JPH09135867A - 病弱者用カプセルベッド - Google Patents

病弱者用カプセルベッド

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Publication number
JPH09135867A
JPH09135867A JP32360595A JP32360595A JPH09135867A JP H09135867 A JPH09135867 A JP H09135867A JP 32360595 A JP32360595 A JP 32360595A JP 32360595 A JP32360595 A JP 32360595A JP H09135867 A JPH09135867 A JP H09135867A
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JP
Japan
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bed
sick person
hot water
air
nozzle
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Application number
JP32360595A
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English (en)
Inventor
Yoshiteru Chiba
義輝 千葉
Toshiro Sekine
敏郎 関根
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Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 [課題] 病弱者が床ずれを発生せず、入浴および排便
と洗浄を容易に行ない得て長期間を快適に過ごすことと
ができ、かつ介護者に労力的な負担を与えないベッドを
提供すること。 [解決手段] ナイロン・コード11、12を編んでフ
レーム5に張架したネット13上に発泡ウレタンマット
15を敷いてベッド本体1とし、カバーをかけて空調す
る。床ずれはナイロン・コード11、12を部分的に緊
張、弛緩させて防止する。入浴は温水シャワーによって
行ない、排便は発泡ウレタンマット15の排泄用開口1
8から下方のシンク61へ行なう。浴後、用便後は空調
温度を高くして濡れた身体を乾かす。排泄物は遠心分離
機64によって固形分と水分とに分離して、無臭化と殺
菌のための薬剤を注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は病弱者用のベッドに関す
るものであり、更に詳しくは介護者の労力的な負担を軽
減すると共に、病弱者が長期間にわたり快適に過ごし得
るベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】長期療養する病弱者を対
象とするベッドには各種各様のものが提案されており、
それぞれ特長的な排便装置、入浴装置が設けられてい
る。例えば、図15は第1従来例の特開平3−1862
85号公報に係る「介護用ベッド」に開示されているベ
ッド100の縦断面図であり、病弱者の尻部に位置して
ベッド102に設けた排便用開口103に続いて便槽1
06が設けられている。排便用開口103は用便後にタ
ンク104からの配管105を経由する水によって洗浄
可能となっている。また、図16は第2従来例の実開平
6−29538号公報に係る「人体洗浄装置」に開示さ
れている洗浄装置110の縦断面図であり、病弱者を乗
せたキャスタ付き可動ベッド113を足側からカプセル
112内へ挿入し、カプセル112内に設けた上下のシ
ャワーノズル115から温水を噴射するようになってい
る。可動ベッド113の病弱者が横臥している面にはネ
ットが張架されている。浴後は一点鎖線のように引き出
される。又、病弱者用とは限らないが、図17は第3従
来例の実開平5−34962号公報に係る「カプセル付
きベッド」に開示されている空調可能なベッド120の
斜視図であり、ベッド本体121に開閉可能な蓋部12
6と覆部124からなるカプセル122が設けられ、空
気取入口127からの空気はクッション部123の下方
に設置されている空調機を経てカプセル122内の空気
噴出口128から吹き出されている。
【0003】以上は単機能のベッドであるが、入浴と排
便との両方の処理が可能なベッドの提案もある。例え
ば、図18は第4従来例の特開平3−75058号公報
に係る「病人用ベッド」に開示されている入浴と排便と
が可能なベッド130の部分破断側面図であり、図19
は図18における[19]−[19]線方向の断面図、
図20は幌148を除いた平面図である。ベッドフレー
ム131の両側には柱132に支持されてドラム135
が設けられており、図18において右方の頭側には柱1
32に支持されハンドル136によって回転するドラム
137が設けられている。ドラム135はドラム137
とベベルギヤ138、139を介して連結されており、
ドラム137の回転に連動して回転する。そしてテープ
状布142を粗織した布状体141は両側が適当な間隔
に取り付けたロープ141aによってドラム135に係
止されており、布状体141の頭側はドラム137に直
接に結合されている。そしてハンドル136を正または
逆に回転することにより布状体141が上下される。
【0004】布状体141の下方には、ベッドフレーム
131に排便孔143付きの浴槽144が載置し固定さ
れている。浴槽144の側部には給水口145、底部に
は排水口146が設けられている。また、ベッドフレー
ム131の足側には温風発生機147が設置され、ベッ
ドフレーム131の上方には幌148を設け得るように
なっている。
【0005】通常の状態ではハンドル136を操作して
布状体141に張りを与え病弱者を横臥させる。幌14
8を掛け、温風発生機147を作動させることにより病
弱者を裸で寝させることができるので、排泄時の後始
末、入浴作業が容易である。排便は浴槽144の排便孔
143から排出される。入浴させる時には給水口145
から温水を浴槽144に注入し、排泄物の付着物を洗浄
する。湯を張った後、ハンドル136を操作して布状体
141を下降させることにより入浴させることができ
る。入浴後は布状体141を元の状態に戻し、温風発生
機147から温風を出して病弱者の体から水分を除去し
得る。
【0006】このベッド130に使用されている布状体
141はテープ状布142を粗織したものであるが、横
臥している病弱者を上下させて浴槽144に浸けて取り
出すためのものであり、病弱者の姿勢を変えさせ床ずれ
を防止する機能は有していない。また、横臥している病
弱者を布状体141と共に上下させるべくハンドル13
6を人手で操作する必要があり、かなりの労力を必要と
する。又、温風発生機147は足側にのみしか設けられ
ておらず、体を速かに乾かすという観点からは十分では
ない。
【0007】更には、図21は第5従来例の実開平5−
5125号公報に係る「システムベッド」に開示されて
いる入浴と排便が可能なベッド150の斜視図であり、
全体としては金属製の枠体151の両端部の回動軸15
1a,151b(151bは図示されていない)の回り
に回動可能に支持されるベッド本体152と、ベッド本
体152に係合されている入浴用サポートトレイ153
とからなり、図21は回動されて垂直なベッド本体15
2と浴槽154に浸漬された入浴用サポートトレイ15
3を示す。入浴用サポートトレイ153には温湯を流入
させるための多数の孔153hが設けられている。
【0008】また、ベッド本体152には足側からマッ
ト155a、155b、155c、155dと不均等な
幅に5分割されたマット155が設けられており、病弱
者が足を曲げたり、上半身を起こすことができる。マッ
ト155cは更にその内側に排便用マット155eを有
し、その下方には水洗便器159が設けられている。そ
の他、図示されていないが、ベッド本体152には床ず
れ防止用のベッド傾斜調節機能が設けられている。ま
た、ベッド本体152の足側の外方には、専用架台上に
上部カプセル157が設けられ、ベッド本体152が通
常の水平位置にある場合に、ベッド本体152の両側に
設けたレール158上を移動され、用便時などに病弱者
の下半身をカバーする。上部カプセル157内には図示
されていないが排泄後の洗浄のための温水給水管、洗浄
後の乾燥のための温風供給ユニット等が設置されてい
る。
【0009】ベッド本体152および入浴用サポートト
レイ153の回動と両者の位置関係を頭部側から見た図
である図22を参照して、図22のAはベッド本体15
2が通常の水平位置にあり、入浴用サポートトレイ15
3は下方へ畳み込まれている状態を示す。入浴時には、
入浴用サポートトレイ153は図22のBの位置まで回
動して引き出され、続いて図22のCの位置までスライ
ドされて病弱者Kがベッド本体152から移し替えられ
る。次いで入浴用サポートトレイ153は図22のDに
示すように元の位置へスライドされた後、ベッド本体1
52が枠体151と共に回動軸151a、151bの回
りに回動されて垂直になり、入浴用サポートトレイ15
3が浴槽154内に浸漬される。
【0010】このベッド150に関し、入浴時において
病弱者Kと共にベッド本体152、入浴用サポートトレ
イ153を回動させる動力についての説明はされていな
いが、これを人手で行なうにはかなりの労力を要する。
また、病弱者Kをベッド本体152から入浴用サポート
トレイ153へ移し替える作業、浴後には元へ戻す作業
が必要であるが、これらは病弱者、介護者にとって負担
となる。また、床ずれ防止用に設けられているとするベ
ッド傾斜調節機能は図示されていないので具体的に理解
し難いが、ベッド本体152を単に傾斜させるものであ
ろう。
【0011】また更には、図23は第6従来例の特開平
6−277253号公報に係る「エアコン装置ノンベッ
ディング省力衛生介護用寝台」に開示されている入浴と
排便とが可能な寝台160の斜視図であり、箱板前側1
61と箱板横側162などによって箱形に形成され、電
動開閉される蒲鉾型の天蓋幕164が移動用レール16
5上を走行する。内部の寝台マット163上に横臥する
病弱者の首、肩へはのれん状の布166が垂らされて内
部は気密に保たれ、寝台内には必要な箇所に防水敷布が
交換可能に敷かれ防水構造とされている。また、寝台マ
ット163上で半裸体で過ごす病弱者を保温、保湿する
ために空気調整されており、天蓋幕164を除いた俯瞰
図である図24を参照して、箱板横側162等に空気調
整吹出口171、空気調整排気口175が設けられ、寝
台マット163は電熱保温されている。その他、入浴
用、排便用として温水吹出口173、温風吹出口172
が設けられている。頭部には給湯水口178と共に洗顔
用流し179が設けられている。
【0012】図25は排便時における寝台160を示す
縦断面図であり、図26は入浴時における寝台160の
縦断面図である。排便の際は、寝台マット163の病弱
者の尻部に対応する可動部分176を移動させて開口
し、下方の温水噴射可能な便器177へ排便される。用
便後は寝台の両脇の温水吹出口173と便器177から
噴射される温水によって尻を洗浄し、温風吹出口172
から温風を送って乾かす。入浴の際は、排便用の可動部
分176にパッキンを詰めて漏水を防止し、寝台160
全体を浴槽化して湯Wを張り、天蓋幕164を開けて湯
浴みする。浴後は天蓋幕164を閉じ、内部に温風吹出
口172から温風を送って身体を乾かす。排湯は図24
に示す寝台マット163の排水口168、および排便用
の可動部分176から行なわれ、下水管または浄化槽へ
放流される。
【0013】この寝台160においては、寝台160自
体を浴槽化するので、防水構造とされてはいても漏水防
止には細心の注意を要し、かつ長期にわたって防水性能
を維持することは困難である。また、この寝台160に
は床ずれ防止機能は設けられていない。
【0014】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の問題
に鑑みてなされ、介護者に労力的な負担を与えることな
く、病弱者に床ずれが発生せず、入浴が容易で排便も衛
生的に処理することができ、病弱者が長期間にわたって
快適に過ごし得るベッドを提供することを目的とする。
【0015】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、横方向
のコード類と縦方向のコード類とで網目を形成させてフ
レームの内側に張架し、かつ前記横方向のコード類と前
記縦方向のコード類とをそれぞれ数本単位のユニットと
して独立して緊張させ弛緩させ得るようにした支持体と
してのネット、および該ネット上に敷かれ上下方向の貫
通孔を備えた不透水性の弾性体マットからなるベッド
と、該ベッドに横臥する病弱者の顔面近傍を開口部とし
て残して設けた頭部側の固定カバー、胸部より下方を覆
い伸縮して脚側へ開放可能な移動カバー、および前記開
口部において外気を遮断するために対向する前記固定カ
バーの端縁部と前記移動カバーの端縁部との間に設けた
エヤカーテンからなる前記ベッドの覆いと、前記固定カ
バー、前記移動カバー、および前記エヤカーテンによっ
て区画される空間内に吹出し口と吸込み口とが設けられ
た空気調和装置と、横臥する病弱者に向けて取りつけら
れた温水シャワーノズル、および身体乾燥用温風ノズル
からなるシャワー浴装置と、前記弾性体マットに設けら
れた排泄用開口、局部洗浄用温水ノズル、および局部乾
燥用温風ノズルからなる排泄物処理装置と、前記フレー
ムの全周から下方を包むように取り付けられたシンク、
該シンクの内表面を洗浄するためのシンク洗浄用水ノズ
ル、および前記シンクの底部に設けられ排泄物を固形分
と水分とに分離する遠心分離機か、または前記シンクの
底部に設けられ下水管ないしは浄化槽へ接続される排水
管からなる汚水処理装置とが設けられていることを特徴
とする病弱者用カプセルベッド、によって達成される。
【0016】
【作用】ベッドの支持体としてのネットの網目を形成し
ているコード類が縦方向、横方向のそれぞれにおいて数
本単位のユニットとして緊張、弛緩されるが、弛緩され
た縦方向のユニットと横方向のユニットとの交差箇所に
おいて形成される窪み領域によって弾性体マット上の病
弱者は横臥の姿勢を変えることができるので床ずれを予
防し得る。また、ベッドの上方は頭部側の固定カバー、
胸部より下方の移動カバー、および顔面近傍の開口部の
エヤカーテンによって覆われており、内部は空気調和装
置によって空気調和されているので、病弱者は裸体また
はそれに近い状態で過ごすことができる。
【0017】入浴時には横臥する病弱者に向けて取り付
けられているシャワー浴装置の温水シャワーノズルから
の温水によってシャワー浴することができ、身体乾燥用
温風ノズルからの温風によって濡れた身体を乾かし得
る。排水は弾性体マットに形成されている上下方向の貫
通孔から下方の汚水処理装置へ流される。
【0018】また、排便時には弾性体マットに形成され
た排泄用開口から下方へ排泄され、用便後は排泄物処理
装置の局部洗浄用温水ノズルからの温水によって洗浄さ
れ、局部乾燥用温風ノズルからの温風によって乾かされ
る。
【0019】シャワー浴の排水および排泄物は汚水処理
装置のシンク洗浄水と共にシンク底部へ集められ、遠心
分離機にかけて固形分と水分とに分離されるか、または
排水管を経て下水管ないしは浄化槽へ放流される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例による病弱者用カプセ
ルベッドについて図面を参照して説明する。
【0021】図1は実施例の病弱者用カプセルベッド1
0の平面図であり、図2は同側面図、図3は図2におけ
る[3]−[3]線方向の断面図である。病弱者用カプ
セルベッド10は架台9上にフレーム5が載置して固定
されており、フレーム5上には図1、図2の左方の頭部
側に固定カバー2、顔面近傍を通常時は約500〜60
0mmの開口部3として残し、胸部から下方には蛇腹構
造として脚部の方へ開放可能な移動カバー4が設けられ
ている。また、図3を参照して、固定カバー2のフラン
ジ2fの幅の中央部には空気吹出し用の円弧状スリット
2sが形成され、対向する移動カバー4のフランジで4
fにも同様な空気吸込み用のスリットが形成されてい
る。そして図2において固定カバー2のフランジ2fか
ら移動カバー4のフランジ4fへ至るエヤカーテンが設
けられ開口部3を外気から遮断している。
【0022】フレーム5には床ずれ防止用のネット13
が張架され、その上に発泡ウレタンマット15が敷かれ
てベッド本体1が形成されている。また、フレーム5に
は空気調和装置の吹出しダクト31、吸込みダクト3
2、シャワー浴装置の温水シャワーノズル42が設けら
れている。架台9内には汚水処理装置としてフレーム5
の全周から下方へ逆四角錐状のシンク61が設けられ、
シンク61内の上縁部にはシンク洗浄用水ノズル62、
底部には遠心分離機64が設置されている。なお、シン
ク61の外側は空気調和装置の本体39、ポンプユニッ
ト43、その他付帯機器の設置場所となっている。以
降、上記の各種装置について説明する。
【0023】図4は図3の部分拡大図であり、フレーム
5、ネット13、発泡ウレタンマット15等を示す。ま
た図5は図4におけるネット13と発泡ウレタンマット
15の部分拡大図であり、図6は図5におけるネット1
3のみの平面図である。ネット13は幅方向(横方向)
のナイロン・コード11と長さ方向(縦方向)のナイロ
ン・コード12とが平織り状に編まれて網目が形成され
ており、図4を参照してナイロン・コード11について
は、その一端部はフレーム5に設けたフック29に係止
され、他端部は対向するフレーム5上の緊張弛緩装置2
1のプーリ22に巻付けられている。このことは長さ方
向のナイロン・コード12についても同様である。
【0024】ネット13上に敷かれている発泡ウレタン
マット15は上下方向の貫通孔17が多数に設けられて
おり、発泡ウレタンマット15の全表面には不透水性層
16が形成されている。不透水性層16は発泡ウレタン
マット15の発泡部分に水が吸蔵されることを防ぐもの
であり、プラスチックフィルムを貼り合わせて形成させ
てもよく、発泡ウレタンマット15の表面のみを加熱熔
融させてフィルム層を形成させてもよい。貫通孔17は
後述するシャワー浴時における排水の排水路となる。な
お、本発明の請求項1に規定する「弾性体マット」は、
ネット13に形成される後述の窪み領域に追従し得るも
のであればよく、厳密な意味での弾性体であることを必
要としない。
【0025】図7はフレーム5に張架されているネット
13を説明するための平面図であり、ネット13上の発
泡ウレタンマット15、およびフレーム5に設けられて
いる吹出しダクト31、吸込みダクト32、温水シャワ
ーノズル42は省略されている。また、図8は図7にお
ける緊張弛緩装置21の拡大平面図であり、図9は図8
における[9]−[9]線方向の矢視図である。また図
10は図9における[10]−[10]線方向の断面図
である。図8、図9、図10を参照し、緊張弛緩装置2
1においては6本のナイロン・コード11を巻きつけた
6個のプーリ22が軸23に等間隔に固定されており、
軸23は両端部において、フレーム5に固定した軸受2
4によって軸支されている。また、軸23はウォームギ
ヤ機構25によって回動される。すなわち軸23の中央
部にはウォームホイール26が固定されておりこのウォ
ームホイール26に対し、ギヤモータ28の出力軸に固
定したウォームギヤ27が噛み合わされている。すなわ
ち、ギヤモータ28が駆動され、プーリ22が一方向へ
回動されることにより、6本のナイロン・コード11が
ユニットとして緊張され、他方向へ回動されることによ
り弛緩される。
【0026】図7を参照して、ネット13は幅方向(横
方向)の6本のナイロン・コード11をユニットとして
10ユニットからなり、それぞれのユニットは緊張弛緩
装置21のギヤモータ28によって緊張され弛緩される
が、幅方向のナイロン・コード11に対してギヤモータ
28が10個設けられている。また、長さ方向(縦方
向)についても同様であり、ナイロン・コード12に対
してギヤモータ28が5個設けられている。そして、そ
れら横方向10個と縦方向5個のギヤモータ28が駆動
されて床ずれ防止されるが、これらギヤモータ28の駆
動は後述する枕元の集中制御パネル71、および集中制
御パネル71を動作させる図示しないリモートコントロ
ーラの何れによっても可能となっている。
【0027】前述したように、固定カバー2、開口部3
におけるエヤカーテン、移動カバー4によって覆われて
いるベッド本体1上は空気調和装置によって所定の温
度、湿度で空気調和される。図3、図4を参照して、フ
レーム5には空気調和装置の吹出しダクト31と吸込み
ダクト32とがベッド本体1の幅方向に対向して設けら
れている。なお、開口部3では板カバー44の下方で頭
部側と胴部側との連通部のみが設けられている。そして
架台9の下方に設置されている空気調和装置の本体39
によって温度と湿度を調整された空気が循環される。な
お、この循環空気は空気調和装置の図示しない付帯機器
においてオゾンで脱臭され、ミクロフィルタで除塵さ
れ、水スクラバーで洗浄されている。
【0028】シャワー浴装置における温水シャワーノズ
ル42は、図3、図4、及び、フレーム5上の温水シャ
ワーノズル42の配置を示す図11(緊張弛緩装置21
およびネット13関連の機具は省略されている)を参照
して、シャワー用温水配管41がベッド本体1の幅方向
に対向してフレーム5上に布設されており、シャワー用
温水配管41には横臥する病弱者の頭部から足部にかけ
て複数の温水シャワーノズル42が設けられている。シ
ャワー浴時には移動カバー4は開口部3を約200mm
とするまで閉じられるが、その開口部3に相当する板カ
バー44の下方では温水シャワーノズル42は欠落され
ている。温水シャワーノズル42に給湯される温水は2
5〜45℃の範囲内で温度調節が可能になっており、ま
た石鹸液を混合し得るようになっている。なお、シャワ
ー用温水配管41に給湯する給湯ポンプは図3に示す架
台9の下方のポンプユニット43内に設けられている。
シャワー浴時の排水は前述したように発泡ウレタンマッ
ト15の貫通孔17を経由して下方へ排出される。浴後
は空気調和装置の吹出しダクト31から一定時間だけ温
度40℃の温風が吹き出すようになっており、濡れた体
が乾かされる。
【0029】排泄処理装置は図3、図11を参照して発
泡ウレタンマット15の、病弱者の臀部に相当する箇所
に排泄用開口18が形成されており、大小便時の排泄物
は排泄用開口18からネット13を通って下方の汚水処
理装置のシンク61へ排泄される。また、排泄用開口1
8に近いフレーム5にはシャワー用温水配管41の直下
に局部洗浄用温水ノズル52を設けた洗浄用温水配管5
1が布設されている。洗浄用温水配管51とシャワー用
温水配管41とはポンプユニット43内の吐出圧が調節
可能な給湯ポンプを共有しており、シャワー浴時、排便
時に応じ電磁弁で切り換えられる。下方のシンク61内
には図示せずとも排泄物の臭気を検知するための臭セン
サが設けられており、臭気によって排便が検知されると
シャワー用温水配管41から洗浄用温水配管51へ電磁
弁が切り換えられ、同時に給湯ポンプの吐出圧が上昇さ
れて局部洗浄用温水ノズル52から25〜45℃の範囲
内で所定の温度に制御された温水が局部へ噴射される。
続いて空気調和装置の吹出しダクト31から一定時間だ
け温度40℃程度の温風が吹き出されて局部が乾かされ
る。
【0030】汚水処理装置として、前述したようにフレ
ーム5の全周から下方へ逆四角錐形状のシンク61が設
けられており、シンク61内の上縁部にはポンプユニッ
ト43内の給水ポンプに接続された洗浄水配管63が布
設されており、この洗浄水配管63にはシンク洗浄用水
ノズル62がシンク61の内表面にほぼ並行に下向きに
複数設けられている。シンク洗浄用水ノズル62は排泄
物処理装置の局部洗浄用温水ノズル52と連動して水を
噴射するほか、所定の時間間隔で間欠的に水を噴射し、
シンク61内を常に清潔に保つ。シンク61の底部に設
置されている遠心分離機64も臭センサによって排便が
検知されると起動されて排泄物を固形分と水分とに分離
する。固形分と水分とはシンク61の外側に設けた固形
分貯留容器68、水分貯留容器69へ収容され、各貯留
容器68、69には図示せずとも無臭化と殺菌のための
薬剤注入機器が付設されている。
【0031】また、頭部の固定カバー2内には集中制御
パネル71が設置されており、上述のネット13におけ
る縦方向、横方向のナイロン・コード11、12におけ
る各ユニットの緊張と弛緩の制御、空気調和装置におけ
る空気の温度、湿度、循環風量の制御、シャワー浴装置
における温水の温度、給湯ポンプの吐出圧の調整、シャ
ワリング時間ないしはシャワリングの追加、空調用空気
を乾燥に使用するための所定時間の昇温、排泄物処理装
置における臭センサで排便が検知された時のシャワ用温
水配管41から洗浄用温水配管51への切り換え、温水
温度、局部洗浄用温水ノズル52からの噴射時間ないし
は噴射の追加、空調用空気の所定時間の昇温および、汚
水処理装置におけるシンク洗浄用水ノズル62からの洗
浄水の噴射、遠心分離機64の起動と停止、固形分貯留
容器68、水分貯留容器69への薬剤の注入などが制御
されており、床ずれ防止のためのネット13の緊張と弛
緩、シャワー浴装置、排泄物処理装置は集中制御パネル
71を動作させる図示しないリモートコントローラによ
っても制御できるようになっている。
【0032】また、集中制御パネルは水系配管内および
空気ダクト内に設置した図示しない流量センサ、温度セ
ンサによって空気調和装置、シャワー浴装置、排泄物処
理装置、汚水処理装置が正常に作動していることを常に
監視しており、その監視状況を随時に確認し得るように
なっている。
【0033】本発明の実施例による病弱者用カプセルベ
ッド10は以上のように構成されるが、次ぎにその作用
について説明する。
【0034】長期療養する病弱者は図1、図2に示す病
弱者用カプセルベッド10の発泡ウレタンマット15上
において横臥した姿勢で過ごすが、頭部の固定カバー
2、開口部3におけるエヤカーテン、胸部より下方の移
動カバー4で覆われている空間6内はやや高めの温度で
空気調和されているので病弱者は裸体またはそれに近い
状態で過ごすことができ、衣服着脱の煩わしさがないほ
か、病弱者用カプセルベッド10内でシャワー浴や、排
便とその後の局部洗浄が容易に行える。また、顔面近傍
は開口部3としてエヤカーテンが設けられているので、
病弱者は圧迫感を受けることなく外気から完全に遮断さ
れる。また、空間6内を循環される空気は空気調和装置
の付帯機器においてオゾンで脱臭されるので病弱者の発
する臭気が外部へ洩れることはなく、また、水スクラバ
で洗浄され、塵埃はミクロフィルタで濾過されるので病
弱者は常に清浄な空気内で過ごし得る。
【0035】病弱者が横臥する発泡ウレタンマット15
を支持しているネット13は図7を参照して横方向(幅
方向)のナイロン・コード11と縦方向(長さ方向)の
ナイロン・コード12とがそれぞれ6本単位のユニット
として緊張され弛緩されるが、ネット13の部分斜視図
である図12を参照し、横方向のナイロン・コード11
と縦方向のナイロン・コード12とが編まれたネット1
3において、6本のナイロン・コード11’からなる弛
緩されたユニットと、6本のナイロン・コード12’か
らなる弛緩されたユニットとの交差箇所では上方からの
荷重によって窪み領域Pが形成される。
【0036】図13は図7に示すネット13においてそ
れぞれ6本のナイロン・コード11からなる幅方向(横
方向)のユニットa、b、c、d、e、f、g、h、
i、jと、6本のナイロン・コード12からなる長さ方
向(縦方向)のユニットA、B、C、D、Eとを帯状に
示した平面図であるが、全てのユニットが緊張されてネ
ット13が平面状となっている状態から、横方向の全て
のユニットa、b、c、d、…、jと、縦方向のユニッ
トDとを弛緩させることにより、斜線で示す窪み領域Q
を形成させることができる。従って、平面状のネット1
3に横臥していた一点鎖線で示す病弱者は形成される窪
み領域Qに半身を落とし込むようになって姿勢が変えら
れる。
【0037】また、この窪み領域Qは横方向のユニット
a、b、c、d、…、jの弛緩はそのままとし、縦方向
の弛緩されているユニットDを緊張させ、緊張されてい
たユニットCを弛緩させることによって、矢印で示す方
向へ移動させることができる。更には平面状のネット1
3において横方向のユニットf、gと、縦方向のユニッ
トBのみを弛緩させることにより、交差線で示す局所的
な窪み領域Rを形成させることも可能である。
【0038】勿論、これら各ユニットの緊張と弛緩は対
応するギヤモータ28を駆動させて行われるので、ギヤ
モータ28の駆動を制御する集中制御パネル71を操作
することによって、または集中制御パネル71を動作さ
せる図示しないリモートコントローラによって、ネット
13上の好みの場所に好みの大きさの窪み領域を形成さ
せることができ、病弱者の姿勢をきめ細かく変え得る。
そして、この操作は病弱者自身によっても、また介護者
によっても可能である。更には、希望の複数の窪みパタ
ーンを所定の順序に従い所定の時間間隔で繰り返すよう
な自動制御も行い得る。
【0039】病弱者は発泡ウレタンマット15に横臥し
たままで温水シャワーを浴びることができる。図3、図
11を参照して、シャワー浴時には、給湯ポンプからの
ラインが電磁弁でシャワー用温水配管41に切り換えら
れると共に給湯ポンプが起動され吐出圧が調整されて温
水シャワーノズル42から25〜45℃の範囲内の所定
の温度に制御された温水が病弱者に向けて所定時間噴射
される。この温水中には石鹸液の混合が可能である。
【0040】シャワー浴時の排水は発泡ウレタンマット
15に多数に形成されている貫通孔17から下方へ排出
される。シャワー浴時には発泡ウレタンマット15に多
量の湯がかかるが、発泡ウレタンマット15の全表面に
は不透水性層16が設けられており湯水は吸蔵されない
ので、浴後に特別な乾燥を必要としない。浴後、空気調
和装置の吹出しダクト31から空気が所定時間だけ40
℃程度に昇温されて吹き出され、病弱者の濡れた身体が
乾かされる。なお、シャワー浴は集中制御パネル71に
よって、毎日、所定の時間に行われるようにすることの
ほか、集中制御パネル71ないしはリモートコントロー
ラを操作して任意の時に温水シャワーを浴びることも可
能である。
【0041】また、病弱者は発泡ウレタンマット15に
横臥したままで排便ができる。図3、図11を参照して
大便、小便共に発泡ウレタンマット15に設けた排泄用
開口18からネット13の網目を経て下方の汚水処理装
置のシンク61上へ排泄される。排便はシンク61内に
設置されている図示しない臭センサによって検知され、
給湯ポンプからのラインが電磁弁で洗浄用温水配管51
へ切り換えられると共に給湯ポンプが起動され吐出圧が
調整されて、局部洗浄用温水ノズル52から25〜45
℃の範囲内の所定の温度に制御された温水が所定時間噴
射され局部が洗浄される。同時に排泄物が付着して汚れ
た周辺部の発泡ウレタンマット15やネット13も洗浄
される。リモートコントローラによって局部洗浄用温水
ノズル52からの温水噴射を繰返して洗浄不十分な箇所
を更に洗浄し得る。用便後、空気調和装置の吹出しダク
ト31から空気が所定時間だけ40℃程度に昇温されて
吹き出され、濡れた局部や周辺部が乾かされる。
【0042】また、下方の汚水処理装置においては、臭
センサによって排便が検知されると洗浄用の給水ポンプ
とシンク61の底部の遠心分離機64とが起動され、給
水ポンプからの洗浄水は洗浄水配管63を経てシンク6
1の上縁部に設けたシンク洗浄用水ノズル62から下方
へ向けて所定時間噴射される。このシンク洗浄用水ノズ
ル62からの洗浄水の噴射は排便時以外にも所定の時間
間隔で間欠的に行われるので、シンク61は常に清潔に
保たれる。
【0043】シンク洗浄用水ノズル62からの噴射され
る洗浄水によって底部へ導かれた排泄物は遠心分離機6
4において固形分と水分とに分離されて、固形分貯留容
器68、水分貯留容器69とに収容される。各貯留容器
68、69には無臭化と殺菌のために薬剤注入機器から
薬剤が注入される。従って各貯留容器68、69が架台
9の下方にあっても臭気に悩まされることはなく、介護
者は無菌の排泄物を取扱うことになるので衛生上の問題
も発生しない。なお、水分貯留容器69にはシャワー浴
時の排水、排便時以外のシンク洗浄水も流入するが、水
分貯留容器69からは一般下水管または浄化槽へ導くこ
とができる。
【0044】上記のようにして、病弱者は本実施例の病
弱者用カプセルベッド10内において、ベッド本体1の
支持体としてのネット13に形成される窪み領域によっ
て床ずれが発生せず、かつベッド本体1に横臥したまま
でシャワー浴を行い、排便と洗浄を行い得るが、これら
は何れも介護者に負担を与えることなく行ない得る。ま
た、病弱者用カプセルベッド10内は空気調和され、脱
臭され、除塵され、排泄物についても無臭化と殺菌が行
われるので、清潔な環境下、長期間を極めて快適に過ご
すことができる。
【0045】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限られることなく、本発明の
技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0046】例えば本実施例においては、ベッド本体1
の支持体としてのネット13にナイロン・コードを使用
したが、スチール・コードとしてもよく、また、スチー
ル・ベルトの如き帯状のものを使用してもよい。
【0047】また、本実施例においてはネット13の形
成に横方向のナイロン・コード11と縦方向のナイロン
・コード12とを平織り状に編んだが、ナイロン・コー
ドの緊張と弛緩とがスムースに行ない得るのであれば、
これ以外の編み方、例えば綾織りや繻子織りとしてもよ
く、編まずに単に接触させた状態で直交させるだけでも
よい。
【0048】また、本実施例においては、ナイロン・コ
ード11、12からなるユニットの緊張と弛緩をギヤモ
ータ28で行なったが、これ以外の方法、例えばハンド
ルや挺子を利用した倍力機構で行なってもよい。
【0049】また、本実施例においては弾性体マットと
して、発泡ウレタンマット15を使用したが、弾性体マ
ットはネット13に形成される窪み領域に追従し得るも
のであれば、これ以外の如何なるものであってもよい。
例えば封筒状のプラスチックフィルムからなる袋に合成
繊維綿を封入したものであってもよい。
【0050】また、本実施例においては、発泡ウレタン
マットの全表面に不透水性層を形成させたが、発泡ウレ
タンマットが独立泡で形成され、湯水を吸収しないもの
であれば、表面に不透水性層を設けることは必要でな
い。
【0051】また、本実施例においては、フレーム5を
固定されたものとして示したが、変形例フレーム5’の
部分破断側面図である図14に示すように、蝶番58で
連結した2分割フレーム51 、52 からなるフレーム
5’とし、架台9に固定した中孔抜きモータ6で伸長さ
れるねじ軸7によって自在継手8を介しフレーム51
押しあげて屈曲させ、仰臥する病弱者の上半身を起こし
得るようにしてもよい。また、フレーム5の縦方向の水
平軸の回りに傾斜させるようにするか、または横方向の
水平軸の回りに傾斜させるようにしてもよく、これら屈
曲や傾斜と本発明の横方向と縦方向とのナイロン・コー
ド11、12の弛緩によって形成される窪み領域との両
者を組み合わせることにより病弱者の姿勢をよりきめ細
かく変え得る。
【0052】また、本実施例においては、シャワー浴装
置の温水シャワーノズル42を病弱者の両側に設けた
が、片側にのみ設けてもよい。
【0053】また、本実施例においては、汚水処理装置
としてのシンク61の底部に遠心分離機64を設置して
排泄物を固形分と水分とに分離したが、シンク61の底
部に排水管を設けて一般下水管または浄化槽へ接続する
ようにしてもよい。この場合、シンク61と下水管また
は浄化槽との間を通常時は遮断する機器、例えば弁また
は水封装置のあることが望まれる。また、この場合、シ
ンク61内に例えばプロペラ状の固形分破砕機を付設す
ることにより排泄物の放流がスムースになる。
【0054】また、本実施例においては、発泡ウレタン
マット15に排泄用開口18を設けたままとしたが、こ
の開口18に嵌め込み得る蓋材を同一の発泡ウレタンマ
ットで作成し、排便時には取りはずすようにしてもよ
い。
【0055】また、本実施例においては、排泄用開口1
8の直下のネット13は残したままとしたが、当該箇所
においてナイロン・コード11とナイロン・コード12
とを欠落させたネット13としてもよい。
【0056】また、本実施例においては特に設けなかっ
たが、好ましくは防水仕様の電話、ラジオ、ないしはテ
レビジョン、書籍保持台を好みに応じて設けることによ
り病弱者はより快適に過ごし得るようになる。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1に
よる病弱者用カプセルベッドによれば、ベッドの支持体
としてのネットを構成する横方向と縦方向のコード類が
それぞれ複数本単位のユニットとして緊張、弛緩されて
弛緩ユニットの交差箇所で窪み領域が形成されることに
より、ネット上の弾性体マットに横臥する病弱者は床ず
れが防止される。また、ベッドは固定カバーと移動カバ
ーで覆い、開口部はエヤカーテンで外気と遮断して空気
調和されているので病弱者は裸体かそれに近い状態で過
ごすことができ衣服着脱の煩わしさがない。また、ベッ
ドに横臥したまま温水シャワーを浴びることができ、か
つ排便は弾性体マットの排泄用開口から下方のシンクへ
排泄され、局部は温水で洗浄される。そして浴後、用便
後の濡れた身体は身体乾燥用温風ノズルまたは局部乾燥
用温風ノズルによって乾かされる。さらには、排泄物は
シンク洗浄水によってもシンクの底部へ集められ、遠心
分離機で固形分と水分とに分離されるか、または排水管
を経て下水管ないしは浄化層へ放流される。このように
して病弱者は清潔なベッド上で長期間を快適に過ごすこ
とができる。
【0058】また、請求項2による病弱者用カプセルベ
ッドによれば、支持体としてのネットを構成するコード
類のユニットを緊張、弛緩させることによる病弱者の姿
勢の変更がギヤモータによって行なわれるので介護者の
労力的負担が極めて軽減される上、ユニットの緊張と弛
緩との制御が容易に行える。
【0059】また、請求項14による病弱者用カプセル
ベッドによれば、ネットにおける各ユニットの緊張と弛
緩の制御、空気調和装置、シャワー浴装置、排便処理装
置、汚水処理装置における温度、湿度、風量、水量、圧
力、弁の切り換え、運転時間などが集中制御装置によっ
て制御されるので、装置を操作して好みの条件を総合的
に設定し得るし、全自動運転も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の病弱者用カプセルベッドの平面図であ
る。
【図2】同側面図である。
【図3】図2における[3]−[3]線方向の断面図で
ある。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】図4の部分拡大図であり、発泡ウレタンマット
とネットとを示す。
【図6】図5に示すネットの平面図である。
【図7】フレームに張架されたネットを示す平面図であ
る。
【図8】図7における緊張弛緩装置の拡大平面図であ
る。
【図9】図8における[9]−[9]線方向の矢視図で
ある。
【図10】図9における[10]−[10]線方向の断
面図である。
【図11】温水シャワーノズルの配置を示す平面図であ
る。
【図12】ネットに形成される窪み領域の斜視図であ
る。
【図13】ネット全面における横方向と縦方向のユニッ
トを模式的に示す平面図である。
【図14】フレームの変形例を示す部分破断側面図であ
る。
【図15】第1従来例の便器を備えたベッドの縦断面図
である。
【図16】第2従来例のシャワーによる人体洗浄装置の
縦断面図である。
【図17】第3従来例の空気調和されたベッドの斜視図
である。
【図18】第4従来例の入浴と排便とが可能なベッドの
部分破断側面図である。
【図19】図8における[9]−[9]線方向の断面図
である。
【図20】同平面図であり、幌は除かれている。
【図21】第5従来例の入浴と排便とが可能なベッドの
斜視図である。
【図22】同ベッドのベッド本体と入浴用サポートトレ
イとの回動と相対的な位置関係を示す図である。
【図23】第6従来例の入浴と排便とが可能な寝台の斜
視図である。
【図24】同寝台の俯瞰図であり天蓋幕が除かれてい
る。
【図25】排便時における同寝台の縦断面図である。
【図26】入浴時における同寝台の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ベッド本体 2 固定カバー 3 開口部 4 移動カバー 5 フレーム 10 病弱者用カプセルベッド 11 横方向のナイロン・コード 12 縦方向のナイロン・コード 13 ネット 15 発泡ウレタンマット 16 不透水性層 17 貫通孔 18 排泄用開口 21 緊張弛緩装置 22 プーリ 23 軸 25 ウォームギヤ機構 28 ギヤモータ 31 空気調和装置の吹出しダクト 32 空気調和装置の吸込みダクト 42 温水シャワーノズル 52 局部洗浄用温水ノズル 61 シンク 62 シンク洗浄用水ノズル 64 遠心分離機 71 集中制御パネル

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横方向のコード類と縦方向のコード類と
    で網目を形成させてフレームの内側に張架し、かつ前記
    横方向のコード類と前記縦方向のコード類とをそれぞれ
    数本単位のユニットとして独立して緊張させ弛緩させ得
    るようにした支持体としてのネット、および該ネット上
    に敷かれ上下方向の貫通孔を備えた不透水性の弾性体マ
    ットからなるベッドと、該ベッドに横臥する病弱者の顔
    面近傍を開口部として残して設けた頭部側の固定カバ
    ー、胸部より下方を覆い伸縮して脚側へ開放可能な移動
    カバー、および前記開口部において外気を遮断するため
    に対向する前記固定カバーの端縁部と前記移動カバーの
    端縁部との間に設けたエヤカーテンからなる前記ベッド
    の覆いと、前記固定カバー、前記移動カバー、および前
    記エヤカーテンによって区画される空間内に吹出し口と
    吸込み口とが設けられた空気調和装置と、横臥する病弱
    者に向けて取りつけられた温水シャワーノズル、および
    身体乾燥用温風ノズルからなるシャワー浴装置と、前記
    弾性体マットに設けられた排泄用開口、局部洗浄用温水
    ノズル、および局部乾燥用温風ノズルからなる排泄物処
    理装置と、前記フレームの全周から下方を包むように取
    り付けられたシンク、該シンクの内表面を洗浄するため
    のシンク洗浄用水ノズル、および前記シンクの底部に設
    けられ排泄物を固形分と水分とに分離する遠心分離機
    か、または前記シンクの底部に設けられ下水管ないしは
    浄化槽へ接続される排水管からなる汚水処理装置とが設
    けられていることを特徴とする病弱者用カプセルベッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記ユニットにおける前記数本のコード
    類のそれぞれの一端部が巻きつけられた数個のプーリを
    固定する軸にウォームホイールが設けられており、前記
    ユニットの緊張と弛緩とが前記ウォームホイールに噛み
    合わせれたウォームギヤを回転させるギヤモータで行な
    われる請求項1に記載の病弱者用カプセルベッド。
  3. 【請求項3】 前記空気調和装置の前記吹出し口と前記
    吸込み口とが前記ベッドの幅方向に対向して前記フレー
    ムに取り付けられている請求項1または請求項2に記載
    の病弱者用カプセルベッド。
  4. 【請求項4】 前記空気調和装置による空気が脱臭さ
    れ、水洗浄され、フィルタで濾過されている請求項1か
    ら請求項3までの何れかに記載の病弱者用カプセルベッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記シャワー浴装置の前記温水シャワー
    ノズルおよび前記身体乾燥用温風ノズルが、前記ベッド
    に横臥する病弱者に向けて前記フレームの少なくとも片
    側に複数個取り付けられている請求項1から請求項4ま
    での何れかに記載の病弱者用カプセルベッド。
  6. 【請求項6】 前記温水シャワーノズルから噴射される
    温水が温度制御されており、かつ石鹸液の混合が可能で
    ある請求項1から請求項5までの何れかに記載の病弱者
    用カプセルベッド。
  7. 【請求項7】 前記温水シャワーノズルへの給湯ポンプ
    の吐出圧力が調節可能である請求項1から請求項6まで
    の何れかに記載の病弱者用カプセルベッド。
  8. 【請求項8】 前記シャワー浴装置の前記身体乾燥用温
    風ノズル、および前記排泄物処理装置における前記局部
    乾燥用温風ノズルが前記空気調和装置の前記吹出し口と
    兼用されている請求項1から請求項7までの何れかに記
    載の病弱者用カプセルベッド。
  9. 【請求項9】 前記排泄物処理装置が排泄物の臭気を検
    知して起動される請求項1から請求項8までの何れかに
    記載の病弱者用カプセルベッド。
  10. 【請求項10】 前記排泄物処理装置の前記局部洗浄用
    温水ノズルが前記温水シャワーノズルへの前記給湯ポン
    プを共用して設けられており、自動的に何れかへ切り替
    えられる請求項1から請求項9までの何れかに記載の病
    弱者用カプセルベッド。
  11. 【請求項11】 前記汚水処理装置における前記シンク
    洗浄用水ノズルへの給水ポンプおよび前記遠心分離機が
    前記排泄物処理装置と同時に起動される請求項1から請
    求項10までの何れかに記載の病弱者用カプセルベッ
    ド。
  12. 【請求項12】 前記汚水処理装置における前記遠心分
    離機の下流側に分離された固形分と水分とのそれぞれに
    対する貯留容器および無臭化し殺菌するための薬剤注入
    機器が設けられている請求項1から請求項11までの何
    れかに記載の病弱者用カプセルベッド。
  13. 【請求項13】 前記汚水処理装置の前記シンク内に前
    記排泄物処理装置と連動して排泄物中の固形分を破砕す
    るための破砕機が設けられており、破砕された排泄物が
    前記排水管へ導かれる請求項1から請求項12までの何
    れかに記載の病弱者用カプセルベッド。
  14. 【請求項14】 前記ネットにおける前記コード類から
    なるユニットの緊張と弛緩の制御、および前記空気調和
    装置、前記シャワー浴装置、前記排泄物処理装置、前記
    汚水処理装置における温度、湿度、風量、水量、圧力、
    弁の切換え、運転時間の制御を行なうための集中制御装
    置が設けられている請求項1から請求項13までの何れ
    かに記載の病弱者用カプセルベッド。
  15. 【請求項15】 前記集中制御装置が前記空気調和装
    置、前記シャワー浴装置、前記排泄物処理装置、前記汚
    水処理装置に於ける異常の発生を監視しており、監視状
    況を随時に確認し得る請求項14に記載の病弱者用カプ
    セルベッド。
  16. 【請求項16】 前記ベッドのフレームが幅方向の横軸
    の回りの傾斜、長さ方向の縦軸の回りの傾斜、または仰
    臥する病弱者の上半身を起こすような屈曲を可能とされ
    ている請求項1から請求項15までの何れかに記載の病
    弱者用カプセルベッド。
  17. 【請求項17】 テレビジョン、ラジオ、電話、書籍保
    持台のいづれか、またはすべてが設けられている請求項
    1から請求項16までの何れかに記載の病弱者用カプセ
    ルベッド。
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Cited By (3)

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WO2006108540A1 (en) * 2005-04-12 2006-10-19 Dankmar Olbertz Bedding device for a person, and bed comprising a bedding device
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