JP2637312B2 - 既設管のライニング用塩化ビニル樹脂管 - Google Patents

既設管のライニング用塩化ビニル樹脂管

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JP2637312B2 JP21883291A JP21883291A JP2637312B2 JP 2637312 B2 JP2637312 B2 JP 2637312B2 JP 21883291 A JP21883291 A JP 21883291A JP 21883291 A JP21883291 A JP 21883291A JP 2637312 B2 JP2637312 B2 JP 2637312B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、既設管の内面のライ
ニング用塩化ビニル樹脂管、更に詳しくは地下あるいは
建造物駆体内に埋設された上水道用管路等の既設管に対
し、その補修、補強等のために内面に爾後的に挿入して
内張り状態に施工されるライニング用の塩化ビニル樹脂
管に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような既設管は、長い年月の経過
による腐蝕、あるいは周りからの外圧、管内流動物によ
る内圧等に起因して、不測の損傷、亀裂を生じることが
ある。そしてこれらの損傷を生じると、例えば地中上水
道管にあっては地下水の侵入等による飲料水の濁り、管
内水圧の低下による送水不能の事故等を引き起こすおそ
れがでてくる。しかしながら、実際上、例えば地上の建
造物の地下に埋設され、あるいは建造物自体の駆体内に
埋設されているようなこの種の既設管の場合、それ自体
を取替えることが施工上困難である。
【0003】このため、近時、上記のような既設管の補
修、補強等のために、その内側に爾後的に合成樹脂管を
挿入し、内面をライニングするライニング工法が注目さ
れている。このライニング工法は、特開平1−2958
28号公報に見られるように、補修対象とする既設管内
に、その内径よりも外径の小さい熱可塑性合成樹脂管を
加熱軟化状態にして挿入したのち、その樹脂管内にスチ
−ムを導入し、内圧を加えることによって樹脂管を半径
方向に膨張させて既設管内に密着せしめ、その後冷却媒
体を導入してそのまま冷却固化せしめるものである。
【0004】ところで、従来、上記のようなライニング
工法に用いるライニング用樹脂管としては、材料コス
ト、耐久性、熱変形持性等の諸点から、一般に地中管路
構成材料として広く使用されているような硬質塩化ビニ
ル樹脂管が多く用いられている。この塩化ビニル樹脂管
はポリ塩化ビニル樹脂に改質剤として一般的なMBS系
の改質剤を、また安定剤として耐熱用の鉛系安定剤を配
合し、これらを主材料として更に若干量の色剤、滑剤、
顔料等を配合したものであり、押出成形法によって長尺
の管体に成形し、これを再加熱して軟化状態にしてドラ
ムに巻き取り、この巻回物の状態で施工現場に搬入し、
使用に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとするための課題】ところが、上記
のような従来の硬質塩化ビニル樹脂管を用いて既設管の
ライニング施工を行った場合、施工後において次のよう
な問題のあることが判明してきた。
【0006】第1の問題は、特に上水道用管路のライニ
ング施工を行った場合、管路内に不可避的に加わる内水
圧の変動、とくにウオーターハンマー現象と称されるよ
うな断続的に起こる内水圧の衝撃的な変化により、規格
値以下の内水圧条件下にあってもライニングされた樹脂
管に破断を生じることがあるという点である。
【0007】そこで、このような問題点を生じる原因に
ついて本発明者は種々考究したところ、主として次のよ
うな理由に負うところが大きいことを知り得た。即ち、
ライニング樹脂管は、施工時、既設管内に挿入後蒸気を
導入して膨張され、既設管内面に密接されるが、その後
の冷却過程で収縮復元するのを防止するため、管内の蒸
気を圧縮空気に置換し、膨脹時の内圧を保持したまま冷
却するものとしている。このため、ライニング樹脂管
は、それ自体に内部歪を保有したままライニングされた
ものとなり、僅かの外部応力によっても破断のおそれを
生じることによるものである。
【0008】第2の問題は、ライニング樹脂管の原料中
に前記のように安定剤として添加される金属鉛を含んで
いるため、特に上水道用管路のライニングに用いた場
合、管中を流れる飲料水に医薬外劇薬に指定されている
金属鉛が溶出する点である。溶出量は、JIS K 6
742で規定される水道用硬質塩化ビニル管の鉛溶解量
の規定値未満であると推測されるものの、長期間摂取に
より人体に悪影響を及ぼす懸念がある以上、その溶出は
極力抑制される方が望ましいことはいうまでもない。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解決し
うるライニング用樹脂管を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
において鋭意研究の結果、ポリ塩化ビニル樹脂にある特
定範囲の分子量をもつ塩素化ポリエチレンを一定量混合
することにより、膨張変形後の樹脂管内に残留する内部
歪、即ち残留応力を従来品に較べて大幅に低減しうるこ
と、又、安定剤としてPL規格に定められた錫系の安定
剤を選択使用することにより、有毒物質の溶出のおそれ
がなく、かつ加熱劣化のおそれのない塩化ビニル樹脂管
の製造が可能であることを見出だすことにより完成し得
たものである。
【0011】即ち、この発明の1つはポリ塩化ビニル樹
脂100重量部と、分子量が20×104 〜25×10
4 の塩素化ポリエチレン5〜20重量部とを配合してな
ることを特徴とする、既設管のライニング用塩化ビニル
樹脂管を要旨とするものである。
【0012】又、他の発明は、上記第1発明の樹脂管に
おいて、安定剤として錫系安定剤が選択使用され、該安
定剤がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して1.0
〜4.5重量部配合されてなることを特徴とするもので
ある。
【0013】
【手段の具体的な説明】この発明で使用されるポリ塩化
ビニル樹脂としては、単独重合した平均重合度400〜
1350の範囲にあるポリ塩化ビニル樹脂の1種または
2種以上を混合したものが好適に用いられる。
【0014】また、塩素化ポリエチレンは、改質剤とし
て、従来の一般的な塩化ビニル樹脂管に用いられている
MBS系改質剤に代えて用いられるものである。先ず、
この改質剤として用いる塩素化ポリエチレンは、塩素化
度においては、30〜40%の通常程度のもので良い
が、平均分子量においては20×104 〜25×104
の範囲のものを用いることが必要である。上記分子量範
囲のものを1種または2種以上混合して使用しても良
い。平均的分子量が20×104 未満のものを用いると
きは、成形後の樹脂管の引張強度が不十分なものとな
り、25×104 を越えるものを用いるときは、ライニ
ング樹脂管の施工後の内部歪の緩和効果、即ち残留応力
の低減効果に不十分なものとなり、この発明の目的を良
好に達成することができない。最も好適とする塩素化ポ
リエチレンの平均分子量は、概ね22×104 〜24×
104 の範囲である。
【0015】また、上記塩素化ポリエチレンの配合量
は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、5〜2
0重量部の範囲に限定される。この配合量が5重量部未
満では、内部歪の低減効果が発現せず、20重量部を越
える過多の配合によるときは、樹脂管の剛性、特に引張
強度が極端に低下し、ライニング用樹脂管としての所要
の実用強度が得られない。最も好適な配合量は、ポリ塩
化ビニル樹脂100重量部に対し、8〜15重量部の範
囲である。
【0016】次に、この発明において安定剤として用い
る錫系安定剤は、例えば、ポリ(マイレン酸ジ−n−オ
クチルスズ)やビス(マイレン酸モノエステル−n−オ
クチルスズ)、ラウリン酸−n−オクチルスズ、ビス
(チオグリコール酸イソオクチル)ジ−n−オクチルス
ズ、ジチオグリコ−ル酸テトラメチレンジ−n−オクチ
ルスズ、トリス(チオグリコール酸イソオクチル)n−
オクチルスズなどを挙示することができ、これらのうち
1種または2種以上を好適に使用することができる。従
って、この発明においては、上記錫系安定剤以外の安定
剤の使用が排除される。即ち鉛系安定剤、カドシウム・
バリウム系安定剤は、医薬用外劇薬に指定されている物
質を含む点で、特に上水道管へのライニング用材料とし
て不適であり、Ca−Zn系安定剤は、押出成形加工に
おける加熱による熱劣化が起こるため使用できない。
【0017】錫系安定剤の配合量は、ポリ塩化ビニル樹
脂100重量部に対して、1.0重量部未満では、樹脂
管の押出成形時の熱安定性が不足し、4.5重量部を越
えると、もはや熱安定性の向上効果が飽和し、むしろ経
済性の面から不利益である。最も好ましい配合量の範囲
は、錫系安定剤の1種または2種以上の合計量において
1.5〜4.0重量部である。
【0018】その他、この発明によるライニング用塩化
ビニル樹脂管に適用される樹脂組成物には、上記ポリ塩
化ビニル樹脂、錫系安定剤、塩素化ポリエチレンの他、
加工助剤、滑剤、充填剤、顔料、色剤等の添加が可能で
あることはいうまでもない。これらの添加剤の種類、配
合量等については特に限定されるものではなく、樹脂管
の製造の常法に従うものであればよい。たとえば、加工
助剤については1〜5重量部、充填剤としては酸化チタ
ンや顔料については必要に応じて、0.5重量部以下の
範囲に配合すればよい。
【0019】また、この発明に係わる樹脂管の製造は、
通常の押出成形法に従って行うものであり、製造条件等
については何等制限をうけるものではない。
【0020】
【発明の効果】この発明の樹脂組成物からなるライニン
グ用塩化ビニル樹脂管によれば、後述の実施例に示すよ
うに、従来品に較べ変形後の経時的内部応力歪の緩和特
性に優れたものとしうる。従って、既設管の補修等のた
めにその内面にライニング施工した場合、加熱膨張後の
内圧を保持して収縮を抑制しながら冷却固化させること
により内部歪を発生しても、この歪を短期間のうちに緩
和しうることが明らかである。故に、内圧が繰返し変化
する上水道用管路等のライニング用に使用したような場
合においても、内水圧の変動に起因する破断事故につな
がる恐れがなく、一段とライニング施工の耐久性、信頼
性を向上することができる。
【0021】また、請求項2のように、安定剤に錫系安
定剤を使用することにより、従来使用の鉛系安定剤に較
べ、それ自体毒性が低いので、衛生面での向上をはかる
ことができ、特に上水道管路のライニング用に好適する
ものとなしうる。
【0022】
【実施例】改質剤の種類、分子量、配合量を表2に示す
ように各種に変えた表1の配合による各種の樹脂組成物
を用い、押出成形によりそれぞれ直径170mm、肉厚
3.7mmの各種ポリ塩化ビニル樹脂管(P)を製造し
た。
【0023】
【表1】
【0024】つぎに、上記により製造した各種ポリ塩化
ビニル樹脂管(P)から、図1に示すように試験片
(S)を切り出して、JIS K 6745に準じて引
張強度を測定し、剛性の判断値とした。
【0025】また、同様の試験片(S)を用い、図2に
示すように該試験片の両端をチャック(T)で固定した
のち、試験片(S)の長さ方向に引っ張って試験片に1
00kgf/cm2 の初期応力を加え、荷重測定器
(M)によりその後の100時間経過後までの応力残留
率を測定した。
【0026】上記引張強度及び100時間後の応力残留
率の測定結果を、表2に併記した。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示されるように、改質剤として分子
量20×104 〜25×104 の塩素化ポリエチレン
を,塩化ビニル樹脂100重量部に対し、5〜20重量
部の範囲で配合したポリ塩化ビニル樹脂管(実施例1〜
6)は、分子量及び配合量が上記範囲から外れる塩素化
ポリエチレンを配合したもの(比較例7〜10)、及び
従来一般的に使用されているMBS系あるいはMMA系
の改質剤ないしは耐衝撃性強化剤を配合したもの(比較
例11〜13)に較べ、強度を低下することなく、むし
ろ従来品より一段と優れた強度の保持を可能なものとし
ながら、経時的な内部応力歪の緩和特性に優れているも
のであることを確認し得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂管からの試験片の取出し状態を示した説明
図である。
【図2】試験片の経時的応力残留率の測定状態を示す図
である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニル樹脂100重量部と、分
    子量が20×104 〜25×104 の塩素化ポリエチレ
    ン5〜20重量部とを配合してなることを特徴とする、
    既設管のライニング用塩化ビニル樹脂管。
  2. 【請求項2】 安定剤として錫系安定剤が選択使用さ
    れ、該安定剤がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対し
    て1.0〜4.5重量部配合されてなる請求項1に基づ
    く既設管のライニング用塩化ビニル樹脂管。
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