JPH09136953A - ポリグリセリン製造用触媒及びそれを用いるポリグリセリンの製造方法 - Google Patents

ポリグリセリン製造用触媒及びそれを用いるポリグリセリンの製造方法

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JPH09136953A
JPH09136953A JP32120795A JP32120795A JPH09136953A JP H09136953 A JPH09136953 A JP H09136953A JP 32120795 A JP32120795 A JP 32120795A JP 32120795 A JP32120795 A JP 32120795A JP H09136953 A JPH09136953 A JP H09136953A
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JP
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catalyst
acid
acidity
glycerin
polyglycerin
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JP32120795A
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English (en)
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Hiroshi Bandai
宏 萬代
Kazuo Yamamoto
一雄 山本
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 着色や臭気の問題のないポリグリセリン製造
用触媒及びこの触媒を用いるポリグリセリンの製造方
法。 【解決手段】 −8.2より大きく−5.6以下の第1
酸強度領域Ho(I)における酸性度A(I)と、−
5.6より大きく−3.0以下の第2酸強度領域Ho
(II)における酸性度A(II)と−3.0より大きく
1.5以下の第3酸強度領域Ho(III)における酸性
度A(III)との関係において、酸性度A(I)と酸性
度A(II)との比A(I)/A(II)が0.15〜5.
10の範囲にあり、酸性度A(I)と酸性度A(III)
との比A(I)/A(III)が0.25〜2.10の範
囲にあり、酸性度A(III)と酸性度A(II)との比A
(III)/A(II)が0.15〜5.10の範囲にあ
り、かつ前記酸性度A(II)が0.020〜1.200
meq/gの範囲にある層状構造を有する珪酸塩からな
るポリグリセリン製造用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリグリセリン製
造用触媒及びそれを用いるポリグリセリンの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリグリセリンを製造するために、アル
カリ触媒を用いて200℃以上の高温度下でグリセリン
を重縮合させる方法は広く知られている(阪本薬品工業
株式会社発行、「ポリグリセリンエステル」、第12頁
〜第16頁)。しかしながら、この方法で得られるポリ
グリセリンには着色を生じている上、こげ臭、アクロレ
イン様の刺激臭もあり、その品質は著しく劣ったもので
ある。従って、このポリグリセリンはその着色や臭気を
除去するために精製する必要があるが、その精製のため
には、水蒸気脱臭や活性炭処理等の高コストの精製技術
を必要とした。米国特許第3968169号明細書によ
ると、硫酸を触媒として用い、グリセリンモノアセテー
トの如きグリセリンの低級カルボン酸エステルの存在
下、110〜180℃の温度及び400mmHg以下の
圧力の条件下でグリセリンを重縮合させる工程を含むポ
リグリセリンの製造方法が提案されている。この方法に
おいては、臭い及び色調の点で比較的すぐれたポリグリ
セリンが得られるが、重合率70%以上で重縮合反応を
行うときには、得られるポリグリセリンには着色や臭気
が見られ、更にそのポリグリセリンの分子量分布も広い
ものとなり、その品質は未だ不満足のものである。ま
た、この方法の場合、使用した硫酸触媒が反応生成液中
に溶存するため、反応生成液を蒸留処理するに先立ち、
触媒分離のために、反応生成液をアルカリで中和後、濾
過して分離することが必要となる。しかし、このような
触媒の分離はポリグリセリンのコストを高める原因とな
る。また、前記の従来法では、硫酸触媒が反応により副
生する水で希釈され、腐食性の高い希硫酸となるため、
装置腐食の問題を生じる。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、着色や臭気
の問題のない、分子量分布の狭い高品質のポリグリセリ
ンを高収率で生成させ、しかも反応生成液からの分離の
容易なポリグリセリン製造用触媒及びこの触媒を用いる
ポリグリセリンの製造方法を提供することをその課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、−8.2より大きく
−5.6以下の第1酸強度領域Ho(I)における酸性
度A(I)と、−5.6より大きく−3.0以下の第2
酸強度領域Ho(II)における酸性度A(II)と−3.
0より大きく1.5以下の第3酸強度領域Ho(III)
における酸性度A(III)との関係において、酸性度A
(I)と酸性度A(II)との比A(I)/A(II)が
0.15〜5.10の範囲にあり、酸性度A(I)と酸
性度A(III)との比A(I)/A(III)が0.25〜
2.10の範囲にあり、酸性度A(III)と酸性度A(I
I)との比A(III)/A(II)が0.15〜5.10の
範囲にあり、かつ前記酸性度A(II)が0.020〜
1.200meq/gの範囲にある層状構造を有する珪
酸塩からなるポリグリセリン製造用触媒が提供される。
【0005】また、本発明によれば、前記触媒を用いて
グリセリン又はその低重合体を重縮合させることを特徴
とするポリグリセリンの製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、層状構造を有す
る珪酸塩を触媒原料として用い、特定の酸処理を施すこ
とによって得ることができる。珪酸塩としては、層状構
造を有するもの又はこれを主成分とするものであればど
のようなものであってもよい。このようなものとして
は、従来公知のもの、例えば、スメクタイト族珪酸塩の
他、酸性白土、活性白土、バーミキュライト等を挙げる
ことができる。また、スメクタイト族珪酸塩としては、
モンモリロナイト、バイデーライト、ノントロナイト、
ボルコンスコアイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘク
トライト、ソーコナイト等を挙げることができる。更に
スメクタイト族珪酸塩を主成分とするものとしてベント
ナイト等を挙げることができる。触媒原料が層状構造を
有しない珪酸塩やその他の物質を含む場合、層状構造を
有する珪酸塩の含有量は、触媒製造原料中、10重量%
以上、好ましくは20重量%以上に規定するのがよい。
【0007】本発明の触媒を製造するには、先ず、触媒
原料中に酸を含浸させる。この場合、酸としては無機酸
及び有機酸のいずれも使用することができる。このよう
なものとしては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、
ポリリン酸、亜リン酸、過塩素酸、ギ酸、酢酸、蓚酸、
モノクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、メタンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸等が
挙げられる。触媒原料に酸を含浸させる方法としては、
流動床、ドラム型混合機、リボンミキサー、高速回転ミ
キサー(ヘンシェルミキサー)、V型混合機等を用い、
触媒原料を流動させながら、10〜90%酸水溶液を噴
霧させ、酸を含浸させるのが好ましい。酸を含浸させた
触媒原料は、これを、そのまま又は必要に応じ、水洗
し、遊離酸根を除去した後、110〜150℃で、3〜
5hr、常圧又は減圧下で乾燥し、これによって本発明
触媒を得ることができる。
【0008】前記触媒の製造方法においては、得られる
触媒の酸強度Hoは、酸の種類と濃度により調節するこ
とができ、酸性度Aは吸着酸量により調節することがで
きる。一方、酸強度Hoに対する酸性度Aの分布は、酸
を含浸させた触媒原料の乾燥温度と時間によって調節す
ることができる。
【0009】本発明の触媒は、−8.2以上−5.6未
満の第1酸強度領域Ho(I)、−5.6以上−3.0
未満の2酸強度領域Ho(II)及び−3.0以上1.5
未満の3酸強度領域Ho(III)を包含するが、その酸
強度Hoは、もちろん、前記範囲より低い酸強度領域及
び/又は高い酸強度領域を含むことができる。
【0010】本発明の触媒において、その第1酸強度領
域Ho(I)における酸性度A(I)と、第2酸強度領
域Ho(II)における酸性度A(II)と、第3酸強度領
域Ho(III)における酸性度A(III)との関係におい
て、酸性度A(I)と酸性度A(II)との比A(I)/
A(II)が0.15〜5.10、好ましくは0.20〜
4.10の範囲にあり、酸性度A(I)と酸性度A(II
I)との比A(I)/A(III)が0.25〜2.10、
好ましくは0.50〜1.50の範囲にあり、酸性度A
(III)と酸性度A(II)との比A(III)/A(II)が
0.15〜5.10、好ましくは0.20〜4.10の
範囲にある。前記A(I)/A(II)及びA(III)/
A(II)が前記範囲よりも小さくなると、グリセリン又
はその低重合体の重合率が低くなるので好ましくなく、
一方、前記範囲よりも大きくなると、グリセリン又はそ
の低重合体の分解反応が起り、重合生成物に不快臭が生
じるので好ましくない。また、A(I)/A(III)が
前記範囲よりも低くなると、重合生成物に着色を生じる
ようになるので好ましくなく、一方、前記範囲よりも高
くなると、樹脂状の重合生成物が生成するので好ましく
ない。
【0011】本発明の触媒において、その酸性度A(I
I)は、0.020〜1.200meq/g、好ましく
は0.050〜1.100meq/g、より好ましくは
0.100〜1.000meq/gの範囲にある。酸性
度A(II)が前記範囲より小さくなると、グリセリン又
はその低重合体の重合率が低くなるので好ましくなく、
一方、前記範囲よりも大きくなると、グリセリン重合体
の分子量分布が広くなるので好ましくない。
【0012】本明細書における酸強度Hoと酸性度A
は、Hammet指示薬法とn−ブチルアミン滴定法で
常法により測定されたものである。Hammet指示薬
法については、文献〔田部、竹下、酸塩基触媒、4章、
161頁(1975)、産業図書〕に詳述されている。
また、n−ブチルアミンアミン滴定法については、文献
〔田部、竹下、酸塩基触媒、4章、164頁(197
5)、産業図書〕に詳述されている。
【0013】本発明の触媒は、前記した方法によって調
製されたものに限られるものではなく、前記酸強度Ho
と酸性度Aを有する層状構造を有する珪酸塩であればど
のようなものであってもよく、天然物、例えば酸性白土
自体も本発明の触媒として用いることができる。
【0014】本発明の触媒を用いて原料グリセリンを重
縮合反応脱させることにより、着色及び臭気がなく、分
子量分布の狭い低分子量のポリグリセリンを収率よく製
造することができる。触媒の使用量は、原料グリセリン
に対して、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜4
0重量%であり、0.1重量%より少なくなると重縮合
速度が非常に遅くなるので好ましくなく、一方、50重
量%より多く用いても、重縮合速度は変らず、しかも触
媒の回収工程の効率が悪くなるので、工業的に有利でな
い。触媒の添加は反応系に対し、一括で添加してもよい
し、分割で添加してもかまわない。また、触媒の添加に
際しては、触媒を溶媒に希釈して添加してもよい。
【0015】原料グリセリンとしては、グリセリン及び
/又は低い重合度のポリグリセリンが用いられる。この
ような原料グリセリンの具体例としては、例えば、グリ
セリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセ
リン、ペンタグリセリン及びこれらの混合物が挙げられ
る。好ましい原料グリセリンは、グリセリン、1,3−
ジグリセリン、1,2−ジグリセリン、1,3−トリグ
リセリン、1,2−トリグリセリン、1,3−,1,2
−トリグリセリン、1,3−テトラグリセリンである。
低重合度のポリグリセリンを用いるときには、それより
重合度の高いポリグリセリンが得られる。
【0016】重縮合溶媒の使用は特に必要とされない
が、必要に応じて使用することもできる。この場合の反
応溶媒は、反応に不活性な溶媒ならば限定はないが、主
として、極性溶媒が用いられる。このような反応溶媒と
しては、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチ
ル、酢酸イソアミル、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチル
カルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエー
テル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、ブチ
ルカルビトール、エチレングリコールモノアセテート、
エチレングリコールジアセテート、エチレングリコール
ジプロピオネート、ジエチレングリコールモノアセテー
ト、トリエチレングリコールジアセテート、セロソルブ
アセテート、グリコール酸メチル、グリコール酸エチ
ル、グリコール酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳
酸ブチル、乳酸アミル、リンゴ酸ジエチル、リンゴ酸ジ
ブチル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセ
テート、グリセリントリアセテート、グリセリンプロピ
オネート、グリセリンジプロピオネート、グリセリント
リプロピオネート、グリセリンモノブチレート、グリセ
リンジブチレート、グリセリントリブチレート、グリセ
リン酸モノメチル、グリセリン酸ジエチル、グリセリン
酸トリエチル、グリセリン酸トリプロピル、メトキシエ
タノール、エトキシエタノー、ジアセトンアルコール、
アセチルアセトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0017】本発明の重縮合反応に用いる溶媒と、原料
グリセリンとの比率は特に制限はない。しかし、反応系
の制御及び後処理、目的とするポリグリセリンの重合度
から考えると、溶媒と原料グリセリンの重量比は、好ま
しくは1/999〜950/50、さらに好ましくは2
0/980〜900/100に規定するのよい。重縮合
反応は、反応溶媒と触媒及び原料グリセリンを反応容器
に仕込み、不活性ガス雰囲気下で反応温度まで加熱す
る。平衡を移動させるために、副生した縮合水を減圧下
で水分離器で除去する。反応温度は、通常、110〜1
90℃の範囲が適当であり、好ましくは、120〜18
0℃、さらに好ましくは130〜170℃の範囲が適当
である。反応圧力は、400mmHg(400トール)
以下、好ましくは100mmHg以下、より好ましくは
1〜25mmHgの範囲が適当である。反応時間は反応
温度、圧力、触媒量、原料グリセリン濃度、原料グリセ
リンの種類により異なるため一義的に規定できないが、
通常1〜24時間、好ましくは3〜16時間である。本
発明の場合、グリセリンの重合率は、75〜95%、好
ましくは80〜90%の範囲に規定するのがよい。
【0018】触媒形態としては、粉体、顆粒、ペレット
等いずれも採用することができる。反応終了後、粉末触
媒は、濾過、遠心分離、あるいは吸着剤に吸着させた後
に濾過して取り除くことができる。この際必要に応じて
溶媒を用いることができる。顆粒、あるいはペレット状
触媒は、反応生成物を静置し、触媒を沈降分離させ、上
層の重合体溶液を除去した後、残存触媒を次回の反応に
リサイクル(通常1〜20回)して使用することができ
る。反応方式はバッチ式、固定床触媒を用いる連続方式
のいずれも可能である。
【0019】本発明触媒の使用により、原料グリセリン
の重縮合反応を円滑に進行させることができるが、この
場合、その反応機構は明確ではないが、触媒として用い
る珪酸塩の表面又は層間に残存するブレンステッド酸と
ルイス酸とが、重縮合反応に関与しているものと思われ
る。
【0020】図1に本発明の方法を固定触媒床を用いる
流通方式で実施する場合のフローシートの1例を示す。
この図において、1は触媒塔を示し、2は凝縮器を示
し、3は蒸留塔を示す。図1において、原料グリセリン
はライン4及びライン5を通って触媒塔1に供給され
る。また、この触媒塔1には、蒸留塔3で分離された未
反応の原料グリセリンがライン13及びライン5を通っ
て供給される。触媒塔1に供給された原料グリセリン
は、触媒充填層Aを流通するが、この間に重縮合反応を
受ける。重縮合反応生成物はライン11を通って蒸留塔
3に導入される。触媒塔1は、ライン6及び凝縮器2を
介して真空ライン7に連絡し、触媒塔1内は所定の真空
度に保持される。また、触媒塔1は、外部からの加熱に
より、所定の重縮合温度に保持される。触媒塔1におけ
る重縮合反応により副生した水は、蒸気としてライン6
を通り、凝縮器2に入り、ここで凝縮し、凝縮水として
ライン8を通って排出される。蒸留塔3に導入された重
縮合反応生成物は、ここで蒸留処理され、未反応の原料
グリセリンはライン13を通って触媒塔1に循環され、
一方、ポリグリセリンはライン12を通って蒸留塔から
抜出される。原料グリセリンは、必要に応じ、溶媒との
混合物の形で触媒塔1に供給することができる。この場
合、溶媒としては、その沸点が水よりも高く、かつ原料
グリセリンの沸点とほぼ同じ又はそれよりも低いものが
好ましく使用され、この溶媒は、ライン13を通って触
媒塔1に循環される。
【0021】前記のようにして原料グリセリンの重縮合
反応を行うことにより、効率よくポリグリセリンを製造
することができる。特に、本発明の触媒は、触媒被毒を
受けにくいものであるため、本発明の場合、前記のよう
な流通方式による重縮合反応を長時間にわたって安定的
に行うことができる。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0023】参考例1 酸性白土(水沢化学工業社製、「ミズカエース#60
0」、粉末度:80μmフルイ通過分93.0%、比表
面積:108m2/g)をドラム型混合機を用い、流動
させながら、その流動粉末の表面に70%硫酸を噴霧さ
せ、均一に含浸させた後、蒸留水で洗浄排液中に硫酸根
がなくなるまで洗浄後、130℃、常圧の条件で3〜5
時間乾燥し、硫酸処理酸性白土を得た。このものは、第
1酸強度領域Ho(I):−8.2以上−5.6未満に
おける酸性度A(I):0.270meq/g、第2酸
強度領域Ho(II):−5.6以上−3.0未満におけ
る酸性度A(II):0.510meq/g及び第3酸強
度領域Ho(III):−3.0以上1.5未満における
酸性度A(III):0.320meq/gを示すもので
あり、そのA(I)/A(II)は0.53、A(I)/
A(III)は0.84及びA(III)/A(II)は0.6
3であった。
【0024】実施例1 撹拌機、水分離器、温度計を付けた200ml四ッ口フ
ラスコに、参考例1で得られた硫酸処理酸性白土3.0
gとトリエチレングリコールモノアセテート10.0g
を仕込み、さらにグリセリン100.0gを導入した。
反応混合物を窒素雰囲気下で140〜141℃に加熱
し、3mmHgの圧力条件下で6時間、水分離器により
縮合水を除去しながら反応を継続してポリグリセリンを
得た。得られたポリグリセリンは、これを濾過して触媒
を除去した後、常法によりトリメチルシリル化を行な
い、ガスクロマトグラフィーにて、その重合率及び重合
度分布を測定した結果、その重合率は85.5%であ
り、その重合度分布において、ジグリセリン78.2、
トリグリセリン14.2、テトラグリセリン7.6(w
t%)であった。一方、重合生成物の色相はAPHA1
0を示し、ほぼ無色であり、またアクロレン臭、ゴム
臭、こげ臭、酸臭等の臭気はほとんど感じられなかっ
た。
【0025】実施例2 参考例1と同様にして、表1に示す性状の触媒を調製
し、それらの触媒5.0gを用い、グリセリンジアセテ
ート5.0gを溶媒とする他は実施例1と同様にして、
温度150〜151℃、圧力5mmHgの条件下でグリ
セリンの重縮合反応を行なった。得られた液状のポリグ
リセリンは、これをガスクロマトグラフィーにて、同様
に、その重合率及び重合度分布を求めた。その結果を表
2に示す。
【0026】なお、表中に示した触媒No.12*〜1
*は比較例を示す。触媒No.18*及び19*におけ
る白雲母及びカオリナイトは非層状珪酸塩である。ま
た、表中のTFSAはトリフルオロメタンスルホン酸を
示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】 表2の結果から、本発明触媒による重縮合反応によれ
ば、着色や臭気の問題のない分子量分布の狭いポリグリ
セリンが高重合率で得られることが分かる。
【0029】実施例3 実施例1において、グリセリンの代りに1,3−ジグリ
セリンを用い、溶媒としてグリセリンジアセテート3.
5gを用いた以外は同様にして、145〜146℃で8
時間重縮合反応を行なった。得られたポリグリセリン
は、それから触媒を除去した後、同様にその重合率及び
重合度分布を測定した結果、その重合率は80.2%で
あり、重合度分布において、テトラグリセリン:74.
6、ヘキサグリセリン:17.5、オクタグリセリン:
7.9(wt%)であった。また、ポリグリセリンの色
相はAPHA20でほぼ無色であり、またこのものは、
アクロレイン臭、ゴム臭、こげ臭、酸臭等の臭気のほと
んど感じられないペースト状液体であった。
【0030】実施例4 実施例1において、グリセリンの代りに1,3−,1,
3−トリグリセリンを用いた以外は同様にして150〜
151℃において10時間、重縮合反応を行なった。得
られたポリグリセリンは、それから触媒を除去した後、
同様に、その重合率及び重合度分布を測定した結果、そ
の重合率は77.4%であり、その重合度分布におい
て、ヘキサグリセリン:72.3、ノナグリセリン:1
9.7、ドデカグリセリン:8.0(wt%)であっ
た。また、ポリグリセリンの色相はほぼ無色であり、ま
たこのものは、アクロレイン臭、ゴム臭、こげ臭、酸臭
等のにおいのほとんど感じられない半ペースト状固体で
あった。
【0031】実施例5 実施例1において、グリセリンの代りに1,3−,1,
3−,1,3−テトラグリセリンを用い、溶媒としてグ
リセリンジアセテート3.5gを用いた以外は同様にし
て、150〜151℃において12時間、重縮合反応を
行なった。得られたポリグリセリンは、それから触媒を
除去した後、同様に、その重合率及び重合度分布を測定
した結果、その重合率は75.9%であり、その重合度
分布において、オクタグリセリン:70.8、ドデカグ
リセリン:21.1、ヘキサデカグリセリン:8.1
(wt%)であった。また、このポリグリセリンの色相
はほぼ無色であり、またこのものは、アクロレイン臭、
ゴム臭、こげ臭、酸臭等のにおいのほとんど感じられな
い半ペースト状固体であった。
【0032】実施例6 実施例1において、グリセリンの代りに、グリセリン7
5.0g、1,3−ジグリセリン22.6gを用いた以
外は同様にして、142〜143℃で8時間重縮合反応
を行なった。得られたポリグリセリンは、それから触媒
を除去した後、同様に、その重合率及び重合度分布を測
定した結果、その重合率は78.6%であり、その重合
度分布において、トリグリセリン:75.9、テトラグ
リセリン:15.1、ペンダグリセリン:6.5、ヘキ
サグリセリン:2.5(wt%)であった。また、ポリ
グリセリンの色相はAPHA20でほぼ無色であり、ま
たこのものは、アクロレイン臭、ゴム臭、こげ臭、酸臭
等の臭気のほとんど感じられない半ペースト状液体であ
った。
【0033】比較例1 実施例1において、溶媒としてグリセリンジアセテート
3.5gを用い、触媒として濃硫酸0.22gを用いた
以外は同様にして6時間グリセリンの重縮合反応を行な
った。得られたポリグリセリンは、それから触媒を除去
した後、同様に、その重合率及び重合度分布を測定した
結果、その重合率は72.1%であり、その重合度分布
において、ジグリセリン:30.0、トリグリセリン:
21.2、テトラグリセリン:15.1、ペンダグリセ
リン〜ウンデカグリセリン:31.6(wt%)であっ
た。また、ポリグリセリンの色相は茶褐色であり、また
このものは、酸臭のかなりある液体であった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、硫酸等の通常の酸触媒
を用いて、グリセリンの重縮合を行う場合に起るアクロ
レインの生成や、着色や臭気の問題を生じることなく、
75%以上の重合率でグリセリンの2〜10量体、好ま
しくは2〜8量体を70%以上の高選択率で得ることが
できる。本発明の場合、高品質のポリグリセリンが生成
することから、低重合度のポリグリセリンと、高重合度
のポリグリセリンを除去するための精密蒸留工程や、ポ
リグリセリンの脱臭や脱色を行うための精製処理工程の
使用は特に必要とされない。本発明の触媒は、固体状で
あり、液状酸触媒とは異なり、反応生成液中には溶解し
ないことから、重縮合反応で副生する水によって稀釈化
されることがなく、腐食性の高い稀釈された酸水溶液が
生成することはない。従って、本発明の場合は、液状酸
触媒の使用に見られるような装置腐食の問題を生じな
い。さらに、本発明の触媒は、反応生成液からの分離が
容易である上、再使用することができる利点もある。本
発明で得られる低重合度のポリグリセリンは、その分子
量分布が狭く、重合率が高いため、反応生成液から、触
媒、溶媒及び未反応グリセリンを除去すれば、乳化剤、
分散剤、潤滑剤、塩化ビニル樹脂用安定剤等として有利
に用いられる。また、本発明のポリグリセリンは、化粧
品や香粧品用の保湿剤、ベース基剤、乳化助剤、分散
剤、透明化剤、可溶化剤、液性改良剤、増粘剤、香料保
留剤として利用される他、プラスチック用の可塑剤及び
帯電防止剤等、繊維用表面改策剤、合成繊維用染色助
剤、合成紙サイズ剤等として用いられ、さらに、アルキ
ド樹脂やポリウレタンフォームの原料や潤滑油基材等と
して好適のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を固定触媒床を用いる流通方式で
実施する場合のフローシートの1例を示す。
【符号の説明】
1 触媒塔 2 凝縮器 3 蒸留塔 A 触媒充填層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −8.2より大きく−5.6以下の第1
    酸強度領域Ho(I)における酸性度A(I)と、−
    5.6より大きく−3.0以下の第2酸強度領域Ho
    (II)における酸性度A(II)と−3.0より大きく
    1.5以下の第3酸強度領域Ho(III)における酸性
    度A(III)との関係において、酸性度A(I)と酸性
    度A(II)との比A(I)/A(II)が0.15〜5.
    10の範囲にあり、酸性度A(I)と酸性度A(III)
    との比A(I)/A(III)が0.25〜2.10の範
    囲にあり、酸性度A(III)と酸性度A(II)との比A
    (III)/A(II)が0.15〜5.10の範囲にあ
    り、かつ前記酸性度A(II)が0.020〜1.200
    meq/gの範囲にある層状構造を有する珪酸塩からな
    るポリグリセリン製造用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1の触媒を用いてグリセリン又は
    その低重合体を重縮合させることを特徴とするポリグリ
    セリンの製造方法。
JP32120795A 1995-11-15 1995-11-15 ポリグリセリン製造用触媒及びそれを用いるポリグリセリンの製造方法 Pending JPH09136953A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1316577A1 (en) * 2001-11-30 2003-06-04 Akzo Nobel N.V. Method for preparing polymers of glycerol with a saponite catalyst
JP2007223182A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Mitsubishi Polyester Film Copp 導電性フィルム

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EP1316577A1 (en) * 2001-11-30 2003-06-04 Akzo Nobel N.V. Method for preparing polymers of glycerol with a saponite catalyst
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