JPH0642498A - 軸流送風機 - Google Patents

軸流送風機

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JPH0642498A
JPH0642498A JP21614292A JP21614292A JPH0642498A JP H0642498 A JPH0642498 A JP H0642498A JP 21614292 A JP21614292 A JP 21614292A JP 21614292 A JP21614292 A JP 21614292A JP H0642498 A JPH0642498 A JP H0642498A
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JP
Japan
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opening
fan
shroud
radiator
axial
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JP21614292A
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English (en)
Inventor
Hisayoshi Matsushima
尚義 松島
Shigeru Akaike
茂 赤池
Motohiro Kitada
基博 北田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラジエータ等の熱交換器に対して軸流ファン
を偏心して配置した場合に回転騒音が高くなるのを防止
する。 【構成】 熱交換器1の中心から外れている下流側の位
置において熱交換器1と対向して軸流ファン2を設け、
熱交換器1と軸流ファン2とを滑らかにつなぐシュラウ
ド3によって空気通路を形成すると共に、シュラウド3
内の空気通路のうち軸流ファン2の中心線を境として熱
交換器1の比較的狭い面積に対応する側の領域Aにおい
て、軸流ファン2よりも上流側のシュラウド3に開口6
を設けて大気を空気通路内に導入し、軸流ファン2の上
流側のA領域にできる低圧部分に流入させて圧力を高
め、圧力のアンバランスを解消することにより、1次及
び3次の回転騒音が低減する。更に、ファン2の上流側
のシュラウド3の内面から内側に向って突出する整流板
を設けると2次及び4次の回転騒音も低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車のエン
ジン冷却用ラジエータや、車両用空調装置のコンデンサ
のような熱交換器の下流側において、シュラウドと共に
設置する軸流送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジン冷却用ラジエータや、
車両用空調装置のコンデンサのような熱交換器には、そ
の背後にシュラウドと共に軸流送風機を設置して、熱交
換器を通して外部から空気を吸引し、その気流によって
熱交換器を冷却する構造をとるものが多い。そのような
熱交換器冷却用の軸流送風機の設置に当たって、エンジ
ンルーム内の過密化等の理由から、軸流送風機を熱交換
器の中心に合わせてその正面の背後に設けることが困難
となる場合がしばしばあり、やむを得ず図3に示すよう
に、熱交換器(ラジエータ1)の中心に対して横方向に
偏心した位置に軸流ファン2を設置することがある。こ
のような場合には、熱交換器とそれに対して横にずれた
位置に配置されている軸流ファンとを結ぶ空気通路を形
成するために、変形ダクト状のシュラウドを設けること
になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図3に示すようにファ
ン2をラジエータ1に対して偏心して配置すると、ラジ
エータ1の中心に合わせて設置した場合よりも回転騒音
が増大するという問題があり、その原因は、後に詳しく
述べるように、軸流ファン2の上流側において圧力の分
布状態がアンバランスになっていること、及び部分的に
対向する流れが起こっているためであると考えられる。
そこで、本発明はこのような原因の解明に立脚して、ラ
ジエータ1に対して軸流ファン2が偏心して配置されて
いても、騒音を低レベルに抑えることができる新規な手
段を提供することを発明の解決課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、熱交換器の中心から外れて
いる下流側の位置において前記熱交換器と対向して軸流
ファンを設け、前記熱交換器と前記軸流ファンとを滑ら
かにつなぐシュラウドによって空気通路を形成すると共
に、前記シュラウド内の前記空気通路のうち前記軸流フ
ァンの中心線を境として前記熱交換器の比較的狭い面積
に対応する側の領域において、前記軸流ファンよりも上
流側の前記シュラウドに開口を設けて、大気を前記空気
通路内に導入するようにしたことを特徴とする軸流送風
機を提供する。
【0005】また、本発明は、前記開口の面積の最適値
を選定するために、前記開口の通気抵抗を示すP/Vas
2 の値(P:シュラウド内の圧力aq,Vas:開口の流
入空気速度m/sec)が0.1以下になるように、前記開
口の面積を設定したことを特徴とする前記軸流送風機を
提供する。
【0006】更に、本発明は、他の原因による回転騒音
をも低減させるために、前述の手段に加えて、前記軸流
ファンよりも上流側の前記シュラウドの内面に半径方向
内側に向かって突出する整流板を設けたことを特徴とす
る軸流送風機を提供する。
【0007】
【作用】熱交換器の中心から外れている下流側の位置に
おいて、熱交換器と対向して軸流ファンを設けた場合に
は、一般に軸流ファンの回転騒音が大きくなるが、その
原因は、軸流ファンの上流側において、部分的な圧力の
アンバランス状態が発生するためである。そこで、軸流
ファンの上流側の空気流の中でも圧力が低く負圧になる
部分のシュラウド上に開口を設け、そこに大気を導入す
ることによって、その部分の圧力を高めると、圧力がバ
ランスして主として回転騒音の1次及び3次成分が低減
する。
【0008】更に、これに加えて軸流ファンの上流側の
シュラウドの内面に内側に向かって突出する整流板を設
ける場合には、軸流ファンの上流側で部分的に生じてい
た流れの対向が少なくなり、空気の流れが半径方向内側
に向かって案内されて、円滑に軸流ファンに吸い込まれ
ることによって、回転騒音の2次及び4次の成分も低減
し、周波数の略全域にわたって騒音レベルが低下する。
【0009】
【実施例】熱交換器であるエンジン冷却用のラジエータ
1に対して、軸流ファン2を偏心して配置した一般的な
例が図3に示されている。図3の例において、ファン2
はラジエータ1に対向してはいるが、ラジエータ1の中
心に対して横方向に偏心した位置において、それに近接
して配置されている。ラジエータ1は、その全面のどの
点においても、単位面積当たりほぼ等しい大きさの流路
抵抗を有するものとする。シュラウド3は、ラジエータ
1と、それに対して偏心して配置されたファン2とを滑
らかに接続するように、変形した空気通路としてのダク
トを形成しており、ファン2はシュラウド3が縮小した
後に大気に開放する空気通路の出口開口部に配置され
る。そしてファン2は図示しないモータによって直接、
或いはエンジンからベルトのような伝動手段によって回
転駆動され、ファン2が回転することによって、シュラ
ウド3内の空気が吸引排出されて、ラジエータ1を通過
してファン2に向かう空気流が発生する。
【0010】ところで、図3に示すように、ファン2を
ラジエータ1に対して偏心して配置すると、ファン2と
ラジエータ1の中心を合わせて配置した場合よりも回転
騒音が増大するが、その理由としては次のようなものが
考えられる。まず、図3において、ラジエータ1、軸流
ファン2、及びシュラウド3内の空間を2つの領域に分
けて、ファン2の中心線Cよりも図中上方をA領域、下
方をB領域と呼ぶことにする。そしてA領域およびB領
域において、それぞれファン2の上流側及び下流側にお
ける空気の仕事量を考えてみる。
【0011】ラジエータ1とファン2との中間にあるA
領域の点A1、及びB領域の点B1における仕事量LA1
及びLB1は、それぞれ次式によって示される。 LA1=VA1・(PO −PA1)・ΔS …(1) LB1=VB1・(PO −PB1)・ΔS …(2) ここでVA1は点A1における流速、PA1は点A1におけ
る絶対圧、VB1は点B1における流速、PB1は点B1に
おける絶対圧、PO はファン2下流の絶対圧、ΔSは単
位面積である。
【0012】A領域及びB領域の空気の流量が等しいと
すると、点A1における流路断面積SA1は点B1におけ
る流路断面積SB1より小さいために、狭い側の流速は広
い側の流速よりも大きくなることから、 VA1>VB1 …(3) そして、A領域におけるラジエータ1を流れる空気の流
速も、B領域におけるラジエータ1を流れる空気の流速
より大きいために、A領域におけるラジエータ1の流路
抵抗はB領域におけるラジエータ1の流路抵抗よりも大
きくなるので、点A1における圧力PA1と点B1におけ
る圧力PB1とを比べてみると、 PA1<PB1 …(4) となる。従って、A,B領域毎の軸流ファン2の前後の
圧力差も、 (PO −PA1)>(PO −PB1) …(5) となり、前記式(1) 及び(2) から、 LA1>LB1 …(6) となるので、点A1における仕事量は、点B1における
仕事量よりも大きいことが判る。
【0013】一方、ファン2の下流側の点A2及び点B
2における仕事量LA2及びLB2は、それぞれ次式によっ
て示される。 LA2=VA2・PO ・ΔS …(7) LB2=VB2・PO ・ΔS …(8) ここで、VA2は点A2における流速、VB2は点B2にお
ける流速をそれぞれ示しているが、A領域とB領域の流
路抵抗が異なるため、流速については、 VA2<VB2 …(9) となり、その結果、仕事量については、 LA2<LB2 …(10) となる。
【0014】以上(6) 及び(10)として示したように、フ
ァン2の上流側では、LA1>LB1であるのに対し、ファ
ン2の下流側では、LA2<LB2となる。この事実は、A
領域においては、ファン2の上流側と下流側の間におけ
る仕事量の減少が、B領域のそれに比べて非常に大きい
ことを示している。このように圧力のアンバランスが強
い2つの領域をファン2の各ブレード5が一定間隔で通
過することにより、回転騒音の次数成分が増大するの
で、これが騒音の主たる要因になっているものと考えら
れる。
【0015】ラジエータ1に対して軸流ファン2を偏心
して配置すると、主としてこのような理由によって騒音
が増大するものと考えられるので、本発明では、まずそ
れに対する対策を立てることになる。図1は本発明の第
1実施例を示すもので、図1(a)は車両のラジエータ
1に取付けられた軸流ファン2の後方側の正面図を、図
1(b)はシュラウド3を切断した平面図を、図1
(c)は右側面図を、それぞれ示している。図1に見ら
れるように、本発明の第1実施例においても図3の場合
と同様に、ファン2はラジエータ1の中心に対して一方
に偏心して取付けられている。これは、エンジンルーム
内の過密化等の理由によるもので、ラジエータ1の中心
に軸流ファン2を設けることができない場合に行われる
配置である。ファン2はボス4の周りの均等位置におい
て放射状に、同じ方向に捩じれた複数枚のファンブレー
ド5を有する。
【0016】図1に示した本発明の第1実施例の車両用
軸流送風機について具体的な数値を例示すると、シュラ
ウド3の上流側開口部の横寸法x及び縦寸法yが共に4
00mm、シュラウド3の奥行きzが80mm、その下
流側の開口径rが306mmである。その他、図1
(c)に示す各部分の寸法は、それぞれdが5mm、e
が40mm、fが20mmとなっている。図3に示した
一般例におけるA領域及びB領域と同様に、図1の第1
実施例の場合についても、シュラウド3内を軸流ファン
2の中心線を境にして2つの領域に分けて、ラジエータ
1の方に向かう開口面積の狭い方をA領域、広い方をB
領域と呼ぶことにする。
【0017】本発明の一つの特徴に対応して、図1に示
す第1実施例においては、軸流ファン2の各ファンブレ
ード5よりも上流側でラジエータ1よりも下流側の、特
にA領域にあたる開口面積の狭い方のシュラウド3に、
図示のようなスリット状の開口6を設けて、シュラウド
3内を大気に連通させている。開口6の大きさ及び軸方
向位置については、例えば、開口幅wを5mm、周方向
長さsを60mm(図1では開口6の大きさを誇張して
示している)、ラジエータ1からの軸方向距離pを7m
mとする。なお、開口6には0.5mmのメッシュを張
るが、このメッシュは、塵埃の侵入を阻止するフィルタ
となり、或いは危険防止の意味もあるばかりでなく、開
口6から流入する空気の量を調整する働きがあり、開口
6の絞り効果は、開口6の大きさと共に、メッシュの目
の細かさにも依存する。
【0018】図1に示した本発明の第1実施例は、この
ような構造によって、図3の例において前記(4) として
示したPA1<PB1の関係を改善し、 PA1=PB1 …(11) の状態に近づけようとするものである。つまり、開口6
を設けた位置では、A領域の圧力がB領域の圧力よりも
低くなるので、開口6を通じて若干量の大気を流入させ
ることにより、ファンブレード5の上流側におけるA領
域とB領域との圧力差を減少させ、軸流ファン2の上流
部における圧力のアンバランスをできるだけなくすこと
によって、A領域とB領域の仕事量の差を減少させて、
回転騒音の原因を取り除くようにしている。
【0019】図2は、図3のようにファン2をラジエー
タ1に対して偏心して配置した従来のシュラウド3を用
いた場合(破線)と、同様な偏心配置であっても、図1
のように開口6を有する改良された本発明の第1実施例
のシュラウド3を用いた場合(実線)について、同じ条
件(回転数は2000rpm)で騒音レベルを測定した
結果を示したものである。図2から明らかなように、軸
流ファン2の前方の圧力のアンバランスによって生じる
回転騒音の1次成分及び3次成分を、本発明の第1実施
例に従ってシュラウド3に開口6を設けることにより、
大幅に低減することができる。
【0020】次に、本発明の第1実施例について、最適
条件を見出すために行った種々の実験、或いは計算等の
結果を示す。まず、ファンの流量が1200m3/hの軸
流送風機を使用し、スリット状の空気流入口である開口
6の幅wを一定値5mmとすると共に、その長さsを2
0〜100mmの範囲で5段階に変化させて、それぞれ
の大きさの開口6における空気の流速分布を調べた。図
4はその結果を示すコンタ図であって、開口6の長さs
が(a)100mm,(b)80mm,(c)60m
m,(d)40mm,(e)20mmの各場合につい
て、幅方向の中心位置における流速分布をそれぞれ示し
ている。
【0021】図4に示した結果から判明したことは、ど
の場合についても流速が略2.2〜2.6m/secの範囲
に収まっており、また、それらの開口6において流入す
る空気の流速はどの位置でも略一定値であると見てよ
く、それらの開口6の長さs方向において流速分布の異
なる部分が見られないという事実である。
【0022】また図5には、軸流送風機の上流側にエン
ジン冷却用のラジエータだけを設けて、1200m3/h
の空気流量に対し圧力損失を6.5aqとした低通風抵
抗の場合と、軸流送風機の上流側にエンジン冷却用のラ
ジエータに加えて空調装置のコンデンサをも直列に設け
て、920m3/hの空気流量に対し圧力損失を9.2a
qとした高通風抵抗との各場合について、それぞれ開口
6の長さsの大きさを色々に変化させて、総風量に対す
る開口6への流入流量の比を計測した結果を示してい
る。即ち、図5では横軸に開口6の長さsをとり、縦軸
には総風量に対するスリット状の開口6への流入流量の
比として、平均流速Va と開口6への流入流速Vasとの
比Va /Vasをとって示している。
【0023】図5から判ることは、流量比(流速比)V
a /Vasの変化が開口6の長さsの大きさ(従って開口
の面積)の変化に比例して直線的であって、全体的な通
風抵抗の大きさによってその直線の勾配が変化するとい
う事実である。この事実は、図4に示したように、開口
6の長さs(従って開口の面積)の大小によっては開口
6からの流入流速に変化が生じないということを裏付け
ている。
【0024】図6に、シュラウド3の内部の圧力Pと開
口6への流入流速Vasとによって、P/Vas 2 である開
口6の通気抵抗ζを求めた結果を示す。図6から、開口
6の長さsが50〜60mm以上の領域では、開口6の
通気抵抗ζの値が殆ど一定になっていることが判る。
【0025】そこで、開口6の幅wと長さsを種々変化
させて、開口6の面積と騒音の大きさ(代表として回転
1次成分)との関係を調べた結果を図7に示す。その結
果、騒音は開口6の面積が300mm2 程度のときに最
低になり、開口6の面積がそれよりも小さくても、また
大きくても騒音は増大するということが判った。
【0026】開口6の面積が300mm2 以下のときに
騒音が大きいのは、開口6の面積が小さいために流入空
気量が少なく、開口6が十分な効果をあげていないため
であることは明らかであるが、開口6の面積が300m
2 以上のときにも騒音が増大する理由は、開口6の面
積が過大となったため、開口6からの流入空気量が過大
となって、上述のA領域とB領域との流量のアンバラン
スが再び発生してしまったためであると考えられる。ま
た、この場合は、ラジエータ1やコンデンサを通過しな
い空気の流量が増加して、軸流送風機の総合的な性能や
冷却効率が低下するという好ましくない問題も生じる。
【0027】以上のことから、前述の通気抵抗の範囲で
は、開口6の面積を300mm2 程度にとれば、開口の
形状には左右されずに低騒音化が可能であるということ
が判明した。また、前述の範囲以外の通気抵抗の範囲で
は、通気抵抗ζ、即ちP/Vas 2 の値が0.1以下にな
るように開口6の面積を設定すれば、騒音低減が可能で
あるということも判明した。
【0028】以上説明したように、図1に示した本発明
の第1実施例の軸流ファンは、シュラウド3の一部に開
口6を設けることによって、図2に示したように回転騒
音の1次及び3次の成分を低減させることができるが、
それによっては2次及び4次の成分を殆ど低減させるこ
とができない。そこで軸流ファン2の上流側におけるシ
ュラウド3内の空気の流れを調べてみると、図11に示
したような状態になっていて、ファン2の先端のC領
域、D領域、及びE領域においては、矢印で示した空気
の流線(矢印の長さは流速を示す)が対向していること
が判った。そして回転騒音の2次及び4次の成分は、こ
のような空気の対向流れがファンブレードと干渉するこ
とによって起こっているものと考えられる
【0029】本発明の第2実施例においては、回転騒音
の2次及び4次成分の発生原因に関するこのような考え
方に基づき、第1実施例と同様にシュラウド3の一部に
開口6を設けるだけでなく、更にそれに加えて、図8に
示すように、ファン2の上流側で且つラジエータ1の下
流側において、シュラウド3の内面から半径方向内側に
向かって突出する3枚の整流板7,8,及び9を設けて
いる。
【0030】更に具体的に説明すると、整流板7,8,
9は厚さが3mmで、それらの半径方向の内端面とファ
ン2の外周におけるシュラウド3の円筒部の内面との半
径方向の距離Aが5mm,また、それらの整流板の軸方
向端面とラジエータ1との軸方向の距離Bが1mmに設
定されている。更に、開口6が設けられる位置、即ちフ
ァン2の外周のシュラウド3の円形部分がラジエータ1
の縁部に対して最も近くなる部位の中心と、ファンボス
4の中心とを結ぶ半径方向の直線O−Xに対して、整流
板7のなす角度θ1 は45度、同じ直線O−Xに対して
整流板8及び9のなす角度θ2 及びθ3 はいずれも90
度に設定してある。従って、整流板8及び9は共にファ
ンボス4の中心を通る半径方向の直線I−I上に位置
し、それらはまた、前述のA領域とB領域との境界線と
も一致している。この構成から、整流板8及び9はファ
ンブレード5の先端部分においてA領域とB領域とを区
画していることにもなる。
【0031】第2実施例においては、シュラウド3の内
面に半径方向の整流板7,8,9を備えているので、図
10に示すようにファン2の上流側の空気の流れは円滑
に整流板7,8,9によって半径方向の内側に向かうよ
うに案内され、図11に示したように流線が対向するよ
うなことが少なくなる。
【0032】図9は、図3のようにファン2をラジエー
タ1に対して偏心して配置した従来のシュラウド3を用
いた場合(破線)と、同様な偏心配置であっても、図8
のように、開口6に加えて、整流板7,8,9を備えた
本発明の第2実施例のシュラウド3を用いた場合(実
線)について、同じ条件(回転数は2000rpm)で
騒音の音圧レベルを測定した結果を示したものである。
この図から、流れの対向の減少によって回転騒音の2次
及び4次成分が減少していることが判る。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、軸流ファンを熱交換器
に対して偏心して設けた軸流送風機において大きくなり
やすい回転騒音を、単にシュラウドの一部に開口を設け
るか、或いはそれに加えて、シュラウドの内面に半径方
向の整流板を設けるという簡単な手段によって、広い周
波数範囲にわたって著しく低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を車両用軸流送風機に適用した第1実施
例を示し、(a)は車両の熱交換器に取付けられた軸流
ファンの後方側の正面図、(b)はシュラウドを切断し
た平面図、(c)は右側面図である。
【図2】本発明の第1実施例の効果を確認するために騒
音レベルを測定した結果を示す線図である。
【図3】回転騒音の原因の一つを説明するために、この
種の熱交換器用軸流送風機の一般例を示す概念図であ
る。
【図4】スリット状の開口の幅を一定とすると共に長さ
を20〜100mmの範囲で5段階に変化させたとき
の、開口における空気の流速分布を示す線図である。
【図5】スリット状の開口の幅を一定とすると共に長さ
を変化させたときの、総風量に対する開口への流入空気
流量の比を、全体の通風抵抗の大小の各場合について測
定した結果を示す線図である。
【図6】スリット状の開口の幅を一定とすると共に長さ
を変化させたときの、開口の通気抵抗の値を求めた結果
を示す線図である。
【図7】開口の面積と騒音の大きさとの関係を示す線図
である。
【図8】本発明の第2実施例を示すもので、(a)は車
両の熱交換器に取付けられた軸流ファンの横断正面図、
(b)はシュラウドを断面I−Iにおいて切断して示す
側面図、(c)は同じく断面II−IIにおいて切断して示
す側面図である。
【図9】本発明の第2実施例の効果を確認するために騒
音の音圧レベルを測定した結果を示す線図である。
【図10】本発明の第2実施例の作用を示す軸流ファン
の横断正面図である。
【図11】従来の軸流ファンにおける空気の流れを示す
横断正面図である。
【符号の説明】
1…ラジエータ(熱交換器) 2…軸流ファン 3…シュラウド 4…ファンボス 5…ファンブレード 6…開口 7,8,9…整流板 s…スリット状の開口の長さ w…スリット状の開口の幅

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器の中心から外れている下流側の
    位置において前記熱交換器と対向して軸流ファンを設
    け、前記熱交換器と前記軸流ファンとを滑らかにつなぐ
    シュラウドによって空気通路を形成すると共に、前記シ
    ュラウド内の前記空気通路のうち前記軸流ファンの中心
    線を境として前記熱交換器の比較的狭い面積に対応する
    側の領域において、前記軸流ファンよりも上流側の前記
    シュラウドに開口を設けて、大気を前記空気通路内に導
    入するようにしたことを特徴とする軸流送風機。
  2. 【請求項2】 前記開口の面積を、前記開口の通気抵抗
    を示すP/Vas 2 の値(P:シュラウド内の圧力aq,
    as:開口の流入空気速度m/sec)が0.1以下になる
    ように設定したことを特徴とする請求項1記載の軸流送
    風機。
  3. 【請求項3】 前記軸流ファンよりも上流側の前記シュ
    ラウドの内面に内側に向かって突出する整流板を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の軸流送風機。
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