化ビニリデン;その他塩化ビニルと共重合可能
な単量体などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種
以上の組合せで用いられる。
【0020】(懸濁剤)本発明に用いる懸濁剤は、塩化
ビニル系単量体の水性媒体中における懸濁重合に通常使
用されているものであればよい。このような懸濁剤とし
ては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテ
ル;水溶性あるいは油溶性の部分ケン化ポリビニルアル
コール;アクリル酸重合体;ゼラチン等の水溶性高分
子;ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレー
ト、グリセリントリステアレート、エチレンオキシドプ
ロピレンオキシドブロックコポリマー等の油溶性乳化
剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナト
リウム等の水溶性乳化剤等が挙げられる。これらは1種
単独でまたは2種以上の組合せで使用される。懸濁剤の
の使用量は、前記単量体100重量部当り、通常、0.
025〜0.140重量部、好ましくは0.03〜0.
07重量部である。
【0021】(水性媒体)前記水性媒体としては、例え
ば脱イオン水を挙げることができ、水性媒体の使用量
は、前記単量体100重量部当り、好ましくは90〜2
00重量部、さらに好ましくは90〜130重量部であ
る。
【0022】(その他の添加剤)本発明の塩化ビニル系
重合体の製造方法においては、さらに必要に応じて、塩
化ビニル系重合体の製造に適宜使用される重合度調整
剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止
剤、架橋剤、安定剤、充てん剤、酸化防止剤、緩衝剤、
スケール防止剤等を添加することもできる。また少量の
界面活性剤を添加することもできる。
【0023】(重合)前記の単量体、油溶性重合開始
剤、懸濁剤、水性媒体、その他の諸材料の仕込み方法
は、特に上記した以外は公知の塩化ビニル系重合体の懸
濁重合法に従って行えばよい。初期重合段階、即ち、前
記のように重合設定温度より10〜20℃の範囲で昇温
する前の段階における重合条件等も公知の方法に従って
行えばよく、重合設定温度は、通常40〜70℃程度で
よい。特に、平均重合度850以下の低重合度塩化ビニ
ル系共重合体を製造する場合には、58℃以上で重合を
行うことが好ましく、より好ましくは59〜68℃であ
る。本発明の製造方法の代表的な実施態様としては、例
えば、次のものが挙げられる。
【0024】まず、懸濁剤及び水性媒体を重合器に仕込
む。次に、重合器内を排気して減圧状態にした後、単量
体を仕込む。次に、油溶性重合開始剤を重合器内に仕込
んで水性懸濁液を調製する。該水性懸濁液を攪拌しなが
ら昇温を開始し、通常、所定の重合温度で重合を行う。
重合中には、必要に応じて、前記の水性媒体、懸濁剤、
油溶性重合開始剤及びその他の添加剤の一種又は二種以
上を添加してもよい。本発明の製造方法では、前記のよ
うに重合器内に材料を仕込んだ後、重合器内容物を所定
の温度(重合設定温度)まで昇温する。そして、重合器
内容物が重合設定温度に到達した後、該内容物の温度を
その温度に維持して重合反応を行う。次に、重合反応末
期の段階であって、例えば、重合器内の圧力が重合転化
率50〜62%の間の平均重合器内圧力より、0.2〜
1.5kg/cm 2 (ゲージ圧)低下した時点で、重合設定
温度より10〜20℃高くして重合反応を終了する。そ
して重合反応終了後、未反応の単量体を回収し、重合体
スラリーを脱水、乾燥して目的の重合体を得る。
【0025】
【実施例】以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、本例中、油溶性重合開始剤として
用いるt−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(10
時間半減期温度:50℃)はBPNpと、t−ブチルパーオ
キシネオデカノエート(10時間半減期温度:46.5
℃)はBPDと、ジ−3,5,5 −トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド(10時間半減期温度:59.5℃)はTHP
と略記する。
【0026】実施例1 内容積が2.1m3 のジャケット付ステンレス製重合器
内に、脱イオン水 870kg、部分ケン化ポリビニルアルコ
ール 210g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース14
0gを重合器内に投入した。次に、重合器内から排気して
器内圧を50mmHgにした後、塩化ビニル単量体 730kgを仕
込み、攪拌しながら前記単量体に対して0.064 重量%の
量の油溶性重合開始剤[BPNp/BPD=1/1(重量比)]をポ
ンプで圧入すると同時にジャケットに熱水を通して重合
器内仕込み内容物の昇温を開始した。重合器内の内容物
の温度が62℃(重合設定温度)に到達した時点でジャケ
ットに冷却水を通して重合器の内容物の温度を62℃に保
ちながら重合反応を行った。昇温開始から1時間経過後
に、2−メルカプトエタノール(重合度調整剤)204 g
を重合器内に圧入した。その後、62℃で重合を継続し
た。重合転化率が50〜62%の間での平均重合器内圧力は
9.8kg /cm2 G であった。そして、そのまま重合反応を
行い重合器内圧力が9.3kg /cm2 G に低下した時点(重
合転化率:76%)でジャケットに冷却水を通水するのを
停止した。ジャケットに冷却水を通水するのを停止する
ことにより、重合器内容物の温度を昇温し(昇温開
始)、重合器内容物の温度が75℃になった時点(重合器
内圧力9.3kg /cm2 G のときの昇温開始時から20分間経
過後)で重合を停止した。そして、重合器内の未反応単
量体を回収した後、重合器内のスラリー状反応生成物を
器外に抜き出し、該反応生成物を脱水、乾燥して重合体
を得た。
【0027】実施例2 実施例1で用いた油溶性重合開始剤[BPNp/BPD=1/1(重
量比)](使用量:単量体に対して0.064 重量%の量)
に代えて、単量体に対して0.066 重量%の量の油溶性重
合開始剤[BPNp/BPD=1/2(重量比)]を用いた以外は実
施例1と同様にして重合体を得た。
【0028】比較例1 実施例2において、「重合器内圧力が9.3kg /cm2 G に
低下した時点(重合転化率:76%)でジャケットに冷却
水を通水するのを停止したこと」に代えて、冷却水の通
水を停止せずにそのまま重合器内容物の温度を62℃に維
持し、前記の「重合器内圧力が9.3kg /cm2 G に低下し
た時点」から20分間経過後に重合を停止した以外は、実
施例2と同様にして重合体を得た。
【0029】比較例2 実施例1で用いた油溶性重合開始剤[BPNp/BPD=1/1(重
量比)](使用量:単量体に対して0.064 重量%の量)
に代えて、単量体に対して0.075 重量%の量の油溶性重
合開始剤[THP/BPD=4/5 (重量比)]を用いた以外は実
施例1と同様にして重合体を得た。
【0030】比較例3 比較例1で用いた油溶性重合開始剤[BPNp/BPD=1/2(重
量比)](使用量:単量体に対して0.066 重量%の量)
に代えて、単量体に対して0.070 重量%の量の油溶性重
合開始剤[THP/BPD=4/5 (重量比)]を用いた以外は比
較例1と同様にして重合体を得た。
【0031】重合体の評価 上記各例で得られた重合体について下記方法により品質
評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。 ・平均重合度:JIS K-6721 に従って測定した。 ・かさ比重:JIS K-6721 に従って測定した。 ・粒度分布:JIS Z-8801に準拠して #60、#100、#200の
各篩を用いて篩分けし、残留量と通過量(重量%)を計
量した。 ・初期着色性:得られた重合体 100重量部に、ラウリル
酸すず1重量部、カドミウム系安定剤(勝田化工製、C-
100J) 0.5重量部及び可塑剤としてジオクチルフタレー
ト50重量部を配合し、2本ロールミルを用いて 160℃で
5分間混練した後、厚さ 0.8mmのシートに成形した。次
に、このシートを裁断して重ね、4cm×4cm× 1.5cm
(厚さ)の型枠に入れ、 160℃、65〜70kgf/cm2 (6.4
〜6.9MPa)で加熱加圧して、試料を作製した。次に、カ
ラーメーター(日本電色工業株式会社製)を用いて、JI
S Z 8730 (1980) に記載のハンターの色差式における明
度指数(L)、色度(a,b値)を測定した。そして、
実施例1で得られた重合体を基準とし、その他の実施
例、比較例を明度指数(L)及び色度(a,b値)で比
較評価した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、初期着色性
等の品質が良好である塩化ビニル系重合体を収率良く、
短い重合時間で得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
    を含む単量体混合物を水性媒体中で油溶性重合開始剤を
    用いて懸濁剤の存在下に懸濁重合を行う塩化ビニル系重
    合体の製造方法において、 前記油溶性重合開始剤として、 (A) t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、及び
    (B) 前記t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート以外
    のパーエステル系過酸化物であって、0.1モル/Lの
    ベンゼン溶液における該過酸化物の10時間半減期温度
    が44〜55℃であるパーエステル系過酸化物を用い、
    かつ重合反応末期であって重合器内圧力が降下し始めた
    とき以後に、重合設定温度より10〜20℃高くして重
    合を終了することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 懸濁重合の重合設定温度が温度58℃以
    上である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記(B) 成分が、t−ヘキシルパーオキ
    シネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノ
    エート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート及
    びt−ブチルパーオキシネオヘキサノエートからなる群
    より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の
    製造方法。
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