JPH09140274A - ソイルカバー - Google Patents

ソイルカバー

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Publication number
JPH09140274A
JPH09140274A JP32800595A JP32800595A JPH09140274A JP H09140274 A JPH09140274 A JP H09140274A JP 32800595 A JP32800595 A JP 32800595A JP 32800595 A JP32800595 A JP 32800595A JP H09140274 A JPH09140274 A JP H09140274A
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JP
Japan
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soil cover
fiber
fiber layer
net
soil
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Pending
Application number
JP32800595A
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English (en)
Inventor
Kiichi Yamatsuta
紀一 山蔦
Ryohei Tsubaki
良平 椿
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NIPPON GODO HIRYO KK
Asahi Fiber Glass Co Ltd
Original Assignee
NIPPON GODO HIRYO KK
Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by NIPPON GODO HIRYO KK, Asahi Fiber Glass Co Ltd filed Critical NIPPON GODO HIRYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成長力の強い雑草であっても貫通して上方へ
成長することを防止でき、直射日光等の影響により繊維
層の樹脂バインダー等が劣化しても、表面の繊維が剥離
して飛散することを防止できるソイルカバーを提供す
る。 【解決手段】 面密度が300 〜10,000g/m2で、かつ密度
が200kg/m3以下である繊維層の上面を、表皮材で被覆し
てソイルカバーとする。表皮材は、開き目が5mmのネッ
ト、又は面密度が20〜100g/m2 の不織布からなることが
好ましい。上記ネットとしては、ガラス長繊維の織物又
は編物が好ましく、上記不織布としては、無機繊維から
なるものが好ましい。また、繊維層は、平均繊維径1〜
12μmの無機繊維からなるものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば道路中央分
離帯や公園に植えられた植栽物、街路樹等の根本の周囲
に雑草が成育するのを永続的に防止するためのソイルカ
バーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば道路中央分離帯や公園に植
栽物を植えたり、街路樹を植えたり、山に植生、植栽、
植林したりして緑化が推進されている。これらの植栽物
の根本の周囲には、植えた後、雑草が生え、放置してお
くと、これらの雑草により、植栽物に日光が当たりにく
くなり、また、土壌の養分が雑草に吸収されて、植栽物
の成長が抑制されたり、枯れたりするため、定期的に下
草の刈り取りを行なわなければならない。
【0003】しかしながら、下草の刈り取りは重労働で
あり、昨今の人手不足や、林業従事者の老齢化のため
に、十分には行ないにくくなっている。そのうえ、道路
の中央分離帯に植えた植栽物や街路樹のそばの雑草の刈
り取りは、近年の交通量の増加にともなって、だんだん
危険になり、しかも排気ガスを吸いながらの作業になる
ので健康面においても問題があるため、作業が滞りがち
になっている。
【0004】下草の刈り取り作業の必要をなくす方法の
一つとして、除草剤を散布して雑草の成育を防止するこ
とも行われているが、除草剤は有効期間が短く、雑草に
対して効果があるだけでなく、植栽物にとっても有害な
場合が多く、その上、道路の中央分離帯や街路樹に用い
る場合には、通行する人間に害があり、更に、散布の際
に通行する自動車を汚してしまうという問題があった。
また、散布された除草剤が地下水等に混入した場合、水
を利用した人間の健康に悪影響を及ぼすことが懸念され
るという問題もあった。
【0005】また、下草の刈り取り作業の必要をなくす
他の方法として、植栽物の根本の周囲に、ソイルカバー
又はマルチングと呼ばれる各種のマットやシートを敷い
て雑草の成育を防止する方法などの試みもなされてい
る。
【0006】このような目的で使用されるソイルカバー
としては、例えば、藁、古い畳、マニラ麻、ヤシなどの
植物繊維からなるものが、古くから用いられている。ま
た、ベニア板、プラスチックシート、ボール紙なども用
いられており、この場合、透水性を付与するため、シー
トに穴を開けたものも知られている。
【0007】更にまた、実開昭51−146255号に
は、無機質ウールマットで形成した苗木育成助成盤が提
案されており、上記マットに苗木を挿入するための透孔
及び切り溝を設け、苗木の周囲を囲むようにマットを敷
いて、雑草の成育を防止するようにしている。
【0008】一方、苗床や、水耕栽培用床などにおい
て、無機繊維マットを利用したものも種々提案されてい
る。例えば、実開平3−43934号には、鉱物繊維の
マットに有機高分子吸水剤と無機保水剤とを混入又は分
散含有させた保水性鉱物繊維育苗床が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、古い
畳、藁などの植物繊維を利用したソイルカバーでは、腐
敗して吸水率が高くなったり、雨や積雪等の影響で次第
に厚さが薄くなったりするため、その効果がせいぜい1
〜2年しか持続せず、その後は、飛来した雑草の種が芽
を出すようになってしまうという問題があった。
【0010】また、ベニヤ板などは、植栽物の根本の周
囲を覆うときに、地表面を平坦にならす必要がある上、
被覆面積が大きい場合には、板が大型になるため、重く
なって、人力や機械が必要となるという問題があった。
また、プラスチックの穴の開いたシートなどは、透水性
を有するものの、その穴から雑草の芽が出てきてしまう
ため、効果が薄く、腐敗して消滅することがないため、
後始末が困難であるという問題があった。更に、ボール
紙は、濡れると強度が落ち、また、降雪があると雪の重
みで破れてしまうこともあるため、雑草の成育防止効果
は、1〜2年しか持続できず、寿命が短いという問題が
あった。
【0011】更に、藁、古い畳、ベニア板などの可燃性
のソイルカバーでは、例えばタバコの投げ捨てなどによ
り、火災を招く虞れもあった。
【0012】一方、実開昭51−146255号に開示
された無機質ウールマットで形成した苗木育成助成盤
は、雑草成育防止効果や透水性などを確実に得るための
無機繊維マットの物性について検討が不十分であったた
め、未だ実用化されていないのが現状であった。
【0013】更に、実開平3−43934号に開示され
た保水性鉱物繊維育苗床は、苗木の成育に必要な水分や
養分が保持されるようにしたものであり、雑草の成育を
防止するためのソイルカバーとして用いることはできな
い。
【0014】このような問題点を解決するため、本出願
人は、特開平5−304841号として、平均繊維径4
〜12μmの無機繊維でできた、面密度が300 〜1000g/
m2、密度が200kg/m3以下、スパン1700mmでのたわみ量が
100mm 以上であるマットからなるソイルカバーを提案し
ている。
【0015】また、本出願人は、特願平6−27050
3号として、平均繊維径1〜12μmの無機繊維と、バイ
ンダーとの混合物を、面密度が0.5- 10kg/m2、密度が20
0kg/m3以下となるように敷設固化してなるソイルカバー
を提案している。
【0016】しかしながら、上記2出願にて提案したソ
イルカバーの密度は200kg/m3以下であるものの、特に、
無機繊維マットをソイルカバーとして使用する場合、経
済性を考慮すると、実際には10〜50kg/m3 の比較的低密
度のマットを使用せざるを得なかった。
【0017】このため、茅、笹、ヨシ、ヨモギ等の特に
成長力の強い雑草が、ソイルカバーを貫通して上方へ成
長繁茂し、植栽物が雑草に被圧されて、植栽物に日光が
当たりにくくなり、また、土壌の養分が雑草に吸収され
るため、植栽物の成長が抑制されたり、植栽物が枯れた
りする場合が見られた。
【0018】また、これらの無機繊維からなるソイルカ
バーは、無機繊維どうしを樹脂バインダーを用いて結合
させていることから、特に低密度のものなどにおいて
は、長期間経過するうちに、直射日光等の影響により樹
脂バインダーが劣化し、ソイルカバー表面の無機繊維が
剥離して飛散する場合があるという問題もあった。
【0019】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、成長力の強い雑草であっても貫通して
上方へ成長することが防止され、雑草の成育防止効果を
長期間に亙って十分に維持することができ、しかも、長
期間経過後、直射日光等の影響により繊維層の樹脂バイ
ンダーが劣化しても、表面の繊維が剥離して飛散するこ
とが防止されるソイルカバーを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、繊維層の表面を表皮
材で被覆することにより、成長力の強い雑草であって
も、貫通して上方へ成長することが防止され、長期間経
過後、表面の繊維が剥離しても、飛散することを防止で
きることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0021】すなわち、本発明のソイルカバーは、面密
度が300 〜10,000g/m2で、かつ密度が200kg/m3以下であ
る繊維層の上面を、透水性を有し、雑草の貫通防止作用
を有する表皮材で被覆したことを特徴とする。
【0022】本発明のソイルカバーにおいて、前記表皮
材は、開き目が5mm以下のネット、又は面密度が20〜10
0g/m2 の不織布からなることが好ましい。この場合、前
記ネットは、ガラス長繊維の織物又は編物からなること
が好ましい。また、前記不織布は、無機繊維からなるこ
とが好ましい。
【0023】更に、本発明のソイルカバーにおいて、前
記繊維層は、平均繊維径1〜12μmの無機繊維からなる
ことが好ましい。
【0024】本発明のソイルカバーは、繊維層の上面
が、透水性を有し、雑草の貫通防止作用を有する表皮材
で被覆されているので、例えば茅、笹、ヨシ、ヨモギ等
の成長力の強い雑草が繊維層を貫通したり、繊維層の目
地から成長しても、繊維層の表面付近で広がり始めた雑
草の枝葉が、表皮材の目にひっかかり、貫通して上方へ
伸びることができないため、その成長を抑制することが
できる。また、長期間経過後、直射日光等の影響により
樹脂バインダーが劣化して、ソイルカバーの表面付近の
繊維が剥離しても、飛散することが表皮材により防止さ
れる。
【0025】また、繊維層を、面密度が300 〜10,000g/
m2で、密度200kg/m3以下としたことにより、保温断熱性
や遮光性が確保され、冬は寒さから、夏は乾燥や暑さか
ら、植栽物の根を守ることができ、植栽物の成育を促進
することができる。このため、札幌近傍等の寒冷地にお
いて、例えば椿などの成育困難な植栽物を成育させるこ
とも可能となる。更に、乾燥に弱い植栽物の場合も、地
表からの水分蒸発を遅らせることができ、土中の保水性
を高めて根の発育を促進することができる。
【0026】更に、繊維層を、面密度が300 〜10,000g/
m2で、密度200kg/m3以下としたことにより、日光の遮断
効果を高めるとともに、十分な透水性を付与することが
できる。このため、ソイルカバー上に飛来した雑草の種
が発芽せず、例え発芽したとしても、保水性が小さいこ
とによりソイルカバー表面が短時間で乾燥するため、成
長することはない。
【0027】本発明の好ましい態様において、繊維層が
平均繊維径1〜12μmの無機繊維からなる場合には、形
状復元性が良好で、厚さの減少が防止されるとともに、
柔軟性を維持することができる。したがって、例えば冬
に雪で覆われたりすると、厚さが減少するが、雪の重み
で裂けたりすることはなく、無機繊維であることから凍
結、融解の繰り返しに強く、春になって雪がなくなると
厚さが復元し、数年間は、雑草の種がこのソイルカバー
上で発芽しない程度に保水性を低く維持することができ
る。
【0028】また、本発明の好ましい態様において、繊
維層が無機繊維からなり、表皮材であるネット又は不織
布も無機繊維からなる場合には、ソイルカバー全体が無
機繊維からなり、不燃性であるため、例えばたばこの投
げ捨てなどによる火災を防止することができる。また、
無機繊維でできたソイルカバーは、形状復元力に優れて
おり、腐敗しにくい材質なので、雑草成育防止効果を長
期に亙って維持することができ、朽ちた場合には土に帰
り得るため、後始末の必要がない。
【0029】したがって、植栽物を植えた後、植栽物の
根もとの周囲を本発明のソイルカバーで被覆しておけ
ば、少なくとも数年間は除草作業の必要がなく、そのま
ま放置することができる。その結果、下草の刈り取りに
かかっていた人手が不必要になり、特に、道路の中央分
離帯に植えた植栽物や街路樹の除草作業の際の、交通量
の増加に伴う危険性、排気ガスによる健康面への悪影響
などの問題を解消することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明において、繊維層は、面密
度が300 〜10,000g/m2で、かつ密度が200kg/m3以下とさ
れる。面密度が300 g/m2未満の場合は、日光が土壌の表
面まで透過しやすくなり、植物の向日性によって、雑草
の芽が出てきやすくなるので、雑草の成育防止効果が十
分に得られなくなり、10,000g/m2を超えると、ソイルカ
バーが厚くなり過ぎて敷設作業が大変になり、また、単
位面積当たりの繊維の量が多くなって不経済になる。ま
た、密度が200kg/m3を超えると、ソイルカバー中に保持
される水分が多くなり、飛来してきた雑草の種が発芽
し、成長するので好ましくない。
【0031】また、繊維層として、予めシート状又はマ
ット状に成形されたものを用いる場合は、スパン1700mm
でのたわみ量が100mm 以上になるようにして、凹凸のあ
る地表面にフィットしやすくするのが好ましい。繊維層
が地表面にフィットしにくいと、雑草の成育防止効果が
低下してしまう。なお、スパン1700mmでのたわみ量と
は、両端部を1700mm離れた位置で支持した場合に、中央
部がたわみにより下がった長さをいう。
【0032】繊維層の材質としては、木質繊維等の植物
繊維や、ロックウール、グラスウール等の無機繊維等を
用いることができるが、不燃性で、腐敗しにくいという
点から、無機繊維を用いるのが好ましい。
【0033】繊維層の材質として無機繊維を用いる場
合、その平均繊維径は、1〜12μmとするのが好まし
い。平均繊維径が1μm未満の場合、ソイルカバーの形
状復元性が低くなり、厚さが減少しやすくなるととも
に、コストが高くなり、12μmを超えると、剛性が高く
なり過ぎて地表面にフィットさせて敷設しにくくなり、
また、飛散した場合に人体に触れるとチクチクとした不
快感を与えるため、敷設作業がしにくくなる。
【0034】繊維層は、繊維にバインダーを付与して、
予めシート状又はマット状に成形した後、植栽物の周囲
の地表面に敷設してもよく、あるいは、繊維とバインダ
ーとの混合物を、植栽物の周囲の地表面に直接吹き付け
て固化させることにより形成することもできる。
【0035】シート状又はマット状に成形する場合、バ
インダーとしては、腐敗しにくいものを用いるのが好ま
しく、例えば、通常の断熱吸音材用の無機繊維マットに
用いられるフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分と
したバインダー等を用いるのが好ましい。なお、バイン
ダーの付与量は、シート状又はマット状に成形可能な必
要量であって、できるだけ少なくするのが好ましい。
【0036】また、繊維とバインダーとの混合物を吹き
付けて固化させる場合、繊維とバインダーとを混合撹拌
した後、植栽物の周囲の地表面に、空気流等によって吹
き付ける等の方法で敷設して固化させる。バインダー
は、腐敗しにくく、植物に対して安全なものを選択する
のが好ましく、例えば、酢酸ビニルエマルジョン、アク
リル樹脂エマルジョン、エポキシ系、オレフィン系、ウ
レタン系の高分子エマルジョン、ゴムラテックス、アス
ファルト乳剤、セメント等を用いるのが好ましい。ま
た、その使用量は、繊維層を成形するのに必要な範囲
で、できるだけ少なくするのが好ましく、繊維層全体に
対して固形分として2〜30重量%とするのが好ましい。
【0037】本発明に用いる表皮材としては、繊維層の
表面付近で広がり始めた雑草の枝葉をひっかけて、雑草
が貫通して上方に伸びることを防止でき、透水性を有す
るものであれば特に限定されず、ネット、不織布、多数
の細孔を設けたシート、薄くスライスした軟質ウレタン
フォームなどの連続気孔を有する発砲体シート等を用い
ることができるが、繊維層を被覆しやすく、耐候性に優
れ、剥離した繊維の飛散を防止することができる点か
ら、開き目5mm以下のネット、面密度(目付)20〜100g
/m2 の不織布を用いるのが好ましい。
【0038】開き目5mm以下のネットとは、ネットの網
目の大きさ、すなわちネットの網目を構成する糸状物ど
うしの間隔において最長の部分が5mm以下であるものを
意味する。なお、開き目は3mm以下であるのがより好ま
しい。ネットの開き目が5mmを超えると、雑草の枝葉が
ひっかからずに貫通して、上方へ成長し、また、剥離し
た繊維が飛散するのを防止することができなくなるので
好ましくない。なお、ネットの開き目の下限は特に限定
されないが、一般的に開き目を小さくするほどネットが
高価になるので、経済性も考慮すると、0.5mm 以上とす
るのが適当である。
【0039】また、ネットの材質は、麻等の天然繊維
や、ポリエステル繊維等の合成繊維や、ガラス長繊維等
の無機長繊維等を使用することができるが、引張強度が
高く、伸びが少なく、耐候性に優れ、かつ、不燃性であ
ることからガラス長繊維が好ましい。なお、ガラス長繊
維は、織物又は編物としてネット状にされる。また、ガ
ラス長繊維は番手20〜200g/km のものが好ましく用いら
れる。
【0040】不織布としては、面密度(目付)20〜100g
/m2 のものを用いるのが好ましい。面密度20g/m2未満の
場合は、成長力の強い雑草の場合、その枝葉がひっかか
らずに貫通して、上方へ成長するという問題があり、ま
た、100g/m2 を超えても雑草の貫通防止の効果は変わら
ず、かえって高価なものとなって経済的に不利になる。
また、不織布の厚さは、0.1 〜0.5mm とするのが好まし
い。$不織布の材質は、麻等の天然繊維や、ポリエステ
ル繊維等の合成繊維や、ガラス繊維、ロックウール等の
無機繊維等を使用することができるが、耐候性に優れ、
かつ、不燃性であることから無機繊維が好ましい。
【0041】繊維層の上面に、表皮材を被せ、固定する
方法としては、接着剤で接着する方法、縫いつける方
法、繊維層の上面に表皮材を重ねた後、地表面にピン等
で固定する方法等が採用される。なお、繊維層に予め表
皮材を固定しておき、両者を一緒に植栽物の周囲の地表
面に敷設してもよく、あるいは植栽物の周囲の地表面に
まず繊維層を敷設し、その上に表皮材を被せて固定して
もよい。
【0042】繊維層に、表皮材を、接着剤を用いて固定
する場合に用いる接着剤としては、酢酸ビニル等のエマ
ルジョン系接着剤、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂
等のホットメルト系接着剤等を用いることができる。な
お、繊維層を、シート状又はマット状に成形するための
バインダーとして、熱硬化性樹脂を主成分とするバイン
ダーを用いる場合、このバインダーが加熱硬化する前
に、繊維層に表皮材を被せ、その後、加熱硬化させる
と、繊維層のバインダーが、表皮材との接着剤としても
作用する。
【0043】繊維層に、表皮材を、ピン等を用いて固定
する場合に用いるピン等としては、鉄、ステンレス等の
金属製、又はプラスチック製であって、コの字型、T字
型、U字型等の形状のものを用いることができる。
【0044】繊維とバインダーとの混合物を、植栽物の
周囲の地表面に吹き付けて繊維層を形成する場合は、ソ
イルカバーの敷設場所に、繊維とバインダーとの混合物
を吹き付けて繊維層を形成した後、繊維層のバインダー
が硬化する前にその上面を表皮材で被覆することによ
り、表皮材を接着することもできる。
【0045】本発明のソイルカバーは、ソイルカバーを
敷設したときの美観を損なわないようにするため、茶
色、緑色など所望の色に着色してもよい。ソイルカバー
を着色する方法としては、繊維層に用いるバインダー中
に顔料を添加しておく方法、ソイルカバーの敷設後に、
塗料等を塗布する方法、所望の色の表皮材を貼付する方
法等が採用される。
【0046】また、本発明のソイルカバーには、遅効性
及び緩効性の肥料や、植物成長調整剤や、殺菌剤、殺虫
剤、ねずみよけ等の農薬等を含有させておいてもよい。
これらの肥料、植物成長調整剤、農薬は、ソイルカバー
中に繊維状又は顆粒状にして挟み込んだり、分散含有さ
せたり、あるいは、繊維にコーティングしたりして含有
させることができる。更には、上記ソイルカバーに、少
量の無機質あるいは有機質の保持剤を混入させ、この保
持剤に上記肥料、植物成長調整剤、農薬を保持させるこ
ともできる。
【0047】遅効性及び緩効性の肥料としては、N−P
−K系、N−K系、N−P系、P−K系、、N−P−K
+x(ただしxは微量要素)等のものが好ましく用いら
れ、N−P−K+Mgがより好ましく用いられる。ま
た、土壌が酸性、アルカリ性の場合は、土壌改良剤を添
加するのが好ましく、例えば土壌がアルカリ性の場合、
硫酸塩等を用いるのが好ましい。
【0048】また、殺菌剤としては、マンネブ系、TP
N系、チウラム系等が好ましく用いられ、例えば街路樹
がヒバである場合には、TPNを用いるのが好ましい。
更に、殺虫剤としては、MEP系、アセフェート系、C
VMP系のものが好ましく、例えば街路樹が桜の場合
は、アセフェート系のものが好ましい。
【0049】
【実施例】
実施例1 ヨモギの根を多量に含む土壌の地表面に、繊維層とし
て、平均繊維径5μm、厚さ50mm、面密度800g/m2 、密
度16kg/m3 、スパン1700mmでのたわみ量300mm のグラス
ウールマットを敷設し、その上面に、開き目3mmのガラ
ス長繊維製のネットを被せ、その上から、鉄製のコの字
型のピンを地中まで打ち付けて固定して、ソイルカバー
を敷設した。
【0050】15か月間経過後、グラスウールとネットと
の間にヨモギが平均3本/m2水平方向に成長していた
が、ネットを貫通して上方へ成長したヨモギは1本もな
かった。また、ソイルカバーの表面から、剥離したグラ
スウールが飛散することはなかった。
【0051】比較例1 実施例1と同様の土壌の地表面に、実施例1において繊
維層として用いたグラスウールマットを、実施例1に用
いたものと同様のピンを用いて固定して、ネットで被覆
しないソイルカバーを敷設した。
【0052】15か月経過後、繊維層のみからなる上記ソ
イルカバーを貫通して上方へ成長したヨモギは、平均4
本/m2であった。また、ソイルカバーの表面から、剥離
したグラスウールの飛散がみられた。
【0053】実施例2 平均繊維径5μmのロックウール粒状綿100 重量部に、
固形分45重量%の酢酸ビニルエマルジョン10重量部と、
水200 重量部とを加えて、混練機を用いて混合して混合
物を得た。
【0054】この混合物を、実施例1と同様の土壌の地
表面に、空気流によって吹きつけて固化させて、厚さ40
mm、面密度6000g/m2、密度150kg/m3の繊維層を敷設し
た。その後、この繊維層の上面に、開き目4mmのガラス
長繊維製のネットを被せ、実施例1で用いたものと同様
のピンを地中まで打ち付けて固定して、ソイルカバーを
敷設した。
【0055】15か月間経過後、ロックウールとネットと
の間にヨモギが平均5本/m2水平方向に成長していた
が、ネットを貫通して上方へ成長したヨモギは1本もな
かった。また、ソイルカバーの表面から、剥離したロッ
クウールが飛散することはなかった。
【0056】実施例3 ヨシの根を多量に含む土壌の地表面に、繊維層として、
樹皮を粉砕し、防火剤と植生糊を混入した木質繊維であ
る「ボーカマルチ」(商品名、山都屋製)を、厚さ50m
m、面密度10,000g/m2となるように敷設し、その上面
に、開き目1mmのガラス長繊維製のネットを被せ、その
上から、鉄製のコの字型のピンを地中まで打ち付けて固
定して、ソイルカバーを敷設した。
【0057】3か月間経過後、木質繊維とネットとの間
にヨシが平均3本/m2水平方向に成長していたが、ネッ
トを貫通して上方へ成長したヨシは1本もなかった。
【0058】比較例2 実施例3と同様の土壌の地表面に、実施例3と同様な木
質繊維からなる繊維層を、実施例3に用いたものと同様
のピンを用いて固定して、ネットで被覆しないソイルカ
バーを敷設した。
【0059】3か月経過後、木質繊維の繊維層のみから
なる上記ソイルカバーを貫通して上方へ成長したヨシ
は、平均6本/m2あった。
【0060】実施例4 実施例1において、ガラス長繊維製のネットを、面密度
50g/m2のガラス繊維不織布に代え、あとは実施例1と同
様にしてソイルカバーを敷設した。
【0061】15か月間経過後、グラスウールと不織布と
の間にヨモギが平均2本/m2水平方向に成長していた
が、不織布を貫通して上方へ成長したヨモギは1本もな
かった。また、ソイルカバーの表面から剥離したグラス
ウールが飛散することはなかった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のソイルカ
バーは、繊維層の上面に表皮材を被覆してなるので、成
長力の強い雑草であっても貫通して上方へ成長すること
が防止され、雑草の成育防止効果を長期間に亙って十分
に維持することができる。また、長期間経過後、直射日
光等の影響により繊維層の樹脂バインダーが劣化して
も、表面の繊維が剥離して飛散することが防止される。
また、繊維層によって、断熱保温性や遮光性が得られる
ので、冬の寒さ、夏の暑さ、日光の照射による乾燥等か
ら植栽物を保護することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面密度が300 〜10,000g/m2で、かつ密度
    が200kg/m3以下である繊維層の上面を、透水性を有し、
    雑草の貫通防止作用を有する表皮材で被覆したことを特
    徴とするソイルカバー。
  2. 【請求項2】 前記表皮材が、開き目が5mm以下のネッ
    ト、又は面密度が20〜100g/m2 の不織布からなる請求項
    1記載のソイルカバー。
  3. 【請求項3】 前記ネットが、ガラス長繊維の織物又は
    編物からなる請求項2記載のソイルカバー。
  4. 【請求項4】 前記不織布が、無機繊維からなる請求項
    2記載のソイルカバー。
  5. 【請求項5】 前記繊維層が、平均繊維径1〜12μmの
    無機繊維からなる請求項1〜4のいずれか一つに記載の
    ソイルカバー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002530124A (ja) * 1998-12-03 2002-09-17 アントワーヌ フアン ルネ グランドカバー及びグランドカバーの製造方法及び装置
CN105766494A (zh) * 2014-12-24 2016-07-20 中国医学科学院药用植物研究所 一种用于预防植物冻害和虫草害的用品、及其用途

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