JPH0914183A - 送風装置 - Google Patents

送風装置

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JPH0914183A
JPH0914183A JP16229395A JP16229395A JPH0914183A JP H0914183 A JPH0914183 A JP H0914183A JP 16229395 A JP16229395 A JP 16229395A JP 16229395 A JP16229395 A JP 16229395A JP H0914183 A JPH0914183 A JP H0914183A
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resistor
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stabilizer
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Yasuo Hironaka
康雄 廣中
Atsushi Yoshihashi
淳 吉橋
Satoshi Chiguchi
聡 地口
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 循環流れに対する制御を行い、循環流れを小
さくすることで相対的に貫流流れを大きくし、さらに羽
根車の静圧仕事をする領域を増加させることで、空力性
能の改善を行う。また同一風量における羽根車を通過す
る気流の風速を減少させ、それに伴い羽根車から発生す
る風切り音などの騒音を低下させることを目的とする。 【構成】 羽根車1の回転軸8に垂直な断面上で、羽根
車の回転軸と貫流ファンの吸込側4から見たスタビライ
ザの先端2aとを結ぶ直線より吸込側に設けられ、羽根
車とスタビライザ2との間を貫流ファンの吹出側5から
吸込側へ流れる漏れ流れ100aを羽根車内に戻す抵抗
体6を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空調機の室内機や換
気装置等に使われる貫流ファンを用いた送風装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図36は従来の一般的な貫流ファンを用
いた送風装置内での気流の流線を説明する横断面図であ
る。図において、1は羽根車、2はスタビライザ、3は
リアガイダ、4は吸込口、5は吹出口、12はケーシン
グカバーであり、吸込口4から吸い込まれた気流の大部
分は羽根車1を通り、スタビライザ2、リアガイダ3、
ノズル11で構成される流路を通り、吹出口5から外部
に放出される。これが貫流流れ101である。また、1
00は循環流れであり、羽根車1とスタビライザ2との
間を吹出口5から吸込口4へ流れる漏れ流れ100a
と、羽根車1内の旋回流れ100bとを有する。10
2、103は羽根車1上の位置を表す。このように貫流
ファンの内部において、羽根車の外部仕事に直接関与し
ない循環流れ100と羽根車の外部仕事に直接関与する
貫流流れ101が存在し、風量を増加させるには、貫流
流れ101の領域を増加させる必要があるが、スタビラ
イザ2近傍に存在する大きな循環流れ100により貫流
流れ101が阻害され、風量を増加させにくかった。
【0003】そこで羽根車1の風量を増加させる従来技
術として特開平5−195981号公報に記載されてい
る貫流ファンを用いた送風装置があり図37にその要部
を示す。図において、7は案内羽根、8は羽根車1の回
転中心、13は個々の回転羽根であり、この例では、羽
根車1の吸込側に、羽根車1の回転中心8と同心をなす
円弧状に複数の案内羽根7を列設している。このよう
に、案内羽根7を静翼翼列として用いて、羽根車1に流
入する貫流流れ101に回転方向と逆の方向に予旋回を
与え、回転羽根13に対する迎え角を増加させて、羽根
車1の吹出風量を増加させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図37
で示した従来例においても、羽根車1に流入する貫流流
れに静翼翼列7を用いて、羽根車1の回転方向と逆の方
向に予旋回を与え、回転羽根13に対する迎え角を大き
くすることで静圧仕事量を増やし、貫流流れを増加させ
ているが、設定風量によっては回転羽根13に対する迎
え角を大きくしすぎて、回転羽根13が失速することも
あり、風量を増加させることが困難であった。また貫流
流れ101に主眼をおき風量改善を図ろうとしていた
が、スタビライザ近傍に存在する循環流れ100に対し
ては何の制御もなされておらず、そのために風量を増加
させるのに限界が生じるという問題があった。
【0005】本発明はこのような従来の問題点を解消す
るためになされたものであり、循環流れ100に対する
制御を行い、循環流れ100を小さくすることで相対的
に貫流流れ101を大きくし、さらに羽根車1の静圧仕
事をする領域を増加させることで、空力性能の改善を行
うことを目的としている。また貫流流れ101の羽根車
通過面積が大きくなることにより、同一風量における羽
根車1を通過する気流の風速が減少し、それに伴い羽根
車1から発生する風切り音などの騒音を低下させること
を目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
送風装置は、羽根車と、これに近接・対向して位置する
スタビライザと、流路を形成するリアガイダとを有する
貫流ファンを用いた送風装置において、上記羽根車の回
転軸に垂直な断面上で、上記羽根車の回転軸と上記貫流
ファンの吸込側から見た上記スタビライザの先端とを結
ぶ直線より吸込側に設けられ、上記羽根車とスタビライ
ザとの間を上記貫流ファンの吹出側から吸込側へ流れる
漏れ流れを上記羽根車内に戻す抵抗体を備えたものであ
る。
【0007】請求項2の発明に係わる送風装置は、請求
項1に記載の送風装置において、羽根車の回転軸に垂直
な断面上で、抵抗体とスタビライザとの最も近接する位
置間の長さをS1、上記羽根車の直径をDとすると、S1
/Dを0.05以上0.50以下としたものである。
【0008】請求項3の発明に係わる送風装置は、請求
項1に記載の送風装置において、羽根車の回転軸に垂直
な断面上で、抵抗体の断面重心と上記羽根車の回転軸と
を通る直線に対する上記抵抗体の投影長さをS2、上記
羽根車の直径をDとすると、S2/Dを0より大きく
0.30以下としたものである。
【0009】請求項4の発明に係わる送風装置は、請求
項1に記載の送風装置において、羽根車の回転軸に垂直
な断面上で、抵抗体と上記羽根車との最も近接する位置
間の長さをS3、上記羽根車の直径をDとすると、S3
Dを0.02以上0.15以下としたものである。
【0010】請求項5の発明に係わる送風装置は、請求
項1に記載の送風装置において、羽根車の回転軸に垂直
な断面上で、抵抗体の断面重心と上記羽根車の回転軸と
を通る直線に垂直で、上記抵抗体の断面重心を通る直線
に対する上記抵抗体の投影長さをS4、上記羽根車の直
径をDとすると、S4/Dを0より大きく0.10以下
としたものである。
【0011】請求項6の発明に係わる送風装置は、羽根
車に沿って複数個の抵抗体を備えたものである。
【0012】請求項7の発明に係わる送風装置は、請求
項1ないし6の何れかに記載の送風装置において、貫流
ファンの吸込側または吹出側に熱交換器を備えたもので
ある。
【0013】
【作用】請求項1の発明における送風装置では、羽根車
の回転軸に垂直な断面上で、上記羽根車の回転軸と貫流
ファンの吸込側から見たスタビライザの先端とを結ぶ直
線より吸込側に設けられ、上記羽根車とスタビライザと
の間を上記貫流ファンの吹出側から吸込側へ流れる漏れ
流れを上記羽根車内に戻す抵抗体を備えたので、循環流
れの領域を抑制し、貫流流れ部を増加させ、羽根車同一
回転数における風量を増加させることができる。また貫
流部の面積が大きくなることから同一風量における羽根
車通過風速が減少し、それに伴い羽根車から発生する風
切り音などの騒音を低下させることができる。
【0014】請求項2の発明における送風装置では、請
求項1に記載の送風装置において、羽根車の回転軸に垂
直な断面上で、抵抗体とスタビライザとの最も近接する
位置間の長さをS1、上記羽根車の直径をDとすると、
1/Dを0.05以上0.50以下としたので、風量
がより増加し、騒音がより低下した送風装置が得られ
る。
【0015】請求項3の発明における送風装置では、請
求項1に記載の送風装置において、羽根車の回転軸に垂
直な断面上で、抵抗体の断面重心と上記羽根車の回転軸
とを通る直線に対する上記抵抗体の投影長さをS2、上
記羽根車の直径をDとすると、S2/Dを0より大きく
0.30以下としたので、送風装置の吸込口から流入す
る貫流流れに対する抵抗体の圧力損失の増加を抑え、風
量の低下を防ぐことができ、風量がより増加し、騒音が
より低下した送風装置が得られる。
【0016】請求項4の発明における送風装置では、請
求項1に記載の送風装置において、羽根車の回転軸に垂
直な断面上で、抵抗体と上記羽根車との最も近接する位
置間の長さをS3、上記羽根車の直径をDとすると、S3
/Dを0.02以上0.15以下としたので、風量がよ
り増加し、騒音がより低下した送風装置が得られる。
【0017】請求項5の発明における送風装置では、請
求項1に記載の送風装置において、羽根車の回転軸に垂
直な断面上で、抵抗体の断面重心と上記羽根車の回転軸
とを通る直線に垂直で、上記抵抗体の断面重心を通る直
線に対する上記抵抗体の投影長さをS4、上記羽根車の
直径をDとすると、S4/Dを0より大きく0.10以
下としたので、送風装置の吸込口から流入する貫流流れ
に対する抵抗体の圧力損失の増加を抑え、風量の低下を
防ぐことができ、風量がより増加し、騒音がより低下し
た送風装置が得られる。
【0018】請求項6の発明における送風装置では、羽
根車に沿って複数個の抵抗体を備えたので、風量がより
増加し、騒音がより低下した送風装置が得られる。
【0019】請求項7の発明における送風装置では、貫
流ファンの吸込側または吹出側に熱交換器を備えたの
で、羽根車の同一回転数における風量を増加させること
ができることから、入力電力を変更することなく、熱交
換量を増加させることができる。
【0020】
【実施例】
実施例1.図1は本発明の実施例1による送風装置を示
す横断面図であり、羽根車の回転軸に垂直な断面を示し
ている。図2は図1に示した送風装置内部の気流の流線
を示す説明図である。図において、1は羽根車、2は羽
根車1に近接・対向して位置するスタビライザ、2aは
吸込側から見たスタビライザの先端部、3は流路を形成
するリアガイダ、3aは吸込側から見たリアガイダの先
端部、4は吸込口、5は吹出口、6は抵抗体、8は羽根
車1の回転軸、11はノズル、12はケーシングカバ
ー、Rは羽根車1の回転方向である。羽根車1、スタビ
ライザ2、およびリアガイダ3で貫流ファンが構成され
ている。吸込口4から吸い込まれた気流の大部分は羽根
車1を通り、スタビライザ2、リアガイダ3、ノズル1
1で構成される流路を通り、吹出口5から外部に放出さ
れる。これが貫流流れ101である。また、100は循
環流れであり、羽根車1とスタビライザ2との間を吹出
口5から吸込口4へ流れる漏れ流れ100aと、羽根車
1内の旋回流れ100bとを有する。102、103、
104は羽根車1上の位置を表す。この実施例において
は、抵抗体6は、図1に示すように羽根車1の回転軸8
と貫流ファンの吸込側4から見たスタビライザの先端2
aとを結ぶ直線より吸込側4に設けられており、羽根車
1の回転軸8に垂直な面で切った断面形状が長方形の平
板型のものであり、羽根車1とスタビライザ2との間を
貫流ファンの吹出側5から吸込側4へ流れる漏れ流れ1
00aを羽根車1内に戻す働きを有している。
【0021】このように、この実施例によれば、羽根車
1とスタビライザ2との間を流れる漏れ流れ100aを
抵抗体6で抑制し、羽根車1内へ強制的に流入させるこ
とで羽根車1の外部仕事に直接関与しない流れである循
環流れ100を小さくした。これにより、図36で示し
た従来の羽根車1での吸込領域は羽根車1上の位置10
2から103までであったが、抵抗体6を漏れ流れ10
0a中に設置することにより、吸込領域が位置102か
ら104までとなり、羽根車1での静圧仕事をする領域
が位置103から104までの領域分だけ増加し、貫流
流れ101も増加させることができた。また羽根車1の
吸込領域の面積が位置103から104までの領域分大
きくなることから同一風量における羽根車1の気流通過
風速が減少し、それに伴い羽根車1から発生する風切り
音などの騒音を低下させることができる。
【0022】なお、図1において、羽根車1の回転軸8
に垂直な任意の断面上で、羽根車1の回転軸8と貫流フ
ァンの吸込側4から見たスタビライザ2の先端2aとを
結ぶ直線と羽根車1の回転軸8とリアガイダ3の先端3
aとを結ぶ直線がなす貫流ファンの吸込側4の角度αを
2等分した領域のスタビライザ2側に、貫流ファンの吹
出側5から吸込側4へ流れる漏れ流れ100aが存在す
ることが、図36の従来例からも分かる。よって、この
領域に抵抗体6を配置するのがよい。
【0023】なお、図1では、羽根車1の吸込側にケー
シングカバー12を持った送風装置として示しており、
吸込口4を送風装置の前面に設置しているが、例えば、
図3に示すように前面の吸込口4aだけでなく、上面に
も吸込口4bを設けた送風装置や、図4に示すように前
面と上面の吸込口4a、4bだけでなく、背面にも吸込
口4cを設けた送風装置などがあるが、吸込口4の場所
に関わらず、羽根車1とスタビライザ2との間を流れる
漏れ流れ100aが存在するため、抵抗体6を設置する
ことにより羽根車1の空力性能の改善と低騒音化を実現
できる。
【0024】また図1で、抵抗体6として断面形状を長
方形とした平板型のものを用いているが、抵抗体6とし
て作用するものであれば断面形状は問わない。例えば、
図5に示すような断面形状を円とした円柱状の抵抗体6
や図6に示すような断面形状を楕円とした棒状の抵抗体
6、図7に示すような断面形状を曲面とした板状の抵抗
体6などが挙げられる。さらに、抵抗体6は羽根車1の
回転軸に沿った長さ方向の全体に亘って設けてもよい
し、長さ方向の少なくとも一部に設けてもよい。さらに
長さ方向に間隔をあけて複数個配置してもよい。
【0025】実施例2.図8は、本発明の実施例2によ
る送風装置を説明する横断面図であり、羽根車の回転軸
に垂直な断面を示している。図において、S1は上記断
面上での抵抗体6とスタビライザ2との最も近接する位
置間の長さ、Dは上記断面上での羽根車1の直径であ
る。図9は、羽根車1の直径Dに対する抵抗体6とスタ
ビライザ2との最も近接する位置間の長さS1の比S1
Dを変化させた時の羽根車1の回転数750rpmにお
ける吹出側の風量の実測値、図10は風量7m3/mi
nにおける騒音の実測値をそれぞれ抵抗体6が無い従来
の送風装置の場合と併せて示したグラフである。なお、
測定条件は表に示すとおりである。
【0026】
【表1】
【0027】図9において、同一回転数における風量は
1/Dが0.025以上0.50以下において、抵抗
体無しの従来の送風装置より増加しているのがわかる。
これは、特に上記の範囲において、羽根車1とスタビラ
イザ2との間を流れる漏れ流れ100aを抵抗体6に効
率的に衝突させ、強制的に羽根車1に流入させることが
でき、循環流れ100を小さくし、同時に貫流流れ10
1が相対的に大きくなることから風量を増大させること
ができることを示している。なお、S1/Dが大きくな
るにつれて、抵抗体6がスタビライザ2から離れ、漏れ
流れ100aを抑制する効果が減り、風量が抵抗体無し
の状態に近づく。また、図10において、騒音はS1
Dが0.05以上0.50以下の範囲で、抵抗体無しの
送風装置より低騒音であることが分かる。これは風量が
従来の送風装置より増加したことにより、同一風量にお
ける羽根車1の回転数が低下したことと、抵抗体6を設
置することにより羽根車1での吸込面積が増加したこと
による同一風量での気流の羽根車1の通過風速が低下す
ることにより、騒音が低減していると考えられる。その
ため風量が従来の送風装置と同等となるS1/Dが0.
5より大きい領域では騒音も従来の抵抗体無しの状態と
同等となる。また抵抗体6がスタビライザ2に近づくS
1/Dが0.05より小さい範囲では、漏れ流れ100
aの流速が大きくなり、抵抗体6における圧力変動が大
きくなることから、騒音が増大している。よって抵抗体
6とスタビライザ2との最も近接する位置間の長さS1
の羽根車の直径Dに対する比S1/Dが0.05以上
0.50以下において従来の抵抗体無しの貫流ファンを
用いた送風装置より風量が増大し、さらに低騒音も実現
できる。なお、抵抗体6やスタビライザ2は羽根車1の
回転軸8に沿って羽根車1と同じぐらい長く形成されて
いるが、製造誤差や運転時の撓み等により、羽根車の回
転軸8に垂直な断面上での抵抗体6とスタビライザ2と
の最も近接する位置間の長さS1が各断面によって多少
異なることがある。この場合にも各断面でのS1/Dが
上記範囲内にあるのが好ましい。
【0028】なお、上記特性図では羽根車1の直径Dが
100mmの場合についてしか測定していないが、文献
(「ターボ送風機と圧縮機」生井武文、井上雅弘著、コ
ロナ社、p784)に示されているように、送風機の形
状が相似形であれば、次式が成立する。 (風量)/{(回転数)×(羽根車の直径)3 }= 一
定 また、騒音に関しては、次式が成立する。 (騒音)−10log{(羽根車の直径)8 ×(回転
数)6 }= 一定 これは羽根車1の直径Dを固定することで風量が羽根車
1の回転数に比例することを意味しており、羽根車1の
径が変わっても同一羽根車径、同一回転数で風量を比較
する限り特性は変化しない。また、羽根車1の径を固定
すると、回転数は風量に比例するため、 (騒音)−10log(風量)6 = 一定 となり、騒音は風量で決まることになる。そのため、同
一羽根車径、同一風量で騒音を比較する限り、特性は変
化しない。これらにより、羽根車1の直径Dに対するS
1 の寸法の比と抵抗体6の数を規定することで、図2に
示すような流線分布も同一となり、抵抗体6の同じ効果
を得ることができる。なお、以下で説明するS2、S3
4についても同じことが言える。
【0029】実施例3.図11は、本発明の実施例3に
よる送風装置を説明する横断面図であり、羽根車の回転
軸に垂直な断面を示している。図において、S2は上記
断面上での抵抗体6の断面重心7と羽根車1の回転軸8
とを通る直線9に対する抵抗体6の投影長さである。図
12は、直線9に対する抵抗体6の投影長さS2の羽根
車1の直径Dに対する比S2/Dを変化させた時の回転
数750rpmにおける吹出側の風量の実測値、図13
は風量7m3/minにおける騒音の実測値をそれぞれ
抵抗体6が無い従来の送風装置の場合と併せて示したグ
ラフである。なお、測定条件は表に示すとおりである。
【0030】図12において、同一回転数における風量
はS2/Dが0より大きく0.30以下の範囲で、抵抗
体無しの従来の送風装置より増加していることがわか
る。これは、特に上記の範囲において、羽根車1とスタ
ビライザ2との間を流れる漏れ流れ100aを抵抗体6
に衝突させ、強制的に羽根車1に流入させることによ
り、循環流れ100を小さくし、同時に貫流流れ101
が相対的に大きくなることから風量を増大させることが
できることを示している。なお、抵抗体6の投影長さS
2が大きくなるS2/Dが0.3より大きい範囲では、抵
抗体6が送風機外部から流入する貫流流れ101に対し
て圧力損失となり、風量が低下する。また抵抗体6の投
影長さS2が短くなり0に近づくと(例えば実測ではS2
/Dが0.02でありこれより小さい範囲)では、抵抗
体6としての効果が小さくなり、抵抗体無しの状態の風
量に漸近する。また、図13において、騒音はS2/D
が0より大きく0.30以下の範囲で、抵抗体無しの送
風装置より低騒音である。これは風量が従来の送風装置
より、増加したことにより、同一風量における羽根車1
の回転数が低下したことと、抵抗体6を設置することに
より羽根車1での吸込面積が増加したことによる同一風
量での気流の羽根車1の通過風速が低下することによ
り、騒音が低減している。そのため風量が従来の送風装
置より少なくなるS2/Dが0.3より大きい範囲では
騒音も従来の抵抗体無しの状態より悪化する。また抵抗
体6の投影長さS2が短くS2/Dが0に近い範囲では、
抵抗体としての効果が小さくなり、風量の増加量が減る
ため、同一風量の騒音も抵抗体無しの状態に近づいてく
る。よって抵抗体6の断面重心7と羽根車1の回転軸8
とを通る直線9に対する抵抗体6の投影長さS2の羽根
車1の直径に対する比S2/Dが0より大きく0.30
以下において従来の抵抗体無しの貫流ファンを用いた送
風装置より風量が増大し、さらに低騒音も実現できる。
なお、抵抗体6は羽根車1の回転軸8に沿って羽根車1
と同じぐらい長く形成されているが、製造誤差や運転時
の撓み等により、上記抵抗体の投影長さS2が各断面に
よって多少異なることがある。この場合にも各断面での
2/Dが上記範囲内にあるのが好ましい。
【0031】実施例4.図14は、本発明の実施例4に
よる送風装置を説明する横断面図であり、羽根車の回転
軸に垂直な断面を示している。図において、S3は上記
断面上での抵抗体6と羽根車1との最も近接する位置間
の長さ、13は羽根車1の回転羽根を表す。図15は、
抵抗体6と羽根車1との最も近接する位置間の長さS3
の羽根車1の直径Dに対する比S3/Dを変化させたと
きの羽根車1の回転数750rpmにおける風量の実測
値、図16は風量7m3/minにおける騒音の実測値
をそれぞれ抵抗体6が無い従来の送風装置と併せて示し
たグラフである。なお、測定条件は表に示すとおりであ
る。
【0032】図15において、同一回転数における風量
はS3/Dが0.15以下の範囲で、抵抗体無しの従来
の送風装置より増加していることがわかる。これは、特
に上記の範囲において、羽根車1とスタビライザ2との
間を流れる漏れ流れ100aを抵抗体6に衝突させ、強
制的に羽根車1に流入させることができ、循環流れ10
0を小さくし、同時に貫流流れ101が相対的に大きく
なることから風量を増大させることができることを示し
ている。また抵抗体6と羽根車1との最も近接する位置
間の長さS3が大きくなるS3/Dが0.15より大きい
範囲で、抵抗体6としての効果が低下し、風量が減少す
る。また、図16において、騒音はS3/Dが0.02
以上0.15以下の範囲で、抵抗体無しの送風装置より
低騒音であることがわかる。これは風量が従来の送風装
置より、増加したことにより、同一風量における羽根車
1の回転数が低下したことと、抵抗体6を設置すること
により羽根車1での吸込面積が増加したことによる同一
風量での気流の羽根車1の通過風速が低下することによ
り、騒音が低減していると考えられる。そのため風量が
従来の送風装置と同等となるS3/Dが0.15より大
きい範囲では騒音も従来の抵抗体無しの状態と同レベル
になる。また抵抗体6が羽根車1に近づくS3/Dが
0.02より小さい範囲では、羽根車1の回転羽根13
が抵抗体6近傍を通過する際に、大きな揚力変動を受け
ることにより、回転音を発生するため、騒音が抵抗体無
しの送風装置に比べて大きくなる。よって抵抗体6と羽
根車1との最も近接する位置間の長さS3の羽根車1の
直径Dに対する比S3/Dが0.02以上0.15以下
において従来の抵抗体無しの貫流ファンを用いた送風装
置より風量が増大し、さらに低騒音も実現できる。な
お、抵抗体6は羽根車1の回転軸8に沿って羽根車1と
同じぐらい長く形成されているが、製造誤差や運転時の
撓み等により、羽根車の回転軸8に垂直な断面上での抵
抗体6と羽根車1との最も近接する位置間の長さS3
各断面によって多少異なることがある。この場合にも各
断面でのS3/Dが上記範囲内にあるのが好ましい。
【0033】実施例5.図17は、本発明の実施例5に
よる送風装置を説明する横断面図であり、羽根車の回転
軸に垂直な断面を示している。図において、S4は上記
断面上での抵抗体6の断面重心7と羽根車1の回転軸8
とを結ぶ直線9に垂直で、抵抗体6の断面重心7を通る
直線10に対する抵抗体6の投影長さを表す。図18
は、羽根車1の回転軸8に垂直な任意の断面上におい
て、抵抗体6の断面重心7と羽根車の回転軸8とを結ぶ
直線9に垂直で、抵抗体6の断面重心7を通る直線10
に対する抵抗体の投影長さS4の羽根車1の直径Dに対
する比S4/Dを変化させた時の羽根車1の回転数75
0rpmにおける風量の実測値、図19は風量7m3
minにおける騒音の実測値をそれぞれ抵抗体6が無い
従来の送風装置と併せて示したグラフである。なお、測
定条件は表に示すとおりである。
【0034】図18において、同一回転数における風量
はS4/Dが0.10以下の範囲で、抵抗体無しの従来
の送風装置より増加していることがわかる。これは、特
に上記の範囲において、羽根車1とスタビライザ2との
間を流れる漏れ流れ100aを抵抗体6に衝突させ、強
制的に羽根車1に流入させることにより、循環流れ10
0を小さくし、同時に貫流流れ101が相対的に大きく
なることから風量を増大させることができることを示し
ている。また抵抗体6の投影長さS4が大きくなるS4
Dが0.10より大きい範囲において、吸込口から流入
した貫流流れ101に対して、抵抗体が圧力損失とな
り、風量が減少する。また、図19において、騒音はS
4/Dが0.10以下の範囲で、抵抗体無しの送風装置
より低騒音である。これは風量が従来の送風装置より、
増加したことにより、同一風量における羽根車1の回転
数が低下したことと、抵抗体6を設置することにより羽
根車1での吸込面積が増加したことによる同一風量での
気流の羽根車1の通過風速が低下することにより、騒音
が低減している。そのため風量が従来の送風装置より低
くなるS4/Dが0.10より大きい範囲では騒音も従
来の抵抗体無しの状態と同レベルになる。なお、図17
において、抵抗体6の断面重心7と羽根車1の回転軸8
とを結ぶ直線9に垂直で、抵抗体6の断面重心7を通る
直線10に対する抵抗体6の投影長さであるS4は、抵
抗体6が直線9に平行でその厚さが薄くなればなるほど
0に近づくが、厚さを0とすることは不可能であるの
で、S4/Dが0より大きいことは明かである。よって
抵抗体6の投影長さS4の羽根車1の直径Dに対する比
4/Dが0より大きく0.10以下において従来の抵
抗体無しの貫流ファンを用いた送風装置より風量が増大
し、さらに低騒音も実現できる。なお、抵抗体6は羽根
車1の回転軸8に沿って羽根車1と同じぐらい長く形成
されているが、製造誤差や運転時の撓み等により、上記
抵抗体の投影長さS4が各断面によって多少異なること
がある。この場合にも各断面でのS4/Dが上記範囲内
にあるのが好ましい。
【0035】実施例6.図20は、本発明の実施例6に
よる送風装置を説明する横断面図である。図において、
6a、6b、6cはそれぞれの抵抗体を示す。図21
は、本発明の実施例6において、抵抗体の数を変化させ
た時の羽根車1の回転数750rpmにおける風量の実
測値、図22は風量7m3/minにおける騒音の実測
値をそれぞれ抵抗体が無い従来の送風装置と併せて示し
たグラフである。なお、測定条件は表に示すとおりであ
る。各抵抗体6a、6b、6cが実施例3から実施例5
に示したS2/D、S3/D、S4/Dの範囲内にあり、
さらにスタビライザ2に最も近い位置にある抵抗体6a
が実施例2に示したS1/Dの範囲内にあるように構成
されている。各抵抗体6a、6b、6c間の距離すなわ
ち抵抗体同士の最も近接する位置間の長さは10mmで
ある。
【0036】図21において、同一回転数における風量
は抵抗体の数が1つ以上5つ以下において、抵抗体無し
の従来の送風装置より増加していることがわかる。これ
は羽根車1とスタビライザ2との間を流れる漏れ流れ1
00aを抵抗体6aに衝突させ、強制的に羽根車1に流
入させるが、漏れ流れ100aで抵抗体6aに衝突せず
に流れた気流に対して、次の抵抗体6b、6cで羽根車
1に流入させることにより、循環流れ100を小さく
し、貫流流れ101が相対的に大きくなることから風量
を増大させることができることによる。なお、抵抗体の
数が6つ以上になると、吸込口から流入した貫流流れ1
01に対し、抵抗体が圧力損失となるため抵抗体無しの
場合に比べ風量が減少する。また、図22において、騒
音は抵抗体の数が1つ以上5つ以下で、抵抗体無しの送
風装置より低騒音である。これは風量が従来の送風装置
より、増加したことにより、同一風量における羽根車1
の回転数が低下したことと、抵抗体6を設置することに
より羽根車1での吸込面積が増加したことによる同一風
量での気流の羽根車1の通過風速が低下することによ
り、騒音が低減していると考えられる。そのため風量が
従来の送風装置より低くなる抵抗体が6つ以上の範囲で
は騒音も従来の抵抗体無しの状態より悪化している。ま
た羽根車1の回転羽根13が抵抗体近傍を通過する際
に、大きな揚力変動を受け回転音を発生する。抵抗体の
数を増やすことにより、回転羽根13が揚力変動を受け
る回数が増え、回転音の音源が増加することになり、騒
音が増大する。そこで抵抗体の数の最大値を限定するこ
とで、圧力損失と回転音の音源を減らし、適切な風量増
加と騒音低減の効果がある送風装置を得ることができ
る。よってこの例では抵抗体の数は1つ以上5つ以下に
おいて従来の抵抗体無しの貫流ファンを用いた送風装置
より風量が増大し、さらに低騒音も実現できる。
【0037】このように、抵抗体の数を増やすと送風装
置の外部から流入する貫流流れに対し圧力損失となり、
風量の低下を招く。また羽根車1の回転羽根13が抵抗
体近傍を通過する際に、大きな揚力変動を受け回転音を
発生する。抵抗体の数を増やすことにより、回転羽根が
揚力変動を受ける回数が増え、回転音の音源が増加する
ことになり、騒音が増大する。そこで抵抗体の数の最大
値を限定することで、圧力損失と回転音の音源を減ら
し、適切な風量増加と騒音低減の効果がある送風装置を
得ることができる。なお、上記実施例では抵抗体の数は
1つ以上5つ以下において効果があったが、条件によっ
ては5つ以上であってもよい場合も有り得る。
【0038】なお、図20において、羽根車1の回転軸
8に垂直な任意の断面上で、羽根車1の回転軸8と貫流
ファンの吸込側4から見たスタビライザ2の先端2aと
を結ぶ直線と羽根車1の回転軸8とリアガイダ3の先端
3aとを結ぶ直線がなす貫流ファンの吸込側4の角度α
を2等分した領域のスタビライザ2側に、貫流ファンの
吹出側5から吸込側4へ流れる漏れ流れ100aが存在
することが、図36の従来例からも分かる。よって、こ
の領域に羽根車1に沿って複数個の抵抗体6a、6b、
6cを配置するのがよい。
【0039】また上記実施例2〜6では、抵抗体6とし
て断面形状を長方形とした平板型のものを用いた場合に
ついて示したが、これに限るものではなく、例えば、図
5に示したような断面形状を円とした円柱状の抵抗体6
や、図6に示したような断面形状を楕円とした棒状の抵
抗体6や、図7に示したような断面形状を曲面とした板
状の抵抗体6などを用いてもよく上記各実施例と同様の
効果が得られる。
【0040】実施例7.図23は、本発明の実施例7に
よる送風装置を示す横断面図である。図において、14
は熱交換器であり、貫流ファンの吸込側または吹出側に
熱交換器14を備えることにより、貫流ファンを用いた
送風装置を空調機として機能させることができる。この
ように、従来用いられている貫流ファンを用いた空調機
において、抵抗体6をスタビライザ2の近傍に設置する
ことにより、羽根車1の同一回転数における空調機の風
量を増加させることができることから、モータ入力値を
変更することなく、熱交換量を増加させることが可能と
なる。
【0041】なお、図23では羽根車1の吸込側に熱交
換器14を1枚設置した構造となっているが、熱交換器
の設置場所、形態、数に関わらず羽根車1とスタビライ
ザ2との間を流れる漏れ流れ100aが存在するため、
抵抗体6を設置することにより、羽根車1の空力改善と
低騒音化が実現する。例えば図24は羽根車1の正面1
4aと斜め上方14bに2枚の熱交換器を設置した送風
装置に、羽根車1とスタビライザ2との間を流れる漏れ
流れ100aの中に抵抗体6を設置した例を示す横断面
図である。また図24において2枚の熱交換器を設置す
るのではなく、1枚の熱交換器を折り曲げて同じ位置関
係で設置することも可能である。また図25は羽根車1
の正面と斜め上方と背面側に3枚の熱交換器14a、1
4b、14cを配置した送風装置に、羽根車1とスタビ
ライザ2との間を流れる漏れ流れ100aの中に抵抗体
6を設置した例を示す横断面図である。また図25にお
いて3枚の熱交換器を設置するのではなく、2枚の熱交
換器を使い、その内の1枚を折り曲げて正面と斜め上方
と背面に設置したり、1枚の熱交換器の2カ所を折り曲
げて、正面と斜め上方と背面に設置したりすることも可
能である。また図26は羽根車1の斜め上方と背面に2
枚の熱交換器14b、14cを配置した送風装置に、羽
根車1とスタビライザ2との間を流れる漏れ流れ100
aの中に抵抗体6を設置した例を示す横断面図である。
また図26において2枚の熱交換器を設置するのではな
く、1枚の熱交換器を折り曲げて斜め上方と背面に設置
したりすることも可能である。また、上記図23〜図2
6では何れも貫流ファンの吸込側に熱交換器を設置した
場合について示したが、吹出側に設置してもよい。
【0042】実施例8.図27は、本発明の実施例8に
よる送風装置を示す横断面図である。図において、15
は熱交換器の配管、16は抵抗体の取り付け部材であ
り、例えば針金よりなる。この例では抵抗体6は取り付
け部材16を介して熱交換器14の配管15で支持され
ている。図28は抵抗体6が取り付け部材16に固定さ
れる様子を示す斜視図である。抵抗体6の取り付け部材
16への固定は、例えば抵抗体6が金属板である場合は
溶接により、また抵抗体6がプラスチックである場合は
抵抗体6における取り付け部材16との接触面積を大き
くして接着剤によりなされる。また、熱交換器14への
取り付けは、針金状の取り付け部材16を熱交換器14
の管15などに巻き付けたり、図27に示すように管1
5にはめ込むことで実施でき、これにより熱交換器14
と一体で取り付け取り外しが可能となり、生産やメンテ
ナンスが行いやすくなり、さらに送風装置が外部から衝
撃を受けた際に抵抗体6が熱交換器14に衝突して、破
損することが無くなる。
【0043】実施例9.図29は、本発明の実施例9に
よる送風装置を示す横断面図である。この例では抵抗体
6をスタビライザ2で支持している。図30は抵抗体6
がスタビライザ2に支持される様子を示す斜視図であ
る。このように抵抗体6をスタビライザ2に取り付ける
構造を取ることにより、取り付け性、生産性の向上や抵
抗体6とスタビライザ2との距離の精度を向上すること
ができる。また外部からの衝撃を受けたときに、変形し
にくい部材であるスタビライザ2に固定することによ
り、羽根車1との接触を防ぐことができ、さらに羽根車
1の回転軸方向の抵抗体6自身の変形を防ぐことができ
る。また抵抗体6をスタビライザ2の一部として一体成
形することにより、スタビライザ2の形状変更として製
作が可能となり、また一体成形品として製作するための
コスト低減を行うことが可能となる。また実施例2で説
明したようにスタビライザ2と抵抗体6はある程度離れ
ている方が風量の増加や低騒音化に効果があるために、
図30に示すように抵抗体6とスタビライザ2の間に取
り付け部材16を付けて、穴17を設けている。スタビ
ライザ2と抵抗体6との距離は穴17の大きさを加減す
ることにより調節される。
【0044】実施例10.図31は、本発明の実施例1
0による送風装置を示す横断面図である。この例では抵
抗体6をノズル11の一部に取り付けている。図32に
抵抗体6と取り付け部材16の様子を斜面図で示すよう
に、抵抗体6に取り付け部材16を付けて、ノズル11
にはめ込む方式にしたり、挟み込む方式を取ることによ
り、抵抗体6の設置やメンテナンスが容易に行え、さら
にスタビライザ2との距離の位置決め精度を向上させる
ことが可能となる。また抵抗体6をノズル11と一体成
形することにより、ノズル11の形状変更として製作が
可能となり、また一体成形品として製作するためのコス
ト低減を行うことが可能となる。また実施例2で説明し
たようにスタビライザ2と抵抗体6はある程度離れてい
る方が風量の増加や低騒音化に効果があるために、図3
2に示すように抵抗体6とスタビライザ2の間に取り付
け部材16を付けて、穴17を設けている。スタビライ
ザ2と抵抗体6との距離は穴17の大きさを加減するこ
とにより調節される。
【0045】実施例11.図33は、本発明の実施例1
1による送風装置の要部を示す斜視図である。この例で
は抵抗体6を送風装置の側板18で支持している。図3
4は側板18を取り除いて一部断面で示す横断面図、図
35は抵抗体6を拡大して示す斜視図である。この例で
は、抵抗体6に取り付け部材16を設け、側板18を組
み立てる際に取り付けることができる。このように抵抗
体6を送風装置の両側の側板18にはめ込む方式を取る
ことにより、抵抗体6の位置決め精度を向上させること
が可能となる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、羽根車の回転軸に垂直な断面上で、上記羽根車の回
転軸と貫流ファンの吸込側から見たスタビライザの先端
とを結ぶ直線より吸込側に設けられ、上記羽根車とスタ
ビライザとの間を上記貫流ファンの吹出側から吸込側へ
流れる漏れ流れを上記羽根車内に戻す抵抗体を備えたの
で、循環流れの領域を抑制し、貫流流れ部を増加させ、
羽根車同一回転数における風量を増加させることができ
る。また貫流部の面積が大きくなることから同一風量に
おける羽根車通過風速が減少し、それに伴い羽根車から
発生する風切り音などの騒音を低下させることができ
る。
【0047】請求項2の発明によれば、請求項1に記載
の送風装置において、羽根車の回転軸に垂直な断面上
で、抵抗体とスタビライザとの最も近接する位置間の長
さをS1、上記羽根車の直径をDとすると、S1/Dを
0.05以上0.50以下としたので、風量がより増加
し、騒音がより低下した送風装置が得られる。
【0048】請求項3の発明によれば、請求項1に記載
の送風装置において、羽根車の回転軸に垂直な断面上
で、抵抗体の断面重心と上記羽根車の回転軸とを通る直
線に対する上記抵抗体の投影長さをS2、上記羽根車の
直径をDとすると、S2/Dを0より大きく0.30以
下としたので、送風装置の吸込口から流入する貫流流れ
に対する抵抗体の圧力損失の増加を抑え、風量の低下を
防ぐことができ、風量がより増加し、騒音がより低下し
た送風装置が得られる。
【0049】請求項4の発明によれば、請求項1に記載
の送風装置において、羽根車の回転軸に垂直な断面上
で、抵抗体と上記羽根車との最も近接する位置間の長さ
をS3、上記羽根車の直径をDとすると、S3/Dを0.
02以上0.15以下としたので、風量がより増加し、
騒音がより低下した送風装置が得られる。
【0050】請求項5の発明によれば、請求項1に記載
の送風装置において、羽根車の回転軸に垂直な断面上
で、抵抗体の断面重心と上記羽根車の回転軸とを通る直
線に垂直で、上記抵抗体の断面重心を通る直線に対する
上記抵抗体の投影長さをS4、上記羽根車の直径をDと
すると、S4/Dを0より大きく0.10以下としたの
で、送風装置の吸込口から流入する貫流流れに対する抵
抗体の圧力損失の増加を抑え、風量の低下を防ぐことが
でき、風量がより増加し、騒音がより低下した送風装置
が得られる。
【0051】請求項6の発明によれば、羽根車に沿って
複数個の抵抗体を備えたので、風量がより増加し、騒音
がより低下した送風装置が得られる。
【0052】請求項7の発明によれば、貫流ファンの吸
込側または吹出側に熱交換器を備えたので、羽根車の同
一回転数における風量を増加させることができることか
ら、入力電力を変更することなく、熱交換量を増加させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による送風装置を示す横断
面図である。
【図2】 図1に示した送風装置内部の気流の流線を示
す説明図である。
【図3】 本発明の実施例1による送風装置の吸込口の
変形例を示す横断面図である。
【図4】 本発明の実施例1による送風装置の吸込口の
変形例を示す横断面図である。
【図5】 本発明の実施例1による送風装置の抵抗体の
変形例を示す横断面図である。
【図6】 本発明の実施例1による送風装置の抵抗体の
変形例を示す横断面図である。
【図7】 本発明の実施例1による送風装置の抵抗体の
変形例を示す横断面図である。
【図8】 本発明の実施例2による送風装置を説明する
横断面図である。
【図9】 本発明の実施例2における羽根車の直径Dに
対する抵抗体とスタビライザとの距離S1の比を変化さ
せたときの回転数一定おける風量の実測値を示すグラフ
である。
【図10】 本発明の実施例2における羽根車の直径D
に対する抵抗体とスタビライザとの距離S1の比を変化
させたときの同一風量における騒音の実測値を示すグラ
フである。
【図11】 本発明の実施例3による送風装置を説明す
る横断面図である。
【図12】 本発明の実施例3における羽根車の直径D
に対する抵抗体の投影長さS2の比を変化させたときの
回転数一定おける風量の実測値を示すグラフである。
【図13】 本発明の実施例3における羽根車の直径D
に対する抵抗体の投影長さS2の比を変化させたときの
同一風量における騒音の実測値を示すグラフである。
【図14】 本発明の実施例4による送風装置を説明す
る横断面図である。
【図15】 本発明の実施例4における羽根車の直径D
に対する抵抗体と羽根車との距離S3の比を変化させた
ときの羽根車の回転数一定における風量の実測値を示す
グラフである。
【図16】 本発明の実施例4における羽根車の直径D
に対する抵抗体と羽根車との距離S3の比を変化させた
ときの同一風量における騒音の実測値を示すグラフであ
る。
【図17】 本発明の実施例5による送風装置を説明す
る横断面図である。
【図18】 本発明の実施例5における羽根車の直径D
に対する抵抗体の投影長さS4の比を変化させたときの
羽根車の回転数一定における風量の実測値を示すグラフ
である。
【図19】 本発明の実施例5における羽根車の直径D
に対する抵抗体の投影長さS4の比を変化させたときの
同一風量における騒音の実測値を示すグラフである。
【図20】 本発明の実施例6による送風装置を説明す
る横断面図である。
【図21】 本発明の実施例6における抵抗体の数を変
化させたときの羽根車の回転数一定における風量の実測
値を示すグラフである。
【図22】 本発明の実施例6における抵抗体の数を変
化させたときの同一風量における騒音の実測値を示すグ
ラフである。
【図23】 本発明の実施例7による送風装置を示す横
断面図である。
【図24】 本発明の実施例7による送風装置の熱交換
器の位置の変形例を示す横断面図である。
【図25】 本発明の実施例7による送風装置の熱交換
器の位置の変形例を示す横断面図である。
【図26】 本発明の実施例7による送風装置の熱交換
器の位置の変形例を示す横断面図である。
【図27】 本発明の実施例8による送風装置を示す横
断面図である。
【図28】 本発明の実施例8における抵抗体が取り付
け部材に固定される様子を示す斜視図である。
【図29】 本発明の実施例9による送風装置を示す横
断面図である。
【図30】 本発明の実施例9における抵抗体がスタビ
ライザに支持される様子を示す斜視図である。
【図31】 本発明の実施例10による送風装置を示す
横断面図である。
【図32】 本発明の実施例10における抵抗体が取り
付け部材に固定される様子を示す斜面図である。
【図33】 本発明の実施例11による送風装置の要部
を示す斜視図である。
【図34】 本発明の実施例11による送風装置を示す
横断面図である。
【図35】 本発明の実施例11における抵抗体を拡大
して示す斜視図である。
【図36】 従来の貫流ファンを用いた一般的な送風装
置内での流線を説明する横断面図である。
【図37】 従来例に関わる貫流ファンを用いた送風装
置の要部の構成を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 羽根車、2 スタビライザ、2a 吸込側から見た
スタビライザの先端、3 リアガイダ、3a 吸込側か
ら見たリアガイダの先端、4、4a、4b、4c 吸込
口、5 吹出口、6、6a、6b、6c 抵抗体、7
抵抗体の断面重心、8 羽根車の回転軸、11 ノズ
ル、12 ケーシングカバー、13 回転羽根、14、
14a、14b、14c 熱交換器、16 抵抗体取り
付け部材、17 穴、18 送風装置の側板、100
循環流れ、100a 漏れ流れ、100b 羽根車内の
旋回流れ、101 貫流流れ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羽根車と、これに近接・対向して位置す
    るスタビライザと、流路を形成するリアガイダとを有す
    る貫流ファンを用いた送風装置において、上記羽根車の
    回転軸に垂直な断面上で、上記羽根車の回転軸と上記貫
    流ファンの吸込側から見た上記スタビライザの先端とを
    結ぶ直線より吸込側に設けられ、上記羽根車とスタビラ
    イザとの間を上記貫流ファンの吹出側から吸込側へ流れ
    る漏れ流れを上記羽根車内に戻す抵抗体を備えたことを
    特徴とする送風装置。
  2. 【請求項2】 羽根車の回転軸に垂直な断面上で、抵抗
    体とスタビライザとの最も近接する位置間の長さを
    1、上記羽根車の直径をDとすると、S1/Dを0.0
    5以上0.50以下としたことを特徴とする請求項1記
    載の送風装置。
  3. 【請求項3】 羽根車の回転軸に垂直な断面上で、抵抗
    体の断面重心と上記羽根車の回転軸とを通る直線に対す
    る上記抵抗体の投影長さをS2、上記羽根車の直径をD
    とすると、S2/Dを0より大きく0.30以下とした
    ことを特徴とする請求項1記載の送風装置。
  4. 【請求項4】 羽根車の回転軸に垂直な断面上で、抵抗
    体と上記羽根車との最も近接する位置間の長さをS3
    上記羽根車の直径をDとすると、S3/Dを0.02以
    上0.15以下としたことを特徴とする請求項1記載の
    送風装置。
  5. 【請求項5】 羽根車の回転軸に垂直な断面上で、抵抗
    体の断面重心と上記羽根車の回転軸とを通る直線に垂直
    で、上記抵抗体の断面重心を通る直線に対する上記抵抗
    体の投影長さをS4、上記羽根車の直径をDとすると、
    4/Dを0より大きく0.10以下としたことを特徴
    とする請求項1記載の送風装置。
  6. 【請求項6】 羽根車に沿って複数個の抵抗体を備えた
    請求項1ないし5の何れかに記載の送風装置。
  7. 【請求項7】 貫流ファンの吸込側または吹出側に熱交
    換器を備えた請求項1ないし6の何れかに記載の送風装
    置。
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CN103528132A (zh) * 2012-07-02 2014-01-22 日立空调·家用电器株式会社 空调机的室内机
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