JPH09136340A - 成形品の製造方法 - Google Patents

成形品の製造方法

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JPH09136340A
JPH09136340A JP7296626A JP29662695A JPH09136340A JP H09136340 A JPH09136340 A JP H09136340A JP 7296626 A JP7296626 A JP 7296626A JP 29662695 A JP29662695 A JP 29662695A JP H09136340 A JPH09136340 A JP H09136340A
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JP
Japan
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resin
liquid crystal
thermoplastic resin
temperature
crystal resin
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JP7296626A
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English (en)
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Kouichi Karikaya
孝一 刈茅
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィブリル化した液晶樹脂により効率よく補
強されて押出方向すなわち長手方向の強度、剛性、およ
び熱伸縮性が非常に優れている成形品を連続的に製造す
る方法を提供する。また、いま1つの目的は、液晶樹脂
の転移点よりも低い分解温度を有する熱可塑性樹脂製の
成形品中に、液晶樹脂が繊維状に分散された強度と剛性
に優れた成形品を製造する方法を提供する。 【解決手段】 成形品の製造方法は、液晶樹脂と該液晶
樹脂の転移点よりも低い融点もしくは溶融温度を有する
熱可塑性樹脂Aとの混合物からなりかつ液晶樹脂の少な
くとも一部が微視的にフィブリル化されているペレット
と、該ペレット中の液晶樹脂の転移点よりも低い融点も
しくは溶融温度を有する熱可塑性樹脂Bとを混合する。
ついでこの樹脂混合物を、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑
性樹脂Bの融点以上でかつ液晶樹脂の転移点よりも低い
温度で押出成形することにより、成形品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長手方向の剛性、
強度、熱伸縮性に優れたデッキ材、樋、サッシ、パイプ
等に使用される成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の成形品としては、既に、プラス
チックにより構成された成形体、ガラス繊維や炭素繊維
を混合した繊維強化樹脂(FRP)により構成された成
形体が提案されている。
【0003】またガラス繊維や炭素繊維が混合されない
高強度で高剛性を有する合成樹脂成形品として、特開
昭62−116666号公報に、繊維状液晶樹脂をマト
リックス樹脂中に配合してフィルム状に押出成形する技
術が開示されている。
【0004】さらに、特開平5−84801号公報に
は、液晶樹脂複合体のシートもしくはストランドを一旦
成形使用した後に、それらを成形材料に使用し、プレス
等により成形体を形成する方法が開示されている。
【0005】また一般に、液晶樹脂は転移点以上の温度
域において液晶状態にあり、せん断力等の外部応力によ
り容易に配向することはよく知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、成形品
の製造に液晶樹脂を応用した場合には、従来の押出成形
法において、上記の公報に記載の技術によれば、該公
報記載の技術を、例えば塩化ビニル系樹脂をマトリック
スとする成形体の製造に応用した場合、その製造工程に
おいて、マトリックス中の液晶樹脂を繊維化し補強材と
するために、成形温度を液晶樹脂の転移点以上の温度と
することが必須条件である点、液晶樹脂の転移点が塩化
ビニル系樹脂の溶融温度より高温である点から、マトリ
ックスとしての塩化ビニル系樹脂の熱分解が同時に生じ
ることになり、液晶樹脂が繊維化し補強材となるもの
の、最終成形品中のマトリックス樹脂の機械的性質が著
しく低下して、製品の強度・剛性を充分に発現させるこ
とができないという問題があった。
【0007】また、上記の公報に記載の技術によれ
ば、液晶樹脂と熱可塑性樹脂からなる混合樹脂組成物の
ストランドあるいはシート状成形体等をペレット化し、
これらのペレットを用いて押出成形への応用が図れるも
のの、ペレット成形時の熱履歴に加え、成形品を押出成
形する際の熱履歴が加わるために、上記の場合と同様
に、マトリックス樹脂の熱分解が生じ、液晶樹脂の混合
による補強効果を確保するのが困難であるという問題が
あった。
【0008】また上記いずれの場合も、熱分解による発
生ガス等により製品に外観不良が生じるという問題があ
った。
【0009】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、フィブリル化した液晶樹脂により効率よく補強
されて押出方向すなわち長手方向の強度、剛性、および
熱伸縮性が非常に優れている成形品を連続的に製造する
方法を提供しようとするにある。
【0010】また、本発明のいま1つの目的は、液晶樹
脂の転移点よりも低い分解温度を有する熱可塑性樹脂製
の成形品中に、液晶樹脂が繊維状に分散された強度と剛
性に優れた成形品を製造する方法を提供しようとするに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、液晶樹脂と該液晶樹脂の転移点よりも
低い融点もしくは溶融温度を有する熱可塑性樹脂Aとの
混合物からなりかつ液晶樹脂の少なくとも一部が微視的
にフィブリル化されているペレットと、該ペレット中の
液晶樹脂の転移点よりも低い融点もしくは溶融温度を有
する熱可塑性樹脂Bとを混合し、ついでこの樹脂混合物
を、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの融点以上で
かつ液晶樹脂の転移点よりも低い温度で押出成形するこ
とにより、成形品を得ることを特徴としている。
【0012】上記本発明において、成形品の第1のマト
リックスとして使用されかつペレットに含まれる熱可塑
性樹脂A、および成形品の第2のマトリックスとして使
用される熱可塑性樹脂Bとしては、ABS樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹脂、アセタール樹
脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、アク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン
など、あるいはまたこれらの樹脂の変性材あるいはブレ
ンド材(アロイ材)等の溶融成形可能な樹脂が挙げられ
る。
【0013】たゞし、熱可塑性樹脂Aの分解温度が液晶
樹脂の転移点温度以上であることが望ましい。すなわ
ち、熱可塑性樹脂Aとしては、耐熱性に優れた樹脂がよ
く、例えば塩化ビニル系樹脂は、あまり適当ではない。
【0014】なお、液晶樹脂との相溶性を改善するため
に、必要に応じて、相溶化剤を添加しても良い。ここ
で、相溶化剤としては、例えば液晶樹脂成分のグラフト
ポリマー、あるいはカルボン酸基やアミノ基等の極性成
分を有するグラフトポリマー等が挙げられる。
【0015】また上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂B
との組み合わせは、特に制限はないが、熱可塑性樹脂A
の融点もしくは溶融温度および熱可塑性樹脂Bの融点も
しくは溶融温度が、液晶樹脂の転移点よりも低い温度域
であることが必要であり、かつ熱可塑性樹脂Aの融点も
しくは溶融温度が、熱可塑性樹脂Bの分解温度よりも低
い温度域であることが望ましい。
【0016】また熱可塑性樹脂Bの分解温度は、液晶樹
脂の転移点よりも低くても構わない。従って、通常、液
晶樹脂との溶融混合が困難な耐熱性に劣る塩化ビニル系
樹脂なども、熱可塑性樹脂Bの範疇に入る。
【0017】すなわち、本発明では、通常、液晶ポリマ
ーとの溶融混合を試みた場合に熱分解を併発するような
樹脂系を使用することができる。
【0018】また必要により、熱可塑性樹脂Bには、熱
可塑性樹脂Aの組成に応じて、互いの相溶性を改善する
ために、成形前もしくは成形時に相溶化剤(熱可塑性樹
脂A成分と熱可塑性樹脂B成分の中間成分を有するもの
など)を添加することができる。
【0019】また熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bと
は、通常、互いに異なるものを使用するが、場合によっ
ては、両樹脂A・Bが同一であってもよい。
【0020】一方、液晶樹脂としては、上記マトリック
スを構成する熱可塑性樹脂の融点もしくは溶融温度より
液晶転移温度が高いサーモトロピック型液晶樹脂であれ
ば、特に限定されるものではない。具体例としてはベク
トラ、エコノール、ザイダー等の商品名で市販されてい
る全芳香族ポリエステル系液晶ポリマーの他、ロッドラ
ン、ノバキュレート、LCP等の商品名で市販されてい
る半芳香族ポリエステル系液晶ポリマーが挙げられる。
【0021】マトリックスとしての熱可塑性樹脂Aと、
液晶樹脂とをブレンドした組成物において、液晶樹脂の
配合割合は、組成物全体として以下の押出工程で液晶樹
脂が繊維化可能な濃度域にあり、かつ相反転を起こさな
い濃度範囲内にあるように調製すれば良いが、液晶樹脂
の配合割合は、組成物中の熱可塑性樹脂Aの種類によっ
て異なってくる。
【0022】ここで、例えば熱可塑性マトリックス樹脂
Aがポリアミド樹脂である場合には、組成物の配合割合
は、ポリアミド樹脂60〜20重量%に対して、液晶樹
脂40〜80重量%である。
【0023】また熱可塑性樹脂AがABS樹脂である場
合には、組成物の配合割合は、ABS樹脂70〜25重
量%に対して、液晶樹脂30〜75重量%である。
【0024】熱可塑性樹脂Aがポリカーボネート樹脂で
ある場合には、組成物の配合割合は、ポリカーボネート
樹脂93〜30重量%に対して、液晶樹脂3〜70重量
%である。
【0025】熱可塑性樹脂Aがポリプロピレン樹脂であ
る場合には、組成物の配合割合は、ポリプロピレン樹脂
98〜30重量%に対して、液晶樹脂2〜70重量%で
ある。
【0026】熱可塑性樹脂Aがポリエチレン樹脂である
場合には、組成物の配合割合は、ポリエチレン樹脂98
〜30重量%に対して、液晶樹脂2〜70重量%であ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
以下に詳しく説明する。
【0028】本発明の方法において用いる熱可塑性樹脂
Aと少なくとも一部がフィブリル化した液晶樹脂とから
なるペレットを得るには、例えば上記熱可塑性樹脂A
と、該樹脂Aの融点もしくは溶融温度より高い液晶転移
温度を有する液晶樹脂とからなる組成物を、液晶樹脂の
液晶転移点以上の温度て、ダイスより押し出しながら延
伸し、冷却後、所要長さに切断すれば良い。
【0029】この時、液晶樹脂は、マトリックス樹脂中
において繊維状となる樹脂に作用する見かけのせん断速
度でダイスを通過させる。
【0030】ここで、見かけのせん断速度は、1×10
2 〜105 -1であり、好ましくは3×102 〜104
-1である。
【0031】この範囲のせん断速度で押し出された混合
樹脂組成物中の液晶樹脂は、流動部のせん断作用により
フィブリル化を受けやすい。
【0032】押出方法は、従来公知の任意の方法により
行なうが、断面円形の場合、直径2〜10mm程度の棒
状に押し出すのが望ましい。
【0033】また延伸は、押し出された棒状物を引き取
り機によって高速で引っ張ることによって行なうるのが
好ましく、延伸比は1.5〜10倍程度が好ましい。
【0034】なおここで、延伸比とは(押出直径の断面
積)/(延伸後の断面積)の比を意味する。
【0035】上記ペレットのカット長は、特に限定され
ないが、3〜50mm程度が適当である。
【0036】このようにして得られた熱可塑性樹脂Aと
液晶樹脂とからなる延伸ペレットには、液晶樹脂の少な
くとも一部が、微視的に、例えば直径0.1〜10μm
にフィブリル化されたものを含むこととなる。
【0037】熱可塑性樹脂Bに対する熱可塑性樹脂Aと
液晶樹脂とからなるペレットの配合割合は、特に制限は
ないが、押出成形が可能である濃度範囲内で、成形品の
必要な特性に応じて適宜選択される。通常、熱可塑性樹
脂の組成により異なるが、熱可塑性樹脂Bが30〜90
重量%の範囲で調整されたものが望ましい。
【0038】また、成形品の押出成形にかかる際に、熱
可塑性樹脂Bのペレットと、熱可塑性樹脂Aと液晶樹脂
からなるペレットは、液晶樹脂の転移温度以下で混合さ
れる。通常、両者をペレット状のまま、常温でタンブラ
ーやミキサー等の混合機を用い、ドライブレンドする程
度で充分である。
【0039】熱可塑性樹脂Bと熱可塑性樹脂Aと液晶樹
脂からなるペレットの混合物は、成形品の押出工程にお
いて、液晶樹脂の転移点よりも低い温度で成形される。
【0040】この際、ペレット成形時に形成された液晶
樹脂の繊維化物は熱的に安定な状態であり、その形態を
維持したまま、押出方向に配向を促される。
【0041】本発明における押出方法としては、従来公
知のものをすべて採用することができ、例えば1軸押出
機、2軸押出機を使用して、押出成形を実施する。
【0042】ダイスより押出された成形体の冷却は、冷
却槽において行なうが、これは少なくとも引き取り工程
において成形品の形状および寸法が塑性的に変化しない
温度まで冷却する必要があり、通常、雰囲気温度(外気
温)まで冷却するのが、望ましい。
【0043】成形体を冷却する手段としては、成形体を
水槽等の冷媒の中を通過せしめる方法、ブロア等で成形
体に冷気を当てる方法、成形体を冷媒の流れる冷却槽内
を通過せしめる方法などがあり、冷却手段は、得られる
成形品の寸法、成形ラインに応じて、適宜選択されるも
のである。
【0044】また、冷却された成形体を引き取る引き取
り機としては、ベルト式引き取り機、キャタピラ式引き
取り機、引き取りロール等を適宜用いる。
【0045】(作用)本発明の方法によれば、液晶樹脂
と該液晶樹脂の転移点よりも低い融点もしくは溶融温度
を有する熱可塑性樹脂Aとの混合物からなりかつ液晶樹
脂の少なくとも一部が微視的にフィブリル化されている
ペレットと、該ペレット中の液晶樹脂の転移点よりも低
い融点もしくは溶融温度を有する熱可塑性樹脂Bとを混
合し、ついでこの樹脂混合物を、熱可塑性樹脂Aおよび
熱可塑性樹脂Bの融点以上でかつ液晶樹脂の転移点より
も低い温度で押出成形することにより、成形品を得るも
のであるから、得られた成形品は、フィブリル化した液
晶樹脂が繊維状の形態で押出方向に効率良く配向し、押
出方向の強度、剛性が改善された成形品を得ることがで
きる。
【0046】また、本発明の方法によれば、液晶樹脂と
共に高温で溶融成形できない樹脂系(熱可塑性樹脂B)
に、液晶樹脂と熱可塑性樹脂Aとを含有する上記ペレッ
トを混合して用いることにより、熱可塑性マトリックス
樹脂Bを熱分解させることなく、成形品を得ることがで
きる。
【0047】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を説明する。
【0048】実施例1 本発明の方法によりプレート状成形品を製造した。
【0049】ここで、マトリックスの熱可塑性樹脂Aと
しては、ポリプロピレン(商品名YM141、チッソ社
製)を用いた。DSC(示差走査熱量計)を用いて測定
した熱可塑性樹脂Aの融点は、160℃であった。
【0050】一方、液晶樹脂としては、全芳香族ポリエ
ステル系液晶樹脂(商品名ベクトラA950、ポリプラ
スチック社製)を用いた。同様にDSCを用いて測定し
た液晶樹脂の転移点は、281℃であった。
【0051】なお、ブレンド物中の液晶樹脂の配合割合
を30重量%とした。
【0052】上記熱可塑性マトリックス樹脂Aおよび液
晶樹脂をペレット状態で混合した後、混合物をスクリュ
ー径50mmの2軸押出機を用いて、樹脂温度290℃
にて出口径3mmのストランド成形用ダイスより押出
し、延伸比2倍になるように引き取り、これを常温まで
冷却して、長さ5mmに切断し、熱可塑性樹脂Aおよび
液晶樹脂からなるペレットを得た。このペレットにおい
て液晶樹脂が微視的にフィブリル化していることを、つ
ぎの方法により確認した。すなわち該ペレットを液晶樹
脂の転移点以下である180℃の温度で圧縮成形し、厚
さ約0.1mmのフィルムとした後、そのフィルムを偏
光顕微鏡で観察した。
【0053】ついで、を熱可塑性樹脂Bとしては、高密
度ポリエチレン(商品名HE420、三菱樹脂株式会社
製)を用いた。DSCを用いて測定した熱可塑性樹脂B
の融点は、134℃であった。
【0054】そして、上記のようにして得られたペレッ
トを、熱可塑性樹脂Bとドライブレンドし、混合物を前
記と同じスクリュー径50mmの2軸押出機を用いて、
樹脂温度200℃のダイスより押出し、これを常温まで
冷却して、幅200mm、厚さ3mmのプレートを得
た。なお、熱可塑性樹脂Bに対するペレットの配合割合
を、40重量%とした。
【0055】実施例2 熱可塑性樹脂Aとしては、ポリメチルメタアクリレート
(商品名PMMA−MHO、住友化学社製)を用いた。
DSCを用いて測定した熱可塑性樹脂Aの融点は、20
0℃であった。
【0056】一方、液晶樹脂としては、全芳香族ポリエ
ステル系液晶ポリマー(商品名ベクトラA950、ポリ
プラスチック社製)を用いた。同様にDSCを用いて測
定した液晶樹脂の転移点は、281℃であった。
【0057】なお、ブレンド物中の液晶樹脂の配合割合
を50重量%とした。
【0058】上記熱可塑性マトリックス樹脂Aおよび液
晶樹脂をペレット状態で混合した後、混合物をスクリュ
ー径50mmの2軸押出機を用いて、樹脂温度290℃
にて出口径3mmのストランド成形用ダイスより押出
し、延伸比2倍になるように引き取り、これを常温まで
冷却して、長さ5mmに切断し、熱可塑性樹脂Aおよび
液晶樹脂からなるペレットを得た。このペレットにおい
て液晶樹脂が微視的にフィブリル化していることを、上
記と同様の方法により確認した。
【0059】熱可塑性樹脂Bとして、溶融温度170℃
の塩化ビニル樹脂(スズ系安定剤2重量部、滑剤1重量
部を配合したもの)を使用し、該塩化ビニル樹脂と前記
ペレットをドライブレンドし、混合物を前記と同じスク
リュー径50mmの2軸押出機を用いて、樹脂温度20
0℃のダイスより押出し、これを常温まで冷却して、幅
200mm、厚さ3mmのプレートを得た。なお、熱可
塑性樹脂Bに対するペレットの配合割合を、20重量%
とした。
【0060】比較例1 比較のために、高密度ポリエチレン(商品名HE42
0、三菱樹脂株式会社製、融点134℃)と、全芳香族
ポリエステル系液晶樹脂(商品名ベクトラA950、ポ
リプラスチック社製、転移点281℃)とをドライブレ
ンドし、混合物を2軸押出機を用いて、樹脂温度290
℃にて押出成形し、実施例1の場合と同一寸法のプレー
トを得た。なお、ブレンド物中の液晶樹脂の配合割合を
12重量%とした。
【0061】比較例2 溶融温度170℃の塩化ビニル樹脂(スズ系安定剤2重
量部、滑剤1重量部を配合したもの)と、全芳香族ポリ
エステル系液晶樹脂(商品名ベクトラA950、ポリプ
ラスチック社製、転移点281℃)とをドライブレンド
し、混合物を2軸押出機を用いて、樹脂温度290℃に
て押出成形し、実施例1の場合と同一寸法のプレートを
製造した。なお、ブレンド物中の液晶樹脂の配合割合
を、10重量%とした。
【0062】たゞし、この成形において、塩化ビニル樹
脂が熱分解を起こしたために、成形品を得ることができ
なかった。
【0063】比較例3 液晶樹脂を添加せず、高密度ポリエチレン(商品名HE
420、三菱樹脂株式会社製、融点134℃)を単独
で、実施例1の場合と同様に200℃にて押出成形を行
ない、プレート状成形品を製造した。
【0064】比較例4 液晶樹脂を添加せず、溶融温度170℃の塩化ビニル樹
脂(スズ系安定剤2重量部、滑剤1重量部を配合したも
の)を単独で、実施例1の場合と同様に200℃にて押
出成形を行ない、プレート状成形品を製造した。
【0065】成形品の評価 つぎに、上記実施例と比較例において得られた成形品の
性能を評価するために、成形品より幅40mmの試験片
を長手方向に切り出した。
【0066】得られたプレート状試験片の押出方向の引
っ張り試験を、ASTM D638に準拠して行ない、
長手方向の引っ張り強度、および引っ張り弾性率を測定
し、得られた結果を表1に示した。
【0067】また、得られた成形品を4mの長さに裁断
し、恒温室で20℃から50℃までの温度における裁断
成形品の長さの変化を測定し、熱膨張係数を算出した。
得られた結果を表1にあわせて示した。
【0068】
【表1】 上記表1の結果から明らかなように、本発明の実施例の
プレート状成形品によれば、長手方向の引っ張り強度お
よび引っ張り弾性率がいずれも非常に大きく、充分な強
度および剛性を有していた。また、本発明の実施例のプ
レート状成形品の熱膨張係数は、非常に小さいものであ
り、熱伸縮性も非常に優れているものであった。
【0069】これに対し、比較例のプレート状成形品に
よれば、長手方向の引っ張り強度および引っ張り弾性率
がいずれも小さく、充分な強度および剛性を有しておら
ず、また熱膨張係数が大きいので、外気温による寸法変
化の大きいものであった。
【0070】
【発明の効果】本発明の成形品の製造方法は、上述のよ
うに、液晶樹脂と該液晶樹脂の転移点よりも低い融点も
しくは溶融温度を有する熱可塑性樹脂Aとの混合物から
なりかつ液晶樹脂の少なくとも一部が微視的にフィブリ
ル化されているペレットと、該ペレット中の液晶樹脂の
転移点よりも低い融点もしくは溶融温度を有する熱可塑
性樹脂Bとを混合し、ついでこの樹脂混合物を、熱可塑
性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの融点以上でかつ液晶樹
脂の転移点よりも低い温度で押出成形することにより、
成形品を得るものであるから、得られた成形品は、フィ
ブリル化した液晶樹脂が押出方向に効率良く配向したも
のとなり、従って、成形品の押出方向すなわち長手方向
の強度および剛性が大幅に増大し、得られた成形品は、
樋、デッキ材、サッシ、パイプ等の優れた強度、剛性お
よび熱伸縮性を必要とする用途の製品に、好適に使用し
得る。
【0071】またとくに、塩化ビニル系樹脂のように高
温で熱分解を起こすような熱可塑性樹脂を液晶樹脂で強
化する場合に、有効であるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶樹脂と該液晶樹脂の転移点よりも低
    い融点もしくは溶融温度を有する熱可塑性樹脂Aとの混
    合物からなりかつ液晶樹脂の少なくとも一部が微視的に
    フィブリル化されているペレットと、該ペレット中の液
    晶樹脂の転移点よりも低い融点もしくは溶融温度を有す
    る熱可塑性樹脂Bとを混合し、ついでこの樹脂混合物
    を、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの融点以上で
    かつ液晶樹脂の転移点よりも低い温度で押出成形するこ
    とにより、成形品を得ることを特徴とする成形品の製造
    方法。
JP7296626A 1995-11-15 1995-11-15 成形品の製造方法 Withdrawn JPH09136340A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100937231B1 (ko) * 2008-05-15 2010-01-15 (주)에스엠테크텍스 섬유강화 플라스틱 성형체의 제조방법

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KR100937231B1 (ko) * 2008-05-15 2010-01-15 (주)에스엠테크텍스 섬유강화 플라스틱 성형체의 제조방법

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