JP2706542B2

JP2706542B2 - 内燃機関の液による冷却装置

Info

Publication number: JP2706542B2
Application number: JP1318693A
Authority: JP
Inventors: エマヌエルラップ; ジャンクロードアントビアック
Original assignee: オトモビルプジヨ; オトモビルシトロエン
Priority date: 1988-12-14
Filing date: 1989-12-07
Publication date: 1998-01-28
Anticipated expiration: 2013-01-28
Also published as: JPH02245417A; FR2640315A1; FR2640315B1; DE68909897D1; DE68909897T2; EP0374038B1; EP0374038A1; ES2046515T3

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は内燃機関の液による冷却装置に関する。

〔発明が解決しようとする課題〕

内燃機関のシリンダの内部と冷却水室との間の緘封は
完全なものにはできないから、その機関の冷却回路には
ガス抜き装置が不可欠である。

ガス抜きは機関自体において行うこともできる。しか
しこの場合、機関が始動すると同時に膨張槽内の液の加
熱が行われるので、始動以来加熱される液の量が大きな
ものになる。従って機関とその冷却回路との温度の上昇
が遅れる。そこでエンリッチングシステムの低温での使
用が長くなるため外部への汚染度が高くなり。又当然燃
料消費量も多くなり、そして自動車の機関の場合には車
内の暖房にも支障をきたす。

ガス抜きは又ラジエータでも行える。しかしこの場合
でも、正常運転温度を速く得るために機関の始動と同時
に冷却液をラジエータに循環させることはしない。そこ
で例えばサーモスタット弁を使って、液の温度がある所
定値より低い間は液の循環を停止する。従って液の循環
は機関始動後ある時間が経ってから始まり、ガス抜きは
その時点まで行われない。これは不都合なことである。

〔従来の技術〕

仏国特許第2.317,489号は、機関の始動直後から冷却
回路のガス抜きを行い、しかも始動以降に加熱される冷
却液の量も少なくするような、内燃機関の液による冷却
装置を記載している。この冷却装置は、液送入コンジッ
トと戻りコンジットとによって機関に結合されたラジエ
ータと、前記機関とラジエータとの間に液を循環させる
装備と、該液の温度がある所定値より低いときその液の
循環を停止させるサーモスタット弁とを含む主冷却回
路、この主冷却回路と平行に装架され、そして液送入コ
ンジットと送出コンジットとによって前記機関に結合さ
れた小さい容積のガス抜き室と、前記機関とガス抜き室
との間に該液を循環させる装備とを含む副冷却回路、及
び、両前記冷却回路の１つに結合された膨張槽を備える
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記冷却装置を改良することによって、前
述のような課題を解決しようとするものである。このた
めに本発明は、上記冷却装置において、前記膨張槽が前
記主冷却回路に結合され、又、前記ガス抜き室の隔壁の
１つが、該室内にガスが存在する場合に開く弁を介して
前記膨張槽と結合するオリフィスを備え、そこで前記弁
が開くと前記ガス抜き室のガスが前記膨張槽の方へ逃げ
ることを特徴とする冷却装置を提供する。

本発明の好適な実施例によれば、前記ガス抜き室が前
記膨張槽の下に置かれ、前記オリフイスが前記ガス抜き
室の上部分と前記膨張槽の下部分との間を直接連絡す
る。

〔実施例〕

以下、添付図面を参照に本発明の装置の制約的でない
実施例を記述する。

第１図に示されるように、内燃機関１はポンプ２を含
む主冷却回路を備える。

液は機関を通って循環し、下記のような複数個の回路
によってそこから出ていく。即ち、 −送入コンジット５と戻りコンジット３とによって機関
１に結合されたラジエータ４を含む主回路。この回路
は、冷却液の温度がある所定値より低いときに閉じるサ
ーモスタット弁６を備える。戻りコンジット３はコンジ
ット７によって膨張槽８の下部分に結合されている。膨
張槽は上部分が校正された栓９によって閉じられ、又ラ
ジエータ４のガス抜き装置10に結合されている。

−液が恒常的に循環する２つの副回路、即ち、ａ）暖房に使用される回路で、この回路は、供給コン
ジット13と戻りコンジット12とによって機関に結合され
た熱交換器11を含む。

ｂ）スタータ、低速回路等のような付属機器16の加熱
及び機関のガス抜きに用いられる回路。この回路はコン
ジット15,17,18及びガス抜き室14によって校正される。
機関から得た液は順次にコンジット15、１個又は複数個
の機器16、コンジット17、室14を通り、そしてポンプ２
の吸引力によりコンジット18を通って戻る。

第２図に示されるようにガス抜き室14は円形の断面を
有し、又コンジット17と18はコンジット３と５の断面よ
り小さい細い断面を有し、そして室14に接線方向に接続
する。

ガス抜き室14は膨張槽８の下に設置され、その上部分
が槽８の下部分に結合する。室14の上隔壁は槽８の下隔
壁19の一部を構成する。隔壁19は小さな断面のオリフィ
ス20を備え、このオリフィスによってガス抜き室14と膨
張槽８とは直接連絡する。オリフィス20は弁21で閉塞で
きる。弁21の見掛け密度は冷却液の密度より少しく小さ
いか、又は等いいものとされる。弁21の上部分にアーム
22により保持アーム23が結合され、隔壁19に当たって弁
の下方向ストロークを制限する。

本発明によれば又、第６図に示されるように、ガス抜
き室14が膨張槽８から離間して設置される実施態様も可
能である。この場合、弁21のアーム23は、オリフィス20
によってガス抜き室14と連絡する室28の中に置かれ、そ
してその室28がコンジット29によって膨張槽８に結合さ
れる。このような態様によれば自動車の既存の冷却シス
テムの上に本発明の装置を装架することができる。

低温の機関が始動するとき、弁６は閉じられ、従って
ラジエータ４への循環は行われない。膨張槽８に流れる
液はオリフイス20を通ってくる液だけである。そのオリ
フイスの寸法が小さく、又コンジット17の断面が小さい
ので、膨張槽８内の圧力Ｐは実質的にポンプ２の吸引圧
力と等しいものになる。これに対して、ガス抜き室14内
の圧力Ｐ′は、弁６の前の機関内の圧力（これはポンプ
２の吐出圧力に近い）と、ポンプ２の吸引圧力との中間
の値になる。従ってガス抜き室14内の圧力Ｐ′は膨張槽
８内の圧力Ｐより高い。この圧力差（Ｐ′−Ｐ）と、弁
21の密度が液のそれより少しく小さいことによる浮力と
によって、弁21は実質的に機関始動直後にその弁座に着
座する。

室14内で液が回転するので、その室内にガスが溜まる
とそのガスは弁21の在る区域に集中する。そこで弁21の
浮力は小さくなり、そして下記の不等式が成立すると同
時に弁21は開く。

ｐ＞（Ｐ′−Ｐ）ｓここでｐは浮力の減小したフロート21の重量、そして
ｓはオリフィス20の断面積である。

実際の場合においてその不等式ができないときには、
弁の体積、従ってその重量をもっと大きくするとか、あ
るいは断面積ｓ又は圧力差Ｐ′−Ｐを減小すればよい。
この減小は、コンジット15,17,18の内部寸法を変更した
り、あるいはコンジット15と17の一方にダイヤフラムを
設けることにより室14の上流のヘッドロスを大きくした
り、あるいは又ヘッドロスＰ′−Ｐを小さくしたりする
ことによって行うことができよう。

第１図と第２図において、弁21は球形体部で構成さ
れ、これに固定のアーム23によって保持され、そしてオ
リフィス20は隔壁19の平らな部分に設けられる。しかし
第３図の実施例においては、オリフィス20は隔壁19の球
形部分19aに設けられ、そして弁21はその隔壁に固定の
アーム24によって保持される。必要に応じて弁の下に平
静化グリル25を設置してもよい。

第４図の実施例において、弁は円筒形マス26で構成さ
れ、このマスの上部分にフィンガ27が備えられ、隔壁19
の円錐台形又は球形部分19bに設けられたオリフィス20
を閉塞する。マス26は、隔壁19に固定のアーム24によっ
て保持案内される。この実施例でも、アーム24に装着さ
れた平静化グリル25が備えられる。

第５図は第４図のそれに近い実施例を示す。先の場合
と同様に弁30は、隔壁19の円錐台形又は球形部分19c
と、アーム24と、平静化グリル25とで画成されたスペー
スの中で動く。弁は体部31と、これから延出するより小
さい寸法の上部分32及びして部分33とで構成される。上
部分32は心出しアーム34によって案内され、又フィンガ
27を担持する。下部分33は十字形断面を有し、グリル25
のオリフィス35に貫通する。体部31の下面はグリル25に
対し付着することがないように円錐台形にされる。

本発明がここに示した各実施例に限定されるものでな
く、それらの全ての変化形に及ぶものであることはいう
までもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の冷却装置の概要図、第２図はガス抜き室の第１図のII−II線における断面
図、第３図は弁の他の実施例の断面図、第４図は弁の第３実施例の断面図第５図は弁の第４実施例の断面図第６図は本発明の冷却装置の、ガス抜き室が膨張槽から
離間して設置され、それらの間がコンジットによって結
合される変化形実施例の概要図である。１……内燃機関、２……ポンプ、3,5,7,12,13,15,17,1
8,29……コンジット、４……ラジエータ、６……サーモスタット弁、８……膨張槽、10……ガス抜き装置、 11……熱交換器、14……ガス抜き室、 16……付属機器、19……隔壁、20……オリフィス、 21,26,30……弁、23,24……保持アーム、 27……フィンガ。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】液送入コンジット（５）と戻りコンジット
（３）とによって内燃機関（１）に結合されたラジエー
タ（４）と、前記機関（１）とラジエータ（４）との間
に液を循環させる装備（２）と、該液の温度がある所定
値より低いときその液の循環を停止させるサーモスタツ
ト弁（６）とを含む主冷却回路、この主冷却回路と平行
に装架され、そして液送入コンジット（17）と送出コン
ジット（18）とによって前記機関（１）に結合された小
さい容積のガス抜き室（14）と、前記機関（１）とガス
抜き室（14）との間に該液を循環させる装備（２）とを
含む副冷却回路、及び、両前記冷却回路の１つに結合さ
れた膨張槽（８）を備える、内燃機関の液による冷却装
置において、前記膨張槽（８）が前記主冷却回路に結合
され、又、前記ガス抜き室（14）の隔壁の１つが、該室
（14）内にガスが存在する場合に開く弁（21又は26）を
介して前記膨張槽（８）と結合するオリフィス（20）を
備えることを特徴とする冷却装置。
【請求項２】前記ガス抜き室（14）が前記膨張槽（８）
の下に設置され、前記オリフィス（20）が前記ガス抜き
室（14）の上部分と前記膨張槽（８）の下部分との間と
を直接連絡することを特徴とする請求項１記載の冷却装
置。
【請求項３】前記ガス抜き室（14）が前記膨張槽（８）
から離間して設置され、前記オリフィス（20）がコンジ
ット（29）によって前記膨張槽（８）に結合されること
を特徴とする請求項１記載の冷却装置。
【請求項４】前記ガス抜き室（14）が円形断面を有し、
前記送入コンジット（17）と送出コンジット（18）とが
該室に接線方向に接続することを特徴とする請求項１か
ら３までのいずれか１項に記載の冷却装置。
【請求項５】前記弁（21,26又は30）の密度が、最大で
も、該冷却液の密度と等しいことを特徴とする請求項１
から４までのいずれか１項に記載の冷却装置。
【請求項６】前記ガス抜き室（14）と機関（１）とを結
合する前記コンジット（17,18）の断面積が前記ラジエ
ータ（４）と機関（１）とを結合する前記コンジット
（3,5）のそれより小さいことを特徴とする請求項１か
ら５までのいずれか１項に記載の冷却装置。
【請求項７】前記弁（21）がこれの上部分に、前記室
（14）の隔壁（19）に当たって該弁の下方向ストローク
を限定する保持アーム（23）を備えることを特徴とする
請求項１から６までのいずれか１項に記載の冷却装置。
【請求項８】前記隔壁に固定され、前記弁（21）の下方
向ストロークを限定する保持アーム（24）を備えること
を特徴とする請求項１から６までのいずれか１項に記載
の冷却装置。
【請求項９】前記弁（21）が球であることを特徴とする
請求項１から８までのいずれか１項に記載の冷却装置。
【請求項１０】前記オリフィス（20）が前記隔壁（19）
の平らな部分に設けられることを特徴とする請求項１か
ら９までのいずれか１項に記載の冷却装置。
【請求項１１】前記オリフィス（20）が前記隔壁（19）
の球形部分（19a）に設けられることを特徴とする請求
項１から９までのいずれか１項に記載の冷却装置。
【請求項１２】前記弁（26）が円筒形マスで構成され、
この円筒形マス（26）がこれの上部分に、前記隔壁（1
9）の円錐台形部分（19b）に設けられた前記オリフィス
（20）を閉塞するフィンガを備えることを特徴とする請
求項１から８までのいずれか１項に記載の冷却装置。