JPH09139500A - 薄膜半導体装置 - Google Patents

薄膜半導体装置

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Publication number
JPH09139500A
JPH09139500A JP31742995A JP31742995A JPH09139500A JP H09139500 A JPH09139500 A JP H09139500A JP 31742995 A JP31742995 A JP 31742995A JP 31742995 A JP31742995 A JP 31742995A JP H09139500 A JPH09139500 A JP H09139500A
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JP
Japan
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thin film
interlayer insulating
insulating film
semiconductor device
source
Prior art date
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Pending
Application number
JP31742995A
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English (en)
Inventor
Masumitsu Ino
益充 猪野
Masahiro Fujino
昌宏 藤野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボトムゲート型薄膜トランジスタの閾値変動
を抑制し信頼性を改善する。 【解決手段】 薄膜半導体装置は絶縁基板1を用いて形
成されており、その上にゲート電極2がパタニングされ
ている。これを被覆する様にゲート絶縁膜3が形成され
ている。その上には半導体薄膜4が形成されており、ボ
トムゲート型薄膜トランジスタ5のチャネル領域Chと
ソース領域S及びドレイン領域Dを構成する。半導体薄
膜4は層間絶縁膜6,7によって直接被覆されている。
その上にはソース領域S及びドレイン領域Dと接続する
電極8,9がパタニング形成されている。層間絶縁膜
6,7は可動電荷及び固定電荷の発生原因となる不純物
の含有濃度が1×1018/cm3 以下に制御されている。
又、固定電荷の発生原因となる局在準位の密度が1×1
18/cm3 以下に制御されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボトムゲート型の薄
膜トランジスタを集積形成した薄膜半導体装置に関す
る。より詳しくはボトムゲート型薄膜トランジスタの活
性層となる半導体薄膜を直接被覆する層間絶縁膜の膜質
に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタを集積形成した薄膜半
導体装置はアクティブマトリクス型液晶表示パネルの駆
動基板等に用いられ、近年盛んに開発が進められてい
る。この場合、薄膜トランジスタは画素電極を駆動する
スイッチング素子や周辺の駆動回路部を構成するデバイ
スとして集積形成される。薄膜トランジスタにはボトム
ゲート型とトップゲート型があるが、低温プロセスに有
利な前者の開発が精力的に行なわれている。図10はボ
トムゲート型の薄膜トランジスタを形成した薄膜半導体
装置の従来例を示す。図示する様に、薄膜半導体装置は
絶縁基板101上にパタニング形成されたゲート電極1
02と、これを被覆するゲート絶縁膜103と、この上
に形成された半導体薄膜104とを有している。半導体
薄膜104はボトムゲート型薄膜トランジスタ105の
チャネル領域Ch、ソース領域S及びドレイン領域Dを
構成している。さらに、半導体薄膜104を直接被覆す
る第1層間絶縁膜106及び第2層間絶縁膜107が形
成されている。第2層間絶縁膜107の上にはソース領
域Sに接続する電極108とドレイン領域Dに接続する
電極109とがパタニング形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図10に示したボトム
ゲート型構造では、電極108,109間に電圧を印加
すると、半導体薄膜104のチャネル領域Chに直接接
触している第1層間絶縁膜106中に電荷の移動が発生
する。例えば、ソース領域S側の電極108を接地電位
とし、ドレイン領域D側に接続する電極109に正の高
電位を印加すると、陽イオン等の正電荷がドレイン端側
からソース端側に移動する。陽イオンの原因となるのは
例えばNa,K等の不純物である。第1層間絶縁膜10
6に不純物が侵入すると、可動イオンによる電荷の局所
的な移動が発生する。これにより、ボトムゲート型薄膜
トランジスタの閾値電圧の変動を引き起し、長期的なデ
バイス信頼性が損われるという課題がある。一般的に、
絶縁基板101として比較的低融点のガラス材料を用い
た場合、その内部にはNa,K等の不純物が含有されて
いる。この不純物は絶縁基板101の表面にSiN,S
iO2 等の下地膜を形成する事で有効にブロックでき
る。しかしながら、上方からの汚染に対しては何等効果
的ではない。
【0004】可動電荷を発生させる原因となっているの
が、Na,K等に加えFe,Cr,Ni,Al,Mo,
Ta,W等の金属イオンである。一般に、薄膜トランジ
スタのソース領域S及びドレイン領域Dを形成する為に
イオンドーピングによってP,B,As等の不純物を高
濃度に注入する。この時同時に、目的種以外のFe,C
r,Ni,Al,Mo,Ta,W,K,Na等の金属イ
オンが注入される。図11にイオンドーピング装置の構
造を示す。チャンバ201内に平行平板型のアノード2
03及びカソード204が組み込まれている。カソード
204は接地されており、その上に処理対象となる絶縁
基板101が載置される。チャンバ201内には原料ガ
スが導入され、アノード203側に高周波電源205を
介してパワーを供給すると、原料ガスがプラズマ化す
る。プラズマ中に含まれる不純物イオンを加速電源20
6に接続した引出電極202を介して加速し、不純物の
イオンシャワーを絶縁基板101に照射する。この様
に、イオンドーピング装置では、ステンレス等からなる
チャンバ201内にプラズマイオンが発生し、これが絶
縁基板101の表面に注入される。ところで、半導体I
Cの製造プロセスではイオンドーピング装置ではなくイ
オンインプランテーション装置が使われている。このイ
オンインプランテーション装置は内部で不必要なイオン
原子や分子を質量分析器により除去している。これに対
し、イオンドーピング装置ではチャンバ201の内部全
体をプラズマ状態にし、カソード204側に向ってイオ
ンを加速し、基板101に不純物を注入する。この場
合、特定の原子や分子を選別する為の質量分析器は用い
ていない。この為、イオンドーピング装置の壁面等に存
在しているFe,Cr,Ni,Al,Mo,Ta,W,
K,Na等の金属原子が層間絶縁膜中に注入され、前述
した可動電荷やイオンを発生させる。
【0005】層間絶縁膜が例えばSiO2 からなる場
合、金属イオンの注入によって可動電荷ばかりでなく固
定電荷も発生する。この状態を図12に示す。前述した
様に、ソース領域やドレイン領域を形成する為層間絶縁
膜106を介してP,B,As等の不純物をイオンドー
ピングする。例えば、Pを照射した場合、これは層間絶
縁膜106を構成するSiO2 と一部結合して、P2
5 を形成する。P2 5は電界による分極が発生しやす
く、この為層間絶縁膜106内に固定電荷が発生しやす
い。Pの注入によりダングリングボンド300が生じ、
固定電荷の温床となる。
【0006】図13は層間絶縁膜中に固定電荷が発生し
た場合の問題点を示す。前述した様に、第1層間絶縁膜
106に金属が注入されると、SiO2 のネットワーク
内に局在準位密度が発生する。薄膜トランジスタ105
の動作時に生じるキャリアは、この局在準位にトラップ
され固定電荷を発生させる。これにより、薄膜トランジ
スタ105のドレイン領域Dからソース領域Sに向って
局所的な電荷の偏りを引き起す。この為薄膜トランジス
タ105の動作特性に悪影響を与える。又、ドレイン領
域Dとソーイス領域Sの間に流れるキャリアが接合部近
傍でインパクトアイオナイゼーション(IMPACT
IONIZATION)を引き起し、生じたホットキャ
リアが第1層間絶縁膜106中に取り込まれ、同じく電
荷の偏りを引き起す。
【0007】チャネル領域Chを直接被覆する第1層間
絶縁膜106に加え、ソース領域S及びドレイン領域D
を直接被覆する第2層間絶縁膜107に電荷の偏りが生
じた場合も、薄膜トランジスタの動作特性に悪影響を及
ぼす。この状態を図14に示す。この例ではソース領域
S及びドレイン領域Dは例えばPが高濃度で注入された
低抵抗N+層となっている。ソース領域Sに接続する電
極108を接地する一方ドレイン領域Dに接続する電極
109に正の高電位を印加すると、低抵抗N+拡散層に
直接接触している第2層間絶縁膜107に可動電荷の移
動が発生する。
【0008】図15は第2層間絶縁膜107中に発生す
る固定電荷を表わしている。前述した様に、第2層間絶
縁膜が例えばSiO2 からなる時金属の注入によりSi
2のネットワーク内に局在準位密度が発生する。薄膜
トランジスタ105の動作時に発生するキャリアは、局
在準位中に取り込まれ固定電荷を生成する。そして、薄
膜トランジスタ105のドレイン領域からソース領域に
沿って局所的な電荷の偏りを引き起す。又、ドレイン領
域とソース領域の間に流れるキャリアが接合部近傍でイ
ンパクトアイオナイゼーションを引き起し、生じたホッ
トキャリアが第2層間絶縁膜107中に取り込まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決する為以下の手段を講じた。即ち、本発明にか
かる薄膜半導体装置は基本的な構成として、絶縁基板上
にパタニング形成されたゲート電極と、該ゲート電極を
被覆するゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜の上に形成さ
れた半導体薄膜と、該半導体薄膜を直接被覆する層間絶
縁膜とを備えている。該半導体薄膜はボトムゲート型薄
膜トランジスタのチャネル領域及びソース/ドレイン領
域を構成する。このソース/ドレイン領域には層間絶縁
膜を介して電極が接続している。特徴事項として、前記
層間絶縁膜は可動電荷及び固定電荷の発生原因となる不
純物の含有濃度が1×1018/cm3 以下に制御されてい
る。好ましくは、前記層間絶縁膜は該半導体薄膜にイオ
ンドーピングでソース/ドレイン領域を形成した後成膜
されたものである。前記層間絶縁膜は少なくともチャネ
ル領域に重なる部分を有しその不純物の含有濃度が1×
1018/cm3 以下に制御されている。あるいは、前記層
間絶縁膜は少なくともソース/ドレイン領域に重なる部
分を有しその不純物の含有濃度が1×1018/cm3 以下
に制御されている。前記層間絶縁膜は少なくともC,
N,Fe,Cr,Ni,Al,Cl,Mo,Ta,W,
P,B,As,Na,K及びLiを含む不純物の含有濃
度が1×1018/cm3 以下に制御されている。なお、前
記電極は、ソース/ドレイン領域のソース側に接続した
信号電極と、ドレイン側に接続した画素電極とを含む。
【0010】本発明の他の側面によれば前記層間絶縁膜
は固定電荷の発生原因となる局在準位の密度が1×10
18/cm3 以下に制御されている。好ましくは、前記層間
絶縁膜は低圧化学気相成長により340℃〜400℃の
温度で成膜されたSiO2 である。前記層間絶縁膜は少
なくともチャネル領域に重なる部分を有しその局在準位
の密度が1×1018/cm3 以下に制御されている。ある
いは、前記層間絶縁膜は少なともソース/ドレイン領域
に重なる部分を有しその局在準位の密度が1×1018
cm3 以下に制御されている。
【0011】本発明によればボトムゲート型薄膜トラン
ジスタの閾電圧変動を抑制する為、層間絶縁膜の不純物
含有濃度を1×1018/cm3 以下に制御している。又、
局在準位密度を1×1018/cm3 以下に制御している。
これらの不純物や局在準位は何れも層間絶縁膜中に電荷
の偏りを引き起す為、その濃度や密度を1×1018/cm
3 以下に抑制する事が重要である。
【0012】薄膜トランジスタの閾値電圧VTHは次の
数式で表わされる。
【数1】 ここでφmsは半導体薄膜とゲート電極の仕事関数差を
表わし、2ψB は強反転状態における半導体薄膜側の表
面ポテンシャルを表わし、qは電子の電荷量を表わし、
A はアクセプタ濃度を表わし、Ciは単位面積当たり
のゲート容量を表わし、εs は半導体薄膜の誘電率を表
わしている。以上のパラメータは全て一定である。これ
に対しQssは界面準位密度を表わしている。ここで信
頼性の観点からみると、トランジスタの閾値変動ΔVT
HはQssのみで決定され、以下の数式に示される。
【数2】 ここでΔQssは略半導体薄膜(例えばシリコン)と層
間絶縁膜(例えばSiO2 )の界面に存在する準位密度
で決定される。これは、略層間絶縁膜内部に存在する局
在準位密度に等しい。ちなみに局在準位密度は単位体積
当たりに存在する欠陥準位密度であり、界面準位密度は
単位面積当たりに存在する欠陥準位密度である。ここで
層間絶縁膜の膜厚dを1000×10-8cm(100nm)
とすると、単位面積当たりのゲート容量Ciは以下の数
式に従って計算され、3.45×10-8F/cm2 となる。
これを以下の数式(1)に代入すると、ΔVTHが数式
(2)の様になる。
【数3】
【数4】 ここで、ΔVTHは駆動電圧の50%以下である事が望
ましい。通常アクティブマトリクス型液晶表示装置の駆
動電圧は15V程度であり、これから考えるとΔVTH
は7.5Vが限界である。この場合のΔQssは上記の
数式(2)に従って7.5×3.45×10-8=2.6
×10-7C/cm2 となる。これを電子1個の電荷量で割
ると、界面準位密度Nssの上限が以下の数式に従って
計算される。
【数5】 即ち、界面準位密度Nssは1×1013/cm2 以下であ
る事が望ましい。ここで界面準位密度が対象となる層間
絶縁膜の体積密度に換算したものと等しいと考えると、
1×1018/cm3 以下に局在準位密度が制御された層間
絶縁膜が信頼性上安定したものである事が分かる。な
お、不純物の含有密度についても同様の議論が成立し、
上記の各数式中界面準位密度Qssを界面イオン密度Q
iでおき代えれば良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の最良
な実施形態を詳細に説明する。図1は本発明にかかる薄
膜半導体装置を示す模式的な断面図である。図示する様
に、絶縁基板1の上にゲート電極2がパタニング形成さ
れている。このゲート電極2を被覆する様にゲート絶縁
膜3が形成されている。ゲート絶縁膜3の上に半導体薄
膜4が形成されている。この半導体薄膜4はボトムゲー
ト型薄膜トランジスタ5のチャネル領域Chとソース領
域S及びドレイン領域Dを構成する。本例では薄膜トラ
ンジスタ5はNチャネル型であり、ソース領域S及びド
レイン領域DはN型の不純物(例えばP)が高濃度で注
入された低抵抗N+拡散層からなる。チャネル領域Ch
を直接被覆する様に第1層間絶縁膜6が形成されてい
る。又、ソース領域S及びドレイン領域Dを直接被覆す
る様に第2層間絶縁膜7が形成されている。第2層間絶
縁膜7の上にはソース領域Sに接続する電極8及びドレ
イン領域Dに接続する電極9がパタニング形成されてい
る。特徴事項として、層間絶縁膜6,7は可動電荷及び
固定電荷の発生原因となる不純物の含有濃度が1×10
18/cm3 以下に制御されている。なおこの不純物含有濃
度は例えばSIMS(2次イオン質量分析器)により測
定する事が可能である。層間絶縁膜6,7は半導体薄膜
4にイオンドーピングでソース領域S及びドレイン領域
Dを形成した後成膜されたものである。即ち、不純物の
含有濃度を1×1018/cm3 以下に制御する為、プロセ
ス上の手段としてイオンドーピングによりダメージもし
くはコンタミネーションを受けた絶縁膜を1度除去し、
新たに層間絶縁膜6,7を形成する。この場合には、第
1層間絶縁膜6及び第2層間絶縁膜7は単一層として形
成される事になる。第1層間絶縁膜6はチャネル領域C
hに重なっており、その不純物含有濃度が1×1018
cm3 以下に制御されている。第2層間絶縁膜7はソース
領域S及びドレイン領域Dに重なっており、その不純物
含有濃度が1×1018/cm3以下に制御されている。こ
れらの層間絶縁膜6,7は、少なくともC,N,Fe,
Cr,Ni,Al,Cl,Mo,Ta,W,P,B,A
s,Na,K,Liを含む不純物の含有濃度が1×10
18/cm3 以下に抑制されている。
【0014】本発明の他の特徴事項として、層間絶縁膜
6,7は固定電荷の発生原因となる局在準位の密度が1
×1018/cm3 以下に制御されている。なお局在準位密
度はSCA(サーフェスチャージアナライザ)を用いて
測定できる。好ましくは層間絶縁膜6,7は低圧化学気
相成長により340℃〜400℃の温度で成膜されたS
iO2 である。即ち局在準位密度を1×1018/cm3
下に抑制する為、プロセスとしては比較的低温及び減圧
状態で成膜されるSiO2 (LTO)が適している。第
1層間絶縁膜6はチャネル領域Chに重なっており、そ
の局在準位密度が1×1018/cm3 以下に制御されてい
る。第2層間絶縁膜7はソース領域S及びドレイン領域
Dに重なっており、同じくその局在準位密度が1×10
18/cm3以下に制御されている。
【0015】図2は、本発明に従って作成されたボトム
ゲート型薄膜トランジスタの信頼性試験結果を示すグラ
フである。この信頼性試験では高温下バイアスを印加し
て所定期間トランジスタを動作した後の特性変化を調べ
ている。グラフは縦軸にドレイン電流IDSをとり、横
軸にゲート電圧VGSをとってある。曲線Aが試験前の
IDS/VGS特性を示し、曲線Bが試験後におけるI
DS/VGS特性を表わしている。グラフから明らかな
様にトランジスタ特性は信頼性試験前後で殆ど変化して
いない。閾値電圧は安定しており、オン電流及びオフ電
流共に変動が殆どない。
【0016】図3は従来の薄膜トランジスタの信頼性試
験結果を示すグラフである。同様にカーブAが試験前の
IDS/VGS特性を示し、カーブBが試験後のIDS
/VGS特性を表わしている。この従来例ではボトムゲ
ート型薄膜トランジスタを直接被覆する層間絶縁膜の不
純物含有濃度及び局在準位密度が何ら制御されていない
為、閾値電圧が大幅に変動すると共に、オン電流が低下
する一方オフ電流が増加している。
【0017】次に図4ないし図7の工程図を参照して、
本発明にかかる薄膜半導体装置の製造方法の具体例を詳
細に説明する。先ず図7の工程(A)で低融点ガラス等
からなる絶縁基板51を用意する。工程(B)に進みス
パッタリングでMo/Ta等の金属膜52を成膜する。
工程(C)に進みドライエッチングで金属膜52をパタ
ニングしゲート電極53に加工する。工程(D)に進み
陽極酸化処理を施しゲート電極53をゲート酸化膜54
で被覆する。この後陽極酸化処理に用いた電極の部分を
エッチングで除去する。工程(E)に進み必要に応じゲ
ート電極53の表面からゲート酸化膜54を部分的にエ
ッチングで除去しコンタクト部分を設ける。
【0018】図5の工程(F)に進みP−CVD法(プ
ラズマ化学気相成長法)でゲート絶縁膜55及び半導体
薄膜56を連続的に成膜する。本例ではゲート絶縁膜5
5はSiN/SiO2 の二層構造となっている。又、半
導体薄膜56は非晶質シリコンである。この後レーザ光
を照射して半導体薄膜56を非晶質シリコンから多結晶
シリコンに転換する。工程(G)に進み半導体薄膜56
の上にCVD法でSiO2 膜57を堆積する。その上に
フォトレジスト70を塗布した後ゲート電極53をマス
クとしてセルフアライメントで裏面露光を行ない、フォ
トレジスト70をパタニングする。図示する様に、この
フォトレジスト70はゲート電極53のパタンと整合し
ている。工程(H)に進みフォトレジスト70をマスク
としてSiO2 膜57をエッチングする。この様にして
パタン化された二層のフォトレジスト70及びSiO2
膜57をマスクとしてイオンドーピングにより不純物を
多結晶化された半導体薄膜56中に注入し、ボトムゲー
ト型薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域を
形成する。本例ではイオンドーピングの原料ガスとして
PH3 を用い、Nチャネル型のトランジスタを形成して
いる。工程(I)に進み使用済みとなったSiO2 膜5
7及びフォトレジスト70を剥離する。この後再びレー
ザ光を照射して、半導体薄膜56に注入された不純物の
活性化を図っている。この際レーザ光のエネルギー密度
は200mJ/cm2 〜500mJ/cm2 程度に設定されてい
る。
【0019】図6の工程(J)に進み半導体薄膜56を
HFによるウェットエッチングでアイランド状にパタニ
ングする。これにより、個々の薄膜トランジスタの素子
領域が規定される。工程(K)に進みSiO2 をCVD
法により堆積して層間絶縁膜58とする。この層間絶縁
膜58はイオンドーピング後に成膜される為、ダメージ
やコンタミネーションを受けておらず、可動電荷及び固
定電荷の発生原因となる不純物の含有濃度が1×1018
/cm3 以下である。又、この層間絶縁膜58は特に低圧
化学気相成長により340℃〜400℃の温度で成膜さ
れたSiO2 を用いる事が望ましい。このSiO2 膜は
高品質であり固定電荷の発生原因となる局在準位密度を
1×1018/cm3 以下に抑制できる。なお、一般に固定
電荷の発生しやすい層間絶縁膜は緻密性が低く、速やか
にエッチングされる。例えば、HF:NH4 F:H2
=12:100:65のエッチング液を用いた場合20
0nmの厚みが100秒以下でエッチングされる層間絶縁
膜には固定電荷が発生しやすい傾向にある。従って、本
発明では層間絶縁膜58としてこれより遅いエッチング
レートを有するSiO2 膜を用いる事が好ましい。又、
HF:NH4 F=12:200のエッチング液に対して
も同程度のエッチングレートを備えたSiO2 膜を用い
る事が好ましい。なお、層間絶縁膜58はSiO2 に限
られるものではなく、例えばPSG/SiNx の積層を
用いる事ができる。何れにしても、重要な事は層間絶縁
膜58の不純物含有濃度及び局在準位密度を1×1018
/cm3以下に制御する事である。この後工程(L)に進
み、HFを用いたウェットエッチングで層間絶縁膜58
にコンタクトホール59,60を開口する。工程(M)
に進みスパッタリングでAl膜61を堆積する。
【0020】図7の工程(N)に進み、Al膜をパタニ
ングして電極62に加工する。工程(O)に進みP−C
VD法によりSiO2 を成膜し、パシベーション膜63
を設ける。工程(P)に進みHFによるウェットエッチ
ングでコンタクトホール64をパシベーション膜63に
開口する。最後に工程(Q)に進みスパッタリングでI
TOを成膜した後、所定の形状にパタニングして画素電
極65に加工する。
【0021】図5は、本発明にかかる薄膜半導体装置を
駆動基板として組み立てたアクティブマトリクス型液晶
表示パネルの一例を示す模式的な部分断面図である。図
示する様に、本表示パネルは所定の間隙を介して互いに
接合した駆動基板21及び対向基板22と両者の間隙に
保持された液晶23とを備えている。対向基板22の内
表面には対向電極24が全面的に形成されている。一方
駆動基板21にはボトムゲート型の薄膜トランジスタ2
5が形成されている。この薄膜トランジスタ25はMo
/Ta等からなるゲート絶縁膜26、P−SiO2 /P
−SiN等からなるゲート絶縁膜27、多結晶シリコン
等からなる半導体薄膜28を下から順に重ねたものであ
る。なお、ゲート電極26の表面はTaOx 等の陽極酸
化膜29により被覆されている。又、ゲート電極26の
直上において半導体薄膜28の部分(チャネル領域)は
第1層間絶縁膜30により被覆されている。かかる構成
を有するボトムゲート型の薄膜トランジスタ25は第2
層間絶縁膜31により被覆されている。その上にはMo
又はAlからなる電極32が形成されており、第2層間
絶縁膜31に開口したコンタクトホールを介して、薄膜
トランジスタ25のソース領域S及びドレイン領域Dに
電気接続している。電極32はPSG等からなる第3層
間絶縁膜35により被覆されている。第3層間絶縁膜3
5の上には遮光性を有するTi等からなる金属膜33が
パタニング形成されている。この遮光機能を有する金属
膜はSiO2 等からなるパシベーション膜36により被
覆されている。その上にはITO等からなる画素電極3
4がパタニング形成されている。画素電極34は金属膜
33、電極32を介して薄膜トランジスタ25のドレイ
ン領域Dに電気接続している。
【0022】図9は、図8に示した表示パネルの変形例
を表わしている。基本的には同一の構造を有しており、
対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易
にしている。異なる点は、第3層間絶縁膜35が除かれ
ており、金属膜33と電極32が直接接触している事で
ある。なお、薄膜トランジスタ25のソース領域側に接
続した電極32は信号電極である。
【0023】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によればボト
ムゲート型薄膜トランジスタの半導体薄膜に直接接触す
る層間絶縁膜の不純物含有濃度及び局在準位密度を1×
1018/cm3 以下に抑制している。これにより、薄膜ト
ランジスタの動作特性を長期的に安定化でき信頼性が改
善される。薄膜トランジスタの閾値電圧変動が低減化
し、オン電流及びオフ電流の変動も低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる薄膜半導体装置を示す模式的な
断面図である。
【図2】本発明にかかる薄膜半導体装置に形成される薄
膜トランジスタの動作特性を示すグラフである。
【図3】従来の薄膜トランジスタの動作特性を示すグラ
フである。
【図4】本発明にかかる薄膜半導体装置の製造方法を示
す工程図である。
【図5】同じく製造方法を示す工程図である。
【図6】同じく製造方法を示す工程図である。
【図7】同じく製造方法を示す工程図である。
【図8】本発明にかかる薄膜半導体装置を駆動基板とし
て組み立てたアクティブマトリクス型液晶表示パネルの
一例を示す断面図である。
【図9】図8に示した半導体装置の変形例を示す断面図
である。
【図10】従来の薄膜半導体装置を示す断面図である。
【図11】薄膜半導体装置の製造に用いるイオンドーピ
ング装置を示す模式図である。
【図12】薄膜半導体装置に形成される層間絶縁膜の内
部構造を示す模式図である。
【図13】従来の薄膜半導体装置の層間絶縁膜に現われ
る電荷の偏りを示す模式図である。
【図14】同じく電荷の偏りを表わす模式図である。
【図15】同じく電荷の偏りを表わす模式図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 ゲート電極 3 ゲート絶縁膜 4 半導体薄膜 5 薄膜トランジスタ 6 第1層間絶縁膜 7 第2層間絶縁膜 8 電極 9 電極

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上にパタニング形成されたゲー
    ト電極と、該ゲート電極を被覆するゲート絶縁膜と、該
    ゲート絶縁膜の上に形成されボトムゲート型薄膜トラン
    ジスタのチャネル領域及びソース/ドレイン領域を構成
    する半導体薄膜と、該半導体薄膜を直接被覆する層間絶
    縁膜と、その上方に位置してソース/ドレイン領域と接
    続する電極とを備えた薄膜半導体装置であって、 前記層間絶縁膜は可動電荷及び固定電荷の発生原因とな
    る不純物の含有濃度が1×1018/cm3 以下に制御され
    ている事を特徴とする薄膜半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記層間絶縁膜は、該半導体薄膜にイオ
    ンドーピングでソース/ドレイン領域を形成した後成膜
    されたものである事を特徴とする請求項1記載の薄膜半
    導体装置。
  3. 【請求項3】 前記層間絶縁膜は少なくともチャネル領
    域に重なる部分を有しその不純物の含有濃度が1×10
    18/cm3 以下に制御されている事を特徴とする請求項1
    記載の薄膜半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記層間絶縁膜は少なくともソース/ド
    レイン領域に重なる部分を有しその不純物の含有濃度が
    1×1018/cm3 以下に制御されている事を特徴とする
    請求項1記載の薄膜半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記層間絶縁膜は、少なくともC,N,
    Fe,Cr,Ni,Al,Cl,Mo,Ta,W,P,
    B,As,Na,K及びLiを含む不純物の含有濃度が
    1×1018/cm3 以下に制御されている事を特徴とする
    請求項1記載の薄膜半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記電極は、ソース/ドレイン領域のソ
    ース側に接続した信号電極と、ドレイン側に接続した画
    素電極とを含む事を特徴とする請求項1記載の薄膜半導
    体装置。
  7. 【請求項7】 絶縁基板上にパタニング形成されたゲー
    ト電極と、該ゲート電極を被覆するゲート絶縁膜と、該
    ゲート絶縁膜の上に形成されボトムゲート型薄膜トラン
    ジスタのチャネル領域及びソース/ドレイン領域を構成
    する半導体薄膜と、該半導体薄膜を直接被覆する層間絶
    縁膜と、その上方に位置してソース/ドレイン領域と接
    続する電極とを備えた薄膜半導体装置であって、 前記層間絶縁膜は固定電荷の発生原因となる局在準位の
    密度が1×1018/cm3 以下に制御されている事を特徴
    とする薄膜半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記層間絶縁膜は低圧化学気相成長によ
    り340℃〜400℃の温度で成膜されたSiO2 であ
    る事を特徴とする請求項7記載の薄膜半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記層間絶縁膜は少なくともチャネル領
    域に重なる部分を有しその局在準位の密度が1×1018
    /cm3 以下に制御されている事を特徴とする請求項7記
    載の薄膜半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記層間絶縁膜は少なくともソース/
    ドレイン領域に重なる部分を有しその局在準位の密度が
    1×1018/cm3 以下に制御されている事を特徴とする
    請求項7記載の薄膜半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記電極は、ソース/ドレイン領域の
    ソース側に接続した信号電極と、ドレイン側に接続した
    画素電極とを含む事を特徴とする請求項7記載の薄膜半
    導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014082508A (ja) * 2004-09-15 2014-05-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置

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