JPH0913964A - 蓄熱式リザーブタンクとそれを備えた内燃機関の冷却装置 - Google Patents

蓄熱式リザーブタンクとそれを備えた内燃機関の冷却装置

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JPH0913964A
JPH0913964A JP16216295A JP16216295A JPH0913964A JP H0913964 A JPH0913964 A JP H0913964A JP 16216295 A JP16216295 A JP 16216295A JP 16216295 A JP16216295 A JP 16216295A JP H0913964 A JPH0913964 A JP H0913964A
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Tatsuo Sugimoto
竜雄 杉本
Yoshimitsu Inoue
美光 井上
Koichi Ito
伊藤  公一
Hiroyuki Fukunaga
博之 福永
Ryuichi Matsushiro
隆一 松代
Tokio Kohama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リザーブタンクと蓄熱タンクを合体させてス
ペースを小さくする。 【構成】 断熱構造の蓄熱式リザーブタンク1は、冷却
水を貯溜するリザーブタンクの作用をするだけでなく、
冷却水の熱を保存する蓄熱タンクの作用もする。内燃機
関の本体20が通常の運転状態にあるときには、高温の
冷却水の一部が蓄熱式リザーブタンク1の入口6から出
口8に向かって内部を通過して流れる。従って、機関が
停止するとタンク1内には自動的に高温の冷却水が残
り、保温状態で貯溜される。次に機関の冷間始動時にお
いて、三方弁28の切り換えによってタンク1内に貯溜
されていた温水が戻り配管32へ供給されると、サーモ
スタット25の閉弁の下で、温水が機関本体20の冷却
水套を流れて加熱するので、機関の暖機が促進される。
また、温水がヒータ配管29へ供給されると、機関の始
動と同時に吸気熱交換器30や暖房用ヒータ31へ熱が
供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関(エンジン)
の冷却装置に係り、特に、冷却水量の自動調整及び貯溜
のために内燃機関の冷却装置の一部に付設されるリザー
ブタンクの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の冷間始動時には燃焼室や冷却
水の温度が低下しているので、燃料噴霧と空気が吸気管
壁や燃焼室壁等から加熱されることがなく、燃料の気化
が十分に進まないために、暖機が終わった定常運転の状
態に比べて燃焼室内における燃料−空気混合気の燃焼温
度が低くなり、排気ガスと共に大気中へ放出される未燃
焼炭化水素のような有害成分の排出量が多くなる。ま
た、冷間始動時には潤滑油の温度が低くて粘性が高いた
めに、シリンダとピストンの間のような摺動部分におけ
るフリクション損失が高くなる。更に、内燃機関を搭載
している自動車においては、機関の冷間始動時には車室
暖房のために利用することができる適当な熱源がないの
で、機関の始動と同時に車室内の暖房を開始することが
できない。従って、始動後は機関を迅速に暖機すること
が望まれるし、可能ならば機関の始動と同時に車室内の
暖房や吸気の加熱を開始することが望まれる。
【0003】これらの問題の解決方法として、従来技術
においては例えば実公昭61−122325号公報に記
載されているように、内燃機関の冷却装置の一部に断熱
容器である蓄熱タンクを設け、機関の運転中に高温とな
った冷却水の一部を蓄熱タンク内へ導入して保温、貯溜
しておき、次の冷間始動時にそれを冷却装置内へ放出し
て迅速に機関を暖機することができるようにしている。
【0004】また、別の方法として、自動車等に大型の
バッテリーを搭載しておいて、そのバッテリーに蓄えら
れた電力によって機関の冷間始動時に吸気加熱を行った
り、更に、一時的に暖房用のヒーターや冷却水の加熱に
までバッテリーの電力を利用することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】先に述べた従来技術に
おいては、機関が運転を停止した時に高温の冷却水を収
容して保温状態で貯溜しておくための蓄熱タンクを、冷
却水量の自動調整及び貯溜のために使用される通常のリ
ザーブタンクとは別に設けることになるから、蓄熱タン
クとリザーブタンクという二個の冷却水貯溜タンクが自
動車の狭いエンジンルーム内でかなりの大きさの空間を
占めることになり、他の部品の配置に支障を来すのと、
蓄熱タンクの関連構成を含めて部品点数や取り付けのた
めの工程数が増加することによって、コストの面でも不
利になるという問題がある。
【0006】また、バッテリーによって吸気加熱や暖房
用のヒーターへの電力供給、更には電気ヒーターによる
冷却水の加熱まで行う場合には、相当大型のバッテリー
を自動車等に搭載する必要があるので、バッテリーの重
量、それが占めるスペース、コスト等の面においていず
れも問題がある。
【0007】本発明はこれらの問題点に対処して、実質
的に機器の設置スペースや重量の増加を伴わず、またコ
ストの大幅な増加を招くこともなく、冷間始動時に機関
の暖機を促進したり、場合によっては車室内の暖房や吸
気の加熱等を機関の始動直後から開始することを可能に
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、冷却水のリザーブタンクを断熱構造と
して、機関の定常的な運転中に高温となった冷却水が常
に断熱構造のリザーブタンク内を通過して流れるように
構成することによって、機関の停止時に高温の冷却水が
自動的に蓄熱式リザーブタンク内に残るようにすると共
に、蓄熱式リザーブタンク内では放熱をできるだけ抑え
る保温手段を講じることによって、貯溜された冷却水の
温度が低下するのを可及的に防止する。そして、機関の
冷間始動時には、保温状態で蓄熱式リザーブタンク内に
貯溜されていた温かい冷却水を冷却水回路の特定の部分
へ選択的に放出することにより、機関の暖機を促進する
とか、或いは車室内の暖房や吸気の加熱等を機関の始動
と同時に開始することができるように構成する。
【0009】本発明は、前記の課題を解決するための具
体的な手段として、実質的に外表面の全てを覆う断熱構
造の壁を備えていることによって、前記断熱構造の壁の
内部に高温の冷却水を保温しながら貯溜することができ
る密閉された空間を形成しており、内燃機関の冷却水回
路を流れる冷却水の量を自動的に増減調整するために前
記空間の下部に冷却水層を形成させると共に、前記空間
の上部に前記冷却水層によって圧縮される閉ざされた空
気層を形成させることができ、しかも、前記断熱構造の
壁の一部にそれを通過して前記空間の内部へ高温の冷却
水を流入させるための入口と、同じく前記断熱構造の壁
の一部にそれを通過して前記空間の内部から高温の冷却
水を流出させるための出口をそれぞれ備えていることを
特徴とする、内燃機関の冷却装置に使用される蓄熱式リ
ザーブタンクを提供する。
【0010】本発明は、また、前記の課題を解決するた
めの具体的な手段として、前記蓄熱式リザーブタンクの
前記入口及び出口が内燃機関の冷却水が循環する冷却水
回路の中に挿入されて前記冷却水回路の一部を構成する
ことにより、前記内燃機関の運転中に前記内燃機関を冷
却することによって高温となった冷却水の少なくとも一
部が前記入口から前記蓄熱式リザーブタンクの内部に流
入し、且つそれを通過して前記出口から流出するように
なっており、それによって前記内燃機関の運転中には常
に高温の冷却水が前記蓄熱式リザーブタンクの密閉され
た空間の内部に存在すると共に、前記内燃機関が停止し
たときは前記密閉された空間において冷却水を保温状態
で貯溜することができるようにしたことを特徴とする内
燃機関の冷却装置を提供する。
【0011】
【作用】本発明による蓄熱式リザーブタンクは、前記の
ような構成を有するので、密閉された空間の下部に形成
される冷却水層が、前記空間の上部に形成される閉ざさ
れた空気層を圧縮することによって水位を変化し得るた
め、内燃機関の冷却水回路を流れる冷却水の量を自動的
に増減調整し、冷却水のリザーブタンクとしての作用を
することができる。そして更に、この蓄熱式リザーブタ
ンクは、実質的に外表面の全てを覆う断熱構造の壁を備
えていることによって、内部に高温の冷却水を保温しな
がら貯溜することができる。
【0012】また、本発明による内燃機関の冷却装置
は、前述のような構成の蓄熱式リザーブタンクを冷却水
回路に挿入するので、内燃機関通常の運転中に高温の冷
却水の少なくとも一部が入口と出口を介して蓄熱式リザ
ーブタンクの内部を通過して流れることになり、機関の
停止時には高温の冷却水が自動的にタンク内に残って保
温状態で貯溜されることになる。従って、次の冷間始動
時には蓄熱式リザーブタンク内に貯溜された温水を機関
本体の冷却水套へ供給して暖機を促進したり、暖房用や
吸気加熱用の熱交換器へ温水を供給して始動と同時に暖
房や吸気加熱を開始することができる。
【0013】
【実施例】図1に、本発明の第1実施例としての内燃機
関の冷却装置に使用し得る好適な蓄熱式リザーブタンク
1の構造を示す。蓄熱式リザーブタンク1は、冷却水の
ためのリザーブタンクとしての本来の機能の他に、高温
の冷却水を保温状態で貯溜する蓄熱タンクとしての機能
をも有する。筒状容器であるタンク本体2の大部分は、
ステンレス鋼の薄板を絞り加工して成形された外壁2a
及び内壁2bからなる二重壁から構成されており、外壁
2aと内壁2bとの間は排気して真空とされた空間2c
となっている。3は空間2cから排気するための金属製
の排気栓であって、空間2cの排気作業の後に外壁2a
と内壁2bの開口に嵌合して溶接等の方法によって固定
することにより、空間2cを密封すると共に、外壁2a
と内壁2bとの間に所定の間隔を保持するためのスペー
サとしての作用をする。また、排気栓3の中心を貫通す
る空気抜き孔3aは、後述のようにタンク本体2内へ注
水するときに空気を逃がすための通路として利用され
る。
【0014】4はタンク本体2の中心に縦に支持された
中空の金属パイプ(例えばステンレス鋼製)からなる支
柱であって、その上端は排気栓3の下端に嵌合して接続
していると共に、下端はタンク本体2の下部に支持され
た薄肉の金属パイプ5の上端に嵌合又は溶接等の方法で
取り付けられて接続している。金属パイプ5の周囲には
一体的に、或いは別体としてスプライン状の複数個の縦
方向の突条を形成されたスペーサ部分5aが設けられて
いる。そして、タンク本体2の内壁2bの下部に形成さ
れた比較的大きな開口内に、スペーサ部分5aを介して
金属パイプ5を挿入することによって、タンク本体2の
内部空間2dと後述の入口6とを連通させる冷却水の入
口通路5bが形成される。
【0015】タンク本体2の下部の開口は、シールを介
してタンク本体2に取り付けられるブロック7によって
閉塞されており、ブロック7には冷却水の入口6の他
に、前述の金属パイプ5によって入口6側に対して仕切
られた冷却水の出口8が形成されている。出口8は金属
パイプ5と支柱4の各内部空間に接続して出口通路8a
を構成しており、出口通路8aは、支柱4の上部に切り
欠き形成された採水口9を介して、タンク本体2の内部
空間2dと常時連通している。なお、入口通路5bを形
成するためのスペーサ部分5aは、例えば金属製の波板
を金属パイプ5の周りに縦の筒状に巻いたようなもので
もよい。
【0016】ブロック7の入口6と常時連通している短
管6aは、上方へ延びる硬質のゴム管10を介して、図
示しないステーによって支持されている縦方向の透明な
プラスチックパイプ11の下端に接続され、プラスチッ
クパイプ11を介してそれと一体化されている注水部1
2にも接続している。プラスチックパイプ11は水位確
認部13を形成するもので、例えば水位の上限を示す目
盛線13aと下限を示す目盛線13b等が刻印されてい
る。そして、プラスチックパイプ11の上部に形成され
た分岐部11aが、硬質のゴム管14によって前述の排
気栓3に接続されることにより、タンク本体2の内部空
間2dとプラスチックパイプ11内の上部空間が、タン
ク本体2内の支柱4の採水口9と排気栓3の空気抜き孔
3aを介して連通している。
【0017】タンク本体2の上部を含めて、注水部12
の付近の詳細な構造が図2に示されており、注水部12
自体の内部構造が図3に拡大して例示されている。ブロ
ック7の入口6に通じるプラスチックパイプ11の上端
縁は、カップ状の注水部12の内部空間に開口してお
り、開口縁部は円形の弁座15を形成している。注水部
12には上部の開口を閉塞するように、螺子やカム等の
固着手段を有する給水用のキャップ16が着脱自在に取
り付けられる。円板状の弁体17がキャップ16に上端
を取り付けられたスプリング18によって付勢されて、
弁座15の開口を閉塞するように、所定の大きさの力で
弁座15に押しつけられている。なお、排気栓3の空気
抜き孔3aに通じるプラスチックパイプ11の分岐部1
1aの高さは、弁座15のシール面15aよりも下方に
なるように設定される。
【0018】以上のような構造を有する蓄熱式リザーブ
タンク1を冷却水回路、即ち冷却水の循環回路の一部に
採用した第1実施例としての内燃機関の冷却装置19の
全体構成を図4に示す。20は内燃機関の本体を略示し
ており、その内部の冷却水通路を通って冷却水が矢印の
ように流れる。図4において、21は冷却水ポンプ、2
2はラジエータ、23は高温側の冷却水通路、24は低
温側の冷却水通路、25はサーモスタットをそれぞれ示
している。前述の蓄熱式リザーブタンク1の入口6は、
硬質のゴム管等からなる入口配管26によってラジエー
タ22のアッパータンク22aに接続される。また、蓄
熱式リザーブタンク1の出口8は、やはり硬質のゴム管
等からなる出口配管27によって、手動又は自動制御装
置によって操作される三方弁28の入口ポート28aに
接続される。
【0019】三方弁28の第1の出口ポート28bは、
硬質のゴム管等からなるヒータ配管29を介して吸気熱
交換器30と、暖房装置の一部に組み込まれて車室内の
空気を加熱するヒータ31に接続される。言うまでもな
く、吸気熱交換器30とヒータ31はいずれか一方だけ
であってもよいし、それら以外の何らかの被加熱装置の
熱交換器であってもよい。吸気熱交換器30やヒータ3
1等を通過した冷却水は戻り配管32を通って冷却水ポ
ンプ21へ戻るようになっている。また、三方弁28の
第2の出口ポート28cを出た冷却水は、直接に戻り配
管32を通って冷却水ポンプ21に戻るようになって
る。なお、ヒータ配管29の途中に破線によって示され
た流量調整弁33及びバイパス通路34は、吸気熱交換
器30及びヒータ31へ供給する温水の一部を迂回させ
て吸気加熱及び暖房の強さを調整するためのもので、必
要に応じて設けられる。
【0020】第1実施例としての内燃機関の冷却装置1
9は以上のように構成されているので、通常の運転状態
において冷却水ポンプ21によって加圧されて冷却水回
路を循環する冷却水は、従来の内燃機関の場合と同様に
機関本体20の内部を冷却して高温となり、高温側の冷
却水通路23を通ってラジエータ22のアッパータンク
22aに入り、分流してラジエータコア22cを流下す
る間に走行風等によって冷却されてローアータンク22
bに集められ、低温側の冷却水通路24に設けられたサ
ーモスタット25(通常の運転状態では開弁している)
を通って冷却水ポンプ21へ戻り、再び加圧されて機関
本体20へ送りこまれる。
【0021】本発明の第1実施例の場合はラジエータ2
2のアッパータンク22aから蓄熱式リザーブタンク1
の入口配管26が分岐しているので、機関本体20の通
常の運転状態において、アッパータンク22a内にある
高温の冷却水の一部分は、入口配管26へ分流して入口
6から図1に示す蓄熱式リザーブタンク1内へ流入す
る。そして、高温の冷却水が入口通路5bを通って内部
空間2dに入り、内部空間2dの底部から次第に上方へ
流れる。その後に採水口9から支柱4内に入り、出口通
路8aと出口8、更に出口配管27を通って三方弁28
へ流れて、三方弁28の切り換えによって選択された通
りに戻り配管32へ直接に、或いはヒータ配管29を経
た後に戻り配管32へ流れる。
【0022】いずれにしても、本発明の第1実施例によ
る内燃機関の冷却装置の場合は、機関の通常の運転状態
において高温の冷却水のうちの少なくとも一部が、絶え
ず蓄熱式リザーブタンク1内を通過するように流れてい
る。それによって蓄熱式リザーブタンク1内にはいつで
も高温の冷却水が存在するから、内燃機関本体20が運
転を停止すると、蓄熱式リザーブタンク1内には高温の
冷却水が自然に残ることになる。これは従来の内燃機関
の冷却装置における通常のリザーブタンクとは全く異な
っている点である。
【0023】本発明の第1実施例の場合は蓄熱式リザー
ブタンク1が使用されており、外壁2aと内壁2bの間
の真空の空間2cの断熱作用によって、更に、入口6と
出口8が共にタンク本体2の下部に形成されていること
もあって外部への放熱がきわめて少ないから、機関本体
20が運転を停止した後に、比較的長時間にわたって蓄
熱式リザーブタンク1内に温水を保存することができ
る。このようにして保存された温水が次の始動時に有効
な熱源として働くことになる。
【0024】蓄熱式リザーブタンク1はこのようにして
温水を自動的に保存する作用をするだけでなく、本来の
冷却水量の自動的な調整や冷却水の貯溜作用もする。機
関本体20を製造して最初に冷却水を充填するときや、
長期間使用後に冷却水を補充するときには、蓄熱式リザ
ーブタンク1の注水部12のキャップ16と、それに付
属しているスプリング18や弁体17を取り外して、弁
座15から水位確認部13のプラスチックパイプ11の
中へ新しい冷却水(一般的に言えば冷却液)を注入す
る。機関本体20側の冷却水通路内に冷却水によって満
たされていない空間があるうちは、供給された冷却水は
短管6aから直ちに入口6を通り、図4に示す入口配管
26を通って、ラジエータ22や冷却水通路23等を経
て機関本体20へ供給され、冷却水回路の空間に充填さ
れる。
【0025】機関本体20内の冷却水通路が冷却水によ
って満たされると、それ以後に供給される冷却水は、入
口6からタンク本体2内の入口通路5bを経てタンク本
体2の内部空間2dに下部から順次に充填される。その
ときに空間2d内の空気は排気栓3の空気抜き孔3aを
通り、分岐部11aから開放している弁座15の開口を
介して大気中へ逃げて、空気層Aが下方から順次に冷却
水層Cに置き替わって行くので、蓄熱式リザーブタンク
1内への注水は円滑に行われる。蓄熱式リザーブタンク
1内に入った冷却水は、採水口9から支柱4の内部の内
部に入り、そこから出口8にかけての出口通路8a、及
び出口配管27等を満たし、更に三方弁28の方まで充
填される。このようにして冷却水が、充填されるべき部
分に十分に行き渡り、蓄熱式リザーブタンク1内の冷却
水の水位が水位確認部13において所定のレベルを示す
目盛、例えば冷却水位の上限を示す目盛線13aを越え
ようとしたときに冷却水の供給を止める。
【0026】このようにして、冷却水の給水が終わった
状態では、蓄熱式リザーブタンク1の上部に空気の溜ま
った空間2e、即ち所定の大きさの空気層Aが形成され
る。その状態で注水部12にキャップ16を取り付ける
と冷却水回路が弁体17によって密封される。機関本体
20の運転によって冷却水の温度が上昇して体積が膨張
すると、蓄熱式リザーブタンク1内では水位が上昇し、
空気層Aが圧縮されて縮小し、空気の弾性作用によって
機関本体20内の冷却水回路における冷却水量を適量に
維持することができる。これが本発明の第1実施例にお
ける冷却水量の自動調整機能である。
【0027】このように蓄熱式リザーブタンク1内で水
位が上昇するときは、空間2eに溜まっていた空気、即
ち空気層Aが圧縮される。その反作用によって冷却水回
路の冷却水は大気圧よりも高い圧力で加圧を受けること
になり、それによって冷却水の沸騰が抑えられて、安定
した機関冷却が行われるようになる。なお、その圧力が
過度に高くなる機関過熱のような異常な状態では、注水
部12の弁体17がスプリング18に抗して弁座15の
開口を開放し、過度の圧力を大気中へ逃がすので冷却水
回路は適度の圧力を維持するこができる。
【0028】本発明の第1実施例による内燃機関の冷却
装置についての、機関の定常運転の状態における作動は
以上に述べた通りであるが、次に本発明の最も大きな特
徴である機関の冷間始動時の運転状態について説明す
る。前述のような理由で、機関が定常運転された後には
蓄熱式リザーブタンク1内に常に高温の冷却水が保存さ
れているが、最初に、自動的或いは手動的な手段によっ
て三方弁28が切り換えられて、三方弁28の入口ポー
ト28aが第2の出口ポート28cと連通している場合
について説明する。その状態を図5に実線によって示し
ているが、これによって「機関暖機優先回路」と呼ぶべ
き冷却水回路が形成され、機関本体20が始動されると
同時に、蓄熱式リザーブタンク1内の温水が三方弁28
によって選択された戻り配管32へ集中的に流れ、冷却
水ポンプ21によって加圧されて機関本体20へ送り込
まれる。
【0029】その結果、機関本体20は始動と同時に、
蓄熱式リザーブタンク1内に保存されていた温水の熱に
よって加熱されることになり、燃焼室における燃料の燃
焼熱との相乗作用によって急速に温度上昇し、機関本体
20は比較的早期に暖機されて燃料噴霧の気化状態が良
くなり、それによって早くから正常な燃焼状態になっ
て、短時間内に定常運転状態に到達することができる。
その結果、通常は機関始動時に増加することが多い未燃
焼炭化水素の排出量も低レベルに抑えられる。しかし、
スペースの制限から、蓄熱式リザーブタンク1に貯溜し
得る水量には限りがあるから、このように機関暖機優先
の場合には、温水が他の加熱目的へ流れるのを三方弁2
8によって防止して、機関本体20の暖機のみに集中的
に温水を使用することにより、機関の暖機がそれだけ促
進される。
【0030】このときは冷間始動であるから、蓄熱式リ
ザーブタンク1内に保存されていた温水が機関本体20
を通過することによって、温度が低下して高温側の冷却
水通路23へ流出するが、それよりも温度の低いラジエ
ータ22内の冷却水が低温側の冷却水通路24へ流入す
ることは、閉じているサーモスタット25によって確実
に阻止される。従って、未だ冷えきってはいない温水が
高温側の冷却水通路23の途中からバイパス通路35を
通って再び冷却水ポンプ21へ戻るか、或いは入口配管
26を通って再び蓄熱式リザーブタンク1へ流入し、そ
の中に残っている温水を押し出して冷却水ポンプ21へ
送るので、蓄熱式リザーブタンク1内に貯溜されていた
温水がラジエータ22によって冷却されるようなことが
なく、蓄熱式リザーブタンク1内の温水の保有していた
熱が機関暖機のために有効に利用される。
【0031】なお、図4及び図5と、後述の図6のそれ
ぞれに示されている蓄熱式リザーブタンク1は、図1〜
図3に示されたものと比べると形状が多少異なっている
が、図4〜図6に示す蓄熱式リザーブタンク1は模式化
されたものであるから、図形は厳密な意味を持たない。
また、図5及び図6においては、入口配管26を蓄熱式
リザーブタンク1の下部ではなく側面に接続するように
描いているが、入口配管26をこのように取り付けると
蓄熱式リザーブタンク1の保温性能が多少悪くなるもの
の、或る程度の保温効果を奏するので、場合によっては
このような蓄熱式リザーブタンクを使用することもあり
得る。
【0032】更に、図4において蓄熱式リザーブタンク
1とラジエータ22を接続する入口配管26に対して破
線で示した別の入口配管26’のように、蓄熱式リザー
ブタンク1の入口6をラジエータ22のアッパータンク
22aよりも機関本体20により近い位置へ接続する
と、一層高温の冷却水を蓄熱式リザーブタンク1内へ導
くことができるので、機関停止時に蓄熱式リザーブタン
ク1内に保存される温水の温度がより高くなって、次の
冷間始動時により良い効果を上げ得るという利点があ
る。
【0033】次に、図6において実線によって示した冷
却水回路は、三方弁28を切り換えることによって入口
ポート28aを第1の出口ポート28bに接続させた状
態である。即ち、冷却水回路を「吸気加熱、ヒータ優先
回路」としたもので、機関の冷間始動時に三方弁28の
切り換えによってこの回路を構成させると、蓄熱式リザ
ーブタンク1内に保存されていた温水は、全てヒータ配
管29を通って吸気熱交換器30及びヒータ31へ流れ
込み、機関の始動と同時に機関の吸気加熱とヒータへの
熱の供給を開始するので、機関の良好な燃焼状態や、急
速な暖房効果の双方、或いは選択してそれらの一方のみ
とした場合にはその一方が、機関の始動時から得られる
ことになる。
【0034】このように第1実施例では、三方弁28を
用いて蓄熱式リザーブタンク1からの出口配管27を択
一的に「機関暖機優先回路」、或いは「吸気加熱、ヒー
タ優先回路」の一方へ接続しているが、三方弁28に代
えて分配比率調整が可能な弁を使用することにより、蓄
熱式リザーブタンク1の出口配管27をヒータ配管29
と戻り配管32の双方へ同時に接続すると共に、機関の
運転条件に応じて、出口配管27からそれぞれの配管2
9及び32へ分配する温水の流量に任意のウエイトを持
たせるように調整することことによって、全ての加熱目
的を同時に加熱することも可能である。
【0035】いずれにしても、第1実施例の内燃機関の
冷却装置によれば、機関の冷間始動時に機関を迅速に暖
機したり、車室内の暖房や機関へ供給される吸気の加熱
等を機関の始動と同時に開始することが可能になる。第
1実施例では蓄熱式リザーブタンク1が自動的に作動す
る蓄熱タンクの機能を備えているだけでなく、通常のリ
ザーブタンクに代わる冷却水量の自動的な調整機能をも
有するので、蓄熱式リザーブタンク1の設置スペースに
ついては、実質的に従来のリザーブタンクの設置スペー
スだけでよく、リザーブタンクと蓄熱タンクの双方を設
置する場合のように設置スペースの増加を必要としな
い。また、蓄熱式リザーブタンク1には、それに関連す
る僅かな部品を追加、変更するだけであるから、コスト
の大幅な増加を招くこともない。
【0036】本発明の一般的な効果の一つでもあるが、
第1実施例の場合は機関の運転中には絶えず冷却水が蓄
熱式リザーブタンク1を通過して流れており、通過する
際に冷却水がタンク本体2の内部空間2d内で流速の低
下する期間がある。その間に冷却水に含まれていた空気
等の気体成分が気泡として分離されて上部の空気層Aに
集まるため、蓄熱式リザーブタンク1を出る冷却水に含
まれている気体成分の量は非常に少なくなる。このよう
にして、冷却水が順次に蓄熱式リザーブタンク1を通過
することによって冷却水中の気体成分が取り除かれる結
果、機関本体20内の冷却水套における気泡の発生が抑
えられるので冷却効率が高くなる。
【0037】図4に示す第1実施例の内燃機関の冷却装
置19に適用した蓄熱式リザーブタンク1に代わり得る
ものとして、より簡単な構成を有する蓄熱式リザーブタ
ンク36の構造を図7及び図8に示している。蓄熱式リ
ザーブタンク36のタンク本体37は、金属或いはプラ
スチック製の外壁37a及び内壁37bと、それらの間
を埋めると共に外壁37a及び内壁37bを相互に接着
するように充填発泡されたプラスチックの発泡体からな
る断熱層37cからなっている。前述の蓄熱式リザーブ
タンク1と同様に、この場合も放熱を最小限に抑えるた
めに、底壁部分37dに冷却水の入口6と出口8が取り
付けられている。
【0038】図8に拡大して示すように、タンク本体3
7の頂壁部分37eには雌螺子等の固着手段を設けられ
た開口37fが形成されており、開口37fにはプラス
チック製の注水口38が固着される。注水口38には給
水用のキャップ39が螺子やカム等の手段によって着脱
自在に取り付けられる。なお、40はシール用のOリン
グである。蓄熱式リザーブタンク36内の下部には冷却
水層Cが形成され、上部には空気層Aが形成される。蓄
熱式リザーブタンク36は構造が簡単になっているが、
第1実施例における蓄熱式リザーブタンク1に代えて使
用することができ、基本的にはそれと同様な作用、効果
を奏することができる。
【0039】図7及び図8に示した蓄熱式リザーブタン
ク36の一部を改良した蓄熱式リザーブタンク41の構
造を図9の(a)及び(b)に示す。基本的には蓄熱式
リザーブタンク36と同じタンクの構造を有するので、
共通の部分には同じ参照符号を付して重複する説明を省
略する。蓄熱式リザーブタンク41の特徴は水位確認部
42を設けた点にある。水位確認部42はタンク本体3
7の側壁部分に図9の(b)に示したような縦長の窓開
口を形成し、この開口に透明、或いは半透明のプラスチ
ック43を嵌め込んだものである。
【0040】蓄熱式リザーブタンク41内の冷却水層C
の表面は、水位確認部42のプラスチック43を透して
容易に検知することができる。プラスチック43に、前
述の蓄熱式リザーブタンク1を示す図2の水位確認部1
3において設けたものと同様な、上限を示す目盛線13
aや下限を示す目盛線13b等の目盛線を設けると便利
である。
【0041】図10に、全体の形状を球形として耐圧性
を高めた蓄熱式リザーブタンク44を示す。蓄熱式リザ
ーブタンク44のタンク本体45は、前述の各例の場合
と同様に内部を真空とした二重構造壁や、プラスチック
の発泡体等からなる球形の断熱壁45aと、その内張り
として設けられた透明なプラスチックからなる球形の容
器46から構成されており、下部の入口6及び出口8
や、上部の注水口38等も断熱壁45aを貫通して球形
の容器46に設けられている。水位確認部42も設けら
れるが、その透視窓となるプラスチック43は断熱壁4
5aの開口に取り付けられる。この蓄熱式リザーブタン
クの基本的な作用、効果も前述の各例に示した蓄熱式リ
ザーブタンクと同様である。
【0042】図11に本発明による蓄熱式リザーブタン
クを使用した内燃機関の冷却装置の第2実施例を示す。
この実施例は機関の負荷のような運転条件の変化に応じ
て冷却水の水温を自動的に調整して、機関にとって最適
の温度条件を実現しようとするものである。一般に燃費
を低減し得る高い熱効率を得るための機関冷却水の最適
温度は、低負荷時には比較的高温の領域に、高負荷時に
は比較的低温の領域にあると考えられている。そこで、
機関の負荷の大きさに応じて自動的に冷却水温を調整す
ることができれば、機関の始動時を含めて、低負荷運転
の状態から高負荷運転の状態までの広い運転領域におい
て高い熱効率が得られるので、機関の燃費を低減するこ
とができる。
【0043】第2実施例は上記の着想を蓄熱式リザーブ
タンクを使用して実現するもので、機関の冷却装置とし
て先に説明した図4に示す第1実施例の冷却装置と実質
的に同じ部分については、同じ参照符号を付すことによ
って重複する説明を省略することにする。但し、実質的
に同じものであっても接続先が異なる配管等については
同じ参照符号に「’」又は「”」を付して僅差を示して
いる。このような扱いは、後に説明する図12に示され
た第3実施例においても同様である。
【0044】第2実施例及び第3実施例において、本発
明の共通の特徴として設けられる蓄熱式リザーブタンク
は全て1として示されているが、これは先に図1に構造
を示して説明した蓄熱式リザーブタンク1を一つの代表
として取り上げたものに過ぎない。従って、一般的には
図1から図3及び図7から図10に示した蓄熱式リザー
ブタンク1,36,41,44のいずれかの例の一つと
同一か、或いはそれと均等のものであれば使用可能であ
る。
【0045】第2実施例を示す図11において、蓄熱式
リザーブタンク1の入口6は、図4に示す第1実施例と
同様に、入口配管26によって高温側の冷却水通路23
に接続されている。出口8は接続先が異なり、出口配管
27’を介して流量調整弁47の入口ポート47aに接
続される。流量調整弁47の第1の出口ポート47b
は、出口配管48を介してサーモスタット25の感温部
25aが収容された冷却水通路の一部をなす小室49に
接続されている。小室49にはバイパス通路35の下流
側端部も接続されている。流量調整弁47の第2の出口
ポート47cは、出口配管50を介してサーモスタット
25よりも下流側の、冷却水ポンプ21の直前の位置に
接続されている。
【0046】流量調整弁47の弁体47dはダイヤフラ
ム47eによって上下方向に駆動されるようになってお
り、ダイヤフラム47eを動かすためにその下部の室4
7fには機関の吸気通路から吸気負圧が導かれている。
弁体47dは通常はスプリング47gによって上方へ押
圧されて、第2の出口ポート47cを閉じると共に第1
の出口ポート47bを開くように付勢されている。な
お、ダイヤフラム47eの上部の室には大気圧が導かれ
ている。
【0047】第2実施例による内燃機関の冷却装置は以
上のような構成を有するので、機関の始動時には、サー
モスタット25がラジエータ22のローアータンク22
bと冷却水ポンプ21を結ぶ低温側の冷却水通路24を
閉じているので、ラジエータ22から機関本体20へ低
温の冷却水が戻ることがない。蓄熱式リザーブタンク1
内に保存されていた温水は出口8から出口配管27’を
通って流量調整弁47の入口ポート47aに入るが、低
負荷の状態では流量調整弁47の下部の負圧室47fの
吸気負圧が高くなっているので、ダイヤフラム47eと
弁体47dがスプリング47gの付勢に抗して図11に
示すように下降し、弁体47dが第1の出口ポート47
bを閉じると共に第2の出口ポート47cを開いている
ため、温水はサーモスタット25のある小室49を迂回
して出口配管50を通って冷却水ポンプ21へ直接に吸
入される。
【0048】従って、蓄熱式リザーブタンク1内に保存
されていた温水は流量調整弁47を経て直接に機関本体
20内へ供給されてそれを加熱するので、機関本体20
の暖機運転が第1実施例において説明したのと同様に迅
速且つ円滑に行われる。機関の暖機が終わった後も低負
荷運転の状態では吸気負圧が高いために、流量調整弁4
7が図11に示す弁位置を維持するので、温水はサーモ
スタット25の感温部25aを迂回して流れ、サーモス
タット25が大きく開弁することはない。その結果、ラ
ジエータ22を通って流れる冷却水は少なくなり、機関
本体20からバイパス通路35を通って冷却水ポンプ2
1へ戻る比較的高温の冷却水や、高温側の冷却水通路2
3を通って蓄熱式リザーブタンク1へ入り、再び流量調
整弁47から冷却水ポンプ21へ戻る温水が多くなるた
めに、機関本体20内を循環する冷却水の温度が比較的
高くなる。それによって機関の低負荷運転に適した高め
の冷却水温が得られる。
【0049】機関が高負荷運転に入ると、吸気負圧が減
少するために流量調整弁47の負圧室47fの圧力も大
気圧に近くなり、ダイヤフラム47eと弁体47dがス
プリング47gに押されて上昇し、第2の出口ポート4
7cを閉じると共に第1の出口ポート47bを開く。そ
れによって蓄熱式リザーブタンク1を通過した高温の冷
却水が第1の出口ポート47bから出口配管48を通っ
て小室49へ入り、サーモスタット25の感温部25a
を加熱してから冷却水ポンプ21へ戻る。それによって
サーモスタット25は大きく開弁するので、機関本体2
0を通過した高温の冷却水の殆どがラジエータ22を通
過して流れるようになり、冷却水温は機関の高負荷運転
に適した低めの値まで自動的に降下する。
【0050】このようにして、図11に示す第2実施例
の内燃機関の冷却装置によれば、機関の負荷の大きさに
応じて最適な冷却水温が自動的にに得られるため、常に
機関は熱効率の高い状態で運転されることになり、燃費
の低減などが容易に達成される。なお、第2実施例の場
合も、機関の運転中は高温の冷却水が常に蓄熱式リザー
ブタンク1を通過して流れているので、第1実施例につ
いて詳しく説明したのと同様に、機関を停止した時に
は、蓄熱式リザーブタンク1内に高温の冷却水が残って
容易に冷却しないので、それが次の始動時に有効に利用
される。
【0051】第2実施例と略同様な効果、或いはそれよ
りも寧ろ優れた効果を上げ得る他の例を、第3実施例と
して図12にその構成を示す。第3実施例の構成が第2
実施例のそれと異なる点は、流量調整弁47の入口ポー
ト47aが入口配管51によって高温側の冷却水通路2
3に通じており、蓄熱式リザーブタンク1の入口6が入
口配管26’を介して流量調整弁47の第2の出口ポー
ト47cから高温の冷却水を受入れるようになっている
ことと、蓄熱式リザーブタンク1の出口8が、出口配管
27”によってサーモスタット25よりも下流側の、冷
却水ポンプ21の直前の位置に接続されていることであ
って、その他の点では第2実施例と同様な構成を取って
いる。
【0052】従って、第3実施例による内燃機関の冷却
装置の作動は第2実施例のそれに似ている点も少なくな
いが、大きな違いは、蓄熱式リザーブタンク1が流量調
整弁47を介して高温の冷却水を受け入れるようになっ
ているため、図12に示したような機関の吸気負圧が高
くなる低負荷の状態においてのみ、高温の冷却水が蓄熱
式リザーブタンク1を通過して流れることになる。しか
も低負荷の状態では第2実施例において説明したような
理由によって冷却水温が高くなるので、機関の停止時に
蓄熱式リザーブタンク1内に保存されるものは高温の冷
却水ばかりになる。その結果、機関の停止時間が長くて
も蓄熱式リザーブタンク1内の温水が比較的高温を維持
することができるので、次の始動時により良い結果をも
たらすという効果がある。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術における冷却
水のリザーブタンクと冷却水の保温のための蓄熱タンク
の機能を兼ね備えた単一の蓄熱式リザーブタンクを設け
ることによって、機関の運転中に高温の冷却水が蓄熱式
リザーブタンクを通過して流れているために、機関の停
止時には自動的に高温の冷却水が蓄熱式リザーブタンク
内に保存される。それによって、実質的に追加的な機器
の設置スペースの増加を必要とせずに、またコストの大
幅な増加を招くこともなく、冷間始動時に機関の暖機を
促進したり、場合によっては車室内の暖房や吸気の加熱
等を機関の始動直後から開始することが可能になる。
【0054】このように、機関の冷却水から大気中へ放
出される熱を有効に利用して、機関の次の冷間始動時に
排気エミッションを低減させて公害を防止することがで
きるだけでなく、機械的なフリクション損失をも低減さ
せて、機関を始動後短時間内に効率の高い運転状態に移
行させ、燃費を低減させることが可能になる。また、高
温の冷却水が蓄熱式リザーブタンク内を通過して流れる
際に、一時的に流速が低下するので、冷却水に含まれて
いた気体成分が分離され、安定で効率のよい冷却が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の冷却装置に使用される蓄熱
式リザーブタンクの実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の構造の一部を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図3】図2の構造の一部を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図4】本発明の内燃機関の冷却装置の第1実施例を示
す全体構成の概念図である。
【図5】図4の装置を機関暖機優先とした状態を示す全
体構成図である。
【図6】図4の装置を吸気加熱、ヒータ優先とした状態
を示す全体構成図である。
【図7】本発明の内燃機関の冷却装置に使用される蓄熱
式リザーブタンクの他の実施例を示す縦断面図である。
【図8】図7の構造の一部を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図9】(a)は本発明の内燃機関の冷却装置に使用さ
れる蓄熱式リザーブタンクの更に他の実施例を示す縦断
面図であって、(b)は(a)の一部を拡大して示す側
面図である。
【図10】本発明の内燃機関の冷却装置に使用される蓄
熱式リザーブタンクの更に他の実施例を示す縦断面図で
ある。
【図11】本発明の内燃機関の冷却装置の第2実施例を
示す全体構成の概念図である。
【図12】本発明の内燃機関の冷却装置の第3実施例を
示す全体構成の概念図である。
【符号の説明】
1…蓄熱式リザーブタンク 2…タンク本体 3…排気栓 3a…空気抜き孔 4…支柱 5…金属パイプ 5a…スペーサ部分 5b…入口通路 6…入口 8…出口 9…採水口 11…透明なプラスチックパイプ 12…注水部 13…水位確認部 15…弁座 16…キャップ 17…弁体 19…内燃機関の冷却装置(第1実施例) 20…内燃機関の本体 21…冷却水ポンプ 22…ラジエータ 25…サーモスタット 25a…感温部 28…三方弁 29…ヒータ配管 30…吸気熱交換器 31…暖房用のヒータ 33…流量調整弁 34,35…バイパス通路 36…蓄熱式リザーブタンクの他の例 37c…断熱壁(発泡体) 38…注水口 39…キャップ 41…蓄熱式リザーブタンクの他の例 42…水位確認部 43…透明なプラスチック 44…蓄熱式リザーブタンクの他の例 46…球形の容器 47…流量調整弁 47e…ダイヤフラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 竜雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 井上 美光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 伊藤 公一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 福永 博之 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 松代 隆一 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 小浜 時男 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に外表面の全てを覆う断熱構造の
    壁を備えていることによって、前記断熱構造の壁の内部
    に高温の冷却水を保温しながら貯溜することができる密
    閉された空間を形成しており、内燃機関の冷却水回路を
    流れる冷却水の量を自動的に増減調整するために前記空
    間の下部に冷却水層を形成させると共に、前記空間の上
    部に前記冷却水層によって圧縮される閉ざされた空気層
    を形成させることができ、しかも、前記断熱構造の壁の
    一部にそれを通過して前記空間の内部へ高温の冷却水を
    流入させるための入口と、同じく前記断熱構造の壁の一
    部にそれを通過して前記空間の内部から高温の冷却水を
    流出させるための出口をそれぞれ備えていることを特徴
    とする、内燃機関の冷却装置に使用される蓄熱式リザー
    ブタンク。
  2. 【請求項2】 前記断熱構造の壁の一部に、前記冷却水
    層の水面の位置を外部から検知することができる水位確
    認部を備えていることを特徴とする請求項1記載の蓄熱
    式リザーブタンク。
  3. 【請求項3】 前記断熱構造の壁が少なくとも二重壁構
    造となっており、壁構造内部の空間が空気を排出されて
    真空となっていることを特徴とする請求項1記載の蓄熱
    式リザーブタンク。
  4. 【請求項4】 前記断熱構造の壁が少なくとも二重壁構
    造となっており、壁構造内部の空間に断熱材が充填され
    ていることを特徴とする請求項1記載の蓄熱式リザーブ
    タンク。
  5. 【請求項5】 前記入口及び出口が共に前記空間の下部
    の前記断熱構造の壁を通過するように形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の蓄熱式リザーブタンク。
  6. 【請求項6】 前記密閉された空間へ冷却水を供給する
    ための開口にキャップが設けられており、それによって
    前記閉ざされた空気層が大気から遮断されていることを
    特徴とする請求項1記載の蓄熱式リザーブタンク。
  7. 【請求項7】 実質的に外表面の全てを覆う断熱構造の
    壁を備えていることによって、前記断熱構造の壁の内部
    に高温の冷却水を保温しながら貯溜することができる密
    閉された空間を形成しており、内燃機関の冷却水回路を
    流れる冷却水の量を自動的に増減調整するために前記空
    間の下部に冷却水層を形成させると共に、前記空間の上
    部に前記冷却水層によって圧縮される閉ざされた空気層
    を形成させることができ、しかも、前記断熱構造の壁の
    一部にそれを通過して前記空間の内部へ高温の冷却水を
    流入させるための入口と、同じく前記断熱構造の壁の一
    部にそれを通過して前記空間の内部から高温の冷却水を
    流出させるための出口をそれぞれ備えている蓄熱式リザ
    ーブタンクを含んでおり、 前記蓄熱式リザーブタンクの前記入口及び出口が内燃機
    関の冷却水が循環する冷却水回路の中に挿入されて前記
    冷却水回路の一部を構成することにより、前記内燃機関
    の運転中に前記内燃機関を冷却することによって高温と
    なった冷却水の少なくとも一部が前記入口から前記蓄熱
    式リザーブタンクの内部に流入し、且つそれを通過して
    前記出口から流出するようになっており、それによって
    前記内燃機関の運転中には常に高温の冷却水が前記蓄熱
    式リザーブタンクの密閉された空間の内部に存在すると
    共に、前記内燃機関が停止したときは前記密閉された空
    間において冷却水を保温状態で貯溜することができるよ
    うにしたことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  8. 【請求項8】 前記冷却水回路の一部に、前記内燃機関
    の停止中に前記蓄熱式リザーブタンクによって保温状態
    で貯溜されていた温水を、前記内燃機関の冷間始動時に
    前記内燃機関の冷却水套へ供給して、前記内燃機関の暖
    機を促進させるための流路切り換え手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項7記載の内燃機関の冷却装置。
  9. 【請求項9】 前記冷却水回路の一部に暖房用の熱交換
    器を備えていて、前記内燃機関の停止中に前記蓄熱式リ
    ザーブタンクによって保温状態で貯溜されていた温水
    を、前記内燃機関の冷間始動と同時に前記熱交換器へ供
    給することによって、前記内燃機関の始動後直ちに暖房
    を開始することを可能としたことを特徴とする請求項7
    記載の内燃機関の冷却装置。
  10. 【請求項10】 前記冷却水回路の一部に吸気加熱用の
    熱交換器を備えていて、前記内燃機関の停止中に前記蓄
    熱式リザーブタンクによって保温状態で貯溜されていた
    温水を、前記内燃機関の冷間始動と同時に前記吸気加熱
    用の熱交換器へ供給することによって、前記内燃機関の
    始動後直ちに吸気加熱を開始することを可能としたこと
    を特徴とする請求項7記載の内燃機関の冷却装置。
  11. 【請求項11】 前記冷却水回路の一部に、前記内燃機
    関の吸気負圧によって流路を切り換える流量調整弁を備
    えており、前記内燃機関の停止中に前記蓄熱式リザーブ
    タンクによって保温状態で貯溜されていた温水を、前記
    内燃機関の冷間始動時に前記内燃機関の冷却水套へ供給
    して前記内燃機関の暖機を促進させる際に、前記内燃機
    関の低負荷時には前記流量調整弁によって流路を切り換
    えて、前記冷却水回路に設けられたサーモスタットの感
    温部を温水が迂回するように導くことによって、低負荷
    時における前記内燃機関の冷却水温が高負荷時に比較し
    て高くなるようにしたことを特徴とする請求項7記載の
    内燃機関の冷却装置。
  12. 【請求項12】 前記冷却水回路の一部に、前記内燃機
    関の吸気負圧によって流路を切り換える流量調整弁を備
    えており、前記流量調整弁を切り換えることによって、
    前記内燃機関の低負荷時に比較的高温となる冷却水が前
    記蓄熱式リザーブタンクを通過して流れるように導き、
    それによって前記蓄熱式リザーブタンク内に比較的高温
    で貯溜されていた温水を、前記内燃機関の冷間始動時に
    前記内燃機関の冷却水套へ供給することができるように
    したことを特徴とする請求項7記載の内燃機関の冷却装
    置。
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