JPH09137021A - 高靭性ポリ塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

高靭性ポリ塩化ビニル樹脂組成物

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JPH09137021A
JPH09137021A JP29521795A JP29521795A JPH09137021A JP H09137021 A JPH09137021 A JP H09137021A JP 29521795 A JP29521795 A JP 29521795A JP 29521795 A JP29521795 A JP 29521795A JP H09137021 A JPH09137021 A JP H09137021A
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JP
Japan
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chloride resin
polyvinyl chloride
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chlorinated polyethylene
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JP29521795A
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Makoto Ijuin
誠 伊集院
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 老朽化した既設の管路やマンホールの補修面
から受けた傷が、早期に亀裂や割れに発展することない
補修用材料に適用される、靭性の高いポリ塩化ビニル樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 重合度700〜1300のポリ塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対し、塩素化ポリエチレン3〜1
2重量部と、平均粒子径が0.1〜0.5μmである無
機粉末充填材0.5〜3.0重量部とを添加したポリ塩
化ビニル樹脂組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、土木用材料など
の構造材料としての用途に適した靭性に優れたポリ塩化
ビニル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、老朽化した上下水道の既設の管路
やマンホールに対して、これを新規に再敷設することな
く、熱可塑性合成樹脂からなる管状材料または板状材料
を用いて、その内面をライニングすることにより補修再
生を施すことが提案されており、例えば特開平1−29
5825号公報には、内面ライニング用塩化ビニル製パ
イプを加熱軟化状態でライニングすることが開示されて
いる。
【0003】従来の上下水道の管路やマンホールの壁材
には、コンクリート製や鉄製のものが主に使用されてい
るのであるが、これらの永年使用による老朽化の状態
は、実用表面の腐蝕による凹凸粗面の発生、粗い突起状
の錆生成物の付着、あるいは管路単体やパネルの継手部
分のズレによる段差の発生などである。
【0004】ところが、老朽化して実用表面が上記のよ
うに変化した既設管路を、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱
可塑性合成樹脂製の材料を用いてライニングすると、意
外にも経時的に早い段階で、この補修用材料に亀裂や割
れを生じて破壊し、補修用材料の耐久度が当初の施工設
計時に想定した度合いを大幅に下回るという厄介な問題
がある。特に上水道やガス管などのように流体の内圧が
作用するところでは、この問題が発生しやすい。
【0005】このような補修用材料の早期に起こる破壊
現象は、老朽化状態に達した既設の管路やマンホールの
補修面から受けた補修用材料の傷が、この補修用材料に
継続して加わる外部応力により集中応力を受けるととも
にノッチ効果を伴って亀裂や割れに発展し、さらには亀
裂や割れが経時的に連鎖し拡大されて、早期に生起する
現象であるものと推測される。
【0006】
【発明が解決しようする課題】この発明は、補修用材料
が有する上記のような従来の問題点を解決し、老朽化し
た既設の管路やマンホールの補修面から受けた傷が、早
期に亀裂や割れに発展することない補修用材料に適用さ
れる、靭性の高いポリ塩化ビニル樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上記の目
的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、特定の重合
度範囲にあるポリ塩化ビニル樹脂に、塩素化ポリエチレ
ンおよび特定の粒子径範囲にある無機粉末充填材を含有
した樹脂組成物を用いて得られた補修用材料は、樹脂の
表面に傷を受けても、外部応力が加わる際にその傷部分
に集中応力がかからず、他の変形部分に応力が分散され
かつ引張り強さは高く維持された性質、すなわち高い靭
性を有することを見出だし、この発明を完成した。
【0008】この発明のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、
重合度700〜1300のポリ塩化ビニル樹脂100重
量部と、塩素化ポリエチレン3〜12重量部と、平均粒
子径が0.1〜0.5μmである無機粉末充填材0.5
〜3.0重量部とからなることを特徴とする高靭性ポリ
塩化ビニル樹脂組成物を要旨とする。
【0009】また、この発明の好ましい実施態様は、上
記無機粉末充填材の平均粒子径が0.2〜0.3μmで
あるものとする。
【0010】さらにまた、この発明の実施において、上
記無機粉末充填材として好適には酸化チタンを用いる。
【0011】さらにまた、この発明の別の実施態様は、
上記塩素化ポリエチレンが、その塩素化前の平均分子量
が150000〜300000であり、塩素化後の塩素
化度が35〜45%であるポリエチレンからなるものと
する。
【0012】つぎに、この発明の高靭性ポリ塩化ビニル
樹脂組成物の各成分について説明する。
【0013】まず、この発明で用いられるポリ塩化ビニ
ル樹脂は、この発明の高靭性ポリ塩化ビニル樹脂組成物
の主要成分となるものであり、重合度700〜1300
のものである。重合度700未満の場合は、成形物の降
伏応力が低く高い靭性を期待できないので、補修用材料
などの構造材料としては不適当となり、また重合度13
00を超える場合は、成形物の靭性が著しく低下し、脆
さを増して同様に構造材料に使えないものとなる。
【0014】この場合、ポリ塩化ビニル樹脂の重合度の
調整は、重合度700未満のものと重合度1300を超
えるものとを混合するように、例えば重合度500のも
の50重量部と重合度1500のもの50重量部とを混
合して、見掛け上の重合度1000の混合物とするごと
く、重合度の異なる複数のポリ塩化ビニル樹脂を混合す
ることによって行ってもよい。
【0015】また、この発明で用いられる塩素化ポリエ
チレンについて述べると、塩素化ポリエチレンは、主要
成分としての前記ポリ塩化ビニル樹脂に柔軟性を附与す
る目的で用いるものであり、まずその塩素化前のポリエ
チレンの平均分子量は150000〜300000のも
のが用いられる。この塩素化前のポリエチレンの平均分
子量が150000未満では、過度に柔軟となって成形
物の降伏応力が低くなり、また300000を超えると
剛直性が増すことになり、いずれも構造材料に相応しく
ないものとなる。
【0016】さらに、塩素化ポリエチレンの塩素化度に
ついては、35〜45%のものが好適に用いられる。塩
素化度が35%未満のものは、塩化ビニル樹脂との相溶
性が悪く、かつ成形物の柔軟性が低くなり、また塩素化
度が45%を超えると、剛直性が増し、いずれも構造材
料に適さないものとなる。したがって、塩素化度はより
好ましくは30〜40%である。
【0017】上記塩素化ポリエチレンに関するポリエチ
レンの分子量および塩素化度は、分子量および塩素化度
それぞれにおいて、異なる複数のものを混合して、見掛
け上好適範囲の分子量および塩素化度を有する混合物と
なるように調整してもよい。
【0018】塩素化ポリエチレンの添加量については、
ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して3〜12重量
部である。添加量が3重量部未満では成形物の高い靭性
が得られず、また12重量部を超えると成形物が過度に
柔軟となって降伏応力が低くなり、いずれも所期する構
造材料が得られない。したがって、好適な添加量は3〜
6重量部である。
【0019】さらにまた、この発明で用いられる無機粉
末充填材について述べると、無機粉末充添材の種類とし
ては、酸化チタン、タルク、マイカ(板状結晶状)等で
あり、中でも酸化チタンは略球状の粒子形状であること
から、集中応力を分散させ得る点でより好適に適用でき
る。
【0020】ここで、無機粉末充填材の粒子径は、0.
1〜0.5μmとする。粒子径が0.1μm未満では、
補修用材料の傷部分の集中応力を分散させることができ
ないためにその部分のノッチ効果を伴った亀裂や割れを
防ぐことができず、また粒子径が0.5μmを超える
と、補修用材料の傷部分の集中応力を分散させることは
できるものの、充填材自体の存在そのものによって傷の
拡大速度を早め、破壊を促進する結果となる。したがっ
て、無機粉末充填材の粒子径は、好適には0.2〜0.
3μmである。
【0021】なお、この発明の高靭性ポリ塩化ビニル樹
脂組成物の成分として上記成分のほか、硬質塩化ビニル
樹脂組成物に通常使用される安定剤、加工助剤、滑剤、
着色剤等の他の配合物を、この発明の目的を逸脱せずそ
の効果を妨げない範囲で添加することができる。
【0022】ところで、この発明においては、高靭性ポ
リ塩化ビニル樹脂組成物の材料特性の優劣を判断する基
準を求めるために、この組成物より得られる成形物の引
張り試験法とクリープ破壊試験法を採用した。以下、こ
れらの試験法による判断基準について述べる。
【0023】まず、通常の硬質塩化ビニル樹脂などにお
ける、標準の引張り試験においては、その力学的特性で
ある応力−歪み曲線は、概念的に図1のように現われ
る。
【0024】ところが、材料表面に何らかの傷が存在す
ることを想定し、試験片にノッチ(傷)を刻み入れた場
合の引張り試験を行うと、この種材料の応力−歪み曲線
は、材料の種類によって、概念的に図2の曲線(a)〜
(c)のいずれかに代表される類型に対応して現われ
る。この場合、各類型の応力−歪み曲線の意味するとこ
ろは、以下のとおりである。すなわち、 (a):弾性変形から脆性破壊に至ることを示す −材料の応力は高いが、小さな歪み量で破断するので、
破断に至るまでに要する仕事量(面積(A))は小さ
い。また降伏点を示さないことから、標準試験では通常
得られる強度が、傷の存在により得られないということ
を意味する。− (b):弾性変形、降伏点、塑性変形を経て破壊に至る
ことを示す −材料の応力は(a)に比べて低いが、歪み量が(a)
より大きいので結果的には、破断に至るまでに要する仕
事量(面積(B))は大きくなる。また降伏点を示すこ
とから、標準試験で得られる強度が満足されることを意
味する。− (c):塑性変形、(降伏点)を経て破壊に至ることを
示す −材料の歪み量は(b)に比べ大きいが、降伏応力が小
さいために、破断に至るまでに要する仕事量(面積
(C))は小さくなる。このような特性を有する材料
は、強度の要求される材料には適さないことを意味す
る。
【0025】したがって、この発明の目的とする高靭性
ポリ塩化ビニル樹脂組成物に求められる特性のひとつ
は、その材料の粘り強さ、すなわち靭性を示す破断にい
たるまでの仕事量が大きい、前記3類型のうちの(b)
に示される特性であるということができる。
【0026】つぎに、クリープ破壊試験法により、前記
引張り試験において各類型の(a)〜(c)の特性を示
す試験片と同様の試験片を用いて、破断点以下ないし降
伏点以下の応力に相当する一連の荷重を連続負荷した結
果を求めると、概念的に図3に示す荷重−破断時間曲線
(a' )〜(c' )のいずれかに代表される類型に対応
する特性が得られる。
【0027】この場合、各類型を荷重−破断時間曲線の
上で比べると、各破壊荷重は、短時間では(a' )>
(b' )>(c' )の関係にあるが、長時間では(b'
)>(a' )>(c' )の関係となり、クリープ破壊
に要する仕事量は(b' )が最も大きいことが推測され
る。
【0028】つまり、クリープ破壊試験の結果からも前
記引張り試験における3類型のうち(b)で示される特
性のものが、長期にわたって使用される材料として相応
しいことが分かる。とりわけ、一般に構造材料に適用さ
れる安全率を考慮する(例えば安全率を3とする)場合
には、この破壊荷重の低下の少ない類型(b' )の特性
が強く望まれる。なお、荷重−破断時間曲線(c' )で
示されるものは、降伏応力の絶対値が当初から低く、構
造材料として使用できないことは、前記引張り試験につ
いて述べたと同様である。
【0029】上記のような観点から、この発明における
高靭性ポリ塩化ビニル樹脂組成物の材料特性の優劣は、
(1)引張り試験における降伏点の有無、一定限度以上
の最大引張り応力の有無、および破断に要する仕事量の
大小、(2)荷重別のクリープ破壊時間の長短によって
判断され、評価されるものとする。
【0030】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態は、主成分
として特定の平均重合度からなるポリ塩化ビニル樹脂1
00重量部に対し、特定の塩素化ポリエチレンの一定量
と、特定の粒子径からなる無機粉末充填材の一定量を配
合し、さらにその他の配合剤を添加した靭性の高いポリ
塩化ビニル樹脂組成物であり、加熱混練して管状に押出
成形するか、または板状に押出成形され、老朽化した上
下水道の既設の管路やマンホールの補修用材料に適用可
能の樹脂組成物である。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例を、その効果を明確
にするための比較例とともに説明する。
【0032】実施例1〜11 まず、配合成分の主成分として、特定の重合度範囲にあ
るポリ塩化ビニル樹脂と、特定の分子量範囲のポリエチ
レンからなる特定の塩素化度の範囲にある塩素化ポリエ
チレンと、特定の粒子径範囲にある酸化チタンとを、そ
れぞれ表1に示す割合で配合し、さらに他の配合成分を
添加したのち常法の押出成形法により加熱混練して、各
配合による肉厚4.5mmの管状の成形物を成形した。
【0033】なお、上記各実施例において添加した他の
配合成分の種類および量は、いずれも安定剤(錫系)
3.5重量部、加工助剤2.0重量部、滑剤1.6重量
部および着色剤若干量であった。このように、他の配合
成分は各実施例とも同種類、同量を添加したので、表1
ではこれらの記載を省略した。
【0034】
【表1】 比較例1〜15 比較例1〜14では、配合成分の主成分として、実施例
におけるポリ塩化ビニル樹脂の特定の重合度範囲、塩素
化ポリエチレンのポリエチレンにおける特定の分子量範
囲と特定の塩素化度範囲、および酸化チタンの特定の粒
子径範囲の各範囲内または範囲外にある各主成分をそれ
ぞれ表2に示す割合で配合し、また比較例15では、塩
素化ポリエチレンと酸化チタンを除き、特定の重合度範
囲内にあるポリ塩化ビニル樹脂のみを用い、これら各比
較例にさらに他の配合成分を添加したのち常法の押出成
形法により加熱混練して、各配合による肉厚4.5mm
の管状の成形物を成形した。
【0035】なお、上記各比較例において添加した他の
配合成分の種類および量は、実施例と全く同様とした。
したがって、表2ではこれらの記載を実施例と同様に省
略した。
【0036】
【表2】 つぎに、上記で得られた各実施例および各比較例におけ
る管状の成形物について、材料特性を評価するために、
引張り試験およびクリープ破壊試験と、各測定結果によ
る判断基準の設定をそれぞれ以下の要領で行った。
【0037】[引張り試験]JIS K 7113の試
験方法に準じて行った。試験片は、1号形試験片とし、
その片面中央に引張り方向と直角に、剃刀刃による深さ
0.5mmの直線状のノッチ(傷)を刻み入れたものを
用いた。試験項目は、降伏点の有無、最大引張り応力お
よび破断までの仕事量を対象とした。また、引張り試験
による評価の判断基準は、降伏点の有のものを良好と
し、最大引張り応力は400Kgf/cm2 以上を良好とし、
破断までの仕事量は破断に要した仕事量を各試験片の標
線間におけるンッチ(傷)以外の部分の断面積で割って
商を求め、その値が1.5Kgf・mm/mm 2 以上は◎、1.
5Kgf・mm/mm 未満0.25Kgf・mm/mm 以上は○、0.2
5Kgf・mm/mm 2 未満は×として、◎を靭性が高く良好の
ものとした。
【0038】[クリープ破壊試験]JIS K 711
3の試験方法に準じて行い、上記引張り試験に用いたと
同様の試験片を用いた。このクリープ破壊試験では、降
伏点に至らない範囲の応力に相当する荷重別(70、9
0、110、130、150Kgf )の破壊時間(時)を
対象項目とした。クリープ破壊試験による評価の判断基
準は、70Kgf および90Kgf では1000時間以上を
良好とし、以下同様に110Kgf では800時間以上、
130Kgf では250時間以上、150Kgf では30時
間以上をそれぞれ良好とした。
【0039】上記各試験によって得られた結果を、実施
例については表3に、また比較例については表4にそれ
ぞれ示した。
【0040】
【表3】
【表4】 この発明の組成物によって得られた成形品は、上記の実
施例の試験結果から明らかなように、いずれの試験項目
についても評価は良好であった。すなわち、この発明の
組成物によって得られた成形品は脆性破壊を起こさず、
高い引張り応力と高い靭性を示し、かつ長いクリープ破
壊時間と緩慢なクリープ強度の低下を示す耐久度の高い
ものであった。
【0041】これに対し、比較例は、ポリ塩化ビニル樹
脂が実施例と異なる比較例1および2では、最大引張り
応力、破断までの仕事量が不満足であり、比較例2では
弾性限界内での脆性破壊を起こし、さらにいずれも耐久
度の低いものであった。さらに塩素化ポリエチレンが実
施例と異なる比較例3〜10では、比較例4、6、10以外
は脆性破壊を起こし、比較例3および5の最大引張り応
力と耐久度以外は、最大引張り応力、破断までの仕事量
および耐久度がいずれも不満足であった。さらにまた酸
化チタンが実施例と異なる比較例11〜14では、いずれも
最大引張り応力においては高い値を示すものの、脆性破
壊を起こし、かつ低荷重で比較的早いクリープ破壊を起
こす耐久度が不満足のものであった。さらにまた主成分
をポリ塩化ビニル樹脂のみとした比較例15は、脆性破壊
を起こし、最大引張り応力、破断までの仕事量および耐
久度がいずれも不満足であった。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明は、主成分とし
て特定の重合度からなるポリ塩化ビニル樹脂100重量
部に対し、特定の塩素化ポリエチレンの一定量と、特定
の粒子径からなる無機粉末充填材の一定量を配合し、さ
らにその他の配合剤を添加した靭性の高いポリ塩化ビニ
ル樹脂組成物であるから、これを加熱混練して管状に押
出成形し、または板状に押出成形ないしはカレンダー・
プレス成形してして得られる材料は、脆性破壊を起こさ
ず、高い引張り応力と高い靭性を示し、かつ長いクリー
プ破壊時間と緩慢なクリープ強度の低下を示す、耐久度
の高いものとなる。
【0043】したがって、この材料を老朽化状態に達し
た既設の管路やマンホールの補修用材料として用いた場
合、補修用材料がたとえ補修面から傷を受けたとして
も、この補修用材料に継続して加わる外部応力により、
傷部分にかかる集中応力、さらに傷を起点としたノッチ
効果などによる亀裂や割れの発生を未然に防止でき、さ
らには亀裂や割れが経時的に連鎖し、拡大するのを大幅
に抑制し得て、耐久度の高い補修用材料を得ることがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬質塩化ビニル樹脂などの標準の引張り試験に
おける、応力−歪み曲線を概念的に示すものである。
【図2】硬質塩化ビニル樹脂などの引張り試験で用いる
試験片に、ノッチ(傷)を刻み入れた場合の、材料の種
類を種々変化させたときに現れる応力−歪み曲線の代表
的な類型を概念的に示すものである。
【図3】硬質塩化ビニル樹脂などのクリープ破壊試験に
おける、材料の種類を種々変化させたときに現れる荷重
−破断時間曲線の代表的な類型を概念的に示すものであ
る。
【符号の説明】
a〜c…応力−歪み曲線の類型 A〜C…各類型の破断にいたるまでの仕事量 a' 〜c' …荷重−破断時間曲線の類型

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合度700〜1300のポリ塩化ビニル
    樹脂100重量部と、塩素化ポリエチレン3〜12重量
    部と、平均粒子径が0.1〜0.5μmである無機粉末
    充填材0.5〜3.0重量部とからなることを特徴とす
    る高靭性ポリ塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】無機粉末充填材の平均粒子径が0.2〜
    0.3μmである請求項1記載の高靭性ポリ塩化ビニル
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】無機粉末充填材が酸化チタンである請求項
    1または2記載の高靭性ポリ塩化ビニル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】塩素化ポリエチレンが、その塩素化前の平
    均分子量が150000〜300000であり塩素化後
    の塩素化度が35〜45%であるポリエチレンからなる
    請求項1ないし3のいずれか1に記載の高靭性ポリ塩化
    ビニル樹脂組成物。
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